JP2005091223A - センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高価な製造設備を用いずリード線とリードフレームとの固着作業が実施でき、リード線とリードフレームとの固着後でも、リード線の被覆が剥離することなく、リードフレームを絶縁コンタクト部材の内部に配置できるセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 全領域空燃比センサ2の製造工程では、リードフレーム10を絶縁コンタクト部材82の内部に配置する前に、リード線46をリードフレーム10のリード線接続部17に接続するため、リード線46とリードフレーム10との接続作業において、リードフレーム10が絶縁コンタクト部材82の内部に隠れない。よって、リードフレーム10を容易に保持できるため、安価な単純構造の製造設備を利用でき、空燃比センサ2の製造コストを抑制できる。また、絶縁コンタクト部材82をリード線46に沿って移動させないため、リード線46の被覆が絶縁コンタクト部材82によって削り取られない。
【選択図】 図6
【解決手段】 全領域空燃比センサ2の製造工程では、リードフレーム10を絶縁コンタクト部材82の内部に配置する前に、リード線46をリードフレーム10のリード線接続部17に接続するため、リード線46とリードフレーム10との接続作業において、リードフレーム10が絶縁コンタクト部材82の内部に隠れない。よって、リードフレーム10を容易に保持できるため、安価な単純構造の製造設備を利用でき、空燃比センサ2の製造コストを抑制できる。また、絶縁コンタクト部材82をリード線46に沿って移動させないため、リード線46の被覆が絶縁コンタクト部材82によって削り取られない。
【選択図】 図6
Description
本発明は、軸線方向に延びる板状形状をなし、後端側に電極端子部が形成される検出素子と、検出素子の電極端子部に電気的に接続されて電流経路を形成する金属端子部材と、絶縁性材料で形成され、電極端子部が形成される検出素子の後端側の径方向外側に配置される絶縁コンタクト部材と、金属端子部材と外部との間の電流経路を形成するリード線と、を備えるセンサの製造方法に関する。
従来より、軸線方向に延びる板状形状をなすと共に、測定対象物に向けられる先端側に検出部が形成された検出素子(センサ素子)が組み付けられたセンサが知られている。このようなセンサとしては、λセンサ、全領域空燃比センサ、酸素センサ、NOxセンサなどのガスセンサや、温度検出を行う温度センサなどが挙げられる。
板型形状の検出素子は、一般に、軸線方向(長手方向)の先端側に検出部を備え、後端側に電極端子部を備えて構成されている。このような検出素子を備えるセンサとしては、導電性材料からなるリードフレーム(金属端子部材)を電極端子部に対して電気的に接続することで、検出素子と外部機器との間に流れる電流の電流経路の一部をリードフレームで形成する構造のものがある。なお、検出素子と外部機器とを電気的に接続する電流経路には、例えば、検出素子による検出結果に応じた検出電流(検出信号)や、検出素子がヒータを備える場合には、ヒータへの電力供給のための電流などが流れる。
そして、リードフレームを備えるセンサとしては、弾性変形(圧縮変形)可能な板バネとしての弾性接触部を有するリードフレームを用いて、検出素子の電極端子部にリードフレームの弾性接触部を接触させた状態で、検出素子を絶縁コンタクト部材(絶縁碍子)の挿通孔の内部で把持する構成のセンサが知られている(特許文献1参照)。
なお、絶縁コンタクト部材としては、リードフレームあるいはリード線を挿通するために、軸線方向に貫通する貫通孔(端子収納穴および上部端子収納穴)を備える構成の絶縁コンタクト部材がある。
特開2001−188060号公報(図1、図6)
しかし、上述のような貫通孔を有する絶縁コンタクト部材を用いる場合には、リード線とリードフレームとの接続作業(固着作業)が煩雑となり、センサの製造コストが高くなるという問題が生じる。
つまり、リード線とリードフレームとの接続作業を、絶縁コンタクト部材の貫通孔にリードフレームを配置した状態で実施する場合には、リードフレームのうち絶縁コンタクト部材の外部に現れる部分が少ないことから、リードフレームを十分に保持することは難しく、また、リード線との固着作業も難しくなる。このような状態のリードフレームを十分に保持でき、かつリード線との固着作業が可能な製造設備は、複雑な構造となるため高価となり、センサの製造コストが高くなるのである。
このような問題に対して、リード線とリードフレームとの接続作業を容易に実施する方法としては、例えば、予めリード線を絶縁コンタクト部材の貫通孔に挿通しておき、リード線とリードフレームとを固着した後、絶縁コンタクト部材をリード線に沿って移動させて、リードフレームを絶縁コンタクト部材(貫通孔)の内部に配置する方法が考えられる。しかし、この方法では、絶縁コンタクト部材をリード線に沿って移動させる際に、貫通孔の開口端部(エッジ部分)によってリード線の被覆が削り取られてしまう虞がある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、高価な製造設備を用いることなくリード線とリードフレームとの固着作業が実施でき、また、リード線とリードフレームとを固着した後でも、リード線の被覆が剥離することなく、リードフレームを絶縁コンタクト部材の内部に配置できるセンサの製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、軸線方向に延びる板状形状をなし、先端側が測定対象物に向けられ、後端側に電極端子部が形成される検出素子と、検出素子の電極端子部に電気的に接続されて電流経路を形成する金属端子部材と、絶縁性材料で形成され、電極端子部が形成される検出素子の後端側の径方向外側に配置される絶縁コンタクト部材と、金属端子部材と外部との間の電流経路を形成するリード線と、を備えるセンサの製造方法であって、金属端子部材は、軸線方向に延びる長尺形状のフレーム本体部と、フレーム本体部の先端に連結され、径方向内側に方向変換して軸線方向に延びると共に、検出素子の電極端子部に当接する素子当接部と、フレーム本体部の後端側に設けられてリード線に接続されるリード線接続部と、を備えており、絶縁コンタクト部材は、金属端子部材の素子当接部および検出素子の後端部分を収容する素子収容部と、フレーム本体部の厚さ寸法よりも広く、フレーム本体部の幅寸法よりも狭いスリット幅寸法であり、素子収容部の後端部分に連通するとともに絶縁コンタクト部材の外周に連通するスリット部と、を備えており、金属端子部材のリード線接続部とリード線とを接続する第1工程と、リード線が接続された金属端子部材のフレーム本体部を絶縁コンタクト部材のスリット部に挿通し、リード線が接続された金属端子部材の素子当接部を絶縁コンタクト部材の素子収容部に配置する第2工程と、を有することを特徴とするセンサの製造方法である。
このセンサの製造方法においては、金属端子部材またはリード線を絶縁コンタクト部材の内部に配置する作業(第2工程)の前段階(第1工程)において、リード線を金属端子部材のリード線接続部に接続することから、リード線と金属端子部材との接続作業(固着作業)において、金属端子部材が絶縁コンタクト部材の内部に隠れることはない。
このため、このセンサの製造方法でのリード線と金属端子部材との接続作業(固着作業)においては、金属端子部材とリード線との接続作業(固着作業)を容易に実施できる。また、接続作業を行うための製造設備は、複雑な構造とする必要が無くなり、安価な単純構造の設備を利用できることから、センサの製造コストを低く抑えることができる。
また、このセンサの製造方法においては、金属端子部材とリード線とを接続(固着)した後に、絶縁コンタクト部材のスリット部に金属端子部材のフレーム本体部を挿通させて、金属端子部材の素子当接部を絶縁コンタクト部材の素子収容部に配置するようにしたことから、絶縁コンタクト部材をリード線に沿って移動させる必要がなく、リード線の被覆が絶縁コンタクト部材によってリード線の被覆が削り取られることがない。
よって、本発明方法によれば、高価な製造設備を用いることなくリード線と金属端子部材との接続作業(固着作業)が実施でき、また、リード線と金属端子部材との接続作業を容易に実施できることから、センサの製造工程における作業の煩雑さを軽減できる。
さらに、リード線と金属端子部材とを固着した後でも、リード線の被覆の剥離を生じることなく、金属端子部材の素子当接部を絶縁コンタクト部材の内部に配置することができる。
なお、絶縁コンタクト部材として、1部材で構成される絶縁コンタクト部材を用いる場合には、素子収容部は、外周に連通するように形成するとよい。このような構成の絶縁コンタクト部材を用いることで、リード線が接続された金属端子部材のフレーム本体部をスリット部に挿通するとともに、金属端子部材の素子当接部を絶縁コンタクト部材の素子収容部に配置することが可能となる。
また、上述のセンサの製造方法においては、請求項2に記載のように、絶縁コンタクト部材は、軸線方向における先端側に位置する先端側コンタクト部材と、軸線方向における後端側に位置する後端側コンタクト部材とに分割可能に構成されると共に、先端側コンタクト部材に素子収容部が形成され、後端側コンタクト部材にスリット部が形成される構成であり、素子収容部は、先端側コンタクト部材の内部を軸線方向に貫通するよう形成されており、第2工程において、金属端子部材のフレーム本体部を後端側コンタクト部材のスリット部に挿通した後、先端側コンタクト部材と後端側コンタクト部材とを同軸状に組み付けるとともに、金属端子部材の素子当接部を先端側コンタクト部材の素子収容部に配置するとよい。
つまり、絶縁コンタクト部材として、先端側コンタクト部材と後端側コンタクト部材とに分かれる分割構造の絶縁コンタクト部材を用いるのである。このような分割構造の絶縁コンタクト部材を用いる場合には、金属端子部材のフレーム本体部を絶縁コンタクト部材(後端側コンタクト部材)のスリット部に挿通する作業と、金属端子部材の素子当接部を絶縁コンタクト部材(先端側コンタクト部材)の素子収容部に配置する作業とを、異なるタイミングで実施できる。
そして、第2工程においては、まず、金属端子部材のフレーム本体部を後端側コンタクト部材のスリット部に挿通することにより、容易に金属端子部材を後端側コンタクト部材に組み付けることができる。
その後、先端側コンタクト部材と後端側コンタクト部材とを同軸状に組み付けるとともに、金属端子部材の素子当接部を先端側コンタクト部材の素子収容部に配置することで、先端側コンタクト部材の内部を軸線方向に貫通する素子収容部に金属端子部材を配置することができる。
なお、絶縁コンタクト部材の内部を貫通する素子収容部に金属端子部材の素子当接部を配置する場合には、金属端子部材の素子当接部が絶縁コンタクト部材の外部に配置される他部材に接触するのを防止できる。このように金属端子部材が他部材に接触するのを防止できることから、センサの製造工程において、金属端子部材が絶縁コンタクト部材の外部に配置された他部材に接触しないように特別な注意を払う必要が無くなる。
よって、本発明方法によれば、センサの製造工程において、金属端子部材とリード線との接続作業を容易に実施できるとともに、特別な注意を払うことなく金属端子部材と他部材との接触による電流経路の不良を防止することができ、センサの製造工程における作業の煩雑さを軽減することができる。
そして、上述のセンサの製造方法においては、請求項3に記載のように、絶縁コンタクト部材は、金属端子部材のリード線接続部を配置するための複数の接続部配置領域を仕切る配置領域仕切部を備え、第2工程において、金属端子部材のフレーム本体部を絶縁コンタクト部材のスリット部に挿通すると共に、金属端子部材のリード線接続部を絶縁コンタクト部材の接続部配置領域に配置するとよい。
この製造方法においては、配置領域仕切部によって金属端子部材のリード線接続部の移動範囲を接続部配置領域の内部に制限できることから、複数の金属端子部材を備えるセンサであっても、異なる金属端子部材のリード線接続部どうしが互いに接触するのを防止できる。このため、センサの製造工程において、金属端子部材のリード線接続部どうしが接触しないように、金属端子部材の配置位置に注意を払う必要が無くなり、製造作業の煩雑さを解消できる。
また、この製造方法により得られるセンサは、完成後においても、異なる金属端子部材のリード線接続部どうしが互いに接触するのを防止できる。
次に、上述のセンサの製造方法においては、請求項4に記載のように、金属端子部材は、フレーム本体部のうちスリット部に配置される部位よりも先端側に、フレーム本体部の長手方向に延びる軸線を回転中心軸としてフレーム本体部をねじ曲げて形成される屈曲部を備え、第2工程において、屈曲部を絶縁コンタクト部材のスリット部よりも先端側に配置するとよい。
次に、上述のセンサの製造方法においては、請求項4に記載のように、金属端子部材は、フレーム本体部のうちスリット部に配置される部位よりも先端側に、フレーム本体部の長手方向に延びる軸線を回転中心軸としてフレーム本体部をねじ曲げて形成される屈曲部を備え、第2工程において、屈曲部を絶縁コンタクト部材のスリット部よりも先端側に配置するとよい。
この金属端子部材の屈曲部は、軸線を回転中心軸としてねじ曲げられて形成されており、フレーム本体部の長手方向に沿って移動するに従い、軸線方向に垂直な断面における幅方向および厚さ方向が変化する構成である。このため、屈曲部を周方向外側から見た場合、いずれの方向においても、屈曲部のうち少なくとも一部が絶縁コンタクト部材のスリット部におけるスリット幅よりも大きくなるため、屈曲部は、絶縁コンタクト部材のスリット部に配置することができない。
そして、屈曲部がスリット部よりも先端側に位置するように金属端子部材のフレーム本体部をスリット部に配置することで、金属端子部材が軸線方向の後端側に向けて移動する場合であっても、屈曲部が絶縁コンタクト部材のうちスリット部の周縁部分に係合することにより、金属端子部材が後端側に移動するのを阻止することができる。
これにより、センサの製造工程において、何らかの外力が金属端子部材に印加された場合であっても、金属端子部材の移動を制限することができ、金属端子部材を設計通りの配置位置に配置できることから、金属端子部材の素子当接部と検出素子の電極端子部とを確実に接続することができる。
また、センサの完成後においても、金属端子部材の移動を制限できることから、リード線などから外力が印加された場合でも、金属端子部材の素子当接部と検出素子の電極端子部との接続状態を良好に維持できると共に、金属端子部材の移動により検出素子の電極端子部が削り取られるのを防止できる。
よって、本発明方法によれば、センサの製造工程において金属端子部材に何らかの外力が印加された場合であっても、電流経路を良好に維持できるセンサの製造方法を実現できる。また、本発明方法により得られるセンサは、金属端子部材の移動による検出素子の電極端子部の剥離を防止できるため、電極端子部の剥離(破損)に伴う金属端子部材と検出素子(電極端子部)との接触不良を防ぐことができる。
次に、上述のセンサの製造方法においては、請求項5に記載のように、絶縁コンタクト部材は、素子収容部に金属端子部材をそれぞれ絶縁して配置するための端子位置決め部を備え、第2工程において、金属端子部材を端子位置決め部に配置するとよい。
このように端子位置決め部を有する絶縁コンタクト部材を用いて、金属端子部材を端子位置決め部に配置することで、素子収容部における金属端子部材の配置位置を特定位置に設定することができ、絶縁コンタクト部材と金属端子部材との相対位置が変化するのを防止できる。
これにより、センサの製造工程において、特別な注意を払うことなく、絶縁コンタクト部材と金属端子部材との相対位置が不適切な位置となるのを防止できると共に、金属端子部材を設計通りの配置位置に配置することができる。この結果、容易に金属端子部材を適切な配置位置に配置することができ、金属端子部材と検出素子(電極端子部)とを確実に接続できる。
よって、本発明方法によれば、製造工程において特別な注意を払うことなく容易に金属端子部材と検出素子(電極端子部)とを接続でき、電流経路を良好に維持できるセンサの製造方法を実現できる。
以下に、本発明を適用した実施例を図面と共に説明する。
なお、本実施例では、ガスセンサの一種であって、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出する検出素子(ガスセンサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。
なお、本実施例では、ガスセンサの一種であって、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出する検出素子(ガスセンサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。
図1は、本発明を適用した実施例の空燃比センサ2の全体構成を示す断面図である。
空燃比センサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなす検出素子4と、検出素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36に電気的に接続されて電流経路を形成するリードフレーム10と、絶縁性材料で形成され、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36に接続されるリードフレーム10を検出素子4との間で保持する絶縁コンタクト部材82と、リードフレーム10とセンサ外部との間の電流経路を形成するリード線46と、を備えている。
空燃比センサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなす検出素子4と、検出素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36に電気的に接続されて電流経路を形成するリードフレーム10と、絶縁性材料で形成され、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36に接続されるリードフレーム10を検出素子4との間で保持する絶縁コンタクト部材82と、リードフレーム10とセンサ外部との間の電流経路を形成するリード線46と、を備えている。
なお、リード線46は、導電性を有する芯線と、芯線を被覆する絶縁性の樹脂製被覆材とで構成されると共に、芯線の先端側および後端側が樹脂製被覆材から露出するように構成されている。
検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に保護層に覆われた検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,31,32,34,36が形成されている。リードフレーム10は、検出素子4と絶縁コンタクト部材82との間に配置されることで、検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36にそれぞれ電気的に接続される。また、リードフレーム10は、外部からセンサの内部に配設されるリード線46にも電気的にかつ機械的に接続されており、リード線46が接続される外部機器と電極端子部30,31,32,34,36との間に流れる電流の電流経路を形成する。
主体金具102は、軸線方向に貫通する貫通孔109を有し、貫通孔109の径方向内側に突出する棚部107を有する略筒状形状に構成されている。また、主体金具102は、検出部8を貫通孔109の先端側外部に配置し、電極端子部30,31,32,34,36を貫通孔109の後端側外部に配置する状態で貫通孔109に挿通された検出素子4を保持するよう構成されている。さらに、棚部107は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
なお、主体金具102の貫通孔109の内部には、検出素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ106、粉末充填層108(以下、滑石リング108ともいう)、補助スリーブ110,第2粉末充填層111および上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。
また、セラミックスリーブ6と主体金具102の後端部104との間には、加締リング112が配置されており、主体金具102の後端部104は、加締リング112を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。
さらに、セラミックホルダ106と主体金具102の棚部107との間には、気密性を維持するためのパッキンとして機能する保護カバー129が配置されている。
なお、保護カバー129は、金属材料(例えば、ステンレス鋼等)からなり、セラミックホルダ106、滑石リング108および補助スリーブ110の側面を覆うと共に、セラミックホルダ106の先端側周縁部を覆う底面部を有する筒状形状に形成されている。保護カバー129の底面部は、中央部分に検出素子4を挿通可能な大きさの中央開口部を有している。
なお、保護カバー129は、金属材料(例えば、ステンレス鋼等)からなり、セラミックホルダ106、滑石リング108および補助スリーブ110の側面を覆うと共に、セラミックホルダ106の先端側周縁部を覆う底面部を有する筒状形状に形成されている。保護カバー129の底面部は、中央部分に検出素子4を挿通可能な大きさの中央開口部を有している。
ここで、検出素子4の概略構造を表す斜視図を、図2に示す。なお、図2では、軸線方向における中間部分を省略して検出素子4を表している。
検出素子4は、軸線方向(図2における左右方向)に延びる板状形状に形成された素子部20と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータ22とが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられる検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略するが、その概略構成は以下のようである。
検出素子4は、軸線方向(図2における左右方向)に延びる板状形状に形成された素子部20と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータ22とが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられる検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略するが、その概略構成は以下のようである。
まず、素子部20は、固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素濃淡電池素子と、同じく固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素ポンプ素子と、これらの両素子の間に積層され、中空の測定ガス室を形成するためのスペーサとから構成される。この固体電解質基板は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアから形成され、多孔質電極は、Ptを主体に形成される。また、測定ガス室を形成するスペーサは、アルミナを主体に構成されており、中空の測定ガス室の内側には、酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と、酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極が露出するように配置されている。なお、測定ガス室は、素子部20の先端側に位置するように形成されると共に、スペーサの先端側には測定ガス室と外部とを連通するための多孔質のセラミックからなる拡散律速部が形成されており、この測定ガス室が形成される部分が検出部8に相当する。
ついで、ヒータ22は、アルミナを主体とする絶縁基板の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターンが挟み込まれて形成されている。
そして、素子部20とヒータ22とは、セラミック層(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)を介して互いに接合される。また、検出素子4は、先端側のうち少なくとも測定対象物(本実施形態では排ガス)に晒される電極の表面上には、被毒防止用の多孔質のセラミックからなる保護層(図示省略)が形成される。なお、本実施形態では、検出素子4のうち排ガスに晒される電極の表面を含む先端側全面を保護層にて覆っている。
そして、素子部20とヒータ22とは、セラミック層(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)を介して互いに接合される。また、検出素子4は、先端側のうち少なくとも測定対象物(本実施形態では排ガス)に晒される電極の表面上には、被毒防止用の多孔質のセラミックからなる保護層(図示省略)が形成される。なお、本実施形態では、検出素子4のうち排ガスに晒される電極の表面を含む先端側全面を保護層にて覆っている。
このような検出素子4では、図2に示すように、第1板面21の後端側(図2における右側)に3個の電極端子部30,31,32が形成され、第2板面23の後端側に2個の電極端子部34,36が形成されている。電極端子部30,31,32は、素子部20に形成されるものであり、1つの電極端子部は、測定ガス室の内側に露出する酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極と共用する形で電気的に接続される。また、電極端子部30,31,32のうち残りの2つの電極端子部は、酸素濃淡電池素子の他方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の他方の多孔質電極と各々電気的に接続されている。また、電極端子部34,36は、ヒータ22に形成されるものであり、ヒータの厚さ方向に横切るビア(図示せず)を介して発熱抵抗体パターンの両端に各々接続されている。
このように構成された検出素子4は、図1に示すように、先端側(図1における下方)の検出部8が排気管に固定される主体金具102の先端より突出すると共に、後端側の電極端子部30,31,32,34,36が主体金具102の後端より突出した状態で、主体金具102の内部に固定される。
一方、図1に示すように、主体金具102の先端側(図1における下方)外周には、検出素子4の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製(例えば、ステンレスなど)の二重の外部プロテクタ42および内部プロテクタ43が、溶接等によって取り付けられている。
そして、主体金具102の後端側外周には、外筒44が固定されている。また、外筒44の後端側(図1における上方)の開口部には、検出素子4の各電極端子部30,31,32,34,36とそれぞれ電気的に接続される5本のリード線46が挿通されるリード線挿通孔61を有するグロメット50が配置されている。
また、主体金具102の後端部104より突出する検出素子4の後端側(図1における上方)には、絶縁コンタクト部材82が配置される。尚、この絶縁コンタクト部材82は、検出素子4の後端側の表面に形成される電極端子部30,31,32,34,36の周囲に配置されている。
次に、リードフレーム10について説明する。
リードフレーム10の外観を表す斜視図を図3に示す。なお、リードフレーム10は、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を維持可能な周知の材料(例えば、インコネルやステンレス鋼等)にて形成されている。
リードフレーム10の外観を表す斜視図を図3に示す。なお、リードフレーム10は、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を維持可能な周知の材料(例えば、インコネルやステンレス鋼等)にて形成されている。
リードフレーム10は、軸線方向に延びる長尺状の板状部材からなるフレーム本体部12と、フレーム本体部12の先端から延びると共に、自身の一部がフレーム本体部12と検出素子4との間に配置されるように軸線方向に延びる形態で形成された素子当接部16と、を備えると共に、素子当接部16が検出素子4の電極端子部に当接するように構成されている。
また、素子当接部16のうちフレーム本体部12の先端に連結されると共に径方向内側に屈曲して方向変換する連結部14は、その一部が、外力が印加されることで弾性変形するよう構成されている。そして、リードフレーム10は、連結部14が弾性変形することで、フレーム本体部12と素子当接部16との隙間間隔が変化するよう構成されている。
フレーム本体部12は、軸線方向における略中間位置に湾曲部13を有しており、湾曲部13よりも先端に位置する先端側部分と、湾曲部13よりも後端に位置する後端側部分とが、板面の厚さ方向における位置が異なる位置となるように構成されている。また、フレーム本体部12は、板面の幅寸法W1が1.2[mm]、厚さが0.2[mm]に形成されている。
ここで、幅寸法とは、フレーム本体部12のうち後述する屈曲部18よりも先端側部分においては、軸線方向に垂直で、かつ素子当接部16とフレーム本体部12との隙間間隔方向に垂直となる方向の寸法である。
また、フレーム本体部12は、湾曲部13よりも後端側に、フレーム本体部12の長手方向に延びる軸線を回転中心軸として自身(フレーム本体部12)を回転させつつねじ曲げて形成される屈曲部18を備えている。
次に、リードフレーム10の素子当接部16の一部をなす連結部14は、第1連結部271、第2連結部273および第3連結部275を備えて構成されている。
第1連結部271は、フレーム本体部12の先端から、フレーム本体部12と素子当接部16との隙間間隔方向のうち素子当接部16から離れる方向に向けて延設されており、絶縁コンタクト部材82の先端面に係合するフレーム係止面19を備えている。フレーム係止面19は、フレーム本体部12の軸線方向後端側に対向する形態で備えられる。
第1連結部271は、フレーム本体部12の先端から、フレーム本体部12と素子当接部16との隙間間隔方向のうち素子当接部16から離れる方向に向けて延設されており、絶縁コンタクト部材82の先端面に係合するフレーム係止面19を備えている。フレーム係止面19は、フレーム本体部12の軸線方向後端側に対向する形態で備えられる。
第2連結部273は、第1連結部271のうちフレーム本体部12との連結側とは反対側の端部から、フレーム本体部12の軸線方向における先端側に向けて延設されている。
第3連結部275は、第2連結部273のうち第1連結部271との連結側とは反対側の端部から検出素子4側に向かう方向に延設されている。
第3連結部275は、第2連結部273のうち第1連結部271との連結側とは反対側の端部から検出素子4側に向かう方向に延設されている。
素子当接部16は、フレーム本体部12の先端に連結されており、外力が印加されておらず連結部14が弾性変形していない場合には、素子当接部16のうち軸線方向後端部となる開放側端部15がフレーム本体部12から離れた状態となるように形成されている。また、素子当接部16は、軸線方向中央部からフレーム本体部12までの間隙寸法が、開放側端部15からフレーム本体部12までの間隙寸法に比べて長くなるように湾曲した円弧状形状に形成されており、円弧状形状のうち凸側表面が検出素子4に当接するように形成されている。
なお、素子当接部16は、連結部14が弾性変形して開放側端部15がフレーム本体部12に近接することにより、開放側端部15がフレーム本体部12に当接するよう構成されている。また、素子当接部16は、板面の幅寸法W1が1.2[mm]、厚さが0.2[mm]に形成されている。
さらに、リードフレーム10は、フレーム本体部12の後端部(図における上端部)に、フレーム本体部12よりも幅広に形成されたリード線接続部17を一体に備えている。このリード線接続部17は、フレーム本体部12よりも幅方向寸法が大きく形成されており、曲げ加工により略筒状形状に形成された後、リード線46(図示省略)の芯線が内部に挿通された状態で径方向内向きに加締められることで、リード線46と電気的に接続される。
次に、絶縁コンタクト部材82について説明する。
図4に、絶縁コンタクト部材82の斜視図を示す。
絶縁コンタクト部材82は、絶縁性材料(本実施形態ではアルミナ)で形成されており、コンタクト挿通孔84を有する先端側コンタクト部材77と、スリット部93を有する後端側コンタクト部材79と、を備えて構成されている。
図4に、絶縁コンタクト部材82の斜視図を示す。
絶縁コンタクト部材82は、絶縁性材料(本実施形態ではアルミナ)で形成されており、コンタクト挿通孔84を有する先端側コンタクト部材77と、スリット部93を有する後端側コンタクト部材79と、を備えて構成されている。
なお、図4では、軸線方向における先端側に位置する先端側コンタクト部材77と、軸線方向における後端側に位置する後端側コンタクト部材79と、に分割された状態の絶縁コンタクト部材82を表している。
先端側コンタクト部材77は、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔84を有する筒状形状に形成されると共に、後端側の外表面から径方向外向きに突出する鍔部83と、先端側の外周側面の一部に形成された平面部96と、を備えて構成されている。また、先端側コンタクト部材77は、後端側に後端側コンタクト部材79の先端側の一部を収容するための凹状収容部85を備えている。
コンタクト挿通孔84のうち検出素子4の第1板面21(図示省略)に対向する内壁面には、内向きに突出する第1リブ部87が2カ所に形成されている。第1リブ部87は、3個のリードフレーム10をそれぞれ電気的に絶縁した状態で個別に配置するための3つの第1フレーム配置溝86の境界を形成する挿通孔内リードフレーム境界部として備えられている。そして、3つの第1フレーム配置溝86は、検出素子4の第1板面21における電極端子部30,31,32に対応する位置に形成されている。
また、コンタクト挿通孔84のうち検出素子4の第2板面23(図示省略)に対向する内壁面には、内向きに突出する第2リブ部89が1カ所に形成されている。第2リブ部89は、2個のリードフレーム10をそれぞれ電気的に絶縁した状態で個別に配置するための2つの第2フレーム配置溝88の境界を形成する挿通孔内リードフレーム境界部として備えられている。そして、2つの第2フレーム配置溝88は、検出素子4の第2板面23における電極端子部34,36に対応する位置に形成されている。
第1リブ部87および第2リブ部89は、隣接するフレーム配置溝に配置されるリードフレーム10どうしが接触するのを阻止する機能を有しており、隣接して配置されるリードフレーム10どうしが電気的に導通するのを阻止することにより、電流経路が不良となるのを防止できる。
また、先端側コンタクト部材77は、先端面(図における下側面)に、コンタクト挿通孔84における第1フレーム配置溝86の先端部分に繋がる形態で形成される第1係止用溝部90と、第2フレーム配置溝88の先端部分に繋がる形態で形成される第2係止用溝部91と、を備えている。
第1係止用溝部90および第2係止用溝部91は、それぞれ先端側に対向する面を有しており、リードフレーム10の連結部14が配置されると、リードフレーム10のフレーム係止面19に当接するよう形成されている。
また、先端側コンタクト部材77は、外周面の一部に平面部96を備えることから、コンタクト挿通孔84の内部状況を確認することなく、外部からの目視等による確認作業によって第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88の形成位置を確認することができる。このため、絶縁コンタクト部材82を検出素子4に組み付けるにあたり、検出素子4に対する絶縁コンタクト部材82の回転方向相対位置を一定位置に定めることが容易となる。これにより、検出素子4に対する絶縁コンタクト部材82の相対位置関係が不適切になるのを防止でき、容易に、第1板面21に第1フレーム配置溝86を対向させ、第2板面23に第2フレーム配置溝88を対向させることができる。
次に、後端側コンタクト部材79は、略筒状形状に形成されており、自身の先端側に自身の外周に連通するスリット部93と、リードフレーム10のリード線接続部17を配置するための複数の接続部配置領域95を仕切る配置領域仕切部94と、を備えている。
スリット部93は、リードフレーム10のフレーム本体部12の厚さ寸法よりも広く、フレーム本体部12の幅寸法よりも狭いスリット幅寸法に形成されている。なお、スリット部93は、先端側コンタクト部材77のコンタクト挿通孔84における第1フレーム配置溝86に対応する3カ所と、第2フレーム配置溝88に対応する2カ所に形成されている。
また、接続部配置領域95は、5つのスリット部93の後端側に、それぞれが異なるスリット部93に連通する形態で5カ所に設けられている。
次に、絶縁コンタクト部材82に対して、リードフレーム10を組み付ける作業について説明する
まず、第1ステップでは、リードフレーム10のリード線接続部17にリード線46を接続(固着)する作業を行う。
次に、絶縁コンタクト部材82に対して、リードフレーム10を組み付ける作業について説明する
まず、第1ステップでは、リードフレーム10のリード線接続部17にリード線46を接続(固着)する作業を行う。
つまり、図3に示す状態のリード線接続部17をリード線46の芯線を囲むように略筒型形状に変形させた後、リード線接続部17の内側にリード線46の先端部分を配置し、リード線接続部17を加締め変形する作業を行う。
これにより、リード線46をリードフレーム10のリード線接続部17に接続(固着)することができる。このとき、リード線接続部17は、軸線方向に垂直な面における断面形状が円形形状に形成されるのではなく、幅方向の寸法よりも厚さ方向の寸法が小さい略楕円形状に形成される。
次の第2ステップでは、リード線46が固着されたリードフレーム10を、後端側コンタクト部材79に組み付ける作業を行う。
このとき、リードフレーム10の屈曲部18を後端側コンタクト部材79のスリット部93よりも先端側に配置するように、フレーム本体部12のうち屈曲部18よりも後端側となる部分を後端側コンタクト部材79のスリット部93に挿通すると共に、リード線接続部17を接続部配置領域95に配置する作業を行う。
このとき、リードフレーム10の屈曲部18を後端側コンタクト部材79のスリット部93よりも先端側に配置するように、フレーム本体部12のうち屈曲部18よりも後端側となる部分を後端側コンタクト部材79のスリット部93に挿通すると共に、リード線接続部17を接続部配置領域95に配置する作業を行う。
次の第3ステップでは、先端側コンタクト部材77と後端側コンタクト部材79とを組み付ける作業を行う。
このとき、リードフレーム10の素子当接部16を先端側コンタクト部材77のコンタクト挿通孔84に挿入するとともに、先端側コンタクト部材77の凹状収容部85に後端側コンタクト部材79の先端部分を収容することで、先端側コンタクト部材77と後端側コンタクト部材79との組み付け作業を行う。
このとき、リードフレーム10の素子当接部16を先端側コンタクト部材77のコンタクト挿通孔84に挿入するとともに、先端側コンタクト部材77の凹状収容部85に後端側コンタクト部材79の先端部分を収容することで、先端側コンタクト部材77と後端側コンタクト部材79との組み付け作業を行う。
図5に、先端側コンタクト部材77と後端側コンタクト部材79とが組み付けられて構成される絶縁コンタクト部材82の外観を表す斜視図を示し、図6に、絶縁コンタクト部材82の内部構造を表した断面図を示す。なお、図5および図6では、後述する円筒部材49が一体に組み付けられた状態の絶縁コンタクト部材を表している。
図5および図6に示すように、5本のリードフレーム10のリード線接続部17は、それぞれ後端側コンタクト部材79における異なる接続部配置領域95に配置されており、配置領域仕切部94によって互いに絶縁されている。
また、図6の断面図に示すように、リードフレーム10は、先端側コンタクト部材77のコンタクト挿通孔84のうち、第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88に配置されている。このとき、リードフレーム10の連結部14のうちフレーム係止面19は、先端側コンタクト部材77の第1係止用溝部90および第2係止用溝部91における内面のうち先端側に対向する面に当接する状態となる。
このような作業を実施することで、絶縁コンタクト部材82に対して、リードフレーム10を組み付けることができる。そして、これらの製造工程のうち、第1ステップが特許請求の範囲に記載の第1工程に相当し、第2ステップおよび第3ステップが第2工程に相当する。
なお、リードフレーム10は、外力が印加されず連結部14が弾性変形しない場合には、素子当接部16の開放側端部15とフレーム本体部12との間隙寸法が、絶縁コンタクト部材82の第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88の深さ寸法よりも小さくなるよう構成されている。これにより、開放側端部15が第1リブ部87および第2リブ部89の端面に係合するのを防止でき、素子当接部16の開放側端部15が第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88の内部に配置できなくなるのを防ぐことができる。
また、リードフレーム10は、検出素子4と絶縁コンタクト部材82との間に挟持されて連結部14が弾性変形した場合には、素子当接部16の開放側端部15がフレーム本体部12に当接すると共に、素子当接部16のうち少なくとも一部が第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88の外部に配置されて、素子当接部16が検出素子4の電極端子部に接続されるよう構成されている。
次に、リードフレーム10が組み付けられた絶縁コンタクト部材82を検出素子4の後端部分に組み付ける作業、および、その後、外筒44やグロメット50を組み付けて空燃比センサ2を組み立てる作業について説明する。
図7に、絶縁コンタクト部材82が組み付けられた状態の検出素子4および主体金具102の断面斜視図(図中左側)を示すと共に、その後、外筒44やグロメット50が組み付けられて完成した状態の空燃比センサ2の断面斜視図(図中右側)を示す。なお、検出素子4は、絶縁コンタクト部材82が組み付けられる前に、セラミックスリーブ6などを介して主体金具102に一体に組み付けられている。
絶縁コンタクト部材82を検出素子4に組み付けるには、検出素子4の後端部分をコンタクト挿通孔84の内部に挿入するように、検出素子4の後端側から絶縁コンタクト部材82を嵌め合わせる作業を行う。
このとき、絶縁コンタクト部材82は、コンタクト挿通孔84のうち第1フレーム配置溝86が形成される面が検出素子4の第1板面21に対向し、コンタクト挿通孔84のうち第2フレーム配置溝88が形成される面が検出素子4の第2板面23に対向するように、検出素子4に対する位置決めを行う。
また、この組み付け作業時には、リードフレーム10と検出素子4との間に生じる摩擦力により、後端側に向かう方向の外力がリードフレーム10に印加されるが、フレーム係止面19が第1係止用溝部90または第2係止用溝部91に係合することで、コンタクト挿通孔84の内部におけるリードフレーム10の移動を防止できる。これにより、リードフレーム10(素子当接部16)の位置ズレを防止でき、リードフレーム10(素子当接部16)と検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36とを確実に接続することができる。
このようにして絶縁コンタクト部材82を検出素子4の後端部分に組み付けた後、絶縁コンタクト部材82を覆うように外筒44を配置するとともに、外筒44を主体金具102に固定する作業を行う。
このとき、外筒44は、径方向内向きの加締め作業とレーザ溶接作業により、主体金具102に固定される。また、外筒44のうち、円筒部材49およびグロメット50に対応する部分を径方向内向きに加締めることで、円筒部材49およびグロメット50を外筒44に固定する。
このように、リードフレーム10、絶縁コンタクト部材82および検出素子4を一体に組み付けたあとに、外筒44などを主体金具102に対してレーザー溶接などにより接合すると共に、グロメット50を加締め加工により外筒44に固定する固定作業などを実行することで、空燃比センサ2が完成し、空燃比センサ2の製造工程が完了する。
なお、絶縁コンタクト部材82は、外筒44のうちで円筒部材49に対応する部分を径方向内向きに加締めて円筒部材支持部65を形成することで、鍔部83が外筒44の外筒側支持部64と円筒部材49との間に挟持され、この状態で外筒44の内部に固定される。外筒側支持部64は、外筒44において内向きに突出する形態で形成されている。
なお、本実施例においては、リードフレーム10が特許請求の範囲に記載の金属端子部材に相当し、コンタクト挿通孔84が素子収容部に相当し、第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88が端子位置決め部に相当する。
以上、説明したように、本実施例の空燃比センサ2は、製造工程において、リードフレーム10またはリード線46を絶縁コンタクト部材82の内部に配置する作業(第2工程に相当する作業)の前段階において、リード線46をリードフレーム10のリード線接続部17に接続する作業(第1工程に相当する作業)を実施することで製造される。このことから、リード線46とリードフレーム10との接続作業(固着作業)において、リードフレーム10が絶縁コンタクト部材82の内部に隠れることはない。
このため、空燃比センサ2の製造工程では、リード線46とリードフレーム10との接続作業(固着作業)にあたり、リードフレーム10を容易に保持できるため、リードフレーム10とリード線46との接続作業(固着作業)を容易に実施できる。また、接続作業を行うための製造設備は、複雑な構造とする必要が無くなり、安価な単純構造の設備を利用できることから、空燃比センサ2の製造コストを低く抑えることができる。
また、空燃比センサ2の製造方法においては、リードフレーム10とリード線46とを接続(固着)した後にリードフレーム10の素子当接部16を絶縁コンタクト部材82(先端側コンタクト部材77)のコンタクト挿通孔84に配置するために、絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)をリード線46に沿って移動させる必要がないため、リード線46の被覆(具体的には、リード線46のうち芯線を被覆する被覆材)が絶縁コンタクト部材82によって削り取られることがない。
よって、本実施例のセンサの製造方法によれば、高価な製造設備を用いることなくリード線46とリードフレーム10との接続作業(固着作業)が実施でき、また、リード線46とリードフレーム10との接続作業を容易に実施できることから、空燃比センサ2の製造工程における作業の煩雑さを軽減できる。
さらに、リード線46とリードフレーム10とを固着した後でも、リード線46の被覆の剥離を生じることなく、リードフレーム10を絶縁コンタクト部材82の内部に配置することができ、リード線46の芯線が外部に露出するのを防止できる。
また、空燃比センサ2は、先端側コンタクト部材77と後端側コンタクト部材79とに分かれる分割構造の絶縁コンタクト部材82を備えて構成されている。
このような分割構造の絶縁コンタクト部材82を用いる場合には、リードフレーム10のフレーム本体部12を絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)のスリット部93に挿通する作業と、リードフレーム10の素子当接部16を絶縁コンタクト部材82(先端側コンタクト部材77)のコンタクト挿通孔84に配置する作業とを、異なるタイミングで実施できる。
このような分割構造の絶縁コンタクト部材82を用いる場合には、リードフレーム10のフレーム本体部12を絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)のスリット部93に挿通する作業と、リードフレーム10の素子当接部16を絶縁コンタクト部材82(先端側コンタクト部材77)のコンタクト挿通孔84に配置する作業とを、異なるタイミングで実施できる。
つまり、まず、リードフレーム10のフレーム本体部12を後端側コンタクト部材79のスリット部93に挿通することにより、容易にリードフレーム10を後端側コンタクト部材79に組み付けることができる。
その後、先端側コンタクト部材77と後端側コンタクト部材79とを組み付けるとともに、リードフレーム10の素子当接部16を先端側コンタクト部材77のコンタクト挿通孔84に挿入配置することで、先端側コンタクト部材77の内部を軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔84にリードフレーム10を配置することができる。
なお、絶縁コンタクト部材82(先端側コンタクト部材77)の内部を貫通するコンタクト挿通孔84にリードフレーム10の素子当接部16を配置することにより、リードフレーム10の素子当接部16が絶縁コンタクト部材82(先端側コンタクト部材77)の外部に配置される他部材(外筒44など)に接触するのを防止できる。このようにリードフレーム10が他部材に接触するのを防止できることから、空燃比センサ2の製造工程において、リードフレーム10が絶縁コンタクト部材82の外部に配置された外筒44などに接触しないように特別な注意を払う必要が無くなる。
よって、本実施例によれば、空燃比センサ2の製造工程において、リードフレーム10とリード線46との接続作業を容易に実施できるとともに、特別な注意を払うことなくリードフレーム10と外筒44などとの接触による電流経路の不良を防止することができ、空燃比センサ2の製造工程における作業の煩雑さを軽減することができる。
また、絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)は、5個の接続部配置領域95を仕切る配置領域仕切部94を備えており、5個の接続部配置領域95にリードフレーム10のリード線接続部17を個別に配置できるよう構成されている。
そして、空燃比センサ2の製造工程では、リードフレーム10のフレーム本体部12を絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)のスリット部93に挿通すると共に、リードフレーム10のリード線接続部17を絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)の接続部配置領域95に配置している。
この製造方法においては、配置領域仕切部94によってリードフレーム10のリード線接続部17の移動範囲を制限できることから、複数(5本)のリードフレーム10を備える空燃比センサ2であっても、異なるリードフレーム10のリード線接続部17どうしが互いに接触するのを防止できる。このため、空燃比センサ2の製造工程において、リードフレーム10のリード線接続部17どうしが接触しないように、リードフレーム10の配置位置に注意を払う必要が無くなり、製造作業の煩雑さを解消できる。
また、このような構造の空燃比センサ2は、完成後においても、異なるリードフレーム10のリード線接続部17どうしが互いに接触するのを防止できる。
次に、リードフレーム10は、フレーム本体部12に屈曲部18を備えており、屈曲部18が絶縁コンタクト部材82のスリット部93よりも先端側に配置されるように、絶縁コンタクト部材82に組み付けられる。
次に、リードフレーム10は、フレーム本体部12に屈曲部18を備えており、屈曲部18が絶縁コンタクト部材82のスリット部93よりも先端側に配置されるように、絶縁コンタクト部材82に組み付けられる。
このリードフレーム10の屈曲部18は、軸線を回転中心軸として回転するようにねじ曲げられて形成されており、フレーム本体部12の長手方向に沿って移動するに従い、軸線方向に垂直な断面における幅方向および厚さ方向が変化する構成である。このため、屈曲部18を周方向外側から見た場合、いずれの方向においても、屈曲部18のうち少なくとも一部が絶縁コンタクト部材82のスリット部93におけるスリット幅よりも大きくなるため、屈曲部18は、絶縁コンタクト部材82のスリット部93に配置することができない。
そして、屈曲部18がスリット部93よりも先端側に位置するようにリードフレーム10のフレーム本体部12をスリット部93に配置することで、リードフレーム10が軸線方向の後端側に向けて移動する場合であっても、屈曲部18が絶縁コンタクト部材82のうちスリット部93の周縁部分に係合して、リードフレーム10が後端側に移動するのを阻止することができる。
これにより、空燃比センサ2の製造工程において、何らかの外力がリードフレーム10に印加された場合であっても、リードフレーム10の移動を制限することができ、リードフレーム10を設計通りの配置位置に配置できることから、リードフレーム10の素子当接部16と検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36とを確実に接続することができる。
また、屈曲部18を有するリードフレーム10を用いることで、空燃比センサ2の完成後においても、リードフレーム10の移動を制限できることから、リードフレーム10の素子当接部16と検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36との接続状態を良好に維持できると共に、リードフレーム10の移動により検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36が削り取られるのを防止できる。
よって、本実施例によれば、空燃比センサ2の製造工程においてリードフレーム10に何らかの外力が印加された場合であっても、電流経路を良好に維持できるという効果を得ることができる。また、空燃比センサ2は、リードフレーム10の移動による検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36の剥離を防止できるため、電極端子部30,31,32,34,36の剥離(破損)に伴うリードフレーム10と検出素子4(電極端子部30,31,32,34,36)との接触不良を防ぐことができる。
次に、絶縁コンタクト部材82は、リードフレーム10をそれぞれ絶縁して配置するための第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88を備えている。
このような構成の絶縁コンタクト部材82を用いて、リードフレーム10を第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88に配置することで、コンタクト挿通孔84におけるリードフレーム10の配置位置を特定位置に設定することができ、絶縁コンタクト部材82とリードフレーム10との相対位置が変化するのを防止できる。
このような構成の絶縁コンタクト部材82を用いて、リードフレーム10を第1フレーム配置溝86および第2フレーム配置溝88に配置することで、コンタクト挿通孔84におけるリードフレーム10の配置位置を特定位置に設定することができ、絶縁コンタクト部材82とリードフレーム10との相対位置が変化するのを防止できる。
これにより、空燃比センサ2の製造工程において、特別な注意を払うことなく、絶縁コンタクト部材82とリードフレーム10との相対位置が不適切な位置となるのを防止できると共に、リードフレーム10を設計通りの配置位置に配置することができる。この結果、容易にリードフレーム10を適切な配置位置に配置することができ、リードフレーム10と検出素子4(電極端子部30,31,32,34,36)とを確実に接続できる。
よって、本実施例における空燃比センサ2の製造方法によれば、製造工程において特別な注意を払うことなく容易にリードフレーム10と検出素子4(電極端子部30,31,32,34,36)とを接続でき、電流経路を良好に維持することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、後端側コンタクト部材におけるスリット部(接続部配置領域)の形成位置は、上記の後端側コンタクト部材79の例に限られることはなく、例えば、第2後端側コンタクト部材179のような形成位置としてもよい。なお、図8に、第2後端側コンタクト部材179の斜視図を示す。
例えば、後端側コンタクト部材におけるスリット部(接続部配置領域)の形成位置は、上記の後端側コンタクト部材79の例に限られることはなく、例えば、第2後端側コンタクト部材179のような形成位置としてもよい。なお、図8に、第2後端側コンタクト部材179の斜視図を示す。
つまり、後端側コンタクト部材79は、軸線方向に垂直な断面において、略中心位置に1個のスリット部(接続部配置領域)を配置し、そのほかのスリット部(接続部配置領域)を同心円上に略等間隔で配置する構成である。これに対して、第2後端側コンタクト部材179は、同心円上に略等間隔で全ての第2スリット部193(第2接続部配置領域195)を配置する構成である。
このため、第2後端側コンタクト部材179を用いる場合には、センサの後端側において、5本のリード線を周方向の放射状に取り出すことができ、センサ外部において各リード線46を異なる方向に配設する場合であっても、リード線46の配設作業を容易にすることができる。
なお、第2接続部配置領域195は、第2配置領域仕切部194によって仕切られており、異なるリードフレーム10のリード線接続部17どうしを電気的に絶縁した状態で配置できるよう構成されている。
また、センサに備えられるリードフレーム(金属端子部材)の個数は、5個に限られることはなく、5本未満(例えば、4本など)でもよく、あるいは、6本以上であっても良い。その場合には、リードフレームの個数に応じてスリット部(接続部配置領域)が形成された絶縁コンタクト部材(後端側コンタクト部材)を用いることになる。
なお、上述の絶縁コンタクト部材82(後端側コンタクト部材79)は、4個のリードフレームを備えるセンサに用いることも可能であり、スリット部(接続部配置領域)の個数は、少なくともリードフレームの個数以上であればよい。
次に、絶縁コンタクト部材は、上述の絶縁コンタクト部材82のように先端側コンタクト部材および後端側コンタクト部材に分割可能な構造に限られることはなく、単一の部材で構成することもできる。
図9に、単一部材からなる第3絶縁コンタクト部材282の斜視図を示し、図10に、先端側から見たときの第3絶縁コンタクト部材282の外観図を示す。
第3絶縁コンタクト部材282は、絶縁性材料(本実施形態ではアルミナ)からなる略筒状形状に形成されており、後述する第2リードフレーム210(図12参照)の第2素子当接部216および第2検出素子の後端部分を収容する第3素子収容部284と、第3素子収容部284の後端部分に連通するとともに第3絶縁コンタクト部材282の外周に連通する4つの第3スリット部293と、を備えて構成されている。
第3絶縁コンタクト部材282は、絶縁性材料(本実施形態ではアルミナ)からなる略筒状形状に形成されており、後述する第2リードフレーム210(図12参照)の第2素子当接部216および第2検出素子の後端部分を収容する第3素子収容部284と、第3素子収容部284の後端部分に連通するとともに第3絶縁コンタクト部材282の外周に連通する4つの第3スリット部293と、を備えて構成されている。
なお、第3素子収容部284は、第2検出素子を配置するための素子配置領域285と、第2リードフレーム210を配置するための4つの第3フレーム配置溝286と、を備えている。また、第3絶縁コンタクト部材282は、第3フレーム配置溝286を仕切るための2つの第3リブ部287と、第3フレーム配置溝286から第3絶縁コンタクト部材282の外周にかけて連通する4つの外周連通部288と、を備えている。
第2検出素子は、上述の検出素子4と略同様の板状形状であり、後端部分に電極端子部を備えている点は、検出素子4と同様であるが、第2検出素子は、検出素子4と比べて電極端子部の個数が異なっている。つまり、第2検出素子は、第1板面に2個の電極端子部が形成され、第2板面に2個の電極端子部が形成されており、4個の電極端子部を備えている。
図11に、第2リードフレーム210が組み付けられた状態の第3絶縁コンタクト部材282の斜視図を示し、図12に、第2リードフレーム210が組み付けられた状態の第3絶縁コンタクト部材282を先端側から見たときの第3絶縁コンタクト部材282の外観図を示す。
なお、第2リードフレーム210は、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を維持可能な周知の材料(例えば、インコネルやステンレス鋼等)にて形成されている。
そして、第2リードフレーム210は、軸線方向に延びる長尺状の板状部材からなる第2フレーム本体部212と、第2フレーム本体部212の先端から延びると共に、自身の一部が第2フレーム本体部212と検出素子4との間に配置されるように軸線方向に延びる形態で形成された第2素子当接部216と、を備えると共に、第2素子当接部216が第2検出素子の電極端子部に当接するように構成されている。
そして、第2リードフレーム210は、軸線方向に延びる長尺状の板状部材からなる第2フレーム本体部212と、第2フレーム本体部212の先端から延びると共に、自身の一部が第2フレーム本体部212と検出素子4との間に配置されるように軸線方向に延びる形態で形成された第2素子当接部216と、を備えると共に、第2素子当接部216が第2検出素子の電極端子部に当接するように構成されている。
また、第2素子当接部216のうち第2フレーム本体部212の先端に連結されると共に径方向内側に屈曲して方向変換する第2連結部214は、その一部が、外力が印加されることで弾性変形するよう構成されている。
さらに、第2リードフレーム210は、第2フレーム本体部212の後端部に、第2フレーム本体部212よりも幅広に形成された第2リード線接続部217を一体に備えている。なお、第2リード線接続部217は、上述したリードフレーム10のリード線接続部17と同様の構成である。
また、第2フレーム本体部212は、第3絶縁コンタクト部材282のうち第3素子収容部284が形成される内面に当接するよう折り曲げられた折り曲げ部215を備えて構成されている。
第2リードフレーム210は、第2フレーム本体部212のうち折り曲げ部215と第2リード線接続部217との間の部分が、第3絶縁コンタクト部材282の第3スリット部293に挿通されるとともに、第2素子当接部216および第2連結部214などが外周連通部288に挿通されることで、第3素子収容部284に配置される。
このとき、第2フレーム本体部212のうち折り曲げ部215よりも先端側部分が第3絶縁コンタクト部材282の第3フレーム配置溝286に配置されることで、第3素子収容部284の内部における第2リードフレーム210の配置位置が定められる。
なお、第2リードフレーム210は、第2リード線接続部217にリード線46が組み付けられた後に、第3絶縁コンタクト部材282に組み付けられる。
第3絶縁コンタクト部材282は、第2リードフレーム210が組み付けられた後、素子配置領域285に第2検出素子の後端部分が配置されることで、第2リードフレーム210と第2検出素子の電極端子部とを電気的に接続するよう構成されている。
第3絶縁コンタクト部材282は、第2リードフレーム210が組み付けられた後、素子配置領域285に第2検出素子の後端部分が配置されることで、第2リードフレーム210と第2検出素子の電極端子部とを電気的に接続するよう構成されている。
このような第3絶縁コンタクト部材282を備えるセンサは、製造工程において、第2リードフレーム210を第3絶縁コンタクト部材282の内部に配置する作業(第2工程に相当する作業)の前段階において、リード線46を第2リードフレーム210の第2リード線接続部217に接続する作業(第1工程に相当する作業)を実施することができる。このことから、リード線46と第2リードフレーム210との接続作業(固着作業)において、第2リードフレーム210が第3絶縁コンタクト部材282の内部に隠れることはない。
このため、第3絶縁コンタクト部材282を備えるセンサの製造工程においては、第2リードフレーム210を容易に保持できるため、第2リードフレーム210とリード線46との接続作業(固着作業)を容易に実施できる。また、接続作業を行うための製造設備は、複雑な構造とする必要が無くなり、安価な単純構造の設備を利用できることから、センサの製造コストを低く抑えることができる。
第3絶縁コンタクト部材282を備えるセンサの製造方法においては、第2リードフレーム210とリード線46とを接続(固着)した後に、第2フレーム本体部212のうち折り曲げ部215と第2リード線接続部217との間の部分を、第3絶縁コンタクト部材282の第3スリット部293に挿通させることができる。これにより、第2リードフレーム210とリード線46との接続(固着)後であっても、第2リードフレーム210の第2素子当接部216を、外周連通部288を介して第3絶縁コンタクト部材282の第3素子収容部284に配置するにあたり、第3絶縁コンタクト部材282をリード線46に沿って移動させる必要がない。このため、第3絶縁コンタクト部材282を備えるセンサの製造方法においては、リード線46の被覆が第3絶縁コンタクト部材282によって削り取られることがない。
よって、第3絶縁コンタクト部材282を備えるセンサの製造方法によれば、高価な製造設備を用いることなくリード線46と第2リードフレーム210との接続作業(固着作業)が実施でき、また、リード線46と第2リードフレーム210との接続作業を容易に実施できることから、センサの製造工程における作業の煩雑さを軽減できる。
2…全領域空燃比センサ、4…検出素子、10…リードフレーム、12…フレーム本体部、14…連結部、16…素子当接部、17…リード線接続部、18…屈曲部、19…フレーム係止面、46…リード線、77…先端側コンタクト部材、79…後端側コンタクト部材、82…絶縁コンタクト部材、86…第1フレーム配置溝、88…第2フレーム配置溝、93…スリット部、94…配置領域仕切部、95…接続部配置領域、102…主体金具、179…第2後端側コンタクト部材、193…第2スリット部、210…第2リードフレーム、282…第3絶縁コンタクト部材、293…第3スリット部。
Claims (5)
- 軸線方向に延びる板状形状をなし、先端側が測定対象物に向けられ、後端側に電極端子部が形成される検出素子と、
前記検出素子の前記電極端子部に電気的に接続されて電流経路を形成する金属端子部材と、
絶縁性材料で形成され、前記電極端子部が形成される前記検出素子の後端側の径方向外側に配置される絶縁コンタクト部材と、
前記金属端子部材と外部との間の電流経路を形成するリード線と、
を備えるセンサの製造方法であって、
前記金属端子部材は、
軸線方向に延びる長尺形状のフレーム本体部と、
前記フレーム本体部の先端に連結され、径方向内側に方向変換して軸線方向に延びると共に、前記検出素子の前記電極端子部に当接する素子当接部と、
前記フレーム本体部の後端側に設けられて前記リード線に接続されるリード線接続部と、を備えており、
前記絶縁コンタクト部材は、
前記金属端子部材の前記素子当接部および前記検出素子の後端部分を収容する素子収容部と、
前記フレーム本体部の厚さ寸法よりも広く、前記フレーム本体部の幅寸法よりも狭いスリット幅寸法であり、前記素子収容部の後端部分に連通するとともに前記絶縁コンタクト部材の外周に連通するスリット部と、を備えており、
前記金属端子部材の前記リード線接続部と前記リード線とを接続する第1工程と、
前記リード線が接続された前記金属端子部材の前記フレーム本体部を前記絶縁コンタクト部材の前記スリット部に挿通し、前記リード線が接続された前記金属端子部材の前記素子当接部を前記絶縁コンタクト部材の前記素子収容部に配置する第2工程と、
を有することを特徴とするセンサの製造方法。 - 前記絶縁コンタクト部材は、
軸線方向における先端側に位置する先端側コンタクト部材と、軸線方向における後端側に位置する後端側コンタクト部材とに分割可能に構成されると共に、前記先端側コンタクト部材に前記素子収容部が形成され、前記後端側コンタクト部材に前記スリット部が形成される構成であり、
前記素子収容部は、前記先端側コンタクト部材の内部を軸線方向に貫通するよう形成されており、
前記第2工程において、
前記金属端子部材の前記フレーム本体部を前記後端側コンタクト部材の前記スリット部に挿通した後、前記先端側コンタクト部材と前記後端側コンタクト部材とを同軸状に組み付けるとともに、前記金属端子部材の前記素子当接部を前記先端側コンタクト部材の前記素子収容部に配置すること、
を特徴とする請求項1に記載のセンサの製造方法。 - 前記絶縁コンタクト部材は、前記金属端子部材の前記リード線接続部を配置するための複数の接続部配置領域を仕切る配置領域仕切部を備え、
前記第2工程において、
前記金属端子部材の前記フレーム本体部を前記絶縁コンタクト部材の前記スリット部に挿通すると共に、前記金属端子部材の前記リード線接続部を前記絶縁コンタクト部材の前記接続部配置領域に配置すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサの製造方法。 - 前記金属端子部材は、
前記フレーム本体部のうち前記スリット部に配置される部位よりも先端側に、前記フレーム本体部の長手方向に延びる軸線を回転中心軸として前記フレーム本体部をねじ曲げて形成される屈曲部を備え、
前記第2工程において、
前記屈曲部を前記絶縁コンタクト部材の前記スリット部よりも先端側に配置すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサの製造方法。 - 前記絶縁コンタクト部材は、
前記素子収容部に前記金属端子部材をそれぞれ絶縁して配置するための端子位置決め部を備え、
前記第2工程において、
前記金属端子部材を前記端子位置決め部に配置すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセンサの製造方法。
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