JP2003002987A - 絞り包装用ポリエステルフィルム - Google Patents

絞り包装用ポリエステルフィルム

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JP2003002987A JP2001189738A JP2001189738A JP2003002987A JP 2003002987 A JP2003002987 A JP 2003002987A JP 2001189738 A JP2001189738 A JP 2001189738A JP 2001189738 A JP2001189738 A JP 2001189738A JP 2003002987 A JP2003002987 A JP 2003002987A
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acid
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Hiroshi Sakakura
洋 阪倉
Atsuhiro Ishikawa
敦浩 石川
Tomoko Yamanaka
友子 山中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、バランスのとれた成形性を有
する絞り包装に好適なポリエステルフィルムを提供す
る。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートまたはこれ
を主体とするポリエステルAと、ポリブチレンテレフタ
レートまたはこれを主体とするポリエステルBとからな
るポリエステルフィルムであって、ポリエステルAとポ
リエステルBの質量比A/Bが、20〜60/40〜8
0であり、フィルムの非晶状態における昇温結晶化ピー
クTcが60〜100℃であり、60〜100℃におけ
る昇温結晶化指数Cpが0J/g・℃以上であり、DS
Cで測定したときに、200〜270℃に少なくとも2
つの融点Tmをもつフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絞り包装材料に好
適なフィルムに関するものであり、更に詳しくは、ハ
ム、ソーセージ及びそれらのスライス製品、チーズ等の
乳加工品に代表される食品包装、薬の錠剤等に代表され
るPTP包装のような絞り包装に好適なポリエステルフ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハム、ソーセージ及びそれらのスライス
製品、チーズ等の乳製品、肉団子、練り物等の総菜加工
品等の分野では、充填包装がおこなわれており、その中
でも絞り包装材料を用いた充填形態は、包装にシワが少
なく見栄えが良いため広く利用されている。この絞り包
装材料としては、共押出多層フィルム、A−PETフィ
ルム、変性ポリエステルフィルム等が使用されている。
また、これらの包装材料は保存性、耐ピンホール性、シ
ール性を付与するため、ラミネート品として使用されて
いる。しかしながら、絞り包装用に使われている共押出
多層フィルム、A−PETフィルム等の未延伸フィルム
は、成形性に優れているものの印刷に対するピッチ安定
性等の耐熱性がなく、商標や内容物情報の表示等をおこ
なうには、蓋材側に印刷をおこなうか、もしくはラベル
シール、インクジェットプリンター等により、出荷前に
表示を貼付する必要があった。また変性ポリエステルフ
ィルムは、印刷は可能であるが、一般のポリエステルフ
ィルムに比べて熱収縮率が高く、熱収縮率を下げるため
に更に熱処理を加えると結晶化が進み、成形性が悪化す
ることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
性と印刷時の寸法安定性に優れた絞り包装用ポリエステ
ルフィルムを比較的安価に提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレン
テレフタレートからなるフィルムの昇温結晶化ピークT
c、昇温結晶化指数Cp、融点Tmを適切に設定するこ
とにより、上記問題が解決できることを見い出した。す
なわち本発明は、ポリエチレンテレフタレートまたはこ
れを主体とするポリエステルAと、ポリブチレンテレフ
タレートまたはこれを主体とするポリエステルBとから
なるポリエステルフィルムであって、ポリエステルAと
ポリエステルBの質量比A/Bが、20〜60/40〜
80であり、フィルムの非晶状態における昇温結晶化ピ
ークTcが60〜100℃であり、60〜100℃にお
ける昇温結晶化指数Cpが0J/g・℃以上であり、D
SCで測定したときに、200〜270℃に少なくとも
2つの融点Tmをもつことを特徴とする絞り包装用ポリ
エステルフィルムを要旨とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0006】本発明のフィルムは、ポリエチレンテレフ
タレートまたはこれを主体とするポリエステルAと、ポ
リブチレンテレフタレートまたはこれを主体とするポリ
エステルBとからなるポリエステルフィルムである。ポ
リエステルA、ポリエステルBはそれぞれのその製法に
限定されるわけではない。例えばポリエステルAは、テ
レフタル酸とエチレングリコール(ポリエステルBにお
いては、テレフタル酸と1,4ブチレングリコール)の
溶融重縮合反応、あるいはジメチレンテレフタレートと
エチレングリコール(ポリエステルBにおいては、ジメ
チレンテレフタレートと1,4ブチレングリコール)を
エステル交換反応させ、ついで得られる反応生成物を重
縮合させてポリエステルとする方法が好ましく用いられ
る。
【0007】本発明に用いられるポリエステルA、ポリ
エステルBとして、本発明の効果が損なわれない範囲で
適宜他の共重合成分を添加することができる。共重合の
酸成分としては、イソフタル酸、(無水)フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデ
カンジカルボン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、炭素数20〜6
0のダイマー酸、p−ヒドロキシ安息香酸、乳酸、4−
ヒドロキシ酪酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカ
ルボン酸や、(無水)トリメリット酸、トリメシン酸、
(無水)ピロメリット酸等の多官能カルボン酸を挙げる
ことができる。また、共重合のアルコール成分として
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオール、ビスフ
ェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシドある
いはプロピレンオキシド付加物等の芳香族ジオール、ト
リメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト
ール等の多官能アルコール等を挙げることができる。
【0008】かかる重縮合に得られたポリエステルは、
更に固相重合により重合度を高めることができる。固相
重合により得られたポリエステルを本発明に用いると、
押出された未延伸シート及びフィルム表面へのオリゴマ
ーの析出が防止されるため好ましい。
【0009】本発明のフィルムにおいてポリエステルA
とポリエステルBは、質量比A/Bが20〜60/40
〜80、好ましくは20〜45/55〜80、更に好ま
しくは30〜45/55〜70であることが必要であ
る。ここでポリエステルBが80質量%を超えると、結
晶性の高いポリエステルBの特性が顕著に発現し、得ら
れたフィルムの成形性が著しく低下する。また、ポリエ
ステルBが40質量%未満であると、耐熱性のあるポリ
エステルAの特性が発現し、低温での成形性が低下す
る。
【0010】本発明で用いられるポリエステルフィルム
の製法においては、従来の方法を用いることができる。
例えばフラット式もしくはチューブラー式製膜法等公知
の製法で押出された樹脂シートを未延伸フィルムとし、
続いて同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等公知の製法に
より延伸される。厚みむらの少ないフィルムを製造する
にはフラット式が好ましく、続いて逐次二軸延伸もしく
は同時二軸延伸等により延伸される。
【0011】本発明のフィルムを製造する場合には、例
えば本発明における配合割合のポリエステルAとポリエ
ステルBからなる樹脂組成物を、Tダイを備えた押出機
を用いて、230〜280℃で溶融後Tダイよりシート
状に押出し、これを40℃以下の温度に調整されたキャ
スティングロール上に密着させて急冷し、所定の厚みの
未延伸シートを得るのが好ましい。なお、原料樹脂組成
物を均一に混合するために、あらかじめ溶融混合された
材料を用いてもよい。
【0012】次にフラット式同時二軸延伸法で延伸を行
う場合には、未延伸シートの両端をクリップでつかみ、
シートの両面から40〜100℃の熱風を吹き付けて予
熱し、50〜120℃雰囲気下で縦方向及び横方向にそ
れぞれ2〜4倍程度延伸する。その後、80〜180℃
程度で数秒間処理し縦もしくは横方向に数%弛緩する。
その後所定の収縮率を持つフィルムを得るために、80
〜200℃で数秒間熱処理して熱固定した後、室温まで
冷却し20〜300m/minの速度で巻き取って、所
望のフィルムを得る。なお、延伸温度が50℃以下の場
合には、延伸応力が高すぎるためネッキングが発生し、
120℃を超える場合には溶断したり、フィルムの結晶
化が進みすぎて白化を起こすため好ましくない。また、
熱固定温度が200℃を超えるとフィルムにたるみが生
じやすくなりフィルムの品位を著しく損なうため好まし
くない。
【0013】延伸後の熱処理方法としては、公知の方法
を採用することができる。例えば延伸フィルムに熱風を
吹き付ける方法、延伸フィルムに赤外線を照射する方
法、延伸フィルムにマイクロ波を照射する方法が上げら
れるが、均一に精度よく加熱できる点で、延伸フィルム
に熱風を吹き付ける方法が好適である。また、延伸工程
から熱固定工程の間に熱緩衝帯を設けてもよい。
【0014】本発明のフィルムは、非晶状態における昇
温結晶化ピークTcが60〜100℃であることが必要
である。昇温結晶化ピークTcが60℃未満であると、
内容物の保味、保香性が低下し、昇温結晶化ピークTc
が100℃を超えると、レトルト殺菌処理の際に脆化し
やすく、白斑が生じて見栄えが悪くなるという問題があ
る。
【0015】また、本発明のフィルムは、60〜100
℃での昇温結晶化指数Cpが0J/g・℃以上であるこ
とが必要である。Cpが0J/g・℃未満の場合には、
延伸時に溶断、タルミ等が生じやすく、また結晶化開始
温度付近での結晶化速度が速くなりすぎて、成形性が悪
化し、絞り成形の際に白化が起こりやすい。Cpを0J
/g・℃以上にする方法として、フィルム製造前に樹脂
の乾燥を十分に行う方法や、また、フィルム製造時にお
いて、樹脂を融点以上で滞留する時間を短縮する方法な
どが挙げられる。
【0016】さらに、本発明のフィルムは、200〜2
70℃に少なくとも2つの融点Tmを有することが必要
である。融点Tmが上記範囲にない場合、耐熱性が低下
し、熱セット時に融着したり、たるみを生じるという問
題がある。
【0017】なお、本発明のフィルムのエステル交換指
数は10%以下であることが好ましい。エステル交換指
数が10%を超えると、溶融押出された未延伸シートの
耐熱性が下がるため、延伸時に溶断が起こりやすくな
り、操業性が低下するうえ、モノマー、オリゴマーの発
生が増加しラミネート適性、耐ブロッキング性が低下す
るため好ましくない。エステル交換指数の制御方法とし
ては、溶融混合時の混練度、押出機の滞留時間を調整す
る方法が挙げられる。
【0018】また、得られたフィルムの主配向軸方向の
屈折率nAとその直交方向の屈折率nBの比nA/nB
は、0.9≦nA/nB≦1.1であることが好まし
く、0.95≦nA/nB≦1.05であることがさら
に好ましい。nA/nB<0.9、あるいはnA/nB
>1.1である場合、絞り成形時に異方性が生じ、シワ
が入りやすく外観を著しく損なうため、好ましくない。
延伸倍率と延伸温度を適切に選択することにより、nA
/nBを上記範囲とすることができる。
【0019】本発明のフィルムの乾熱収縮率は、120
℃で5%以下であることが好ましく、2%以下であるこ
とがさらに好ましい。120℃で5%を超える場合、印
刷、絞り加工時のピッチズレ幅縮みをおこしやすく、ま
た、絞り成形時にフィルムが縮みシワが入り、外観を損
ねるので好ましくない。上記範囲の乾熱収縮率のフィル
ムを得る方法としては、例えば、延伸後の熱セット温度
を180〜200℃とする方法が挙げられる。
【0020】本発明のフィルムには、本発明の効果が損
なわれない範囲で、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸
カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム等の無機粒
子、あるいはシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン等から
なる耐熱性のよい高分子微粒子、脂肪酸エステルや脂肪
酸アミド等の有機滑剤の中から選ばれた滑剤を、1種も
しくは2種以上必要量添加することにより、フィルム製
造時や印刷ラミネート加工時の、工程通過性を改善させ
ることができる。また、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、シリコーン化合物等を添加することに
より隠蔽性を付与する事ができる。さらにフィルムに
は、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤等を含有させることができる。
【0021】また、本発明のフィルムには、接着性及び
印刷適性等の加工適性の向上、内容物の保存性の向上等
を目的に、コロナ処理、コート処理、プラズマ処理等の
表面処理を施してもよい。例えばコート処理に用いられ
るコート剤としては、接着性及び印刷適性向上のための
ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ア
ミン系樹脂等が挙げられ、内容物の保存性向上のための
ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体鹸化物等が挙げられ
る。コート方式としてはリバースグラビア方式、マイク
ログラビア方式、コンマコーター方式等公知の技術を用
いることができ、未延伸もしくは一軸延伸フィルムにコ
ートするプリコート方式、延伸フィルムにコートするポ
ストコート方式のいずれの方式を用いてもよい。コート
剤は、溶剤系、水系、エマルジョン系、押出し樹脂等そ
の形態に制限されないが、臭気等が少なく環境負荷が小
さいという点で、水系もしくはエマルジョン系が好まし
い。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例及び比較例における特性値の測定法は
以下の通りである。
【0023】A.極限粘度(IV) フェノール/四塩化エタンの等質量混合溶媒を用いて、
温度20℃、濃度0.5g/dlで測定した溶液粘度か
ら求めた。 B.エステル交換指数(Ex) Varian社製、GEMINI 2000/300核
磁気共鳴装置(磁場強度7.05T)にて、13C−NM
Rの測定を行った。測定サンプルは、フィルム60〜1
00mgをCF3COOD溶媒0.7mlに溶解したも
のを用い、エステル交換指数は、エステル交換に起因す
るピーク(図1、図2)の積分値から、下記式により求
めた。 Ex=(Sab+Sba)/(Saa+Sbb+Sab
+Sba)×100(%) C.融点(Tm)および昇温結晶化ピーク温度(Tc) Perkin Elmer社製 DSCを用い、20℃
/minで昇温時の融点および結晶化ピーク温度を測定
した。フィルムの測定サンプルは、延伸フィルムを溶融
後、100℃/min以上の速度で急冷して非晶状態と
したものを用いた。 D.昇温結晶化指数(Cp) Perkin Elmer社製DSCを用い、JISK
7123−1987に準じて測定した。標準物質にはサ
ファイアを使用した。測定サンプルは、延伸フィルムを
溶融後、100℃/min以上の速度で急冷して非晶状
態としたものを用いた。 E.主配向方向及びそれに直交する方向への屈折率(n
A、nB) 配向角の測定は日本光学社製偏光顕微鏡(ニコンOPT
IPHOT−POL)、日本地科学社製バビネコンペン
セイターを用いて、以下の方法によっておこなった。ま
ず、回転台上に、偏光板の偏光軸とフィルムの流れ方向
(MD)が一致するようにフィルムをセットする。次に
フィルムの幅方向(TD)を0°としてフィルムを反時
計回りに0〜90°の範囲で回転させ、視野が最も暗く
なるときの角度(消光位)を測定する。次に、フィルム
を消光位から+45°回転させ、コンペンセイターを挿
入し、コンペンセイターのマイクロメーターを移動し
て、視野の十字線と暗黒島が交わるかどうか確認する。
暗黒縞が観察されない場合には、消光位から−45°回
転し、同様の操作をおこなう。この測定結果をもとに、
配向角を以下のように定義した。すなわち、暗黒縞と十
字線が交わるのがθ+45°の場合、左上がりの90°
−θとし、θ−45°の場合、右上がりのθとした。次
に、屈折率はアタゴ光学社性アッベ式屈折計を用い、以
下の方法により主配向方向の屈折率nAとその直交方向
の屈折率nBを測定した。屈折計の接眼側に偏光板アナ
ライザーを取り付け、単色光(NaのD線)により、マ
ウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃でnA、
nBを測定した。なお、測定に使用したフィルムは20
cm幅でありフィルムの中央部及び両端から角3cmの
部分を各N=3で測定し、nA/nBの平均値を得た。
なお、配向角及び屈折率は、上記方法と同様の原理に従
って測定されれば、いかなる装置によって測定されても
よい。 F.乾熱収縮率 フィルムを20℃、65%RHにて2時間調温調湿をお
こない、MD方向又はTD方向にそれぞれ約110mm
の間隔で目印を付けたサンプルを用意した。次に、この
サンプルを10mm幅にカッティングした後、目印間距
離Laを測定した。このサンプルを120℃に調整され
た熱風乾燥機に挿入し、15分間処理をおこなった。こ
の時サンプル挿入時の扉の開放時間を最小限にし、温度
計が示す温度の低下を5℃以内とする。熱処理したサン
プルは、20℃、65%RHで2時間調温調湿をおこな
った後に目印間Lbの距離を測定し、以下の数式により
乾熱収縮率を計算した。乾熱収縮率として、MD方向と
TD方向のそれぞれの収縮率のうち、大きい方を採用し
た。 乾熱収縮率(%)=(La−Lb)/La×100 G.フィルム外観及び成形性 フィルム成形性は、延伸性、タルミ等、ミルロール巻き
取り時得られたフィルムを大森機械製深絞り成形器(使
用した型は図参照)を用い、予熱処理110℃×5秒、
真空成形処理2秒で成形した後、図3で示される絞り深
さhを測定し、以下の基準で判断をおこなった。 ×:h≦15 ○:h>15 また、成形品の外観を観察し、シワの有り無し、白化の
有無を判断した。 ○:良好 ×:きついシワもしくは白化有り
【0024】実施例1 ポリエステルA50質量部と、B50質量部をドライブ
レンドしたものを、Tダイを備えた押出機を用いて、2
75℃でシート状に溶融押出し(滞留時間は8分)、表
面温度18℃の冷却ドラムに密着させて冷却し、厚さ2
40μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シート
の端部をテンター式同時二軸延伸機のクリップに把持
し、60℃の予熱ゾーンを走行させた後、温度80℃で
MDに3.0倍、TDに3.3倍で同時二軸延伸した。
その後、TDの弛緩率を5%として、温度195℃で4
秒間の熱処理を施した後、室温まで冷却して巻き取り、
厚さ25μmの二軸延伸フィルムを得た。使用した樹脂
の特性及び得られたフィルムの各種の特性値を表1、2
に示す。
【0025】実施例2〜6、比較例1〜7 原料樹脂の種類、配合比およびフィルムの製造条件を表
1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にし
て各種フィルムを得た。得られたフィルムの各種の特性
値を表2に示す。
【0026】実施例7、比較例8 実施例1と同様に未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムをロール式縦延伸機に導き、45〜55℃で予熱
した後、60〜70℃で縦延伸した。室温冷却後フィル
ムの両端をクリップでつかみながら75℃で予熱し、8
5〜95℃で横延伸した。温度190℃4秒間の熱処理
を施した後、室温まで冷却して巻取り、厚さ25μmの
二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの各種の特
性値を表2に示す
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例1〜7で得られたフィルムは、外
観、成形性に優れていたが、比較例1〜8で得られたフ
ィルムは、上記の全ての性能を満足するものは得られな
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルムのNMRチャートである。
【図2】図1において、エステル交換に起因するピーク
(Sab、Sba、Saa、Sbb)の部分を拡大した
NMRチャートである。
【図3】フィルムの成形性を評価するための深絞り成形
器の型であり、フィルムの絞り深さhを測定し、成形性
を評価した。
【符号の説明】
1 深絞り成形器の型 2 フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AD07 AD12 AD15 BA02 BA15 BA33 BB62 BB68 BB90 CA04 CA05 CA28 4F071 AA44 AA84 AA87 AA89 AF11 AF31 AF61 AH04 BA01 BB06 BB08 BC01 BC17 4F210 AA24 AG01 QA02 QC05 QG01 QG18 4J002 CF06W CF07X FD010 FD170 FD200 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートまたはこれ
    を主体とするポリエステルAと、ポリブチレンテレフタ
    レートまたはこれを主体とするポリエステルBとからな
    るポリエステルフィルムであって、ポリエステルAとポ
    リエステルBの質量比A/Bが、20〜60/40〜8
    0であり、フィルムの非晶状態における昇温結晶化ピー
    クTcが60〜100℃であり、60〜100℃におけ
    る昇温結晶化指数Cpが0J/g・℃以上であり、DS
    Cで測定したときに、200〜270℃に少なくとも2
    つの融点Tmをもつことを特徴とする絞り包装用ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 エステル交換指数が10%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の絞り包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 主配向軸方向の屈折率nAとその直交方
    向の屈折率nBの比nA/nBが0.9≦nA/nB≦
    1.1であることを特徴とする請求項1又は2記載の絞
    り包装用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 120℃における乾熱収縮率が5%以下
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の絞り包装用ポリエステルフィルム。
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