JP2005093267A - フラットハーネスの分岐構造及びその製造方法 - Google Patents

フラットハーネスの分岐構造及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 部品点数を増やさずに分岐部を備える。
【解決手段】 フラットハーネス1は、本回路部30と、分岐回路部40,50とを備えて構成され、本回路部30の少なくとも一方の面には、導体10を露出させる開口窓部60が形成される。分岐回路部40,50の口出しされた導体10は、この開口窓部60において本回路部30の導体10と直接接続され、接続部が分岐部70を形成する。これにより、分岐のためのジョイント器などが不要となり、部品点数を増やさずに分岐部70を備えることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の導体を平面状に並設してなるフラットハーネスの分岐構造及びその製造方法に関し、特に部品点数を増やさずに複数の回路に分岐する分岐部を備えることができるフラットハーネスの分岐構造及びその製造方法に関する。
従来から、複数の回路に分岐する分岐部を備えたフラットハーネスとしては、図7に示すようなものがある。図7のフラットハーネス100は、所定の長さで帯状に形成したフラットハーネス100の一方の端末部を幹部(本回路部)110とし、他方の端末部を複数に分岐した枝部(分岐回路部)120,130として、幹部110を構成する複数の導体150の2以上に導体同士を短絡させる短絡金具210,220を備えるジョイント器200を接続して枝部120,130間を電気的に短絡させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−320545号公報(第4−9頁、第1−20図)
この特許文献1に記載のフラットハーネス100では、ハーネスの厚さを抑え、ハーネスを一体もののまま分岐可能とし、ジョイント器200を接続するだけで分岐作業が行える旨が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、回路の分岐に際してハーネスとは別部材となるジョイント器200が必要となるため、フラットハーネス100を構成する部品点数が増えてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、部品点数を増やさずに分岐部を備えることができるフラットハーネスの分岐構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るフラットハーネスの分岐構造は、複数の導体を平面状に並設し絶縁被覆で帯状に覆った構造からなるフラットハーネスの分岐構造であって、前記フラットハーネスは、複数の部材間を電気的に接続する本回路部及びこの本回路部から分岐する分岐回路部を備え、前記本回路部は、少なくとも一方の面に前記絶縁被覆を除去して前記導体を露出させた開口窓部を備えてなり、前記分岐回路部は、前記開口窓部の露出された導体に前記分岐回路部の導体を直接接続した分岐部を介して前記本回路部から分岐されていることを特徴とする。
本発明に係るフラットハーネスの製造方法は、複数の導体を平面状に並設し絶縁被覆で覆った構造からなるフラットハーネスの製造方法であって、帯状に送り出された第1及び第2の絶縁被覆の両方の所定箇所に所定の大きさの開口部を形成すると共に前記第1及び第2の絶縁被覆の少なくとも一方の所定箇所に所定の大きさの開口窓部を所定数形成する穴あけ工程と、前記第1及び第2の絶縁被覆のいずれか一方に前記複数の導体を配置する導体配置工程と、この導体配置工程を経て前記複数の導体が配置された前記第1及び第2の絶縁被覆のいずれか一方の上に、前記第1及び第2の絶縁被覆のいずれか他方を前記開口部が重なるように載置して両絶縁被覆で前記導体を覆いフラットハーネスを形成する第1ハーネス形成工程と、この第1ハーネス形成工程を経た前記フラットハーネスを前記開口部形成位置で前記複数の導体が露出した口出し状態となるように前記フラットハーネスの長手方向と交差する方向に切断すると共に、前記長手方向に沿って前記第1及び第2の絶縁被覆の不要部分を除去して複数のフラットハーネスを形成するハーネス加工工程と、このハーネス加工工程を経た前記複数のフラットハーネスのうち、前記開口窓部が形成されたフラットハーネスの前記開口窓部における露出された導体に、他のフラットハーネスの口出しされた導体を直接接続して分岐部を備えるフラットハーネスを形成する第2ハーネス形成工程とを備えることを特徴とする。
なお、フラットハーネスに形成される開口窓部は、例えば1つの分岐部に対して1つ形成されると良い。この場合、1つの導体から2つの導体が分岐するような分岐部は1つの分岐部と考えられるため、開口窓部は1つ形成されれば良い。
フラットハーネスの製造方法における穴あけ工程は、例えばレーザ加工又はプレス加工により行われると良く、導体配置工程は、例えば銅、銅合金及びアルミニウムのいずれか1つからなる丸型断面形状又は矩形断面形状の導体を所定の回路形態に配置して行われる。
また、第1ハーネス形成工程は、例えばラミネート加工により行われると良く、この場合ラミネート加工は、例えば熱板プレス又はロールプレスにより行われる。
更に、ハーネス加工工程は、例えば切断刃を備えるスリッタを用いたスリット加工により行われると良い。
そして、第2ハーネス形成工程における導体同士の直接接続は、例えばレーザ加工、溶接及び半田付けのいずれか1つにより行われる。
本発明によれば、フラットハーネスの本回路部における開口窓部内の露出した導体に、分岐回路部の導体を直接接続して分岐部を形成するため、分岐のための従来のジョイント器などの部品が不要となり、部品点数を増やさずに分岐部を備えることが可能となる。
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るフラットハーネスの分岐構造を説明するためのフラットハーネスの概略全体図である。
図1に示すように、フラットハーネス1は、銅、銅合金又はアルミニウムなどからなる丸型断面形状又は矩形断面形状の複数の導体10を平面状に並設してポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂からなる絶縁被覆20で覆った構造からなり、複数の部材(図示せず)間を電気的に接続する本回路部30と、この本回路部30から分岐する分岐回路部40,50とを備えて構成されている。本回路部30には、複数の導体10を覆う絶縁被覆20の少なくとも一方の面側に絶縁被覆20を除去して所定の導体10を露出させた開口窓部60が形成されている。分岐回路部40,50は、端末部において導体10が露出され口出しされた状態で形成されている。そして、これら分岐回路部40,50の口出しされた複数の導体10のうち、所定の導体10は、本回路部30の開口窓部60において露出された本回路部30の導体10とレーザ加工、溶接又は半田付け等により直接接続されている。この導体10同士の接続部分はフラットハーネス1の分岐部70を構成する。なお、開口窓部60が形成された本回路部30上の所定の範囲には、分岐部70を封止するための合成樹脂などからなるカバー材80が貼着されている。
このフラットハーネス1の分岐構造によれば、フラットハーネス1の本回路部30における開口窓部60内の露出した導体10に、分岐回路部40,50の導体10を直接接続して分岐部70を形成するため、分岐のための従来のジョイント器などの部品が不要となり、部品点数を増やさずに分岐部70を備えることができる。なお、このフラットハーネス1では、1つの分岐部70に対して開口窓部60が1つ形成されているが、図2に示すように、1つの導体10に対して複数の導体10が直接接続され分岐部70が複数形成された場合も、1つの導体10に対する電気的な分岐は1つといえるため、開口窓部60は1つ形成されていれば良い。
図3は、同実施形態に係るフラットハーネスの製造工程を示すフローチャート、図4は、この製造工程の簡易平面図、図5は、この製造工程で形成されたフラットハーネスの一部拡大平面図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する説明は省略する。
まず、図4(a)及び(b)に示すように、図示しないテープロールから送り出された帯状の第1の絶縁被覆21及び第2の絶縁被覆22の両方について、穴あけ工程で例えばレーザ加工やプレス加工により所定箇所に所定の大きさの開口部29を形成すると共に、第1の絶縁被覆21の所定箇所に所定の大きさの開口窓部60を所定数形成する(S1)。
次に、図4(c)に示すように、第2の絶縁被覆22上に、導体配置工程で例えば銅、銅合金及びアルミニウムのいずれか1つからなる丸型断面形状又は矩形断面形状の複数の導体10を所定の回路形態に配置する(S2)。
そして、図4(d)に示すように、第1ハーネス形成工程で例えば複数の導体10が配置された第2の絶縁被覆22の上に、第1の絶縁被覆21を互いの開口部29が同じ位置に重なるように載置して熱板プレスやロールプレスによるラミネート加工で両絶縁被覆21,22で導体10を覆いフラットハーネスの原型Aを形成する(S3)。この第1ハーネス形成工程で行われるラミネート加工は、例えば、第1及び第2の絶縁被覆21,22のいずれか一方に予め熱可塑性の接着剤を塗布した後に行われる。
こうして第1ハーネス形成工程で形成されたフラットハーネスの原型Aを、図4(e)に示すように、ハーネス加工工程で例えばフラットハーネスの原型Aの長手方向に沿って第1及び第2の絶縁被覆21,22の不要部分(例えば、短手方向両端部分)27,28を切断刃を備えるスリッタ(図示せず)などを用いたスリット加工により除去すると共に、図4(f)に示すように、開口部29形成位置で複数の導体10が露出した状態(口出し状態)となるように短手方向に切断して複数のフラットハーネス(本回路部30、分岐回路部40,50など)を形成する(S4)。
そして、図5に示すように、第2ハーネス形成工程で例えばハーネス加工工程で形成された複数のフラットハーネスのうち、開口窓部60が形成された本回路部30となるべきフラットハーネスの開口窓部60における露出された導体10に、分岐回路部40,50(ここでは、分岐回路部50のみ図示)となるべきフラットハーネスの口出しされた導体10をレーザ加工、溶接及び半田付けなどにより直接接続して分岐部70を備えるフラットハーネス1を形成する(S5)。
このようにしてフラットハーネス1が製造されれば、一連の製造工程の流れで分岐部分までも備えたフラットハーネスを所定の製品長などで形成することができるため、製造工数の大幅な削減に基づくコストの低減を実現することが可能となる。
最後に、フラットハーネス1の開口部60が形成された本回路部30上の所定の範囲に分岐部70を封止・絶縁するためのカバー材80などを貼り付けたりして導通検査等の完成検査を行ってフラットハーネス1が完成される(S6)。
図6は、本発明の他の実施形態に係るフラットハーネスの製造工程の簡易平面図である。
この実施形態では、図6(a)及び(b)に示すように、第1及び第2の絶縁被覆21,22の両方について穴あけ工程で所定箇所に所定の大きさの開口部29を形成すると共に開口窓部60を所定数形成し、図6(c)に示すように、導体配置工程で両絶縁被覆21,22のいずれか一方に複数の導体10を配置して、図6(d)に示すように、第1ハーネス形成工程で両絶縁被覆21,22を互いの開口部29及び開口窓部60が同じ位置に重なるように貼り合わせ、図6(e)及び(f)に示すように、ハーネス加工工程で複数のフラットハーネス(本回路部30、分岐回路部40,50)を形成した後、例えば本回路部30の両面側から開口窓部60の導体10に分岐回路部40,50の導体10を直接接続して分岐部70を形成することができるようにした点が、先の実施形態とは相違している。この実施形態でも、一連の製造工程の流れで分岐部分の数を更に増やしたフラットハーネスを所定の製品長などで形成することができるため、製造工数の大幅な削減に基づくコストの低減を実現することが可能となる。
なお、上述したフラットハーネス1は、いわゆるフレキシブルプリント回路(FPC)からなるものであるが、フレキシブルフラット回路(FFC)やフレキシブルフラットケーブル(FFC)からなるものでも良い。
本発明は、複数の導体を平面状に並設したフラットハーネスを製造する各種産業に利用することができる。
本発明の一実施形態に係るフラットハーネスの分岐構造を説明するためのフラットハーネスの概略全体図である。 同実施形態における他の分岐構造を説明するためのフラットハーネスの一部拡大図である。 同実施形態に係るフラットハーネスの製造工程を示すフローチャートである。 同製造工程の簡易平面図である。 同製造工程で形成されたフラットハーネスの一部拡大平面図である。 本発明の他の実施形態に係るフラットハーネスの製造工程の簡易平面図である。 従来のフラットハーネスを示す概略全体図である。
符号の説明
1…フラットハーネス、10…導体、20…絶縁被覆、21…第1の絶縁被覆、22…第2の絶縁被覆、29…開口部、30…本回路部、40,50…分岐回路部、60…開口窓部、70…分岐部、80…カバー材。

Claims (9)

  1. 複数の導体を平面状に並設し絶縁被覆で帯状に覆った構造からなるフラットハーネスの分岐構造であって、
    前記フラットハーネスは、複数の部材間を電気的に接続する本回路部及びこの本回路部から分岐する分岐回路部を備え、
    前記本回路部は、少なくとも一方の面に前記絶縁被覆を除去して前記導体を露出させた開口窓部を備えてなり、
    前記分岐回路部は、前記開口窓部の露出された導体に前記分岐回路部の導体を直接接続した分岐部を介して前記本回路部から分岐されている
    ことを特徴とするフラットハーネスの分岐構造。
  2. 前記開口窓部は、1つの前記分岐部に対して1つ形成されていることを特徴とする請求項1記載のフラットハーネスの分岐構造。
  3. 複数の導体を平面状に並設し絶縁被覆で覆った構造からなるフラットハーネスの製造方法であって、
    帯状に送り出された第1及び第2の絶縁被覆の両方の所定箇所に所定の大きさの開口部を形成すると共に前記第1及び第2の絶縁被覆の少なくとも一方の所定箇所に所定の大きさの開口窓部を所定数形成する穴あけ工程と、
    前記第1及び第2の絶縁被覆のいずれか一方に前記複数の導体を配置する導体配置工程と、
    この導体配置工程を経て前記複数の導体が配置された前記第1及び第2の絶縁被覆のいずれか一方の上に、前記第1及び第2の絶縁被覆のいずれか他方を前記開口部が重なるように載置して両絶縁被覆で前記導体を覆いフラットハーネスを形成する第1ハーネス形成工程と、
    この第1ハーネス形成工程を経た前記フラットハーネスを前記開口部形成位置で前記複数の導体が露出した口出し状態となるように前記フラットハーネスの長手方向と交差する方向に切断すると共に、前記長手方向に沿って前記第1及び第2の絶縁被覆の不要部分を除去して複数のフラットハーネスを形成するハーネス加工工程と、
    このハーネス加工工程を経た前記複数のフラットハーネスのうち、前記開口窓部が形成されたフラットハーネスの前記開口窓部における露出された導体に、他のフラットハーネスの口出しされた導体を直接接続して分岐部を備えるフラットハーネスを形成する第2ハーネス形成工程と
    を備える
    ことを特徴とするフラットハーネスの製造方法。
  4. 前記穴あけ工程は、レーザ加工又はプレス加工により行われることを特徴とする請求項3記載のフラットハーネスの製造方法。
  5. 前記導体配置工程は、銅、銅合金及びアルミニウムのいずれか1つからなる丸型断面形状又は矩形断面形状の導体を所定の回路形態に配置して行われることを特徴とする請求項3又は4記載のフラットハーネスの製造方法。
  6. 前記第1ハーネス形成工程は、ラミネート加工により行われることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載のフラットハーネスの製造方法。
  7. 前記ラミネート加工は、熱板プレス又はロールプレスにより行われることを特徴とする請求項6記載のフラットハーネスの製造方法。
  8. 前記ハーネス加工工程は、切断刃を備えるスリッタを用いたスリット加工により行われることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項記載のフラットハーネスの製造方法。
  9. 前記第2ハーネス形成工程における導体同士の直接接続は、レーザ加工、溶接及び半田付けのいずれか1つにより行われることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項記載のフラットハーネスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021125310A (ja) * 2020-02-03 2021-08-30 日本発條株式会社 フレキシブルフラットケーブルの接続構造および接続方法

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