JP2005095188A - コンバインの刈取部の補助搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度と同調して駆動する場合と、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力での駆動を可能とした。
【選択図】図7
Description
また、穀稈の成育状況や稲の種類によっては、穀稈の高さが異なっているので、縦搬送装置の後端部を回動して、フィードチェーンに受け継ぐ株元の位置を変更して、脱穀・選別装置による扱深さを適正位置にするようにしている。
そして、縦搬送装置より直接にフィードチェーンに株元を受け継ぐ搬送は難しいので、一旦穀稈の途中部を補助搬送装置に受け継いで、穀稈を水平状に安定して保持した後にフィードチェーンに株元を受け継ぐように構成にしていた。
請求項1においては、刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、該平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度と同調して駆動する場合と、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力での駆動を可能としたものである。
請求項2の如く、機体の前部に駆動軸50を横架し、該駆動軸50の左側端部に平行補助搬送装置32を配設して駆動し、該駆動軸50の右側端部に第一入力プーリ51と、第二入力プーリ54を取り付けて、該前記第一入力プーリ51には、走行駆動部78より突出した刈取走行同調駆動軸82より動力が伝達され、第二入力プーリ54には、エンジンEの出力を走行駆動部78を経ずに伝達する定速回転駆動軸80よりベルトを巻回して連動し、
また、請求項3の如く、平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度と同調し、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動する場合と、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際において、定速回転駆動軸80を介して動力を平行補助搬送装置32に伝達し、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力で駆動を可能としたので、次のような効果を奏するものである。
即ち、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際には、刈取部Aと一体的に駆動する平行補助搬送装置32の駆動力の低下によって、平行補助搬送装置32からフィードチェーン7への穀稈の受け渡しの性能が低下する場合があるが、ミッションケースMより動力が直接入力するように、平行補助搬送装置32への動力伝達系統を切り換えて、穀稈の受け渡し性能が低下することを防いでいる。
図1はコンバインの全体側面図、図2は刈取部を示す側面図、図3は同じく刈取部を示す平面図、図4は本発明の刈取部の補助搬送装置を示す側面図、図5は刈取部の動力伝達を示すスケルトン図、図6は補助搬送装置を示す平面図、図7は脱穀・選別装置への動力伝達を示すスケルトン図、図8はフィードチェーンの側方回動にて開放された補助搬送装置の側面図である。
クローラ式走行装置9上にフレームFを取り付け、その上は、機体左右の一側が脱穀・選別装置B及び選別部C、他側が運転席D及びグレンタンク8が載置されている。刈取部Aは、脱穀・選別装置Bの前部で、機体の最前部に位置されており、穀稈搬送装置は、刈取部Aにて、脱穀・選別装置Bのフィードチェーン7に向けて配設されているものである。48は扱胴である。
そして、前記刈刃装置3上方に、刈刃装置3にて刈り取った穀稈の株元を挟扼し、脱穀・選別装置B側に搬送する下部搬送装置5を配し、該下部搬送装置5の上方に、穀稈の上部を支持して搬送する上部搬送装置4を配し、該上部搬送装置4の上方に穂先を後上方に搬送する穂先搬送装置20を配設している。
そして、これらの下部搬送装置5L・5R・5Cは、搬送チェーンとこれらの搬送チェーンの各穀稈搬送路と対向させて配置した挟扼体とから構成しており、縦搬送装置21も同様に構成している。
また、前記右側上部搬送装置4Rは前部搬送部4Raと後部搬送部4Rbとに二分割して形成している。そして、これらの搬送装置4L・4R・4Cは、多数の搬送タインを前後方向に回行可能に取り付けると共に、各搬送タインは後方移動時に進出し、かつ、前方移動時に退入すべく取り付けている。
更に、前記後部搬送部4Rbの後部と脱穀・選別装置Bとの間の位置に、補助搬送装置30を配置して、該補助搬送装置30と後部搬送部4Rbとを協働して穀稈をフィードチェーン7へ受け渡すことができるようにしている。
エンジンEからの出力の一方は、クラッチを介してグレンタンク8内の下部コンベア26に動力を伝達し、次いで縦コンベア27、排出オーガ28内のスクリューを駆動可能としている。
また、エンジンEからの他方の出力は、動力分岐用のミッションケースM内に入力されている。該ミッションケースM内には、走行駆動部78に動力を伝達する走行用駆動軸79、脱穀・選別装置Bに動力伝達する選別用駆動軸55、刈取部Aに伝達する定速回転駆動軸80を軸支している。
そして、エンジンEの出力は、カウンタ軸等を介して走行用駆動軸79と選別用駆動軸55に動力伝達される。また、前記選別用駆動軸55に固設したギアより刈取クラッチ81を介して定速回転駆動軸80に動力を伝達している。
また、第一入力プーリ51には、前記走行駆動部78より突出した刈取走行同調駆動軸82より、ワンウエイクラッチ82a及び同調クラッチ83を介して動力が伝達され、機体の走行速度に同調させた動力を駆動軸50に伝達するようにしている。
こうして、通常の作業においては、刈取クラッチ81をOFFにし、同調クラッチ83をONとして、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動軸50を駆動するようにし、刈取部Aの駆動力を走行速度に合わせるようにしている。
また、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際には、同調クラッチ83をOFFとし、刈取クラッチ81をONにして、定速回転駆動軸80を介してミッションケースMによって変速した動力を駆動軸50に伝達し、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力を駆動軸50に伝達するようにしている。
よって、後述する如く刈取部Aと一体的に駆動する補助搬送装置30の駆動力の低下によって、補助搬送装置30からフィードチェーン7への穀稈の受け渡しの性能が低下する場合には、ミッションケースMより動力が直接入力するように刈取クラッチ81をON側に切り換えて、穀稈の受け渡し性能が低下することを防いでいる。
ミッションケースMに伝達されたエンジンEの動力は、選別駆動軸55に伝達され、該選別駆動軸55の途中部からベベルギアを介して脱穀駆動軸57を駆動し、更にベルト、プーリーを介して送塵口処理胴49と扱胴48に動力を伝達している。
また、前記選別駆動軸55の左端にプーリ56を固設し、該プーリ56よりベルト等を介して唐箕47、揺動・選別装置C、横断流ファン46や排藁処理装置45等に駆動力を伝達している。
また、前記横断流ファン46の駆動軸からギア機構やカウンター軸等を介して、フィードチェーン7の後端部に配置する駆動スプロケット44の駆動軸43に動力を伝達し、フィードチェーン7を駆動している。
このように、該フィードチェーン7の駆動を刈取部Aとは独立した脱穀・選別装置Bの駆動部より取り出し可能としたことによって、刈取り作業において刈取り条を変更するために、機体を方向転換するために刈取部Aの駆動を停止させても、フィードチェーン7は駆動され、脱穀・選別作業を継続することができる。
更に、該フィードチェーン7の駆動速度は、補助搬送装置30の最大駆動速度より早い速度に設定しており、補助搬送装置30により受け渡される穀稈がフィードチェーン7の前部に詰まることなく、スムーズに受け継ぐことを可能にしている。
該補助搬送装置30は、左右に並設する二つの第一補助搬送装置31と平行補助搬送装置32からなる。即ち、図4、図6に示すように、縦搬送装置21の後部上方に配設する既存の搬送装置を第一補助搬送装置31として、該第一補助搬送装置31の左側に、フィードチェーン7と平行状の平行補助搬送装置32を配設している。
また、前記平行補助搬送装置32後部は、側面視においてフィードチェーン7前部とラップするように配されているが、図8に示す矢印に示すように、フィードチェーン7後部は回動支点軸59を回動中心としてチェーンカバーと一体的に回動し、フィードチェーン7前部を側方に回動することによって、平行補助搬送装置32を開放することができ、メンテナンス作業を行い易くしている。
図5、図7に示すように該減速ケース36内に設けた歯車(またはスプロケットとチェーン)によって駆動軸50の回動を減速し、該減速ケース36後部の左側方に配置する駆動スプロケット34を駆動し、平行補助搬送装置32を第一補助搬送装置31の搬送速度を合わせるように減速している。
よって、穀稈の穂先側を後部搬送部4Rbによって搬送し、穀稈の株元側を縦搬送装置21と第一補助搬送装置31によって挟扼し、縦搬送装置21の終端位置より直ちに平行補助搬送装置32によって株元の直上方位置を挟扼し、平行補助搬送装置32の前後途中位置より株元をフィードチェーン7に受け継ぐようにしている。
その際、フィードチェーン7と平行補助搬送装置32とによる搬送方向を等しくしているので水平状に傾倒する穀稈の搬送姿勢を整えて、穀稈の株元を正確に受け継ぎ、安定して脱穀部B内に搬送することができる。
この下方に付勢されるガイド杆37の途中部は、第一補助搬送装置31のカバーに吊設する係止体41に係止され、ガイド杆37の端部を平行補助搬送装置32の前部下部に位置させている。更に、前記ガイド杆37の下方には、縦搬送装置21を配設しており、該縦搬送装置21を上方に回動させると、縦搬送装置21の図示せぬケース後端部をガイド杆37の途中部に当接し、トルクバネ39の付勢力に抗してガイド杆37を上方に回動させており、ガイド杆37の後端部を平行補助搬送装置32の前部上方に移動させている。なお、ガイド杆37を下方に付勢する構成としてトルクバネ39に限定する必要はなく、ガイド杆37を圧縮バネ等の弾性体によって下方に付勢する構成にすることもできる。
また、扱深さを調整する為に、縦搬送装置21の回動に合わせて、ガイド杆37を回動し、穀稈の株元側を平行補助搬送装置32の受け継ぎを行う搬送面の適正位置に案内している。
例えば、扱深さを浅くするために、縦搬送装置21を上方に回動するとガイド杆37の端部を上方に回動して平行補助搬送装置32の搬送面の前部上部に位置し、株元が搬送面の前部より内側に入り込みことを防ぐようにしている。
このように、平行補助搬送装置32への受け継ぎをスムーズにして、穀稈を水平状に安定させて搬送するように構成し、平行補助搬送装置32の途中部より受け継ぎを失敗することなくフィードチェーン7に株元を受け継いでいる。
3 刈取装置
4 上部搬送装置
5 下部搬送装置
7 フィードチェーン
12 回動支軸
30 補助搬送装置
31 第一補助搬送装置
32 平行補助搬送装置
33 従動スプロケット
34 駆動スプロケット
35 搬送チェーン
36 減速ケース
40 従動スプロケット
50 駆動軸
Claims (3)
- 刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、
平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度と同調して駆動する場合と、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力での駆動を可能としたことを特徴とするコンバインの刈取部の補助搬送装置。 - 請求項1記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、
機体の前部に駆動軸50を横架し、該駆動軸50の左側端部に平行補助搬送装置32を配設して駆動し、
該駆動軸50の右側端部に第一入力プーリ51と、第二入力プーリ54を取り付けて、該前記第一入力プーリ51には、走行駆動部78より突出した刈取走行同調駆動軸82より動力が伝達され、第二入力プーリ54には、エンジンEの出力を走行駆動部78を経ずに伝達する定速回転駆動軸80よりベルトを巻回して連動することを特徴とするコンバインの刈取部の補助搬送装置。 - 請求項2記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、
平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度と同調し、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動する場合と、
機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させたりする際において、定速回転駆動軸80を介して動力を平行補助搬送装置32に伝達し、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力で駆動を可能としたことを特徴とするコンバインの刈取部の補助搬送装置。
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