JP2012169322A - ケースモールド型コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属化フィルムコンデンサの振動で発生する騒音を低減し、静粛性を高めることができるハイブリッド自動車等に使用するケースモールド型コンデンサを提供する。
【解決手段】複数の素子を夫々P極バスバー2、N極バスバー3で接続して一体化し、これらを上面開放の樹脂製のケース4内に収容して樹脂モールドしてなり、上記素子の両端面に設けた一対の電極を垂直方向にして上記ケース4内に収容すると共に、上記ケース4の上面を除く少なくとも一つの外表面の少なくとも一部に金属製の遮音板6を配設した構成により、素子の振動により発生した大きな騒音がケース4の外表面から外部に伝播するのを遮断して、静粛性を向上させる。
【選択図】図2
【解決手段】複数の素子を夫々P極バスバー2、N極バスバー3で接続して一体化し、これらを上面開放の樹脂製のケース4内に収容して樹脂モールドしてなり、上記素子の両端面に設けた一対の電極を垂直方向にして上記ケース4内に収容すると共に、上記ケース4の上面を除く少なくとも一つの外表面の少なくとも一部に金属製の遮音板6を配設した構成により、素子の振動により発生した大きな騒音がケース4の外表面から外部に伝播するのを遮断して、静粛性を向上させる。
【選択図】図2
Description
本発明は各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に使用され、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路の平滑用、フィルタ用、スナバ用に最適な金属化フィルムコンデンサをケース内に収容して樹脂モールドすることによって構成されるケースモールド型コンデンサに関するものである。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネルギー化、高効率化が進められている。中でも自動車業界においては、電気モータとエンジンで走行するハイブリッド車(以下、HEVと呼ぶ)が市場導入される等、地球環境に優しく、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV用の電気モータは使用電圧領域が数百ボルトと高いため、このような電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有する金属化フィルムコンデンサが注目されており、更に市場におけるメンテナンスフリー化の要望からも極めて寿命が長い金属化フィルムコンデンサを採用する傾向が目立っている。
しかしながら、このような金属化フィルムコンデンサは交流電圧印加時にリプル電流が発生することによって金属化フィルムコンデンサ自体が振動し、この振動が原因で発生する騒音が問題となる場合があり、特に、このような金属化フィルムコンデンサをHEV用のインバータ回路の平滑用として用いる場合には、スイッチング周波数が数kHz〜15kHzという可聴周波数帯域であることから、高い静粛性が要求される自動車用に使用する場合には上記騒音を可能な限り低減することが必要不可欠となる。
また、上記騒音は民生用の金属化フィルムコンデンサの商用周波数帯域である50〜60Hzにおける、いわゆる「うなり音」とは全く異なるものであることから、騒音を低減することは極めて困難であり、このような周波数帯域において発生する騒音を低減するために種々の提案がなされている。
例えば、上記騒音をコンデンサ自体で低減する手段として、誘電体フィルムの表面に電極膜を被着したメタライズドプラスチックフィルムを積層巻回して形成したコンデンサ素子に液状絶縁体、例えば25℃で25mm2/sと低粘度の架橋反応性モノマーであるメチルハイドロジェンシリコーンオイルを含浸させた後、130℃で15分間、または100℃で60分間加熱することでメチルハイドロジェンシリコーンオイルを重合させて高粘度化することにより、交流電圧印加時に発生するコンデンサの振動を抑制することができるというコンデンサの製造方法が提案されている(特許文献1)。
また、金属化フィルムコンデンサを樹脂製のケース内に配置し、樹脂でモールドしたタイプの金属化フィルムコンデンサにおける騒音を低減する手段として、本出願人は以下のような提案をしている。
図7(a)、(b)は上記本出願人が提案した、金属化フィルムコンデンサを樹脂モールドしたタイプの従来のケースモールド型コンデンサの構成を示した正面断面図と側面断面図であり、同図において、11は金属化フィルムから構成された巻回形のコンデンサ素子、12は樹脂ケース、13は接続端子、13aはコンデンサ素子11の電極部どうしを接続するブスバー、14は充填樹脂、15は吸音防音材である。
このように構成された従来のケースモールド型コンデンサは、コンデンサ素子11の外側面と樹脂ケース12の内側面との間に、発泡ウレタンを材質とした吸音防音材15を配置した構成により、コンデンサ素子11の振動が外部へ伝播するのを抑制し、遮音効果を高め、外部への騒音を低減することができるというものであった(特許文献2)。
しかしながら上記従来の金属化フィルムコンデンサでは、特許文献1のように、コンデンサ自体で、あるいは特許文献2のように、金属化フィルムコンデンサを樹脂製のケース内に配置して樹脂モールドしたタイプであるケースモールド型コンデンサの状態で、コンデンサ素子の振動を抑制し、騒音を低減するようにはしているものの、騒音が皆無になっている状況ではなかった。
これは、組み立てを終えたコンデンサ素子11を熱処理することにより、巻回された複数の金属化フィルムが夫々収縮するものの、各金属化フィルム間に層間ギャップが発生し易くなり、この層間ギャップにより電圧印加時にコンデンサ素子11が振動することによって騒音を発生しているものであり、このような金属化フィルムコンデンサを用いたケースモールド型コンデンサをHEV等の自動車用に使用する場合には問題となり、このような騒音を極力低減することが必要であるという大きな課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、金属化フィルムコンデンサの振動によって発生する騒音を低減して高い静粛性を発揮することが可能な、ケースモールド型コンデンサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、複数個の素子をバスバーで接続して一体化し、これらを上面開放の樹脂製のケース内に収容して樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記素子として、円筒形に巻回した素子を断面小判形に偏平加工したものを用い、この素子の断面小判形の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして複数個の素子を配置すると共に、これらの素子の両端面に設けた一対の電極を夫々垂直方向にして上記ケース内に収容し、かつ、上記ケースの上面を除く少なくとも一つの外表面の少なくとも一部に金属製の遮音板を配設した構成としたものである。
以上のように本発明によるケースモールド型コンデンサは、素子の両端面に設けた一対の電極を垂直方向にしてケース内に収容した構成により、上記電極は素子の振動によって発生する騒音が最も小さい部分であり、この電極がケースの開口部である上面側に配置されるために、素子の振動によって電極から発生する騒音が外部に伝播しても、この騒音は小さいために、殆ど問題がない程度のものとなる。
また、断面小判形の素子の短径側を夫々同一線上に配置した構成により、素子の振動によって発生する騒音が最も大きくなる部分である素子の外周面の直線部(長径側)には隣の素子が隣接するために、素子の振動によって外周面から発生した大きな騒音がケースの側面に直接伝播するのを抑制することができる。
また、ケースの側面の外表面に遮音板を配設した構成により、素子の振動によって外周面から発生した大きな騒音がケースの側面に伝播し、外部に伝播するような場合でも、この騒音を上記遮音板によって遮断し、より高い静粛性を発揮することができるようになるという効果が得られるものである。
以下、実施例1を用いて、本発明の特に請求項1、4、5に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施例1によるケースモールド型コンデンサの構成を示した斜視図、図2は同分解斜視図であり、図1と図2において、1は金属化フィルムコンデンサ(以下、素子1と呼ぶ)を示し、この素子1はポリプロピレンからなる誘電体フィルムの片面または両面に金属蒸着電極を形成した金属化フィルム(図示せず)を一対とし、上記金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向する状態で円筒状に巻回し、これをプレス加工することによって断面が小判形になるように偏平加工を施した後、両端面に亜鉛を溶射したメタリコン電極を夫々形成することにより、P極電極1aとN極電極1b(図1においては下面側になるため、図示せず)の一対の取り出し電極を設けて構成されたものである。
2はP極バスバー、2aはこのP極バスバー2の一端に設けられた外部接続用のP極端子、2b(図示せず)は同他端に枝分かれするように設けられた複数の接続部であり、このP極バスバー2は上記断面小判形に形成された素子1の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして、素子1を複数個(本実施例においては5個であるが、本発明はこれに限定されるものではない)並べた状態で、上記接続部2bと各素子1の一方の端面に形成されたP極電極1aとを半田付けすることによって複数個の素子1と一体に接合され、また、P極端子2aはこれらの素子1の上方へ引き出され、後述するケース4から表出するようにしているものである。
3はN極バスバー、3aはこのN極バスバー3の一端に設けられた外部接続用のN極端子、3b(図示せず)は同他端に枝分かれするように設けられた複数の接続部であり、このN極バスバー3も上記P極バスバー2と同様に、上記断面小判形に形成された素子1の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして、素子1を複数個(本実施例においては5個であるが、本発明はこれに限定されるものではない)並べた状態で、上記接続部3bと各素子1の他方の端面に形成されたN極電極1bとを半田付けすることによって複数個の素子1と一体に接合され、また、N極端子3aはこれらの素子1の上方へ引き出され、後述するケース4から表出するようにしており、これにより、複数個の素子1が、短径側が夫々同一線上に配置されるようにしてP極バスバー2とN極バスバー3により並列接続状態で連結されて一体化されているものである。
4は上面開放の樹脂製のケース、4aはこのケース4の外側面上部に複数個設けられた係合リブ(詳細は後述する)であり、本実施例においてはこのケース4の材料としてPPS(ポリフェニレンサルファイド)を用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。そして、このように構成された上面開放のケース4内に、上記P極バスバー2ならびにN極バスバー3により並列接続されて一体化された複数個の素子1を、素子1の両端面に形成されたP極電極1a、N極電極1bが垂直方向に配置されるようにして収容するようにしているものである。
5は上記ケース4内に充填されたモールド樹脂であり、本実施例においては、このモールド樹脂5としてエポキシ樹脂を用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。そして、このモールド樹脂5をケース4内に充填することにより、ケース4内に収容された複数個の素子1と、この複数個の素子1に接続されたP極バスバー2ならびにN極バスバー3をモールドして固定し、かつ、P極端子2aとN極端子3aのみがモールド樹脂5から表出するようにしているものである。
6は上記ケース4の外表面ならびに外底面に配設された金属製の遮音板、6aはこの遮音板6の側面部上部に複数個設けられた係合孔であり、本実施例においては、この遮音板6としてステンレス板を用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、質量が大きな金属板であれば高い遮音効果が得られるために好ましいものである。そして、この遮音板6は上記素子1の振動によって発生する騒音が最も大きくなる部分である素子1の外表面が配置されるケース4の側面の外表面を主体として配設されるようにすると共に、ケース4の底面の外表面にも配設されるようにすることによって一体化し、上記ケース4に設けた複数個の係合リブ4aに遮音板6に設けた複数個の係合孔6aを夫々嵌め込むと共に、数箇所をネジ7を用いてネジ止めすることにより、遮音板6をケース4に結合するようにしているものである。
また、この遮音板6は上記ケース4の外側面との間に所定の隙間を設けた状態で取り付けられるように構成されたものであり、上記所定の隙間とは、本実施例におけるケースモールド型コンデンサがHEV用のインバータ回路の平滑用として使用される際のスイッチング周波数が10kHzであることから、この10kHzの周波数で素子1が振動することによって発生する騒音を遮音するために、本実施例においては、10kHzの周波数の1/4λ(波長)である8.5mmとしたものである。
なお、このような遮音効果は、図3にその詳細を示すように、遮音したい周波数の1/2λまたは1/4λに合わせた距離だけ隙間を設けて遮音板6をケース4の外側面に配設することが好ましいものであり、1/2λを選択した場合には入射波が反射波によって打ち消された状態で遮音板6に突入するようになるために遮音効果が最大に得られ、また1/4λを選択した場合には入射波と反射波が最大の状態を遮音板6で遮断することになるために大きな遮音効果が効率良く得られるものである。
なお、上記遮音板6をケース4に取り付ける際に、このような隙間を設けることができない場合には、必ずしも隙間を設けなくてはならないものではなく、遮音板6を配設するだけでも十分に大きな遮音効果が得られるものである。
このように構成された本実施例によるケースモールド型コンデンサに、DC200V・100Arms(5〜15kHz正弦波)を連続通電し、素子1の振動により発生する騒音を測定した結果を比較例としての従来品(遮音板なし)と比較して(表1)に示す。
(表1)から明らかなように、本実施例によるケースモールド型コンデンサは、遮音板6を設けていない従来品である比較例の騒音が67.8dBであるのに対して、64.3dBと低い値を示し、−3.5dBの騒音低減効果を発揮していることが分かる。
このように本実施例によるケースモールド型コンデンサは、素子1の両端面に設けた一対の電極(P極電極1a、N極電極1b)を垂直方向にしてケース4内に収容した構成により、上記一対の電極(P極電極1a、N極電極1b)は素子1の振動によって発生する騒音が最も小さい部分であり、このP極電極1aまたはN極電極1bがケース4の開口部である上面側に配置されるようになるために、素子1の振動によってP極電極1aまたはN極電極1bから発生する騒音が外部に伝播しても、この騒音は小さいために、殆ど問題がない程度のものとなる。
また、断面小判形の素子1の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして、複数の素子1を配置した構成により、素子1の振動によって発生する騒音が最も大きくなる部分である素子1の外周面の直線部(長径側)には隣の素子1が隣接するために、素子1から発生する騒音がケース4の側面に直接伝播することを抑制することができるようになるものである。
また、素子1の振動によって発生する騒音が大きくなる部分である素子1の外周面の円弧部(短径側)が配置されるケース4の側面の外表面、ならびに上記複数個配置された素子1の両端に位置する素子1の外周面の直線部(長径側)が配置されるケース4の側面の外表面に遮音板6を配設した構成により、素子1の振動により外周面から発生した大きな騒音がケース4の外表面から外部に伝播するような場合でも、この大きな騒音を遮音板6によって遮断し、騒音が外部に伝播するのを抑制することができるようになるために、より高い静粛性を発揮することができるようになるという格別の効果を奏するものである。
更に、上記遮音板6を遮音したい周波数の1/2λ、または1/4λの距離だけ隙間を設けてケース4に取り付けることにより、より高い遮音効果が得られるようになるという格別の効果を奏するものである。
また、図4は上記遮音板6の他の構成を示した断面図であり、図4において8は遮音板を示し、この遮音板8は断面が波形状に構成されたものであり、この波形状の部分がケース4の外側面と対向するようにして取り付けることにより、ケース4の外側面から外部に伝播しようとする騒音が波形状の部分で複雑に反射し、遮音板8を通過し難くなるようにすることができるものである。また、このような効果を得るためには、波形状以外に、山形状や、鋸刃状等の形状であっても同様の効果が得られるものである。
なお、本発明によるケースモールド型コンデンサは、このような構成により、素子1の振動によって発生する騒音を抑制して高い静粛性を発揮することができるようになるものであるが、このような構成以外に、例えば、素子1の使用数を多くして1個当たりの素子に流れる電流を減少させたり、素子1の幅(メタリコン間の距離)を狭くしたり、素子1の偏平率を小さくしたりすること等によっても、素子1の振動を抑制して騒音を低減することができるものであり、これらの手段と組み合わせることも可能であることは言うまでもなく、これらの手段を組み合わせることによって更なる大きな効果が得られるようになるものである。
また、上記素子の偏平率については、素子の振動によって発生する騒音を抑制するという観点からは、円筒状に巻回した素子を偏平加工しないで、そのまま使用するのが最も良い方法であるが、収納効率(スペースの有効活用)の観点からは偏平加工を行って、断面を小判形にする方が良いものであり、これらを考慮すると、断面が小判形の長径(A)と短径(B)の比率で表される偏平率(A)/(B)に自ずと限界が生じてくるものであり、この限界値は一義的に決定されるものではないことから、各機種毎に最適な設計を行うことができるように、十分な検討を行うことが必要となるものである。
以下、実施例2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
本実施例は、上記実施例1で図1と図2を用いて説明したケースモールド型コンデンサの遮音板に替えて、吸音材を用いるようにした構成のものであり、これ以外の構成は実施例1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて詳細に説明する。
図5は本発明の実施例2によるケースモールド型コンデンサの構成を示した分解斜視図であり、図5において、9はケース4の外側面ならびに外底面に配設された吸音材であり、本実施例においては、この吸音材9として日東電工株式会社から「エプトシーラー」という商品名で吸音材として市販されているものを用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。そして、この吸音材9は素子1の振動によって発生する騒音が最も大きくなる部分である素子1の外周面が配置されるケース4の側面の外表面を主体として配設されるようにすると共に、ケース4の底面の外表面にも配設されるようにすることによって一体化し、この吸音材9を両面粘着テープ(図示せず)を用いてケース4の外側面ならびに外底面に貼り付けるようにした構成のものである。
このように構成された本実施例によるケースモールド型コンデンサに、DC200V・100Arms(5〜15kHz正弦波)を連続通電し、素子1の振動により発生する騒音を測定した結果を比較例としての従来品(吸音材なし)と比較して(表1)に合わせて示す。
(表1)から明らかなように、本実施例によるケースモールド型コンデンサは、吸音材9を設けていない従来品である比較例の騒音が67.8dBであるのに対して、64.2dBと低い値を示し、−3.6dBの騒音低減効果を発揮していることが分かる。
このように本実施例によるケースモールド型コンデンサは、上記実施例1によるケースモールド型コンデンサにより得られる効果と同様に、素子1の振動により発生した騒音がケース4の外表面から外部に伝播するのを吸音材9で吸収することができるため、高い静粛性を発揮することができるようになるという格別の効果を奏するものである。
以下、実施例3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
本実施例は、上記実施例1で図1と図2を用いて説明したケースモールド型コンデンサに、上記実施例2で図5を用いて説明したケースモールド型コンデンサの吸音材を追加した構成のものであり、これ以外の構成は実施例1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて詳細に説明する。
図6は本発明の実施例3によるケースモールド型コンデンサの構成を示した分解斜視図であり、図6において、6は遮音板、9は吸音材を示し、この遮音板6と吸音材9は夫々上記実施例1、実施例2で説明したものと同じものである。また、遮音板6は吸音材9の外表面を覆うように配設されるために吸音材9と略同形状に形成され、この遮音板6により吸音材9を圧縮した状態で取り付けるようにしたものである。
このように構成された本実施例によるケースモールド型コンデンサに、DC200V・100Arms(5〜15kHz正弦波)を連続通電し、素子1の振動により発生する騒音を測定した結果を比較例としての従来品(遮音板、吸音材共になし)と比較して(表1)に合わせて示す。
(表1)から明らかなように、本実施例によるケースモールド型コンデンサは、遮音板6、吸音材9を共に設けていない従来品である比較例の騒音が67.8dBであるのに対して、61.5dBと低い値を示し、−6.3dBの大きな騒音低減効果を発揮していることが分かる。
このように本実施例によるケースモールド型コンデンサは、上記実施例1によるケースモールド型コンデンサにより得られる効果と、上記実施例2によるケースモールド型コンデンサにより得られる効果を同時に得ることができるため、相乗効果により、極めて高い静粛性を発揮することができるようになるという格別の効果を奏するものである。
本発明によるケースモールド型コンデンサは、高い静粛性を発揮することができるという効果を有し、特に、ハイブリッド自動車等の自動車用分野等として有用である。
1 素子
1a P極電極
1b N極電極
2 P極バスバー
2a P極端子
2b、3b 接続部
3 N極バスバー
3a N極端子
4 ケース
4a 係合リブ
5 モールド樹脂
6、8 遮音板
6a 係合孔
7 ネジ
9 吸音材
1a P極電極
1b N極電極
2 P極バスバー
2a P極端子
2b、3b 接続部
3 N極バスバー
3a N極端子
4 ケース
4a 係合リブ
5 モールド樹脂
6、8 遮音板
6a 係合孔
7 ネジ
9 吸音材
Claims (5)
- 一対の電極を両端面に設けた素子を外部接続用の端子部を一端に設けたバスバーで複数個接続して一体化し、これらを上面開放の樹脂製のケース内に収容して上記バスバーの端子部を除いて樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記素子として、円筒形に巻回した素子を断面小判形に偏平加工したものを用い、この素子の断面小判形の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして複数個の素子を配置すると共に、これらの素子の両端面に設けた一対の電極を夫々垂直方向にして上記ケース内に収容し、かつ、上記ケースの上面を除く少なくとも一つの外表面の少なくとも一部に金属製の遮音板を配設したケースモールド型コンデンサ。
- 一対の電極を両端面に設けた素子を外部接続用の端子部を一端に設けたバスバーで複数個接続して一体化し、これらを上面開放の樹脂製のケース内に収容して上記バスバーの端子部を除いて樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記素子として、円筒形に巻回した素子を断面小判形に偏平加工したものを用い、この素子の断面小判形の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして複数個の素子を配置すると共に、これらの素子の両端面に設けた一対の電極を夫々垂直方向にして上記ケース内に収容し、かつ、上記ケースの上面を除く少なくとも一つの外表面の少なくとも一部に吸音材を配設したケースモールド型コンデンサ。
- 一対の電極を両端面に設けた素子を外部接続用の端子部を一端に設けたバスバーで複数個接続して一体化し、これらを上面開放の樹脂製のケース内に収容して上記バスバーの端子部を除いて樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記素子として、円筒形に巻回した素子を断面小判形に偏平加工したものを用い、この素子の断面小判形の短径側が夫々同一線上に配置されるようにして複数個の素子を配置すると共に、これらの素子の両端面に設けた一対の電極を夫々垂直方向にして上記ケース内に収容し、かつ、上記ケースの上面を除く少なくとも一つの外表面の少なくとも一部に吸音材を配設し、更に、この吸音材の外表面に金属製の遮音板を配設したケースモールド型コンデンサ。
- ケースの外表面と遮音板との間に隙間を設け、この隙間が、所望の遮音周波数の1/2λまたは1/4λとなるようにした請求項1または3に記載のケースモールド型コンデンサ。
- 遮音板として、断面が波形状のものを用いた請求項1または3に記載のケースモールド型コンデンサ。
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