JP2004093304A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】リード線挿通穴の数が多く径細であるガスセンサを提供すること。
【解決手段】ハウジング10内に素子側絶縁碍子2を介して挿入したセンサ素子29と,該ハウジング10の基端側に配置した大気側カバー11と,外部から大気側カバー11内に引き込み,上記センサ素子29に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線40と,上記大気側カバー11の基端側に設けた弾性絶縁部材4とよりなる。上記リード線40を4本以上有し,上記弾性絶縁部材4は,上記4本以上のリード線40を1本づつ挿通する4つ以上のリード線挿通穴41,42を有し,ガスセンサ1の軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴41は,中心が上記弾性絶縁部材4の中心と略一致する。
【選択図】 図1
【解決手段】ハウジング10内に素子側絶縁碍子2を介して挿入したセンサ素子29と,該ハウジング10の基端側に配置した大気側カバー11と,外部から大気側カバー11内に引き込み,上記センサ素子29に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線40と,上記大気側カバー11の基端側に設けた弾性絶縁部材4とよりなる。上記リード線40を4本以上有し,上記弾性絶縁部材4は,上記4本以上のリード線40を1本づつ挿通する4つ以上のリード線挿通穴41,42を有し,ガスセンサ1の軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴41は,中心が上記弾性絶縁部材4の中心と略一致する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,自動車エンジンの燃焼制御等に用いるガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
自動車エンジンの空燃比制御を行うために,ガスセンサを自動車エンジンの排気系を構成する排気管等に設置することがある。
上記ガスセンサ9は,図5に示すごとく,筒状のハウジング91に絶縁碍子92を介して挿通するセンサ素子920と,該ハウジング91の基端側(図面上側)に配置する大気側カバー911と,外部から大気側カバー911内に引き込み,上記センサ素子920に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線923と,上記大気側カバー911の基端側に設けた弾性絶縁部材93とよりなる。
そして,上記弾性絶縁部材93は,上記リード線923を1本づつ挿通するリード線挿通穴930を有する。
【0003】
このガスセンサ9は,リード線挿通穴930にリード線923を挿通した後に大気側カバー911を径方向に外方から内方へかしめて径を縮小することで,リード線923をリード線挿通穴930に密着固定すると共に弾性絶縁部材93を大気側カバー911内に固定する。
【0004】
なお,大気側カバー911は,ハウジング91の基端側に配置した第1カバー913と,該第1カバー913の基端側に撥水フィルタ915を介して配置した外側カバー914とよりなる。
上記かしめの場所は撥水フィルタ915のある位置よりも基端側で,外側カバー914と第1カバー913とが直接当接する場所である。
このガスセンサ9において,リード線挿通穴930は,図6に示すごとく,正方形の頂点に各リード線挿通穴930の中心が位置するように配置する。
【0005】
【解決しようとする課題】
ところで,近年,ヒータを内蔵すると共にアースを取出すタイプのセンサ素子,複数の電気化学的セルを備えるタイプのセンサ素子といった,リード線を多数必要とする形式のセンサ素子が増えている。
【0006】
リード線挿通穴が増えた状態で,リード線挿通穴間やリード線挿通穴と弾性絶縁部材の外周面との距離を従来通り確保する場合,弾性絶縁部材を径大とする必要がある。しかし,弾性絶縁部材を径大とすることはガスセンサを径大とすることでもある。
ガスセンサを自動車エンジンの燃焼制御に利用する場合,排気管という非常に狭い,限られたスペースがガスセンサの設置場所となるため,径大のガスセンサは好ましくない。
また,近年は複数のガスセンサを排気管に取り付けるようなシステムもあり,取付時の作業効率の観点からも細いガスセンサが好ましい。
【0007】
もちろんリード線挿通穴間やリード線挿通穴と弾性絶縁部材との外周面との距離を従来より縮小し,全体として薄肉構成の弾性絶縁部材を採用すれば,細径のガスセンサを得ることはできる。
しかしながら,薄肉の弾性絶縁部材にリード線を挿入し,大気側カバーを通じて弾性絶縁部材をかしめた場合,該かしめによって弾性絶縁部材に生じる圧縮応力が,該弾性絶縁部材の薄肉な部分(例えばリード線挿通穴と弾性絶縁部材の外周面との間等)のように変形容易な部分に集中する。
【0008】
よって薄肉部に大きな圧縮応力が働き,この状態(特に圧縮応力による変形の大きな部分)で弾性絶縁部材が高温雰囲気に晒された場合,圧縮永久歪みが大きくなる。その結果,リード線挿通穴とリード線との間のシール性が低下する。
リード線挿通穴とリード線との間のシール性が低下した場合,ガスセンサが被水した際にリード線挿通穴とリード線との隙間から水が大気側カバーの内部に浸入するおそれがある。そして,検出出力の低下,センサ素子における被水割れ等によって,ガスセンサの性能低下や故障を招くおそれがある。
また,薄肉となることで,弾性絶縁部材の強度低下,弾性力低下を招くおそれもある。この点から鑑みて,むやみに径細の弾性絶縁部材をガスセンサに採用することは難しい。
【0009】
本発明は,かかる問題点に鑑み,リード線挿通穴の数が多く径細であるガスセンサを提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】
本発明は,ハウジング内に素子側絶縁碍子を介して挿入したセンサ素子と,該ハウジングの基端側に配置した大気側カバーと,外部から大気側カバー内に引き込み,上記センサ素子に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線と,上記大気側カバーの基端側に設けた弾性絶縁部材とよりなるガスセンサにおいて,
上記リード線を4本以上有し,
上記弾性絶縁部材は,上記4本以上のリード線を1本づつ挿通する4つ以上のリード線挿通穴を有し,
ガスセンサ軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴の1つは,中心が上記弾性絶縁部材の中心と略一致する位置にあることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0011】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明にかかるガスセンサは,ガスセンサ軸方向と垂直な面において,1つのリード線挿通穴の中心が弾性絶縁部材の中心と略一致する。
すなわち4つ以上のリード線を持つガスセンサにおいて,リード線挿通穴の1つを弾性絶縁部材の中央に配置する。
【0012】
ここに,4つのリード線挿通穴の配置法を考察すると,1つのリード線挿通穴を中央に,他をその他の場所に配置する方法(後述する図3(d)),4つのリード線挿通穴を等間隔に配置する方法(図6)が考えられる。
この場合,前者の,本発明にかかる配置法が,従来の後者の配置法よりも弾性絶縁部材の断面における占有面積を小さくすることができる。
よって,弾性絶縁部材の軸方向と垂直な面の面積を小さくすることができ,より径細なガスセンサを得ることができる。
以上,本発明によれば,リード線挿通穴の数が多く径細であるガスセンサを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるガスセンサにおいて,弾性絶縁部材に設けたリード線挿通穴は1つの穴に対し1本のリード線を挿通する。
また,リード線とリード線挿通穴との間のシール性を高めるために,リード線の径をリード線挿通穴の径よりもやや大きくして,リード線の挿通は,圧力をかけリード線挿通穴を変形させながら行うよう構成することが好ましい。圧力がなくなればリード線挿通穴の変形がなくなり両者の間が当接して隙間がなくなる。
【0014】
また,上記弾性絶縁部材は耐熱性のゴム部材等から構成する。特に自動車エンジンの排気系となる排気管に設置する場合は高温環境に曝される。よって高温でへたったり,劣化しない材料で構成する必要がある。例えば,フッ素ゴム,シリコンゴム,アクリルゴムなどより構成することが好ましい。
【0015】
また,弾性絶縁部材の中心とは,ガスセンサ軸方向に垂直な面に含まれる弾性絶縁部材の断面形状の中心である。弾性絶縁部材の断面形状が円以外であれば重心を上記中心とみなす。またリード線挿通穴の中心についても同様に考える。
また,弾性絶縁部材の中心とリード線挿通穴の中心とが一致することが本発明においてもっとも好ましいが,そのズレ量がリード線挿通穴の径の大きさの20%以内であれば本発明の効果を得ることができる。
【0016】
次に,上記大気側カバーは径方向内方にかしめてあり,該かしめにより上記弾性絶縁部材の外径はかしめ前と比較して10〜20%縮小した状態であることが好ましい(請求項2)。
これによりリード線とリード線挿通穴との間を充分にシール固定することができ,この部分から水等がガスセンサ内部に入り込むことを防止して,防水性に優れた構成を得ることができる。
【0017】
上記弾性絶縁部材の変形が10%未満である場合には,該弾性絶縁部材に加わる圧縮応力が不足し,リード線挿通穴とリード線との間のシール固定が不充分となるおそれがある。一方,上記変形が20%よりも大きい場合には,弾性絶縁部材に加わる圧縮応力が過剰となり,弾性絶縁部材に割れ等が生じるおそれがある。
【0018】
また,本発明にかかるガスセンサにおいて,4つ以上のリード線挿通穴の中の1つは上述したごとく弾性絶縁部材の中心に位置する。
残りのリード線挿通穴はその中心が弾性絶縁部材の中心と一致する円の円周上に,等しい間隔で並ぶように位置することが好ましい(図2,図3参照)。
これにより,リード線挿通穴間の距離,リード線挿通穴と最外周面との距離が均一となり,弾性絶縁部材の肉厚の偏りが少なくなり,かしめの際の応力集中等を避けることができる。
【0019】
また,上記弾性絶縁部材は,ガスセンサ軸方向に垂直な面において最も近接するリード線挿通穴間の最小肉厚及び上記弾性絶縁部材の最外周面に最も近接するリード線挿通穴と上記最外周面との間の最小肉厚がいずれも1mm以上であることが好ましい(請求項3)。
これにより,肉厚が充分ある弾性絶縁部材が得られるため,圧縮応力が働いた状態であっても,歪みが生じがたく,リード線挿通穴とリード線との間のシール性を充分維持できる。
【0020】
上記最小肉厚が1mm未満である場合には,大きな圧縮応力が働く部分で大きな圧縮永久歪が発生し,リード線挿通穴とリード線との間のシール性が悪化し,防水性が悪化するおそれがある。
また,上記最小肉厚の好ましい上限は3.0mmである。この上限より最小肉厚が厚くなった場合でも優れた防水性を得ることができる。しかし,肉厚が厚い分,弾性絶縁部材が径大となり,ガスセンサも径大となるおそれがある。さらに,材料コストがより高価となるおそれがある。
【0021】
また,上記リード線挿通穴は径方向に突出したリブ部を有し,かつ上記大気側カバーのかしめは,上記リブ部の位置において,上記弾性絶縁部材の外側より行なうことが好ましい(請求項4)(図4参照)。
これにより,上記リード線挿通穴にリード線を挿通した後のかしめにより,リブ部が容易に変形し,リード線とリード線挿通穴との間を安定かつ確実にシールすることができる。
【0022】
また,上記弾性絶縁部材はリブ部を設けた部分でかしめることが好ましい。
仮にリード線の径がより小さく,リード線挿通穴の径がより大きく,リード線のリード線挿通穴への圧入操作のみでリブ部の変形が発生しない場合でも,リブ部を変形させることができる。従って,リード線とリード線挿通穴との間を安定かつ確実にシールすることができる。
【0023】
なお,上記リブ部は,リード線挿通穴の内壁に設けた単数または複数の突出部分より構成することができる。また,上記突出部分は,例えば,弧状突部,三角状突部等の各種の形状とすることができる。
【0024】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例は,図1,図2に示すごとく,ハウジング10内に素子側絶縁碍子2を介して挿入したセンサ素子29と,該ハウジング10の基端側に配置した大気側カバー11と,外部から大気側カバー11内に引き込み,上記センサ素子29に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線40と,上記大気側カバー11の基端側に設けた弾性絶縁部材4とよりなるガスセンサ1である。
【0025】
そして,図2に示すごとく,本例のガスセンサ1はリード線40を8本有し,上記弾性絶縁部材4は,8本のリード線40を1本づつ挿通する8つのリード線挿通穴41,42を有し,ガスセンサ軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴41は,中心が上記弾性絶縁部材4の中心と一致する位置にある。
【0026】
以下,詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ1は,自動車エンジンの排気管に設置し,排気ガス中の酸素濃度とNOx濃度,エンジン燃焼室の空燃比を測定する。
上記ガスセンサ1が内蔵するセンサ素子29は,固体電解質板と絶縁板とを適宜積層構成した積層型板状素子で,素子内部に設けた被測定ガス室内の酸素濃度を測定,監視するモニタセルと,被測定ガス室内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと,被測定ガス室内のNOx濃度を測定するセンサセルを有し,さらに通電により発熱するヒータが一体的に設けてある。
上記ヒータに対する電圧印加,各セルに対する電圧印加,出力取り出しはセンサ素子の外側面に設けた電極端子において行う(図示略)。
【0027】
そのため,本例にかかるガスセンサ1は,3つのセル及びヒータに電力を供給したり,出力を取り出したりするために,合計で8本のリード線40が必要である。
ただし,図1はガスセンサ1の軸方向に沿って切断した断面図であるため,見えない位置にあるリード線の記載は省略した。
【0028】
図1に示すごとく,本例のガスセンサ1は,耐熱金属製のハウジング10と該ハウジング10の先端側に取り付けた二重構造の被測定ガス側カバー109と,基端側に取り付けた大気側カバー11とよりなる。大気側カバー11はハウジング10にかしめ固定する第1カバー111と該第1カバー111の基端側に撥水フィルタ113を介してかしめ固定した外側カバー112とよりなる。
【0029】
また,ハウジング10に素子側絶縁碍子2を挿通するが,素子側絶縁碍子2は基端側がより径大,先端側がより径細に構成され,径大部と径細部との間にテーパー部を設ける。そして,上記ハウジング10の内側面は径方向内側に突出する受け面を有し,ハウジング10に素子側絶縁碍子2を挿通することで,上記テーパー部は上記受部と当接する。すなわち,上記受部が素子側絶縁碍子2を図面下方から支承する。
【0030】
また,素子側絶縁碍子2の先端側端面に皿バネ21を載置し,該皿バネ21の上から押圧部材22を被冠する。押圧部材22は皿バネ21を押さえて縮ませる押さえ板221と該押さえ板221からハウジング10の側面に沿って伸びる脚部222とよりなり,ハウジング10の基端側側端面と上記脚部222との間を固定することで,素子側絶縁碍子2を図面上側から固定する。
【0031】
また,素子側絶縁碍子2の上方で大気側カバー11の内部に大気側絶縁碍子3を設ける。大気側絶縁碍子3の内部に,上記センサ素子29の電極端子と導通する電極端子バネ(図示略)を配置する。電極端子バネは接続部材409を通じて上記リード線40と電気的に導通する。
【0032】
上記弾性絶縁部材4は上記大気側カバー11を構成する第1カバー112の基端側に配置する。上記弾性絶縁部材11はリード線挿通穴41,42を有し,1本のリード線は1つのリード線挿通穴に挿通する。上記リード線挿通穴41,42は,上記弾性絶縁部材4の基端側から先端側までを貫通する貫通穴よりなる。
【0033】
図2に示すごとく,1つのリード線挿通穴41は中心が上記弾性絶縁部材4の中心と一致する。両者の中心は図2にOと記載した点である。
他の7つのリード線挿通穴42は,中心R1が円Rの周上に等間隔に並ぶ位置にある。上記円Rの中心は弾性絶縁部材4の中心と一致し,上記点Oである。
【0034】
上記弾性絶縁部材4の各部の肉厚について説明する。
リード線挿通穴42と最外周面408との間の最小肉厚は,図2に示すごとくt1である。リード線挿通穴42,42同士の最小肉厚は隣接する穴同士の距離t2,または中央の穴41と他の穴42との距離t3のいずれかである。
本例にかかるガスセンサ1では,t1=1.3mm,t2=1.8mm,t3=2.35mmであり,最小肉厚は1mm以上である。
【0035】
また,上記大気側カバー11は径方向内方にかしめてある。このかしめにより上記弾性絶縁部材4の外径はかしめ前と比較して10〜20%縮小した状態にある。ここに,弾性絶縁部材4のもともとの外径は12.8mm,かしめた状態で10.8mmとなっている。また,かしめた場所は図1に記載した符号49である。
【0036】
本例の作用効果について説明する。
本例では,ガスセンサ1の軸方向と垂直な面においてリード線挿通穴41の中心が弾性絶縁部材4の中心と一致する(図2にかかる点O)。すなわち,リード線挿通穴41は弾性絶縁部材4の中央にある。
従って,本例は弾性絶縁部材4の軸方向と垂直な面の面積を小さくすることができ,より径細なガスセンサ1を得ることができる。
以上,本例によれば,より径細のガスセンサ1を提供することができる。
【0037】
(実施例2)
本例は4,5,6,7つのリード線挿通穴を持つ弾性絶縁部材と最小肉厚とについて説明する。
図3(a)に示す弾性絶縁部材4は7つのリード線挿通穴を,図3(b)に示す弾性絶縁部材4は6つのリード線挿通穴を,図3(c)に示す弾性絶縁部材4は5つのリード線挿通穴を,図3(d)に示す弾性絶縁部材4は4つのリード線挿通穴を備えている。各リード線挿通穴におけるt1,t2,t3は各図面に図示した(t1〜t3については実施例1参照)。
その他の構成は実施例1と同様であり,本例にかかる数のリード線挿通穴を弾性絶縁部材に設ける構成であっても,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0038】
(実施例3)
本例は,リード線挿通穴41にリブ部411を設けた弾性絶縁部材4である。
図4に示すごとく,弾性絶縁部材4のリード線挿通穴41に,半径方向に突出したリブ部411が設けてある。なお,図示は略したが実施例1で示したリード線挿通穴42についても同様にリブ411を設けることができる。
【0039】
上記リブ部411は,図4(a)に示すごとく,リード線挿通穴41の内壁に弧状に突出形成されると共に,一連につながったリング状,かつ弾性絶縁部材4の軸方向に沿って2段形成されている。
また,図4(c)に示すごとく,リード線挿通穴41の内壁に三角形状に三段に突出形成されるリブ部411を設けることができる。
【0040】
そして,上記弾性絶縁部材4を組付けたガスセンサにおいて,大気側カバーを介した弾性絶縁部材4のかしめはリブ部411を設けた部分で行う。かしめた状態は図4(b),図4(d)に記載した。
その他の詳細構成は実施例1と同様である。
【0041】
本例にかかる弾性絶縁部材4を組付けたガスセンサは,リード線挿通穴41(図示はしないがリード線挿通穴42にもある)にリード線40を挿通し,大気側カバーを介して弾性絶縁部材4をかしめることで,リブ部411が容易に変形し,リード線40とリード線挿通穴41との間を安定かつ確実にシールすることができる(図4(b),(d)参照)。よって,本例にかかる弾性絶縁部材4を組付けたガスセンサは優れた防水性を有する。
【0042】
更に,上記弾性絶縁部材4はリブ部411を設けた部分でかしめているため,仮にリード線40の径とリード線挿通穴41の径との間に差があり,単なるリード線40の圧入という操作のみでリブ部411が変形しない場合でも,リブ部411の変形が発生する。従って,リード線40とリード線挿通穴41との間を安定かつ確実にシールすることができる。
【0043】
よって,リード線40及びリード線挿通穴41の寸法精度への気遣いが不要となり,更に寸法設定上も,リード線40とリード線挿通穴41との間にある程度のゆとりを持たせることができるため,組付けを容易に行なうことができる。
その他は実施例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサの断面説明図。
【図2】実施例1における,弾性絶縁部材におけるリード線挿通穴の配置状態を示す説明図。
【図3】実施例2における,4〜7つのリード線挿通穴を持つ弾性絶縁部材の説明図。
【図4】実施例3における,リブ部を備えたリード線挿通穴を持つ弾性絶縁部材の説明図。
【図5】従来における,ガスセンサの断面説明図。
【図6】従来における,弾性絶縁部材におけるリード線挿通穴の配置状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ,
10...ハウジング,
11...大気側カバー,
2...素子側絶縁碍子,
29...センサ素子,
4...弾性絶縁部材,
40...リード線,
41,42...リード線挿通穴,
411...リブ部,
【技術分野】
本発明は,自動車エンジンの燃焼制御等に用いるガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
自動車エンジンの空燃比制御を行うために,ガスセンサを自動車エンジンの排気系を構成する排気管等に設置することがある。
上記ガスセンサ9は,図5に示すごとく,筒状のハウジング91に絶縁碍子92を介して挿通するセンサ素子920と,該ハウジング91の基端側(図面上側)に配置する大気側カバー911と,外部から大気側カバー911内に引き込み,上記センサ素子920に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線923と,上記大気側カバー911の基端側に設けた弾性絶縁部材93とよりなる。
そして,上記弾性絶縁部材93は,上記リード線923を1本づつ挿通するリード線挿通穴930を有する。
【0003】
このガスセンサ9は,リード線挿通穴930にリード線923を挿通した後に大気側カバー911を径方向に外方から内方へかしめて径を縮小することで,リード線923をリード線挿通穴930に密着固定すると共に弾性絶縁部材93を大気側カバー911内に固定する。
【0004】
なお,大気側カバー911は,ハウジング91の基端側に配置した第1カバー913と,該第1カバー913の基端側に撥水フィルタ915を介して配置した外側カバー914とよりなる。
上記かしめの場所は撥水フィルタ915のある位置よりも基端側で,外側カバー914と第1カバー913とが直接当接する場所である。
このガスセンサ9において,リード線挿通穴930は,図6に示すごとく,正方形の頂点に各リード線挿通穴930の中心が位置するように配置する。
【0005】
【解決しようとする課題】
ところで,近年,ヒータを内蔵すると共にアースを取出すタイプのセンサ素子,複数の電気化学的セルを備えるタイプのセンサ素子といった,リード線を多数必要とする形式のセンサ素子が増えている。
【0006】
リード線挿通穴が増えた状態で,リード線挿通穴間やリード線挿通穴と弾性絶縁部材の外周面との距離を従来通り確保する場合,弾性絶縁部材を径大とする必要がある。しかし,弾性絶縁部材を径大とすることはガスセンサを径大とすることでもある。
ガスセンサを自動車エンジンの燃焼制御に利用する場合,排気管という非常に狭い,限られたスペースがガスセンサの設置場所となるため,径大のガスセンサは好ましくない。
また,近年は複数のガスセンサを排気管に取り付けるようなシステムもあり,取付時の作業効率の観点からも細いガスセンサが好ましい。
【0007】
もちろんリード線挿通穴間やリード線挿通穴と弾性絶縁部材との外周面との距離を従来より縮小し,全体として薄肉構成の弾性絶縁部材を採用すれば,細径のガスセンサを得ることはできる。
しかしながら,薄肉の弾性絶縁部材にリード線を挿入し,大気側カバーを通じて弾性絶縁部材をかしめた場合,該かしめによって弾性絶縁部材に生じる圧縮応力が,該弾性絶縁部材の薄肉な部分(例えばリード線挿通穴と弾性絶縁部材の外周面との間等)のように変形容易な部分に集中する。
【0008】
よって薄肉部に大きな圧縮応力が働き,この状態(特に圧縮応力による変形の大きな部分)で弾性絶縁部材が高温雰囲気に晒された場合,圧縮永久歪みが大きくなる。その結果,リード線挿通穴とリード線との間のシール性が低下する。
リード線挿通穴とリード線との間のシール性が低下した場合,ガスセンサが被水した際にリード線挿通穴とリード線との隙間から水が大気側カバーの内部に浸入するおそれがある。そして,検出出力の低下,センサ素子における被水割れ等によって,ガスセンサの性能低下や故障を招くおそれがある。
また,薄肉となることで,弾性絶縁部材の強度低下,弾性力低下を招くおそれもある。この点から鑑みて,むやみに径細の弾性絶縁部材をガスセンサに採用することは難しい。
【0009】
本発明は,かかる問題点に鑑み,リード線挿通穴の数が多く径細であるガスセンサを提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】
本発明は,ハウジング内に素子側絶縁碍子を介して挿入したセンサ素子と,該ハウジングの基端側に配置した大気側カバーと,外部から大気側カバー内に引き込み,上記センサ素子に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線と,上記大気側カバーの基端側に設けた弾性絶縁部材とよりなるガスセンサにおいて,
上記リード線を4本以上有し,
上記弾性絶縁部材は,上記4本以上のリード線を1本づつ挿通する4つ以上のリード線挿通穴を有し,
ガスセンサ軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴の1つは,中心が上記弾性絶縁部材の中心と略一致する位置にあることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0011】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明にかかるガスセンサは,ガスセンサ軸方向と垂直な面において,1つのリード線挿通穴の中心が弾性絶縁部材の中心と略一致する。
すなわち4つ以上のリード線を持つガスセンサにおいて,リード線挿通穴の1つを弾性絶縁部材の中央に配置する。
【0012】
ここに,4つのリード線挿通穴の配置法を考察すると,1つのリード線挿通穴を中央に,他をその他の場所に配置する方法(後述する図3(d)),4つのリード線挿通穴を等間隔に配置する方法(図6)が考えられる。
この場合,前者の,本発明にかかる配置法が,従来の後者の配置法よりも弾性絶縁部材の断面における占有面積を小さくすることができる。
よって,弾性絶縁部材の軸方向と垂直な面の面積を小さくすることができ,より径細なガスセンサを得ることができる。
以上,本発明によれば,リード線挿通穴の数が多く径細であるガスセンサを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるガスセンサにおいて,弾性絶縁部材に設けたリード線挿通穴は1つの穴に対し1本のリード線を挿通する。
また,リード線とリード線挿通穴との間のシール性を高めるために,リード線の径をリード線挿通穴の径よりもやや大きくして,リード線の挿通は,圧力をかけリード線挿通穴を変形させながら行うよう構成することが好ましい。圧力がなくなればリード線挿通穴の変形がなくなり両者の間が当接して隙間がなくなる。
【0014】
また,上記弾性絶縁部材は耐熱性のゴム部材等から構成する。特に自動車エンジンの排気系となる排気管に設置する場合は高温環境に曝される。よって高温でへたったり,劣化しない材料で構成する必要がある。例えば,フッ素ゴム,シリコンゴム,アクリルゴムなどより構成することが好ましい。
【0015】
また,弾性絶縁部材の中心とは,ガスセンサ軸方向に垂直な面に含まれる弾性絶縁部材の断面形状の中心である。弾性絶縁部材の断面形状が円以外であれば重心を上記中心とみなす。またリード線挿通穴の中心についても同様に考える。
また,弾性絶縁部材の中心とリード線挿通穴の中心とが一致することが本発明においてもっとも好ましいが,そのズレ量がリード線挿通穴の径の大きさの20%以内であれば本発明の効果を得ることができる。
【0016】
次に,上記大気側カバーは径方向内方にかしめてあり,該かしめにより上記弾性絶縁部材の外径はかしめ前と比較して10〜20%縮小した状態であることが好ましい(請求項2)。
これによりリード線とリード線挿通穴との間を充分にシール固定することができ,この部分から水等がガスセンサ内部に入り込むことを防止して,防水性に優れた構成を得ることができる。
【0017】
上記弾性絶縁部材の変形が10%未満である場合には,該弾性絶縁部材に加わる圧縮応力が不足し,リード線挿通穴とリード線との間のシール固定が不充分となるおそれがある。一方,上記変形が20%よりも大きい場合には,弾性絶縁部材に加わる圧縮応力が過剰となり,弾性絶縁部材に割れ等が生じるおそれがある。
【0018】
また,本発明にかかるガスセンサにおいて,4つ以上のリード線挿通穴の中の1つは上述したごとく弾性絶縁部材の中心に位置する。
残りのリード線挿通穴はその中心が弾性絶縁部材の中心と一致する円の円周上に,等しい間隔で並ぶように位置することが好ましい(図2,図3参照)。
これにより,リード線挿通穴間の距離,リード線挿通穴と最外周面との距離が均一となり,弾性絶縁部材の肉厚の偏りが少なくなり,かしめの際の応力集中等を避けることができる。
【0019】
また,上記弾性絶縁部材は,ガスセンサ軸方向に垂直な面において最も近接するリード線挿通穴間の最小肉厚及び上記弾性絶縁部材の最外周面に最も近接するリード線挿通穴と上記最外周面との間の最小肉厚がいずれも1mm以上であることが好ましい(請求項3)。
これにより,肉厚が充分ある弾性絶縁部材が得られるため,圧縮応力が働いた状態であっても,歪みが生じがたく,リード線挿通穴とリード線との間のシール性を充分維持できる。
【0020】
上記最小肉厚が1mm未満である場合には,大きな圧縮応力が働く部分で大きな圧縮永久歪が発生し,リード線挿通穴とリード線との間のシール性が悪化し,防水性が悪化するおそれがある。
また,上記最小肉厚の好ましい上限は3.0mmである。この上限より最小肉厚が厚くなった場合でも優れた防水性を得ることができる。しかし,肉厚が厚い分,弾性絶縁部材が径大となり,ガスセンサも径大となるおそれがある。さらに,材料コストがより高価となるおそれがある。
【0021】
また,上記リード線挿通穴は径方向に突出したリブ部を有し,かつ上記大気側カバーのかしめは,上記リブ部の位置において,上記弾性絶縁部材の外側より行なうことが好ましい(請求項4)(図4参照)。
これにより,上記リード線挿通穴にリード線を挿通した後のかしめにより,リブ部が容易に変形し,リード線とリード線挿通穴との間を安定かつ確実にシールすることができる。
【0022】
また,上記弾性絶縁部材はリブ部を設けた部分でかしめることが好ましい。
仮にリード線の径がより小さく,リード線挿通穴の径がより大きく,リード線のリード線挿通穴への圧入操作のみでリブ部の変形が発生しない場合でも,リブ部を変形させることができる。従って,リード線とリード線挿通穴との間を安定かつ確実にシールすることができる。
【0023】
なお,上記リブ部は,リード線挿通穴の内壁に設けた単数または複数の突出部分より構成することができる。また,上記突出部分は,例えば,弧状突部,三角状突部等の各種の形状とすることができる。
【0024】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例は,図1,図2に示すごとく,ハウジング10内に素子側絶縁碍子2を介して挿入したセンサ素子29と,該ハウジング10の基端側に配置した大気側カバー11と,外部から大気側カバー11内に引き込み,上記センサ素子29に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線40と,上記大気側カバー11の基端側に設けた弾性絶縁部材4とよりなるガスセンサ1である。
【0025】
そして,図2に示すごとく,本例のガスセンサ1はリード線40を8本有し,上記弾性絶縁部材4は,8本のリード線40を1本づつ挿通する8つのリード線挿通穴41,42を有し,ガスセンサ軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴41は,中心が上記弾性絶縁部材4の中心と一致する位置にある。
【0026】
以下,詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ1は,自動車エンジンの排気管に設置し,排気ガス中の酸素濃度とNOx濃度,エンジン燃焼室の空燃比を測定する。
上記ガスセンサ1が内蔵するセンサ素子29は,固体電解質板と絶縁板とを適宜積層構成した積層型板状素子で,素子内部に設けた被測定ガス室内の酸素濃度を測定,監視するモニタセルと,被測定ガス室内の酸素濃度を調整する酸素ポンプセルと,被測定ガス室内のNOx濃度を測定するセンサセルを有し,さらに通電により発熱するヒータが一体的に設けてある。
上記ヒータに対する電圧印加,各セルに対する電圧印加,出力取り出しはセンサ素子の外側面に設けた電極端子において行う(図示略)。
【0027】
そのため,本例にかかるガスセンサ1は,3つのセル及びヒータに電力を供給したり,出力を取り出したりするために,合計で8本のリード線40が必要である。
ただし,図1はガスセンサ1の軸方向に沿って切断した断面図であるため,見えない位置にあるリード線の記載は省略した。
【0028】
図1に示すごとく,本例のガスセンサ1は,耐熱金属製のハウジング10と該ハウジング10の先端側に取り付けた二重構造の被測定ガス側カバー109と,基端側に取り付けた大気側カバー11とよりなる。大気側カバー11はハウジング10にかしめ固定する第1カバー111と該第1カバー111の基端側に撥水フィルタ113を介してかしめ固定した外側カバー112とよりなる。
【0029】
また,ハウジング10に素子側絶縁碍子2を挿通するが,素子側絶縁碍子2は基端側がより径大,先端側がより径細に構成され,径大部と径細部との間にテーパー部を設ける。そして,上記ハウジング10の内側面は径方向内側に突出する受け面を有し,ハウジング10に素子側絶縁碍子2を挿通することで,上記テーパー部は上記受部と当接する。すなわち,上記受部が素子側絶縁碍子2を図面下方から支承する。
【0030】
また,素子側絶縁碍子2の先端側端面に皿バネ21を載置し,該皿バネ21の上から押圧部材22を被冠する。押圧部材22は皿バネ21を押さえて縮ませる押さえ板221と該押さえ板221からハウジング10の側面に沿って伸びる脚部222とよりなり,ハウジング10の基端側側端面と上記脚部222との間を固定することで,素子側絶縁碍子2を図面上側から固定する。
【0031】
また,素子側絶縁碍子2の上方で大気側カバー11の内部に大気側絶縁碍子3を設ける。大気側絶縁碍子3の内部に,上記センサ素子29の電極端子と導通する電極端子バネ(図示略)を配置する。電極端子バネは接続部材409を通じて上記リード線40と電気的に導通する。
【0032】
上記弾性絶縁部材4は上記大気側カバー11を構成する第1カバー112の基端側に配置する。上記弾性絶縁部材11はリード線挿通穴41,42を有し,1本のリード線は1つのリード線挿通穴に挿通する。上記リード線挿通穴41,42は,上記弾性絶縁部材4の基端側から先端側までを貫通する貫通穴よりなる。
【0033】
図2に示すごとく,1つのリード線挿通穴41は中心が上記弾性絶縁部材4の中心と一致する。両者の中心は図2にOと記載した点である。
他の7つのリード線挿通穴42は,中心R1が円Rの周上に等間隔に並ぶ位置にある。上記円Rの中心は弾性絶縁部材4の中心と一致し,上記点Oである。
【0034】
上記弾性絶縁部材4の各部の肉厚について説明する。
リード線挿通穴42と最外周面408との間の最小肉厚は,図2に示すごとくt1である。リード線挿通穴42,42同士の最小肉厚は隣接する穴同士の距離t2,または中央の穴41と他の穴42との距離t3のいずれかである。
本例にかかるガスセンサ1では,t1=1.3mm,t2=1.8mm,t3=2.35mmであり,最小肉厚は1mm以上である。
【0035】
また,上記大気側カバー11は径方向内方にかしめてある。このかしめにより上記弾性絶縁部材4の外径はかしめ前と比較して10〜20%縮小した状態にある。ここに,弾性絶縁部材4のもともとの外径は12.8mm,かしめた状態で10.8mmとなっている。また,かしめた場所は図1に記載した符号49である。
【0036】
本例の作用効果について説明する。
本例では,ガスセンサ1の軸方向と垂直な面においてリード線挿通穴41の中心が弾性絶縁部材4の中心と一致する(図2にかかる点O)。すなわち,リード線挿通穴41は弾性絶縁部材4の中央にある。
従って,本例は弾性絶縁部材4の軸方向と垂直な面の面積を小さくすることができ,より径細なガスセンサ1を得ることができる。
以上,本例によれば,より径細のガスセンサ1を提供することができる。
【0037】
(実施例2)
本例は4,5,6,7つのリード線挿通穴を持つ弾性絶縁部材と最小肉厚とについて説明する。
図3(a)に示す弾性絶縁部材4は7つのリード線挿通穴を,図3(b)に示す弾性絶縁部材4は6つのリード線挿通穴を,図3(c)に示す弾性絶縁部材4は5つのリード線挿通穴を,図3(d)に示す弾性絶縁部材4は4つのリード線挿通穴を備えている。各リード線挿通穴におけるt1,t2,t3は各図面に図示した(t1〜t3については実施例1参照)。
その他の構成は実施例1と同様であり,本例にかかる数のリード線挿通穴を弾性絶縁部材に設ける構成であっても,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0038】
(実施例3)
本例は,リード線挿通穴41にリブ部411を設けた弾性絶縁部材4である。
図4に示すごとく,弾性絶縁部材4のリード線挿通穴41に,半径方向に突出したリブ部411が設けてある。なお,図示は略したが実施例1で示したリード線挿通穴42についても同様にリブ411を設けることができる。
【0039】
上記リブ部411は,図4(a)に示すごとく,リード線挿通穴41の内壁に弧状に突出形成されると共に,一連につながったリング状,かつ弾性絶縁部材4の軸方向に沿って2段形成されている。
また,図4(c)に示すごとく,リード線挿通穴41の内壁に三角形状に三段に突出形成されるリブ部411を設けることができる。
【0040】
そして,上記弾性絶縁部材4を組付けたガスセンサにおいて,大気側カバーを介した弾性絶縁部材4のかしめはリブ部411を設けた部分で行う。かしめた状態は図4(b),図4(d)に記載した。
その他の詳細構成は実施例1と同様である。
【0041】
本例にかかる弾性絶縁部材4を組付けたガスセンサは,リード線挿通穴41(図示はしないがリード線挿通穴42にもある)にリード線40を挿通し,大気側カバーを介して弾性絶縁部材4をかしめることで,リブ部411が容易に変形し,リード線40とリード線挿通穴41との間を安定かつ確実にシールすることができる(図4(b),(d)参照)。よって,本例にかかる弾性絶縁部材4を組付けたガスセンサは優れた防水性を有する。
【0042】
更に,上記弾性絶縁部材4はリブ部411を設けた部分でかしめているため,仮にリード線40の径とリード線挿通穴41の径との間に差があり,単なるリード線40の圧入という操作のみでリブ部411が変形しない場合でも,リブ部411の変形が発生する。従って,リード線40とリード線挿通穴41との間を安定かつ確実にシールすることができる。
【0043】
よって,リード線40及びリード線挿通穴41の寸法精度への気遣いが不要となり,更に寸法設定上も,リード線40とリード線挿通穴41との間にある程度のゆとりを持たせることができるため,組付けを容易に行なうことができる。
その他は実施例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサの断面説明図。
【図2】実施例1における,弾性絶縁部材におけるリード線挿通穴の配置状態を示す説明図。
【図3】実施例2における,4〜7つのリード線挿通穴を持つ弾性絶縁部材の説明図。
【図4】実施例3における,リブ部を備えたリード線挿通穴を持つ弾性絶縁部材の説明図。
【図5】従来における,ガスセンサの断面説明図。
【図6】従来における,弾性絶縁部材におけるリード線挿通穴の配置状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ,
10...ハウジング,
11...大気側カバー,
2...素子側絶縁碍子,
29...センサ素子,
4...弾性絶縁部材,
40...リード線,
41,42...リード線挿通穴,
411...リブ部,
Claims (4)
- ハウジング内に素子側絶縁碍子を介して挿入したセンサ素子と,該ハウジングの基端側に配置した大気側カバーと,外部から大気側カバー内に引き込み,上記センサ素子に電圧を印加する及び/又は出力を取り出すリード線と,上記大気側カバーの基端側に設けた弾性絶縁部材とよりなるガスセンサにおいて,
上記リード線を4本以上有し,
上記弾性絶縁部材は,上記4本以上のリード線を1本づつ挿通する4つ以上のリード線挿通穴を有し,
ガスセンサ軸方向に垂直な面において,上記リード線挿通穴の1つは,中心が上記弾性絶縁部材の中心と略一致する位置にあることを特徴とするガスセンサ。 - 請求項1において,上記大気側カバーは径方向内方にかしめてあり,該かしめにより上記弾性絶縁部材の外径はかしめ前と比較して10〜20%縮小した状態にあることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1または2において,上記弾性絶縁部材は,ガスセンサ軸方向に垂直な面において最も近接するリード線挿通穴間の最小肉厚及び上記弾性絶縁部材の最外周面に最も近接するリード線挿通穴と上記最外周面との間の最小肉厚がいずれも1mm以上であることを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記リード線挿通穴は径方向に突出したリブ部を有し,かつ上記大気側カバーのかしめは,上記リブ部の位置において,上記弾性絶縁部材の外側より行なうことを特徴とするガスセンサ。
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