JP5715664B2 - 有機半導体組成物 - Google Patents
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Description
トランジスタは、電気信号の増幅やスイッチ動作性を有する半導体素子である。トランジスタは、デジタル回路では電子的なスイッチとして、半導体メモリ、マイクロプロセッサ、その他の論理回路等で広く使用されている。
特許文献2には、オリゴチオフェンとポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含む溶液の調製法および、該溶液を用いた電界効果トランジスタについて開示されている。
特許文献3には、オリゴチオフェンと低分子材料からなる、電界効果トランジスタについて開示されている。
特許文献4には、ペンタセン誘導体と高分子材料からなる電界効果トランジスタについて開示されている。
非特許文献2には、高分子系有機半導体材料にポリメタクリル酸メチル(PMMA)を添加した溶液の調製法および半導体特性について開示されている。
(1)有機半導体材料および高分子材料を含む組成物であって、下記一般式(1)で表される部分構造を有する有機半導体材料を用いることを特徴とする、組成物。
(2)前記有機半導体材料が下記一般式(2)で表されることを特徴とする、(1)項に記載の組成物。
アルキル基を表す。m1、m2は独立して0〜4の整数を表す。)
(3)前記高分子材料が絶縁材料であることを特徴とする、(1)又は(2)項に記載の組成物。
(4)前記高分子材料が半導体材料であることを特徴とする、(1)又は(2)項に記載の組成物。
(5)前記高分子材料が導電性材料であることを特徴とする、(1)又は(2)項に記載の組成物。
(6)(1)〜(5)項のいずれか一項に記載の組成物および溶媒を含む、有機半導体インク。
(7)大気雰囲気下で調製することを特徴とする、(6)項に記載の有機半導体インク。
(8)(1)〜(5)項のいずれか一項に記載の組成物、または、(6)項に記載の有機半導体インクから作成した、有機半導体薄膜。
(9)(1)〜(5)項のいずれか一項に記載の組成物を含む、電界効果トランジスタ。
(10)前記(1)〜(5)項のいずれか一項に記載の組成物、又は、(6)項に記載の有機半導体インクを基板上に塗布することにより、半導体薄膜を形成することを含む、電界効果トランジスタの製造方法。
(11)前記半導体薄膜を大気雰囲気下で製膜することを特徴とする、(10)項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
(12)前記半導体薄膜を形成後に熱処理を行うことを特徴とする、(10)又は(11)項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
(13)熱処理温度が、20℃以上250℃以下であることを特徴とする、(12)項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
(14)熱処理温度が、100℃以上180℃以下であることを特徴とする、(13)項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
(15)熱処理温度が、有機半導体材料の融点よりも高いことを特徴とする、(12)〜(14)項のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
(16)熱処理温度が、高分子材料のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする、(12)〜(15)項のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
1 ソース電極
2 半導体薄膜
3 ドレイン電極
4 絶縁体層
5 ゲート電極
6 基板
7 保護層
本発明の有機半導体組成物(以下、便宜的に「本発明組成物」と記載)は、下記の一般式(1)で表される部分構造を有する有機半導体材料および高分子材料を含む。その他の添加物を含有してもよいが、含有しなくても本発明の効果は得られる。
無機系高分子化合物として、シリコン樹脂、シリコンゴムなどが挙げられる。
有機半導体薄膜作成後は、溶媒を除去する工程を経てもよい。溶媒除去工程としては、加熱による熱処理、乾燥ガス雰囲気下、大気雰囲気下での自然乾燥など、目的により適宜選択できるが、簡便な自然乾燥が好ましい。
一般に、電界効果トランジスタはゲート電極が絶縁膜で絶縁されている構造(Metal−Insulator−Semiconductor;MIS構造)がよく用いられる。絶縁膜に金属酸化膜を用いるものはMOS構造と呼ばれる。他には、ショットキー障壁を介してゲート電極が形成されている構造(MES構造)のものもあるが、有機半導体材料を用いたFETの場合、MIS構造がよく用いられる。
図1に、本発明の電界効果トランジスタのいくつかの態様を示す。各態様において、1はソース電極、2は半導体薄膜、3はドレイン電極、4は絶縁体層、5はゲート電極、6は基板、7は保護層をそれぞれ表す。尚、各層や電極の配置は、素子の用途により適宜選択できる。A〜Dは基板と並行方向に電流が流れるので、横型FETと呼ばれる。Aはボトムコンタクト構造、Bはトップコンタクト構造と呼ばれる。また、Cは有機単結晶のFET作成によく用いられる構造で、半導体薄膜上にソース及びドレイン電極、絶縁体層を設け、さらにその上にゲート電極を形成している。Dはトップ&ボトムコンタクト型半導体と呼ばれる構造である。Eは縦型の構造をもつFET、すなわち静電誘導半導体(SIT)の模式図である。このSIT構造によれば、電流の流れが平面状に広がるので一度に大量のキャリアが移動できる。またソース電極とドレイン電極が縦に配されているので電極間距離を小さくできるため応答が高速である。従って、大電流を流す、あるいは高速のスイッチングを行うなどの用途に適用できる。なお図1中のEには、基板を記載していないが、通常の場合、1および3で表されるソース及びドレイン電極の外側には基板が設けられる。
基板6は、その上に形成される各層が剥離することなく保持できることが必要である。例えば、樹脂板やフィルム、紙、ガラス、石英、セラミックなどの絶縁性材料、金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成した物、樹脂と無機材料など各種組合せからなる材料等を使用しうる。使用しうる樹脂フィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。樹脂フィルムや紙を用いると、素子に可撓性を持たせることができ、フレキシブルで、軽量となり、実用性が向上する。基板の厚さとしては、通常1μm〜10mmであり、好ましくは5μm〜5mmである。
半導体薄膜2の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で、薄いほど好ましい。A、B及びDに示すような横型の電界効果トランジスタにおいては、所定以上の膜厚があれば半導体素子の特性は膜厚に依存しない。その一方で、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多い。そのため膜厚が適当な範囲にあることが好ましい。半導体が必要な機能を示すために半導体薄膜の膜厚は、通常、0.1nm〜10μm、好ましくは0.5nm〜5μm、より好ましくは1nm〜3μmである。
保護層の材料としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の各種樹脂からなる膜や、酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等、無機酸化膜や窒化膜等の誘電体からなる膜が好ましく用いられる。特に、酸素や水分の透過率や吸水率の小さな樹脂(ポリマー)が好ましい。近年、有機ELディスプレイ用に開発されている保護材料も使用が可能である。保護層の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を採用できるが、通常100nm〜1mmである。
この製造方法は、前記した他の態様の電界効果トランジスタ等にも同様に適用しうるものである。
本発明の電界効果トランジスタは、基板6上に必要な各種の層や電極を設けることで作製される(図2(1)参照)。基板には上記で説明したものが使用できる。この基板上に前述の表面処理などを行うことも可能である。基板6の厚みは、必要な機能を妨げない範囲で薄い方が好ましい。材料によっても異なるが、通常1μm〜10mmであり、好ましくは5μm〜5mmである。又、必要により、基板に電極の機能を持たせるようにしてもよい。
基板6上にゲート電極5を形成する(図2(2)参照)。電極材料としては上記で説明したものが用いられる。電極膜を成膜する方法としては、各種の方法を用いることが出来、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法等が採用される。成膜時又は成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行うのが好ましい。パターニングの方法としても各種の方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法等が挙げられる。又、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用し、パターニングすることも可能である。ゲート電極5の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm〜10μmであり、好ましくは0.5nm〜5μmであり、より好ましくは1nm〜3μmである。又、ゲート電極と基板を兼ねる場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
ゲート電極5上に絶縁体層4を形成する(図2(3)参照)。絶縁体材料としては上記で説明したもの等が用いられる。絶縁体層4を形成するにあたっては各種の方法を用いうる。例えばスピンコーティング、スプレイコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット等の印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコン上の二酸化シリコンのように金属上に酸化物膜を形成する方法等が採用される。
尚、絶縁体層と半導体薄膜が接する部分には、両層の界面で半導体を構成する分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行うこともできる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものを用いうる。絶縁体層4の膜厚は、その機能を損なわない範囲で薄い方が好ましい。通常0.1nm〜100μmであり、好ましくは0.5nm〜50μmであり、より好ましくは5nm〜10μmである。
ソース電極1及びドレイン電極3の形成方法等はゲート電極5の場合に準じて形成することが出来る(図2(4)参照)。
有機半導体材料として、上記で説明したように、本発明による前記式(1)で表される部分構造を有する化合物と高分子材料を含む組成物が用いられる。半導体薄膜2を成膜するにあたっては、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法等の塗布法、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの溶液プロセスが用いられる(図2(5)参照)。
さらに、半導体薄膜2を覆う形で保護層7を形成してもよい(図2(6)参照)。保護層の形成方法は、特に限定されず、公知の種々の方法を用いることが可能である。
以下に、本発明の一実施形態による電界効果トランジスタの製造工程を説明するが、本発明の効果を失わない限り、この限りではない。
まず、半導体特性を有する有機半導体材料を第一の溶媒に溶解して、第一の溶液を作成する。有機半導体材料は、単分子状として第一の溶媒に溶解してもよいし、コロイドやミセルなどの分子集合体として、第一の溶媒に分散していてもよい。有機半導体材料の濃度についても特に限定は無いが、溶液中に安定に溶解または分散している状態が好ましい。例えば、少しの温度変化などで有機半導体材料が沈殿するような飽和濃度近傍の濃度は好ましくない。しかし、沈殿物を形成しても、フィルターを通して通過するもののみを、次の工程で使用するようにしてもよい。フィルターを通すことによって、不溶の不純物を除くことができる。
本発明インクを用いた電界効果トランジスタの作成法について以下に述べるが、本発明組成物の効果を減じない限りにおいては、以下の手法に限定されない。ゲート絶縁膜、ゲート電極を形成した基板の上に本発明による有機半導体インクを供給し、本発明の組成物を含む半導体薄膜を得る。その後、上記手法にてソースおよびドレイン電極を作成し、本発明組成物を含む電界効果トランジスタを得る。または、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソースおよびドレイン電極を形成した基板の上に本発明による有機半導体インクを供給し、本発明の組成物を含む半導体薄膜を得る。有機半導体インクを供給し、有機半導体薄膜を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法などが挙げられる。特に半導体特性を損なう手法でなければ、これらの手法に限定されるものではない。
熱処理の温度範囲としては、有機半導体材料および高分子材料の熱特性、すなわち融点、相転移温度、ガラス転移温度などに適宜調整可能であるが、20〜250℃が好ましく、50〜230℃がより好ましく、80〜200℃がさらに好ましく、100〜180℃の範囲が最も好ましい。
また、熱処理温度は高分子材料のガラス転移温度(以下Tgという)以上がより好ましく、Tg以上かつTgから150℃高い温度範囲がさらに好ましく、Tg以上かつTgから100℃高い範囲がより好ましく、Tg以上かつTgから50℃高い温度範囲がもっとも好ましい。
さらに、熱処理温度は、有機半導体材料の融点以上が好ましく、融点以上かつ融点から150℃高い温度範囲がさらに好ましく、融点以上かつ融点から100℃高い温度範囲がより好ましく、融点以上かつ融点から50℃高い温度範囲がもっとも好ましい。
加熱の際には、大気雰囲気下、真空下、窒素やアルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、あるいは水素などの活性ガス雰囲気下など、目的により適宜選択できるが、簡便かつ特殊設備が不要な大気雰囲気下が最も望ましい。
1.有機半導体材料
1)化合物名2,7−デシル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン、化合物(319) 融点;124℃
発明者による合成品、以下「C10BTBT」と記載する。
また、その他で使用可能なアルキルBTBT(nはアルキル鎖の炭素数を示す)の融点(ホットプレート測定値)は以下の通りである。
2.高分子材料
例に記載の高分子材料の中で、ガラス転移温度50〜150℃のものを使用した。
1)化合物名ポリメタクリル酸メチルエステル
東京化成製、以下「PMMA」と記載する。絶縁性アクリル樹脂系高分子、ガラス転移温度90−115℃、溶融温度250℃以上、熱分解温度300℃以上。
2)化合物名ポリスチレン
Aldrich製、以下「PS」と記載する。絶縁性ポリスチレン系高分子、ガラス転移温度50−110℃、溶融温度200℃、熱分解温度330℃以上。
3)化合物名ポリ(スチレン・アクリロニトリル)コ・ブロック重合体
Aldrich製、以下「PS―AN」と記載する。絶縁性共重合系高分子、ガラス転移温度50−110℃、溶融温度200℃、熱分解温度330℃以上。
4)化合物名ポリ(3−ヘキシル−チオフェン)
メルク社製。以下P3HTと記載する。半導体性ポリチオフェン系高分子、ガラス転移温度約115℃、溶融温度>210℃、熱分解温度>430℃。
<本発明インクの作成>
以下の手法にて、有機半導体材料および高分子材料の濃度が異なる、本発明の各種インクを得た。
インク1の作成法は以下の通りです。
C10BTBT2.0部にクロロフォルム98.0部を添加し、30〜40℃の加熱を行うことで、C10BTBTを溶解させ、第一の溶液を得た。PMMA2.0部にクロロホルム99.0部を添加し、30〜40℃の加熱を行うことで、PMMAを溶解させ、第二の溶液を得た。第一の溶液50部に、第二の溶液15部を添加し、30〜50℃の加熱を行うことで、C10BTBTとPMMAが溶解した第三の溶液を得た。さらに、クロロホルムを35部添加することで、最終的にC10BTBTの濃度が1.0%、PMMAの濃度が0.3%であるインク1を得た。
インク2は、PMMAの代わりにPSを用いる以外はインク1と同様に調製した。
インク3は、PMMAの代わりにPS−ANを用いる以外はインク1と同様に調製した。
インク4は、PMMAの代わりにP3HTを用いる以外はインク1と同様に調製した。
インク5の作成法は以下の通りである。
インク1と同様の手法で、C10BTBTを含む第一の溶液および、PMMAを含む第二の溶液を得た。第一の溶液50部に、第二の溶液3.5部を添加し、30〜50℃の加熱を行うことで、C10BTBTとPMMAが溶解した第三溶液を得た。さらに、クロロホルムを46.5部添加することで、最終的にC10BTBTの濃度が1.0%、PMMAの濃度が0.07%であるインク5を得た。
インク1と同様の手法で、C10BTBTを含む第一の溶液および、PMMAを含む第二の溶液を得た。第一の溶液50部に、第二の溶液7部を添加し、30〜50℃の加熱を行うことで、C10BTBTとPMMAが溶解した第三の溶液を得た。さらに、クロロホルム43部を添加することで、最終的にC10BTBTの濃度が1.0%、PMMAの濃度が0.14%であるインク6を得た。
インク7の作成法は以下の通りである。
実施例1と同様の手法で、C10BTBTを含む第一の溶液および、PMMAを含む第二の溶液を得た。第一の溶液50部に、第二の溶液50部を添加し、30〜50℃の加熱を行うことで、最終的にC10BTBTの濃度が1.0%、PMMAの濃度が1.0%であるインク7を得た。
C10BTBT1.0部にクロロホルム99.0部を添加し、30〜40℃の加熱を行うことで、C10BTBTを溶解させ、比較用の溶液(以下、比較溶液と記載)を得た。
以下の手法にて、図1Aに図示した構造を有するボトムコンタクト型の電界効果トランジスタ(以下、ボトム基板と記載)を作成した。ヘキサメチルジシラザン(以下、HMDSと記載)処理をした300nmのSiO2熱酸化膜付きnドープシリコンウェハー(面抵抗0.02Ω・cm以下)上にレジスト材料を塗布、露光パターニングし、ここにクロムを1nm、さらに金を40nm蒸着した。次いでレジストを剥離して、ソース電極及びドレイン電極を形成させた(チャネル長25μm×チャネル幅2mm×20個である櫛型電極)。
上記のインク1〜7および比較溶液の各々を、公知の処方にてHMDSによる表面処理を行ったボトム基板に、2〜3mgを滴下することで基板上に半導体組成物を供給し、スピンコート法(回転数4000rpm回転時間25秒)にて、ボトム基板上に半導体薄膜を作成することで、本発明のボトムコンタクト型の電界効果トランジスタを得た(以下、ボトム素子と略す)。
上記インク1〜7および比較溶液の各々を、HMDS処理をした300nmのSiO2熱酸化膜付きnドープシリコンウェハー(面抵抗0.02Ω・cm以下)に、2〜3mgを滴下することで基板上に半導体組成物を供給し、スピンコート法(回転数4000rpm回転時間25秒)にて、シリコン基板上に半導体薄膜を得た。半導体薄膜を形成した基板に、下記の熱処理を施した。その後、電極作成用シャドウマスクを取り付け、真空蒸着装置内に設置し、装置内の真空度が1.0×10−4Pa以下になるまで排気した。次いで抵抗加熱蒸着法によって、金の電極(ソース電極及びドレイン電極)を40nmの厚さに蒸着(チャネル長200μm×チャネル幅2mm)し、図1Bに示した構造を有する、トップコンタクト型である電界効果トランジスタを得た(以下、トップ素子と略す)。
半導体のキャリア移動度(以下移動度)および閾値電圧の算出は「半導体デバイス物理特性および技術」[Sze,S.M.pp30−35,pp200−207(1985)]の記載内容に準拠して行った。移動度および閾値電圧は、半導体素子に対して、ソースおよびドレイン電圧(0〜−100V)を印加することによって測定し、半導体応答曲線の飽和ソースドレイン電流を用いて算出した。移動度および閾値電圧は3つの素子にて測定を行い、その平均値を算出した。
<耐熱性の比較>
PMMAを0.3%含有する上記インク1もしくは比較溶液から作成し、熱処理なし(室温)、118℃、および150℃の熱処理を行ったボトム素子の移動度を表5に示す。
<高分子材料の比較>
PMMA、PS、PS−AN、P3HTをそれぞれ0.3%含有する上記インク1乃至4および比較溶液から作成し、150℃の熱処理を施したボトム素子の電界効果トランジスタの移動度を表6に示す。
<高分子材料添加量と塗布性比較>
本発明インクのスピンコートによる製膜性について、表面をUV/オゾン処理によって親水化したSiO2基板(以下、未処理基板)および、UV/オゾン処理後に公知の手法にてHMDSによる疎水化を行った基板(以下、HMDS処理基板)を用いて比較を行った。未処理基板又はHMDS処理基板上に、インク5乃至7および比較溶液を、2〜3mgを滴下することで基板上に半導体組成物を供給し、スピンコート法(回転数4000rpm 回転時間25秒)にて、半導体薄膜を得た。
未処理基板または処理基板上での、半導体インク5乃至7または比較溶液による、SiO2表面上でのスピンコート製膜性を表7に示す。
未処理基板、HMDS処理基板共に、比較溶液、インク5、インク6の順番、すなわちPMMAの含有量の増加に伴い塗布性が改善した。特に、比較溶液を用いた場合、HMDS処理基板上では明瞭な半導体薄膜の形成が認められなかったのに対し、インク6では非常に良好な半導体薄膜の形成が認められた。インク7は、スピンコート法にとっては高粘度であり塗布性が悪くなっているため、濡れ性が低下した。しかし、PMMAの添加量を調整することでスピンコート法以外の塗布法にて製膜が可能となる。
<高分子材料の比較>
PMMAの含有量が異なる上記のインク1、5〜7から作成し、室温での熱処理を施したボトム素子の電界効果トランジスタの移動度を表8に示す。
<トップコンタクト素子>
PMMAを0.3%含有する上記のインク1から作成し、150℃の熱処理を施したトップ素子の電界効果トランジスタの移動度を表9に示す。
Claims (7)
- 請求項1に記載の組成物および溶媒を含む、有機半導体インク。
- 大気雰囲気下で調製することを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体インク。
- 請求項1に記載の組成物、又は、請求項2又は3に記載の有機半導体インクを基板上に塗布することにより、半導体薄膜を形成し、
該形成された半導体薄膜を前記有機半導体材料の融点よりも高い温度で熱処理することを特徴とする、電界効果トランジスタの製造方法。 - 前記半導体薄膜を大気雰囲気下で製膜することを特徴とする、請求項4に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記熱処理温度が、100℃以上180℃以下であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
- 前記熱処理温度が、高分子材料のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
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JP2014013920A (ja) | 2014-01-23 |
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