JP2005085957A - 配線基板用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウエットエッチング時にサイドエッチングが少なく、ファインパターンを形成するに適した配線基板用積層体を提供する。
【解決手段】 ポリイミド樹脂溶液を金属箔上に塗工して得られる配線基板用積層体において、ポリイミド樹脂層の少なくとも1層として、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22wt%を添加した80℃、30wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度が4.0μm/min以上であり、かつ偏光レーザーラマン分光法で測定した1610cm-1におけるフィルム長手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(‖)とフィルム厚手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(⊥)との強度比R(=I1610(‖)/I1610(⊥))が2.0より大きいポリイミド樹脂層(I)を使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フレキシブルプリント基板等に用いられる配線基板用積層体に関し、特に、ウエットエッチング加工に適したポリイミド樹脂層を有する配線基板用積層体に関するものである。
フレキシブルプリント基板等に用いられる配線基板用積層体はポリイミドやポリエステルのフィルムと金属箔をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの接着剤を介して貼り合わせたり、接着剤を介することなく積層して製造されていた。そして、これまではこのような積層体への孔あけ加工は、紫外線レーザー加工法やプラズマ加工法によるドライエッチング法が一般的に用いられていた。しかし、これらに用いられる加工装置は高価な上、使用するガス代などランニングコストが高く、また、量産性が悪いなどという問題がある。
ドライエッチング法を代替する方法として、有機アルカリやアルカリ水溶液によるウエットエッチングが可能な材料が要望されてきたが、ヒドラジンなどの有機アルカリ溶剤やアルカリ水溶液と有機溶剤の混合物系は毒性が高いという問題があり実用化されてない。また、アルカリ水溶液によるウエットエッチング加工が可能な材料として、デュポン社のカプトン、鐘淵化学社のアピカルなどのポリイミドフィルムが代表して知られており、これらのフィルムに直接金属メッキを施し、任意の形状にエッチング加工する方法が提案されているが、この方法ではコスト、工程数の増加や、寸法精度が悪いといった問題があり、更に使用される金属の特性に制限を受けるなどの課題があった。
金属箔と絶縁樹脂層からなる積層体にバイア孔を形成する方法としては、例えば、ポリイミドフイルムの両面に銅箔を積層した両面銅箔積層体を準備し、これにバイア孔を形成するにあたり、銅箔上にフォトレジスト層を形成し、これに目的とする開孔に適したパターンを形成した後、銅箔をエッチングして、銅箔の一部に開口部を形成し、次いで、この銅箔をマスクとしてポリイミド樹脂層をウエットエッチング(湿式エッチングとも呼ばれる)する方法がある。そして、この方法を行う場合には、エッチングの進行にともなってポリイミド樹脂層にサイドエッチングが生じてしまい、その結果、ファインパターンに適さない積層体となってしまうことが問題とされてきた。また、ポリイミドフィルムをラミネートして金属と貼り合わされた積層体は、MD、TD方向で異方向性があり、ウエットエッチング加工では面内に均一な形状が得られないという欠点を有していた。
ウエットエッチング用途を目的とする積層体として、特許文献1には絶縁樹脂層の80℃、50wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度の平均値が0.5μm/min以上であるポリイミド積層体が提案されている。また、特許文献2には、エッチング液を作用させる面から近い部分に形成したポリイミド層は、遠い部分に形成したポリイミド層よりもエッチング速度が遅いポリイミド層を積層した複数ポリイミド層から構成されたサイドエッチング等のないポリイミド系配線基板とエッチング方法が示されている。
特開2001-40828号公報 特開平6-164084号公報
特許文献2では、サイドエッチングを減少させるため、上記のように複数のポリイミド層のエッチング速度を調整することを提案しているが、相対的なエッチング速度の関係を規定するだけであり、その具体的なエッチング速度などを教えるものはなく、外層のポリイミド層のエッチング速度を内層のそれより遅くするだけでは、サイドエッチングをより減少させエッチング加工性につき十分満足なものが得られないことが見出された。
本発明の目的は、アルカリ水溶液によるウエットエッチングを迅速に行うことが可能で、かつサイドエッチングが生じないポリイミド樹脂を絶縁樹脂層とするウエットエッチングに適した配線基板用積層体を提供することにある。
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、配線基板用積層体を構成するポリイミド樹脂層に特定のポリイミド樹脂層を採用することで、上記した課題を解決し得ることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリイミド又はその前駆体樹脂溶液を金属箔上に塗工して得られる少なくとも1層のポリイミド樹脂層からなる絶縁樹脂層と1層又は2層の金属箔とからなる配線基板用積層体において、前記絶縁樹脂層の少なくとも1層が、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22wt%を添加した80℃、30wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度が3.0μm/min以上であり、かつ偏光レーザーラマン分光法で測定した1610cm-1における、フィルム長手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(‖)とフィルム厚手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(⊥)との強度比R(=I1610(‖)/I1610(⊥))が2.0より大きいポリイミド樹脂層(I)であり、ポリイミド樹脂層(I)は、ウエットエッチング加工面の金属箔に直接、又は前記エッチング速度が2.0μm/min未満で厚さ5μm以下のポリイミド樹脂層(II)を介して形成されていることを特徴とする配線基板用積層体である。
本発明の配線基板用積層体において、絶縁樹脂層は、ポリイミド樹脂層(I)と他のポリイミド樹脂層とからなり、ポリイミド樹脂層(I)の線熱膨張係数が30ppm/℃以下であること、又は、絶縁樹脂層におけるポリイミド樹脂層(I)の厚み割合が50%以上であることは好ましい態様を与える。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の配線基板用積層体は、金属箔上に単層又は複数層のポリイミド樹脂層からなる絶縁樹脂層を設けた積層体である。以下、本発明の配線基板用積層体を単に積層体と略することもある。金属箔は片面又は両面に設けることができ、絶縁樹脂層は1層又は2層以上のポリイミド樹脂層からなることができる。
本発明の積層体に用いられる金属箔は、積層体の用途などにより異なることがありその種類は制限されるものではないが、具体的には、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅合金などを挙げることができる。これらの中でも、フレキシブルプリント基板に適した材質としては銅が挙げられる。金属箔の厚みは限定されず、3〜300μm程度のものが用いられるが、5〜40μm、特には7〜20μmのものが好ましく使用される。
本発明の積層体の絶縁樹脂層は、単層又は複数層のポリイミド樹脂層から構成される。ただし、ポリイミド樹脂層のうち、少なくとも1層はエッチング速度が3.0μm/min以上であり、強度比Rが2.0より大きいポリイミド樹脂層(I)であることが必要である。
本明細書中で、エッチング速度という場合、特にことわりのない限り、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22wt%を含む80℃、30wt%水酸化カリウム水溶液をエッチング溶液として測定したものを言う。
また、強度比Rという場合、特にことわりのない限り、偏光レーザーラマン分光法で測定した1610cm-1における、フィルム長手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(‖)とフィルム厚手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(⊥)の強度比R(=I1610(‖)/I1610(⊥))を言う。
ポリイミド樹脂層(I)は、上記したようにエッチング速度が3.0μm/min以上であることを必要とし、4.0μm/min以上、特には10μm/min以上であることが好ましい。エッチング速度が3.0μm/minに満たないと、エッチング加工の際にポリイミド樹脂残渣が残り、また、良好なエッチング形状が得られない他、生産効率の低下を招くなどの問題も生じる。エッチング速度の上限には制限はないが、50μm/min以下であることが好ましい。
また、ポリイミド樹脂層(I)は、前記強度比Rが2.0より大きいことを必要とする。好ましくは2.5以上、更に好ましくは3.0以上である。強度比Rが2.0より小さいと、エッチング加工部のサイドエッチが生じ、良好なエッチング形状が得られない。強度比Rの上限には制限はないが、20以下、好ましくは10以下であることがよい。
このレーザーラマン散乱法で測定した1610cm-1におけるラマンピーク強度は、その測定方向に対するポリイミド中の分子の向きを反映しており、強度比Rは、フィルム面内の相対的に分子鎖の並び状態の指標となる。これは、フィルムにレーザー光をあてた場合のラマン散乱光を測定することにより求めることができる。そのラマンスペクトルにおいて、1610cm-1のラマンバンドは、ベンゼン環C=C伸縮振動に帰属される。1610cm-1のラマンバンドは偏光ラマンスペクトルを測定するとバンド強度が変化する。このバンドを用いて、ポリイミドの凝集状態を測る。
本発明の配線基板用積層体の絶縁樹脂層は、エッチング加工性の点からはポリイミド樹脂層(I)のみによって構成されていることが好ましいが、金属箔との接着性の改良等を目的としてポリイミド樹脂層(I)以外の他のポリイミド樹脂層を用いることも配線基板用積層体の実用性の面から好ましい。
エッチング加工部で良好なエッチング形状を得るには、ポリイミド樹脂層(I)と他のポリイミド樹脂層の両方を有することが好ましく、この場合、ポリイミド樹脂層(I)のエッチング速度を、他のポリイミド樹脂層の50倍以上、好ましくは100倍、更に好ましくは150倍以上とすることがよい。有利には、エッチング処理時間においてポリイミド樹脂層(I)は完全に溶解するが、他のポリイミド樹脂層は完全には溶解しないものである。
ポリイミド樹脂層(I)以外の他のポリイミド樹脂層を設ける場合、エッチング加工面の金属箔に隣接するポリイミド層として、エッチング速度が2.0μm未満で、厚さ5μm以下ポリイミド樹脂層(II)とすることがよい。ポリイミド樹脂層(II)のエッチング速度は、小さい方がよく、好ましくは0.5μm/min以下、特に好ましくは0.1μm/min以下、最も好ましくは0.05μm/min以下ないし測定不能なほど遅いものである。このエッチング速度が2.0μm/minを超えると、サイドエッチングが大きくなる。また、このポリイミド樹脂層(II)の強度比Rは2.0より小さいものであることが積層体の実用性を考慮した特性面から好ましい。
ポリイミド樹脂層(I)を構成するポリイミド樹脂は、エッチング速度、ラマンバンド強度比Rが上記範囲にあり、好ましくは、線熱膨張係数が30ppm/℃以下のものである。その他の要件については、特に限定されるものではないが、その一例としては、次のジアミノ化合物及びテトラカルボン酸二無水物から合成されるものが挙げられる。
好ましいジアミノ化合物ジアミンとしては、4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリド(MABA)、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE44)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシベンゼン(TPE-R)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミンノビフェニル(o-TB)、パラフェニレンジアミン(PDA)、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル(m-TB)、3,3'-ジヒドロキシー4,4'-ジアミノビフェニル(HAB)、4,4'-ジアミノベンズアニリド(DABA)を挙げることができる。また、好ましいテトラカルボン酸二無水物酸としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3'4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を挙げることができる。
ポリイミド樹脂層(II)を構成するポリイミド樹脂は、上記のエッチング速度を満足するものであれば、特に限定されるものではないが、その一例としては、次のジアミノ化合物及びテトラカルボン酸二無水物から合成されるものが挙げられる。
好ましいジアミノ化合物としては、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4-ビス-(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド又は4,4'-ジアミノ-2,2'-ジメチルビフェニル等の芳香環に置換基として低級アルキル基を有する芳香族ジアミンから選ばれるジアミノ化合物があり、これらの少なくとも1種のジアミンを30モル%以上、更には50モル%以上用いることが好ましい。より好ましいジアミノ化合物は、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4-ビス-(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル又は芳香環に置換基として低級アルキル基を有する芳香族ジアミンである。
また、好ましいテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,4,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-(2,2'-ヘキサフルオロイソポロポリデン)ジフタル酸ニ無水物、3,4,3',4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、m-フェニル-3,4,3',4'-テトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これのテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上、好ましくは70%モル以上、更に好ましくは80%モル以上使用することがよい。より好ましいテトラカルボン酸二無水物としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物である。
上記各ポリイミド樹脂層に適用されるポリイミド樹脂は、公知の方法で製造することができる。例えば、ほぼ等モルのテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物を原料として、溶媒中、反応温度0〜200℃、好ましくは0〜100℃の範囲で反応させることにより、ポリイミド系樹脂の前駆体溶液が得られ、更にこれをイミド化することによりポリイミド樹脂が得られる。なお、本発明でポリイミド樹脂という場合、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなどの構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂をいう。
上記反応に用いられる溶媒としては、一般的にはN-メチルピロリドン(NMP)、メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルフォラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライムなどが挙げられる。
本発明によれば、配線基板に用いられる積層体をウエットエッチングするに適した配線基板用積層体が提供される。得られた配線基板用積層体は、ウエットエッチング時に従来問題とされていたサイドエッチングが少なく、ファインパターンを形成するに適している。また、絶縁樹脂層の層構成によっては、エッチング速度が速く、また両面からのウエットエッチングに適した配線基板用積層体をも提供可能であり、その産業上の利用価値は大きい。
本発明の積層体の層構造を示す図1〜4により、本発明の積層体の4つの態様を説明する。しかし、これ以外の態様も多数ありうる。
図1に示す積層体10は、絶縁樹脂層9の片面に金属箔1を有し、絶縁樹脂層9は2層のポリイミド樹脂層2、3からなるものである。
図2に示す積層体10は、絶縁樹脂層9の片面に金属箔1を有し、絶縁樹脂層9は1層のポリイミド樹脂層3からなるものである。
図3に示す積層体10は、絶縁樹脂層9の両面に金属箔1と金属箔5を有し、絶縁樹脂層9は3層のポリイミド樹脂層2、3、4からなるものである。
図4に示す積層体10は、絶縁樹脂層9の両面に金属箔層1と金属箔層5を有し、絶縁樹脂層は2層のポリイミド樹脂層3、4からなるものである。
積層体10の全体の厚さは15〜200μm、特には20〜100μmの範囲が好ましい。また、絶縁樹脂層9全体の厚さは6〜60μm、特には10〜40μmの範囲が好ましい。更に、ポリイミド樹脂層は少なくともポリイミド樹脂層(I)3を必須として含むことが必要であり、その厚みは絶縁樹脂層全体の1/2以上である。
本発明の積層体の樹脂層が図2に示したように単層からなる場合、絶縁樹脂層9はポリイミド樹脂層(I)からなるポリイミド樹脂層3から構成される。この積層体は、最も単純な構成であるが、エッチング加工性に優れている。
一方、図1に示すように金属箔層が1層で、ポリイミド樹脂層が2層以上の場合は、ポリイミド樹脂層2をポリイミド樹脂層(II)とし、ポリイミド樹脂層3をポリイミド樹脂層(I)することがよい。図1及び図2に示した態様の場合、エッチング加工の際には金属箔層側からエッチングが行われるが、樹脂層3側には適宜エッチングレジストを設けることが推奨される。
図3に示すように金属箔が2層ある場合は、金属箔の両面側からエッチングを行うこともできる。その場合は、金属箔1及び5と直接に接する樹脂層2及び4をポリイミド樹脂層(II)とすることがよく、いずれか一方の金属箔層、例えば金属箔層1の片面側からエッチングを行う場合は、金属箔層1と直接に接する樹脂層2をポリイミド樹脂層(II)とすることがよい。ポリイミド樹脂層(II)は、エッチング速度が遅いので、金属箔に接しない中間樹脂層等として使用すると、サイドエッチングが生じたり、エッチングが途中で止まってしまう恐れがある。したがって、ポリイミド樹脂層(II)は、最初にエッチングされる層として適用することが有利である。なお、上記例で樹脂層4がポリイミド樹脂層(II)でない場合には、他の任意のエッチング可能なポリイミド樹脂層αであることができる。なお、ポリイミド樹脂層αは、ポリイミド樹脂層(I)又はポリイミド樹脂層(II)を除外する意味で使用されるときを除き、ポリイミド樹脂層(I)及びポリイミド樹脂層(II)を含むエッチング可能なポリイミド樹脂層の意味で使用される。
図4は、図3と同様金属箔が2層である場合の例である。図4で樹脂層3をポリイミド樹脂層(I)とし、樹脂層4をポリイミド樹脂層(II)とした積層体の場合、金属箔層5側からエッチングすることがよい。なお、図4で金属箔層1側からエッチングする積層体の場合、1/2以上の厚みを占める樹脂層3がポリイミド樹脂層(I)であれば、樹脂層4は任意のエッチング可能なポリイミド樹脂層αであることができる。
上記例のように、ポリイミド樹脂層(I)及び(II)以外の他のポリイミド樹脂層αを設ける場合、ポリイミド樹脂層αは、エッチング液に対してエッチング可能なものであれば特に限定されるものではないが、ポリイミド樹脂層αは、エッチング加工に際しては、最後にエッチングされる層とすることがよく、この層の厚みが厚すぎると本発明の効果であるエッチング加工性が損なわれる恐れがあるので、全ポリイミド層の1/3以下、更には1/4以下の厚みとすることが好ましい。
上記説明や図面では、ポリイミド樹脂層2、3及び4は、それぞれ単層であるように記載しているが、各層を構成するポリイミド樹脂層がその性質を満たせば、これらの層は複数層のポリイミド樹脂層から形成されてもよい。
ポリイミド樹脂層(II)を設ける場合の層厚みは、5μm以下であることがよく、0.5〜5μmの範囲が好ましい。この厚さを越えることは、エッチング処理に要する時間が長すぎることになる他、エッチング形状が劣るものとなる。ポリイミド樹脂層(I)の厚さは特に制限されないが、5〜75μmの範囲が好ましく、特に好ましくは10〜50μmの範囲である。ポリイミド樹脂層(I)とポリイミド樹脂層(II)の厚さの比は、2以上、好ましくは10以上、より好ましくは20〜100の範囲であることがよい。
本発明による積層体を構成する絶縁樹脂層9は、アルカリ溶液によるエッチングにおいて、良好なエッチング特性を有する。ここでいう良好なエッチング特性は、樹脂層9全体をエッチングした場合のエッチング形状やエッチング速度等の特性をいう。本発明においては低エッチング速度のポリイミド樹脂層(II)を使用する場合であっても、樹脂層9全体をエッチングした場合に、エッチング速度を大きく落とすことなく、サイドエッチングのない良好なものが得られる。
ポリイミド樹脂層(II)を金属箔に接して使用する場合であっても絶縁樹脂層のエッチング速度が大きく低下しないのは、ポリイミド樹脂層(II)が最初にエッチング液に接触してエッチングされる際、エッチングが不完全又は生じなくても膨潤等の変質が生じ、エッチング液がこのポリイミド樹脂層(II)を浸透して、エッチング速度の速いポリイミド樹脂層(I)をエッチングしてしまうためと考えられる。そして、ポリイミド樹脂層(I)のエッチングが完了したとき、ポリイミド樹脂層(II)なお残ったとしても、この層は薄いだけでなく、変質してもろいものとなっているため、ポリイミド樹脂層(I)が溶け出す際やエッチング後に洗浄する際に容易に洗い流されて、良好なエッチング形状が得られるためと考えられる。
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。本発明の積層体の製造方法には、公知の種々の方法がありそれらのいずれの方法を適用してもよい。積層体の製造方法の一例を、図を参照しつつ簡単に説明する。
図1に示される片面積層体10は、銅箔等の金属箔層1上に、ポリイミド樹脂層(II)に変換されるポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥した後、ポリイミド樹脂層(I)に変換されるポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布、乾燥し、200℃以上の温度、好ましくは300℃以上の温度で熱処理を施すことによりイミド化反応を進行させ絶縁樹脂層9の片面に金属箔1を有する積層体10とすることができる。
また、金属箔層を両面に有する積層体を製造する方法としては、図1に示した積層体10の樹脂層側に金属箔を重ねて、これを加熱圧着して、樹脂層の両面に金属箔を有する積層体とすることができる。
更に、図3に示すように絶縁樹脂層9を3層以上で形成することも良い。この場合、金属箔層1上に、ポリイミド樹脂層(II)に変換されるポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥した後、ポリイミド樹脂層(I)に変換されるポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布、乾燥し、更に第二のポリイミド樹脂層(I)に変換されるポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布、乾燥し、イミド化後、これに金属箔を加熱圧着することでも樹脂層9の両面に金属箔層1及び5を有する積層体とすることができる。図3に示す積層体で、両面から開孔を行うに適した積層体とする場合は、ポリイミド樹脂層2及び4をいずれもポリイミド樹脂層(II)とすることがよい。
なお、積層体の製造方法において、イミド化後のポリイミド樹脂の溶媒への溶解性が良好であるならば、ポリイミド樹脂溶液をそのまま塗布することも可能である。また、加熱圧着の方法としては、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータなどを使用することができる。この加熱圧着時の熱プレス温度は、特に限定されるものではないが、使用されるポリイミド系樹脂のガラス転移点以上であることが望ましく、更にガラス転移温度より5〜150℃高い温度が好ましい。加熱圧着時の温度が高いと、エッチング速度が遅くなる傾向にあり。温度が低いと、ポリイミド樹脂側と銅箔の接着性が良くない。また、加熱プレス圧力は、使用するプレス機器の種類にもよるが1〜50Mpaの範囲が適当である。
次に、本発明の積層体をエッチング加工する方法について、図5-a〜図5-cに示した工程図により、その一例に説明する。ここで、樹脂層2及び4はポリイミド樹脂層(II)とし、樹脂層3はポリイミド樹脂層(I)とする。
まず、金属箔1上にエッチングレジスト層8を設け、これを所定のパターンに形成する。そして、エッチングレジスト開孔部において露出している部分の金属箔1を塩化第二鉄等のエッチング液でエッチング加工して、図5-bに示すような形状とする。そして、所定のパターンを形成した金属箔1をマスクとして絶縁樹脂層9を5〜80wt%のアルカリ金属水溶液によりエッチングして、図5-cに示すように絶縁樹脂層9の一部がエッチングされた形状とすることができる。絶縁樹脂層9をエッチングするアルカリ金属水溶液としては上記したものに限られず、広く公知のアルカリ金属水溶液系のエッチング液が使用できる。また、エッチング温度や時間にも公知の条件が使用できるが、エッチング時間はエッチングすべき樹脂層9の厚さの全部がエッチングされるまでの時間とし、過剰な時間をかけないこと普通である。
上記加工方法において、本発明の積層体を用いることで、絶縁樹脂層9のエッチング部分のサイドエッチが少ないものとすることができる。エッチング後の断面の一部を拡大して示す図6を参照して説明すると、開孔部分におけるエッチングすべき樹脂層9の厚さをhとし、サイドエッチ幅をwとした場合、本発明の加工方法によれば、w/hを0〜0.25の範囲とすることができる。ここで、配線基板のファインパターン形成のためには、wの幅は30μm以下とすることが好ましく、特に好ましくは、0〜5μmの範囲である。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各種特性の評価は以下の方法による。また、試料のポリイミドにはイミド化が十分に終了したものを用いた。
[エッチング速度の測定]
銅箔上にポリイミド樹脂層を形成した積層体を用い、エッチング液に、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22 wt%を添加した30wt%水酸化カリウム水溶液からなるアルカリ溶液を用いて測定する。まず、銅箔を残したままの状態で80℃のエッチング液に浸漬してポリイミド樹脂が全てなくなる時間を測定し、初期の厚みをエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。なお、エッチング速度が極めて遅いポリイミド樹脂に関しては、膜厚が減った量をエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。
[サイドエッチの評価]
両面銅箔積層板を用い、片側銅箔の一部をφ30μmで開孔し、開孔部から露出したポリイミド樹脂層を、エッチング速度の評価と同じ条件でエッチングした。ポリイミド樹脂層が完全にエッチングされた後、銅箔の下のサイドエッチングされた幅を電子顕微鏡又は実体顕微鏡にて測定して、図6に示すh、wとw/h値の値を求めた。
[レーザーラマン分光法によるラマンピーク強度の測定]
レーザーラマン装置:RamanorT-64000(Jobin Yvon社製)
マクロプローブ:対物レンズ×100、クロススリット400μm、ビーム径1μm
光源:Arレーザー:NEC5145A
分光器構成:640mm Triple Monochromator、
回折格子:PAC Holographic 76×76mm、Premonochromator 1800gr/mm、Spectrograph 1800gr/mm, 600gr/mm
分散:Single, Subtractive 7A/mm
検出器:CCD:Jobin Yvon 1024×256
試料はエポキシ樹脂に包埋後、フィルム長手方向断面を作製し測定した。スポット径は約1μmであり、各試料とも4点で測定を行った。入射光と散乱光の向きをそろえてラマンスペクトルを測定した。高分解能のラマンスペクトルに観測されたバンドを用いて、ラマンピーク強度比を以下のように定義した。
ラマンピーク強度比R=I1610(‖)/I1610(⊥)
I1610(‖):フィルム長手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度
I1610(⊥):フィルム厚手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度
なお、フィルム長手方向とは、フィルム面と平行な方向をいい、フィルム厚手方向とは、フィルム面と垂直な方向をいう。また、本発明でのフィルム長手方向でのラマンバンド強度値は、MD方向とTD方向とでは差は生じなかった。
[線熱膨張係数の測定]
サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
実施例等に用いた略号を下記に示す。
・APB:1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
・MABA:4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリド
・p-PDA:パラフェニレンジアミン
・TPE-R:1,3-ビス-(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・DAPE44:4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
・BAPP:2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン
・m-TB:2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル
・p-PDA:パラフェニレンジアミン
・BAPB:4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル
・DN-NPG:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン
・DAPE34:3,4'-ジアミノジフェニルエーテル
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・DSDA:ジフェニルスルホン-3,4,3'4'-テトラカルボン酸二無水物
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・BTDA:3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
合成例
ポリイミド前駆体a〜d及びh〜kを合成するため、ジアミノ化合物を500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体a〜d及びh〜kの粘稠な溶液を得た。原料使用量は、表1、表3に示した
a〜d及びh〜kの各ポリイミド前駆体溶液をそれぞれ銅箔上にアプリケータを用いて塗布し、110℃で10分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、250℃、300℃、360℃で各3分段階的な熱処理を行い、銅箔上に厚さ約15〜25μmのポリイミド層A〜D及びH〜Kを形成し、エッチング速度を測定した。
また、同様にして銅箔上にポリイミド層を形成させた後、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してポリイミド前駆体a〜dから得られたポリイミドフィルムA〜Dを作成し線熱膨張係数を求めた。
更に、同様にして得たポリイミドフィルムA〜Dを用い、レーザーラマン散乱法による測定から強度比Rを求めた。
測定結果を表2及び表4に示す。なお、エッチング速度が<0は、膨潤又は分解物が付着したためと考えられる。
Figure 2005085957
Figure 2005085957
Figure 2005085957
Figure 2005085957
実施例1
厚さ35μmの銅箔上に、上記合成例で得たポリイミド前駆体樹脂溶液cを、硬化後の厚みが3μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、110℃で3分乾燥した後、その上に上記合成例で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液aを硬化後の厚さが20μmになるように塗布し、110℃で10分乾燥した後、ポリイミド前駆体樹脂溶液kを、硬化後の厚みが2μmになるように塗布し、110℃で3分乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、250℃、300℃、360℃で各3分段階的な熱処理を行い、イミド化を完了させ、層構成が銅箔/絶縁樹脂層(PI樹脂層:C/A/K)の積層体を得た。
次に、絶縁樹脂層側に他の銅箔(35μm厚)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、160℃で30分、次に270℃で30分、最後に300〜330℃で20分加熱圧着して絶縁樹脂層の両面に銅箔を有する積層体とした。
なお、実施例中、ポリイミド前駆体樹脂溶液a〜d、及びh〜kから生じるポリイミド樹脂層をそれぞれポリイミド樹脂層A〜D、及びH〜Kとした。また、PIは、ポリイミドの略である。
このようにして得られた積層体について、樹脂層K側の銅箔層の一部を塩化第二鉄を含む溶液を用いて所定のパターンに加工し、樹脂層の一部を露出させた。次に、80℃にてエチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22wt%を添加した30wt%水酸化カリウム水溶液が入った浴に3分間浸漬した後、液温40℃の温水で洗浄を行った。
その結果、積層体中のポリイミド樹脂エッチング加工部は反対側の銅箔に達するまで完全にエッチングされていた。エッチング後の積層体の絶縁樹脂層の断面形状を観察したところ、サイドエッチ量wは5μm以内であり、精度よく加工されていた。
ここで、樹脂層Kは、エッチング速度がゼロより小さいが、エッチング加工時には加工部はエッチング液に溶けにくく溶解したコア層(PI層A)と一緒に溶解し、全体の速度は落ちなかった。
実施例2
厚さ35μmの銅箔上に、上記合成例で得たポリイミド前駆体樹脂溶液bを、硬化後の厚みが20μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、110℃で10分乾燥した後、その上に上記合成例で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液cを硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、110℃で3分乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、250℃、300℃、360℃で各3分段階的な熱処理を行い、イミド化を完了させ、層構成が銅箔/絶縁樹脂層(PI樹脂層:B/C)の積層体を得た。
次に、絶縁樹脂層側に他の銅箔(35μm厚)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、160℃で30分、次に270℃で30分、最後に300〜330℃で20分加熱圧着してポリイミド樹脂層の両面に銅箔を有する積層体とした。
この積層体について、樹脂層B側の銅箔層の一部を塩化第二鉄を含む溶液を用いて所定のパターンに加工し、樹脂層の一部を露出させ、実施例1と同様にしてエッチング加工性を評価した。
比較例1
銅箔上にポリイミド前駆体樹脂aとポリイミド前駆体樹脂iを順次塗工した他は、実施例2にならって熱処理してポリイミド層を形成した後、銅箔を加熱圧着し、銅箔/絶縁樹脂層(PI樹脂層:A/I)/銅箔の積層体とした。なお、A/Iの厚みは20μm/3μmである。
この積層体について、I樹脂側の銅箔層の一部を塩化第二鉄を含む溶液を用いて所定のパターンに加工し、樹脂層の一部を露出させ、実施例1と同様にしてエッチング加工性を評価した。
比較例2
銅箔上にポリイミド前駆体樹脂cとポリイミド前駆体樹脂hを順次塗工した他は、実施例2にならって、熱処理してポリイミド層を形成した後、銅箔を加熱圧着し、銅箔/絶縁樹脂層(PI樹脂層:C/H)/銅箔の積層体とした。なお、C/Hの厚みは20μm/3μmである。
この積層体について、H樹脂側の銅箔層の一部を塩化第二鉄を含む溶液を用いて所定のパターンに加工し、樹脂層の一部を露出させ、実施例1と同様にしてエッチング加工性を評価した。
比較例3
銅箔上にポリイミド前駆体樹脂dとポリイミド前駆体樹脂jを順次塗工した他は、実施例2にならって、熱処理してポリイミド層を形成した後、銅箔を加熱圧着し、銅箔/絶縁樹脂層(PI樹脂層:D/J)/銅箔の積層体とした。なお、D/Jの厚みは20μm/3μmである。
この積層体について、J樹脂側の銅箔層の一部を塩化第二鉄を含む溶液を用いて所定のパターンに加工し、樹脂層の一部を露出させ、実施例1と同様にしてエッチング加工性を評価した。30分かけても、反対側の銅合金箔が露出するまでポリイミド樹脂を完全に除去することができず、
エッチング時間(Eg時間)及びサイドエッチ量等の測定結果をまとめて表5に示す。
Figure 2005085957
片面金属箔積層体の断面図である。 片面金属箔積層体の断面図である。 両面金属箔積層体の断面図である。 両面金属箔積層体の断面図である。 両面金属箔積層体のエッチング加工工程の製造工程図である。 両面金属箔積層体のエッチング加工工程の製造工程図である。 両面金属箔積層体のエッチング加工工程の製造工程図である。 サイドエッチングを説明するための一部拡大断面図である。
符号の説明
1,5 金属箔層
2〜4 ポリイミド樹脂層
9 絶縁樹脂層
10 配線基板用積層体

Claims (3)

  1. ポリイミド又はその前駆体樹脂溶液を金属箔上に塗工して得られる少なくとも1層のポリイミド樹脂層からなる絶縁樹脂層と、1層又は2層の金属箔とからなる配線基板用積層体において、前記絶縁樹脂層の少なくとも1層が、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22wt%を添加した80℃、30wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度が3.0μm/min以上であり、かつ偏光レーザーラマン分光法で測定した1610cm-1におけるフィルム長手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(‖)とフィルム厚手方向に平行な偏光配置でのラマンバンド強度I1610(⊥)との強度比R(=I1610(‖)/I1610(⊥))が2.0より大きいポリイミド樹脂層(I)であり、ポリイミド樹脂層(I)は、ウエットエッチング加工面の金属箔に直接、又は前記エッチング速度が2.0μm/min未満で厚さ5μm以下のポリイミド樹脂層(II)を介して形成されていることを特徴とする配線基板用積層体。
  2. 絶縁樹脂層が、ポリイミド樹脂層(I)と他のポリイミド樹脂層とからなり、ポリイミド樹脂層(I)の線熱膨張係数は30ppm/℃以下である請求項1記載の配線基板用積層体。
  3. 絶縁樹脂層の厚みの1/2以上がポリイミド樹脂層(I)である請求項1又は2記載の配線基板用積層体。

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