JP2005097047A - テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005097047A
JP2005097047A JP2003333787A JP2003333787A JP2005097047A JP 2005097047 A JP2005097047 A JP 2005097047A JP 2003333787 A JP2003333787 A JP 2003333787A JP 2003333787 A JP2003333787 A JP 2003333787A JP 2005097047 A JP2005097047 A JP 2005097047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
tetrahydroborate
end side
hydrogen gas
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003333787A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Oshita
隆 大下
Takeo Nishi
武郎 西
Seijiro Suda
精二郎 須田
Yasuyoshi Iwase
安慶 岩瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Materials & Energy Res Inst To
Nippei Toyama Corp
Materials and Energy Research Institute Tokyo MERIT Ltd
Original Assignee
Materials & Energy Res Inst To
Nippei Toyama Corp
Materials and Energy Research Institute Tokyo MERIT Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Materials & Energy Res Inst To, Nippei Toyama Corp, Materials and Energy Research Institute Tokyo MERIT Ltd filed Critical Materials & Energy Res Inst To
Priority to JP2003333787A priority Critical patent/JP2005097047A/ja
Publication of JP2005097047A publication Critical patent/JP2005097047A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 ホウ酸塩とアルカリ土類金属とを含む混合物を水素ガス雰囲気下において反応させてテトラヒドロホウ酸塩を生成するにあたり、高い収率で、連続的にテトラヒドロホウ酸塩を製造すること。
【解決手段】 反応器を構成し、その内部が水素ガスの加圧雰囲気とされるシリンダと、このシリンダの一端側に気密に接続されると共に水素ガスの加圧雰囲気とされ、前記混合物をシリンダに供給するための原料供給室と、前記シリンダの一端側から他端側に沿って設けられ、シリンダ内に供給された混合物を他端側に圧送するためのスクリュー羽根と、前記シリンダを加熱するための加熱手段と、前記シリンダの他端側に気密に接続され、シリンダ内にて生成されたテトラヒドロホウ酸塩を回収するための生成物回収室と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホウ酸塩からテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置及びその方法に関する。
テトラヒドロホウ酸塩、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)は燃料電池の燃料原料として広く用いられている。例えばダイレクト型燃料電池に備えられた燃料極では、燃料として例えば水素化ホウ素ナトリウムが溶解した水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が用いられ、水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムとが触媒作用により反応して、メタホウ酸ナトリウム(NaBO2)が生成される。近年、燃料電池の運転効率の向上及び燃料電池のコスト費用を抑えるために、このメタホウ酸ナトリウムを原料としてテトラヒドロホウ酸ナトリウムを再製する方法が種々提案されている。
従来のメタホウ酸ナトリウム(NaBO2)を原料としたテトラヒドロホウ酸ナトリウム(NaBH4)の製造方法としては、例えば遊星型ボールミルなどの機械的エネルギーを加えながらメタホウ酸ナトリウムと水素化マグネシウム(MgH2)とを微粉末状で接触させ、粒子への衝突エネルギーを利用してテトラヒドロホウ酸ナトリウムを製造する方法(メカノケミカル法)がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の製造方法としては、メタホウ酸ナトリウム、マグネシウム(Mg)、及び水素(H2)を例えば500〜650℃の温度及び0.5〜3Mpaの圧力条件の下で反応させ、反応促進のエネルギーとして熱を利用してテトラヒドロホウ酸ナトリウムを製造する方法(熱化学法)がある。その中で、例えば、特許文献2では、マグネシウム(Mg)とケイ素(Si)とを混合し、その混合物を常圧窒素雰囲気下、550℃で2時間加熱して、上記の混合物を冷却した後、更に混合物の全量とメタホウ酸ナトリウムと混合し、その混合物をオートクレーブに充填し、オートクレーブを排気してから水素(H2)を導入して、7MPaの水素雰囲気下、550℃で2時間反応させるという方法が記載されている。
特開2002−173306(請求項5、段落0007、段落0013) 特開2002−241109(請求項1、段落0037、段落0045)
特許文献1に記載された、例えば遊星型ボールミルなどの機械的エネルギーを用いる手法は、微粉末間同士に強力な衝突エネルギーを与え、その強力な衝突エネルギーによって反応速度を速め、反応時間が例えば1時間程度で反応率を100%に到達することができるが、遊星型ボールミル自体のエネルギー効率が悪いため運転コストに問題がある。
また、遊星型ボールミルはバッチ式(回分式)の反応器であるため、原料であるメタホウ酸ナトリウム及び水素化マグネシウムの供給と生成物であるテトラヒドロホウ酸ナトリウムの回収とを連続的に行うことができないことからテトラヒドロホウ酸ナトリウムの大量生産には向いてない。
更にまた、メタホウ酸ナトリウムと水素化マグネシウムとを反応させる前処理として、予め水素化マグネシウムを生成しておくためにマグネシウムと水素とを温度例えば400℃、圧力例えば3Mpaの条件の下で(1)の反応をさせる必要があり、製造コストが高くなってしまう懸念がある。
Mg+H2→MgH2 (1)
また特許文献2では、オートクレーブを反応器として用いており、オートクレーブには通常攪拌翼がついているため攪拌効果及び多少の剪断効果があるが、オートクレーブ型反応器で連続運転を行おうとすると、反応器内では投入したばかりの粉体と、長時間滞留して充分反応が進んだ粉体と、が混合により均一に存在しているため、未反応粒子同士の接触確率が低下し、そのため反応速度が低下するという問題がある。また反応器より取り出した反応生成物を調べてみると、反応が充分進んでいない(投入したばかりの)粉体と長時間滞留して充分反応が進んだ粉体との混合物であることから平均反応率が低いという課題もある。更に、メタホウ酸ナトリウムとマグネシウム(Mg)とをオートクレーブに充填する前処理として、マグネシウム(Mg)をケイ素(Si)で合金化させる必要がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、高い収率で、連続的にテトラヒドロホウ酸塩を製造することのできる装置及びその方法を提供することにある。
本発明の装置は、原料であるホウ酸塩とアルカリ土類金属とを含む混合物を水素ガス雰囲気下において反応させてテトラヒドロホウ酸塩を生成する製造装置において、
反応器を構成し、その内部が水素ガスの加圧雰囲気とされるシリンダと、
このシリンダの一端側に気密に接続されると共に水素ガスの加圧雰囲気とされ、前記混合物をシリンダに供給するための原料供給室と、
前記シリンダの一端側から他端側に沿って設けられ、シリンダ内に供給された混合物を他端側に移送するためのスクリュー羽根と、
前記シリンダを加熱するための加熱手段と、
前記シリンダの他端側に気密に接続されると共に水素ガスの加圧雰囲気とされ、シリンダ内にて生成されたテトラヒドロホウ酸塩を回収するための生成物回収室と、を備えたことを特徴とする。
本発明の装置では、前記シリンダの内壁に、一端側から他端側に向かって水素ガスの気相部を形成するための溝部を形成することが好ましい。また前記混合物は例えば粉体の状態でシリンダ内に供給される。また前記テトラヒドロホウ酸塩としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)又は水素化ホウ素カリウム(KBH4)などを挙げることができる。
また本発明のテトラヒドロホウ酸塩の製造方法は、反応器を構成するシリンダの一端側に、原料であるホウ酸塩とアルカリ土類金属とを含む混合物を加圧された水素ガスと共に供給する工程と、
シリンダ内に供給された混合物をスクリュー羽根を回動させることにより混練させながら一端側から他端側に送り出しつつシリンダ内を加熱して、当該混合物と加圧水素ガスとを反応させてテトラヒドロホウ酸塩を生成する工程と、を含むことを特徴とする。
以上のように本発明によれば、高い収率で、連続的にテトラヒドロホウ酸塩を製造することができる。
以下に本発明のテトラヒドロホウ酸塩の製造装置の実施の形態について説明するが、装置構成の説明の前に、原料であるホウ酸塩とアルカリ土類金属とについて述べておく。ホウ酸塩としては、例えばメタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩などのホウ酸塩が用いられる。メタホウ酸塩としては例えばNaBO2、KBO2、LiBO2、Ca(BO2)2、Mg(BO2)2などが具体例として挙げられる。また四ホウ酸塩としては例えばNa2B4O7、Na2O・2BO3、K2O・B2O3、Li2B4O7、Mg3B4O9などが具体例として挙げられる。更に五ホウ酸塩としては例えばNaB5O8、Na2O・5B2O3、KB5O8、K2O・5B2O9、Li5BO8などが挙げられる。また天然のホウ酸塩鉱物であってもよく、例えばNa2B4O7・10H2O、Na2B4O7・4H2O、Ca2B6O11・5H2O、CaNaB5O9・6H2O、Mg7Cl2B17O30などを原料とすることができる。またホウ酸塩は、平均粒径が例えば500μm、好ましくは100μm以下の粉末状にして用いることが反応率を向上するために好ましい。
また原料のホウ酸塩と混合するアルカリ土類金属は、例えばカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)などを用いることができるが、空気中で化学反応を起こしにくく、更には粉末状にすることが簡単なマグネシウム、カルシウムを用いるのが好ましい。これらの金属は純度に係わりなく、例えば酸化マグネシウム(MgO)から再生したマグネシウム、水素化マグネシウム(MgH2)などの不純物を含む不純物であってもよい。更にこのアルカリ土類金属は、前記したホウ酸塩の粉末と充分に混合するために、平均粒径が例えば500μm以下、好ましくは100μm以下の粉末状にして用いることが反応率を向上するために好ましい。
また混合物に供給する水素は純水素に限られず、例えば一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)などの炭素酸化物、メタン(CH4)などの炭素水素化物などを含む水素ガスを用いてもよい。
次にテトラヒドロホウ酸塩の製造装置について図1及び図2を参照しながら説明する。図中20は2軸押出機2の本体部をなすシリンダであり、反応容器を構成している。前記シリンダ20の内部には、当該シリンダ20の一端側から他端側(図1中右端側から左端側)に亘って、移送路(移送空間)21が形成されており、この移送路21は、各々横断面形状が円形である2つの移送路21を重ね合わせ、その重なり部分も空間とした形状に作られており、片方の円に属する第1の移送路21aと他方の円に属する第2の移送路21bとを備えた構成となっている。更に移送路21の横断面図における中央上部には、即ち第1の移送路21aと第2の移送路21bとが重なり合う部位の上部には、前記シリンダ20の一端側から他端側に亘って水素ガスの通流路である例えば横断面形状が矩形の溝部22が形成されている。また前記シリンダ20の一端側の上面には、例えば粉体である(粉末状の)原料をシリンダ20内に供給するための原料供給部である供給口23が設けられると共に、水素ガスをシリンダ20内に供給するための水素ガス供給部である水素ガス供給口24が前記溝部22に開口して設けられている。また前記シリンダ20の他端側の上面には、前記シリンダ20内を真空引きするための排気口25が設けられている。
前記シリンダ20の他端側は、先端に向かって縮径しており、先端に反応生成物の排出口26が設けられている。また前記シリンダ20の外周面には加熱手段である例えばヒータ27が一端側から他端側に亘って設けられている。例えばこのヒータ27は、前記シリンダ20の長手方向に沿って複数に分割されており、分割されたヒータによって各ヒータが受け持つ反応領域の温度をコントロールできるようになっている。
前記移送室21a、21b内には、粉末状の原料をシリンダ20の一端側から他端側へと移送するための2軸のスクリュー軸3a(3b)が夫々軸受け部28に支持されて設けられ、こうして2軸の押出機が構成されている。この2軸のスクリュー軸3a(3b)は図3に示すように回転軸31a(31b)の軸方向に沿って螺旋状に形成された羽根部材であるスクリュー羽根30a(30b)が設けられている。そしてスクリュー羽根30aとスクリュー羽根30bとが互いに位相をずらし、一方のスクリュー羽根30aの羽根と羽根との間に、他方のスクリュー羽根30bの羽根が重なり合うようにして2軸のスクリュー軸3a(3b)が並んで配置されている。
前記スクリュー軸3a(3b)の一端側は、当該スクリュー軸3a(3b)を回転させるための駆動機構例えばモータ32に接続されており、前記スクリュー軸3a(3b)は、前記モータ32によって同期して回転することにより粉体である原料を攪拌し且つ剪断しながら前記シリンダ20の一端側から他端側へと移送する機能を有する。
前記供給口23にはゲートバルブG1を介して気密な原料供給室をなす第1の供給ホッパ40が気密に接続されており、更にこの第1の供給ホッパ40の上方側には気密な予備室をなす第2の供給ホッパ41がゲートバルブG2を介して気密に接続されている。そしてまたこの第2の供給ホッパ41の上方側には第3の供給ホッパ42がゲートバルブG3を介して気密に接続されている。前記第1の供給ホッパ40及び前記第2の供給ホッパ41には夫々排気路50、51を介して真空排気手段である真空ポンプ52に接続されると共に、夫々供給路53、54を介して水素(H2)ガス供給部55に接続されている。また前記第2の供給ホッパ41には排気路56を介して落圧手段57が接続されており、前記第2の供給ホッパ41を加圧した後、大気圧まで落圧できるようになっている。また前記第1の供給ホッパ40には図示されない加熱手段である例えばヒータが設けられており、前記第1の供給ホッパ40内の混合物を所定の温度まで加熱できるようになっている。
前記シリンダ20内の水素ガス供給口24には供給路58を介して水素(H2)ガス供給部55が接続されており、また前記排気口25には排気口59を介して真空排気手段例えば真空ポンプ52が接続されている。なお図1中のV1〜V7はバルブである。
前記シリンダ20内の排出口26には、反応生成物を回収するための回収室である第1の回収ホッパ60が接続されており、前記第1の回収ホッパ60は下方側にゲートバルブG4を介して加圧状態から常圧状態に減圧するためのロードロック室である第2の回収ホッパ61が接続されている。前記第2の回収ホッパ61の下方側にはゲートバルブG5が設けられており、前記ゲートバルブG5の下方側には、反応生成物を受け取って所定の場所に搬送するための搬送手段であるベルトコンベア70が設けられている。また前記第2の回収ホッパ61は排気路61a及び供給路61bを介して夫々落圧手段57及び窒素(N2)ガス供給部63に接続されている。なお図1中のV8及びV9はバルブである。
続いて上述の実施の形態における作用について説明する。ここではホウ酸塩であるメタホウ酸ナトリウム(NaBO2)及びアルカリ土類金属であるマグネシウム(Mg)を用いて水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を製造する例について説明する。今図1の製造装置が立ち上げられている状態にあるものとする。第3の供給ホッパ42内には原料であるメタホウ酸ナトリウムの粉体とマグネシウムの粉体との原料粉体(混合物)が収容されており、前記マグネシウムは例えば反応に必要な理論モル量の1〜2倍で混合されている。先ずゲートバルブG3を開け第3の供給ホッパ42から大気圧雰囲気とされている第2の供給ホッパ41内にメタホウ酸ナトリウムとマグネシウムとの原料粉体を所定量供給する。次いでゲートバルブG3を閉じ,バルブV1を開けて真空ポンプ52によって第2の供給ホッパ41内の圧力を減圧する。続いてバルブV2を開けて第2の供給ホッパ41内に水素ガスを供給し、例えば3Mpaの水素ガス加圧雰囲気を形成する。
一方第1の供給ホッパ40は既に3Mpaの水素ガス加圧雰囲気とされており、ゲートバルブG2を開いて第2の供給ホッパ41内の原料粉体が第1の供給ホッパ40内に供給される。そして第2のホッパ41では再び原料粉体が第3の供給ホッパ42から供給できる環境にするために、バルブ3を開けて落圧手段57によって水素ガスの加圧雰囲気を常圧(大気圧)に戻し、常圧復帰後バルブ3を閉じる。しかる後、上記で述べたように第3の供給ホッパ42から第2の供給ホッパ41に原料粉体が供給される。前記第2の供給ホッパ41は、シリンダ20内に例えば常時連通する第1の供給ホッパ40と大気雰囲気である第3の供給ホッパ42とを気密に区画し、第1の供給ホッパ40から混合物を連続的にシリンダ20内に供給できるようにするために設けられている。
一方前記第1の供給ホッパ40内に混合物が供給された後、図示されない加熱手段例えばヒータによって前記第1の供給ホッパ40の内部を例えば400℃に加熱する。ここで前記第1の供給ホッパ40の内部を加熱する理由は、原料粉体を予備加熱するためである。この例ではゲートバルブG1は常時開いており、第1の供給ホッパ40内の原料粉体が供給口23からシリンダ20内に供給され、スクリュー軸3(3a、3b)によりシリンダ20内の他端側(左端側)に移送されていく。
図4はシリンダ20内の作用を示す作用図である。この移送時において図4に示すようにスクリュー軸3(3a、3b)の回転によってNaBO2粒子とMg粒子とが攪拌されて且つ剪断作用を受ける。一方第1の供給ホッパ40から加圧された水素ガスがシリンダ20内に原料粉体と共に流入するが、更に水素ガス供給口24から水素ガスが供給されて溝部22内に充満している。従って原料粉体粒子が水素ガスと接触し、シリンダ内20は例えば500〜600℃に加熱されていることから(2)の反応が進行する。
NaBO2+Mg+2H2→NaBH4+2MgO (2)
こうして逐次粒子表面にNaBH4及びMgOが生成されていくが、粒子群に剪断力が加わるため粒子表面同士が擦れて、生成物であるNaBH4及びMgOが剥れ、粒子表面に未反応の新しい面が露出し、この結果、未反応のNaBO2とMgと水素とが反応してNaBH4及びMgOが生成され、反応が促進されて高い反応率が得られる。
シリンダ20の他端側(左端側)に移送された粉体群は、排出口26を介して第1の回収ホッパ60に排出される。前記第1の回収ホッパ60内の粉体群が所定量に達するとゲートバルブG4を開けて第2の回収ホッパ61に供給される。続いてゲートバルブG4を閉じてバルブV8を開けて落圧手段57によって第2の回収ホッパ61内を常圧(大気圧)に戻し、更にバルブV8を閉じ、且つバルブV9を開けて窒素(N2)ガス供給部63から供給される窒素ガスでパージを行う。しかる後、バルブV9を閉じてゲートバルブG5を開け前記第2の回収ホッパ61内の粉体群が搬送手段70に投下されて粉体群が順次搬送される。
ここで図5はシリンダ20内における長さ方向の位置(右側が原料供給側である)と、シリンダ20内の圧力及び温度並びに反応率との関係を示している。原料はシリンダ20の原料供給口23から他端側に向かって移行するに従って温度が上昇し、それと共に反応が進んで反応率が急激に上昇していく。そして原料の温度が550℃まで上昇すると高い反応率が得られ、その後も他端側に向かって移行するに従ってその反応率が更に上昇していく。
上述の実施の形態によれば、スクリュー軸3(3a、3b)を備えた押出機内を水素ガスの加圧雰囲気とし、この中にNaBO2の粒子とMgの粒子とを供給して反応させながら前記(2)式の如く他端側から反応生成物であるNaBH4の粒子とMgOの粒子とを取り出すようにしているため、NaBH4の再生プロセスを連続的に行うことができ、量産を行う場合に非常に有効である。
そして原料粉体が攪拌されるため原料粉体同士と水素ガスとの接触効率が高く、しかも既述のように原料粉体表面に生成された反応生成物であるNaBH4及びMgOが剪断力により除去されて新しい面が露出することから、いわば表面が更新されていくことから、早い速度で反応が進行すると共に反応が停滞せずに活発化することことによって高い収率を得ることができる。
またスクリュー軸3(3a、3b)の押出し流れによってシリンダ20の一端側から他端側に向かいながら原料粉体の反応が進むのでオートクレーブのように反応が進んでいる粒子と未反応粒子とを混合させる場合に比べて未反応部位同士の接触確率が高く、従ってこの点からも高い収率が得られる。
本発明の装置に係る他の実施の形態について説明する。図6はシリンダ20の内部の他の構成を示したものである。第1の移送路21aと第2の移送路21bとが重なり合う部位の上部及び下部と第1の移送路21aの左側部及び第2の移送路の右側部に、前記シリンダ20の一端側から他端側に亘って水素ガスの通流路である例えば横断面形状が矩形の溝部22(22a、22b、22c、22d)を夫々形成してもよい。また前記溝部22の形成はこの限りではなく、例えば加圧された水素ガスをシリンダ20内の一端側から他端側まで通流させ、原料粉体粒子と水素ガスとが接触できる程度の空間であってもよい。またこのように溝部22を形成することによって上述と同様の効果を得ることができる。
また本発明は、2軸押出機に限定されるものではなく、各種の押出機を用いても上述と同様の効果を得ることができる。
2軸押出機を反応器とし、押出機の入口及び出口を加圧容器である原料供給室及び加圧容器である生成物回収室に夫々接続して密閉加圧状態により反応を行った。原料供給室内を水素圧力1Mpaで加圧し、平均粒径が50μmのメタホウ酸ナトリウム(NaBO2)と平均粒径が50μmのマグネシウム(Mg)との粉体混合物を原料供給室内で予め400℃に加熱した。前記粉体混合物を押出機に供給し、前記押出機内での粉体混合物の滞留時間を約10分とした。それと共に前記押出機を外部より電気加熱を行い押出機出口で600℃程度になるように調節した。前記押出機内には水素ガスの通流路である気相部が存在し、押出機内部を水素圧力1Mpaで加圧した。また前記原料供給室及び前記生成物回収室も同じ水素圧力1Mpaで加圧した。反応終了後、前記生成物回収室内の反応生成物を回収分析したところ、水酸化ホウ素ナトリウム(NaBO2)の収率が約90%であった。前記粉体混合物を原料供給室に、また前記反応生成物を生成物回収室から連続的に供給及び抜き出すことで連続的にテトラヒドロホウ酸ナトリウム(NaBH4)を生産できることが確認された。
本発明に係るテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置を示す概略図である。 本発明に係るテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置の一部分であるシリンダ内を示した断面図である。 本発明に係るテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置の一部分であるシリンダ内のスクリュー軸を示す説明図である。 本発明に係るテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置の一部分であるシリンダ内の作用を示す作用図である。 本発明に係るテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置の一部分であるシリンダ内の反応条件を示したグラフである。 本発明に係るテトラヒドロホウ酸塩を製造する装置の一部分である他のシリンダ内を示した断面図である。
符号の説明
2 2軸押出機
20 シリンダ
21 移送路
22 溝部
23 供給口
24 水素供給口
25 排気口
26 排出口
27 ヒータ
3(3a、3b) スクリュー軸
30(30a、30b) スクリュー羽根
31(31a、31b) 回転軸
32 モータ

Claims (5)

  1. 原料であるホウ酸塩とアルカリ土類金属とを含む混合物を水素ガス雰囲気下において反応させてテトラヒドロホウ酸塩を生成する製造装置において、
    反応器を構成し、その内部が水素ガスの加圧雰囲気とされるシリンダと、
    このシリンダの一端側に気密に接続されると共に水素ガスの加圧雰囲気とされ、前記混合物をシリンダに供給するための原料供給室と、
    前記シリンダの一端側から他端側に沿って設けられ、シリンダ内に供給された混合物を他端側に移送するためのスクリュー羽根と、
    前記シリンダを加熱するための加熱手段と、
    前記シリンダの他端側に気密に接続されると共に水素ガスの加圧雰囲気とされ、シリンダ内にて生成されたテトラヒドロホウ酸塩を回収するための生成物回収室と、を備えたことを特徴とするテトラヒドロホウ酸塩の製造装置。
  2. シリンダの内壁に一端側から他端側に向かって形成され、水素ガスの気相部を形成するための溝部を備えたことを特徴とする請求項1記載のテトラヒドロホウ酸塩の製造装置。
  3. 前記混合物が粉体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のテトラヒドロホウ酸塩の製造装置。
  4. 前記テトラヒドロホウ酸塩が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)又は水素化ホウ素カリウム(KBH4)であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のテトラヒドロホウ酸塩の製造装置。
  5. 反応器を構成するシリンダの一端側に、原料であるホウ酸塩とアルカリ土類金属とを含む混合物を加圧された水素ガスと共に供給する工程と、
    シリンダ内に供給された混合物をスクリュー羽根を回動させることにより混練させながら一端側から他端側に送り出しつつシリンダ内を加熱して、当該混合物と加圧水素ガスとを反応させてテトラヒドロホウ酸塩を生成する工程と、を含むことを特徴とするテトラヒドロホウ酸塩の製造方法。
JP2003333787A 2003-09-25 2003-09-25 テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法 Pending JP2005097047A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003333787A JP2005097047A (ja) 2003-09-25 2003-09-25 テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003333787A JP2005097047A (ja) 2003-09-25 2003-09-25 テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005097047A true JP2005097047A (ja) 2005-04-14

Family

ID=34461691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003333787A Pending JP2005097047A (ja) 2003-09-25 2003-09-25 テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005097047A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015190403A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 吉崎 敦浩 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法及び製造装置
JP5839337B1 (ja) * 2014-06-11 2016-01-06 吉崎 敦浩 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法及び製造装置
CN105502291A (zh) * 2015-12-30 2016-04-20 先进储能材料国家工程研究中心有限责任公司 一种硼氢化钠溶液的回收方法
WO2019198325A1 (ja) * 2018-04-12 2019-10-17 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法及びテトラヒドロほう酸塩
WO2019220707A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
JP2019199368A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
CN112441558A (zh) * 2019-08-29 2021-03-05 新东工业株式会社 氢化镁的制造方法和四氢硼酸盐的制造方法
CN112969659A (zh) * 2019-03-19 2021-06-15 新东工业株式会社 四氢硼酸盐的制造装置以及四氢硼酸盐的制造方法
KR20230075264A (ko) * 2021-11-22 2023-05-31 주식회사 에스에이씨 수소 반응기 및 이를 갖는 연속식 수소 방출 시스템

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2015272643A8 (en) * 2014-06-11 2017-03-16 Hydric Power Systems Co., Ltd. Method and apparatus for producing sodium borohydride
RU2652235C1 (ru) * 2014-06-11 2018-04-25 Хайдрик Пауэр Системз Ко., Лтд. Способ и устройство для производства борогидрида натрия
WO2015190403A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 吉崎 敦浩 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法及び製造装置
KR20160138495A (ko) 2014-06-11 2016-12-05 가부시키가이샤 하이드릭 파워 시스템즈 수소화 붕소나트륨의 제조방법 및 제조장치
CN106414314A (zh) * 2014-06-11 2017-02-15 株式会社氢燃料能源系统 硼氢化钠的制造方法和制造装置
AU2015272643B2 (en) * 2014-06-11 2017-03-02 Hydric Power Systems Co., Ltd. Method and apparatus for producing sodium borohydride
JP5839337B1 (ja) * 2014-06-11 2016-01-06 吉崎 敦浩 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法及び製造装置
AU2015272643B8 (en) * 2014-06-11 2017-03-16 Hydric Power Systems Co., Ltd. Method and apparatus for producing sodium borohydride
US10472246B2 (en) 2014-06-11 2019-11-12 Hydric Power Systems Co., Ltd. Method and apparatus for producing sodium borohydride
CN105502291A (zh) * 2015-12-30 2016-04-20 先进储能材料国家工程研究中心有限责任公司 一种硼氢化钠溶液的回收方法
WO2019198325A1 (ja) * 2018-04-12 2019-10-17 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法及びテトラヒドロほう酸塩
JP2019182710A (ja) * 2018-04-12 2019-10-24 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法及びテトラヒドロほう酸塩
CN111936414A (zh) * 2018-04-12 2020-11-13 新东工业株式会社 四氢硼酸盐的制造方法和四氢硼酸盐
US11685664B2 (en) 2018-04-12 2023-06-27 Sintokogio, Ltd. Method for producing tetrahydroborate and tetrahydroborate
JP7115007B2 (ja) 2018-04-12 2022-08-09 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法及びテトラヒドロほう酸塩
WO2019220707A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
JP2019199369A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
JP7070067B2 (ja) 2018-05-14 2022-05-18 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
JP7070066B2 (ja) 2018-05-14 2022-05-18 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
WO2019220708A1 (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
JP2019199368A (ja) * 2018-05-14 2019-11-21 新東工業株式会社 テトラヒドロほう酸塩の製造方法
CN112969659A (zh) * 2019-03-19 2021-06-15 新东工业株式会社 四氢硼酸盐的制造装置以及四氢硼酸盐的制造方法
CN112441558A (zh) * 2019-08-29 2021-03-05 新东工业株式会社 氢化镁的制造方法和四氢硼酸盐的制造方法
CN112441558B (zh) * 2019-08-29 2024-05-07 新东工业株式会社 氢化镁的制造方法和四氢硼酸盐的制造方法
KR20230075264A (ko) * 2021-11-22 2023-05-31 주식회사 에스에이씨 수소 반응기 및 이를 갖는 연속식 수소 방출 시스템
KR102665842B1 (ko) 2021-11-22 2024-05-30 주식회사 에스에이씨 수소 반응기 및 이를 갖는 연속식 수소 방출 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101853745B1 (ko) 수소화 붕소나트륨의 제조방법 및 제조장치
US7594939B2 (en) System for hydrogen storage and generation
CN101306818B (zh) 一种硅化镁的制备方法与装置
JP2005097047A (ja) テトラヒドロホウ酸塩の製造装置及びその製造方法
US7892521B2 (en) Synthesis and use of metal hydrides for vehicular and other applications
EP1993950A1 (en) A system for hydrogen storage and generation
AU2015292237B2 (en) Method for producing hydrogen
US20050072152A1 (en) Hydrogen production method, hydrogen production apparatus, hydrogen supply facilities, nd method for generating electric power
CN104176716B (zh) 一种氮化锆的制备方法
AU2020327321B2 (en) Method for producing sodium borohydride
WO2021025068A1 (ja) 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法
JP6977968B2 (ja) 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法
CN106276903A (zh) 一种制备富氢气体和电石的系统及方法
JP2006143537A (ja) テトラヒドロホウ酸塩の製造方法
JP2005029406A (ja) 水素ガスの製造方法
JP2002212570A (ja) 分解ガス発生物用の加圧押出し機
JP5839337B1 (ja) 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法及び製造装置
CN110862069A (zh) 一种硼氢化钠生产新工艺
WO2022168685A1 (ja) 水素化ホウ素ナトリウムの製造方法
JP5381513B2 (ja) 混合体及びその製造方法、水素ガスの製造方法、並びに、水素発生装置
KR20020092388A (ko) 격렬한 기계적 변형이 쉬운 금속 또는 금속 수소화물의화학 반응에 의해 수소 기체의 제조방법
CN114105148A (zh) 利用等离子球磨裂解合成高阶硅烷的方法