JP2005093515A - 金属化フィルムコンデンサとその製造方法、および自動車駆動用インバータ回路とそれを用いた自動車 - Google Patents

金属化フィルムコンデンサとその製造方法、および自動車駆動用インバータ回路とそれを用いた自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】産業・自動車分野におけるインバータ回路では高電圧高周波用途での仕様が要望されるために、商用周波数に比べフィルムコンデンサからのフィルム振動、うなり音による騒音が大きくなるといった課題を有していた。
【解決手段】プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子を少なくとも1個以上外装ケースに配置し、前記外装ケース内部を樹脂充填した金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外面に吸音防音材を配することで、コンデンサ素子の振動、うなり音が外部へ伝搬するのを抑制、遮音効果を高めることで、外部への騒音を更に低減した金属化フィルムコンデンサを得ることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、力率改善用の電力用、電気機器用、各種電源回路用及び通信機器等、また、直流用途の平滑用、フィルター用等高周波領域に使用される金属化フィルムコンデンサ、特に自動車駆動用に用いるインバータ回路の平滑用コンデンサに関するものである。
近年、環境への配慮から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネ化、高効率化が進んでいる。また、ハイブリッド自動車などにもインバータ回路が採用され、省エネ化や高効率化する技術開発が活発化してきている中で、従来のインバータ回路に多く用いられている電解コンデンサに替わるものとして、耐電圧特性、寿命特性に優れるフィルムコンデンサが注目されている。
そして、従来のフィルムコンデンサは、金属化フィルムを備えるコンデンサ素子を、樹脂製ケース内に配置し、樹脂で封止(モールド)した乾式コンデンサが主流である。
また、電解コンデンサからフィルムコンデンサへの代替には、数百〜数千μFといった大容量が必要となるために、スペース効率の高い扁平形状のコンデンサ素子を並列接続したものが用いられており、金属化フィルムコンデンサの最大の特徴である自己回復機能、耐電圧特性の向上がなされている。
しかし、産業・自動車分野におけるインバータ回路では高電圧高周波用途での仕様のため、商用周波数に比べフィルムコンデンサからのフィルム振動、うなり音による騒音が大きくなる、かつ高安全性への要求といった課題を有していた。これに対し、耐湿特性や交流電圧印加時のフィルム振動によるうなり音の軽減を実現するために、金属化フィルムコンデンサの各フィルム層間に熱硬化性シリコン樹脂を含浸することが提案されている(特許文献1参照)。
特開昭63−249315号公報(図1)
しかしながら、上記した金属化フィルムコンデンサの各フィルム層間に熱硬化性シリコン樹脂を含浸した従来の金属化フィルムコンデンサでは、コンデンサの作成に新たな樹脂材料が必要となり、材料コスト面で不利となり、また工数面でも作業工数が増えることにより不利であり、より容易に目的達成できるものが望まれていた。
本発明は上記課題を解決するもので、高周波用途におけるコンデンサ騒音の少ない、かつ高安全性な金属化フィルムコンデンサおよびその製造方法を提供するものである。
上記の目的を達成するために、本発明の金属化フィルムコンデンサは、プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子を少なくとも1個以上外装ケースに配置し、前記外装ケース内部を樹脂充填した金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外面に吸音防音材を配したものである。
また本発明の金属化フィルムコンデンサは、吸音防音材が、平板状でコンデンサ素子を覆うもの、またはコンデンサ素子の巻回外周面に密着させてコンデンサ素子を覆ったものである。
また本発明の金属化フィルムコンデンサは、コンデンサ素子の偏平率を40%以上80%以下の偏平形状であることを特徴とするものである。
また本発明の金属化フィルムコンデンサの製造方法は、プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子をフィルム巻回後、巻回外周面から巻回中心に加圧した状態で熱処理して偏平形状のコンデンサを得る金属化フィルムコンデンサの製造方法である。
また本発明の金属化フィルムコンデンサは、金属化フィルムコンデンサに用いるプラスチックフィルムの平均表面粗さを0.05〜0.15μmの範囲であることを特徴とするものである。
また本発明の自動車駆動用インバータ回路は、プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子を少なくとも1個以上外装ケースに配置し、前記外装ケース内部を樹脂充填した金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外面に吸音防音材を配した金属化フィルムコンデンサを平滑用コンデンサとして用いることを特徴とするものである。
また本発明の自動車は、プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回したコンデンサ素子を少なくとも1個以上外装ケースに配置し、前記外装ケース内部を樹脂充填した金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外面に吸音防音材を配した金属化フィルムコンデンサを平滑用コンデンサとして自動車駆動用インバータ回路に用いることを特徴とするものである。
以上のように本発明の金属化フィルムコンデンサによれば、コンデンサ素子自体の振動、うなり音の低減ならびに遮音効果を高めることで、騒音の少ないかつ高安全性な金属化フィルムコンデンサを得ることが出来る。
(実施の形態1)
以下に本発明の実施の形態1について図1から図3を用いて説明する。
図1および図2は、本実施の形態における第1および第2の実施例の金属化フィルムコンデンサ外形図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。1は金属化フィルムから構成された巻回コンデンサ素子、2は樹脂ケース、3は接続端子、3aはコンデンサ素子1の電極部どうしを接続するブスバー、4は充填樹脂、5は吸音防音材を示す。
これらの構成における金属化フィルムコンデンサについて、第1の実施例である図1を用いて説明する。まず、コンデンサ素子1はプラスチックフィルムの両面または片面に金属蒸着した金属化フィルムまたは金属蒸着しないプラスチックフィルムを重ねたものを巻回して形成する。なお、本実施の形態おいては、金属化フィルムを形成するプラスチックフィルムは、平均表面粗さ0.08μmのものを用いている。さらにコンデンサ素子1はフィルム巻回後、両端に金属溶射することにより、メタリコン電極1aを形成している。
次にこれらコンデンサ素子1を、図1に示すように、樹脂ケース2内に複数個並べ、メタリコン電極1aどうしをブスバー3aで接続し、外部と接続するための接続端子3と接続させる。このとき、コンデンサ素子は並列接続としている。
続いてコンデンサ素子1の外側面と樹脂ケース2の内側面との間に、コンデンサ素子1を覆って、発泡ウレタンを材質とした吸音防音材5を配する。なお本実施の形態では、平板状の吸音防音材5を2枚用い、コンデンサ素子1を挟んでフィルム巻回外周面の両側に、鉛直方向にして設けている。
なお、図示していないが、樹脂ケース2の内側面には突起部が設けられており、コンデンサ素子1および吸音防音材5は、この突起部により保持され、吸音防音材5がコンデンサ素子1を覆った状態を保持して仮固定されている。
さらにこの状態で充填樹脂4を樹脂ケース2内部に充填する。なお、この充填樹脂4はエポキシ樹脂を用いている。
このようにして、複数のコンデンサ素子を樹脂ケースに内蔵させて並列接続し、コンデンサの複合体として大容量の金属化フィルムコンデンサを得る。
このように、金属化フィルムコンデンサを、樹脂ケース2内部に、コンデンサ素子1を覆って平板状の吸音防音材5を配した構造とすることにより、コンデンサ素子1の振動が外部へ伝搬するのを抑制、遮音効果を高め、外部への騒音を低減することができる。
なお、本実施の形態では、複数のコンデンサ素子を内蔵する例について示したが、コンデンサ素子が1個であってもコンデンサ素子を覆って吸音防音材を樹脂ケース内に配することで同様の効果が得られる。
なお、吸音防音剤の材質として発泡ウレタンを用いたが、具体的な材質として一例を上げると、高密度の発泡ウレタン(例えば商品名:ポロン、イノアック社とロジャー社の協同開発)を用いるとよい。また、発泡ウレタンの他、シリコンを用いても同様の効果が得られる。
また吸音防音材は、コンデンサ素子を挟んで巻回外周面両側に鉛直方向に2箇所備えるようにしたが、さらに吸音防音材を増やし、両方のメタリコン電極側面にも鉛直方向に備えるようにすれば、なお一層コンデンサ素子の振動が外部へ伝搬するのを抑制し、遮音効果を高めることができる。
また、図2は実施の形態1における金属化フィルムコンデンサの発展形である第2の実施例を示すもので、図2に示すように、吸音防音材5を平板状ではなく、コンデンサ素子の巻回外周面のさらに外側に密着させている。
このように、吸音防音材5を、コンデンサ素子に密着させて巻回したことにより、上記実施の形態1の作用に加え、コンデンサ素子1への水分侵入を遅延させることができ、長寿命化とすることができる。
さらに、図3は、図1および図2で示す本実施の形態に用いることにより、コンデンサ素子の振動が外部へ伝搬するのを抑制し、遮音効果を高める効果をより一層高めることができるコンデンサ素子を示すものであり、フィルム巻回後のコンデンサ素子1を外周面から巻回中心に加圧し、偏平形状として偏平コンデンサ素子6を得ている。
このようなコンデンサ素子を作成する方法について説明する。
まず、金属蒸着した金属化フィルム、または金属蒸着しないプラスチックフィルムを重ねたものを巻回してコンデンサ素子を形成する際に、図3で示すように、フィルムを巻回後に形成される素子外周Aに対する、巻回時に巻回中心とした巻芯部の巻芯径Bの割合、B/Aで表わされる偏平率が、40%以上80%以下となるようにして巻回する。次に上記した偏平率の範囲内となるように偏平形状にしたコンデンサ素子1を、外周面から巻回中心に加圧し、加圧した状態を保持しながら熱処理して偏平化したコンデンサ素子を形成する。
上記したように、コンデンサ素子の偏平率を40%以上とすることで偏平成形時の応力を最適化し、偏平部のフィルム間の密着を高めることで、コンデンサ素子自体の振動を低減、通電時のうなり音を低減した金属化フィルムコンデンサを得ることができる。また、偏平率を80%以下とすることで、工法的な面および偏平後の占有面積との面から適切な範囲とすることができる。
上記したような本実施の形態で得られた金属化フィルムコンデンサの試作品を作成し、比較するために作成した従来品とともに性能評価試験を行なったので、その結果について説明する。
以下に、本実施の形態で示した金属化フィルムコンデンサの実施例1から3についてその仕様を示す。
(実施例1)
図1で示すような、8個のコンデンサ素子を樹脂ケース内に並べ、並列接続し、巻回外周面にコンデンサ素子を挟むようにして吸音防音材を配した金属化フィルムコンデンサを実施例1とした。なお、吸音防音材は、平板状で発泡ウレタン製であり、コンデンサ素子を覆って鉛直方向に2箇所配した。また実施例1では、コンデンサ素子を偏平形状としておらず、また金属化フィルムコンデンサに用いるプラスチックフィルムの平均表面粗さは0.08μmのものを用いている。
(実施例2)
実施例1において、平板状の吸音防音材の代わりに、図2で示すように、吸音防音材を各コンデンサ素子の巻回外周に密着させて巻回させた金属化フィルムコンデンサを実施例2とした。また実施例2においても、コンデンサ素子を偏平形状としておらず、また金属化フィルムコンデンサに用いるプラスチックフィルムの平均表面粗さは0.08μmのものを用いている。
(実施例3)
実施例1または2において、吸音防音材を設けず、図3で示すように、偏平化率を40%以上80%以下の範囲である40%とした偏平コンデンサ素子を用いた金属化フィルムコンデンサを実施例3とした。なお実施例3では、フィルム巻回後巻回面外側から巻回中心へ加圧し、加圧状態を保持したまま熱処理して偏平形状のコンデンサ素子を得ている。なお実施例3では、平均表面粗さは0.08μmのものを用いている。
次に、以下に、本実施例の金属化フィルムコンデンサに対する比較例の仕様を示す。
(比較例1)
実施例1において、コンデンサ素子の外面に吸音防音材を配しないこと以外は、実施例1と同様の方法で金属化フィルムコンデンサを試作し、比較例1とした。
(比較例2)
実施例1において、プラスチックフィルムの表面粗さ平均を0.04μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で金属化フィルムコンデンサを試作し、比較例2とした。
(比較例3)
実施例1において、プラスチックフィルムの表面粗さ平均を0.16μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で金属化フィルムコンデンサを試作し、比較例3とした。
(比較例4)
実施例3において、コンデンサ素子の扁平率を30%としたこと以外は、実施例3と同様の方法で金属化フィルムコンデンサを試作し、比較例4とした。
(比較例5)
実施例3において、巻回したコンデンサ素子を外周面から巻回中心へ加圧後、加圧状態を保持しないで熱処理することで、偏平コンデンサ素子を得たこと以外は、実施例3と同様の方法で金属化フィルムコンデンサを試作し、比較例5とした。
以上のことをまとめると、表1のようになる。
Figure 2005093515
(性能試験)
上記した実施例1から3、および比較例1から5の金属化フィルムコンデンサについて、10kHzの周波数で20Aのリップルを有する電圧を通電した時の音と振動を測定した。このうちで音の測定結果を表2に示す。なお、音の測定については、ケース広幅面からマイクを100mm離して測定した。
Figure 2005093515
この表1の結果から、騒音レベルが最も低く良好なのは、実施例2の、吸音防音材をコンデンサ素子の巻回外周に密着させてさらに巻回したものであり、反対に最も悪いものは、比較例5の、吸音防音材がなく、コンデンサ素子を加圧状態を保持しないで熱処理し、偏平形状としたものであることがわかる。
また、吸音防音材をコンデンサ素子に密着して巻回したものでなく、実施例1の平板状にしたものであっても、吸音防音材を設けない比較例1よりは、騒音レベルはかなり低減できていることがわかる。
また、吸音防音材は設けていないが、コンデンサ素子を偏平形状にした実施例3では、コンデンサ素子を偏平形状にしない比較例1より騒音レベルがかなり低減できている。
さらに、実施例3では、偏平コンデンサ素子の偏平率を40%以上80%以下の範囲である40%としたことで、偏平率を30%とした比較例4より騒音レベルがかなり低減できている。これはコンデンサ素子の偏平率を40%以上とすることで、偏平素子成形時の応力を最適化し、フィルム層間の密着度を高め、コンデンサ素子自体の振動を低減、うなり音が低減された結果と考えられる。
また、偏平率が同じ40%以上であっても、加圧状態を保持して熱処理をした実施例3は、加圧状態を保持しないで熱処理をした比較例5に比べて、騒音レベルは低減できている。これは巻回コンデンサ素子を外周面から巻回中心に加圧した状態で熱処理することで、熱処理時のコンデンサ素子膨張を抑制し、プレス効率を高めることで、フィルム層間の密着度を高め、コンデンサ素子自体の振動を低減、うなり音が低減された結果と考えられる。
また、平板状の吸音防音材を設け、フィルムの平均表面粗さを0.08μmとした実施例1および0.04μmとした比較例2に対し、0.16μmとした比較例3は、平板状の吸音防音材を設けているにもかかわらず騒音レベルが高くなっている。これは、フィルムの平均表面粗さをが0.15μm以上であるとフィルム層間の密着度が不足し、素子振動が大きくなった結果と思われる。
以上のことから、コンデンサ素子の外面又は巻回外周面に吸音防音材を配することで、コンデンサ素子のうなり音、振動が外部へ伝搬するのを抑制、遮音効果を高め、外部への騒音を低減できることがわかる。
また、吸音防音材を配して騒音を低減するには、金属化フィルムの平均表面粗さを小さくして、0.15μm以下にする必要である。
さらに、巻回したコンデンサ素子を偏平率40%以上80%以下にして、加圧状態を保持して熱処理すること騒音低減に必要であることがわかる。
次に、実施例1および比較例2、3の金属化フィルムコンデンサにつ
いて、保安性試験である高温下でのDC電圧ステップアップ試験行った結果を表2に示す。なお表1で示すように、実施例1および比較例2、3は、すべて吸音防音材は平板状であり、コンデンサ素子の偏平化はなく、フィルムの平均表面粗さのみが異なる。
Figure 2005093515
表3に示した性能試験結果は、周囲温度100℃の下で、各試験品に印可するDC電圧をDC100Vから50Vずつステップ的に上昇させ、容量減少率が97%に達するまで印可電圧を上げて絶縁破壊の有無を各5台について示すものである。表3の結果で示すように、比較例2のフィルムの平均表面粗さ0.04μmのもののみ、5個中3個が正常動作せず、絶縁破壊を起こした。これに対し、実施例1の平均表面粗さ0.08μm、比較例3の平均表面粗さ0.16μmのものは、5個中のすべてが絶縁破壊を起こさず正常動作した。
これは、フィルムの平均表面面粗さが0.04μmの比較例1では、フィルム層間に十分にクリアランスを保てず自己回復性に劣り、保安性の動作が正常に機能できずにコンデンサショートが発生したためであると思われる。
この結果、このDC電圧ステップアップ試験と、表2の騒音測定の結果から、コンデンサの自己回復性と騒音のバランスとの関係で、フィルム表面粗さは0.05μm〜0.15μmの範囲内が望ましいことがわかる。
次に、周囲温度85℃、湿度85%RHの環境下で、実施例1、2および比較例1について行なった耐湿放置試験結果を表4に示す。なお、実施例1、2および比較例1は、表1で示すように、フィルムの平均表面粗さはすべて0.08μmであり、コンデンサ素子の偏平化はなく、吸音防音材が異なるのみであり、実施例1では平板状とし、実施例2ではコンデンサ素子に密着してさらに外周に巻回し、比較例1では吸音防音材を備えていない。
Figure 2005093515
表4は、実施例1、2および比較例1において、周囲温度85℃、湿度85%RHの環境下で、1000時間放置した後の、容量減少率を測定した結果を示したものである。
表4からわかるように、実施例1、2においては、比較例1に比べて容量変化率が少ない結果となった。この結果から、吸音防音材を素子外面または外周面に設けることでコンデンサ素子への水分侵入を遅延させ、さらにコンデンサ素子に密着させて巻回外周部に吸音防音材を配することで、コンデンサ素子への水分侵入をさらに遅延させることができることがわかる。
また、上記した本実施の形態の金属化フィルムコンデンサは、特に自動車駆動用インバータ回路の平滑用コンデンサとして用いることで、自動車に搭載する際の厳しい使用条件に対して耐えることができるので非常に有用である。
本発明の金属化フィルムコンデンサは、自動車に搭載するモータ駆動用インバータ回路を始め、力率改善用の電力用、電気機器用、各種電源回路用及び通信機器等、また、直流用途の平滑用、フィルター用等高周波領域用の民生、産業用電気機器に広く利用可能である。
(a)本発明の実施の形態における第1の実施例の金属化フィルムコンデンサの正面図(b)同側面図 (a)本発明の実施の形態における第2の実施例の金属化フィルムコンデンサの正面図(b)同側面図 本発明の実施の形態におけるコンデンサ素子外形図
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 樹脂ケース
4 充填樹脂
5 吸音防音材
6 扁平型コンデンサ素子

Claims (10)

  1. プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回してなるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を1個または複数個内蔵し、内部を樹脂充填した外装ケースとを備えた金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外側面と前記外装ケース内側面との間に、吸音防音材を配した金属化フィルムコンデンサ。
  2. 吸音防音材は平板状であり、コンデンサ素子を覆って配した請求項1記載の金属化フィルムコンデンサ。
  3. 吸音防音材はコンデンサ素子の巻回外周面に密着して巻回し、コンデンサ素子を覆って配した請求項1記載の金属化フィルムコンデンサ。
  4. コンデンサ素子は、フィルム外径に対するフィルム巻回時の巻芯径の比で表わす偏平率を40%以上80%以下となるようにして巻回した巻回フィルムを偏平させて偏平形状としたものである請求項1から3のいずれかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
  5. 吸音防音材は、材質が発泡ウレタンである請求項1から4のいずれかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
  6. 吸音防音材は、材質がシリコンである請求項1から4のいずれかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
  7. 金属化フィルムに用いるプラスチックフィルムの表面粗さは0.05μm〜0.15μmの範囲である請求項1から6のいずれかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
  8. プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを、フィルム外径に対するフィルム巻回時の巻芯径の比で表わす偏平率を40%以上80%以下となるように巻回してコンデンサ素子を形成するステップと、巻回外周面から巻回中心に加圧力が略一定となるように加圧した状態で熱処理し、前記コンデンサ素子を偏平形状にするステップと、前記コンデンサ素子1個または複数個を外装ケースに内蔵するステップと、前記コンデンサ素子の外側面と前記外装ケース内側面との間に、吸音防音材を配するステップと、前記外装ケース内に樹脂充填するステップとを有する金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  9. プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回してなるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を1個または複数個内蔵し、内部を樹脂充填した外装ケースとを備えた金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外側面と前記外装ケース内側面との間に、吸音防音材を配した金属化フィルムコンデンサを平滑用コンデンサとして用いる自動車駆動用インバータ回路。
  10. プラスチックフィルムに片面または両面に金属蒸着した金属化フィルムを巻回してなるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を1個または複数個内蔵し、内部を樹脂充填した外装ケースとを備えた金属化フィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の外側面と前記外装ケース内側面との間に、吸音防音材を配した金属化フィルムコンデンサを平滑用コンデンサとして用いる自動車駆動用インバータ回路を用いた自動車。
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