JP2005090125A - 制振柱の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工時の鉛直荷重による制振装置の性能低下を防止し、施工を合理化することのできる制振柱の構築方法を提供する。
【解決手段】 上層階の梁24と下層階の梁24との間に制振装置14を組み込んだ制振柱10を構築する制振柱の構築方法であって、制振柱10に制振装置14に対する荷重を伝達しない切離部50を形成する工程と、切離部50により上層階の施工中に生じる施工時荷重が制振装置14に作用するのを防止した状態で上層階の躯体施工を行う工程と、上層階の躯体施工終了後、制振柱10の切離部50を接合する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、制振柱の構築方法に関し、特に、低降伏点鋼パネルなどの制振装置を組み込んだ制振柱の構築方法に関する。
建築物の制振構造は、従来より種々開発され、かつ、使用されてきている。
このような制振構造の構築方法として、本願出願人は、先に、特許文献1に示すような提案を行っている。
この特許文献1に示す技術は、階下の強度部材を貫通させて階下の制振用建築材料を設置し、この階下の制振用建築材料のプレキャストコンクリート部及び制振装置を強度部材上に突出させた状態で、現場打ち打設部にコンクリートを打設して階下の制振用建築材料を階下の強度部材と一体化させ、階上の強度部材上から階上の強度部材を貫通させて階上の制振用建築材料の現場打ちコンクリート打設部を階上の強度部材下方に突出させ、階上の現場打ちコンクリート打設部の主筋下端を階下の制振用建築材料の制振装置と連結固定し、階上の制振用建築材料の階上の強度部材下面より突出する現場打ちコンクリート打設部の周囲にコンクリート型枠を取り付け、階上の強度部材上から階上の制振用建築材料の現場打ちコンクリート打設部にコンクリートを打設し、この打設したコンクリートが固化して階上の制振用建築材料と階上の強度部材とが一体化した後、コンクリート型枠を取り外すようにしている。
そして、このような制振構造の構築方法を用いることによって、鉄筋コンクリート製の柱や壁に制振装置を組み込む場合に、地震時に建築物に層間変形が生じて、地震力が加わった場合にも、制振装置の取り付け部分が容易に破損することがなく、十分な取付け強度を有し、地震入力エネルギーを確実に吸収でき、しかも、製造を容易にすることが可能となる。
特許第3004242号公報
超高層建物では、下層階で仕上げ工事、上層階で躯体工事が行われるなど通常、上層階の施工時荷重が下層階の柱に鉛直荷重として作用することとなる。
そのため、下層階の制振柱には、建物の超高層化に伴い、上層の階数が増大した場合、大きな施工時荷重が作用する場合がある。
この施工時荷重により、制振柱の制振装置に過大な軸方向力が作用することがあり、この施工時荷重の大きさによっては、低降伏点鋼パネルなどの制振装置の復元力特性、エネルギー吸収能力が劣化することが考えられる。
このような制振装置に過大な施工時荷重が作用しないようにするには、前述の制振構造の構築方法におけるプレキャストコンクリート部を、上層階の躯体施工終了後に、現場打ちコンクリート打設によって形成するようにしなければならず、施工の合理化を図ることができないという問題がある。
本発明の目的は、施工時荷重による制振装置の性能低下を防止し、施工を合理化することのできる制振柱の構築方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の制振柱の構築方法は、上層階の梁と下層階の梁との間に制振装置を組み込んだ制振柱を構築する制振柱の構築方法であって、
前記制振柱に、前記制振装置に作用する荷重を伝達しない切離部を形成する工程と、
前記切離部により前記上層階の施工中に生じる施工時荷重が前記制振装置に作用するのを防止した状態で前記上層階の躯体施工を行う工程と、
前記上層階の躯体施工終了後、前記制振柱の切離部を接合する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、制振柱に、制振装置に作用する荷重を伝達しない切離部を形成することにより、上層階の施工中に生じる施工時荷重が制振装置に作用するのを防止した状態で上層階の躯体施工を行うことができ、上層階の躯体施工終了後、制振柱の切離部を接合することで、施工時の鉛直荷重による制振装置の性能低下を防止し、施工を合理化することができる。
本発明においては、前記切離部は、前記制振柱の頭部と前記上層階の梁との間に形成されるようにすることができる。
このような構成とすることにより、制振柱の上端部で上層階の施工時荷重と縁を切ることができ、上層階の施工時荷重が制振装置に作用するのを防止することができる。
本発明においては、前記切離部は、前記制振柱の脚部と前記下層階の梁との間に形成されるようにすることができる。
このような構成とすることにより、切離部によって制振柱の下端で上層階の施工時荷重と縁を切ることができ、上層階の施工時荷重が制振装置に作用するのを防止することができる。
本発明においては、前記制振柱は、柱部材と前記制振装置とが連結され、
前記切離部は、前記柱部材と前記制振装置との間に形成されるようにすることができる。
このような構成とすることにより、柱部材と制振装置との間で上層階の施工時荷重と縁を切ることができ、制振装置に上層階の施工時荷重が作用するのを防止することができる。
この場合、前記制振装置は、上下の柱部材間に配設され、
前記上下の柱部材には、対向面よりねじ付きの荷重受け鉄筋が突出され、
これら上下の荷重受け鉄筋をねじ付きのつなぎ鉄筋及びナットで連結して前記上下の柱部材の一方と前記制振装置との間に前記切離部が形成されるようにすることができる。
このような構成とすることにより、上下の柱部材より突出させた上下の荷重受け鉄筋をつなぎ鉄筋及びナットで連結して上層階の施工時荷重をつなぎ鉄筋を介して柱部材に採用させることで、制振装置に上層階の施工時荷重が作用するのを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示す図である。
この制振柱10は、柱部材12と制振装置14とを備える。
柱部材12は、下の柱部材を構成するプレキャストコンクリート部16と、上の柱部材を構成する現場打ちコンクリート打設部18とを備える。
プレキャストコンクリート部16は、複数本、例えば図1(1)の上側の平面図に示すように、12本の主筋20の上部をプレキャストコンクリート部材22内に上下方向に埋設して形成され、梁24上に設置可能にされている。
各主筋20の上端部26は、プレキャストコンクリート部材22の上面27から若干突出させた状態となっており、この突出部分には、図2に示すように、ねじ28が形成されている。
また、プレキャストコンクリート部材22内の主筋20には、適宜帯筋30が周囲にかけ回されている。
現場打ちコンクリート打設部18は、プレキャストコンクリート部16よりプレキャストコンクリート部16内の主筋20を下方に延出させて形成されて、上方より梁24を貫通して梁24の下方に突出されるようになっている。
また、この現場打ちコンクリート打設部18は、図1(3)及び(4)に示すように、現場打ちコンクリートである梁・床用コンクリート32の打設によって床及び梁24と一体化されるようになっている。
なお、現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の周囲には、適宜帯筋34がかけ回されるようになっている。
さらに、この現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端部には、ねじ(図示せず)が形成されている。
制振装置14は、図1(2)〜(4)に示すように、一対の上下ベースプレート36、38と、フランジプレート40と、低降伏点鋼パネル42と、リブプレート44とを備えている。
上下ベースプレート36、38は、プレキャストコンクリート部16の上面27にほぼ相応した大きさで、上下に対向して配置されており、この上下ベースプレート36、38には、図1(2)の上側の平面図に示すように、各主筋20と対応した位置に複数、例えば12個の連結孔46が形成されている。
フランジプレート40は、上下ベースプレート36、38間に、適宜間隔で4枚設けられて、制振装置14に作用する軸力を支持できるようにされている。
このフランジプレート40は、4枚設けられているが、設けられる枚数は低降伏点鋼パネル42の厚さや大きさによって設定されるもので、制振装置14に作用する荷重を伝達できるよう少なくとも2枚設けられる必要がある。
低降伏点鋼パネル42は、いわゆる極軟鋼と称されるものを採用しており、上下ベースプレート36、38及び各フランジプレート40に囲まれた部分に3枚取り付けられている。
また、この低降伏点鋼パネル42は、地震時に建築物に層間変形が生じて、地震力が加わったときに降伏して入力エネルギーを吸収するようになっている。
リブプレート44は、低降伏点鋼パネル42の両面側上下方向ほぼ中央位置で、各フランジプレート40間に取り付けられ、低降伏点鋼パネル42全体に生じる面外座屈を防止して、低降伏点鋼パネル42がより良好なエネルギー吸収能力を発揮できるようにしている。
そして、この制振装置14が、下ベースプレート38の連結孔46に、プレキャストコンクリート部16の上面27より突出する主筋20の上端部26を挿通してナット48にて締め付けることで、プレキャストコンクリート部16に固定されるようになっている。
また、この制振装置14は、上ベースプレート36の連結孔46に、上方に接続される現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端を挿通してナット48にて締め付けることで上方の現場打ちコンクリート打設部18と接合可能にされている。
次に、この制振柱10の構築方法について説明する。
まず、階下(下層階)の柱を立設して、この柱上に梁24を掛け渡し、梁24上に床版を敷設した状態で、図1(1)に示すように、階下の梁24を貫通させて階下の柱部材12を梁24上に設置し、そのプレキャストコンクリート部16を梁24上に突出させた状態で、床版上に梁・床用コンクリートを打設して、この梁・床用コンクリートを階下の梁24より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18に打設し、階下の柱部材12を階下の梁24と一体化させた状態としておく。
次に、階下の梁24上に階上の柱を立設して、この柱上に階上(上層階)の梁24を掛け渡し、この階上の梁24上に階上の床版を敷設する。
次いで、階下の梁24から上方に突出するプレキャストコンクリート部16の上面27に、図1(2)に示すように、制振装置14を設置する。
この場合、プレキャストコンクリート部16の上面27より突出する主筋20の上端部26を制振装置14の下ベースプレート38に形成した連結孔46に挿通させ、下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16の上面27との間に隙間をあけて切離部50を形成しておく。
この切離部50の隙間は、例えば6mm程度としておく。
次いで、図1(3)に示すように、階上の梁24上から階上の梁24を貫通させて、階上の柱部材12の現場打ちコンクリート打設部18を階上の梁24下方に突出させ、そのプレキャストコンクリート部16を階上の梁24に設置する。
この状態で、階上の現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端部を制振装置14の上ベースプレート36の連結孔46に挿通させて、ナット48を装着し、連結固定する。
この状態で、プレキャストコンクリート部16の上面より突出する主筋20の上端部26にはナット48を装着せず、切離部50を保持した状態としておく。
次に、階上の梁24より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の周囲にコンクリート型枠を取り付ける。
次いで、階上の床版上に梁・床用コンクリート32を打設し、この梁・床用コンクリート32を、階上の梁24より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18に打設する。
この場合、梁・床用コンクリート32を打設して躯体施工を行う際の施工時荷重が鉛直荷重として現場打ちコンクリート打設部18に作用することとなるが、この現場打ちコンクリート打設部18に取り付けられている制振装置14は、階下の梁24より上方に突出するプレキャストコンクリート部16との間に切離部50が形成されているため、施工時荷重と縁が切られた状態となっており、施工時荷重は制振装置14に作用せず、制振装置14の復元力特性、エネルギー吸収能力に影響を与えることなく上層階の躯体施工を行うことができる。
そして、一定期間をおいて、現場打ちコンクリート打設部18に打設した梁・床用コンクリート32が固まった状態で、コンクリート型枠を取り外し、プレキャストコンクリート部16の上面27から突出する主筋20の上端部26にナット48を取り付けて制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16とを連結固定する。
次いで、制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16の上面27との間に形成された切離部50内に、例えば、エポキシ樹脂等の接着材52を注入、充填してプレキャストコンクリート部16と制振装置14とを接合、一体化し、この接着材52を地震時における地震力によって制振装置14がスライドして十分なエネルギー吸収ができなくなるのを防止するスライド防止手段としている。
この場合、接着材52は、図2に示すように、下ベースプレート38の連結孔46を通して主筋20の上端部26とナット48との隙間53に侵入させ、さらにナット48の側方に貫通形成した空気抜き用の孔54内にも侵入させることで、より接着力を強化し、スライド防止手段としての効果を高めることもできる。
このように、下の柱部材を構成するプレキャストコンクリート部16と制振装置14との間に切離部50を形成することで、上層階の躯体施工時の施工時荷重により制振装置14の性能低下を防止するとともに、プレキャストコンクリート部16を上層階の躯体施工終了後に現場打ちコンクリート施工とする必要がなく、施工の合理化を図ることができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示す図である。
この実施の形態では、階下の柱部材12のプレキャストコンクリート部16の上面に図3(1)の上側の平面図に示すように、複数本のシヤーキー60を平行に設けて凹凸部を形成するようにしている。
そして、この階下の梁24を貫通させて階下の柱部材12を梁24上に設置し、そのプレキャストコンクリート部16を梁24上に突出させた状態で、床版上に梁・床用コンクリートを打設して、この梁・床用コンクリートを階下の梁24より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18に打設し、階下の柱部材12を階下の梁24と一体化させた状態としておく。
次に、階下の梁24上に階上の柱を立設して、この柱上に階上の梁24を掛け渡し、この階上の梁24上に階上の床版を敷設する。
次いで、階下の梁24から上方に突出するプレキャストコンクリート部16の上面27に、図3(2)に示すように、制振装置14を設置する。
この制振装置14は、上下ベースプレート36、38に、図3(2)の上方の平面図に示すように、鋼材を溶接して周囲及び中央部にシヤーキー62を設けて凹凸部を形成した状態となっており、この下ベースプレート38に形成した連結孔46にプレキャストコンクリート部16の上面27より突出する主筋20の上端部26を挿通させ、下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16の上面27との間に隙間をあけて切離部50を形成しておく。
次いで、図3(3)に示すように、階上の梁24上から階上の梁24を貫通させて、階上の柱部材12の現場打ちコンクリート打設部18を階上の梁24下方に突出させ、そのプレキャストコンクリート部16を階上の梁24に設置する。
この状態で、階上の現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端部を制振装置14の上ベースプレート36の連結孔46に挿通させて、ナット48を装着し、切離部50を保持した状態で連結固定し、現場打ちコンクリート打設部18の周囲にコンクリート型枠を取り付けて階上の床版上に梁・床用コンクリート32を打設し、この梁・床用コンクリート32を、階上の梁24より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18に打設する。
この場合、切離部50によって、施工時荷重と縁が切られた状態となっており、施工時荷重は制振装置14に作用せず、制振装置14の性能に影響を与えることなく上層階の躯体施工を行うことができる。
そして、図3(4)に示すように、一定期間をおいて、現場打ちコンクリート打設部18に打設した梁・床用コンクリート32が固まった状態で、コンクリート型枠を取り外し、プレキャストコンクリート部16の上面27から突出する主筋20の上端部26にナット48を取り付けて制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16とを連結固定し、切離部50内にグラウト材64を注入、充填して制振装置14とプレキャストコンクリート部16とを一体化する。
グラウト材64としては、例えば、モルタルやエポキシ樹脂などの接着材を用いることができる。
この場合、シヤーキー60、62とグラウト材64がスライド防止手段として作用することとなり、さらにこの制振装置14に連結された主筋26により地震時の地震力を伝達可能にするとともに、制振装置14に定着した主筋20により引っ張り力を伝達させることができる。
他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様につき説明を省略する。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示す図である。
この実施の形態では、図4(2)〜(4)に示すように、制振装置の上下ベースプレートに頭付きのスタッド66を複数本、例えば8本溶接して、制振装置の上下に突出させた状態としておき、下の柱部材を構成するプレキャストコンクリート部16の上面に図4(1)の上側の平面図に示すように、スタッド66対応位置にスタッド受け穴68を形成している。
そして、図4(1)に示すように、階下の梁24上に階下の柱部材を貫通させた状態でプレキャストコンクリート部16を設置し、梁・床用コンクリート32を打設して現場打ちコンクリート打設部18へ打設する。
次に、図4(2)に示すように、制振装置14の下ベースプレート38より突出するスタッド66をプレキャストコンクリート部16の上面27に形成したスタッド受け穴68に差し込むとともに、プレキャストコンクリート部16の上面27から突出する主筋20の上端部26を下ベースプレートの連結孔46に挿通させ、制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16の上面27との間に隙間を設けて切離部50を形成しておく。
次いで、図4(3)に示すように、階上の梁24を設置した後、階上の梁24上から階上の梁24を貫通させて、階上の柱部材12の現場打ちコンクリート打設部18を階上の梁24下方に突出させ、そのプレキャストコンクリート部16を階上の梁24に設置する。
この状態で、制振装置14の上ベースプレート36から突出するスタッド66を現場打ちコンクリート打設部18に挿入させた状態で、この階上の現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端部を上ベースプレート36の連結孔46に挿通させて切離部50を保持した状態でナット48を装着し連結固定し、現場打ちコンクリート打設部18の周囲にコンクリート型枠を取り付け、階上の床版上に梁・床用コンクリート32を打設し、現場打ちコンクリート打設部18への打設を行う。
この上層階の躯体施工を行う際に、切離部50によって施工時荷重と縁が切られた状態となっているため、施工時荷重は制振装置14に作用せず、制振装置14の性能に影響を与えることなく上層階の躯体施工を行うことができる。
そして、図4(4)に示すように、一定期間をおいて、現場打ちコンクリート打設部18に打設した梁・床用コンクリート32が固まった状態で、コンクリート型枠を取り外し、プレキャストコンクリート部16の上面27から突出する主筋20の上端部26にナット48を取り付けて制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16とを連結固定する。
次いで、制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16の上面27との間に形成された切離部50内にグラウト材64を注入、充填して、下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16とを接合、一体化する。
これによって、スタッド66とスタッド受け穴68及びグラウト材64が地震時における制振装置14のスライド防止手段として作用することとなり、地震時のエネルギーを制振装置14によって確実に吸収することができる。
また、上ベースプレート36より突出させたスタッド66が現場打ちコンクリート打設部18へのコンクリートの打設時に、現場打ちコンクリート打設部18と一体化するため、制振装置14と現場打ちコンクリート打設部18との接合強度を十分に高めることができる。
他の構成及び作用は、前記各実施の形態と同様につき説明を省略する。
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示す図である。
この実施の形態では、図5(1)に示すように、階下の梁24上から階下の梁24を貫通させて階下の柱部材の現場打ちコンクリート打設部18を下方に突出させ、階下の梁24上方に突出する状態でプレキャストコンクリート部16を設置し、階下の床版上に梁・床用コンクリートを打設して階下の現場打ちコンクリート打設部18へのコンクリートの打設を行う。
次に、図5(2)に示すように、下の柱部材である、プレキャストコンクリート部16の上面に、制振装置14を載置し、この制振装置14の下ベースプレート36とプレキャストコンクリート部16の上面27との間にくさび70を打ち込み、制振装置14の下ベースプレート38と、プレキャストコンクリート部16の上面27との間に隙間を設けて切離部50を形成しておく。
この状態で、プレキャストコンクリート部16の上面27より突出する主筋20の上端部26を下ベースプレート38より突出させ、ナット48を装着して連結固定した状態とする。
次いで、図5(3)に示すように、階上の梁24を設置した状態で、階上の梁24上から階上の梁24を貫通させて階上の柱部材12の現場打ちコンクリート打設部18を階上の梁下方に突出させ、そのプレキャストコンクリート部16を階上の梁に設置する。
この状態で、階上の現場打ちコンクリート打設部18の荷重受け鉄筋としての主筋20の下端部を制振装置14の上ベースプレート36を貫通させて、ナット48を装着し、連結固定する。
また、プレキャストコンクリート部16の荷重受け鉄筋としての主筋20の上端部26と、現場打ちコンクリート打設部の主筋26の下端部とをねじ付きのつなぎ鉄筋72で連結して、上層階の施工時荷重を主筋20及びつなぎ鉄筋72を介してプレキャストコンクリート部16へと伝達するようにしている。
このつなぎ鉄筋72の上端部と場所打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端部とは、別途設けたナット74にて連結し、つなぎ鉄筋72の下端部とプレキャストコンクリート部16の主筋20の上端部26とは、上端部26に取り付けられているナット48を用いて連結するようにしている。
そして、階上の梁より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の周囲にコンクリート型枠を取り付け、階上の床版上に梁・床用コンクリートを打設し、この梁・床用コンクリートを現場打ちコンクリート打設部18に打設する。
この際、切離部50により、施工時荷重と縁が切られた状態となっているため、階上の施工時荷重は、制振装置14に作用せず、制振装置14の性能に影響を与えることなく上層階の躯体施工を行うことができる。
そして、一定期間をおいて、図5(4)に示すように、現場打ちコンクリート打設部18に打設した梁・床用コンクリートが固まった状態で、コンクリート型枠を取り外し、つなぎ鉄筋72及びナット74と、くさび70とを取り外し、制振装置14の下ベースプレート38とプレキャストコンクリート部16の上面27との間に形成された切離部50にグラウト材64を注入し、注入、充填して、制振装置14とプレキャストコンクリート部16とを接合、一体化する。
なお、上述したつなぎ鉄筋72及びナット74とくさび70とは、次の制振柱の構築に用いることが可能である。
また、つなぎ鉄筋72及びナット74とくさび70とは、どちらか一方でも施工可能である。
他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様につき、説明を省略する。
図6は、本発明の第5の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示す図である。
この実施の形態では、階下の梁24上に階下の柱部材12のプレキャストコンクリート部16を設置する際に、プレキャストコンクリート部16と階下の梁24との間に隙間を設けて切離部50を形成した状態としておく。
このプレキャストコンクリート部16の階下の現場打ちコンクリート打設部18の主筋20との継手は、スリーブ継手76とされ、このスリーブ継手76を調整することで、切離部50の隙間を調整可能にしている。
そして、この状態でプレキャストコンクリート部16の上面27に制振装置14を設置し、プレキャストコンクリート部16の上面27より突出する主筋20の上端部26を制振装置14の下ベースプレート38に貫通させ、ナット48を装着して連結固定する。
次いで、階上の梁24を設置した状態で、階上の梁24上から柱部材12を貫通させて現場打ちコンクリート打設部18を梁24の下方に突出させた状態で梁24上にプレキャストコンクリート部16を設置する。
次に、階上の現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の下端を制振装置14の上ベースプレート36に貫通させ、ナット48を装着して連結固定する。
次に、階上の現場打ちコンクリート打設部18の主筋20の周囲にコンクリート型枠を取り付け、階上の床版上に梁・床用コンクリート32を打設し、この梁・床用コンクリート32を、階上の梁24より下方に突出する現場打ちコンクリート打設部18に打設する。
この場合、プレキャストコンクリート部16と、階下の梁24との間に切離部50が存在するため、階上の躯体施工時荷重と縁が切られた状態となっており、施工時荷重は制振装置14に作用せず、制振装置14の性能に影響を与えることなく上層階の躯体施工を行うことができる。
そして、一定期間をおいて、現場打ちコンクリート打設部18に打設した梁・床用コンクリート32が固まった状態で、コンクリート型枠を取り外し、プレキャストコンクリート部16と梁24との間に形成された切離部50及びスリーブ継手76にグラウト材64を注入、充填し、プレキャストコンクリート部16と梁24との接合、一体化を図るようにしている。
他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様につき説明を省略する。
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
例えば、前記実施の形態では、切離部を制振装置の下ベースプレートとプレキャストコンクリート部の上面との間、あるいは、プレキャストコンクリート部と階下の梁との間に形成する場合について説明したが、この例に限らず、制振柱の頭部と上層階の梁との間、あるいは、制振柱の上面と上の柱部材との間とに形成することも可能である。
また、前記各実施の形態のでは、下の柱部材をプレキャストコンクリート部で形成し、上の柱部材を現場打ちコンクリート打設部で形成するようにしているが、この例に限らず、上下の柱部材をともにプレキャストコンクリート部としてもよく、あるいは、上の柱部材をプレキャストコンクリート部とし、下の柱部材を現場打ちコンクリート打設部とすることも可能である。
さらに、前記各実施の形態では、制振装置を1個だけ用いる場合について説明したが、この例に限らず複数の制振装置を備えた制振柱とすることもでき、この場合、制振柱の少なくともいずれか1ヶ所に切離部を形成するようにするとよい。
本発明の第1の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示すもので、(1)は、階下の梁上にプレキャストコンクリート部を設置する状態を示す断面図、(2)は(1)の状態からプレキャスト部の上面に制振装置を設置し切離部を形成した状態を示す断面図、(3)は(2)の状態から階上の現場打ちコンクリート打設部を配置して制振装置と連結した状態を示す断面図、(4)は(3)の状態からプレキャストコンクリート部と制振装置とを連結し、切離部を接合した状態を示す断面図である。 図1(4)の切離部の接合時におけるプレキャストコンクリート部の主筋とナットの状態を示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示すもので、(1)は、上面にシヤーキーを形成したプレキャストコンクリート部を階下の梁上に設置する状態を示す断面図、(2)は制振装置の上下ベースプレートにシヤーキーを形成したベースプレートとプレキャストコンクリート部の上面との間に切離部を形成して制振装置を設置した状態を示す断面図、(3)は(2)の状態から階上の現場打ちコンクリート打設部を設置し、制振装置と連結した状態を示す断面図、(4)は(3)の状態からプレキャストコンクリート部と制振装置とを連結し切離部に充填材を注入し接合した状態を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示すもので、(1)は上面にスタッド受け穴を形成したプレキャストコンクリート部を階下の梁に設置した状態を示す断面図、(2)は(1)の状態から制振装置より突出させたスタッドをプレキャストコンクリート部の上面に形成したスタッド受け穴に挿入した状態を示す断面図、(3)は(2)の状態から階上の現場打ちコンクリート部を設置し制振装置と連結した状態を示す断面図、(4)は(3)の状態からプレキャストコンクリート部と制振装置とを連結し切離部を接合一体化した状態を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示すもので、(1)はプレキャストコンクリート部を階下の梁上に設置する状態を示す正面図、(2)は(1)で設置したプレキャストコンクリート部の上面に切離部を形成した状態で制振装置を取り付けた状態を示す正面図、(3)は(2)の状態から階上の現場打ちコンクリート打設部を設置し、階上の現場打ちコンクリート打設部の主筋とプレキャストコンクリート部の主筋とをつなぎ鉄筋で連結する状態を示す正面図、(4)は図3の状態から現場打ちコンクリート部にコンクリートを打設した後つなぎ鉄筋を取り外し切離部を接合一体化する状態を示す正面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る制振柱の構築方法を示す断面図である。
符号の説明
10 制振柱
12 柱部材
14 制振装置
16 プレキャストコンクリート部
18 現場打ちコンクリート打設部
20 主筋
24 梁
26 上端部
27 上面
28 ねじ
36 上ベースプレート
38 下ベースプレート
42 低降伏点鋼パネル
46 連結孔
48 ナット
50 切離部
52 接着材
54 空気抜き用の孔
60、62 シヤーキー
64 グラウト材
66 スタッド
68 スタッド受け穴
72 つなぎ鉄筋
74 ナット

Claims (5)

  1. 上層階の梁と下層階の梁との間に制振装置を組み込んだ制振柱を構築する制振柱の構築方法であって、
    前記制振柱に、前記制振装置に作用する荷重を伝達しない切離部を形成する工程と、
    前記切離部により前記上層階の施工中に生じる施工時荷重が前記制振装置に作用するのを防止した状態で前記上層階の躯体施工を行う工程と、
    前記上層階の躯体施工終了後、前記制振柱の切離部を接合する工程と、
    を含むことを特徴とする制振柱の構築方法。
  2. 請求項1において、
    前記切離部は、前記制振柱の頭部と前記上層階の梁との間に形成されることを特徴とする制振柱の構築方法。
  3. 請求項1において、
    前記切離部は、前記制振柱の脚部と前記下層階の梁との間に形成されることを特徴とする制振柱の構築方法。
  4. 請求項1において、
    前記制振柱は、柱部材と前記制振装置とが連結され、
    前記切離部は、前記柱部材と前記制振装置との間に形成されることを特徴とする制振柱の構築方法。
  5. 請求項4において、
    前記制振装置は、上下の柱部材間に配設され、
    前記上下の柱部材には、対向面よりねじ付きの荷重受け鉄筋が突出され、
    これら上下の荷重受け鉄筋をねじ付きのつなぎ鉄筋及びナットで連結して前記上下の柱部材の一方と前記制振装置との間に前記切離部が形成されることを特徴とする制振柱の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103835522A (zh) * 2014-02-28 2014-06-04 浙江海天建设集团有限公司 短墙支撑耗能减震加固结构及施工工艺

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