JP2005085945A - 電界効果型有機トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外部刺激に対する耐久性が高い新規な電界効果型有機トランジスタを提供する。
【解決手段】 ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層が有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜またはその積層体からなる電界効果型有機トランジスタ。前記単分子膜またはその積層体が、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーを含有する溶液を用いてラングミュア−ブレジット法により形成されたものが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層が有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜またはその積層体からなる電界効果型有機トランジスタ。前記単分子膜またはその積層体が、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーを含有する溶液を用いてラングミュア−ブレジット法により形成されたものが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は電界効果型有機トランジスタおよびその製造方法に関して、特に表示デバイス、情報タグ、IC等のエレクトロ分野に有用な有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタおよびその製造方法に関するものである。
有機半導体を利用した有機トランジスタは、シリコントランジスタでは困難とされるプラスチック基板上への製造や大画面化が可能である。特に可溶性有機半導体を利用したものは真空プロセスを必要としない為に低コスト化が可能であり、フレキシブルな電子ペーパー、情報タグ等の新しいデバイスへの適用が期待されている。
ラングミュア−ブレジット法(LB法)で得られる単分子膜を利用した有機半導体は特許文献1に提案されている。
特開2003−154595号公報
しかしながら、有機半導体は酸素や水に対する安定性が低い為に長時間駆動することでトランジスタ特性が劣化する。例えばオン電流(トランジスタがオンした時のソースドレイン両電極間を流れる電流)が小さくなるという問題点がある。また、従来のLB膜有機半導体のトランジスタにおいても特性が劣化する耐久性などに問題があった。
本発明は、この様な従来技術に鑑みてなされたものであり、前記従来課題を解決し、外部刺激に対する耐久性が高い新規な電界効果型有機トランジスタを提供することにある。
また、本発明は、外部刺激に対する耐久性が高い電界効果型有機トランジスタを低い製造コストで得ることができる電界効果型有機トランジスタの製造方法を提供することにある。
また、本発明は、外部刺激に対する耐久性が高い電界効果型有機トランジスタを低い製造コストで得ることができる電界効果型有機トランジスタの製造方法を提供することにある。
本発明の第一は、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層が有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜またはその積層体からなることを特徴とする電界効果型有機トランジスタである。
前記単分子膜またはその積層体が、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーを含有する溶液を用いてラングミュア−ブレジット法により形成されたものが好ましい。
前記水素結合ネットワークポリマーがポリアクリルアミドであるものが好ましい。
前記水素結合ネットワークポリマーがポリアクリルアミドであるものが好ましい。
前記ポリアクリルアミドが下記一般式(I)で表わされるものが好ましい。
(式中、R1 、R2 は水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1〜30の直鎖状、環状または分岐状のアルキル基を示す。該アルキル基中の1つ以上のメチレン基はO、CO、S、NH、1,4−フェニレンに置き換わっていても良い。nは10以上の整数を示す。)
前記一般式(I)で表わされるR2 が炭素原子数8から16の直鎖状または分岐状のアルキル基であるものが好ましい。
前記一般式(I)で表わされるR2 が炭素原子数8から16の直鎖状または分岐状のアルキル基であるものが好ましい。
前記有機半導体物質が共役高分子化合物からなるものが好ましい。
前記共役高分子化合物がポリチオフェン誘導体であるものが好ましい。
前記共役高分子化合物の重量平均分子量が5,000〜500,000であるものが好ましい。
前記共役高分子化合物がポリチオフェン誘導体であるものが好ましい。
前記共役高分子化合物の重量平均分子量が5,000〜500,000であるものが好ましい。
前記有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの含有割合は、モル比で有機半導体物質:ポリマー=1:0.1から1:10であるものが好ましい。
前記ゲート絶縁層が有機化合物からなるものが好ましい。
前記ゲート絶縁層が有機化合物からなるものが好ましい。
本発明の第二は、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタの製造方法であって、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの混合物を水面上に展開した溶液を調製する工程、前記溶液を用いてラングミュア−ブレジット法により、有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜またはその積層体からなる有機半導体層を形成する工程を有することを特徴とする電界効果型有機トランジスタの製造方法である。
ラングミュア−ブレジット法は、基板を溶液に浸漬したり引き抜いたりする度ごとに単分子膜を一層づつ積層することで有機半導体層を形成するものが好ましい。
本発明によれば、外部刺激に対する耐久性が高い、新規な電界効果型有機トランジスタを提供することができる。
また、本発明は、外部刺激に対する耐久性が高い電界効果型有機トランジスタを低い製造コストで得ることができる電界効果型有機トランジスタの製造方法を提供することができる。
また、本発明は、外部刺激に対する耐久性が高い電界効果型有機トランジスタを低い製造コストで得ることができる電界効果型有機トランジスタの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電界効果型有機トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層が、繰り返し単位中に水素結合を形成できる官能基を有するポリマーおよび有機半導体物質を含有し、かつ前記ポリマーが水素結合ネットワークを形成している単分子膜またはその積層体からなることを特徴とする。
本発明の電界効果型有機トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層が、繰り返し単位中に水素結合を形成できる官能基を有するポリマーおよび有機半導体物質を含有し、かつ前記ポリマーが水素結合ネットワークを形成している単分子膜またはその積層体からなることを特徴とする。
本発明の電界効果型有機トランジスタの構造は、プレーナー型、スタガー型または逆スタガー型の何れにおいても有効であるが、プレーナー型を一例に図1を用いて本発明の電界効果型有機トランジスタの構造を説明する。
図1は本発明の電界効果型有機トランジスタの一例を示す断面模式図である。同図において、本発明の電界効果型有機トランジスタは、絶縁性基板11上にゲート電極12を配置し、その上にゲート絶縁層13を配置し、更にその上にソース電極15およびドレイン電極14を配置し、その上に有機半導体層16そして最上部に保護膜17を配置してなるものである。
本発明の電界効果型有機トランジスタは、有機半導体層が、有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜、またはその積層体であることに特徴がある。
図3は本発明における有機半導体層の構成の一例であり、有機半導体物質としてポリチオフェン誘導体、水素結合ネットワークポリマーとしてポリアクリルアミド誘導体を用いて構成された場合の単分子膜のモデルを示している。本発明は、図3に示す様な有機半導体物質と、水素結合ネットワークポリマーの分子配置をもつ物質を電界効果型有機トランジスタの活性層として有機半導体層に用いることに特徴を有するものであります。
図3は本発明における有機半導体層の構成の一例であり、有機半導体物質としてポリチオフェン誘導体、水素結合ネットワークポリマーとしてポリアクリルアミド誘導体を用いて構成された場合の単分子膜のモデルを示している。本発明は、図3に示す様な有機半導体物質と、水素結合ネットワークポリマーの分子配置をもつ物質を電界効果型有機トランジスタの活性層として有機半導体層に用いることに特徴を有するものであります。
図3に示す有機半導体層は、ポリアクリルアミド(PAA)を用いてラングミュア−ブレジット法(以下、LB法と記す)で形成した単分子膜が2次元的なネットワーク構造をもつこと、さらにPAAにポリチオフェンなどの有機半導体物質を添加してLB法で成膜すると、有機半導体物質の分子をPAAの分子間に含有する構造が形成され、この図3に示す分子配置の構造を有機トランジスタに応用することを本発明の特徴とするものであります。
本発明において、水素結合ネットワークポリマーとは、繰り返し単位中に水素結合を形成できる官能基を有する高分子化合物を示す。
図3では、有機半導体物質がポリチオフェン誘導体、水素結合ネットワークポリマーがポリアクリルアミド誘導体である場合の単分子膜において、ポリチオフェン誘導体はポリアクリルアミド誘導体の単分子膜中に取り込まれていることにより、ポリチオフェン誘導体の主鎖の運動性が単分子膜に閉じ込められて主鎖の共役長が伸びた状態で安定化する。この時、ポリアクリルアミドの水素結合ネットワークにより、高秩序度の単分子膜が形成されていることがポリチオフェン誘導体の安定性に非常に効果的に働いている。また、ポリチオフェン誘導体はポリアクリルアミドのアルキル鎖により酸素、水等の外部刺激から保護された状態にある。従って、本発明は、(1)外部刺激に対する耐久性が高い。(2)有機半導体層の物理的強度が高い(3)共役長が伸びることで移動度が向上する、等の効果が期待される。また、本発明はLB法で累積することで有機半導体層の膜厚をナノレベルで制御することが可能である。
図3では、有機半導体物質がポリチオフェン誘導体、水素結合ネットワークポリマーがポリアクリルアミド誘導体である場合の単分子膜において、ポリチオフェン誘導体はポリアクリルアミド誘導体の単分子膜中に取り込まれていることにより、ポリチオフェン誘導体の主鎖の運動性が単分子膜に閉じ込められて主鎖の共役長が伸びた状態で安定化する。この時、ポリアクリルアミドの水素結合ネットワークにより、高秩序度の単分子膜が形成されていることがポリチオフェン誘導体の安定性に非常に効果的に働いている。また、ポリチオフェン誘導体はポリアクリルアミドのアルキル鎖により酸素、水等の外部刺激から保護された状態にある。従って、本発明は、(1)外部刺激に対する耐久性が高い。(2)有機半導体層の物理的強度が高い(3)共役長が伸びることで移動度が向上する、等の効果が期待される。また、本発明はLB法で累積することで有機半導体層の膜厚をナノレベルで制御することが可能である。
本発明で用いる水素結合ネットワークポリマーは、繰り返し単位中に水素結合を形成できる官能基を有する高分子化合物であれば特に限定されない。良好な単分子膜を形成できるという観点からポリアクリルアミドが好ましく、更には下記一般式(I)で表わされる化合物が好ましい。
(式中、R1 、R2 は水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1〜30の直鎖状、環状または分岐状のアルキル基を示す。該アルキル基中の1つ以上のメチレン基はO、CO、S、NH、1,4−フェニレンに置き換わっていても良い。nは10以上の整数を示す。)
また、より安定な単分子膜を形成するには一般式(I)のR2 が炭素原子数8から16の直鎖状または分岐状のアルキル基であるものが好ましい。
また、より安定な単分子膜を形成するには一般式(I)のR2 が炭素原子数8から16の直鎖状または分岐状のアルキル基であるものが好ましい。
一般式(I)で表わされる具体的な化合物のR1 、R2 を表1〜3に示す。
一般式(I)で表わされる化合物の分子量は特に限定はされないが、溶媒に対する可溶性、成膜性等を考慮すると数平均分子量(Mn)が1,000から100,000が好ましい。
本発明で用いる有機半導体物質は、共役二重結合を有する共役化合物であれば特に限定されない。例えば以下に示す化合物が好適である。
ポリアセチレン誘導体、チオフェン環を有するポリチオフェン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ベンゼン環を有するポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、窒素原子を有するポリピリジン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリキノリン誘導体等の共役高分子化合物:
ジメチルセクシチオフェン、クオータチオフェンに代表されるオリゴマー:
ペリレン、テトラセン、ペンタセンに代表されるアセン類、銅フタロシアニン誘導体に代表される堆積有機分子:
トリフェニレン誘導体に代表されるディスコチック液晶、フェニルナフタレン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体に代表されるスメクチック液晶:
ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン−ビチオフェン)共重合体に代表される液晶ポリマー:
等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ポリアセチレン誘導体、チオフェン環を有するポリチオフェン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ベンゼン環を有するポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、窒素原子を有するポリピリジン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリキノリン誘導体等の共役高分子化合物:
ジメチルセクシチオフェン、クオータチオフェンに代表されるオリゴマー:
ペリレン、テトラセン、ペンタセンに代表されるアセン類、銅フタロシアニン誘導体に代表される堆積有機分子:
トリフェニレン誘導体に代表されるディスコチック液晶、フェニルナフタレン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体に代表されるスメクチック液晶:
ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン−ビチオフェン)共重合体に代表される液晶ポリマー:
等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
好ましくは共役高分子化合物であり、ポリチオフェン誘導体が特に好ましい。例えば以下に示す構造の化合物が挙げられる。
(式中、R11、R12、R13、R14はH、Fまたは炭素原子数が1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。mは正の整数を示す。)
これらの共役高分子化合物の分子量は特に限定はされないが、溶媒に対する可溶性、成膜性等を考慮すると重量平均分子量(Mw)が5,000から500,000が好ましい。
これらの共役高分子化合物の分子量は特に限定はされないが、溶媒に対する可溶性、成膜性等を考慮すると重量平均分子量(Mw)が5,000から500,000が好ましい。
有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの混合比は、より安定な単分子膜を形成するという観点から、モル比で有機半導体物質:ポリマー=1:0.1から1:10、好ましくは1:0.2〜1:5であることが好ましい。その混合の方法は特に限定されないが、例えば所定のモル比で有機半導体物質に水素結合ネットワークポリマーを添加して均一攪拌混合することにより混合物を得ることができる。
また、本発明で用いられる有機半導体層は、その電気伝導度を調整する為に適当なドーパントを含有していても良い。ドーパントの種類としてアクセプター性のI2 、Br2 、Cl2 、ICl、BF3 、PF5 、H2 SO4 、FeCl3 、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、ドナー性のLi、K、Na、Eu、界面活性剤であるアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等があげられる。
次に、本発明の電界効果型有機トランジスタの製造方法を説明する。
本発明は、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの混合物を水面上に展開した溶液に、ゲート絶縁層を有する基板をLB法を用いて浸漬したり引き抜いたりする度ごとに単分子膜を一層づつ積層することで有機半導体層を形成することを特徴とする。
本発明は、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの混合物を水面上に展開した溶液に、ゲート絶縁層を有する基板をLB法を用いて浸漬したり引き抜いたりする度ごとに単分子膜を一層づつ積層することで有機半導体層を形成することを特徴とする。
LB法の中で特に垂直浸漬法が好ましい。垂直浸漬法は水面に展開した分子の占有面積を、例えば可動バリヤで徐々に圧縮して混合膜を形成し、この混合膜が水面上に形成されている水面を基板が横切るように上下させて基板が混合膜を横切るたびに単分子膜を基板上に転写する方法である。例えば具体的には、ポリチオフェン誘導体とポリアクリルアミドのモル比2:1の混合物を水面上に共展開し、共展開したものを仕切り板により、14cm2 /minの速度で圧縮する。表面圧25mN/mで混合膜が安定した後に基板を10mm/minの速度で垂直に下降、上昇させ基板上に転写することで累積比1.2の良好な積層体を製造できる。累積比とは実際に水面から写し取られた膜の面積を基板の面積で割った数値である。下降、上昇させる回数により積層させる薄膜の層数が決まり、有機半導体層の膜厚の制御が容易である。
本発明で用いるゲート絶縁層は特に限定はされないがSiO2 、SiN、Al2 O3 、Ta2 O5 等の無機材料、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン等の有機材料および有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。好ましくは、低コストにつながる液相プロセスを利用できるという観点から有機化合物が好ましい。
絶縁性基板としては特に限定されないが、例えばガラス、石英等の無機材料のほかアクリル系、ビニル系、エステル系、イミド系、ウレタン系、ジアゾ系、シンナモイル系等の感光性高分子化合物、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の有機材料、有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。また、これらの材料を2層以上積層させて用いることもでき、絶縁耐圧を上げる目的で効果がある。
さらに本発明で用いるゲート電極、ソース電極およびドレイン電極は導電体であれば特に限定はされないが、例えばAl、Cu、Ti、Au、Pt、Ag、Cr等の金属材料、ポリシリコン、シリサイド、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2 等の無機材料も好適であるが、ハイドープされたポリピリジン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンに代表される導電性高分子および炭素粒子、銀粒子等を分散した導電性インク等を用いることができる。特にフレキシブル電子ペーパー等に用いる場合、各電極は導電性高分子および炭素粒子、銀粒子等を分散した導電性インク等であるものが基板との熱膨張をそろえ易く好ましい。
これら各電極、ゲート絶縁層の形成方法は特に限定はされないが有機材料の場合、電解重合法、キャスティング法、スピンコート法、浸漬コート法、スクリーン印刷法、マイクロモールド法、マイクロコンタクト法、ロール塗布法、インクジェット法、LB法等で形成することができる。また、用いる材料により真空蒸着法、CVD法、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法等も有効な形成方法である。
また、これらはフォトリソグラフおよびエッチング処理により所望の形状にパターニングすることができる。その他、ソフトリソグラフ、インクジェット法も有効なパターニング方法である。また、必要に応じて各電極からの引出し電極や保護膜等を形成することができる。
以下、実施例により本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図2は本発明の実施例に用いた電界効果型有機トランジスタを示す断面模式図である。ゲート電極21としてn型に高ドープされたシリコン基板、ソース電極23およびドレイン電極24として金、有機半導体層25としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(分子量Mw:87,000)と、ポリ(N−ドデシルアクリルアミド)(分子量Mn:20,800、Mw:329,000)を用いた。
図2は本発明の実施例に用いた電界効果型有機トランジスタを示す断面模式図である。ゲート電極21としてn型に高ドープされたシリコン基板、ソース電極23およびドレイン電極24として金、有機半導体層25としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(分子量Mw:87,000)と、ポリ(N−ドデシルアクリルアミド)(分子量Mn:20,800、Mw:329,000)を用いた。
以下に製造手順を示す。
シリコン基板上に熱酸化膜SiO2 (200nm)を形成した。その上にマスク蒸着法によりチャネル長200μm、チャネル幅14.45cmのクロム(5nm)/金(100nm)ソースドレイン両電極を作製し基板Aを得た。次にポリ(3−ヘキシルチオフェン)の1mmolクロロホルム溶液と、ポリ(N−ドデシルアクリルアミド)の1mmolクロロホルム溶液を2:1のモル比で混合攪拌して混合溶液Aを得た。混合溶液Aを脱イオン水(MilliQ、比抵抗約17MΩcm、ミリポア社製)上に展開し、水相温度を20℃に保持した。次にテフロン(登録商標)バリアにより14cm2 /minの一定速度で圧縮し、表面圧25mN/mにおいて安定した膜が得られた。基板Aを垂直浸漬法により下降、上昇させることで単分子膜を1層ずつ転写し、10回繰り返すことで10層の積層体を形成し有機半導体層を得た。得られた有機半導体層の膜厚はX線回折測定により17nmであった。
シリコン基板上に熱酸化膜SiO2 (200nm)を形成した。その上にマスク蒸着法によりチャネル長200μm、チャネル幅14.45cmのクロム(5nm)/金(100nm)ソースドレイン両電極を作製し基板Aを得た。次にポリ(3−ヘキシルチオフェン)の1mmolクロロホルム溶液と、ポリ(N−ドデシルアクリルアミド)の1mmolクロロホルム溶液を2:1のモル比で混合攪拌して混合溶液Aを得た。混合溶液Aを脱イオン水(MilliQ、比抵抗約17MΩcm、ミリポア社製)上に展開し、水相温度を20℃に保持した。次にテフロン(登録商標)バリアにより14cm2 /minの一定速度で圧縮し、表面圧25mN/mにおいて安定した膜が得られた。基板Aを垂直浸漬法により下降、上昇させることで単分子膜を1層ずつ転写し、10回繰り返すことで10層の積層体を形成し有機半導体層を得た。得られた有機半導体層の膜厚はX線回折測定により17nmであった。
また、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)を含まないポリ(N−ドデシルアクリルアミド)のみを同様にLB法で累積膜を形成し、X線回折測定により膜厚を測定したところ、同じく17nmであった。これよりLB膜の周期構造はポリ(N−ドデシルアクリルアミド)のみに依存し、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)は周期構造を有さず、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)はポリ(N−ドデシルアクリルアミド)層内に取り込まれていることがわかった。
ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極の各電極に0.1mmφの金線を銀ペーストで配線し、電界効果型有機トランジスタ素子を作製した。
次に、ゲート電圧を0V〜−30V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−30Vでのドレイン電流を測定した。得られたドレイン電流I−ドレイン電圧V測定結果を図4に示す。次に、室温、大気下で1ヶ月放置した後に同様の測定を行い、ゲート電圧−30V、ソース−ドレイン電極間の電圧−30Vでのオン電流の減少率を算出したところ12%であった。
次に、ゲート電圧を0V〜−30V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−30Vでのドレイン電流を測定した。得られたドレイン電流I−ドレイン電圧V測定結果を図4に示す。次に、室温、大気下で1ヶ月放置した後に同様の測定を行い、ゲート電圧−30V、ソース−ドレイン電極間の電圧−30Vでのオン電流の減少率を算出したところ12%であった。
有機半導体層25として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の1mmolクロロホルム溶液と、ポリ(N−ドデシルアクリルアミド)の1mmolクロロホルム溶液を1:2のモル比で混合攪拌して得られる混合溶液Bを用い有機半導体層を形成する以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタを製造した。実施例1と同様の方法でオン電流の減少率を算出したところ8%であった。
有機半導体層25として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の1mmolクロロホルム溶液と、ポリ(N−デシルアクリルアミド)の1mmolクロロホルム溶液を2:1のモル比で混合攪拌して得られる混合溶液Cを用い有機半導体層を形成する以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタを製造した。実施例1と同様の方法でオン電流の減少率を算出したところ10%であった。
有機半導体層25として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(分子量Mw:8,700)と、水素結合ネットワークポリマーではないポリメチルメタクリレート(重量平均分子量:14000)を用いる以外は実施例1と同様の方法で単分子膜を形成し様としたが、良好な単分子膜は得られず、電界効果型有機トランジスタとして機能しなかった。
有機半導体層25として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(分子量Mw:8,700)3wt%のクロロホルム溶液をスピンコート法により形成し、有機半導体層を得る以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタを製造し、実施例1と同様の方法でオン電流の減少率を算出したところ90%以上の減少率であった。
以上の結果から本発明の実施例1〜3の電界効果型有機トランジスタは比較例1および2に比べ、外部刺激による特性の劣化が小さいことがわかる。
有機半導体層25として、ポリ(3−オクチルチオフェン)の1mmolクロロホルム溶液と、ポリ(N−テトラデシルアクリルアミド)の1mmolクロロホルム溶液を1:1のモル比で混合攪拌して得られる混合溶液Dを用い有機半導体層を形成する以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタを製造した。実施例1と同様の方法でオン電流の減少率を算出したところ9%であった。
ゲート絶縁層22としてポリビニルフェノールの2−プロパノール溶液(0.1g/ml)をスピンコート法により塗布し、150℃で6時間乾燥し、ゲート絶縁層を形成する以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタを製造した。実施例1と同様の方法でオン電流の減少率を算出したところ9%であった。
本発明の電界効果型有機トランジスタは、外部刺激に対する耐久性が高い、特に表示デバイス、情報タグ、フレキシブルな電子ペーパー、IC等のエレクトロ分野に有用な電界効果型有機トランジスタとして利用することができる。
また、本発明の製造方法は、上記の外部刺激に対する耐久性が高い電界効果型有機トランジスタを低い製造コストで得ることができ、電界効果型有機トランジスタの製造方法として有用である。
11 絶縁性基板
12,21 ゲート電極
13,22 ゲート絶縁層
14,23 ドレイン電極
15,24 ソース電極
16,25 有機半導体層
17 保護膜
12,21 ゲート電極
13,22 ゲート絶縁層
14,23 ドレイン電極
15,24 ソース電極
16,25 有機半導体層
17 保護膜
Claims (11)
- ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層が有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜またはその積層体からなることを特徴とする電界効果型有機トランジスタ。
- 前記単分子膜またはその積層体が、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーを含有する溶液を用いてラングミュア−ブレジット法により形成されたものである請求項1記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記水素結合ネットワークポリマーがポリアクリルアミドである請求項1または2記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記一般式(I)で表わされるR2 が炭素原子数8から16の直鎖状または分岐状のアルキル基である請求項4記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記有機半導体物質が共役高分子化合物からなる請求項1乃至5のいずれかの項に記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記共役高分子化合物がポリチオフェン誘導体である請求項6に記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記共役高分子化合物の重量平均分子量が5,000〜500,000である請求項6または7に記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの含有割合は、モル比で有機半導体物質:ポリマー=1:0.1から1:10である請求項1乃至8のいずれかの項に記載の電界効果型有機トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁層が有機化合物からなる請求項1乃至9のいずれかの項に記載の電界効果型有機トランジスタ。
- ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とを有する電界効果型有機トランジスタの製造方法であって、有機半導体物質と水素結合ネットワークポリマーの混合物を水面上に展開した溶液を調製する工程、前記溶液を用いてラングミュア−ブレジット法により、有機半導体物質を含有する水素結合ネットワークポリマーの単分子膜またはその積層体からなる有機半導体層を形成する工程を有することを特徴とする電界効果型有機トランジスタの製造方法。
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