JP2005090278A - 内燃機関の燃料噴射時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射時期制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基本目標噴射時期の算出タイミングとその補正値の算出タイミングとの間に時間的なずれが生じても最終目標噴射時期の急激な変化を抑制することのできる燃料噴射時期制御装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置は、燃料噴射弁からエンジンへの燃料の基本目標噴射時期を一定時間毎(タイミングt3,t6)に算出するとともに、クランクシャフトが一定角度回転する毎に、基本目標噴射時期を補正値(徐変係数)にて補正して最終目標噴射時期を算出し、その最終目標噴射時期に基づき燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する。また、クランクシャフトが一定角度回転する毎(タイミングt1,t2,t4,t5)に徐変係数を算出するとともに、これらの徐変係数のうち基本目標噴射時期の算出時期(タイミングt3)に対応するものを、次回の基本目標噴射時期が算出されるタイミングt6までの最終目標噴射時期の算出に用いられる徐変係数として設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明はディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料噴射時期制御装置に関するものである。
燃焼室から排出された排気を再び燃焼室内に再循環(EGR)させるようにした内燃機関では、その再循環される排気の量が多くなると燃焼室内における煤の発生量が多くなる。煤の発生量は排気の再循環量が所定値となるときにピークを示す。そして、排気の再循環量が所定値よりも多くなると、多量の排気によって燃焼室内の燃焼温度が低下し、窒素酸化物NOxの発生とともに煤の発生が抑制される。このように、所定値よりも多くの排気が再循環された燃焼室内で燃料が燃焼される形態は「低温燃焼」と呼ばれる。これに対し、所定値よりも少ない排気が再循環された燃焼室内で燃料が燃焼される形態は「通常燃焼」と呼ばれる。内燃機関では、これらの低温燃焼及び通常燃焼を含む複数の燃焼形態に対応した燃焼モードが設定されており、そのときの機関運転状態に応じた燃焼モードが、内燃機関の出力軸(クランクシャフト)が所定角度回転する毎に、すなわち角度同期で選択されて実行される。
一方、上記内燃機関では、燃料噴射弁による燃料噴射時期の制御に際し、そのときの機関運転状態に応じた基本目標噴射時期が一定時間毎に、すなわち時間同期で算出される。この基本目標噴射時期に対し各種の補正が行われることで最終目標噴射時期が算出され、その最終目標噴射時期に基づいて燃料噴射弁が開弁されて燃料噴射が開始される。
また、前述した燃焼モードの切替えに伴い基本目標噴射時期が変化した場合に最終目標噴射時期が急激に変化するのを防止するために、最終目標噴射時期を徐変(なまし)処理することが行われる。この徐変処理のために、燃焼モードが選択される毎に、すなわち角度同期で、その燃焼モードに対応した補正値(徐変係数)が算出される。そして、クランクシャフトが所定角度回転する毎に、前述した基本目標噴射時期が徐変係数によって補正されて最終目標噴射時期が算出される。
なお、関連する技術として、例えば特許文献1には、角度同期にて燃料噴射時期を算出する技術が記載されている。また、特許文献2には、燃焼モード(低温燃焼モード及び通常燃焼モード)を切替える技術が記載されている。
特開2000−248983号公報 特開2000−64879号公報
ところで、クランクシャフトが一定角度回転する毎(角度同期)に徐変係数を算出すると、その算出間隔(時間間隔)はクランクシャフトの回転速度(機関回転速度)に応じて異なってくる。この算出間隔は機関回転速度が低いときには長く、機関回転速度が高くなるに従い短くなる。これに対し、基本目標噴射時期の算出間隔(時間間隔)は機関回転速度に拘らず一定である。このため、基本目標噴射時期の算出間隔と徐変係数の算出間隔とが同程度となる低回転速度域では、基本目標噴射時期と徐変係数とが一対一で対応するため特に問題とならない。しかし、基本目標噴射時期の算出間隔に比べて徐変係数の算出間隔が短い高回転速度域では、基本目標噴射時期の算出タイミングよりも前に燃焼モードの切替えに伴う徐変係数の算出タイミングになる。すなわち、基本目標噴射時期の算出タイミングと徐変係数の算出タイミングとの間に時間的なずれが生じ、燃焼モードに応じた基本目標噴射時期が算出される前に、前回算出時の燃焼モードとは異なる燃焼モードに対応した徐変係数が算出される。そして、こうして算出された意図しない徐変係数によって基本目標噴射時期が補正されると最終目標噴射時期が急激に変化し、要求する機関出力を確保できずにドライバビリティが悪化するおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、基本目標噴射時期の算出タイミングとその補正値の算出タイミングとの間に時間的なずれが生じても最終目標噴射時期の急激な変化を抑制することのできる内燃機関の燃料噴射時期制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、燃料噴射弁から内燃機関への燃料の基本目標噴射時期を一定時間毎に算出するとともに、前記内燃機関の出力軸が一定角度回転する毎に、前記基本目標噴射時期を補正値にて補正して最終目標噴射時期を算出し、その最終目標噴射時期に基づき燃料噴射弁からの燃料噴射を制御するようにした内燃機関の燃料噴射時期制御装置において、前記出力軸が一定角度回転する毎に前記補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出される補正値のうち前記基本目標噴射時期の算出時期に対応するものを、次回の基本目標噴射時期が算出されるまでの最終目標噴射時期の算出に用いられる補正値として設定する噴射時期用補正値設定手段とを備えている。
上記の構成によれば、燃料噴射弁から内燃機関への基本目標噴射時期は一定時間毎に、すなわち時間に同期して算出される。一方、基本目標噴射時期を補正するための補正値は、内燃機関の出力軸が一定角度回転する毎に、すなわち角度に同期して算出される。そして、出力軸が一定角度回転する毎に、基本目標噴射時期が補正値によって補正されることで最終目標噴射時期が算出される。この最終目標噴射時期に基づき燃料噴射弁から燃料が内燃機関に噴射供給される。
ところで、前述したように基本目標噴射時期が一定時間毎に算出されるのに対し、補正値及び最終目標噴射時期はいずれも出力軸が一定角度回転する毎に算出される。基本目標噴射時期の算出間隔(時間間隔)が一定であるのに対し、補正値及び最終目標噴射時期の各算出間隔(時間間隔)は出力軸の回転速度に応じて異なってくる。このため、内燃機関が高回転速度域で運転される等して補正値の算出間隔が短くなると、前回の基本目標噴射時期が算出されてから今回の基本目標噴射時期が算出されるまでの期間に補正値及び最終目標噴射時期が何回も算出される。この期間に補正値が変化することがあり得るのに対し、基本目標噴射時期は次の基本目標噴射時期の算出時まで変化しない。そのため、上記期間に補正値が変化すると、この補正値は前回の基本目標噴射時期に対応する補正値とは異なる値となる。従って、この補正値が基本目標噴射時期の補正に用いられると、適正な補正が行われず、意図しない最終目標噴射時期が算出されてしまう。
この点、請求項1に記載の発明では、噴射時期用補正値設定手段により、基本目標噴射時期の算出時期に対応した補正値が次回の基本目標噴射時期が算出されるまでの最終目標噴射時期の算出に用いられる補正値として設定される。すなわち、補正値算出手段によって角度同期で算出される補正値の全てが最終目標噴射時期の算出に用いられるのではなく、基本目標噴射時期の算出時に対応した補正値のみが最終目標噴射時期の算出に用いられる。従って、基本目標噴射時期の算出間隔に比べて補正値の算出間隔が短く、基本目標噴射時期の算出タイミングと補正値の算出タイミングとの間に時間的なずれが生じても、基本目標噴射時期に対応した適正な補正値を用いることで、意図しない最終目標噴射時期が算出されるのを抑制することができる。
ここで、基本目標噴射時期の算出時期に対応する補正値としては、例えば、請求項2に記載の発明によるように、基本目標噴射時期の算出前であってその算出時期に最も近い時期に補正値算出手段によって算出された補正値を用いることができる。この条件を満たす補正値は基本目標噴射時期に対応しており、基本目標噴射時期の算出後、最初に行われる最終目標噴射時期の算出に用いられるからである。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記補正値算出手段による補正値は、前記基本目標噴射時期が変化したときに前記最終目標噴射時期を徐々に変化させるためのものであるとする。
上記の構成によれば、基本目標噴射時期が変化すると、その基本目標噴射時期が補正値によって補正されることで最終目標噴射時期が徐々に変化する。このため、最終目標噴射時期の急激な変化に起因する不具合、例えば内燃機関の出力トルクの急激な変化が抑制される。
また、内燃機関での燃焼が、出力軸が一定角度回転する毎に設定される燃焼モードに応じた態様で行われる場合には、請求項4に記載の発明によるように、補正値及び基本目標噴射時期を燃焼モード毎に算出してもよい。
このようにすると、燃焼モード毎に算出した補正値及び基本目標噴射時期が最終目標噴射時期の算出に用いられることとなり、燃焼モードに適した最終目標噴射時期を算出することができる。
また、この場合にも、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明と同様にして、基本目標噴射時期の算出時期に対応した補正値が、最終目標噴射時期の算出に用いられる補正値として設定される。このことから、仮に基本目標噴射時期の算出間隔に比べて補正値の算出間隔が短く、基本目標噴射時期の今回の算出時から次回の算出時までに燃焼モードが切替わって補正値が変化しても、補正値に対応する燃焼モードと基本目標噴射時期に対応する燃焼モードとを同一にすることができる。基本目標噴射時期に対応した適正な補正値を用いて、意図しない最終目標噴射時期が算出されるのを抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記内燃機関は排気の一部を燃焼室へ再循環させるEGR装置を備え、そのEGR装置により再循環される排気の量が所定値になると燃焼に伴う煤の発生量がピークを示すものであり、前記燃焼モードは、前記所定値よりも多い量の排気を再循環させつつ前記燃焼室内で燃料を燃焼させる低温燃焼モードと、前記所定値よりも少ない量の排気を再循環させつつ前記燃焼室内で燃料を燃焼させる通常燃焼モードとを含み、前記燃焼モードは機関運転状態に応じて切替えられるものであるとする。
ここで、内燃機関がEGR装置を備える場合には、請求項5に記載の発明によるように、低温燃焼モード及び通常燃焼モードを燃焼モードの少なくとも一部として設定することができる。両燃焼モードは、EGR装置により再循環される排気の量が所定値になると燃焼に伴う煤の発生量がピークを示すことに着目してなされたものであり、機関運転状態に応じて切替えられる。
低温燃焼モードが設定された場合には、上記所定値よりも多い量の排気が再循環されつつ燃焼室内で燃料が燃焼される。このように再循環される排気の量が比較的多いことから、燃焼室に新たに吸入される空気の量が少なく、燃焼室内にて燃焼される燃料の量が少なく、機関出力は比較的小さい。従って、低温燃焼モードは、機関運転状態が、内燃機関に対する要求負荷が比較的小さく、かつ機関回転速度が比較的小さい状態にある場合に適している。これに対し、通常燃焼モードは、機関運転状態が上述した状態以外の状態にあるとき、すなわち、要求負荷が比較的大きいか、或いは、機関回転速度が比較的高い場合に適している。
図1は、本実施形態が適用されるディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)10及びその排気浄化装置11の構成を示している。エンジン10は、大きくは吸気通路12、燃焼室13、及び排気通路14を備えて構成されている。吸気通路12の最上流部には、同吸気通路12に吸入された空気を浄化するエアクリーナ15が設けられている。エンジン10においては、エアクリーナ15から吸気下流側に向けて順に、吸気通路12内の空気の流量を検出するエアフロメータ16、ターボチャージャ17のコンプレッサ17A、インタークーラ18、及び吸気絞り弁19が配設されている。そして、吸気通路12は、吸気絞り弁19の吸気下流側に設けられた吸気マニホールド20において分岐されており、この分岐部分を通じて、エンジン10の各気筒の燃焼室13に接続されている。
各気筒の燃焼室13には、同燃焼室13内での燃焼に供される燃料を噴射する燃料噴射弁21がそれぞれ設けられている。各燃料噴射弁21には、燃料供給路22を通じて燃料タンク23から燃料が供給される。燃料供給路22には、燃料タンク23から燃料を吸引して加圧吐出する燃料ポンプ24、及びその吐出された高圧燃料を蓄圧する高圧燃料配管であるコモンレール25が設けられている。そして、各気筒の燃料噴射弁21はコモンレール25にそれぞれ接続されている。
一方、排気通路14には、各気筒から排出された排気を集合させるための排気マニホールド26、及びターボチャージャ17のタービン17Bが設けられている。
さらに、エンジン10には、排気の一部を吸気中に再循環させる排気再循環(以下、「EGR」という)装置50が採用されている。EGR装置50は、吸気通路12と排気通路14とを連通させるEGR通路27を備えて構成されている。EGR通路27の上流側は、排気通路14の排気マニホールド26とタービン17Bとの間に接続されている。EGR通路27の途中には、その上流側から順に、再循環される排気を浄化するEGRクーラ触媒28、再循環される排気を冷却するEGRクーラ29、再循環される排気の流量を調整するEGR弁30が配設されている。そしてEGR通路27の下流側は、吸気通路12の吸気絞り弁19と吸気マニホールド20との間に接続されている。
こうしたエンジン10では、吸気通路12に吸入された空気が、エアクリーナ15で浄化された後、ターボチャージャ17のコンプレッサ17Aに導入される。コンプレッサ17Aでは、導入された空気が圧縮され、インタークーラ18に吐出される。圧縮によって高温となった空気は、インタークーラ18にて冷却された後、吸気絞り弁19及び吸気マニホールド20を介して各気筒の燃焼室13に分配供給される。こうした吸気通路12内の空気の流量は吸気絞り弁19の開度制御を通じて調整される。またその空気の流量、すなわち吸入空気量はエアフロメータ16により検出される。
空気の導入された燃焼室13では、各気筒の圧縮行程において燃料噴射弁21から燃料が噴射される。そして、吸気通路12を通じて導入された空気と燃料噴射弁21から噴射された燃料との混合気が燃焼室13内で燃焼される。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン51が往復動され、出力軸であるクランクシャフト52が回転されて、エンジン10の駆動力(出力トルク)が得られる。エンジン10には、クランクシャフト52の回転速度であるエンジン回転速度を検出するNEセンサ42が設けられている。NEセンサ42は、エンジン10のクランクシャフト52に装着されたロータと、その近傍に配設された電磁ピックアップとを備えている。電磁ピックアップは、クランクシャフト52の回転に伴いロータが回転して、そのロータ外周の突起が電磁ピックアップの前方を通過する毎にパルス信号(NEパルス)を出力する。そして、一定時間内にNEセンサ42から出力されるNEパルスの数に基づいてエンジン回転速度が求められる。
各気筒の燃焼室13での燃焼により生じた排気は、排気マニホールド26を通じてターボチャージャ17のタービン17Bに導入される。この導入された排気の流勢によってタービン17Bが駆動されると、吸気通路12に設けられたコンプレッサ17Aが連動して駆動され、上記空気の圧縮が行われる。
一方、上記燃焼により生じた排気の一部はEGR通路27に導入される。EGR通路27に導入された排気は、EGRクーラ触媒28で浄化され、EGRクーラ29で冷却された後、吸気通路12の吸気絞り弁19の吸気下流側の空気中に再循環される。こうして再循環される排気の流量は、EGR弁30の開度制御を通じて調整される。
上記のようにしてエンジン10が構成されている。次に、このエンジン10から排出される排気を浄化するための排気浄化装置11について説明する。排気浄化装置11は、排気燃料添加弁31を備えるほか、排気浄化触媒として3つの触媒コンバータ(第1触媒コンバータ32、第2触媒コンバータ33、及び第3触媒コンバータ34)を備えて構成されている。
第1触媒コンバータ32はタービン17Bの排気下流側に配設されている。第1触媒コンバータ32には吸蔵還元型のNOx触媒が担持されており、排気中の窒素酸化物NOxを吸蔵するとともに、還元剤となる未燃燃料成分の供給によりその吸蔵した窒素酸化物NOxを還元して浄化する。第2触媒コンバータ33は第1触媒コンバータ32の排気下流側に配設されている。第2触媒コンバータ33は、排気中のガス成分の通過を許容し、同排気中の微粒子物質PMの通過を阻止する多孔質材によって形成されており、吸蔵還元型のNOx触媒が担持されている。第3触媒コンバータ34は第2触媒コンバータ33の排気下流側に配設されている。第3触媒コンバータ34には、排気中の炭化水素HC及び一酸化炭素COの酸化を通じて排気の浄化を行う酸化触媒が担持されている。
排気燃料添加弁31は排気マニホールド26の排気集合部に配設されている。また、排気燃料添加弁31は、燃料通路35を通じて前記燃料ポンプ24に接続されており、同燃料ポンプ24から供された燃料を還元剤として排気中に噴射して添加する。この添加された燃料により排気を一時的に還元雰囲気として第1触媒コンバータ32及び第2触媒コンバータ33に吸蔵されている窒素酸化物NOxを還元浄化する。さらに、第2触媒コンバータ33では微粒子物質PMの浄化も同時に実行する。
なお、排気通路14において第1触媒コンバータ32と第2触媒コンバータ33との間の空間には、同空間を通過する排気の温度、すなわち第2触媒コンバータ33に流入する前の排気の温度を検出する排気温センサ36が配設されている。また、排気通路14において第2触媒コンバータ33よりも下流の空間には、同空間を通過する排気の温度、すなわち第2触媒コンバータ33を通過した直後の排気の温度を検出する排気温センサ37が配設されている。また排気通路14には、第2触媒コンバータ33の排気上流側と排気下流側の差圧を検出する差圧センサ38が配設されている。差圧センサ38によって検出される差圧は、第2触媒コンバータ33の内部の目詰まりを検出するために用いられる。さらに、排気通路14の第1触媒コンバータ32の排気上流側、及び第2触媒コンバータ33と第3触媒コンバータ34との間には、排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ39,40がそれぞれ配設されている。
以上説明したエンジン10及び排気浄化装置11の制御は電子制御装置41によって行われる。電子制御装置41は、エンジン10の制御に係る各種処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータが記憶されたROM、CPUの処理結果等が記憶されるRAM、外部との情報のやり取りを行うための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置41の入力ポートには、上述した各センサに加え、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ43、コモンレール25の内圧を検出するコモンレールセンサ44、吸気絞り弁19の開度を検出する絞り弁センサ45等が接続されている。
また、電子制御装置41の出力ポートには、上記吸気絞り弁19や燃料噴射弁21、燃料ポンプ24、排気燃料添加弁31、EGR弁30等が接続されている。そして電子制御装置41は、上記各センサの検出結果に基づき、それら出力ポートに接続された機器類を制御することで、エンジン10の各種運転制御を実施する。各種運転制御には燃料噴射弁21による燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御が含まれるほか、排気の浄化に係る制御、燃焼に係る制御等が含まれている。
燃焼に係る制御では、電子制御装置41は予め設定された複数の燃焼モードからエンジン10の運転状態に応じたものを選択する。複数の燃焼モードには、通常燃焼モード及び低温燃焼モードが含まれている。ここで、EGR装置50が適用された本実施形態のエンジン10では、燃料噴射弁21から燃焼室13への燃料噴射時期が一定の状態で燃焼室13内の不活性ガスの量、すなわち再循環される排気の量が多くなると、燃焼室13内における煤の発生量が徐々に多くなる。再循環される排気の量が所定値になると煤の発生量がピークになる。そして、再循環される排気の量が所定値よりも多くなると、燃焼室13内における燃料及びその周辺の温度が低下して燃焼室13内における煤の発生量が少なくなる。
低温燃焼モードでは、上記所定値よりも多い量の排気が再循環されつつ燃焼室13内で燃料が燃焼される。低温燃焼モードでは排気の再循環量が比較的多いことから、燃焼室13内に新たに吸入される空気の量が少ない。従って、燃焼室13内で燃焼可能な燃料の量も少ない。このため、低温燃焼が行われているときのエンジン10の出力は比較的小さい。このことから低温燃焼モードは、エンジン10の運転状態がエンジン10に対する要求負荷が比較的小さくかつエンジン回転速度が比較的低い状態にある場合に適している。
低温燃焼モードには、触媒温度の上昇及び保持、窒素酸化物NOxの排出量低減等を目的として理論空燃比よりもリーン側で行われるリーン低温燃焼モードと、触媒から硫黄酸化物SOxを離脱(放出)させて回復させることを目的として、理論空燃比よりややリッチ側で行われるストイキ低温燃焼モードとがある。
これに対し、通常燃焼モードでは、前記所定値よりも少ない量の排気が再循環されつつ燃焼室13内で燃料が燃焼される。そして、電子制御装置41は、クランクシャフト52の回転角度に対応してNEセンサ42から出力される所定のNEパルスに同期して、すなわち角度同期で、そのときのエンジン10の運転状態に応じた燃焼モードを選択する。
また、電子制御装置41は、排気の浄化に係る制御の1つとして排気浄化触媒に対する制御を実行する。この制御には、触媒再生制御モード、硫黄被毒回復制御モード、NOx還元制御モード、及び通常制御モードという4つの触媒制御モードが設定されており、電子制御装置41は触媒コンバータ32〜34の状態に応じた触媒制御モードを選択して実行する。
触媒再生制御モードとは、特に第2触媒コンバータ33内に堆積している微粒子物質PMを燃焼させて二酸化炭素CO2 と水H2 Oにして排出する制御を行うモードであり、排気燃料添加弁31からの燃料添加を継続的に繰り返して触媒温度(触媒床温)を高温化(600〜700℃)するモードである。
硫黄被毒回復制御モードとは、第1触媒コンバータ32及び第2触媒コンバータ33内のNOx吸蔵還元触媒が硫黄酸化物SOxによって被毒されて窒素酸化物NOxの吸蔵能力が低下した場合に硫黄酸化物SOxを放出させる制御を行うモードである。
NOx還元制御モードとは、第1触媒コンバータ32及び第2触媒コンバータ33内のNOx吸蔵還元触媒に吸蔵された窒素酸化物NOxを、窒素N2 、二酸化炭素CO2 及び水H2 Oに還元して放出するモードである。このモードでは、排気燃料添加弁31からの比較的時間をおいた間欠的な燃料添加により、触媒温度が比較的低温(例えば250〜500℃)となる。これ以外の状態が通常制御モードとなり、このモードでは排気燃料添加弁31からの還元剤添加はなされない。
一方、電子制御装置41は図2に示すように、燃料噴射弁21による燃料噴射時期の制御に際し、そのときのエンジン10の運転状態に応じた基本目標噴射時期を一定時間毎(タイミングt3,t6等)に、すなわち時間同期で算出する。この基本目標噴射時期に対し、クランクシャフト52の回転角度に対応してNEセンサ42から出力される所定のNEパルス(タイミングt1,t2,t4,t5等参照)に同期して、すなわち角度同期で、各種の補正を加えることにより最終目標噴射時期を算出し、その最終目標噴射時期に基づいて燃料噴射弁21を開弁させて燃料噴射を開始させる。なお、基本目標噴射時期を時間同期で算出するのは、他のパラメータに加え、この基本目標噴射時期もまた角度同期で算出される場合に比べて電子制御装置41に加わる負荷を小さくするためである。
ここで、図2のタイミングt1,t4で燃焼モードが切替わった場合、アクチュエータの応答遅れ、EGRの導入遅れ等により、実際にはその切替え時から若干遅れた時点(タイミングt2,t5)で燃焼モードが切替わる。なお、設定された燃焼モードと実際の燃焼モードとを区別するために、後者を「徐変用燃焼モード」という。また、燃焼モードが設定されてから対応する徐変用燃焼モードに切替わるまでの期間(タイミングt1〜t2,t4〜t5)を「遅延期間」という。この遅延期間は、例えば燃焼モードの切替え時(タイミングt1,t4)にセットされて、一定時間毎にカウントダウンされる遅延カウンタを用いることで計時することができる。この遅延カウンタが「0」になったときが遅延期間の終期となる。
また、前述した燃焼モードが切替えられた場合に最終目標噴射時期が急激に変化するのを防止するために、電子制御装置41は所定の期間(以下、「徐変期間」という)にわたり最終目標噴射時期を時間の経過に従い徐々に変化させる徐変処理を行う。具体的には、徐変用燃焼モードが切替わる毎(タイミングt2,t5)に、すなわち角度同期で、その徐変用燃焼モードに対応した補正値として徐変係数を算出する。そして、クランクシャフト52が所定角度回転する毎(タイミングt1,t2,t4,t5等)に、基本目標噴射時期を徐変係数によって補正して最終目標噴射時期を算出する。上記徐変期間は、例えば徐変用燃焼モードの切替え時にセットされて、一定時間毎にカウントダウンされる徐変カウンタを用いることで計時することができる。この徐変カウンタが「0」になったときが徐変期間の終期となる。
ところで、角度同期で徐変係数を算出すると、その算出間隔(時間間隔)はエンジン回転速度に応じて異なってくる。この算出間隔はエンジン回転速度が低いときには長く、エンジン回転速度が高くなるに従い短くなる。これに対し、基本目標噴射時期の算出間隔(時間間隔)はエンジン回転速度に拘らず一定である。このため、例えば基本目標噴射時期の算出間隔と徐変係数の算出間隔とが同程度となる低回転速度域では、基本目標噴射時期と徐変係数とが一対一で対応するため特に問題とならない。しかし、基本目標噴射時期の算出間隔に比べて徐変係数の算出間隔が短い高回転速度域では、基本目標噴射時期の算出タイミングよりも前に燃焼モードの切替えに伴う徐変係数の算出タイミングになる。例えば、基本目標噴射時期が算出されるタイミングt6よりも前のタイミングt5に、前回算出時(タイミングt3)の徐変用燃焼モード(リーン低温燃焼モード)とは異なる徐変用燃焼モード(通常燃焼モード)に対応した徐変係数が算出される場合がある。そして、こうして算出された意図しない徐変係数によって基本目標噴射時期が補正されると、基本目標噴射時期が過剰に補正され、最終目標噴射時期が図2において実線[A]で示すように急激に変化して過剰に遅角側の値となり、要求する出力トルクを確保できずにドライバビリティが悪化するおそれがある。
そこで、本実施形態では、角度同期で算出される徐変係数の全てを最終目標噴射時期の算出に用いるのではなく、基本目標噴射時期の算出時に対応した徐変係数のみを噴射時期用徐変係数とし、これを次回の基本目標噴射時期が算出されるまでの最終目標噴射時期の算出に用いるようにしている。次に、この処理を含めた最終目標噴射時期を算出する手順について説明する。この算出処理は、図3に示す徐変係数を算出する処理と、図4に示す基本目標噴射時期を算出する処理と、図5に示す最終目標噴射時期を算出する処理とからなる。これらの処理のうち、基本目標噴射時期を算出する処理は、一定時間(例えば16ミリ秒)毎に行われるのに対し、徐変係数及び最終目標噴射時期を算出する処理は、クランクシャフト52が一定角度回転する毎に行われる。
図3に示す徐変係数算出ルーチンでは、電子制御装置41はまずステップ110において、NEセンサ42から出力されるNEパルスが所定の値αであるかどうかを判定する。この判定条件が満たされていないと、燃焼モードの選択及び徐変係数の算出を行うタイミングではないとして、徐変係数算出ルーチンを終了する。これに対し、ステップ110の判定条件が満たされていると、ステップ120において通常燃焼モード及び低温燃焼モードを含む複数の燃焼モードからそのときのエンジン10の運転状態に応じたものを選択する。続いて、ステップ130において、前記の選択した燃焼モードに対応した徐変係数を算出する。この算出に際しては、例えば、燃焼モード毎に設定され、かつエンジン回転速度と徐変係数との関係を予め設定したマップを参照する。燃焼モードに対応したマップから、そのときのエンジン回転速度に対応した徐変係数を割出す。そして、ステップ130の処理を経た後に、徐変係数算出ルーチンを終了する。なお、徐変係数算出ルーチンにおける各処理は補正値算出手段に相当する。
次に、図4に示す基本目標噴射時期算出ルーチンについて説明する。このルーチンは前述したように一定時間(16ミリ秒)毎に実行される。この基本目標噴射時期算出ルーチンでは、電子制御装置41はまずステップ210において、そのときのエンジン10の運転状態に応じた基本目標噴射時期を算出する。この算出には、例えば、燃焼モード毎にエンジン回転速度及び燃料噴射量と基本目標噴射時期との関係を予め設定したマップを参照する。続いて、ステップ220において、この基本目標噴射時期の算出タイミングの算出前であって、その算出時期に最も近い時期に、前記徐変係数算出ルーチンで算出された徐変係数を、最終目標噴射時期の算出に用いられる徐変係数(噴射時期用徐変係数)としてRAMに記憶する。そして、ステップ220の処理を経た後に、基本目標噴射時期算出ルーチンを終了する。なお、基本目標噴射時期算出ルーチンにおけるステップ220の処理は噴射時期用補正値設定手段に相当する。
次に、図5に示す最終目標噴射時期算出ルーチンについて説明する。この算出ルーチンでは、電子制御装置41はまずステップ310においてNEセンサ42から出力されるNEパルスが所定の値βであるかどうかを判定する。この判定条件が満たされていないと、最終目標噴射時期を算出するタイミングではないとして、最終目標噴射時期算出ルーチンを終了する。これに対し、ステップ310の判定条件が満たされていると、ステップ320において、前記基本目標噴射時期算出ルーチンで求められた基本目標噴射時期と噴射時期用徐変係数とに基づき最終目標噴射時期を算出する。ここでは、基本目標噴射時期に噴射時期用徐変係数を乗算し、その乗算結果を最終目標噴射時期として設定する。そして、このステップ320の処理を経た後に最終目標噴射時期算出ルーチンを終了する。
図2は、前述した図3〜図5の算出ルーチンに従って最終目標噴射時期が算出された場合の各パラメータの変化態様を示している。
タイミングt1よりも前のタイミングでは、燃焼モード及び徐変用燃焼モードとして通常燃焼モードが選択されている。遅延カウンタ及び徐変カウンタはともに「0」になっている。また、徐変係数としては通常燃焼モードに対応した値(例えば「1.0」)が算出されている。
タイミングt1において、燃焼モードが通常燃焼モードからリーン低温燃焼モードに切替わると、遅延カウンタがセットされる。タイミングt1以降、遅延カウンタがカウントダウンされる。タイミングt2で遅延カウンタが「0」になると徐変用燃焼モードが通常燃焼モードからリーン低温燃焼モードに切替えられ、徐変カウンタがセットされる。
なお、基本目標噴射時期は、タイミングt2で前記のように燃焼モードが切替えられても、前回算出時から所定時間(16ミリ秒)が経過するタイミングt3までは前回算出時の燃焼モード(通常燃焼モード)に対応した値のままである。これに対し、前回の基本目標噴射時期の算出時に記憶された噴射時期用徐変係数(「1.0」)は、図2において破線[B]で示すようにタイミングt3までの最終目標噴射時期の算出に用いられる。すなわち、従来ならばタイミングt2で徐変用燃焼モードがリーン低温燃焼モードに切替えられて実線[C]で示すように徐変係数が同燃焼モードに対応した値(例えば0.2)に変更されるところ、ここでは基本目標噴射時期の算出時期であるタイミングt3まで徐変係数が「1.0」に保持される。徐変用燃焼モードの切替え時(タイミングt2)における徐変係数に対応する徐変用燃焼モードは基本目標噴射時期に対応する燃焼モード(通常燃焼モード)と同一となる。そして、この保持された徐変係数(噴射時期用徐変係数)と基本目標噴射時期とに基づいて算出される最終目標噴射時期は徐々に遅角側の値に変化する。
タイミングt3では、噴射時期用徐変係数として、そのときの燃焼モード(リーン低温燃焼モード)に対応した値(ここでは「0.2」)が設定される。
徐変カウンタが「0」になるタイミングt7よりも前のタイミングt4で燃焼モードがリーン低温燃焼モードから通常燃焼モードに切替えられると、遅延カウンタが再びセットされる。タイミングt5で遅延カウンタが「0」になると、徐変用燃焼モードがリーン低温燃焼モードから通常燃焼モードに切替えられ、徐変カウンタが「0」になる前ではあるが再びセットされる。
なお、基本目標噴射時期は、タイミングt5で徐変用燃焼モードが切替えられても、前回算出時(タイミングt3)から所定時間(16ミリ秒)が経過するタイミングt6までは前回算出時の燃焼モード(リーン低温燃焼モード)に対応した遅角側の値のままである。これに対し、前回の基本目標噴射時期の算出時に記憶された噴射時期用徐変係数(「0.2」)が、図2において破線[D]で示すようにタイミングt6までの最終目標噴射時期の算出に用いられる。すなわち、従来ならばタイミングt5で徐変用燃焼モードが通常燃焼モードに切替えられて実線[E]で示すように徐変係数が同燃焼モードに対応した値(0.8)に変更されるところ、ここではタイミングt6まで徐変係数が「0.2」に保持される。徐変用燃焼モードの切替え時(タイミングt5)における徐変係数に対応する徐変用燃焼モードは、基本目標噴射時期に対応する燃焼モード(リーン低温燃焼モード)と同一となる。そのため、この保持された徐変係数(噴射時期用徐変係数、ここでは0.2)と基本目標噴射時期とに基づいて算出される最終目標噴射時期は、図2において破線[F]で示すように徐々に遅角側の値に変化する。
タイミングt6では、噴射時期用徐変係数として、そのときの徐変用燃焼モード(通常燃焼モード)に対応した値(例えば「0.8」)が設定される。タイミングt6で基本目標噴射時期が進角側の値に大きく変化するが、前記噴射時期用徐変係数を用いた補正により、図2において破線[G]で示すように最終目標噴射時期が徐々に進角側の値に変化する。そして、タイミングt8で徐変カウンタが「0」になって徐変期間が終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)基本目標噴射時期の算出時期に対応した徐変係数を、最終目標噴射時期の算出に用いられる徐変係数(噴射時期用徐変係数)として設定(記憶・保持)するようにしている。すなわち、角度同期で算出される徐変係数の全てを最終目標噴射時期の算出に用いるのではなく、基本目標噴射時期の算出時期に対応した徐変係数のみを最終目標噴射時期の算出に用いるようにしている。従って、基本目標噴射時期の算出間隔に比べて徐変係数の算出間隔が短く、基本目標噴射時期の算出タイミングと徐変係数の算出タイミングとの間に時間的なずれが生じても、前記のように基本目標噴射時期に対応した適正な徐変係数を用いることで、意図しない最終目標噴射時期が算出されるのを抑制することができる。最終目標噴射時期ひいては実際の噴射時期が急激に変化するのを抑制し、その急激な変化に起因する不具合、例えばエンジン10の出力トルクの急激な変化を抑制することができる。
(2)基本目標噴射時期の算出時期に対応する徐変係数として、基本目標噴射時期の算出前であってその算出時期に最も近い時期に算出された徐変係数を用いている。この条件を満たす徐変係数は基本目標噴射時期に対応しており、基本目標噴射時期の算出後、最初に行われる最終目標噴射時期の算出に用いられる。このため、こうした徐変係数を用いて基本目標噴射時期を補正することで上記(1)の効果を一層確実なものとすることができる。
(3)クランクシャフト52が一定角度回転する毎に、エンジン10の運転状態に応じた燃焼モード(徐変用燃焼モード)を選択して、その燃焼モードに対応した形態で燃焼を行わせるようにしている。加えて、徐変係数及び基本目標噴射時期を燃焼モード(徐変用燃焼モード)毎に算出するようにしている。このように燃焼モード(徐変用燃焼モード)毎に算出した徐変係数及び基本目標噴射時期を最終目標噴射時期の算出に用いることで、燃焼モードに適した最終目標噴射時期を算出することができる。
また、仮に基本目標噴射時期の算出間隔に比べて徐変係数の算出間隔が短く、基本目標噴射時期の算出時から次回の基本目標噴射時期の算出時までに燃焼モードが切替えられて徐変係数が変化しても、徐変係数に対応する燃焼モードと基本目標噴射時期に対応する燃焼モードとを同一にすることができる。このように、基本目標噴射時期に対応した適正な補正値を用いることで、すなわち、基本目標噴射時期算出時の徐変係数を最終目標噴射時期に反映することで、燃焼モードの切替え時において時間同期で求めた基本目標噴射時期と角度同期で求めた徐変係数の算出タイミングとのずれによる不具合を防止することができる。その結果、意図しない最終目標噴射時期が算出されるのを抑制することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・燃焼モードとして、前記実施形態で説明した通常燃焼モード及び低温燃焼モード以外のモードを設定してもよい。
・基本目標噴射時期及び徐変係数を、マップに代えて所定の演算式に基づいて算出するようにしてもよい。
・本発明は、基本目標噴射時期を時間同期で算出し、補正値(徐変係数)及び最終目標噴射時期を角度同期で算出する噴射時期制御装置であれば広く適用可能である。
本発明の燃料噴射時期制御装置の一実施形態についてその構成を示す略図。 燃料噴射時期制御装置の作用を説明するタイミングチャート。 徐変係数を算出する手順を示すフローチャート。 基本目標噴射時期を算出する手順を示すフローチャート。 最終目標噴射時期を算出する手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…ディーゼルエンジン(内燃機関)、13…燃焼室、21…燃料噴射弁、41…電子制御装置(補正値算出手段、噴射時期用補正値設定手段)、50…EGR装置、52…クランクシャフト(出力軸)。

Claims (5)

  1. 燃料噴射弁から内燃機関への燃料の基本目標噴射時期を一定時間毎に算出するとともに、前記内燃機関の出力軸が一定角度回転する毎に、前記基本目標噴射時期を補正値にて補正して最終目標噴射時期を算出し、その最終目標噴射時期に基づき燃料噴射弁からの燃料噴射を制御するようにした内燃機関の燃料噴射時期制御装置において、
    前記出力軸が一定角度回転する毎に前記補正値を算出する補正値算出手段と、
    前記補正値算出手段により算出される補正値のうち前記基本目標噴射時期の算出時期に対応するものを、次回の基本目標噴射時期が算出されるまでの最終目標噴射時期の算出に用いられる補正値として設定する噴射時期用補正値設定手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
  2. 前記噴射時期用補正値設定手段は、前記基本目標噴射時期の算出前であってその算出時期に最も近い時期に前記補正値算出手段により算出された補正値を前記最終目標噴射時期の算出に用いられる補正値として設定する請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
  3. 前記補正値算出手段による補正値は、前記基本目標噴射時期が変化したときに前記最終目標噴射時期を徐々に変化させるためのものである請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
  4. 前記内燃機関での燃焼は、前記出力軸が一定角度回転する毎に設定される燃焼モードに応じた態様で行われ、
    前記補正値算出手段による補正値及び前記基本目標噴射時期は、前記燃焼モード毎に算出される請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
  5. 前記内燃機関は排気の一部を燃焼室へ再循環させるEGR装置を備え、そのEGR装置により再循環される排気の量が所定値になると燃焼に伴う煤の発生量がピークを示すものであり、前記燃焼モードは、前記所定値よりも多い量の排気を再循環させつつ前記燃焼室内で燃料を燃焼させる低温燃焼モードと、前記所定値よりも少ない量の排気を再循環させつつ前記燃焼室内で燃料を燃焼させる通常燃焼モードとを含み、前記燃焼モードは機関運転状態に応じて切替えられるものである請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
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