JP2005093521A - 配向熱電材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結晶配向度が大きく優れた熱電特性を有する熱電材料を製造する方法およびその製造方法により形成された熱電材料を提供すること。
【解決手段】 配向熱電材料(多結晶体)に磁性成分(常磁性、強磁性,フェリ磁性)を添加する。添加した磁性微粒子bの磁性成分が印加した磁場方向に配向し、磁化率の大きい方向が熱電材料微粒子cを含めた試料全体で揃い(点線の方向が磁化率の大きい方向に相当)、結晶配向度が大きく優れた熱電特性を有する熱電材料が得られる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱電材料およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、結晶配向性すなわち結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料およびその製造方法に関するものである。
現在、世界のエネルギーは、その多くを化石燃料の燃焼エネルギーに依存しているが、熱サイクルを使用する発電システムの場合、そのエネルギーの多くを廃熱として未利用のまま廃棄しているのが現状である。一方、地球環境の保全が世界的規模で議論されるようになり、エネルギーの未利用分の有効利用技術開発が精力的に進められている。
この中で、熱電変換を用いた発電は、比較的低品質の熱においても直接電気に変換することが可能であるため、現状の未利用の廃熱を回収できる技術であり、最近のエネルギー問題や環境問題の深刻化に伴い、熱電変換に対する期待度はますます大きくなっている。
この熱電変換とは、異なる2種の金属やp型半導体とn型半導体等の熱電変換材料に温度差を与えると、両端に熱起電力が発生するゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを直接電力に変換する技術であり、モーターやタービン等の可動部がまったくなく、また、老廃物もないという優れた特徴を有している。
ここで、熱電特性の性能評価に用いられる性能指数Zは、下記の式で表される。
Z=α/(κ・ρ)
α:ゼーベック係数
κ:熱伝導率
ρ:比抵抗
すなわち、大きな性能指数Zを得るためには、ゼーベック係数αが大きく、熱伝導率κと比抵抗ρが小さいことが必要である。
ここで、ゼーベック係数αは物性値であるため材料によって決まってしまうが、熱伝導率κと比抵抗ρは、材料の微細組織や配向性によっても大きく変化させることが可能なため、熱伝導率κや比抵抗ρを小さくするための結晶組織制御方法が様々検討されている。
すなわち、結晶組織の配向性を向上させることにより、ある方向に対して熱伝導率κおよび比抵抗ρを小さくすることが可能となり、その結果、その方向における熱電特性を向上すなわち性能指数Zを大きくすることができるようになる。
例えば、特開2000−211971号公報(特許文献1)には、AxB2Oy(A:Na,Li,K,Ca,Sr,Ba,Bi,Y,La、 B:Mn,Fe,Co,Ni,Cu、1≦x≦2、2≦y≦4)型構造を有する熱電素子材料。特にNaCo2O4系熱電素子材料は、水酸化コバルトまたは酸化コバルトの板状粒子とナトリウム金属塩とを混合し、これを前記水酸化コバルトまたは酸化コバルト粒子が一方向に配向するように成形し、この成形体を焼成して緻密化させることによりC軸方向が配向した焼結体が作製される、という内容の熱電素子材料およびその製造方法が提案されている。
また、特開2002−16297号公報(特許文献2)には、結晶配向材料のテンプレートとなる物質である形状異方性を有するZnOまたはその前駆体粉末材料と、このZnOまたはその前駆体粉末材料との反応によって結晶異方性のある導電性酸化物を生成する物質とを混合し、この混合材料を前記異方形状粉末が一方向に配向するように常温下で成形し、この成形物を熱処理することにより合成し、その後に焼結する、という内容の結晶配向バルクZnO系焼結体材料の製造方法およびそれにより製造された熱電変換デバイスが提案されている。
さらに、特開2001−223396号公報(特許文献3)には、V族元素とVI族元素からそれぞれ選択した一種以上の元素の組み合わせを主成分とする熱電材料若しくは金属と半金属系材料の組み合わせを主成分とする熱電材料またはこれらに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれらの混合物を添加した熱電材料の直流通電加圧による焼結に際し、100〜15000Aの可変電流範囲で通電するとともに、磁束密度0.1T≦H≦2.0T(T:テスラ)の範囲で磁場をかけながら焼結し、焼結体組織の電気的配向性を得ることを特徴とする熱電材料の製造方法が提案されている。
特開2000−211971号公報 特開2002−016297号公報 特開2001−223396号公報
しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2により提案された方法によると、確かにある程度配向された試料を提供することが可能であるが、いずれもその配向度には限界があり、さらに、配向した成形物を焼結あるいは焼成して緻密化する際に配向度が低下するため、その配向性がまだ十分ではないという不具合が生じている。
また、上記特許文献3により提案された方法によると、磁場中において焼結を行うことにより、電気的配向性を得ているのみであり、磁場強度が小さいため結晶そのものを配向することができず、かえって電気抵抗や熱伝導率等の物理的特性の異方性を減少または消失させてしまって、結晶組織の配向度を大きくし、ある方向における熱伝導率や比抵抗を小さくするための結晶組織制御方法という目的では用いることができないのが現状である。
これより熱電材料の結晶配向度を大きくでき、その配向度を減少させることなく熱電材料を製造できる方法ならびに十分な配向度を有した熱電材料が切望されていた。
そこで本発明の目的は、結晶配向度が大きく優れた熱電特性を有する熱電材料を製造する方法およびその製造方法により形成された熱電材料を提供することにある。
本発明の第1の特徴は、結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも常磁性成分を含有することにある。
本発明の第2の特徴は、結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも強磁性成分を含有することにある。
本発明の第3の特徴は、結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくともフェリ磁性成分を含有することにある。
本発明の第4の特徴は、上記の配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも常磁性成分とともに反磁性成分を含有することにある。
本発明の第5の特徴は、上記の配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも強磁性成分とともに反磁性成分を含有することにある。
本発明の第6の特徴は、上記の配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくともフェリ磁性成分とともに反磁性成分を含有することにある。
本発明の第7の特徴は、上記の配向熱電材料において、該配向熱電材料が、微粒子の集合体より構成され、その微粒子がそれぞれ一定の方向に配向していることにある。
本発明の第8の特徴は、熱電材料を磁場中で成形して配向熱電材料を製造する配向熱電材料の製造方法において、前記熱電材料中に、常磁性成分を添加する工程を具備したことにある。
本発明の第9の特徴は、熱電材料を磁場中で成形して配向熱電材料を製造する配向熱電材料の製造方法において、前記熱電材料中に、強磁性成分を添加する工程を具備したことにある。
本発明の第10の特徴は、熱電材料を磁場中で成形して配向熱電材料を製造する配向熱電材料の製造方法において、前記熱電材料中に、フェリ磁性成分を添加する工程を具備したことにある。
請求項1〜6に記載の発明によれば、磁性成分(常磁性,強磁性,フェリ磁性)を含有することにより、磁場による配向が可能になり、それにより特定の方向において熱電特性が向上できた。
請求項7に記載の発明によれば、微粒子がそれぞれ磁化率の異方性に沿って配向しているので、特定の方向において熱電特性が向上できた。
請求項8〜10に記載の発明によれば、簡便な方法を用いて配向性の良好な熱電材料を製造することが可能になった。
本発明は、熱電材料中に常磁性成分、強磁性成分、フェリ磁性成分といった磁性成分を添加することにより、磁場中にて熱電材料あるいは熱電材料成形体を形成し、必要に応じてさらに磁場中にて熱処理による緻密化を行う等により、結晶配向度が大きく優れた熱電特性を有する熱電材料を製造する方法およびその製造方法により形成された熱電材料を得るようにしたものである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の製造工程の一例を示した図である。
本例は、熱電材料微粒子の合成工程(ステップS10)、磁性成分の添加工程(ステップS20),分散液作製の工程(ステップS30),磁場中での成形工程(ステップS40),および磁場中熱処理の工程(ステップS50)からなる。なお、分散液作成の工程(ステップS30)は、分散液を特に用いない場合には不要である。
以下、各工程について詳細に説明する。
(a)最初の工程は、熱電材料微粒子の合成工程である。
この場合の微粒子は、磁化率の異方性を有していることが必要である。すなわち、任意の方向には磁化率χが小さく、他の任意の方向においては磁化率χが大きく、その両方向の磁化率の差Δχはできるだけ大きい方が磁場を用いて配向熱電材料を製造するには好ましい。
ここでは、微粒子の例に関して述べているが、必ずしも微粒子である必要はない。また、もともと結晶構造に異方性がある場合は、それによって磁化率の異方性をも有することが可能である。
この意味からも、例えば、酸化物の層状化合物は配向熱電材料を製造するための原料として好ましい。この化合物は層状になっているため、層の積層方向とそれに垂直方向で磁化率χが大きく異なっており、磁場で配向することによって熱電特性を向上させることが可能になるわけである。
(b)次の工程は、磁性成分の添加工程(ステップS20)である。
磁場による配向熱電材料の形成を考慮した場合には、添加する磁性成分としては、常磁性成分、強磁性成分、およびフェリ磁性成分が適している。
これらの磁性成分が、磁化率の異方性を有していると、さらに好適である。また、添加した磁性成分は、全体に均一に分布するように、必要に応じて均一分布化処理を施しても問題ない。
添加する量に関しては、添加する磁性成分の磁気特性およびその形状等によって異なるため、添加する磁性成分によって最適な添加量を適宜選択すればよい。
また、磁場による配向熱電材料の形成ならびに配向熱電材料の熱電特性を考慮すると、熱電材料としては、少なくとも反磁性成分を含有することが好ましい。この場合、反磁性磁化率の異方性が大きいことがより好ましい。
(c)次の工程は、上記のように磁性成分を添加した熱電微粒子を溶媒中に分散する分散液作製の工程(ステップS30)である。上述したように、分散液を特に用いない場合は、この工程を省略することができる。
分散液としては、水、有機溶媒、無機溶媒、いずれを用いても特に問題ない。いずれの場合にも、微粒子が、凝集することなく溶媒中に分散していることが必要である。そのために、必要に応じて超音波分散を行ったり、あるいは、界面活性剤等を添加しても問題ない。
ここで、上記工程で添加した磁性成分を、上記工程で添加せず(上記工程を経ず)この工程で添加しても問題ない。その場合は、磁性成分をそのまま添加しても問題ないし、磁性成分を分散液とした後に添加しても問題ない。適宜選択すればよい。
(d)次の工程は、磁場中での成形工程(ステップS40)、すなわち、上記の熱電微粒子の分散液(分散液を用いない場合は集合体)を磁場中に挿入し、成形体とする工程である。
磁化率の異方性を有した微粒子は、磁場により配向させることが可能である。微粒子が置かれている状態にもよるが、磁場強度をHとすると、
≫2kT/Δχ
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
Δχ:磁化率の異方性
の関係を満たすような磁場強度の場合に、磁化率の大きい方向を磁場印加方向に配向させることが可能になる。
しかしながら、熱電材料は一般的には強磁性体ではないので、その配向のためには、非常に大きい磁場強度を必要とする。この磁場強度としては、2Tより大きい場合が、熱電材料を配向するためには好ましく、より好ましくは5T以上の磁場であり、さらに好ましくは10T以上の磁場である。この工程により、磁化率の異方性を有した微粒子が磁化率の大きい方向を、印加した磁場の方向に配向した成形体が形成される。
ここで、本発明のように、熱電材料中に、常磁性成分、強磁性成分、およびフェリ磁性成分といった磁性成分が添加されている場合は、より配向性の良好な熱電材料を製造することが可能である。
さらには、添加する磁性成分の、磁気特性ならびに形状によっては、より小さい磁場強度においても、配向熱電材料を製造することが可能になり、生産性の向上に貢献できるものである。
(e)続いての工程は、この成形体を熱処理により緻密化を行い、強度の大きいバルク体を形成する磁場中熱処理の工程(ステップS50)である。
この熱処理による緻密化工程には、微粒子原料をバルク化する焼結の工程も含まれる。従来の配向熱電材料を製造する方法では、配向した成形体を形成した後、この熱処理による緻密化を行う工程で、その配向度を小さくしてしまっていた。これは、熱処理により、せっかく配向していた粒子等がその一部の領域がランダムな方向を向いてしまうためである。
これに対して、磁場中での熱処理(焼結も含む)を行うことにより緻密化を行う場合は、この工程においても配向度を維持することが可能になるため、極めて配向性の良い熱電材料のバルク体を形成することができるわけである。但し、この場合は、温度が高温になるため、磁化率が低下し、それによって磁化率の異方性が減少することが考えられ、その場合には、それに応じた磁場強度にすることが必要になる。
この工程に於いても、本発明のように、熱電材料中に、常磁性成分、強磁性成分、およびフェリ磁性成分といった磁性成分が添加されている場合は、より配向性の良好な熱電材料を製造することが可能である。
さらには、添加する磁性成分の、磁気特性ならびに形状によっては、より小さい磁場強度においても、配向熱電材料を製造することが可能になり、生産性の向上に貢献できるものである。
以上は、熱電材料を配向成形体にした後、熱処理により緻密化する場合を説明したが、熱電材料の前駆体を同様な方法で配向成形体とし、熱処理により熱電材料を合成することも可能である。
図2は、結晶の配向性を有していない熱電材料(多結晶体)の概念図であり、構成要素である熱電材料の結晶粒aの各々は、磁化率の異方性がばらばら(ランダム)の方向を向いている(図2において、各結晶粒a中の点線の方向が磁化率の大きい方向に相当)。
それに対し、本発明により製造した配向熱電材料(多結晶体)は、添加した磁性成分が印加した磁場方向に配向する性質を利用することにより、より簡易的に全体が磁化率の異方性に沿って配向しており、すなわち、磁化率の大きい方向が試料全体で揃うことが可能になる。
図3は、本発明により製造した配向熱電材料(多結晶体)の概念図であり、添加した磁性微粒子bの磁性成分(常磁性、強磁性,フェリ磁性)が印加した磁場方向に配向し、磁化率の大きい方向が熱電材料微粒子cを含めた試料全体で揃う様子を示している(図3において、点線の方向が磁化率の大きい方向に相当)。
例えば、この磁化率の異方性に対して比抵抗あるいは熱伝導率等の電気的特性の異方性が対応する酸化物の層状化合物から構成される熱電材料等では、特定の方向において、熱電特性を向上させることが可能になる。
例えば、特定の方向において比抵抗を小さくすることができれば、その他の物理定数が一緒であってもその方向における性能指数Zは大きくなり、その方向で優れた熱電特性が得られることになる。
また、熱伝導率の小さい方向を利用して、一端を高温とし、多端を低温とすることにより、両端での温度差を大きく取ることが可能になり、それによって取り出せる電力を向上することが可能になる。
このように、本発明を用いると、熱電材料に、常磁性成分,強磁性成分,フェリ磁性成分といった磁性成分を添加し、磁場中で配向成形体を形成することにより、磁化率の異方性に沿って配向した成形体を得ることができる。
さらに磁場中で熱処理を行い、配向成形体の緻密化を行うことにより、磁化率の異方性に沿って配向したままの(配向性を低下させないで)強度の大きいバルク体を形成することが可能になる。
以上説明したように、非常に簡便な方法にて、従来その製造が困難であった非常に良好な配向性を有した熱電材料の製造が可能になり、本発明で製造した配向性熱電材料は、特定の方向において非常に高い熱電特性を有することができるものである。
次に、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
Co粉末とNaCO粉末を、十分に混合した後、電気マッフル炉にて、880℃にて20時間焼成を行った。
焼成後、この試料を粉砕することにより、NaCo(1≦x≦2、2≦y≦4)微粒子を合成した。
この微粒子を、超伝導マグネットを用いて10T(テスラ)の磁場を印加しながら成形した結果、1軸方向に配向した成形体が形成できた(試料1)。
これに対し、粉砕したNaCo(1≦x≦2、2≦y≦4)微粒子中に、常磁性成分として、FeCr微粒子を5wt%添加した複合微粒子を、同様に超伝導マグネットを用いて10T(テスラ)の磁場を印加しながら成形した結果、この場合も1軸方向に配向した成形体が形成できた(試料2)。
走査型電子顕微鏡を用いて、試料1と試料2の配向性を評価した結果、試料2の配向性の方が良好であることがわかった。
(実施例2)
実施例1において、NaCo(1≦x≦2、2≦y≦4)微粒子中に添加する磁性成分として、フェリ磁性成分であるMnZnフェライト(38mol%MnO−6.4mol%ZnO−Fe)を5wt%添加した複合微粒子を、同様に超伝導マグネットを用いて10Tの磁場を印加しながら成形した結果、この場合も1軸方向に配向した成形体が形成できた(試料3)。
走査型電子顕微鏡を用いて配向性を評価した結果、試料1と比較して試料3の配向性の方が良好であった。
(実施例3)
実施例2と同様の方法を用いて成形体を形成する際、超伝導マグネットの磁場強度を変化させ、同様に走査型電子顕微鏡を用いて配向性を評価した。
NaCo(1≦x≦2、2≦y≦4)微粒子のみを用いた場合は、5T以上の磁場強度において、良好な配向性が確認できたのに対し、NaCo(1≦x≦2、2≦y≦4)微粒子中にMnZnフェライト(38mol%MnO−6.4mol%ZnO−Fe)を5wt%添加した複合微粒子を用いた場合には、2T以上の磁場強度において良好な配向性が確認できた。
このように、磁性成分を添加した場合には、より小さい磁場強度においても、良好な配向成形体が形成できることがわかった。
(実施例4)
実施例1において形成した成形体(試料1)と、実施例2において形成した成形体(試料3)を、920℃で12時間空気中にて焼結を行った。焼結は、高温強磁場熱処理装置を用いて、15Tの磁場を印加しながら焼結を行った。尚、磁場の印加方向は、配向成形体の磁化率の大きい方向と一致させた。
焼結後の両試料の微細組織を走査電子顕微鏡にて観察したところ、フェリ磁性成分を添加した試料(試料3)の方が、配向性が良好であった。このように、磁性成分を添加した場合には、焼結体においても、配向性が良好であった。
本発明の製造工程の一例を示したものである。 結晶の配向性を有していない熱電材料(多結晶体)の概念図である。 磁性微粒子ならびに熱電材料微粒子が磁化率の大きい方向に1軸配向した配向成形体の様子を示した概念図である。
符号の説明
a:熱電材料の結晶粒
b:磁性微粒子
c:熱電材料微粒子
S10:熱電材料微粒子の合成工程
S20:磁性成分の添加工程
S30:分散液作製の工程
S40:磁場中での成形工程
S50:磁場中熱処理の工程

Claims (10)

  1. 結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも常磁性成分を含有することを特徴とする配向熱電材料。
  2. 結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも強磁性成分を含有することを特徴とする配向熱電材料。
  3. 結晶が一定の方向に配向した配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくともフェリ磁性成分を含有することを特徴とする配向熱電材料。
  4. 請求項1の配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも常磁性成分とともに反磁性成分を含有することを特徴とする配向熱電材料。
  5. 請求項2の配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくとも強磁性成分とともに反磁性成分を含有することを特徴とする配向熱電材料。
  6. 請求項3の配向熱電材料において、該配向熱電材料が少なくともフェリ磁性成分とともに反磁性成分を含有することを特徴とする配向熱電材料。
  7. 請求項1〜6に記載の配向熱電材料において、該配向熱電材料が、微粒子の集合体より構成され、その微粒子がそれぞれ一定の方向に配向していることを特徴とする配向熱電材料。
  8. 熱電材料を磁場中で成形して配向熱電材料を製造する配向熱電材料の製造方法において、前記熱電材料中に、常磁性成分を添加する工程を具備したことを特徴とする配向熱電材料の製造方法。
  9. 熱電材料を磁場中で成形して配向熱電材料を製造する配向熱電材料の製造方法において、前記熱電材料中に、強磁性成分を添加する工程を具備したことを特徴とする配向熱電材料の製造方法。
  10. 熱電材料を磁場中で成形して配向熱電材料を製造する配向熱電材料の製造方法において、前記熱電材料中に、フェリ磁性成分を添加する工程を具備したことを特徴とする配向熱電材料の製造方法。
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