JP2005086109A - アバランシ・フォトダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定かつ長寿命の長波長帯の超高速アバランシ・フォトダイオードを提供すること。
【解決手段】 n型電極層を、第1のn型電極層11と第2のn型電極層12とで構成することとし、第2のn型電極層12のn型領域が、なだれ増倍層13の外周に対して充分内側に位置するようにオーバーハングの程度を設定することとした。これにより、なだれ増倍層13の側面側の領域での電束密度は比較的低いものとなりこの領域での電界強度が低下して、光吸収層17とp型電極層18の各側面での電界強度も低減されるとともに、なだれ増倍層13の表面に集中する暗電流を低減させて、安定かつ長寿命の電子注入型APDを実現することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アバランシ・フォトダイオードに関し、より詳細には、安定かつ長寿命の長波長帯の超高速アバランシ・フォトダイオードに関する。
アバランシ・フォトダイオード(APD)は、光吸収により発生したキャリアの数を「なだれ増倍機構」により増大させるという特徴を有し、低ノイズの光レシーバとして用いられるデバイスである。最近の一般的な長波長帯向けAPDには、光吸収層となだれ増倍層とを分離した構成であるSAM(Separated Absorption and Multiplication)構造が採用されている(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)。
このSAM構造は、バルク結晶またはバンドギャップエネルギが互いに異なる半導体層を交互に積層させた超格子層により形成されたアバランシ層(なだれ増倍層)と光吸収層(光電変換層)とを機能的に分離独立させたものである。この構造によれば、なだれ増倍層のバンドギャップエネルギを光吸収層のそれよりも大きくすることにより、pn接合の暗電流を低減することができる。すなわち、光吸収層に高電界が印加されると、そのバンドギャップエネルギが小さいためにトンネル現象による暗電流が増大するので、pn接合の電圧のほとんどがなだれ増倍層にかかるように設計される。
APDにおいて低ノイズのデバイス動作を確保するためには、逆バイアスされた状態でpn接合部に生じる暗電流を一定レベル以下にすることが重要であり、さらに、暗電流の経時的な増加がなく安定で長寿命の素子を実現することも必須である。
1.5μm帯で使用されるAPD素子の基本的な形状はいわゆるメサ形であり、電界が比較的高いなだれ増倍領域の周辺やなだれ増倍層の側面表面だけではなく、空乏化した光吸収層の側面も暗電流の発生源となる。特に、APD素子の一般的な構成材料とされる化合物半導体の表面には深い準位が高密度に存在し、「発生再結合電流」が流れる。素子を長時間にわたって動作させるとこの発生再結合電流が表面の深い準位密度を増大させて表面劣化が進行し、暗電流がさらに増加する結果となる。このように、表面に起因する暗電流は素子の寿命を律則する大きな要因となることから、安定で長寿命のAPDを実現するためには、表面に印加される電界強度を下げることが重要となる。
従来から素子構造に工夫が施されてきた結果、現在では、「傾斜メサ構造」と「p型拡散電極層構造」(例えば、非特許文献2参照)とが採用されるようになっている。このうち「傾斜メサ構造」は電子注入型のAPDに用いられ、「p型拡散電極層構造」はホール注入型のAPDに用いられる。なお、逆の組合せがないのは、半導体基板側を抵抗の低いn型電極層とする必要があるからである。高速動作の観点からは電子注入型のAPDが有利であり、近年では、InGaAsを光吸収層、InAlAsをなだれ増倍層とするAPDが注目されている。先にも述べたように、n型電極層を基板側にとるかぎり、この電子注入型のAPDにはp型拡散電極を作製することができず、メサ構造とせざるを得ない。
特開平3−231477号公報 H. Kanbe et. al., "InGaAs Avalanche Photodiode with InP p-n Junction" Electronic Letters, Vol. 16, pp.163-165 (1980). Y. Kito et. al., "High-Speed Flip-Chip InP/InGaAs Avalanche Photodiodes with Ultralow Capacitance and Large Gain-Bandwidth Product", IEEE Trans. Photonics Tech. Lett., Vol.3, pp.1115-1116 (1991).
図5は、傾斜メサ構造を有する従来のAPDの構成を説明するための図で、このAPDは、図示しない基板の上に電極特性を得るための充分なドーピングがなされたn型電極層51を設け、この上に、なだれ増倍層52と、電界制御層53と、電界緩衝層54と、バンドギャップ傾斜層55と、光吸収層56と、電極特性を得るための充分なドーピングがなされたp型電極層57とが順次積層され、n型電極層51およびp型電極層57には各々の電極層に対応する金属電極58および59が設けられて構成されている。
この構造のAPDでは、なだれ増倍層52の側面が傾斜している分だけ光吸収層56となだれ増倍層52の側面における電界強度を下げることができる。しかしながら、例えこれらの側面に45°の傾斜を施しても電界強度の低減割合は1/1.4程度(約70%)が限界であり、必ずしも充分な電界強度低減効果を得ることができるわけではない。また、このような傾斜を施すために高度な加工技術が要求される。このような理由により、電子注入型のAPDは、例え動作初期の暗電流が低くても、動作時間に伴って暗電流が増大しやすく、安定で長寿命の素子の実現が困難であるという問題があった。
図6は、p型拡散電極層構造を有する従来のAPDの構成を説明するための図で、このAPDは、図示しない基板の上に電極特性を得るための充分なドーピングがなされたn型電極層61を設け、この上に、光吸収層62と、バンドギャップ傾斜層63と、電界緩衝層64と、電界制御層65と、なだれ増倍層66とが順次積層され、このなだれ増倍層66の表面からアクセプタとなる不純物を拡散させて形成したp型電極領域67が設けられている。したがって、いわゆる「なだれ増倍層」としての実効的な効果を奏するのは、p型電極領域67と電界制御層65との間に位置することとなる領域(なだれ増倍領域66a)である。なお、n型電極層61およびp型電極領域67には各々に対応する金属電極68および69が設けられている。
この構造のAPDでは、p型電極領域67を形成するためのアクセプタの拡散深さに相当する「拡散フロント位置」を素子表面から深い位置に設定することにより、なだれ増倍領域66aの周辺部のp型電極領域67と接する部分の電界集中を緩和することが可能となる。現在実用化されている長寿命の超高速APDの殆どはこのp型拡散電極層構造により作製されているが、このp型拡散電極層構造では、拡散フロント位置がなだれ増倍領域の縦方向(積層方向)の厚さを決定することとなるために高精度の不純物拡散制御が必要となり、素子製造歩留まり低下の要因となることに加え、電子注入型のAPDには適用できないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、安定かつ長寿命の長波長帯の超高速アバランシ・フォトダイオードを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、第1の発明は、アバランシ・フォトダイオードであって、基板上に、n型電極層となだれ増倍層と電界制御層と電界緩衝層とバンドギャップ傾斜層と光吸収層とp型電極層とが順次積層された積層構造を有し、前記n型電極層は、n型の第1の電極層と当該第1の電極層の主面の一部領域に設けられ、かつ、少なくとも一部にn型領域を有する第2の電極層とで構成されるとともに、前記光吸収層と前記第2の電極層のn型領域とは対向して設けられており、当該第2の電極層のn型領域を画定する外周は、前記なだれ増倍層の下面の外周に対して内側に位置するように設定されていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明のアバランシ・フォトダイオードにおいて、前記バンドギャップ傾斜層を上面とし、かつ、なだれ増倍層を下面とする第1のメサ構造の上に、p型電極層を上面とし、かつ、光吸収層を下面とする第2のメサ構造が、前記第1のメサ構造の上面であるバンドギャップ傾斜層の表面外周部に一定の幅を有するように配置されて設けられていることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明のアバランシ・フォトダイオードにおいて、前記第2の電極層のn型領域は、当該第2の電極層の外周側の所定領域を除く部分に設けられていることを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかのアバランシ・フォトダイオードにおいて、前記光吸収層を下面とする第2のメサ構造の外周は、前記第2の電極層のn型領域を画定する外周の外側に位置するように配置されていることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明のアバランシ・フォトダイオードにおいて、前記第2の電極層は、上面が下面よりも狭いテーパー形状を有していることを特徴とする。
本発明によれば、n型電極層を、第1のn型電極層と第2のn型電極層とで構成することとし、第2のn型電極層のn型領域が、なだれ増倍層の外周に対して充分内側に位置するようにオーバーハングの程度を設定することとしたので、なだれ増倍層の側面側の領域での電束密度は比較的低いものとなりこの領域での電界強度が低下して、光吸収層とp型電極層の各側面での電界強度も低減されるとともに、なだれ増倍層の表面に集中する暗電流を低減させて、安定かつ長寿命の電子注入型APDを実現することが可能となる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のAPDの第1の構造例を説明するための図で、このAPDでは、図示しない半導体基板の上に設けられたn型半導体の第1のn型電極層11と、この第1のn型電極層11の主面の一部領域に設けられた第2のn型電極層12とでn型電極を構成している。そして、この第2のn型電極層12の上には、なだれ増倍層13と電界制御層14と電界緩衝層15とバンドギャップ傾斜層16とが順次積層された構造体が、第2のn型電極層12の上表面から水平方向に張り出す(オーバーハング)ように設けられている。また、バンドギャップ傾斜層16の主面の一部であって第2のn型電極層12に対向する領域には、光吸収層17とp型電極層18とが順次積層され、さらに、第1のn型電極層11およびp型電極層18には各々の電極層に対応する金属電極19および20が設けられている。
すなわち、このAPDでは、バンドギャップ傾斜層16を上面とし、なだれ増倍層13を下面とする第1のメサ構造の上に、p型電極層18を上面とし光吸収層17を下面とする第2のメサ構造が、第1のメサ構造の上面であるバンドギャップ傾斜層16の表面外周部に一定の幅を有するように配置されて設けられ、かつ、第1のメサ構造が第2のn型電極層12の上表面から水平方向に張り出す(オーバーハング)ように設けられている構造が採用されている。
このような構造は、例えば以下のような手順により形成することが可能である。先ず半導体基板の上にAPDの構成に必要な各半導体層を順次エピタキシャル成長させ、その後に光吸収層17とp型電極層18とをメサ加工する。そして、第2のn型電極層12からバンドギャップ傾斜層16までの積層体をメサ加工し、さらに第2のn型電極層12の一部を側面からエッチングで除去してオーバーハング加工を施す。なお、電極加工は上記各工程の間に実行してもよく最後に行なうようにしてもよい。
この構造のAPDの動作状態においては、バンドギャップ傾斜層16、電界緩衝層15、電界制御層14、および、なだれ増倍層13の各層の、光吸収層17のメサ直下に位置する各領域は空乏化してAPD動作可能な領域となる。この空乏化は光吸収層17のメサ直下に位置する各層の各領域から徐々に横方向へと広がり、この空乏化領域の拡大に伴って素子表面の電位は低下する。表面電位が一定の程度(これは素子構造などのファクタにより決まる)まで低下すると、電界制御層14の側面側に電気的に中性な中性化領域14aが発生して側面側の表面電位が一定値に保たれるようになる。すなわち、第1のメサ構造表面の電位は、第2のメサ構造の端から遠ざかるにつれ低下し、この電位低下に伴い電界制御層14中に中性化領域14aが自動的に発生し、電界制御層14のドーピング濃度とリーク電流で決まるある電位に固定される。ここで説明した様な電位の分布や中性層の発生は、本発明の構造に限らず、光吸収層17のメサがその下の各層のメサの内側に配置されている構造では一般的なものである。すなわち本発明は、第2のn型電極層12を13〜16層からなるメサの内側に配置することに特徴がある。
このような状態でのAPD素子内での模式的な電気力線を図中に21で示している。本実施例では、第2のn型電極層12の外周が第1のメサ構造の下層であるなだれ増倍層13の外周に対して充分内側に位置するようにオーバーハングの程度が設定されているので、なだれ増倍層13の側面側の領域での電束密度は比較的低いものとなる。この電束密度の低下は、第1のn型電極層11の主面となだれ増倍層13の下面との間に第2のn型電極層12の厚み分だけのギャップがあるためである。なお、なだれ増倍層13のオーバーハング部分の誘電率が小さいほど電束密度低減の効果は大きい。なだれ増倍層13の側面領域での電束密度の低下はこの領域での電界強度の低下を意味するから、光吸収層17側面の電界強度が下がり暗電流が低減されるとともに、なだれ増倍層13の側面に集中する暗電流を低減させて、安定かつ長寿命の電子注入型APDを実現することが可能となる。
図2は、本発明のAPDの第2の構造例を説明するための図で、このAPDでは、図示しない半導体基板の上に設けられたn型半導体の第1のn型電極層11と、第1のn型電極層11の主面の一部領域に設けられた第2の電極層22と、この第2の電極層22の外周側の一定領域を除く部分に形成された第2の電極層のn型部分22aとでn型電極を構成し、さらに、第2の電極層22(および第2の電極層のn型部分22a)の上には、なだれ増倍層13と電界制御層14と電界緩衝層15とバンドギャップ傾斜層16とが順次積層された構造体が設けられている。また、バンドギャップ傾斜層16の主面の一部であって第2の電極層のn型部分22aに対向する領域には、光吸収層17とp型電極層18とが順次積層され、第1のn型電極層11およびp型電極層18には各々の電極層に対応する金属電極19および20が設けられている。ここで、第2の電極層のn型部分22aの外周は、バンドギャップ傾斜層16を上面とし第2の電極層22を下面とする第1のメサ構造の外周の内側に一定の幅を有するように設けられる。
すなわち、このAPDは、バンドギャップ傾斜層16を上面とし第2の電極層22を下面とする第1のメサ構造の上に、p型電極層18を上面とし光吸収層17を下面とする第2のメサ構造が、第1のメサ構造の上面であるバンドギャップ傾斜層16の表面外周部に一定の幅を有するように配置されるとともに、第2の電極層22の内部に形成される第2の電極層のn型部分22aの外周が第1のメサ構造の外周の内側に一定の幅を有するように設けられることで、第1のn型電極層11の主面となだれ増倍層13の下面との間に第2の電極層22の厚み分だけのギャップを設けることと実質的に同一の効果を得ている。
このような構造は、例えば、半導体基板の上に第1のn型電極層11と第2の電極層22とを順次エピタキシャル成長させ、第2の電極層22の所定の領域にイオン注入などの手法によりドナーとなるイオンをドーピングして第2の電極層のn型部分22aを形成し、再度、各層を構成する半導体層をエピタキシャル成長させた後に、メサ加工と電極加工を行なうことで得ることが可能である。
この構造のAPDの動作状態および電界制御層14の中性化領域14aの形成プロセスは実施例1で説明したとおりである。中性化領域14aが発生している状態でのAPD素子内での模式的な電気力線を図中に21で示している。本実施例では、第2の電極層のn型部分22aの外周が、なだれ増倍層13の外周に対して充分内側に位置するように第2の電極層のn型部分22aが形成されているので、なだれ増倍層13の側面側の領域での電束密度は比較的低いものとなる。なだれ増倍層13の側面領域での電束密度の低下はこの領域での電界強度の低下を意味するから、なだれ増倍層13の側面に集中する暗電流を低減させて、安定かつ長寿命の電子注入型APDを実現することが可能となる。
図3は、本発明のAPDの第3の構造例を説明するための図で、このAPDの基本構造は、バンドギャップ傾斜層16を上面としなだれ増倍層13を下面とする第1のメサ構造の上に設けられた、p型電極層18を上面とし光吸収層17を下面とする第2のメサ構造が、第1のメサ構造の上面であるバンドギャップ傾斜層16の表面外周部に図1に示したAPDよりも狭い幅を有するように配置されて設けられていること以外は図1に示した構造と同様である。なお、このAPDの製造プロセスは実施例1で説明したものと同様である。
この構造のAPDの動作状態においても、バンドギャップ傾斜層16、電界緩衝層15、電界制御層14およびなだれ増倍層13の、第2のn型電極層12の直上に位置する各領域は空乏化してAPD動作可能な領域となる。この空乏化は、第2のn型電極層12の外周が第1のメサ構造の下層であるなだれ増倍層13の外周に対して充分内側に位置するようにオーバーハングの程度が設定されていれば徐々に横方向へと広がり、この空乏化領域の拡大に伴ってなだれ増倍層13の下面表面の電位は低下する。表面電位が一定の程度(これも素子構造などにより決まる)まで低下すると、電界制御層14、電界緩衝層15およびバンドギャップ傾斜層16各層の側面側に中性化領域14bが発生して、電界制御層14の表面電位が一定値に保たれるようになる。すなわち、本構造は、光吸収層17の側面のバンドギャップ傾斜層に接する部分の電位降下が少なく、電界の発生と空乏化を抑えることができるのが特徴である。これは、光吸収層17の側面に起因する暗電流を低減させる。
このような状態でのAPD素子内での模式的な電気力線を図中に21で示している。実施例1で説明したのと同様のメカニズムにより、なだれ増倍層13の側面側の領域での電束密度は比較的低いものとなり、なだれ増倍層13の側面の電界強度は低下する。なだれ増倍層13の側面領域での電束密度の低下はこの領域での電界強度の低下を意味するから、なだれ増倍層13の表面に集中する暗電流を低減させる。上で述べた光吸収層17側面の暗電流の低下と併せて、本構造は、安定かつ長寿命の電子注入型APDを実現することが可能となる。
図4は、本発明のAPDの第4の構造例を説明するための図で、このAPDの基本構造は、第2のn型電極層23の形状をテーパー状としたこと以外は図2に示した構造と同様である。なお、このテーパー状の第2のn型電極層23は、その半導体組成を厚さ方向に徐々に変化させ、これを選択的にエッチングすることでオーバーハング加工を行うことで形成可能である。
第2のn型電極層23の形状をテーパー状とすると、図中に電気力線21で示したように、第2のn型電極層23の側面からなだれ増倍層13の側面側へと向かう電気力線が第2のn型電極層23の外周部付近に集中する程度が緩和され、なだれ増倍層13の裏面側領域での表面電界強度は低下する。これにより、光吸収層17の側面やなだれ増倍層13の側面のみならず、なだれ増倍層13の裏面での表面暗電流が低減されて、安定かつ長寿命の電子注入型APDを実現することが可能となる。
本発明のAPDの第1の構造例を説明するための図である。 本発明のAPDの第2の構造例を説明するための図である。 本発明のAPDの第3の構造例を説明するための図である。 本発明のAPDの第4の構造例を説明するための図である。 傾斜メサ構造を有する従来のAPDの構成を説明するための図である。 p型拡散電極層構造を有する従来のAPDの構成を説明するための図である。
符号の説明
11 第1のn型電極層
12、23 第2のn型電極層
13 なだれ増倍層
14 電界制御層
14a 中性化領域
15 電界緩衝層
16 バンドギャップ傾斜層
17 光吸収層
18 p型電極層
19、20 金属電極
21 電気力線
22 第2の電極層
22a 第2の電極層のn型部分
51、61 n型電極層
52、66 なだれ増倍層
53、65 電界制御層
54、64 電界緩衝層
55、63 バンドギャップ傾斜層
56、62 光吸収層
57 p型電極層
58、59、68、69 金属電極
66a なだれ増倍領域
67 p型電極領域

Claims (5)

  1. 基板上に、n型電極層となだれ増倍層と電界制御層と電界緩衝層とバンドギャップ傾斜層と光吸収層とp型電極層とが順次積層された積層構造を有し、
    前記n型電極層は、n型の第1の電極層と当該第1の電極層の主面の一部領域に設けられ、かつ、少なくとも一部にn型領域を有する第2の電極層とで構成されるとともに、前記光吸収層と前記第2の電極層のn型領域とは対向して設けられており、
    当該第2の電極層のn型領域を画定する外周は、前記なだれ増倍層の下面の外周に対して内側に位置するように設定されていることを特徴とするアバランシ・フォトダイオード。
  2. 前記バンドギャップ傾斜層を上面とし、かつ、なだれ増倍層を下面とする第1のメサ構造の上に、p型電極層を上面とし、かつ、光吸収層を下面とする第2のメサ構造が、前記第1のメサ構造の上面であるバンドギャップ傾斜層の表面外周部に一定の幅を有するように配置されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアバランシ・フォトダイオード。
  3. 前記第2の電極層のn型領域は、当該第2の電極層の外周側の所定領域を除く部分に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアバランシ・フォトダイオード。
  4. 前記光吸収層を下面とする第2のメサ構造の外周は、前記第2の電極層のn型領域を画定する外周の外側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のアバランシ・フォトダイオード。
  5. 前記第2の電極層は、上面が下面よりも狭いテーパー形状を有していることを特徴とする請求項4に記載のアバランシ・フォトダイオード。
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