JP2018142704A - 有機半導体組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献3には組成物として、有機半導体材料とフッ化アルキル基を有するアクリレートポリマーからなる有機半導体組成物が開示されている。同文献には高分子有機半導体にフッ素系界面活性剤を添加することにより、有機トランジスタ素子の性能が向上することや、撥液性の高い絶縁膜上における製膜性が向上することが記載されている。しかしながら、同文献の実施例における有機トランジスタの移動度は1.0×10−3〜10×10−3cm2/Vs程度であり、実用性のあるトランジスタ特性は得られていない。しかも、高分子半導体材料よりも高移動度が期待できる低分子半導体材料を用いた場合の効果については何ら示されておらず、熱安定性についても言及されていない。
しかしながら、非特許文献6に記載されている半導体性低分子化合物からなる薄膜は、ディウェッティングが生じるアニール温度において薄膜の均一性を保つことが出来ず、このような薄膜を用いた半導体デバイスは熱安定性が不充分である。
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有する有機半導体組成物
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルキル基を有する若しくは有さない芳香族炭化水素基、又はアルキル基を有する若しくは有さない複素環基を表す。Lはフッ化アルキル基、フッ化アルキル基を有する芳香族炭化水素基、又はフッ化アルキル基を有する複素環基を表す。A及びBはそれぞれ独立にアセン、フェナセン、又はヘテロアセンから水素原子を二つ除いた二価の連結基を表す。但し、式(1)において、R1及びR2の両方が水素原子である場合を除く。)、
[2] 一般式(1)におけるR1及びR2が同一のアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基又はアルキル基を有する複素環基を表す、[1]に記載の有機半導体組成物、
[3] 一般式(1)におけるR1と一般式(2)におけるR3が同一のアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基若しくはアルキル基を有する複素環基を表す、又は一般式(1)におけるR2と一般式(2)におけるR3が同一のアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基若しくはアルキル基を有する複素環基を表す、[1]又は[2]に記載の有機半導体組成物、
[4] 一般式(1)及び一般式(2)におけるA及びBが同一の二価の連結基を表す、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
[5] 一般式(1)及び一般式(2)におけるA及びBの両方がそれぞれ独立に3乃至6の縮環数を有するヘテロアセンから水素原子を二つ除いた二価の連結基を表す、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
[6] 一般式(2)におけるLがフッ化アルキル基を表す、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
[7] 一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計質量に対する一般式(2)で表される化合物の質量の割合が、1質量%以上50質量%以下である、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
[8] 有機溶媒を更に含む[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物、
[9] [1]乃至[8]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物を用いて得られる有機薄膜、
[10]一般式(2)で表される化合物が、表面に偏析している[9]に記載の有機薄膜、
[11] 表面に偏析している一般式(2)で表される化合物の結晶サイズが、100μm以上である[10]に記載の有機薄膜、
[12] [1]乃至[8]のいずれか一項に記載の有機半導体組成物を基板上に塗布又は印刷する工程、及び該基板上に塗布又は印刷した有機半導体組成物を熱処理する工程を含む有機薄膜の製造方法、
[13] [9]乃至[11]のいずれか一項に記載の有機薄膜を含む有機半導体デバイス、
[14] 有機薄膜トランジスタである[13]に記載の有機半導体デバイス、
[15] 一般式(2)で表される化合物
(式中、R3は水素原子、アルキル基、アルキル基を有する若しくは有さない芳香族炭化水素基、又はアルキル基を有する若しくは有さない複素環基を表す。Lはフッ化アルキル基、フッ化アルキル基を有する芳香族炭化水素基、又はフッ化アルキル基を有する複素環基を表す。Bはアセン、フェナセン、又はヘテロアセンから水素原子を二つ除いた二価の連結基を表す。)、
に関する。
以下、本発明の有機半導体組成物を構成する、一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物について説明する。一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物は、以下の通りである。
一般式(2)中のLが表すフッ化アルキル基を有する芳香族炭化水素基におけるフッ化アルキル基としては、一般式(2)中のLが表すフッ化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
一般式(2)中のLが表すフッ化アルキル基を有する複素環基におけるフッ化アルキル基としては、一般式(2)中のLが表すフッ化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
以下に、A及びBが表す二価の連結基となり得るアセン、フェナセン又はヘテロアセンの具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の有機半導体組成物における一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物の含有比率は特に限定されないが、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物の合計質量に対する一般式(2)で表される化合物の質量の割合は、通常1質量%以上50質量%以下であり、5質量%以上50質量%未満であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
本発明の有機半導体組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、有機半導体組成物を用いて得られる有機薄膜や該有機薄膜を含む有機半導体デバイスの諸特性の改善や他の特性を付与する目的で、必要に応じて高分子材料や各種添加剤を混合してもよい。これらの添加剤としては、キャリア発生剤、導電性物質、粘度調整剤、表面張力調整剤、レベリング剤、浸透剤、レオロジー調整剤、配向剤及び分散剤等が挙げられる。
本発明の有機半導体組成物を種々の塗布印刷手法に用いることにより、有機薄膜を形成することができる。すなわち、本発明の有機半導体組成物を基板上に塗布或いは印刷した後、基板上に塗布或いは印刷した有機半導体組成物を熱処理することにより、有機薄膜を形成することができる。
本発明の有機半導体組成物は、F/Cの理論値よりもF/Cの実測値の方が高いことが好ましい。F/Cの理論値と実測値が前記の関係を満たす場合、有機薄膜の表面に、フッ素原子を含有する化合物(フッ化アルキル基を有する一般式(2)で表される化合物)が有機半導体組成物の組成比よりも多量に存在することにより表面に高秩序かつ凝集力の強い層が構築されるため、有機薄膜の熱安定性を向上させることができる。
F/Cの実測値は理論値の1.1倍以上であることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましい。
一般式(2)で表される化合物が表面に偏析することによって形成される結晶のサイズ(平均)は、100μm以上であることが好ましい。
有機薄膜の形成方法には、有機半導体組成物の粘度、所望の膜厚、パターン形状等を考慮して種々の塗布印刷手法が用いられる。具体的な例として、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、スリットコート法、ダイコート法、スプレー法、フレキソ印刷及び樹脂凸版印刷等の凸版印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの平板印刷法及びグラビア印刷法等の凹版印刷法、シルクスクリーン印刷法、謄写版印刷法及びリングラフ印刷法等の孔版印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクトプリント法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。プロセスや装置の簡便性を考慮すると、大気下、室温で薄膜を形成する方法が好ましく、その後自然乾燥、熱乾燥等により基板上の有機半導体組成物から残留溶媒を除去することにより有機薄膜が形成されるが、本発明の有機薄膜形成用材料を用いることにより、良好な薄膜を得ることができる。
本発明の有機薄膜から有機半導体デバイスを作製することができる。その一例として有機薄膜トランジスタについて詳細に説明する。
有機薄膜トランジスタは、有機半導体に接して設けられた2つの電極(ソース電極及びドレイン電極)の間に流れる電流を、ゲート電極と呼ばれるもう一つの電極に印加する電圧で制御するものである。
以下、図を用いて有機薄膜トランジスタについてより詳細に説明するが、本発明はこれらの構造には限定されない。図1に、有機薄膜トランジスタデバイスのいくつかの態様例を示す。
基板6は、その上に形成される各層が剥離することなく保持できることが必要である。例えば樹脂板やフィルム、紙、ガラス、石英、セラミックなどの絶縁性材料;金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成した物;樹脂と無機材料など各種組合せからなる材料;等が使用できる。使用できる樹脂フィルムの例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。樹脂フィルムや紙を用いると、デバイスに可撓性を持たせることができ、フレキシブルで、軽量となり、実用性が向上する。基板の厚さは、通常1μm乃至10mmであり、好ましくは5μm乃至5mmである。
またソース電極とドレイン電極間の距離(チャネル長)がデバイスの特性を決める重要なファクターとなる。該チャネル長は、通常0.01乃至300μm、好ましくは0.1乃至100μmである。チャネル長が短ければ取り出せる電流量は増えるが、逆にコンタクト抵抗の影響など短チャネル効果が発生し、制御が困難となるため、適正なチャネル長が必要である。ソースとドレイン電極間の幅(チャネル幅)は通常10乃至10000μm、好ましくは100乃至5000μmとなる。またこのチャネル幅は、電極の構造をくし型構造とすることなどにより、さらに長いチャネル幅を形成することが可能で、必要な電流量やデバイスの構造などにより、適切な長さにする必要がある。ソース電極及びドレイン電極のそれぞれの構造(形)について説明する。ソース電極とドレイン電極の構造はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
半導体層2の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で薄いほど好ましく、通常1nm乃至300nmであり、好ましくは3nm乃至50nmであり、より好ましくは4nm乃至30nmである。この膜厚範囲であれば広範囲にわたり均一な半導体層2を形成しやすくなる。
本発明において半導体層2を除く各層を設ける方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等が適宜使用できるが、生産性を考慮すると、塗布法や、インクジェット印刷等の印刷法が好ましい。
キャリア移動度は、ゲートに電位をかけた状態でソース・ドレイン間に電位をかけた時に流れた電流量に依存し、この電流値を測定することで有機薄膜トランジスタの特性である移動度を決めることができる。実施例では、絶縁体としてのSiO2にゲート電界を印加した結果、有機半導体層中に生じるキャリア種の電気的特性を表現する下記式(a)から移動度を算出した。
Id=ZμCi(Vg−Vt)2/2L・・・(a)
ここで、Idは飽和したソース・ドレイン電流値、Zはチャネル幅、Ciは絶縁体の電気容量、Vgはゲート電位、Vtはしきい電位、Lはチャネル長であり、μは決定する移動度(cm2/Vs)である。Ciは用いたSiO2絶縁膜の誘電率、Z及びLは有機薄膜トランジスタデバイスのデバイス構造よりに決まり、Id及びVgは有機薄膜トランジスタデバイスの電流値の測定時に決まり、VtはId及びVgから求めることができる。
X線回折測定は、Smart Lab X−ray Diffractometer(Rigaku)を用いて、有機薄膜試料の結晶構造を解析した。有機薄膜試料に、20kV、10mAの出力でCuのKα単色光を照射した。
out−of−plane回折測定は、入射角をω=0.2°に固定して、検出器を2θ軸方向に走査した。in−plane回折測定は、ω=0.2°、2θ=0.4°に固定して、検出器を2θχ軸方向に走査した。また、加熱中の有機薄膜を測定するときはドームホットステージDHS900(Anton Paar)をゴニオメーターに取り付け、温度コントロールユニットTCU150(Anton Paar)で温度を制御した。
原子間力顕微鏡(AFM)5400 scanning probe incroscope(Agilent Technologies)を用いて、有機薄膜の表面形状を観察した。タッピングモードで高さ像を測定した。
上記具体例の化合物No.D−8と化合物No.E−8を、No.D−8:No.E−8=81:19の質量比率で、化合物No.D−8と化合物No.E−8の総濃度が3.7%となるようにトルエンに溶解させて有機半導体組成物の溶液を得た。この溶液を厚さ300nmのシリコン酸化膜を有するシリコン基板上にスピンコート法により製膜したのち、110℃でアニールすることにより、有機薄膜を得た。得られた有機薄膜の表面における原子比率を、X線光電子分光(XPS)測定により算出したところ、F/C原子比率は0.28であった。膜内に均一に混合されている場合のF/C原子比率(計算値)は0.1であるため、当該有機半導体組成物を用いて作製した有機薄膜が、化合物No.E−8を表面に偏析させて構成される有機薄膜であることを確認した。得られた有機薄膜のAFM像による表面粗さの観察を行ったところ、図3に示す通り、ディウェティングして基板がむき出しになっている部分は観測されず、膜厚は20nm以下の均質な薄膜であった。また、偏光顕微鏡で結晶サイズを調べたところ、図5に示す通り、有機薄膜の表面の結晶サイズは、100μm以上であり、大きいものでは1mm近くあることが分かった。この結果から、化合物No.E−8が表面に偏析することにより、熱処理による有機薄膜の脱濡れを防ぎ、結晶化を促進することが示された。
No.D−8:No.E−8=94:6の質量比率で、化合物No.D−8と化合物No.E−8の総濃度が3.2%となるように、化合物No.D−8及び化合物No.E−8をトルエンに溶解した以外は実施例1と同様にして有機半導体組成物の調製及び有機薄膜の作製を行った。得られた有機薄膜をXPS測定し、F/C原子比率を算出したところ、0.12であった。有機薄膜内に均一に混合されている場合のF/C原子比率(計算値)は0.03であるため、当該有機半導体組成物を用いて作製した有機薄膜は、化合物No.E−8を表面に偏析させて構成される膜であることを確認した。
No.D−8:No.E−8=75:25の質量比率で、化合物No.D−8と化合物No.E−8の総濃度が4.0%となるように、化合物No.D−8及び化合物No.E−8をトルエンに溶解した以外は実施例1と同様にして有機半導体組成物の調製及び有機薄膜の作製を行った。得られた有機薄膜をXPS測定し、F/C原子比率を算出したところ、0.32であった。有機薄膜内に均一に混合されている場合のF/C原子比率(計算値)は0.1であるため、当該有機半導体組成物を用いて作製した有機薄膜は、化合物No.E−8を表面に偏析させて構成される膜であることを確認した。
化合物No.D−8のみを用いて、濃度が3%となるようにトルエンに溶解した以外は実施例1と同様にして有機半導体組成物の調製及び有機薄膜の作製を行った。得られた有機薄膜のAFM像による表面粗さの観察を行ったところ、図4に示す通り、基板がむき出しになっている部分が多数観測されるディウェッティングした有機薄膜であった。有機薄膜が形成されている部分の膜厚も100nmであり、本発明における実施例1の有機薄膜よりも表面粗さが増大した。また、図6に示すとおり、有機薄膜の表面の結晶サイズは、100μm未満であった。
実施例1で得られた有機薄膜のアニール温度依存性(熱安定性)を、薄膜X線回折を測定することで評価した。out−of−plane測定(膜の積層方向の回折測定)を行ったところ、約3°に薄膜が層状構造となっているピークが観測されたが、このピークは130℃の加熱まで観測され、140℃で消失した。このことから、本発明における実施例1で得られた有機薄膜は、半導体特性に適した層状構造を130℃まで維持できていることがわかった。
比較例1で得られた有機薄膜のアニール温度依存性(熱安定性)を、評価例1と同様にして測定した。実施例1の有機薄膜と同様に、out−of−plane測定では薄膜が層状構造となっていることを示す回折ピークが約3°付近に観測されたが、この回折ピークは130℃の加熱により消失した。このことから、比較例1の一般式(2)で表される化合物を用いずに得られた有機薄膜は、実施例1の有機薄膜より、層状構造を維持できるアニール温度が劣っており、熱安定性に欠けることがわかった。
アニール後の実施例1で得られた有機薄膜を、有機薄膜上にシャドウマスクを介して金を真空蒸着することでソース・ドレイン電極を形成し、10素子からなるトップコンタクト型有機薄膜トランジスタデバイスを作製した。このデバイスは2種類のチャネル長(100μm、200μm)をもち、いずれもチャネル幅は1mmである。図2はその構造を示すものである。なお、本実施例における有機薄膜トランジスタデバイスにおいては、300nm熱酸化膜付き(比誘電率3.9)nドープシリコンウェハーにおける熱酸化膜が絶縁層(4)の機能を有し、n−ドープシリコンウェハーが基板(6)及びゲート電極(5)の機能を兼ね備えている。
作製した有機薄膜トランジスタデバイスにVd=−50V、Vgを10V乃至−70V掃引する条件にて電流−電圧特性を測定した。上式から算出した移動度の平均値は2.74cm2/Vs、最大値は6.41cm2/Vsであった。
実施例4で作製した有機薄膜トランジスタデバイスを用いて、各温度で10分間の加熱処理を行った後に室温における電流−電圧特性を測定することで、有機薄膜を含む有機薄膜トランジスタデバイスの耐熱性の評価を行った。実施例4と同様にして算出した移動度を加熱温度に対してプロットした図を図7(■)に示す。図7に示す通り、本発明における実施例1で得られた有機薄膜を用いて作製した実施例4の有機薄膜トランジスタデバイスは、140℃の加熱処理でも0.1cm2/Vs以上の良好な移動度を維持した。
比較例1で得られた有機薄膜を用いて実施例4と同様の方法にて作製した有機薄膜トランジスタデバイスを、評価例3と同様の方法で加熱処理および測定を行い、有機薄膜を含む有機薄膜トランジスタデバイスの耐熱性の評価を行った。移動度を加熱温度に対してプロットした図を図7(●)に示す。移動度は100℃以上の加熱により急激に減少し、110℃では0.1cm2/Vs以下であった。このことから、比較例1で得られた有機薄膜を用いた有機薄膜トランジスタデバイスは、本発明における実施例1で得られた有機薄膜を用いた有機薄膜トランジスタデバイスよりも大きく耐熱性が劣ることが分かった。
評価例3および評価例4の有機薄膜トランジスタデバイスの作製に用いた、実施例1により得られた有機薄膜および比較例1により得られた有機薄膜の薄膜X線回折測定を行った。図8にout−of−plane測定結果(膜の積層方向の回折測定)、図9にin−plane測定結果(膜の面内方向の回折測定)を示す。薄膜の回折ピークの現れる回折角は評価例3および評価例4で一致していることが分かった。多くの場合、2種類以上の材料の混合は薄膜の構造の秩序を大きく乱すが、本発明における組成物を用いて作製される薄膜はこのような影響が極めて小さいため、耐熱性だけでなく優れた有機薄膜トランジスタデバイス特性も両立することができることを意味している。
1 ソース電極
2 半導体層
3 ドレイン電極
4 絶縁体層
5 ゲート電極
6 基板
7 保護層
Claims (15)
- 一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有する有機半導体組成物
- 一般式(1)におけるR1及びR2が同一のアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基又はアルキル基を有する複素環基を表す、請求項1に記載の有機半導体組成物。
- 一般式(1)におけるR1と一般式(2)におけるR3が同一のアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基若しくはアルキル基を有する複素環基を表す、又は一般式(1)におけるR2と一般式(2)におけるR3が同一のアルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基若しくはアルキル基を有する複素環基を表す、請求項1又は2に記載の有機半導体組成物。
- 一般式(1)及び一般式(2)におけるA及びBが同一の二価の連結基を表す、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 一般式(1)及び一般式(2)におけるA及びBの両方がそれぞれ独立に3乃至6の縮環数を有するヘテロアセンから水素原子を二つ除いた二価の連結基を表す、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 一般式(2)におけるLがフッ化アルキル基を表す、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の合計質量に対する一般式(2)で表される化合物の質量の割合が、1質量%以上50質量%以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 有機溶媒を更に含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機半導体組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機半導体組成物を用いて得られる有機薄膜。
- 一般式(2)で表される化合物が、表面に偏析している請求項9に記載の有機薄膜。
- 表面に偏析している一般式(2)で表される化合物の結晶サイズが、100μm以上である請求項10に記載の有機薄膜。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機半導体組成物を基板上に塗布又は印刷する工程、及び該基板上に塗布又は印刷した有機半導体組成物を熱処理する工程を含む有機薄膜の製造方法。
- 請求項9乃至11のいずれか一項に記載の有機薄膜を含む有機半導体デバイス。
- 有機薄膜トランジスタである請求項13に記載の有機半導体デバイス。
- 一般式(2)で表される化合物
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