JP2005089549A - 球状高分子ゲル粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 調光材料等への応用が可能な球状高分子ゲル粒子、前記球状高分子ゲル粒子の効率の良い製造方法の提供。
【解決手段】 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子及びその製造方法であって、少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種を構成するモノマーを重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を経て製造されることを特徴とする球状高分子ゲル粒子及びその製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子及びその製造方法であって、少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種を構成するモノマーを重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を経て製造されることを特徴とする球状高分子ゲル粒子及びその製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱などの外部刺激により体積変化する、表示素子、センサー、調光ガラス、調光フイルム等に応用可能な球状高分子ゲル粒子及びその製造方法に関する。
近年、熱、光、電場、溶媒組成変化などの外部刺激に応答する材料として高分子ゲル材料が注目されている。
先に本発明者らは、粒子状の感熱性高分子ゲル中に高濃度の色素を含有させた調光材料を提案している(例えば、特許文献1参照。)。当該調光材料に適用することができる感熱性高分子ゲルの例としては、N−イソプロピルアクリルアミドの架橋ポリマーのように低温で膨潤し高温で収縮するタイプの高分子ゲル、あるいはアクリルアミドの架橋ポリマーとポリアクリル酸の架橋ポリマーとを複合化してなるIPN(相互侵入高分子網目化)ゲルのように、低温で収縮し高温で膨潤するタイプの高分子ゲル等が挙げられる。
特開平11−236559号公報
先に本発明者らは、粒子状の感熱性高分子ゲル中に高濃度の色素を含有させた調光材料を提案している(例えば、特許文献1参照。)。当該調光材料に適用することができる感熱性高分子ゲルの例としては、N−イソプロピルアクリルアミドの架橋ポリマーのように低温で膨潤し高温で収縮するタイプの高分子ゲル、あるいはアクリルアミドの架橋ポリマーとポリアクリル酸の架橋ポリマーとを複合化してなるIPN(相互侵入高分子網目化)ゲルのように、低温で収縮し高温で膨潤するタイプの高分子ゲル等が挙げられる。
しかしながら、上記の感熱性高分子ゲルを実際の調光材料として応用するには、いくつかの問題があった。
上記感熱性高分子ゲルを調光材料として用いる場合、光学的特性あるいは素子の製造性等の理由から、直径数μm乃至数十μm程度の真球状の粒子として製造することが望まれる。
一方、上記高温膨潤型のIPNゲルのように2成分の架橋ポリマーからなる高分子ゲルを製造するには、まず第1の高分子成分のみからなる高分子ゲルを合成した後、そのゲル中に第2の高分子成分の原料モノマーを浸透させた後に重合させる必要がある。ところが、この製造法を粒子状の高分子ゲルに適用しようとした場合、第1の高分子成分のみからなるゲル粒子中に第2の高分子成分のモノマーを浸透させた後も、粒子間の間隙に第2の高分子成分のモノマーが残留してしまうため、その結果、粒子の外部に第2の高分子成分からなる高分子ゲルを形成してしまい、粒子間の連結が生じてしまうという問題があった。
また、粒子外部でのゲルの形成を抑制するために反応速度や分子間架橋の密度を制御しようとすると、粒子内部における第2の高分子成分の複合化も抑制されてしまい、安定した組成の高分子ゲルを製造し難いという問題があった。
上記感熱性高分子ゲルを調光材料として用いる場合、光学的特性あるいは素子の製造性等の理由から、直径数μm乃至数十μm程度の真球状の粒子として製造することが望まれる。
一方、上記高温膨潤型のIPNゲルのように2成分の架橋ポリマーからなる高分子ゲルを製造するには、まず第1の高分子成分のみからなる高分子ゲルを合成した後、そのゲル中に第2の高分子成分の原料モノマーを浸透させた後に重合させる必要がある。ところが、この製造法を粒子状の高分子ゲルに適用しようとした場合、第1の高分子成分のみからなるゲル粒子中に第2の高分子成分のモノマーを浸透させた後も、粒子間の間隙に第2の高分子成分のモノマーが残留してしまうため、その結果、粒子の外部に第2の高分子成分からなる高分子ゲルを形成してしまい、粒子間の連結が生じてしまうという問題があった。
また、粒子外部でのゲルの形成を抑制するために反応速度や分子間架橋の密度を制御しようとすると、粒子内部における第2の高分子成分の複合化も抑制されてしまい、安定した組成の高分子ゲルを製造し難いという問題があった。
粒子間の連結を生じさせることなく粒子状の高分子ゲルを得るためには、例えば上記重合反応をキャピラリー中で行なう方法が提案されている(Ilmain et al., Nature, 349, 400, 1991.)。
しかしながら、この方法では大量の試料を処理することは困難であり、工業的な製造プロセスに適用することは困難であった。
また、溶液重合法等により第1の高分子成分からなるバルク状の高分子ゲルを合成し、これに第2の高分子成分のモノマーを浸透させた後に重合し、それを機械的に粉砕する等の方法も考えられる。
しかしながら、この方法により得られた高分子ゲル粒子は不定形の形状になってしまうため、前記調光材料等に最適な、球状のゲル粒子が得られないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、上記の諸問題を解決し、調光材料等への応用が可能な球状高分子ゲル粒子を提供することにある。また、本発明の別の課題は、調光材料等への応用が可能な球状高分子ゲル粒子の効率の良い製造方法を提供することにある。
しかしながら、この方法では大量の試料を処理することは困難であり、工業的な製造プロセスに適用することは困難であった。
また、溶液重合法等により第1の高分子成分からなるバルク状の高分子ゲルを合成し、これに第2の高分子成分のモノマーを浸透させた後に重合し、それを機械的に粉砕する等の方法も考えられる。
しかしながら、この方法により得られた高分子ゲル粒子は不定形の形状になってしまうため、前記調光材料等に最適な、球状のゲル粒子が得られないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、上記の諸問題を解決し、調光材料等への応用が可能な球状高分子ゲル粒子を提供することにある。また、本発明の別の課題は、調光材料等への応用が可能な球状高分子ゲル粒子の効率の良い製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、
<1> 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子である。
<1> 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子である。
<2> 調光用材料を含有することを特徴とする<1>に記載の球状高分子ゲル粒子である。
<3> 前記高分子複合体を形成する高分子化合物の一種が少なくともカルボキシル基を含有し、他の高分子化合物の少なくとも一種が、少なくともカルボン酸アミド基を含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の球状高分子ゲル粒子である。
<4> 少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種を構成するモノマーを懸濁重合又は乳化重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を経て製造されることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の球状高分子ゲル粒子である。
<5> 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子の製造方法であって、少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種を構成するモノマーを懸濁重合又は乳化重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を有することを特徴とする球状高分子ゲル粒子の製造方法である。
<6> 前記高分子ゲル粒子分散液を調製する工程において、前記溶媒に調光用材料を添加することを特徴とする<5>に記載の球状高分子ゲル粒子の製造方法である。
本発明の球状高分子ゲル粒子は、熱等の外部刺激に対して大きな体積変化を示す。また、本発明の球状高分子ゲル粒子の製造方法によれば、本発明の球状高分子ゲル粒子を効率よく製造できる。
<球状高分子ゲル粒子>
本発明の球状高分子ゲル粒子は、相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする。
本発明の球状高分子ゲル粒子は、液体の存在下で温度変化、pH変化、イオン濃度変化などの外部からの刺激によって、液体を吸収・放出(膨潤、収縮)することによって体積変化する性質を持つ。
前記相互作用としては、例えば、水素結合及びイオン結合などが挙げられる。
本発明において、相互作用により高分子複合体を形成する少なくとも二種類の高分子化合物は、相互進入網目構造体(IPN)や、ランダム及びブロック、グラフト共重合体等の架橋体を形成してなる。
本発明に用いられる少なくとも二種類の高分子化合物は、相互に水素結合を形成することによりIPNを形成し得る高分子化合物であることが好ましい。
本発明の球状高分子ゲル粒子は、相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする。
本発明の球状高分子ゲル粒子は、液体の存在下で温度変化、pH変化、イオン濃度変化などの外部からの刺激によって、液体を吸収・放出(膨潤、収縮)することによって体積変化する性質を持つ。
前記相互作用としては、例えば、水素結合及びイオン結合などが挙げられる。
本発明において、相互作用により高分子複合体を形成する少なくとも二種類の高分子化合物は、相互進入網目構造体(IPN)や、ランダム及びブロック、グラフト共重合体等の架橋体を形成してなる。
本発明に用いられる少なくとも二種類の高分子化合物は、相互に水素結合を形成することによりIPNを形成し得る高分子化合物であることが好ましい。
本発明においては、前記高分子複合体を形成する高分子化合物の一種が少なくともカルボキシル基を含有し、他の高分子化合物の少なくとも一種が、少なくともカルボン酸アミド基を含有することが好ましい。
前記カルボン酸アミド基を含有する高分子化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のカルボン酸アミド基を含有するモノマーから合成される架橋ポリマーが挙げられるが、中でも、アクリルアミドから合成される架橋ポリマーが最も好ましい。
前記カルボン酸アミド基を含有する高分子化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のカルボン酸アミド基を含有するモノマーから合成される架橋ポリマーが挙げられるが、中でも、アクリルアミドから合成される架橋ポリマーが最も好ましい。
前記カルボキシル基を含有する高分子化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基を含有するモノマーから合成される架橋ポリマーが挙げられるが、中でもアクリル酸から合成される架橋ポリマーが最も好ましい。
前記高分子化合物の合成には、必要に応じて各種架橋剤を併用することもできる。
前記架橋剤としては、分子内に重合性不飽和基、反応性官能基などを2個以上有する化合物を挙げることができる。上記重合性不飽和基を2個以上有する化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンなどのポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、前記ポリオール類とマレイン酸、フマル酸などの不飽和酸類とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類、トリレジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミン酸エステル類、アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、その他のテトラアリロキシエタン、ペンタンエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメチルエーテルなどの多価アリル系化合物を挙げることができる。
前記架橋剤としては、分子内に重合性不飽和基、反応性官能基などを2個以上有する化合物を挙げることができる。上記重合性不飽和基を2個以上有する化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンなどのポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、前記ポリオール類とマレイン酸、フマル酸などの不飽和酸類とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類、トリレジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミン酸エステル類、アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、その他のテトラアリロキシエタン、ペンタンエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメチルエーテルなどの多価アリル系化合物を挙げることができる。
これらの中でも本発明には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどが好ましく使用される。
また、反応性官能基を2個以上有する化合物としては、ジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ化合物、ジおよびトリイソシアネート化合物などを挙げることができる。ジグリシジルエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。その他、ハロエポキシ化合物の具体例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリンなどを挙げることができる。また、ジイソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを挙げることができる。これらの中でも本発明には、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが好ましく使用される。 このうち特に好ましいのはN,N′‐メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。
また、反応性官能基を2個以上有する化合物としては、ジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ化合物、ジおよびトリイソシアネート化合物などを挙げることができる。ジグリシジルエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。その他、ハロエポキシ化合物の具体例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリンなどを挙げることができる。また、ジイソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを挙げることができる。これらの中でも本発明には、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが好ましく使用される。 このうち特に好ましいのはN,N′‐メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。
本発明の球状高分子ゲル粒子は、それ自身でも体積変化にともない光散乱性が変化するという調光能を示すが、より大きな調光特性や色変化を発現するために調光用材料を含有することが好ましい。
前記調光用材料としては、多くの公知な顔料および染料から任意に選択することができるが、本発明の球状高分子ゲル粒子の製造において、モノマーおよび不連続相である水との親和性を向上するために、前記調光用材料の表面に親水化処理を施すことが望ましい。ここで、親水化処理は、主にカルボキシル基、ホスホン基、スルホン基、硫酸基などのイオン性官能基を結合させることにより行われる。
本発明に用いられる調光用材料としては、染料、顔料や光散乱材などが挙げられる。また調光用材料は球状高分子ゲル粒子に物理的あるいは化学的に固定化されることが好ましい。
前記調光用材料としては、多くの公知な顔料および染料から任意に選択することができるが、本発明の球状高分子ゲル粒子の製造において、モノマーおよび不連続相である水との親和性を向上するために、前記調光用材料の表面に親水化処理を施すことが望ましい。ここで、親水化処理は、主にカルボキシル基、ホスホン基、スルホン基、硫酸基などのイオン性官能基を結合させることにより行われる。
本発明に用いられる調光用材料としては、染料、顔料や光散乱材などが挙げられる。また調光用材料は球状高分子ゲル粒子に物理的あるいは化学的に固定化されることが好ましい。
染料の好適な具体例としては、例えば、黒色のニグロシン系染料や赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラー染料であるアゾ染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ベリノン染料などが挙げられ、特に光吸収係数が高いものが望ましい。
一方、顔料および光散乱材の好適な具体例としては、黒色顔料であるブロンズ粉、チタンブラック、各種カーボンブラック(チャネルブラック、ファーネスブラック等)、白色顔料である酸化チタン、シリカなどの金属酸化物、炭酸カルシウムや金属紛などの光散乱材やカラー顔料である。例えば、フタロシアニン系のシアン顔料、ベンジジン系のイエロー顔料、ローダミン系のマゼンタ顔料、あるいはこの他にもアントラキノン系、アゾ系、アゾ金属錯体、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジゴ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、アリルアミド系などの各種顔料や光散乱材を挙げることができる。
一方、顔料および光散乱材の好適な具体例としては、黒色顔料であるブロンズ粉、チタンブラック、各種カーボンブラック(チャネルブラック、ファーネスブラック等)、白色顔料である酸化チタン、シリカなどの金属酸化物、炭酸カルシウムや金属紛などの光散乱材やカラー顔料である。例えば、フタロシアニン系のシアン顔料、ベンジジン系のイエロー顔料、ローダミン系のマゼンタ顔料、あるいはこの他にもアントラキノン系、アゾ系、アゾ金属錯体、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジゴ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、アリルアミド系などの各種顔料や光散乱材を挙げることができる。
<球状高分子ゲル粒子の製造方法>
本発明の球状高分子ゲル粒子は、少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種(以下、第一の高分子成分と称することがある。)を構成するモノマーを懸濁重合又は乳化重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種(以下、第二の高分子成分と称することがある。)を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を経て製造されることが好ましい。
上記工程を経て製造される球状高分子ゲル粒子は、真球度が高いため好ましい。
前記第二の高分子成分を構成するモノマーの重合方法としては、懸濁重合法又は乳化重合法が好ましい。
本発明において、第一及び第二の高分子成分を構成するモノマーの重合方法として、懸濁重合法の一種である逆相懸濁重合法がより好ましい。
本発明において好ましく用いられるカルボン酸アミド基を有するモノマー、およびカルボキシル基を有するモノマーの重合に際しては、逆相懸濁重合法が好ましく用いられる。
本発明の球状高分子ゲル粒子は、少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種(以下、第一の高分子成分と称することがある。)を構成するモノマーを懸濁重合又は乳化重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種(以下、第二の高分子成分と称することがある。)を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を経て製造されることが好ましい。
上記工程を経て製造される球状高分子ゲル粒子は、真球度が高いため好ましい。
前記第二の高分子成分を構成するモノマーの重合方法としては、懸濁重合法又は乳化重合法が好ましい。
本発明において、第一及び第二の高分子成分を構成するモノマーの重合方法として、懸濁重合法の一種である逆相懸濁重合法がより好ましい。
本発明において好ましく用いられるカルボン酸アミド基を有するモノマー、およびカルボキシル基を有するモノマーの重合に際しては、逆相懸濁重合法が好ましく用いられる。
前記逆相懸濁重合を行なう場合の連続相の溶媒としては、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、流動パラフィン等の脂肪族系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶剤等が使用できるが、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶剤が最も好ましい。なお、前記有機溶剤は、必要に応じて2種類以上を混合して用いることもできる。
上記連続相には、必要に応じて分散安定剤を添加することができる。分散安定剤としては脂肪酸エステル類などの非イオン系界面活性剤が好適に使用できる。分散安定剤は、連続相の溶媒に対して、好ましくは0.1〜15質量%の範囲で用いられ、より好ましくは1〜5質量%の範囲で用いられる。
前記逆相懸濁重合法において、第一の高分子成分を構成するモノマーとしてカルボン酸アミド基を有するモノマーを用いた場合、カルボン酸アミド基を有するモノマーの濃度は、不連続相の溶媒としての水に対して5〜40質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲がさらに好ましい。また、架橋ポリマーを形成せしめるために、架橋剤としてN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)等の二官能性のモノマーが適量添加される。架橋剤の量は、第一の高分子成分を構成するモノマーに対して0.01〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜1%の範囲がさらに好ましい。
前記第一の高分子成分を構成するモノマーの重合反応には、一般のラジカル重合反応で用いられる各種の重合開始剤の中から、水溶性のものを選択して用いることができる。例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、あるいはそれと亜硫酸ナトリウム、等との組み合わせによるレドックス系重合開始剤等の中から適宜選択して用いることができる。
前記第一の高分子成分を構成するモノマーの重合反応には、一般のラジカル重合反応で用いられる各種の重合開始剤の中から、水溶性のものを選択して用いることができる。例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、あるいはそれと亜硫酸ナトリウム、等との組み合わせによるレドックス系重合開始剤等の中から適宜選択して用いることができる。
本発明の球状高分子ゲル粒子に調光用材料を含有させる場合、前記高分子ゲル粒子分散液を調製する工程において、前記溶媒に調光用材料を添加することが好ましい。また、前記逆相懸濁重合法を用いる場合、前記不連続相の溶媒としての水中に調光用材料を添加することが好ましい。これにより、本発明の球状高分子ゲル粒子中に調光用材料を含有させることができる。
前記逆相懸濁重合法において、第二の高分子成分を構成するモノマーとしてカルボキシル基を有するモノマーを用いた場合、カルボキシル基を有するモノマーの濃度は、溶媒としての水に対して1〜20質量%の範囲が好ましく、5〜15質量%の範囲がさらに好ましい。また、架橋ポリマーを形成せしめるために、架橋剤としてN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)、ジアリルアミン等の二官能性のモノマーが適量添加される。架橋剤の量は、第二の高分子成分を構成するモノマーに対して0.01〜5質量%の範囲が好ましく、0.05〜1質量%の範囲がさらに好ましい。
第二の高分子成分を構成するモノマーの量は、多すぎても少なすぎても本発明の本来の目的を達し得ない。第二の高分子成分を構成するモノマーの量は、第一の高分子成分を構成するモノマー1質量部に対して0.1〜5質量部の範囲から適宜選択されるが、0.5〜2質量部の範囲が最も好ましい。
前記第二の高分子成分を構成するモノマーの重合反応には、一般のラジカル重合反応で用いられる各種の重合開始剤の中から、水溶性のものを選択して用いることができる。例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩などの水溶性のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、あるいはそれと亜硫酸ナトリウム、等との組み合わせによるレドックス系重合開始剤等の中から適宜選択して用いることができる。
第二の高分子成分を構成するモノマーの量は、多すぎても少なすぎても本発明の本来の目的を達し得ない。第二の高分子成分を構成するモノマーの量は、第一の高分子成分を構成するモノマー1質量部に対して0.1〜5質量部の範囲から適宜選択されるが、0.5〜2質量部の範囲が最も好ましい。
前記第二の高分子成分を構成するモノマーの重合反応には、一般のラジカル重合反応で用いられる各種の重合開始剤の中から、水溶性のものを選択して用いることができる。例えば、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩などの水溶性のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、あるいはそれと亜硫酸ナトリウム、等との組み合わせによるレドックス系重合開始剤等の中から適宜選択して用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
回転式攪拌装置(50mmφマリン翼付き)を付けたセパラブルフラスコ(500ml)中に、セスキオレイン酸ソルビタン(SO−15R、日光ケミカルズ(株)製)6g、シクロヘキサン200mlを入れ、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった後、水浴中で20℃に保持した。
一方、アクリルアミド8g、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.024gを蒸留水11.5.gに溶解し、カーボンブラック分散液(TBK−BC3、大成加工(株)製、カーボンブラック含有率15.6質量%)22gを加え、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった。
この混合物に、過硫酸アンモニウム0.27gを冷水2mlに溶解した溶液を加えた後、前記シクロヘキサン溶液中に注加して、1200rpmで30分間攪拌、懸濁させた後、シクロヘキサン6.7mlに溶解したN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン1.1gを加え、攪拌翼の回転数を300rpmに落として、20℃で3時間攪拌を続けた。
この間に、アクリル酸16g、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.032gを冷水107gに溶解し、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった。この溶液に、冷水5mlに溶解した過硫酸アンモニウム0.05gを添加した後、前記反応装置内の混合物中に約10分かけて滴下し、20℃で1時間攪拌を続けた後、60℃に加熱して3時間攪拌を続けた。
反応終了後、混合物をN,N−ジメチルホルムアミド1L中に注ぎ、静置後、上澄みをデカンテーションで除去して、アセトン、ついで水で繰り返し洗浄して、カーボンブラックを含有するポリアクリルアミドゲルとポリアクリル酸ゲルからなるIPNゲル粒子の分散液を得た。
回転式攪拌装置(50mmφマリン翼付き)を付けたセパラブルフラスコ(500ml)中に、セスキオレイン酸ソルビタン(SO−15R、日光ケミカルズ(株)製)6g、シクロヘキサン200mlを入れ、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった後、水浴中で20℃に保持した。
一方、アクリルアミド8g、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.024gを蒸留水11.5.gに溶解し、カーボンブラック分散液(TBK−BC3、大成加工(株)製、カーボンブラック含有率15.6質量%)22gを加え、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった。
この混合物に、過硫酸アンモニウム0.27gを冷水2mlに溶解した溶液を加えた後、前記シクロヘキサン溶液中に注加して、1200rpmで30分間攪拌、懸濁させた後、シクロヘキサン6.7mlに溶解したN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン1.1gを加え、攪拌翼の回転数を300rpmに落として、20℃で3時間攪拌を続けた。
この間に、アクリル酸16g、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.032gを冷水107gに溶解し、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった。この溶液に、冷水5mlに溶解した過硫酸アンモニウム0.05gを添加した後、前記反応装置内の混合物中に約10分かけて滴下し、20℃で1時間攪拌を続けた後、60℃に加熱して3時間攪拌を続けた。
反応終了後、混合物をN,N−ジメチルホルムアミド1L中に注ぎ、静置後、上澄みをデカンテーションで除去して、アセトン、ついで水で繰り返し洗浄して、カーボンブラックを含有するポリアクリルアミドゲルとポリアクリル酸ゲルからなるIPNゲル粒子の分散液を得た。
以上のようにして得られたIPNゲル粒子について、以下の方法で熱的特性の評価を行なった。
上記IPNゲル粒子の分散液の一部を、大過剰の0.2%−ポリアクリル酸(Mw=25000)水溶液中に加え、この試料をスライドグラス上に乗せ、顕微鏡用ペルチェ式冷却加熱装置(ジャパンハイテック(株)製TH−99)を用いて、10〜60℃における粒径の変化を観測した。10℃での粒径を基準とした場合の温度に対する粒径変化量(10℃での粒径を1としたときの、10℃での粒径と各温度における粒径との比率)を第1図に示した。10〜60での粒径変化量は2.3と高い値を示し、アクリルアミドポリマーとアクリル酸ポリマーが複合化されていることが確認された。
上記IPNゲル粒子の分散液の一部を、大過剰の0.2%−ポリアクリル酸(Mw=25000)水溶液中に加え、この試料をスライドグラス上に乗せ、顕微鏡用ペルチェ式冷却加熱装置(ジャパンハイテック(株)製TH−99)を用いて、10〜60℃における粒径の変化を観測した。10℃での粒径を基準とした場合の温度に対する粒径変化量(10℃での粒径を1としたときの、10℃での粒径と各温度における粒径との比率)を第1図に示した。10〜60での粒径変化量は2.3と高い値を示し、アクリルアミドポリマーとアクリル酸ポリマーが複合化されていることが確認された。
[実施例2]
前記実施例1において、アクリル酸水溶液に添加する重合開始剤を、過硫酸アンモニウムに代えて、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.20gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、高分子ゲル粒子の分散液を得た。
以下、実施例1と同様にして、熱的特性の評価を行なった。その結果を第1図に示した。
10〜60での粒径変化量は2.2となり、実施例1と同様に、アクリルアミドポリマーとアクリル酸ポリマーが複合化されていることが確認された。
前記実施例1において、アクリル酸水溶液に添加する重合開始剤を、過硫酸アンモニウムに代えて、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.20gを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、高分子ゲル粒子の分散液を得た。
以下、実施例1と同様にして、熱的特性の評価を行なった。その結果を第1図に示した。
10〜60での粒径変化量は2.2となり、実施例1と同様に、アクリルアミドポリマーとアクリル酸ポリマーが複合化されていることが確認された。
[参考例1]
回転式攪拌装置(50mmφマリン翼付き)を付けたセパラブルフラスコ(500ml)中に、セスキオレイン酸ソルビタン(SO−15R、日光ケミカルズ(株)製)9g、シクロヘキサン300mlを入れ、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった後、水浴中で20℃に保持した。
一方、アクリルアミド12g、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.036gを蒸留水18.2gに溶解し、カーボンブラック分散液(TBK−BC3、大成加工(株)製、カーボンブラック含有率15.6質量%)34 gを加え、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった。
この混合物に、過硫酸アンモニウム0.41gを冷水3mlに溶解した溶液を加えた後、前記シクロヘキサン溶液中に注加して、1200rpmで30分間攪拌、懸濁させた後、シクロヘキサン10mlに溶解したN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン1.7gを加え、回転数を300rpmに落とし、20℃で3時間攪拌を続け、この混合物をN,N−ジメチルホルムアミド1L中に注ぎ、静置後、上澄みをデカンテーションで除去し、アセトン、ついで水で繰り返し洗浄した。
以上で得られたカーボンブラックとポリアクリルアミドゲルのみを含む高分子ゲル粒子について、実施例1と同様にして、熱的特性の評価を行なった。その結果を第1図に示した。
回転式攪拌装置(50mmφマリン翼付き)を付けたセパラブルフラスコ(500ml)中に、セスキオレイン酸ソルビタン(SO−15R、日光ケミカルズ(株)製)9g、シクロヘキサン300mlを入れ、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった後、水浴中で20℃に保持した。
一方、アクリルアミド12g、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.036gを蒸留水18.2gに溶解し、カーボンブラック分散液(TBK−BC3、大成加工(株)製、カーボンブラック含有率15.6質量%)34 gを加え、窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行なった。
この混合物に、過硫酸アンモニウム0.41gを冷水3mlに溶解した溶液を加えた後、前記シクロヘキサン溶液中に注加して、1200rpmで30分間攪拌、懸濁させた後、シクロヘキサン10mlに溶解したN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン1.7gを加え、回転数を300rpmに落とし、20℃で3時間攪拌を続け、この混合物をN,N−ジメチルホルムアミド1L中に注ぎ、静置後、上澄みをデカンテーションで除去し、アセトン、ついで水で繰り返し洗浄した。
以上で得られたカーボンブラックとポリアクリルアミドゲルのみを含む高分子ゲル粒子について、実施例1と同様にして、熱的特性の評価を行なった。その結果を第1図に示した。
[比較例1]
アクリル酸150g 、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.030gを蒸留水250gに溶解し、参考例1で得られたポリアクリルアミドゲル粒子分散液100g(固形分3.0g相当)を加え、窒素気流を通じながら室温で1時間攪拌した後、冷水1mlに溶解した過硫酸アンモニウム0.05gを加え、60℃に加熱して3時間攪拌を続けた。反応終了後、混合物を静置して、上澄みをデカンテーションで除去し、水で繰り返し洗浄して、カーボンブラックを含有するポリアクリルアミドゲルとポリアクリル酸ゲルからなるIPNゲル粒子の分散液を得た。
以下、実施例1と同様にして、熱的特性の評価を行なった。その結果を第1図に示した。
10〜60での粒径変化量は1.4と小さく、アクリル酸ポリマーの複合化が不十分であることが示唆された。
アクリル酸150g 、およびN,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)0.030gを蒸留水250gに溶解し、参考例1で得られたポリアクリルアミドゲル粒子分散液100g(固形分3.0g相当)を加え、窒素気流を通じながら室温で1時間攪拌した後、冷水1mlに溶解した過硫酸アンモニウム0.05gを加え、60℃に加熱して3時間攪拌を続けた。反応終了後、混合物を静置して、上澄みをデカンテーションで除去し、水で繰り返し洗浄して、カーボンブラックを含有するポリアクリルアミドゲルとポリアクリル酸ゲルからなるIPNゲル粒子の分散液を得た。
以下、実施例1と同様にして、熱的特性の評価を行なった。その結果を第1図に示した。
10〜60での粒径変化量は1.4と小さく、アクリル酸ポリマーの複合化が不十分であることが示唆された。
[比較例2]
前記比較例1において、アクリル酸、N,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)、およびポリアクリルアミドゲル粒子分散からなる混合物に加える過硫酸アンモニウムの量を0.1gとした以外は、比較例1と同様に操作した。反応終了後、反応液全体が粘重なゲル状になり、ゲル粒子の単離が困難な状態となった。
前記比較例1において、アクリル酸、N,N'−メチレン‐ビス(アクリルアミド)、およびポリアクリルアミドゲル粒子分散からなる混合物に加える過硫酸アンモニウムの量を0.1gとした以外は、比較例1と同様に操作した。反応終了後、反応液全体が粘重なゲル状になり、ゲル粒子の単離が困難な状態となった。
Claims (6)
- 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子。
- 調光用材料を含有することを特徴とする請求項1に記載の球状高分子ゲル粒子。
- 前記高分子複合体を形成する高分子化合物の一種が少なくともカルボキシル基を含有し、他の高分子化合物の少なくとも一種が、少なくともカルボン酸アミド基を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の球状高分子ゲル粒子。
- 少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種を構成するモノマーを懸濁重合又は乳化重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を経て製造されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の球状高分子ゲル粒子。
- 相互作用により高分子複合体を形成する、架橋構造を有する少なくとも二種類の高分子化合物を含有し、外部刺激に応じて体積変化することを特徴とする球状高分子ゲル粒子の製造方法であって、
少なくとも、溶媒中で前記高分子化合物の一種を構成するモノマーを懸濁重合又は乳化重合させて高分子ゲル粒子を含む高分子ゲル粒子分散液を調製する工程と、前記高分子ゲル粒子分散液に、さらに、前記高分子化合物の他の一種を構成するモノマーを添加して重合する工程と、を有することを特徴とする球状高分子ゲル粒子の製造方法。 - 前記高分子ゲル粒子分散液を調製する工程において、前記溶媒に調光用材料を添加することを特徴とする請求項5に記載の球状高分子ゲル粒子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2003322691A JP2005089549A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 球状高分子ゲル粒子およびその製造方法 |
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-
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- 2003-09-16 JP JP2003322691A patent/JP2005089549A/ja active Pending
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