JP2005093691A - 薄膜パターンの形成方法及び電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

薄膜パターンの形成方法及び電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄膜パターン形成に要する時間を短縮し、かつこれを安価に実施する薄膜パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 機能液を基板上に配置することにより薄膜パターンを形成する方法であって、前記基板に撥液性を付与する撥液化処理工程と、撥液性を付与された前記基板上に前記薄膜パターンと同じ開口パターンを有する金属製マスクを配した後、紫外線を照射して前記基板上に親液部を形成する親液パターン形成工程と、前記親液部に前記機能液を液滴吐出法によって配置する材料配置工程を有することを特徴とする薄膜パターンの形成方法。紫外線の替わりにOプラズマ処理を行ってもよい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、薄膜パターンの形成方法及び電気光学装置及び電子機器に関するものである。
液晶ディスプレイのゲート配線などの製造工程においては、ガラスや金属など種々の材料からなる基板上に親撥液性の薄膜パターンを形成し、前記薄膜パターンの親液部に導電性微粒子を含む配線パターン形成用インク(機能液)を配するということが行われる。機能液を配する方法の一例としては、液滴吐出法により吐出ヘッドの吐出ノズルから液滴状に吐出するということが行われている。
上記の薄膜パターンを形成する方法として、例えば、石英ガラスなどからなる基板上一面を撥液化処理した後、前記基板上方に薄膜パターンの撥液部と同じ遮光パターニングをしたガラスマスク(フォトマスク)を配し、ガラスマスクを介して紫外線を照射するということが行われている(非特許文献1参照。)。この方法は、前記ガラスマスク上方から紫外線を照射することによって、遮光パターニング部分は紫外線が透過せず、前記基板上に薄膜パターンの親液部が形成されるというものである。
森永 潤一"超撥水−超親水パターンを用いた新しい微細加工法の開発"、[online]、日本工業、(平成15年00月00日検索)、インターネット<URL:http://www.jij.co.jp/sentan/jushyou/2000/morinaga.htm>
しかしながら、上記の方法によれば、紫外線がガラスマスクを通過する際、ガラスマスクが紫外線を一部吸収してしまい、ガラスマスク下方にある基板に到達するエネルギーが減少してしまい、照射に必要とする時間が長くなるという欠点がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、薄膜パターン形成に要する時間を短縮すること、かつこれを安価に実施する方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の薄膜パターンの形成方法は、機能液を基板上に配置することにより薄膜パターンを形成する方法であって、前記基板に撥液性を付与する撥液化処理工程と、撥液性を付与された前記基板上に前記薄膜パターンと同じ開口パターンを有する金属製マスクを配した後、紫外線を照射して前記基板上に親液部を形成する親液パターン形成工程と、前記親液部に前記機能液を液滴吐出法によって配置する材料配置工程とを有することを特徴とする。
撥液処理された基板上に、薄膜パターンと同じ開口パターンを有する金属製マスクを配したことで、紫外線を照射した際、金属製マスクの開口部より紫外線が直接基板に到達するので、より短時間で効率よく基板上に親液部を形成することができ、薄膜パターンの形成工程を短縮できる。また、金属製マスクは安価に作製できるため、コストダウンにも適している。
また、本発明の薄膜パターンの形成方法は、紫外線を照射する替わりにOプラズマ処理により前記基板上に親液部を形成することもできる。金属製マスクを使用することで、ガラスマスクでは使用できなかったOプラズマであっても使用でき、このOプラズマ処理により、前記基板上に親液部を形成することができる。
前記基板上に前記金属製マスクを配する際、前記基板外方に、該基板より高さの低い枠(基板支持部材)を設け、前記金属製マスク外辺部を、前記枠(基板支持部材)に当接させるのが好ましい。このような方法を採ることによって、前記金属製マスク外辺部が基板方向に押圧され、前記基板と前記金属製マスクが密着する。金属製マスクが基板に密着していれば、プラズマ処理や紫外線照射を行う際に所定の位置以外にプラズマや紫外線の影響が及ぶことなく、所望の親液パターンをより精度よく作製できる。したがって機能液を液滴吐出法によって配する際に、吐出された機能液が所定の配置以外に付着するのを防止することができる。
前記機能液は、導電性材料からなるものでもよい。導電性材料の機能液を吐出することによって導電性のパターンが基板上に形成され、種々の電子機器に用いることができる金属配線を有する電気光学装置を得ることができる。
また、前記機能液がカラーフィルタ材料からなるものでもよい。カラーフィルタ材料を吐出することによって、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを得ることができる。
さらに、前記機能液が有機発光素子材料からなるものでもよい。有機発光素子材料を含む機能液を吐出することによって、有機エレクトロルミネッセンス装置の発光素子などを得ることができる。
本発明の電気光学装置は、上記記載の薄膜パターンの形成方法を用いて形成された薄膜パターンを備えたことを特徴とする。また、本発明の電子機器は、前記電気光学装置を具備したことを特徴とする。本発明によれば、より短時間で精度よく、かつ安価で電気光学装置及び電子機器を得ることができる。
以下、本発明の薄膜パターンの形成方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、親液性の基板上に撥液膜を形成し、次いで、親液パターンをOプラズマ処理によって形成し、機能液として導電性微粒子を含む配線パターン(薄膜パターン)形成用インクを液滴状に吐出し、基板上に導電性膜で形成された配線パターンを形成する場合の例を用いて説明する。
まず、使用するインク(機能液)について説明する。液体材料である配線パターン形成用インクは導電性微粒子を分散媒に分散した分散液からなるものである。本実施形態では、導電性微粒子として、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウム、及びニッケルのうちの少なくともいずれか1つを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。これらの導電性微粒子は分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと後述する液滴吐出ヘッドの吐出ノズルに目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと導電性微粒子に対するコーテイング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法によりインクを吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インクのノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、インクの基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いてインクを液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる。
配線パターンが形成される基板としては、ガラス、石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板など各種のものを用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものも含む。本実施形態においては、撥液化処理工程以前に、基板に親液性処理を行っておく。例えば、紫外線照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするOプラズマ処理等を行えばよい。
液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液体材料の一滴の量は例えば1〜300ナノグラムである。
次に、本発明に係る薄膜パターンを形成する際に用いられる装置について説明する。この薄膜形成用装置としては、液滴吐出ヘッドから基板に対して液滴を吐出(滴下)することによりデバイスを製造する液滴吐出装置(インクジェット装置)が用いられる。
図1は液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。図1において、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15とを備えている。
なお、ステージ7はこの液滴吐出装置IJによりインクを配置される基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド1は複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とX軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1の下面にX軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルからは、ステージ7に支持されている基板Pに対して、上述した導電性微粒子を含むインクが吐出される。
X軸方向駆動軸4にはX軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はX軸方向に移動する。
一方、Y軸方向ガイド軸5は基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは液滴吐出ヘッド1に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。更に、制御装置CONTは、X軸方向駆動モータ2に対して液滴吐出ヘッド1のX軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給するとともに、Y軸方向駆動モータ3に対してステージ7のY軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものであって、図示しないY軸方向駆動モータを備えている。このY軸方向駆動モータの駆動により、クリーニング機構8はY軸方向ガイド軸5に沿って移動する。クリーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ15はここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布されたインクに含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ15の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、Y軸方向を走査方向、Y軸方向と直交するX軸方向を非走査方向とする。したがって、液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルは、非走査方向であるX軸方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図1では、液滴吐出ヘッド1は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド1の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド1の角度を調整することでノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節可能としてもよい。
図2はピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。図2において、液体材料(配線パターン形成用インク、機能液)を収容する液体室21に隣接してピエゾ素子22が設置されている。液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系23を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素子22に電圧を印加し、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形し、吐出ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることによりピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることによりピエゾ素子22の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
次に、本発明の薄膜パターンの形成方法の一実施形態である配線パターンの形成方法について図3、図4及び図5を参照しながら説明する。図3は本実施形態に係る配線パターンの形成方法の一例を示すフローチャート図、図4及び図5は形成手順を示す模式図である。
図3に示すように、本実施形態に係る配線パターンの形成方法は、上述した配線パターン形成用インクを基板上に配置し、基板上に導電膜配線パターンを形成するものであって、基板上に撥液性を付与する撥液化処理工程と、撥液性を付与された前記基板上に前記導電膜配線パターン(薄膜パターン)と同じ開口パターンを有する金属製マスクを配した後、Oプラズマ処理により前記基板上に親液部を形成する親液パターン形成工程と、前記基板上の親液部に液滴吐出法によって導電性材料を含む配線パターン形成用インク(機能液)を配する材料配置工程を有している。また、前記材料配置工程の後、通常前記インクの液体成分の少なくとも一部を除去する中間乾燥工程と、焼成工程が行われる。
以下、各工程毎に詳細に説明する。本実施形態では基板Pとしてガラス基板が用いられる。
<撥液化処理工程>
図4(a)に示すように、本実施形態においては、基板Pに撥液性を付与する方法として、有機分子などからなる自己組織化膜31を形成する方法を用いることとする。
自己組織化膜(自己組織化単分子膜:SAM(Self Assembled Monolayer))とは、基板の表層原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を配向させて形成された膜である。この自己組織化膜は単分子を配向させて形成されているので、膜厚が極めて薄く、しかも、分子レベルで均一な膜となる。すなわち、膜の表面に同じ分子が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性を付与することができる。
高い配向性を有し、上記の自己組織化膜を好適に形成する化合物として、フルオロアルキルシラン(以下、FASと称する)が挙げられ、具体的には、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。使用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのも好ましいが、2種以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
FASは、一般に構造式Rn−Si−X(4−n)で表される。ここで、nは1以上3以下の整数を表し、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子などの加水分解基である。またRはフルオロアルキル基であり、(CF3)(CF2)x(CH2)yの(ここでxは0以上10以下の整数を、yは0以上4以下の整数を表す)構造を持ち、複数個のR又はXがSiに結合している場合には、R又はXはそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていてもよい。Xで表される加水分解基は加水分解によりシラノールを形成して、基板Pの下地のヒドロキシル基と反応してシロキサン結合で基板Pと結合する。一方、Rは表面に(CF3)等のフルオロ基を有するため、基板Pの下地表面を濡れない(表面エネルギーが低い、撥液性が高い)表面に改質する。
基板上に前述した自己組織化膜を形成する方法としては、上記の自己組織化膜の原料となる化合物が気相であっても液相であってもよい。前記化合物が気相である場合は、前記化合物と基板とを同一の密閉容器中に収容し、室温の場合は2〜3日程度放置することで基板上に自己組織化膜が形成される。また、前記密閉容器全体を100℃に維持することにより、基板上に自己組織化膜が形成される時間を3時間程度まで短縮することもできる。一方、前記化合物が液相である場合は、例えば、前記化合物を含む溶液中に基板を浸し、洗浄、乾燥することにより基板上に自己組織化膜を得ることができる。
なお、自己組織化膜を形成する前に、基板表面に紫外線照射や溶媒により洗浄するなどの前処理を施すことが好ましい。
自己組織化膜を形成する以外に、基板に撥液性を付与する手段として、常圧又は真圧中でプラズマ照射する方法が挙げられる。プラズマ照射に用いるガス種は、基板の表面材質を考慮して種々選択できる。例えば、4フッ化メタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロデカン等のフルオロカーボン系ガスを処理ガスとして用いることができる。この場合、基板の表面に、撥液性のフッ化重合膜を形成することができる。プラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが50〜1000W、4フッ化炭素ガス流量が50〜100mL/min、プラズマ放電電極に対する基体搬送速度が0.5〜1020mm/sec、基体温度が70〜90℃とされる。
更に、上記のプラズマを照射する方法の他にも、所望の撥液性を有するフィルム、例えば4フッ化エチレン加工されたポリイミドフィルム等を基板表面に貼着してもよい。あるいは、前記ポリイミドフィルムをそのまま基板として使用してもよい。
<親液パターン形成工程>
次に、図4(b)に示すように、撥液化処理をされた基板P上に配線パターンと同一の開口パターンを有する金属製マスク32を配し、配線パターン形成用インク(機能液)が吐出される親液部を形成する親液パターン形成工程を行う。ここでは、前記親液部をOプラズマ処理によって形成する。
プラズマ処理は、基板Pに対して金属製マスク32を配した状態で、金属製マスク32上方よりプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射する。Oプラズマ処理の条件の一例として、例えばプラズマパワーが50〜1000W、酸素ガス流量が50〜100mL/min、プラズマ放電電極に対する基板1の相対移動速度が0.5〜10mm/sec、基板温度が70〜90℃である。また、親液部のインクに対する接触角が15度以下、特に好ましくは10度程度となるように、Oプラズマ処理が行われることが好ましい。
図6はOプラズマ処理する際に用いるプラズマ処理装置の一例を示す概略構成図である。図6に示すプラズマ処理装置は、交流電源41に接続された電極42と、接地電極である試料テーブル40とを有している。試料テーブル40は試料である基板Pを支持しつつY軸方向に移動可能となっている。電極42の下面には、移動方向と直交するX軸方向に延在する2本の平行な放電発生部44,44が突設されているとともに、放電発生部44を囲むように誘電体部材45が設けられている。誘電体部材45は放電発生部44の異常放電を防止するものである。そして、誘電体部材45を含む電極42の下面は略平面状となっており、放電発生部44及び誘電体部材45と基板Pとの間には僅かな空間(放電ギャップ)が形成されるようになっている。また、電極42の中央にはX軸方向に細長く
形成された処理ガス供給部の一部を構成するガス噴出口46が設けられている。ガス噴出口46は、電極内部のガス通路47及び中間チャンバ48を介してガス導入口49に接続している。
ガス通路47を通ってガス噴出口46から噴射された処理ガスを含む所定ガスは、前記空間の中を移動方向(Y軸方向)の前方及び後方に分かれて流れ、誘電体部材45の前端及び後端から外部に排気される。これと同時に、電源41から電極42に所定の電圧が印加され、放電発生部44,44と試料テーブル40との間で気体放電が発生する。そして、この気体放電により生成されるプラズマで前記所定ガスの励起活性種が生成され、放電領域を通過する基板Pの表面全体が連続的に処理される。
本実施形態では、前記所定ガスは、処理ガスである酸素(O)と、大気圧近傍の圧力下で放電を容易に開始させ且つ安定に維持するためのヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の希ガスや窒素(N2)等の不活性ガスとを混合したものである。
前述したように、基板Pは、試料ステージ40に戴置されているが、以下、この基板Pの上方に金属製マスクを配する方法について説明する。
金属製マスク32の外辺部には、外枠35が設けられている。この外枠35の底面と金属製マスク32の底面(基板P側)とは、横から見た際同じ高さにある。一方、前述した基板Pの外方にも枠(基板支持部材)36が配置されている。この枠(基板支持部材)36の高さは基板Pの上面(金属製マスク側)より0.1mm程度低くなっている。基板外方の外枠36と、金属製マスク外辺部の外枠35を当接させることにより、金属製マスク32の外辺部は基板P側に押圧される。すなわち、金属製マスク32の開口パターンに悪影響を及ぼすことなく、前記基板P上に前記金属製マスク32が密着する。このように、金属製マスク32と基板Pを密着させておけば、前述したOプラズマ処理の精度が上がり、後述する材料配置工程において機能液を吐出する際、機能液が所望の位置以外に付着するのを防止することができる。
金属製マスクの外枠は、金属製マスクと一体化していてもよい。あるいは、金属製マスクをまず基板上に配し、ついで金属製マスクの外辺部を基板方向へ外枠などによって押圧してもよい。
金属製マスク32は、配線パターンと同一の開口パターンを有するものであり、材質としては、SUS(ステンレス)、アルミニウム、タングステン、クロムなどが挙げられる。市販されているものとして、三谷電子工業株式会社製メタルマスクなどがある。厚さは、特に制限はないが、薄い方が加工しやすいので好ましい。金属製マスクに所望の開口パターンを設ける方法としては、レーザ加工法、エレクトロフォーミング法、エッチング法などが挙げられるが、中でもエッチング法が精度よく加工できるので好ましい。金属製マスクは安価に加工でき、耐久性にも優れている。更に、エッチング法などによって金属製マスクの開口部を精度よく加工することができるため、このような金属製マスクを薄膜パターンの形成方法に用いると好適である。
図4(b)に戻り、金属製マスク32の開口部33を介してOプラズマが直接基板P側に到達するので、図4(c)に示す配線パターン用インク(機能液)が吐出される親液部34がOプラズマ処理によって形成できる。金属製マスク32の開口部33以外の部分はOプラズマ処理の影響を受けないので、撥液性を維持したままである。したがって、配線パターン用インクが吐出されない撥液部31となる。
以上、Oプラズマ処理を行い、親液部を形成する方法を説明したが、本発明はプラズマ照射の替わりに紫外線照射を行ってもよい。図7は、FAS処理が施された基板Pに対して紫外光を照射する紫外線照射装置Uを示す模式図である。図7に示すように、紫外線照射装置Uは、所定の波長を有する紫外光(UV)を射出可能な紫外線射出部11と、基板Pを支持するステージ12とを備えている。紫外線射出部11から射出された紫外光はステージ12に支持されている基板Pに照射される。ステージ12にはステージ駆動部13が設けられており、ステージ駆動部13は基板Pを支持したステージ12を所定方向に走査する。紫外線照射装置Uは、所定方向に基板Pを走査しつつ紫外線射出部11から紫外光を射出することにより、基板Pの少なくともパターン形成領域に対して紫外光を照射する。基板Pが小さい場合は、基板Pを走査せずに紫外光を照射してもよい。もちろん、紫外線射出部11を移動しつつ基板Pに紫外光を照射してもよい。FAS処理により撥液性を付与された基板Pに対して紫外光を照射することにより、基板Pの撥液性は低下する。
ここで、紫外線照射装置Uは、基板Pの表面に対して一様に紫外光を照射することも可能であるし、所定のパターンを有するマスクMを介して基板Pに紫外光を照射することも可能である。マスクMを介して基板Pに紫外光を照射することにより、基板P上にはパターニングされた撥液性低下部(撥液性低下領域)が設定される。
紫外線照射装置U(紫外線射出部11)の照射動作は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは、紫外線照射条件を設定し、この設定条件に基づいて紫外線照射装置Uの照射動作を制御する。ここで、設定可能な紫外線照射条件は、基板Pに対する紫外光の照射時間、基板Pの単位面積当たりに対する照射量(光量)、及び照射する紫外光の波長のうち少なくとも1つであり、制御装置CONTはこれらの条件のうち少なくとも1つに基づいて照射動作を制御する。ここで、制御装置CONTは、後述するように、紫外線照射処理を施す前と後での紫外線照射条件に応じた基板Pと液滴との接触角の変化量に関する情報に基づいて、紫外線照射条件を設定し、この設定した照射条件に基づいて、紫外線照射装置Uを用いて基板Pに紫外光を照射する。この基板Pと液滴との接触角の変化量に関する情報は予め記憶装置Rに記憶されており、制御装置CONTは記憶装置Rに記憶されている前記情報に基づいて照射条件を設定する。
紫外線照射の条件の一例としては、波長254nm、ランプ強度15mW/cm2のランプであれば、17mm程度は離し、全面均一に紫外線が照射するように基板を4mm/secでランプの下を3往復させる。
親液化処理としてOプラズマ処理又は紫外線照射処理のいずれか一方を行うように説明したが、もちろん、Oプラズマ処理と紫外線照射処理とを組み合わせてもよい。
<材料配置工程>
次に、前述した液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、配線パターン形成用インク(機能液)を基板上の親液部に配置する。材料配置工程を開始する以前に、金属製マスクは基板P上から取り外しておく。なお、ここでは、導電性材料として有機銀化合物を用い、溶媒(分散媒)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを用いた有機銀化合物からなるインクを吐出する。材料配置工程では、図5(d)に示すように、液滴吐出ヘッド1から配線パターン形成用材料を含むインクを液滴にして吐出する。液滴吐出ヘッド1は、親液部34に向け、インクの液滴を吐出して親液部34上方にインクを配置する。このとき、液滴が吐出される配線パターン形成予定領域(34)は周囲が撥液性を有している撥液部35であるため、液滴が所定位置以外に拡がることを阻止できる。
<中間乾燥工程>
基板Pに液滴を吐出した後、分散媒の除去及び膜厚確保のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行なうこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。このような中間乾燥工程を行うことで、図5(f)に示すように、パターニングされた薄膜37を得ることができる。また、この中間乾燥工程と上記材料配置工程とを繰り返し行うことにより、インクの液滴が複数層積層され、膜厚の厚い配線パターンを形成してもよい。
<焼成工程>
吐出工程後の乾燥膜は、有機銀化合物の場合、導電性を得るために熱処理を行い、有機銀化合物の有機分を除去し銀粒子を残留させる必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行なうこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。本実施形態では、溝部34のインクに対して、大気中クリーンオーブンにて150℃〜200℃で10〜20分間の焼成工程が行われる。なお、例えば、有機銀化合物の有機分を除去するには、約200℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上100℃以下で行なうことが好ましい。以上の工程により吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜に変換される。
<電気光学装置>
本発明の電気光学装置の一例である液晶表示装置について説明する。図8は本発明に係る液晶表示装置について、各構成要素とともに示す対向基板側から見た平面図であり、図9は図8のH−H’線に沿う断面図である。図10は液晶表示装置の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
図8及び図9において、本実施の形態の液晶表示装置(電気光学装置)100は、対をなすTFTアレイ基板10と対向基板20とが光硬化性の封止材であるシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶50が封入、保持されている。シール材52は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されている。
シール材52の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路204が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。
なお、データ線駆動回路201及び走査線駆動回路204をTFTアレイ基板10の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板10の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。なお、液晶表示装置100においては、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。また、液晶表示装置100をカラー表示用として構成する場合には、対向基板20において、TFTアレイ基板10の後述する各画素電極に対向する領域に、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
このような構造を有する液晶表示装置100の画像表示領域においては、図10に示すように、複数の画素100aがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT(スイッチング素子)30が形成されており、画素信号S1、S2、…、Snを供給するデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。
画素電極19はTFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2、…、Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極19を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、…、Snは、図8に示す対向基板20の対向電極121との間で一定期間保持される。なお、保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防ぐために、画素電極19と対向電極121との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量60が付加されている。例えば、画素電極19の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量60により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い液晶表示装置100を実現することができる。
また、上記実施形態では、薄膜パターンを導電性膜とする構成としたが、これに限られず、例えば液晶表示装置において表示画像をカラー化するために用いられているカラーフィルタにも適用可能である。このカラーフィルタは、基板に対してR(赤)、G(緑)、B(赤)のインク(液体材料)を液滴として所定パターンで配置することで形成することができるが、全体を撥液化処理した基板に対して所定パターンに応じた親液部を形成し、この親液部にインクを配置してカラーフィルタを形成することで、短時間で精度よく、かつ安価にカラーフィルタを有する液晶表示装置を製造することができる。
なお、上記実施形態では、TFT30を液晶表示装置100の駆動のためのスイッチング素子として用いる構成としたが、液晶表示装置以外にも例えば有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に応用が可能である。
さらに、本発明の薄膜パターン形成方法を用いて有機EL装置の発光素子を製造することもできる。前記発光素子は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。そして、上記のTFT30を有する基板上に、有機EL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の各発光色を呈する材料すなわち発光層形成材料及び正孔注入/電子輸送層を形成する材料をインクとし、前述した発光素子をマトリクス状に作製する際、本発明の薄膜パターン形成方法を使用して自家発光フルカラーEL装置を製造することができる。本発明における電気光学装置の範囲にはこのような有機EL装置をも含むものである。
他の実施形態として、非接触型カード媒体の実施形態について説明する。図11に示すように、本実施形態に係る非接触型カード媒体(電子機器)400は、カード基体402とカードカバー418から成る筐体内に、半導体集積回路チップ408とアンテナ回路412を内蔵し、図示されない外部の送受信機と電磁波または静電容量結合の少なくとも一方により電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うようになっている。本実施形態では、上記アンテナ回路412が、上記実施形態に係る配線パターン形成方法によって形成されている。
なお、本発明に係る電気光学装置としては、上記の他に、PDP(プラズマディスプレイパネル)や、基板上に形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用する表面伝導型電子放出素子等にも適用可能である。
<電子機器>
本発明の電子機器の具体例について説明する。
図12(a)は携帯電話の一例を示した斜視図である。図12(a)において、600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図12(b)はワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図12(b)において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は上記実施形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図12(c)は腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図12(c)において、800は時計本体を示し、801は上記実施形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図12(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置を備えたものであり、短時間で精度よく、かつ安価で作製された配線パターンを有している。
なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるものとしたが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
液滴吐出装置の概略斜視図である。 ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。 本発明の薄膜パターンの形成方法の一実施形態を示すフローチャート図である。 本発明の薄膜パターンを形成する手順の一例を示す模式図である。 本発明の薄膜パターンを形成する手順の一例を示す模式図である。 親液パターン形成工程に用いるプラズマ処理装置の一例を示す図である。 親液パターン形成工程に用いる紫外線照射装置の一例を示す図である。 液晶表示装置を対向基板の側から見た平面図である。 図8のH−H’線に沿う断面図である。 液晶表示装置の等価回路図である。 非接触型カード媒体の分解斜視図である。 本発明の電子機器の具体例を示す図である。
符号の説明
32…金属製マスク、36…枠(基板支持部材)、37…配線パターン(薄膜パターン)、100…液晶表示装置(電気光学装置)、400…非接触型カード媒体(電子機器)、P…基板。

Claims (8)

  1. 機能液を基板上に配置することにより薄膜パターンを形成する方法であって、前記基板に撥液性を付与する撥液化処理工程と、
    撥液性を付与された前記基板上に前記薄膜パターンと同じ形状、大きさの開口パターンを有する金属製マスクを配した後、前記金属製マスクを介して紫外線を前記基板に照射して、前記基板上に親液部を形成する親液パターン形成工程と、
    前記親液部に前記機能液を液滴吐出法によって配置する材料配置工程を有することを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
  2. 機能液を基板上に配置することにより薄膜パターンを形成する方法であって、前記基板に撥液性を付与する撥液化処理工程と、
    前記撥液性を付与された前記基板上に薄膜パターンと同じ開口パターンを有する金属製マスクを配した後、前記金属製マスクを介してOプラズマ処理を施すことにより前記基板上に親液部を形成する親液パターン形成工程と、
    前記親液部に前記機能液を液滴吐出法によって配置する材料配置工程を有することを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
  3. 前記基板の外方に、該基板より高さの低い基板支持部材を設け、前記金属製マスク外辺部を前記基板支持部材に当接させることにより、前記基板上に前記金属製マスクを配することを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜パターンの形成方法。
  4. 前記機能液が導電性材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法。
  5. 前記機能液がカラーフィルタ材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法。
  6. 前記機能液が有機発光素子材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜パターンの形成方法を使用して形成された薄膜パターンを備えたことを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項7に記載の電気光学装置を具備したことを特徴とする電子機器。
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