JP2020047880A - 有機半導体組成物、有機薄膜及び有機薄膜トランジスタ - Google Patents
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Abstract
Description
近年、有機化合物の有機溶媒に対する溶解性を改善することにより、塗布法によって比較的高いキャリア移動度を発現する有機薄膜トランジスタが得られるようになった。しかしながら、有機半導体材料からなるデバイスを実用化するためには、量産化した場合に移動度のバラつきが小さいことが必要であり、現在も塗布法による有機薄膜トランジスタの作製の検討が盛んに行われている。
(1)基板と該基板上に設けられた絶縁性化合物からなる絶縁性化合物層と該絶縁性化合物層上に設けられた金属薄膜層からなる電極を有する電極基板、及び該電極基板上に設けられた有機半導体化合物を含む有機薄膜層を有する有機薄膜トランジスタ素子の有機薄膜形成用有機半導体組成物であって、
有機半導体化合物、絶縁性化合物、該有機半導体化合物と該絶縁性化合物の良溶媒である有機溶媒A、及び該有機半導体化合物と該絶縁性化合物の貧溶媒である有機溶媒Bを含有し、
かつ絶縁性化合物濃度が1重量%以上の有機溶媒A溶液の絶縁性化合物層及び金属薄膜層に対する滑落角をθSUB(A’)(°)及びθMETAL(A’)(°)、絶縁性化合物の飽和有機溶媒B溶液の絶縁性化合物層及び金属薄膜層に対する滑落角をθSUB(B’)(°)及びθMETAL(B’)(°)とした場合に、下記条件(1)乃至(3)
条件(1);
1°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|
条件(2):
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|
条件(3):
1°<||θMETAL(A’)−θSUB(A’)|−|θMETAL(B’)−θSUB(B’)||
の関係を全て満たす有機半導体組成物、
(2)条件(3)が
1°<||θMETAL(A’)−θSUB(A’)|−|θMETAL(B’)−θSUB(B’)||<35°
である前項(1)に記載の有機半導体組成物、
(3)条件(1)が
1°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|≦20°
であり、かつ条件(2)が
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|≦40°
である前項(2)に記載の有機半導体組成物、
(4)条件(1)が
20°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|≦40°
であり、かつ条件(2)が
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|≦40°
である前項(2)に記載の有機半導体組成物、
(5)有機溶媒Aと有機溶媒Bの沸点差が20℃以上100℃以下である前項(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
(6)有機溶媒Aまたは有機溶媒Bがシクロアルカンを置換基として有する化合物である前項(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
(7)有機溶媒Bの含有比率が10重量%以上である前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
(8)有機溶媒Aに対する有機半導体化合物の溶解度が0.1重量%以上であり、かつ有機溶媒Bに対する有機半導体化合物の溶解度が0.1重量%未満である前項(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
(9)有機溶媒Aに対する絶縁性化合物の溶解度が1重量%以上であり、かつ有機溶媒Bに対する絶縁性化合物の溶解度が0.1重量%未満である前項(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
(10)有機半導体化合物がアセン骨格、フェナセン骨格又はヘテロアセン骨格を有する化合物である前項(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
(11)有機半導体化合物がチエノチオフェン骨格を有する化合物である前項(10)に記載の有機半導体組成物、
(12)前項(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の有機半導体組成物を塗布、乾燥して得られる有機薄膜、及び
(13)前項(12)に記載の有機薄膜を有する有機薄膜トランジスタ、
に関するものである。
本発明の有機半導体組成物は、基板と該基板上に設けられた絶縁性化合物からなる絶縁性化合物層と該絶縁性化合物層上に設けられた金属薄膜層からなる電極を有する電極基板、及び該電極基板上に設けられた有機半導体化合物を含む有機薄膜層を有する有機薄膜トランジスタ素子の有機薄膜形成用有機半導体組成物であって、
有機半導体化合物、絶縁性化合物、該有機半導体化合物と該絶縁性化合物の良溶媒である有機溶媒A、及び該有機半導体化合物と該絶縁性化合物の貧溶媒である有機溶媒Bを含有し、
かつ絶縁性化合物濃度が1重量%以上の有機溶媒A溶液(以下、単に「絶縁性化合物A溶液」と記載することもある)の絶縁性化合物層及び金属薄膜層に対する滑落角をθSUB(A’)(°)及びθMETAL(A’)(°)、絶縁性化合物の飽和有機溶媒B溶液(以下、単に「絶縁性化合物B溶液」と記載することもある)の絶縁性化合物層及び金属薄膜層に対する滑落角をθSUB(B’)(°)及びθMETAL(B’)(°)とした場合に、下記条件(1)乃至(3)の関係を全て満たす有機半導体組成物である。
条件(1);
1°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|
条件(2):
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|
条件(3):
1°<||θMETAL(A’)−θSUB(A’)|−|θMETAL(B’)−θSUB(B’)||
本発明の有機半導体組成物に用いられる有機半導体化合物は、一般に言われる低分子有機半導体化合物及び高分子有機半導体化合物の何れにも限定されないが、低分子有機半導体化合物であることが好ましく、その分子量は通常1,500以下であり、1,000以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましい。
また、有機半導体化合物の構造も、有機半導体化合物として公知のものであれば特に限定されない。
さらに、有機半導体化合物としては、ポリアントラセン、トリフェニレン及びキナクリドンを挙げることができる。
式(2)中、R3及びR4はいずれか一方がアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基又はアルキル基を有する複素環基を表し、他方が脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。但し、R3及びR4の両者がアルキル基である場合を除く。
環状の飽和脂肪族炭化水素基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
具体的には、R1及びR2がそれぞれ独立して炭素数2乃至24の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基であるか炭素数2乃至24の直鎖又は分岐鎖のハロゲノ置換脂肪族炭化水素基である化合物が好ましく、炭素数4乃至20の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基であるか炭素数4乃至20の直鎖又は分岐鎖のハロゲノ置換脂肪族炭化水素基である化合物がより好ましく、炭素数6乃至12の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基であるか炭素数6乃至12の直鎖又は分岐鎖のハロゲノ置換脂肪族炭化水素基である化合物が更に好ましく、炭素数6乃至12の直鎖の脂肪族炭化水素基であるか炭素数6乃至12の直鎖のハロゲノ置換脂肪族炭化水素基である化合物が更に好ましい。なお、R1とR2は同一でも異なっていてもよい。
式(2)のR3又はR4が表すアルキル基を有する芳香族炭化水素基における芳香族炭化水素基としては、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
具体的には、R3及びR4の一方が炭素数1乃至10の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有するフェニル基又は炭素数1乃至16の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基であり、他方が炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基、チエニル基又はベンゾチエニル基である化合物が好ましく、一方が炭素数4乃至16の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基であり、他方が炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有していてもよいフェニル基、チエニル基又はベンゾチエニル基である化合物がより好ましく、一方が炭素数4乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基であって、他方が炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有していてもよいフェニル基又はベンゾチエニル基である化合物が更に好ましく、一方が炭素数4乃至10の直鎖のアルキル基又は炭素数6乃至12の分岐鎖のアルキル基であって、他方が炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有していてもよいフェニル基である化合物が特に好ましく、一方が炭素数6乃至10の直鎖のアルキル基であって、他方がフェニル基である化合物が最も好ましい。
絶縁性有機高分子化合物としては、ポリカルボン酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体、ゴム又は熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリカルボン酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート又はポリメチルアクリレートがより好ましい。
即ち、絶縁性化合物としては、下記式(3)及び/または(4)で表される繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
式(3)におけるR5及びR6は炭素数1乃至10の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1乃至6の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることがより好ましく、炭素数2乃至4の直鎖アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
式(4)におけるR7及びR8は、炭素数1乃至10の直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、炭素数1乃至6の直鎖アルキルであることがより好ましい。
式(5)におけるR9及びR10は炭素数1乃至10の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基または水素原子であることが好ましく、炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基または水素原子であることがより好ましく、炭素数1乃至4の直鎖アルキル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
式(6)におけるR12乃至R16は炭素数1乃至8の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基または水素原子、隣り合う2つがお互いに連結して環を形成していることが好ましく、炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基または水素原子、隣り合う2つがお互いに連結して環を形成していることがより好ましく、ナフタレン構造を形成していることが最も好ましい。
式(7)におけるR18乃至R22は炭素数1乃至8の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基または水素原子、隣り合う2つがお互いに連結して環を形成していることが好ましく、炭素数1乃至6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基または水素原子、隣り合う2つがお互いに連結して環を形成していることがより好ましく、ナフタレン構造を形成していることが最も好ましい。
有機溶媒Aと有機溶媒Bの沸点の差は1℃以上あることが好ましく、5℃以上であることがより好ましく、10℃以上130℃以下であることが更に好ましく、15℃以上100℃以下であることが特に好ましく、20℃以上100℃以下であることが最も好ましい。
液体を固体表面に滴下すると液体は自らの持つ表面張力で丸くなり、図1に示す式が成り立つ。この式をYoungの式 という。図1において、液滴の接線と固体表面とのなす角度θを接触角という。接触角を測定する方法としては、例えばθ/2法、接線法、及びカーブフィッティング法などが知られているが、一般的に用いられているのはθ/2法である。
θ/2法によれば、図2に示す液滴の半径rと高さhを求め下記の式に代入することで接触角を求めることができる。
しかしながら、様々な状態、例えば塗布や洗浄のような、液体と固体の界面が動いている場合を想定すると、液滴の界面が動く動的な状況(前進接触角と後退接触角を持つ)をシミュレートすることが必要となる。そこで次に動的接触角の測定法について詳細に説明する。
液滴法(経時変化)は、前項の接触角の測定を連続的に行うものであり、吸収や揮発の状況を追うという目的にも使用可能である。
拡張/収縮法は、固体表面に接した液滴を膨らませたり吸い込んだりすることで、液滴の界面が前進、後退するときの接触角(前進接触角と後退接触角)を測定する。
滑落法は、液滴を載せた固体試料を傾けて液滴を滑らせる方法である。図3はその模式図であり、滑落角、前進角、後退角は図3に示したそれぞれ角度を記録したものである。
Wilhelmy法は、試料槽内の液体試料中に固体試料を沈める過程で、また沈めたものを引き上げる過程での荷重を測定し、その測定値と固体試料の表面積の値とから動的接触角を求める方法である。
条件(1);
1°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|
条件(2):
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|
条件(3):
1°<||θMETAL(A’)−θSUB(A’)|−|θMETAL(B’)−θSUB(B’)||
の関係を全て満たす有機半導体組成物である。
ここで言う条件(1)とは、絶縁性化合物A溶液の金属薄膜層に対する滑落角(単位は「°」)から絶縁性化合物A溶液の絶縁性化合物層に対する滑落角(単位は「°」)を引いた値の絶対値(単位は「°」)であり、条件(2)とは、絶縁性化合物B溶液の金属薄膜層に対する滑落角(単位は「°」)から絶縁性化合物B溶液の絶縁性化合物層に対する滑落角(単位は「°」)を引いた値の絶対値(単位は「°」)であり、条件(3)とは、条件(1)の絶対値から条件(2)の絶対値を引いた値の絶対値(単位は「°」)である。
条件(2)の絶対値は1°以上40°以下が好ましく、5°以上35°以下がより好ましい。
条件(3)の絶対値は1°を越えて35°未満であることが好ましい。
尚、上記した条件(1)乃至(3)の好ましい絶対値の範囲の組合せがより好ましく、より好ましい絶対値の組合せが更に好ましい。
条件(I);
1°≦|αMETAL(A’)−αSUB(A’)|
条件(II);
1°≦|αMETAL(B’)−αSUB(B’)|
の関係を全て満たす有機半導体組成物であることも好ましい。
ここで言う条件(I)とは、絶縁性化合物A溶液の金属薄膜層に対する静的接触角(単位は「°」)から絶縁性化合物A溶液の絶縁性化合物層に対する静的接触角(単位は「°」)を引いた値の絶対値(単位は「°」)であり、条件(2)とは、絶縁性化合物B溶液の金属薄膜層に対する静的接触角(単位は「°」)から絶縁性化合物B溶液の絶縁性化合物層に対する静的接触角(単位は「°」)を引いた値の絶対値(単位は「°」)である。
条件(I)の絶対値は1°以上40°以下がより好ましく、10°以上30°以下が更に好ましい。また、条件(II)の絶対値は1°以上40°以下がより好ましく、5°以上35°以下が更に好ましい。
尚、上記した条件(I)及び(II)のより好ましい絶対値の範囲の組合せが更に好ましく、更に好ましい絶対値の組合せが特に好ましい。
本発明の有機トランジスタは、基板6上に必要な各種の層や電極を設けることで作製される(図5(1)参照)。基板としては上記で説明したものが使用できる。この基板上に前述の表面処理などを行うことも可能である。基板6の厚みは、必要な機能を妨げない範囲で薄い方が好ましい。材料によっても異なるが、通常1μm乃至10mmであり、好ましくは5μm乃至5mmである。また、必要により、基板に電極の機能を持たせるようにする事も出来る。
基板6上にゲート電極5を形成する(図2(2)参照)。電極材料としては上記で説明したものが用いられる。電極膜を成膜する方法としては、各種の方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法等が採用される。成膜時又は成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行うのが好ましい。パターニングの方法としても各種の方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法等が挙げられる。また、シャドウマスクを用いた蒸着法やスパッタ法やインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用し、パターニングすることも可能である。ゲート電極5の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm乃至10μmであり、好ましくは0.5nm乃至5μmであり、より好ましくは1nm乃至3μmである。また、ゲート電極と基板を兼ねるような場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
ゲート電極5上に絶縁体層4を形成する(図5(3)参照)。絶縁体材料としては上記で説明した材料が用いられる。絶縁体層4を形成するにあたっては各種の方法を用いることができる。例えばスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット等の印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコン上の酸化珪素のように金属上に熱酸化法などにより酸化物膜を形成する方法等が採用される。尚、絶縁体層と半導体層が接する部分においては、両層の界面で半導体を構成する化合物の分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行うこともできる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものを用いることができうる。絶縁体層4の膜厚は、その電気容量をあげることで取り出す電気量を増やすことが出来るため、出来るだけ薄い膜であることが好ましい。このときに薄い膜になるとリーク電流が増えるため、その機能を損なわない範囲で薄い方が好ましい。通常0.1nm乃至100μmであり、好ましくは0.5nm乃至50μmであり、より好ましくは5nm乃至10μmである。
有機薄膜(有機半導体層)を形成するにあたっては、塗布及び印刷による方法等の各種の方法を用いることができる。具体的にはディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法等の塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの溶液プロセスによる形成方法が挙げられる。
ソース電極1及びドレイン電極3の形成方法等はゲート電極5の場合に準じて形成することができる(図5(5)参照)。また有機薄膜との接触抵抗を低減するために各種添加剤などを用いることが可能である。
有機薄膜に保護層7を形成すると、外気の影響を最小限にでき、また、有機トランジスタの電気的特性を安定化できるという利点がある(図5(6)参照)。保護層の材料としては前記のものが使用される。保護層7の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を採用できるが、通常100nm乃至1mmである。
尚、本実施例と比較例では下記式(1)、(2)、及び(3)で表されるOSC−1(9−オクチル−3−フェニルナフト[2’,3’:4,5]チエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン)、OSC−2(6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン)、及びOSC−3(2,7−ジオクチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン)を有機半導体化合物として使用した。
有機半導体化合物(OSC−1、OSC−2、OSC−3)の粉末約1mgに下記表1乃至8に記載の溶媒をそれぞれ加え、溶解度(有機半導体化合物の重量/有機半導体化合物の全量を溶解するために要した各溶液の重量×100)を算出した。尚、完全に溶解した時点の見極めは目視確認により行った。結果を表9乃至16に示した。絶縁性化合物として本実施例で用いたポリメタクリル酸メチル(PMMA、分子量120,000)、ポリ(1−ビニルナフタレン)(P1VN、分子量100000)、ポリスチレン(PS、分子量1,000,000または280,000)、ポリ−α−メチルスチレン(PaMS、分子量7,000)についても同様の方法で溶解度の評価を行い、結果を表9乃至16に示した。
尚、表11におけるメシチレン及びシクロヘキシルベンゼンは分子量280,000のポリスチレンを、表11におけるm−ジエチルベンゼン並びに1−クロロナフタレン、表12、表13及び表16は分子量1,000,000のポリスチレンを用いて評価した溶解度である。
ガラス基板上に設けたポリビニルフェノール(分子量25,000)からなる絶縁性化合物層1上またはシクロオレフィン系共重合体樹脂からなる絶縁性化合物層層2上に、絶縁性化合物A溶液、または絶縁性化合物B溶液を滴下し、静的接触角を測定した。さらにその基板をのせた台を1°ずつ傾けることで動的接触角を測定した。尚、液滴が前後10dot以上動いた角度を滑落角とした。また、絶縁性化合物B溶液はフィルターで濾してから測定を行った。接触角の測定には協和界面科学社製の接触角計であるDM−501を使用した。結果を表17乃至20に示した。
尚、表20は絶縁性化合物に分子量1,000,000のポリスチレンを用いた接触角の測定結果である。
絶縁性化合物層を設けたガラス基板の代りに、蒸着した銀の薄膜層に自己組織化単分子層(SAM)による表面処理を施したガラス基板を用いた以外は参考例2に準じて接触角を測定した。結果を表21乃至24に示した。
表21乃至24中のPFBTはペンタフルオロベンゼンチオールを、24FBTは2,4−ジフルオロベンゼンチオールを、CF34Fは2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールをそれぞれ示す。尚、自己組織化単分子層による表面処理は、実施例2に記載のSAM処理と同様の方法で行った。
尚、表23は絶縁性化合物に分子量1,000,000のポリスチレンを用いた接触角の測定結果である。
有機溶媒Aとしてアニソールと有機溶媒Bとしてシクロヘキシルベンゼンを8:2の比率で混合した溶液に、0.3wt%及び0.06wt%となる量のOSC−1(有機半導体化合物)及びPMMA(絶縁性化合物)を加えて溶解させ、有機半導体組成物1を調製した。尚、これらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)の値は40°、条件(2)の値は37°、条件(3)の値は3°であった。
洗浄したガラス基板上にポリビニルフェノール(分子量25,000)のポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコートにより塗布して加熱することにより絶縁性化合物層1を形成した。前記で得られた絶縁性化合物層1上にシャドウマスクを用いてAgを真空蒸着し、チャネル長20μm、チャネル幅100μmのソース電極及びドレイン電極をそれぞれ形成して電極基板を得た。次に前記の電極基板上を10mMのペンタフルオロベンゼンチオール(東京化成製)で処理(SAM処理)した後、該基板上に実施例1で得られた有機半導体組成物1をスピンコート法により塗布し、ホットプレートを用いて140℃×10分間の条件で有機溶媒を乾燥させて有機薄膜層(有機半導体層)を形成した。次いで、前記の有機薄膜層上にTeflon溶液(TeflonAF 1600XのFC43溶液)をスピンコートにより塗布してゲート絶縁膜層を形成した。最後にゲート電極用マスクを取り付けた基板ホルダーに前記で得られたゲート縁膜を形成した基板をセットした後、真空蒸着機でAuを蒸着することにより本発明のトップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ素子1(図1F)を作製した。
有機トランジスタ素子の性能は、ゲートに電位をかけた状態でソース電極とドレイン電極の間に電位をかけた時に流れる電流量に依存する。この電流値の測定結果を、有機薄膜に生じるキャリア種の電気特性を表現する下記式(a)に用いることにより、移動度を算出することができる。
Id = ZμCi(VG−Vth−VD/2)VD/L…(a)
式(a)中、Idはソース・ドレイン電流値、Zはチャネル幅、Ciは絶縁体の電気容量、VGはゲート電位、Vthは閾値電位、Lはチャネル長であり、マイクロは決定する移動度(cm2/Vs)である。
一枚の基板上に実施例2に準じて8個以上の有機薄膜トランジスタ素子1を作製し、ドレイン電圧−1Vの条件でゲート電圧を+30Vから−40Vまで掃引した場合のドレイン電流の変化の測定結果に基づいて式(a)から算出した正孔移動度は1.93cm2/Vs、移動度のバラつきは22.8%であった。
以上より本発明の有機半導体組成物を用いて得られた有機薄膜トランジスタ素子1は移動度が高く、かつ移動度のバラつきの小さい優れた有機薄膜トランジスタであった。
有機溶媒Bをシクロヘキシルベンゼンからシクロヘキサノールに変更した以外は実施例1に準じて、有機半導体組成物2を調製した。表25に有機半導体組成物1、2における有機半導体化合物の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を実施例3で得られた有機半導体組成物2に変更した以外は実施例2に準じて、本発明の有機薄膜トランジスタ素子2を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表26に有機薄膜トランジスタ素子1及び2の特性の評価結果を示した。
有機溶媒Aをアニソールからフェネトールに、有機溶媒Bをシクロヘキシルベンゼンからビシクロヘキシルにそれぞれ変更した以外は実施例1に準じて、有機半導体組成物3を調製した。
有機半導体組成物1を実施例5で得られた有機半導体組成物3に変更した以外は実施例2に準じて、本発明の有機薄膜トランジスタ素子3を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。
有機溶媒Bをビシクロヘキシルからデカリン又はシクロヘキサノールに変更した以外は実施例5に準じて、有機半導体組成物4及び5を調製した。表27に有機半導体組成物3乃至5における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を実施例7及び8で得られた有機半導体組成物4及び5に変更した以外は実施例2に準じて、本発明の有機薄膜トランジスタ素子4及び5を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表28に有機薄膜トランジスタ素子3乃至5の特性の評価結果を示した。
有機溶媒Bをビシクロヘキシルから1−デセン又はイソホロンに変更した以外は実施例5に準じて、有機半導体組成物6及び7を調製した。表29に有機半導体組成物6及び7における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
絶縁性化合物層1をシクロオレフィン系樹脂である絶縁性化合物層2に、有機半導体組成物1を実施例11及び12で得られた有機半導体組成物6及び7にそれぞれ変更した以外は実施例2に準じて、本発明の有機薄膜トランジスタ素子6及び7を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表30に有機薄膜トランジスタ素子6及び7の特性の評価結果を示した。
有機溶媒Aとしてo−キシレンと有機溶媒Bとしてビシクロヘキシルを9:1の比率で混合した溶液に、0.3wt%及び0.15wt%となる量のOSC−1(有機半導体化合物)及びP1VN(絶縁性化合物)を加えて溶解させ、有機半導体組成物8を調製した。尚、これらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)の値は18°、条件(2)の値は40°、条件(3)の値は22°であった。表31に有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機半導体組成物16における有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を実施例15で得られた有機半導体組成物8に変更した以外は実施例2に準じて、本発明の有機薄膜トランジスタ素子8を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表32に有機薄膜トランジスタ素子8の特性の評価結果を示した。
有機溶媒Aをo−キシレンからメシチレンに、有機溶媒Bをビシクロヘキシルからシクロヘキサノールにそれぞれ変更した以外は実施例15に準じて、有機半導体組成物9を調製した。表33に有機半導体組成物17における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの沸点差、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を実施例17で得られた有機半導体組成物9に変更した以外は実施例2に準じて、本発明の有機薄膜トランジスタ素子9を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表34に有機薄膜トランジスタ素子9の特性の評価結果を示した。
有機溶媒Bをシクロヘキサノールからヘキサデカンに変更した以外は実施例17に準じて比較用の有機半導体組成物10を調製した。尚、これらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)の値は18°、条件(2)の値は19°、条件(3)の値は1°であった。表35に有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機半導体組成物12における有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を比較例1で得られた有機半導体組成物10に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子10を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表36に有機薄膜トランジスタ素子12の特性の評価結果を示した。
有機溶媒Aとしてアニソールと有機溶媒Bとしてテトラリンを8:2の比率で混合した溶液に、0.3wt%及び0.06wt%となる量のOSC−1(有機半導体化合物)及びP1VN(絶縁性化合物)を加えて溶解させ、比較用の有機半導体組成物11を調製した。尚、これらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)の値は0°、条件(2)の値は3°、条件(3)の値は3°であった。参考例1よりアニソールはOSC−1の溶解度が0.4wt%でP1VNの溶解度が10wt%以上であることから、OSC−1とP1VNの良溶媒である。同様にテトラリンはOSC−1の溶解度が0.5wt%でP1VNの溶解度が10wt%以上であることから、OSC−1とP1VNの良溶媒である。表37に有機半導体組成物11における有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
絶縁層1をシクロオレフィン系樹脂である絶縁層2に、SAMをペンタフルオロベンゼンチオールから2,4−ジフルオロベンゼンチオールに、有機半導体組成物1を比較例1で得られた有機半導体組成物11にそれぞれ変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子11を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表38に有機薄膜トランジスタ素子11の特性の評価結果を示した。
使用する有機溶媒を特許文献1に記載の溶媒組成、すなわち有機溶媒Aとしてメシチレンと有機溶媒Bとしてシクロヘキシルベンゼンを2:8の比率で混合した溶液に、0.57wt%及び0.11wt%となる量のOSC−1(有機半導体化合物)及びPS(絶縁性化合物)を加えて溶解させ、比較用の有機半導体組成物12を調製した。尚、これらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)の値は8°、条件(2)の値は39°、条件(3)の値は31°であった。参考例1よりメシチレンはOSC−1の溶解度が0.3wt%でPSの溶解度が5wt%であることから、OSC−1とPSの良溶媒である。同様に、OSC−1とシクロヘキシルベンゼンはOSC−1の溶解度が0.1%以下でP1VNの溶解度が10%以上であることから、OSC−1の貧溶媒でありPSの良溶媒である。表39に有機半導体組成物12における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
尚、表39は絶縁性化合物に分子量1,000,000のポリスチレンを用いた接触角の測定結果である。
有機半導体組成物1を比較例5で得られた有機半導体組成物12に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子12を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表40に有機薄膜トランジスタ素子12の特性の評価結果を示した。
使用する有機半導体化合物をOSC−1からOSC−2及びOSC−3に変更した以外は比較例5に準じて比較用の有機半導体組成物13及び14を調製した。尚、参考例1よりシクロヘキシルベンゼンはOSC−2、OSC−3の溶解度が1%以上でPSの溶解度が10%以上であることから、OSC−1とOSC−3とPSの良溶媒である。表41に有機半導体組成物13及び14における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
尚、表41は絶縁性化合物に分子量1,000,000のポリスチレンを用いた接触角の測定結果である。
有機半導体組成物1を比較例7及び8で得られた有機半導体組成物13及び14に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子13及び14を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表42に有機薄膜トランジスタ素子13及び14の特性の評価結果を示した。
使用する有機溶媒を特許文献3に記載の溶媒組成、すなわち有機溶媒Aとしてm−ジエチルベンゼンと有機溶媒Bとして1−クロロナフタレンを8:2の比率で混合した溶液に、0.2wt%及び0.1wt%となる量のOSC−1(有機半導体化合物)及びPaMS(絶縁性化合物)を加えて溶解させ、比較用の有機半導体組成物15を調製した。尚、これらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)の値は17°、条件(2)の値は43°、条件(3)の値は26°であった。参考例1よりm−ジエチルベンゼンはOSC−1の溶解度が0.1%以下でPaMSの溶解度が10%以上であることから、OSC−1の貧溶媒でありPaMSの良溶媒である。同様に1−クロロナフタレンは有機半導体の溶解度が0.1%でPaMSの溶解度が10%以上であることからOSC−1とPaMSの良溶媒である。表43に有機半導体組成物15における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を比較例11で得られた有機半導体組成物15に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子15を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表44に有機薄膜トランジスタ素子15の特性の評価結果を示した。
使用する有機半導体をOSC−1からOSC−3に変更した以外は比較例11に準じて比較用の有機半導体組成物16を調製した。参考例1よりm−ジエチルベンゼンはOSC−3の溶解度が1wt%以上でPaMSの溶解度が10wt%以上であることから、OSC−3とPaMSの良溶媒である。1−クロロナフタレンはOSC−3の溶解度が1wt%以上でPaMSの溶解度が10wt%以上であることからOSC−3とPaMSの良溶媒である。表45に有機半導体組成物16における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を比較例13で得られた有機半導体組成物16に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子を作製することを試みたが、スピンコート法では基板上に膜を形成させることはできなかった。そのため、半導体特性の評価は実施しなかった。
使用する絶縁性化合物をPaMSからPSに変更した以外は比較例11に準じて比較用の有機半導体組成物17を調製した。参考例1よりm−ジエチルベンゼンはOSC−1の溶解度が0.1%以下でPSの溶解度が10%以上であることから、OSC−1の貧溶媒でありPaMSの良溶媒である。1−クロロナフタレンはOSC−1の溶解度が0.1%でPaMSの溶解度が10%以上であることからOSC−1とPaMSの良溶媒である。表46に有機半導体組成物17における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
尚、表46は絶縁性化合物に分子量1,000,000のポリスチレンを用いた接触角の測定結果である。
有機半導体組成物1を比較例15で得られた有機半導体組成物17に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子17を作製し、有機薄膜トランジスタ素子1の特性評価と同一の条件で半導体特性を評価した。表47に有機薄膜トランジスタ素子17の特性の評価結果を示した。
使用する絶縁性化合物をPaMSからPSに変更した以外は比較例13に準じて比較用の有機半導体組成物18を調製した。参考例1よりm−ジエチルベンゼンはOSC−3の溶解度が1%以上でPSの溶解度が10%以上であることから、OSC−3とPSの良溶媒である。1−クロロナフタレンはOSC−3の溶解度が1%以上でPSの溶解度が10%以上であることからOSC−3とPaMSの良溶媒である。表48に有機半導体組成物18における有機半導体の種類と濃度、絶縁性化合物の種類と濃度、有機溶媒Aの種類と沸点、有機溶媒Bの種類と沸点、有機溶媒Aと有機溶媒Bの沸点差、有機溶媒Aと有機溶媒Bの比率、及びこれらの組合せにおける滑落角から算出した条件(1)乃至(3)の値を示した。
有機半導体組成物1を比較例17で得られた有機半導体組成物18に変更した以外は実施例2に準じて、比較用の有機薄膜トランジスタ素子を作製することを試みたが、スピンコート法では基板上に膜を形成させることはできなかった。そのため、半導体特性の評価は実施しなかった。
2 有機薄膜(有機半導体層)
3 ドレイン電極
4 絶縁体層
5 ゲート電極
6 基板
7 保護層
Claims (13)
- 基板と該基板上に設けられた絶縁性化合物からなる絶縁性化合物層と該絶縁性化合物層上に設けられた金属薄膜層からなる電極を有する電極基板、及び該電極基板上に設けられた有機半導体化合物を含む有機薄膜層を有する有機薄膜トランジスタ素子の有機薄膜形成用有機半導体組成物であって、
有機半導体化合物、絶縁性化合物、該有機半導体化合物と該絶縁性化合物の良溶媒である有機溶媒A、及び該有機半導体化合物と該絶縁性化合物の貧溶媒である有機溶媒Bを含有し、
かつ絶縁性化合物濃度が1重量%以上の有機溶媒A溶液の絶縁性化合物層及び金属薄膜層に対する滑落角をθSUB(A’)(°)及びθMETAL(A’)(°)、絶縁性化合物の飽和有機溶媒B溶液の絶縁性化合物層及び金属薄膜層に対する滑落角をθSUB(B’)(°)及びθMETAL(B’)(°)とした場合に、下記条件(1)乃至(3)
条件(1);
1°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|
条件(2):
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|
条件(3):
1°<||θMETAL(A’)−θSUB(A’)|−|θMETAL(B’)−θSUB(B’)||
の関係を全て満たす有機半導体組成物。 - 条件(3)が
1°<||θMETAL(A’)−θSUB(A’)|−|θMETAL(B’)−θSUB(B’)||<35°
である請求項1に記載の有機半導体組成物。 - 条件(1)が
1°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|≦20°
であり、
かつ条件(2)が
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|≦40°
である請求項2に記載の有機半導体組成物。 - 条件(1)が
20°≦|θMETAL(A’)−θSUB(A’)|≦40°
であり、
かつ条件(2)が
1°≦|θMETAL(B’)−θSUB(B’)|≦40°
である請求項2に記載の有機半導体組成物。 - 有機溶媒Aと有機溶媒Bの沸点差が20℃以上100℃以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機溶媒Aまたは有機溶媒Bがシクロアルカンを置換基として有する化合物である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機溶媒Bの含有比率が10重量%以上である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機溶媒Aに対する有機半導体化合物の溶解度が0.1重量%以上であり、かつ有機溶媒Bに対する有機半導体化合物の溶解度が0.1重量%未満である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機溶媒Aに対する絶縁性化合物の溶解度が1重量%以上であり、かつ有機溶媒Bに対する絶縁性化合物の溶解度が0.1重量%未満である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機半導体化合物がアセン骨格、フェナセン骨格又はヘテロアセン骨格を有する化合物である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機半導体化合物がチエノチオフェン骨格を有する化合物である請求項10に記載の有機半導体組成物。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の有機半導体組成物を塗布、乾燥して得られる有機薄膜。
- 請求項12に記載の有機薄膜を有する有機薄膜トランジスタ。
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