JP2005097560A - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一方向の初期弾性率が2.5〜10GPa、衝撃強度が40〜10000J/mm、少なくとも一方向の150℃での熱収縮率が−0.5〜6%であり、ヘイズが0.001〜7%、縦方向と横方向の熱収縮率の差の絶対値が1.1%以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明において、これらの層はフィルムの一方の面に形成するか、または、いずれもの面に形成するか任意であって、用途に応じて適宜定めることができる。これらの表面処理層を形成したポリエステルフィルムの、縦方向と横方向の熱収縮率の差の絶対値が1.1%以下、好ましくは0.9%以下、より好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.3%以下である。1.1%を超えると、レトルト処理後のガスバリア性が安定しなかったり、熱安定性がなくなったりするため、好ましくない。
ポリエステル樹脂系コート剤としては商品名バイロン(東洋紡績社製)やスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸0.5〜15モル%と、スルホン酸金属塩基を含有しないジカルボン酸85〜99.5モル%との混合ジカルボン酸をポリオール成分と反応させて得られた水不溶性のポリエステル共重合体である。上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸としては、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフエノキシ〕イソフタル酸等の金属塩が挙げられ、特に好ましいのは5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。これらのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分は、全ジカルボン酸成分に対して0.5〜15モル%であり、望ましくは、2.0〜10モル%である。15モル%を越えると水に対する分散性は向上するが、ポリエステル共重合体の耐水性が著しく低下し、また0.5モル%未満では、水に対する分散性が著しく低下する。ポリエステル共重合体の水に対する分散性は、共重合成分の種類及び配合比などによって異なるが、上記スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸は水に対する分散性を損なわない限り、少量の方が好ましい。スルホン酸金属塩基を含まないジカルボン酸としては、芳香族、脂環族、脂肪族のジカルボン酸が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成分の40モル%以上であることが好ましく、40モル%未満ではポリエステル共重合体の機械的強度や耐水性が低下する。脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。これらの非芳香族ジカルボン酸成分を加えると、場合によっては接着性能が高められるが、一般的にはポリエステル共重合体の機械的強度や耐水性を低下させる。上記混合ジカルボン酸と反応させるポリオール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは、炭素数6〜12個の脂環族グリコールであり、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、P−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、等である。またポリエーテルとして、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。また、P−オキシエトキシ安息香酸の様なオキシカルボン酸成分を共重合させてもよい。
(ポリエステル系グラフト共重合体)
グラフト重合は、一般には、疎水性共重合性ポリエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させた状態において、ラジカル開始剤を使用して少なくとも1種の重合性不飽和単量体を反応せしめることにより実施される。グラフト化反応終了後の反応生成物は、所望の疎水性共重合性ポリエステルと重合性不飽和単量体とのグラフト共重合体の他に、グラフト化を受けなかった疎水性共重合性ポリエステル樹脂及び疎水性共重合性ポリエステルにグラフト化しなかった上記不飽和単量体の重合体をも含有している。本発明におけるポリエステル系グラフト共重合体とは、上記したポリエステル系グラフト共重合体ばかりではなく、これに未反応の疎水性共重合性ポリエステル、グラフト化しなかった不飽和単量体の重合体等も含む反応混合物もいう。
本発明において、疎水性共重合性ポリエステル樹脂とは、本来それ自身で水に分散又は溶解しない本質的に水不溶性である必要がある。水に分散する又は溶解するポリエステル樹脂を、グラフト重合に使用すると、本発明の目的である接着性、耐水性が悪くなる。この疎水性共重合性ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分の組成は、芳香族ジカルボン酸60〜99.5モル%、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸0〜40モル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸0.5〜10モル%であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸が60モル%未満である場合や脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸が40モル%を越えた場合は、接着強度が低下する。
また、ポリアクリル樹脂はアクリル酸もしくはその誘導体及び必要に応じてビニル基を有するアクリル酸(誘導体)以外の単量体を重合させて得られる。使用される単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸(以下、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸とする)(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘブチル、オクチル、2−エチルヘキシルエステル)、メチルメタアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、スチレン、グリシジルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどが例示される。
金属又は無機酸化物の蒸着層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法等の物理蒸着法、あるいはCVD等の化学蒸着法等を適宜用いることができ、このとき採用される加熱法としては、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱等が適用採用できる。反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭素ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いる反応性蒸着法を採用してもよく、また、基板にバイアスを印可したり、基板の加熱、冷却等製膜条件の変更も可能である。このような蒸着材料や、反応ガス、基板バイアス、加熱・冷却条件は、スパッタリング法やCVD法を採
用する際に於いても同様に変更可能である。金属又は無機酸化物の蒸着前あるいは蒸着中に、被蒸着基材表面に、コロナ放電処理、火炎処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、粗面化処理等を施して金属又は無機酸化物の密着強度を一層高めることも有効である。
還元粘度(ηsp/c)
ポリマー0.125gをフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)25mLに溶解しウベローデ粘度管を用いて25℃で測定した。単位はdL/gである。樹脂はチップの形状で、フィルムは細断して測定に供する。
JIS−K7127−1989に従い、オートグラフ(島津製作所社製:AG−5000A)を用いて行った。
サンプルを10mm×150mmにカットし、100mm間隔で標線を入れたものを10本作成する。その後、無荷重下で150℃のギアオーブン中に30分間放置し、取り出した後に室温で標線の間隔を測定して、下式に従い求め、10本の平均値を各サンプルの熱収縮率(%)とした。
A:加熱前の標線の間隔距離
B:加熱後の標線の間隔距離
フィルムの縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の値の差の絶対値(%)を熱収縮率差とした。
C:縦方向の熱収縮率
D:横方向の熱収縮率
JIS−K−7105−1981に基づき、濁度計(日本電色工業社製:NDH2000)を使用して測定し、表されるヘイズ(HZ)の値を使用した。
フィルムインパクトテスター(東洋精機製作所社製:製造番号T−84−3)を使用し、測定フィルムをクランプで押さえ付け、1/2インチ径半球衝撃ヘッドで突き刺し、サンプルの衝撃強度を測定した。サンプルは10枚用意し、インパクトする面を変え5枚ずつ測定した。サンプルは100mm×100mm以上に切り、サンプルを固定するリングは内径30mmであった。求めたサンプルの衝撃強度の平均値を求め、その値を厚さ1mmあたりに換算してフィルムの衝撃強度(J/mm)として求めた。
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のAl2O3(純度99.5%)とSiO2(純度99.9%)を用い、実施例、比較例において得られたポリエステルフィルムの一方の面に固形分0.3g/m2の接着改質層(ポリエステル樹脂水分散体(東洋紡績社製:MD1200:固形分30重量%)100重量部、メチル化メラミン(住友化学社製:M−30W)40重量部、水410重量部、イソプロピルアルコール50重量部の混合液をワイヤーバーでコートし、160℃1分乾燥して形成した層)を形成し、次いで真空蒸着装置へ送り、チャンバー内を1.5×10-5Torrの圧力に保持し、SiO270重量%とAl2O330重量%の混合無機酸化物を15kwの電子線加熱によって蒸発させ、厚さ220Åの無色透明な無機蒸着層を接着改質層上に形成した。
その後、酸素透過度を酸素透過度測定装置(ModernContorols社製:OX−TRAN・10/50A)を使用し、湿度50%、温度25℃で測定した。単位はmL/(m2・MPa・24hours)。水蒸気透過度を水蒸気透過度測定装置(ModernContorols社製:PERMATRAN)を使用し、湿度0%、温度25℃で測定した。単位はg/(m2・24hours)。食品包装の点から、酸素は50mL/(m2・MPa・24hours)以下、水蒸気は5.0g/(m2・24hours以下を合格とした。
上記(7.)の方法で蒸着層を設けたサンプルを15cm×15cmで10枚用意し、3リットルの容器中で95℃の熱水中に攪拌しながら、30分間浸漬した後に23℃65RH%に24hr放置した後に、6項と同様に酸素透過度、水蒸気透過度を測定した。食品包装の点から、酸素は50mL/(m2・MPa・24hours)以下、水蒸気は10g/(m2・24hours)以下を合格とした。
上記(7.)の方法で蒸着層を設けたサンプルを125℃、30分間オートクレーブ中で処理した後に23℃65RH%に24hr放置した後に、上記と同様に酸素透過度、水蒸気透過度を測定した。食品包装の点から、酸素は50mL/(m2・MPa・24hours)以下、水蒸気は10g/(m2・24hours以下を合格とした。
8のテスト後、外観が白化せず透明感が良好なら○、外観が白化して透明感が不良なら×とした。
モダンマシナリー社製3色グラビア印刷機を用いて、得られた蒸着層又はコート層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、大日本インキ化学工業社製グラビアインキ「ユニビアA」の青、赤、白を3色連続でグラビア印刷し、裏から見たときに鮮明に見えたものを○、見えにくければ×とした。なお印刷は、速度50m/分、乾燥温度90℃で実施した。
ゲルボフレックステスター(テスター産業社製、製造番号27793)において雰囲気温度を23℃となるよう設定し、ねじり角440°がストローク長155mmの条件で1000回のゲルボ繰り返しを行うように設定したフィルムサンプル(チャック間距離178mm、直径89mmφ)について、ねじり処理後のピンホール個数を測定した(濾紙上でインキの透過箇所の個数を数えた)。5枚の試料について測定し、得られたピンホールを平均して平均ピンホール個数をピンホール数(個)とし、耐ピンホール性を比較した。
得られたポリエステルフィルムにシーラントフィルムとして未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製:P1153:50μm)をドライラミネートし、インパルスシーラーで4方をシールし、150mm×150mmの水が充填された袋を10個作成し、125℃30分間レトルト処理し、これを5℃の環境下で1mの高さから繰り返し20回落下させ、破袋又は水漏れを起こすまでの落袋回数の平均値で表した。好ましくは、10回以上、より好ましくは15回以上である。10回未満では、包装物の運搬に実用上支障をきたす。
得られたポリエステルフィルムにシーラントフィルムとして未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製P1153:50μm)をドライラミネートし、インパルスシーラーで4方をシールし、150mm×150mmの水が充填された袋を作成し、95℃の熱水中に30分間浸漬し、破袋や袋表面の外観不良(シワ、白化)の有無を評価した。
得られたポリエステルフィルムにシーラントフィルムとして未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製:P1153:50μm)をドライラミネートし、インパルスシーラーで4方をシールし、150mm×150mmの水が充填された袋を作成し、120℃30分間レトルト処理し、破袋や袋表面の外観不良(シワ、白化)の有無を評価した。
樹脂Aとして予め二酸化珪素(F)(富士シリシア社製:サイリシア310)を2000ppm重合時に添加したポリエチレンテレフタレート樹脂(A1)(還元粘度0.75)、樹脂Bとしてポリブチレンテレフタレート系樹脂(B1)(還元粘度1.20)、また有機リン化合物(旭電化工業社製:アデカスタブPEP−45)を1%添加したポリブチレンテレフタレート樹脂(B2)(還元粘度1.10)、ポリエステルCとして予めタルク(D)(電顕法による平均粒径3.5μm)を2%重合時に添加したテレフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(90/10//60/40(モル比)分子量2000)であるポリエステル重合体(C1)をそれぞれ用意した。それらをA1/B1/B2/C1=40/56/2/2(重量部)となるように単軸押出機(スクリュー65φ:三菱重工業製UB)に投入した。押出機の温度設定は、押出機の供給部(Ex1)、圧縮部(Ex2)、計量部(Ex3)及びフィルタまでの流路、フィルタ部、ダイまでの流路、ダイの温度設定を行うようにし、Ex1は240℃、Ex2からフィルタ部までは260℃、それ以降は255℃に設定して樹脂を供給した。なお、樹脂がT−ダイから押出された直後に実測した樹脂の温度は258℃であった。なおフィルタは200メッシュのものを使用した。T−ダイから押出された樹脂は、静電密着法にて20℃に冷却したロール上で急冷し、厚さ約200μmの未延伸シートを得た。そのシートを、ロール延伸機に供給し、63℃で3.3倍に縦方向に延伸した。引き続いてテンター内において90℃で3.5倍に横延伸し、そのままテンター内で横方向に3%緩和しながら210℃で熱固定を行った。さらに周速差のあるロールにフィルムを導き、縦方向に3%緩和させながら220℃で熱固定し、厚さ21μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
横方向に熱固定を行ったのちの周速差のあるロールでの縦方向の緩和率を0.02%とした以外は実施例1と同様の方法において、ポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
横方向に熱固定を行ったのちの周速差のあるロールでの縦方向の緩和率を2%とした以外は実施例1と同様の方法において、ポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
横方向に熱固定を行ったのちの周速差のあるロールでの縦方向の緩和率を4%とした以外は実施例1と同様の方法において、ポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
横方向に熱固定を行ったのちの周速差のあるロールでの縦方向の緩和率を10%とした以外は実施例1と同様の方法において、ポリエステルフィルムを得ようとした。しかし、製膜時にフィルムにしわが発生し、特性値を測定できなかった。
各樹脂の混合比率をA1/B1/B2/C1=75/21/2/2(重量部)とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
各樹脂の混合比率をA1/B1/B2/C1=25/71/2/2(重量部)とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
ポリブチレンテレフタレートの代わりに、還元粘度0.83のポリトリメチレンテレフタレート用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、縦延伸倍率を2.5倍、横延伸倍率を2.5倍とした以外は、同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
実施例1において、押出機の温度Ex1、Ex2、Ex3及びフィルタまでの流路、フィルタ部、ダイまでの流路、ダイの温度設定を全て290℃とした以外は同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表1及び表2に示す。
(コート液の調整)
ポリエステル樹脂水分散体(東洋紡績社製:MD1200、固形分30重量%)100重量部、メチル化メラミン(住友化学社製:M−30W)40重量部、コロイダルシリカ粒子(日産化学工業社製:スノーテックスOL、平均粒径40nm)の20重量%水分散液20重量部、水410重量部、イソプロピルアルコール50重量部を混合し、固形分濃度10%の塗布液を調製した。
樹脂Aとして予め二酸化珪素(F)(富士シリシア社製:サイリシア310)を2000ppm重合時に添加したポリエチレンテレフタレート樹脂(A1)(還元粘度0.75)、樹脂Bとしてポリブチレンテレフタレート樹脂(B1)(還元粘度1.20)、また有機リン化合物(旭電化工業社製:アデカスタブPEP−45)を1%添加したポリブチレンテレフタレート樹脂(B2)(還元粘度1.10)、ポリエステルCとして予めタルク(D)(電顕法による平均粒径3.5μm)を2%重合時に添加したポリブチレンテレフタレート(C1)、(共重合モノマー:テレフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/1,4−ブタンジオール)(90/10//60/40(モル比)分子量2000)をそれぞれ用意した。それらをA1/B1/B2/C1=40/56/2/2(重量部)となるように単軸押出機(スクリュー65φ:三菱重工業製UB)に投入した。押出機の温度設定は、押出機の供給部(Ex1)、圧縮部(Ex2)、計量部(Ex3)及びフィルタまでの流路、フィルタ部、ダイまでの流路、ダイの温度設定を行うようにし、Ex1は240℃、Ex2からフィルタ部までは260℃、それ以降は255℃に設定して樹脂を供給した。なお、樹脂がT−ダイから押出された直後に実測した樹脂の温度は258℃であった。なおフィルタは200メッシュのものを使用した。T−ダイから押出された樹脂は、静電密着法にて20℃に冷却したロール上で急冷し、厚さ約200μmの未延伸シートを得た。そのシートを、ロール延伸機に供給し、63℃で3.3倍に縦方向に延伸した。その後にワイヤーバーでコート液を塗布し、70℃の熱風を20m/秒で30秒間コート面に当てることにより乾燥し、引き続いてテンター内において88℃で3.6倍に横延伸し、そのままテンター内にて200℃で約10秒、220℃で約10秒、4%横方向に緩和しながら、約16μmのポリエステルフィルムを得た。
各樹脂の混合比率をA1/B1/B2/C1=75/21/2/2(重量部)とした以外は、実施例7と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
各樹脂の混合比率をA1/B1/B2/C1=25/71/2/2(重量部)とした以外は、実施例7と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステル
フィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
コート液の乾燥を、90℃の熱風を15m/秒で30秒間コート面に当てることにより行った以外は、実施例7と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
コート液の乾燥を、110℃の熱風を15m/秒で20秒間コート面に当てることにより行った以外は、実施例7と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
コート液の乾燥を、70℃の熱風を35m/秒で30秒間コート面に当てることにより行った以外は、実施例7と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
コート液を以下のようにした以外は、実施例9と同様の方法において、ポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。
攪拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート345部、1,4−ブタンジオール211部、エチレングリコール270部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.5部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで、フマル酸14部及びセバシン酸160部を加え、200℃から220℃まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、0.22mmHgの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステルを得た。得られたポリエステルは、重量平均分子量20000、淡黄色透明であった。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器に、上記共重合ポリエステル樹脂75部、メチルエチルケトン56部及びイソプロピルアルコール19部を入れ、65℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸15部をポリエステル溶液に添加した。次いで、スチレン10部、およびアゾビスジメチルバレロニトリル1.5部を12部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を0.1mL/minでポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間攪拌を続けた。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メタノール5部を添加した。次いで、水300部とトリエチルアミン15部を反応溶液に加え、1時間攪拌した。その後、反応器内温を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミンを蒸留により留去し、水分散グラフト重合樹脂を得た。該水分散グラフト樹脂は淡黄色透明で、ガラス転移温度−10℃であった。
該水分散グラフト樹脂とポリエステル系樹脂として、テレフタル酸/イソフタル酸/5−スルホイソフタル酸/エチレングリコール/1,4−ブタンジオールを25/20/5/25/25(重量比)で共重合させた水系ポリエステル樹脂とを重量比で90:10、固形分濃度10%になるように水:イソプロピルアルコール=9:1(重量比)で希釈したものをコート液とした。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の代わりに、還元粘度0.83のポリトリメチレンテレフタレート樹脂とした以外は、実施例9と同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
コート液を塗布しなかった以外は、実施例9と同様の方法において、ポリエステルフィルムを形成する基材フィルム及び蒸着層を形成したフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
実施例7において、縦延伸倍率を2.5倍、横延伸倍率を2.5倍とした以外は、同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
実施例7において、押出機の温度Ex1、Ex2、Ex3及びフィルタまでの流路、フィルタ部、ダイまでの流路、ダイの温度設定を全て290℃とした以外は同様の方法でポリエステルフィルム及び蒸着層を形成したフィルムを得た。
得られたフィルムの特性を評価してその結果を表3に示す。
樹脂Aとして予め二酸化珪素(F)(富士シリシア社製サイリシア310)を2000ppm重合時に添加したポリエチレンテレフタレート樹脂A1(還元粘度0.75)、樹脂Bとしてポリブチレンテレフタレート樹脂B1(還元粘度1.20)、を樹脂A1/樹脂B1=60/40(重量部)となるように単軸押出機(65φ)に投入した。押出機の温度設定は、押出機の供給部(Ex1)、圧縮部(Ex2)、計量部(Ex3)及びフィルタまでの流路、フィルタ部、ダイまでの流路、ダイの温度設定をEx1は240℃、Ex2からフィルタ部までは260℃、それ以降は255℃に設定して樹脂を供給した。なお、樹脂のT−ダイから出た直後に実測した樹脂の温度は258℃であった。なお、フィルタは200メッシュのものを使用した。T−ダイから出た樹脂は、静電密着にて20℃に冷却したロール上で急冷し、厚さ約200μmの未延伸フィルムを得た。そのフィルムを、ロール延伸機に供給し、80℃で3.3倍に縦方向に延伸した。引き続いてテンター内において95℃で3.6倍に横延伸し、そのままテンター内にて200℃で約10秒、210℃で約10秒、6%横方向に緩和しながら熱固定処理し、約16μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
原料を樹脂A1/樹脂B1=85/15(重量部)とし、押出工程の温度条件をEx1は250℃、Ex2からフィルタ部までを270℃、それ以降は255℃の設定とし、縦方向の延伸温度を110℃、横方向の延伸温度を120℃とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
原料を樹脂A1/樹脂B1=40/60(重量部)とし、縦方向の延伸温度を65℃、横方向の延伸温度を85℃とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
原料を樹脂A1/樹脂B1=15/85(重量部)とし、縦方向の延伸温度を55℃、横方向の延伸温度を75℃とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
樹脂Aとして予め二酸化珪素(F)(富士シリシア社製サイリシア310)を2000ppm重合時に添加したポリエチレンテレフタレート樹脂A2(還元粘度0.65)、樹脂Bとしてポリブチレンテレフタレート樹脂B2(還元粘度0.75)として、樹脂A2/樹脂B2=60/40(重量部)とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
原料を樹脂A1/樹脂B1=95/5(重量部)とし、押出工程の温度条件をEx1は250℃、Ex2からフィルタ部までを275℃、それ以降は255℃の設定とし、縦方向の延伸温度を110℃、横方向の延伸温度を125℃とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
押出工程の温度条件を、Ex2からフィルタ部までを280℃、それ以降を255℃とし、横延伸後の熱固定処理を190℃で約10秒、195℃で約10秒とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
横延伸後の熱固定処理を225℃で約10秒、235℃で約10秒とした以外は実施例13と全く同様の方法において、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
押出機の条件として、Ex2からフィルタ部までを285℃、それ以降は2755℃の設定とし、他の部分は実施例13と全く同様の条件でポリエステルフィルムを作成した。このときT−ダイから出た直後の樹脂は278℃であった。得られたフィルムの特性を評価してその結果を表4に示す。
本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組合せる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
Claims (10)
- 少なくとも一方向の初期弾性率が2.5〜10GPa、衝撃強度が40〜10000J/mm、少なくとも一方向の150℃での熱収縮率が−0.5〜6%であり、ヘイズが0.001〜7%であることを特徴とするポリエステルフィルム。
- ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A)10〜90重量%と、ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び/又はポリトリメチレンテレフタレート系樹脂(B)90〜10重量%とを配合したポリエステル系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの還元粘度が0.80以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリエステルフィルム。
- 基材フィルムの縦方向と横方向の熱収縮率の差の絶対値が1.1%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
- 基材フィルムの縦方向及び横方向の150℃での熱収縮率がいずれも0〜4%であることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
- 基材フィルムをゲルボフレックステストとして23℃下で1000回屈曲させたときに発生するピンホール数が5個以下あることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
- 少なくとも一方の面に、コート層、コロナ放電処理層、金属蒸着層、無機酸化物蒸着層及び印刷インキ層のうちから選ばれた少なくとも一層の表面処理層を形成したことを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
- 易接着性塗布層が少なくともバインダー(C)及び硬化剤(D)を含有するコート液から形成されてなることを特徴とする請求項7記載のポリエステルフィルム。
- 易接着性塗布層を形成するためのコート液を塗布した後、少なくとも一軸延伸されてなることを特徴とする請求項7記載のポリエステルフィルム。
- 包装材として用いられることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のポリエステルフィルム。
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