JP2005084932A - ユーザの嗜好に従って色変換する画像処理方法、画像処理装置、プログラム、およびこれを記録した記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ユーザの主観に適した、より好ましい印刷物を提供することができるユーザの嗜好に従って色変換する画像処理方法、画像処理装置、プログラム、およびこれを記録した記憶媒体を提供する。
【解決手段】 所定の色補正処理を行う場合、ユーザの嗜好を解析する技術を応用してユーザの色に関する性向を解釈して、この解釈を色補正に活かしたシステムを構築することにより、従来よりもユーザに適した、好ましい画像出力機器、およびシステムが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定の色補正処理を行う場合、ユーザの嗜好を解析する技術を応用してユーザの色に関する性向を解釈して、この解釈を色補正に活かしたシステムを構築することにより、従来よりもユーザに適した、好ましい画像出力機器、およびシステムが得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、モニタ上の提示画像をプリンタ等の画像出力機器にて出力し、印刷するものに関し、特に画像処理方法、画像処理装置、プログラムおよびこれを記録した記憶媒体に関するものである。
ユーザが画像をモニタ上から出力する場合を想定すると、ユーザはモニタで提示されている画像を確認した後、画像を出力する。
しかし、実際の出力物は、モニタとプリンタの色再現範囲が異なることに起因して、ユーザが実際に出力された印刷物を見ると、印刷物から受ける心象とモニタから受ける心象とが大きく異なる場合がある。
しかし、実際の出力物は、モニタとプリンタの色再現範囲が異なることに起因して、ユーザが実際に出力された印刷物を見ると、印刷物から受ける心象とモニタから受ける心象とが大きく異なる場合がある。
また、ユーザが印刷物から受ける印象は、ユーザ各々の主観が大きく異なり多種多様であるため、モニタ上に提示された画像を忠実に色再現した際も、あるユーザには好ましい印刷物が得られるが、他のユーザに対しては、さらにユーザの主観に適する、より好ましい印刷物が得られる可能性が残されている。従って、ユーザの好みを反映させた出力物を提供する画像出力機器、あるいはそのシステムが望まれている。
例えば、「画像処理方法および装置」なる技術の開示がある(例えば、特許文献1参照)。
また、「画像形成装置及び画像形成ネットワークシステム」なる技術の開示がある(例えば特許文献2参照。)。
特許第3159416号明細書
特開2001−339600号公報
また、「画像形成装置及び画像形成ネットワークシステム」なる技術の開示がある(例えば特許文献2参照。)。
しかしながら、前述した特許文献1に記載の発明は、印刷物をユーザの好みの配色に着色する技術であるが、色調を全体に反映させるシステムではない。
また、特許文献2に記載の発明は、ユーザの情報と好みを予め登録させ、登録情報に基づく色補正、書式補正を施す技術であるが、ユーザが各自、各時期に登録作業を行う必要があり、煩雑であるという問題があった。
このため、ユーザの主観に適した、より好ましい印刷物を提供する画像出力機器、およびその簡易なシステムが望まれている。
また、特許文献2に記載の発明は、ユーザの情報と好みを予め登録させ、登録情報に基づく色補正、書式補正を施す技術であるが、ユーザが各自、各時期に登録作業を行う必要があり、煩雑であるという問題があった。
このため、ユーザの主観に適した、より好ましい印刷物を提供する画像出力機器、およびその簡易なシステムが望まれている。
本発明の目的は、ユーザの主観に適した、より好ましい印刷物を提供することができるユーザの嗜好に従って色変換する画像処理方法、画像処理装置、プログラムおよびこれを記録した記憶媒体を提供することにある。
請求項1記載の発明は、入力デバイスに入力された入力画像に対して処理を施して処理後の入力画像を出力デバイスから出力させる画像処理方法において、予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する提示ステップと、前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択ステップと、前記ユーザによって選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析する第1の解析ステップとを有し、前記出力デバイスから処理後の入力画像を出力する際に前記入力デバイスのガマット情報、及び前記出力デバイスのガマット情報を検出する検出ステップと、前記検出結果と、前記検出結果を解釈した結果とに基づいて、ガマット圧縮条件を変更する第1の変更ステップと、前記変更結果に基づいて色補正処理を施す補正処理ステップと、を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の解析ステップは、前記選択された配色パターンの心理空間における位置を算出する第1の算出ステップと、前記算出された空間位置と配色パターンとの統計情報を用いて相関関係を算出する第2の算出ステップと、前記第1の算出結果および前記第2の算出結果に基づいてユーザの性向を演算する演算ステップと、を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記第2の算出ステップは、前記選択された配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の平均を算出するステップと、前記配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の分散を算出するステップと、からなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記演算ステップは、前記心理距離の平均および分散関係予め記憶した所定値と比較する比較ステップと、前記比較結果に基いて、ユーザの性向を演算する演算ステップと、からなることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の変更ステップは、前記ユーザの性向における、クール・ウォーム度合を算出する算出ステップと、レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等の任意の表色系で表される入力デバイスの入力信号が、出力装置の色再現の範囲内にあるか否かを判定する判定ステップと、前記入力信号が前記判定ステップで色再現の範囲外にあると判定された場合、前記算出したクール・ウォーム度合に基づいてマッピング方向を変更する第2の変更ステップと、を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記第2の変更ステップは、前記クール・ウォーム度合におけるクール度合が所定の閾値よりも大きい場合、略彩度保存方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記第2の変更ステップは、前記クール・ウォーム度合におけるウォーム度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記第2の変更ステップは、前記ソフト・ハード度合におけるハード度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記第2の変更ステップは、前記ソフト・ハード度合におけるソフト度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を2次色方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、入力画像が入力される入力デバイスと、該入力デバイスに入力された入力画像に対して処理が施された入力画像を出力する出力デバイスとを備えた画像処理装置において、予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する画像表示手段と、前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択手段と、前記選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析し、前記入力画像を前記画像表示手段に出力する際に前記入力デバイスのガマット情報及び前記出力デバイスのガマット情報を検出し、該検出結果と、該検出結果を解釈した結果とに基づいてガマット圧縮条件を変更し、該変更結果に基づいて前記入力画像に色補正処理を施すコンピュータと、を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記選択された配色パターンの心理空間における位置を算出し、算出された空間位置と配色パターンとの統計情報を用いて相関関係を算出し、算出結果に基いてユーザの性向を演算することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記選択された配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の平均を算出し、前記配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の分散を算出することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記心理距離の平均および分散関係予め記憶した所定値と比較し、該比較結果に基づいて、ユーザの性向を演算することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項10記載の構成において、前記コンピュータは、前記ユーザの性向における、クール・ウォーム度合を算出し、レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等の任意の表色系で表される入力デバイスの入力信号が、出力装置の色再現の範囲内にあるか否かを判定し、前記入力信号が前記判定ステップで色再現の範囲外にあると判定された場合に、前記算出したクール・ウォーム度合に基づいて、マッピング方向を変更することを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記クール・ウォーム度合におけるクール度合が所定の閾値よりも大きい場合、略彩度保存方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記クール・ウォーム度合におけるウォーム度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記ソフト・ハード度合におけるハード度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータは、前記ソフト・ハード度合におけるソフト度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を2次色方向にマッピングすることを特徴とする。
請求項19記載の発明は、コンピュータに、入力デバイスに入力された入力画像に処理を施した後出力デバイスから出力させることを実行させるためのプログラムにおいて、予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する提示処理と、前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択処理と、前記選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析する第1の解析処理とを有し、処理が施された入力画像を前記出力デバイスから出力する際に前記入力デバイスのガマット情報及び前記出力デバイスのガマット情報を検出する検出処理と、前記検出結果と、前記検出結果を解釈した結果とに基づいて、ガマット圧縮条件を変更する第1の変更処理と、前記変更結果に基づいて色補正処理を施す補正処理と、を有することを特徴とする。
請求項20記載の発明は、コンピュータに、入力デバイスに入力された入力画像に処理を施した後出力デバイスから出力させる処理を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体において、予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する提示処理と、前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択処理と、前記選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析する第1の解析処理とを有し、入力画像を出力する際に前記入力デバイスのガマット情報及び前記出力デバイスのガマット情報を検出する検出処理と、前記検出結果と、前記検出結果を解釈した結果とに基づいて、ガマット圧縮条件を変更する第1の変更処理と、前記変更結果に基づいて色補正処理を施す補正処理と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、入力画像に対して処理を施す画像処理方法において、予めユーザに対して、複数の色の組合わせで構成される配色イメージを複数提示する提示ステップと、前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンを選択する選択ステップと、前記選択された配色パターンに基いて、ユーザの嗜好を解析する第1の解析ステップとを有し、入力画像を出力する際において、入力デバイスのガマット情報、出力デバイスのガマット情報を検出する検出ステップと、前記検出結果と、解釈した結果とに基づいてガマット圧縮条件を変更する第1の変更ステップと、前記変換結果に基づいて色補正処理を施す補正処理ステップと、を有することにより、ユーザの好みを反映した最適な出力物を得ることが可能となる。
また、本発明によれば、ユーザの嗜好を解釈する解析ステップは、前記選択された配色パターンの心理空間における位置を算出する第1の算出ステップと、前記算出された空間位置と配色パターンとの心理空間における空間位置の心理距離の平均、および分散を算出するステップと、前記心理距離の平均および分散関係と予め記憶した所定値とを比較する比較ステップと、前記比較結果に基いて、ユーザの性向を演算する演算ステップとを有することにより、ユーザの好みを詳細に解析することが可能となる。
本発明によれば、色補正処理を施す補正処理ステップは、前記ユーザの性向における、クール・ウォーム度合を算出する算出ステップと、入力デバイスに入力される、レッド、グリーン、ブルーのうちの任意の表色系で表される入力信号が、出力装置の色再現の範囲内かどうかを判定する判定ステップと、色再現範囲外の場合において、前記算出したクール・ウォーム度合におけるクール度合が所定の閾値よりも大きい場合、略彩度保存方向にマッピングする補正処理ステップを有することにより、ユーザの好みがよりコントラストを強調した画像を好む場合、コントラストを強調した色補正処理を施した画像を供することが可能となる。
本発明によれば、色補正処理を施す補正処理ステップは、前記ユーザの性向における、クール・ウォーム度合を算出する算出ステップと、入力デバイスの任意の表色系(レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等)で表される入力信号が、出力装置の色再現の範囲内かどうかを判定する判定ステップと、色再現範囲外の場合において、前記算出したクール・ウォーム度合におけるウォーム度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を2次色方向にマッピングする補正処理ステップを有することにより、ユーザの好みがより暖色系の画像を好む場合、暖色系へ色補正処理を施した画像を供することが可能となる。
本発明によれば、色補正処理を施す補正処理ステップは、前記ユーザの性向における、ソフト・ハード度合を算出する算出ステップと、入力デバイスの任意の表色系(レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等)で表される入力信号が、出力装置の色再現の範囲内かどうかを判定する判定ステップと、色再現範囲外の場合において、ソフト・ハード度合におけるハード度合が所定の閾値よりも大きい場合、略彩度保存方向にマッピングする補正処理ステップを有することにより、ユーザの好みがよりコントラストを強調した画像を好む場合に、コントラストを強調した色補正処理を施した画像を供することが可能となる。
本発明によれば、色補正処理を施す補正処理ステップは、前記ユーザの性向における、ソフト・ハード度合を算出する算出ステップと、入力デバイスの任意の表色系(レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等)で表される入力信号が、出力装置の色再現の範囲内かどうかを判定する判定ステップと、色再現範囲外の場合において、前記算出したソフト・ハード度合におけるソフト度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を2次色方向にマッピングする補正処理ステップを有することにより、ユーザの好みがより暖色系の画像を好む場合に、暖色系へ色補正処理を施した画像を供することが可能となる。
<発明に至る経緯>
色の好みに関する研究成果として、「カラーリスト〜色彩心理ハンドブック〜」、小林重順著、(株)日本カラーデザイン研究所(1997)によると、人間の色に対する好みを心理物理空間に置き換える文献が開示されている。心理物理空間は、人間の色に対する好みを多次元の尺度で構成したものである。心理尺度軸のWarm/Cool(ウォーム/クール)は暖かい、涼しいというイメージを、感性的にとらえることが可能である。例えば、同じ黄色であっても、黄色を該心理尺度軸にプロットすることにより、バナナはウォームな黄色、レモンはクールな黄色であることを示している。さらには、同じ黄色を再現する場合においても、心理物理空間において、ウォームを好むユーザは、バナナの黄色に対して、よりウォームな黄色を嗜好する。
色の好みに関する研究成果として、「カラーリスト〜色彩心理ハンドブック〜」、小林重順著、(株)日本カラーデザイン研究所(1997)によると、人間の色に対する好みを心理物理空間に置き換える文献が開示されている。心理物理空間は、人間の色に対する好みを多次元の尺度で構成したものである。心理尺度軸のWarm/Cool(ウォーム/クール)は暖かい、涼しいというイメージを、感性的にとらえることが可能である。例えば、同じ黄色であっても、黄色を該心理尺度軸にプロットすることにより、バナナはウォームな黄色、レモンはクールな黄色であることを示している。さらには、同じ黄色を再現する場合においても、心理物理空間において、ウォームを好むユーザは、バナナの黄色に対して、よりウォームな黄色を嗜好する。
つまり、心理物理空間上でクールと判断される被験者に対しては、黄色としてはレモンの黄色(文献中ではマンセル・カラースペースにおける7.5Yよりも5Yを好む傾向にあるとの意味)をより好むことを提起している。
一方、モニタで提示した色を画像出力機器等で出力する場合、次のステップにて、モニタ入力信号(RGB)をデバイス依存色空間信号(CMYK)に変換し、出力している。前記変換ステップにおいて、モニタ入力信号(RGB)が、出力機器の色再現範囲外に存在する場合、色再現域の形状を考慮しつつ、出力機器が再現不可能な色信号を、再現可能な再現範囲に置換する処理を行う。この処理を一般にガマット処理と称するが、このガマット処理は色再現範囲を圧縮するため、画質劣化が避けられず、ひいては画像の印象を大幅に変える。この代表的なガマット圧縮には、(a)明度保存、(b)彩度保存、(c)色差最小が挙げられる。例えば、自然画像は(a)とし、文字・グラフィックス画像は(b)とし、企業のロゴマークなどは(c)とする、などと使分けており、プリンタドライバ等で予め選択される、鮮やかさ優先、階調優先、などがこれに対応する。この入力から出力に至る処理方式は、所定の変換方式が予め設定されているので、ユーザはこれに関与せず、常に所定の変換方式に頼ることになっていた。
ここで、ユーザがある画像を出力する場合を想定すると、前記の規定された所定の変換方式に従い印刷物が得られるため、ユーザに対して、真に好みの画像が得られているかは不明である。すなわち、あるユーザには出力画像は印象が好ましく、他のユーザに対してはより好ましい印刷物が得られる可能性を残している。
そこで、所定の色補正処理を行う場合、ユーザの嗜好を解析する技術を応用してユーザの色に関する性向を解釈して、これを色補正に活かしたシステムを構築すれば、従来よりもユーザに適した、好ましい画像出力機器およびシステムが得られるとの本発明に至ったものである。
ユーザの主観に適した、より好ましい印刷物を提供することができるユーザの嗜好に従って色変換する画像処理方法、画像処理装置、プログラム、およびこれを記録した記憶媒体の提供を実現することができる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる色変換装置、色変換起動方法、色変換プログラム、および色変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態について詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態は特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必要であるとは限らない。
(実施の形態1)
(画像処理システムの構成)
図1は、本発明にかかる画像処理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
図1では、画像処理システムは、コンピュータ100と、コンピュータ100に接続された画像表示装置(=ディスプレイ)101と、画像出力装置102と、コンピュータから供給されるデバイス固有の色信号(すなわち、RGB信号)を画像出力装置固有の色信号(CMY信号やCMYK信号など)に変換する色変換装置300とで構成されている。
(画像処理システムの構成)
図1は、本発明にかかる画像処理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
図1では、画像処理システムは、コンピュータ100と、コンピュータ100に接続された画像表示装置(=ディスプレイ)101と、画像出力装置102と、コンピュータから供給されるデバイス固有の色信号(すなわち、RGB信号)を画像出力装置固有の色信号(CMY信号やCMYK信号など)に変換する色変換装置300とで構成されている。
さらにこの色変換装置300は、ガマット変換処理部200で採用するデバイス・インディペンデントな色信号に変換するための色空間変換部103と、ガマット変換処理部200の出力結果を画像出力装置固有の色信号(CMY信号やCMYK信号など)に変換するための色空間変換部104と、ガマット変換処理部200とを有している。
画像出力装置102は、画像データをプリンタアウトするための出力装置であって、カラープリンタやカラーファクシミリ等の画像形成装置を用いることができる。
画像出力装置102は、画像データをプリンタアウトするための出力装置であって、カラープリンタやカラーファクシミリ等の画像形成装置を用いることができる。
また、コンピュータ100内部においては、コンピュータ100内の制御を行う、(図示しない)CPU部(中央処理装置)と、OS(オペレーティングシステム)と、アプリケーションソフトと、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたアプリケーションプログラムとがある。アプリケーションプログラムは、アプリケーションソフトを使用時に、アプリケーションソフトにてユーザが出力する情報を出力する場合にCPU部より実行されるプログラムである。本発明に係る機能として、印刷画面のプレビュー表示機能やその制御を行わせる設定機能、あるいは、ユーザの嗜好を解析する機能等が含まれている。
ここで、本発明に係るユーザの嗜好を解析する機能は、例えば次のようにプリンタのドライバのインストール時に実施する事が可能である。すなわちユーザが、プリンタドライバのインストールプログラムを起動すると、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップが実行される。この解析ステップにおいて、解析されたユーザの嗜好に関する情報を所定の記憶部に格納する。アプリケーションソフトは、ユーザの嗜好情報を利用して、画像情報を、ユーザの嗜好する色に色変換処理した画像情報を出力する。
以上により、アプリケーション上でユーザが嗜好する色に変換処理された、画像を得ることが可能となる。
図2は、ユーザの嗜好を解析する解析機能を有するドライバのインストール作業中に、ユーザに提示される提示画面の一例である。
図2は、ユーザの嗜好を解析する解析機能を有するドライバのインストール作業中に、ユーザに提示される提示画面の一例である。
提示された画面に対して、ユーザは嗜好する配色パターンを配色パターン選択用のボタンNo.1、No.2、No.3、…、No.48から好みの配色パターンを選択する。尚、図示していないが利用者は入力装置としてマウスを用い、選択を意図するラジオボタンの上へカーソルを移動させ、ラジオボタンへのクリック動作を行うこと(以下、クリックとする)で選択する。例えば、ユーザがボタンNo.2をクリックすると、ユーザの嗜好する配色パターンとして、配色パターンの番号と心理座標が記憶部へ記憶される。このとき、ユーザに対しては、でき得る限り多くの配色パターンを提示することが望ましいが、ユーザの負担や、アプリケーション等のメモリ節減、ハードウェア等の制約条件に基づいて、適当な配色パターンを複数提示することが望ましい。
本実施の形態ではユーザに対して、48種類の配色パターンを提示した場合について記載する。なお、このユーザの色に関する嗜好を解析するステップは、印刷出力する直前作業として実施することも可能であるし、ユーザが要求するに時期に基づいて適宜実施することも可能である。
図3は、前記ユーザの嗜好を解析するために用いられる種々の配色パターン、およびそのリストの実施の形態であり、配色パターンおよびその特性値にて構成される。その構成は、配色パターンの名義上の識別番号(No1、No2、…)に対応して、色の多次元空間における心理座標値を2次元のLUT(ルックアップテーブル)で格納している。この特性値は、心理空間における座標値がこれに対応する。
ここで、本発明に係る心理座標について概説する。
ここで、本発明に係る心理座標について概説する。
心理座標とは、個々の色彩を色調、色相の視点からその色彩が、人間に対してどのような心理的効果を与えるかについて色のイメージ調査を行ない、その調査データをもとに因子分析を実施し、この基本イメージを尺度として多次元空間を作り、これに色彩を心理的に差別化して個々の色彩の位置付けを行ない、新たな心理的立体空間を作ることにより得られる多次元空間である。
本実施の形態における心理座標については、2個の基本イメージ尺度をもつ特公昭56−46082号公報などに例示される公知の心理座標を用いている。すなわち心理座標は、図4に示すように、基本イメージである暖かさ(ウォーム:Warm)と冷たさ(クール:Cool)との度合を表すウォーム・クール(Warm・Cool)軸と柔らかさ(ソフト:Soft)と堅さ(ハード:Hard)との度合を表すソフト・ハード(Soft・Hard)軸の座標空間を採用した。
なお、本実施の形態においては、上記の技術を適用して、予めユーザの嗜好を解析し、この解析結果に応じたガマット圧縮処理を施した例について例示するが、ユーザの嗜好の解釈はこの場合に限定されるものではない。
(ユーザ嗜好解析方法1)
ここで、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップについて、本実施の形態1〜3に係る心理物理空間の図5を参照に説明する。
まず、ユーザに配色パターンを提示し、ユーザは好みの配色パターンを選択する。このときユーザは予め所定の数(本実施の形態では4つ)の配色パターンを選択する。本実施の形態では、ユーザが配色パターンのNo.02、16、19、25を選択する。このときの選択された範囲は、図5におけるAの領域に示している。
ここで、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップについて、本実施の形態1〜3に係る心理物理空間の図5を参照に説明する。
まず、ユーザに配色パターンを提示し、ユーザは好みの配色パターンを選択する。このときユーザは予め所定の数(本実施の形態では4つ)の配色パターンを選択する。本実施の形態では、ユーザが配色パターンのNo.02、16、19、25を選択する。このときの選択された範囲は、図5におけるAの領域に示している。
次に、各配色パターンの心理空間における空間位置を算出する。すなわち、図3に示した配色パターンに対応する特性値のリストから、各配色パターンの心理空間における空間位置を読出し、得られた値を表1に示す。
このとき、Warm・Cool軸の値は、+の場合Warmである割合を示し、一方、Soft・Hard軸の値は、+の場合Softである割合を示す。
さらに、心理空間位置における各心理物理空間における平均(ave)、および分散(std)を、次式(1)に従って算出する。本実施の形態における、各配色パターンに対応する心理物理空間の座標値はそれぞれ、次式(1)の通りである。
さらに、心理空間位置における各心理物理空間における平均(ave)、および分散(std)を、次式(1)に従って算出する。本実施の形態における、各配色パターンに対応する心理物理空間の座標値はそれぞれ、次式(1)の通りである。
なお、本実施の形態における式(1)に示した各数式の値は、以下の通りである。
Warm・Cool,ave=−0.865
Warm・Cool,std=+0.056
Soft・Hard,ave=−0.065
Soft・Hard,std=+0.606
Warm・Cool,ave=−0.865
Warm・Cool,std=+0.056
Soft・Hard,ave=−0.065
Soft・Hard,std=+0.606
最後に、算出した心理距離と分散の値とを、予め定めた所定値とを比較し、ユーザの嗜好を解析する。本実施の形態では、ユーザの嗜好が絶対値0.6以上の場合、その嗜好が有意であると判断している。本実施の形態の場合については、Warm・Cool,aveが−0.6よりも小さいので、「Coolの嗜好が強いユーザである」と解釈される。また同様にして、Soft・Hard,aveは−0.6〜0.6の範囲に存在するので「Soft、Hardに関しての嗜好は弱いユーザである」と解析される。このように解釈されたユーザの嗜好に関する解釈結果に基づいて、色補正処理を施す。以下では色補正処理を画像処理システムに適用した一例について記す。
(画像処理システムの動作)
ここでは、上記構成を有する画像処理システムの動作について説明する。
まず、図1のコンピュータ100は、コンピュータ内部の画像データを画像出力装置102を用いてプリントアウトするために画像データを出力する。この画像データは、通常ディスプレイで表示するためにR、G、B(レッド、グリーン、ブルー)の色成分からなる色信号である。コンピュータが送信したRGB信号は、色変換装置300における色空間変換部103へ送信され、ガマット変換処理部200で採用する色信号に変換される。
ここでは、上記構成を有する画像処理システムの動作について説明する。
まず、図1のコンピュータ100は、コンピュータ内部の画像データを画像出力装置102を用いてプリントアウトするために画像データを出力する。この画像データは、通常ディスプレイで表示するためにR、G、B(レッド、グリーン、ブルー)の色成分からなる色信号である。コンピュータが送信したRGB信号は、色変換装置300における色空間変換部103へ送信され、ガマット変換処理部200で採用する色信号に変換される。
ガマット変換処理部で採用する色信号は、CIEで標準化されている色成分を有する色信号であることが必要である。例えば、CIEで標準化されているLCH信号のように明度、彩度、色相に相当する色信号、あるいは、Lab信号のように、明度、赤緑方向の色成分、黄青方向の色成分に相当する色信号を適用することが可能であり、本実施の形態では、Lab信号に適用した例を記述する。
色空間変換部103では、入力RGB信号を明度L、色調の赤緑成分a、色調の黄青成分b、Pi(L,a,b)へ変換し出力する。上記Pi(L,a,b)信号は、RGB色信号から生成された色信号であるため、そのままでは画像出力装置が再現できないような色信号が含まれている。
ガマット変換処理部200では、後述する手段を用いてPi(L,a,b)を画像出力装置が再現可能な色信号Po(L',a',b')に変換する。
ガマット変換処理部200では、後述する手段を用いてPi(L,a,b)を画像出力装置が再現可能な色信号Po(L',a',b')に変換する。
色空間変換部104では、ガマット変換処理部200から出力されたPo(L',a',b')をCMY信号やCMYK信号などの画像出力装置が処理可能な色信号に変換してコンピュータ100へ送信する。なお、この際の一連の色変換の処理フローについては、後述の色変換フローチャートにて詳説する。
(色変換フローチャート)
図6は、色変換装置1が行う色変換方法による色変換の処理方法について説明するフローチャートである。
ステップS601において、予め定められた[補間演算処理]に従い、RGB信号はLab信号に変換される。ステップS602において、予め定められた入出力条件パラメータがセットされ、入出力デバイスの色再現範囲(ガマット)を作成、あるいは、入出力条件に対応したガマット範囲が記憶部から読出される。ステップS603において、入力値の(Lab)と、出力値(L'a'b')とを比較し、入力値が出力ガマット範囲内に存在するかどうかを判定する。
図6は、色変換装置1が行う色変換方法による色変換の処理方法について説明するフローチャートである。
ステップS601において、予め定められた[補間演算処理]に従い、RGB信号はLab信号に変換される。ステップS602において、予め定められた入出力条件パラメータがセットされ、入出力デバイスの色再現範囲(ガマット)を作成、あるいは、入出力条件に対応したガマット範囲が記憶部から読出される。ステップS603において、入力値の(Lab)と、出力値(L'a'b')とを比較し、入力値が出力ガマット範囲内に存在するかどうかを判定する。
ここで、入力値の(Lab)が前記入力値が出力ガマット範囲内に存在する場合は、ステップS604において、所定の変換方式に従って、ガマット処理を施す。また、入力値の(Lab)が出力ガマット範囲外に存在する場合は、ステップS605において、ユーザの嗜好に応じたガマット処理を施す。
ステップS604およびS605のガマット処理をすべての入力データ(Lab)に対して実施する。ステップS606において、Lab色空間上にある代表のLab値に対応する出力CMYK信号値を3次元ルックアップテーブル(以下、LUTと称する)に記憶させておき、色変換処理は、3次元LUTから複数の出力値を読み出して補間演算を行う。つまり、3次元色空間であるLabの階調データから、出力色成分C(Cyan)、M(Mazenta)、Y(Yellow)、K(blacK)データへの変換は、メモリマップ補間でCMYKに色変換し、これを画像出力装置に出力する。
なお、メモリマップ補間とは、図7に示すように、Lab空間を入力色空間とした場合、Lab空間を同種類の立体図形(ここでは立方体)に分割し、入力の座標(Lab)おける出力値Pを求めるには、入力の座標を含む立方体を選択し、該選択された立方体の8点の予め設定した頂点上の出力値と入力の立方体の中における位置(各頂点からの距離)に基づいて、点Pで分割された8個の小直方体の体積V1〜V8の加重平均による線形補間を実施するものである。
また、ステップS602とステップS603との間のブロック及びステップS606とEndとの間のブロックは、画像データの1画素ずつ間のフローを繰り返す処理を示し、画像データの画像サイズ(縦画素数×横画素数)回反復することを意味する。
このように、ユーザの嗜好に応じた色補正処理が施された画像信号が出力されることになる。
このように、ユーザの嗜好に応じた色補正処理が施された画像信号が出力されることになる。
以下では、ユーザの嗜好の解析結果に応じた、ガマット圧縮処理について説明する。説明は(I)入力信号のガマット範囲作成、(II)出力範囲のガマット範囲作成、および(III )ユーザの嗜好に応じたガマット圧縮の順である。
(ガマット変換処理部の詳細)
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の詳細について説明する。
(1)入力デバイスのガマット情報
入力デバイスのガマット情報について説明する。入力デバイスのガマット情報は、図8に示すような代表の色相Hと明度Lに対応した最大彩度値を記述したデータテーブルである。この場合、予めデータテーブルを作成し、各印刷条件に適合した入力デバイスのガマット条件をROMなどのメモリに記憶させておき、参照する色相と明度に対応する最大彩度値を補間演算等により算出する。
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の詳細について説明する。
(1)入力デバイスのガマット情報
入力デバイスのガマット情報について説明する。入力デバイスのガマット情報は、図8に示すような代表の色相Hと明度Lに対応した最大彩度値を記述したデータテーブルである。この場合、予めデータテーブルを作成し、各印刷条件に適合した入力デバイスのガマット条件をROMなどのメモリに記憶させておき、参照する色相と明度に対応する最大彩度値を補間演算等により算出する。
図8の例では、名義上、色相角5(deg)、明度10毎のステップにおける最高彩度値を表したが、ステップ幅は更に細かくすることも可能であるし、逆に更に粗くすることも可能である。また、ステップ幅は均等である必要性はなく、特定の範囲内のステップ幅は細かく、それ以外の範囲のステップ幅は粗くなどのように、範囲毎にステップ幅を不均等とすることも可能である。
次に、上記ガマット情報の作成方法の具体例について、入力色信号RGBがsRGB信号と仮定して説明する。前述した最大彩度色は、図9の太線で示す軌跡上に存在する。この軌跡(R−M−B−C−G−Y−R)上の点は、R、G、B(レッド、グリーン、ブルー)成分のうち一つの色成分が0で、もうひとつの色成分が255、残りの成分が0〜255で表される色信号である。たとえば、点SのRGB値は、(255,0,128)で与えられる。
前記、軌跡上の各RGB信号に対するLCHを順次計算してデータテーブルを構築する。このときのRGB信号からLCH信号の変換は、IEC 61966−2−1で標準化されている変換式に従ってRGBから、3刺激値のXYZ値に変換した後、CIE TC8−01で標準化された変換に従って、XYZ値をLCHに変換することにより実施する。なおこの際、変換に用いる式は以下の式(2)〜(4)である。
X=0.4124×R+0.3576×G+0.1805×B
Y=0.2126×R+0.7152×G+0.0722×B
Z=0.0193×R+0.1192×G+0.9505×B
…(2)
L*=116(Y/Y0)−16 :Y/Y0>0.008856
=903.29(Y/Y0) :Y/Y0>0.008856
a*=500{(X/X0)1/3−(Y/Y0)1/3}
b*=200{(Y/Y0)1/3−(Z/Z0)1/3}
(但し、X0,Y0,Z0は基準反射面の値) …(3)
C=√{(a2)+(b2)}
H=Arctan(b/a) :Arctan(b/a)>0
=360−Arctan(b/a):Arctan(b/a)<0
…(4)
また、入力デバイスのRGB信号特性がsRGB信号以外である出力信号を想定する場合、それぞれの出力信号特性に合わせて色変換処理を施すが、ここでは出力は紙媒体を想定する。紙媒体の白色点をD50の白色点とし、モニタ信号の白色点をD65光源として、式(5)の色変換を施す。
Y=0.2126×R+0.7152×G+0.0722×B
Z=0.0193×R+0.1192×G+0.9505×B
…(2)
L*=116(Y/Y0)−16 :Y/Y0>0.008856
=903.29(Y/Y0) :Y/Y0>0.008856
a*=500{(X/X0)1/3−(Y/Y0)1/3}
b*=200{(Y/Y0)1/3−(Z/Z0)1/3}
(但し、X0,Y0,Z0は基準反射面の値) …(3)
C=√{(a2)+(b2)}
H=Arctan(b/a) :Arctan(b/a)>0
=360−Arctan(b/a):Arctan(b/a)<0
…(4)
また、入力デバイスのRGB信号特性がsRGB信号以外である出力信号を想定する場合、それぞれの出力信号特性に合わせて色変換処理を施すが、ここでは出力は紙媒体を想定する。紙媒体の白色点をD50の白色点とし、モニタ信号の白色点をD65光源として、式(5)の色変換を施す。
なお、式(5)において入力:XYZD50 、出力:D65 である。また、入力XYZD50 は、式(2)におけるXYZと同値である。
ここで、前述のD50及びD65は、CIE(国際照明委員会)により測色用の照明光として分光分布だけが規定された観念的な光であり、日本工業規格JIS8720で採用された値を採用することができる。例えば標準の光:D65は、色温度が6,500[K]の昼光を代表する光であり、xy色度図上の黒体放射の色度点を示している。D65の場合は(x,y)=(0.3127,0.3290)である。
換言すると、RGB−(モニタ色変換式、γ輝度変換)→XYZ,D65−(白基準変換、Bradford変換)→XYZ,D50となる。
――時間に基づいて、詳細に記載する。――
(2)出力デバイスのガマット情報
入力デバイスのガマット情報240と同様にして、代表の色相Hと明度Lに対応した最大彩度値を記述したデータテーブルを予め記憶させ、参照する色相と明度に対応する最大彩度値を補間演算により算出する。このとき用いるデータテーブルの作成法として、
(1)予め種々の(CMYK)を入力値として、出力した複数の代表色のパッチの(XYZ)値を測色し、その対応関係をメモリマップ補間して作成する、かあるいは、
(2)多層のニューラルネットワークや多項式にCMYKとXYZとの関係を学習させて近似する方法等を適用する、
ことが挙げられる(以上、RGB→XYZ)。
(2)出力デバイスのガマット情報
入力デバイスのガマット情報240と同様にして、代表の色相Hと明度Lに対応した最大彩度値を記述したデータテーブルを予め記憶させ、参照する色相と明度に対応する最大彩度値を補間演算により算出する。このとき用いるデータテーブルの作成法として、
(1)予め種々の(CMYK)を入力値として、出力した複数の代表色のパッチの(XYZ)値を測色し、その対応関係をメモリマップ補間して作成する、かあるいは、
(2)多層のニューラルネットワークや多項式にCMYKとXYZとの関係を学習させて近似する方法等を適用する、
ことが挙げられる(以上、RGB→XYZ)。
――NN、補間についての記載を時間に基づいて記載する。――
(3)嗜好に応じたガマット圧縮1
ここでユーザの嗜好に応じたガマット圧縮方法について記載する。
図10は均等色空間における、明度と彩度との色再現域の対応を模式的に示す。また図中では、色相がマンセル・バリューで5Rである色相を例示しており、図の斜線部は出力値の色再現範囲を示している。なお、本実施の形態においては、標題のフォントが大きいテキスト部分「○急、ABSブリタニカ…(以下は省略する)」に赤の配色が、小さいテキスト部分に黒の配色が配置された、白背景の画像を出力する場合を想定する(図11)。
(3)嗜好に応じたガマット圧縮1
ここでユーザの嗜好に応じたガマット圧縮方法について記載する。
図10は均等色空間における、明度と彩度との色再現域の対応を模式的に示す。また図中では、色相がマンセル・バリューで5Rである色相を例示しており、図の斜線部は出力値の色再現範囲を示している。なお、本実施の形態においては、標題のフォントが大きいテキスト部分「○急、ABSブリタニカ…(以下は省略する)」に赤の配色が、小さいテキスト部分に黒の配色が配置された、白背景の画像を出力する場合を想定する(図11)。
そこで、図6に示すステップS604に示した通常のガマット圧縮では、入力値(Lab)に対して、式(6)で定義される色差最小方向、つまり、図10の矢印(あ)が示す最外郭の色にマッピングされることになる。これに対して、前記ユーザ解析ステップにより「Cool」と解釈されたユーザに対しては、図6に示すステップS605に示したガマット圧縮が施され、よりコントラストが強調された画像を嗜好すると判断されるため、図10の矢印(い)が示す最外郭の色にマッピングされることになる。
すなわち、ある入力値(Lab)は、略彩度保存の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。本実施の形態におけるガマット圧縮は、画像のコントラストが、通常のガマット処理よりも、より強調される圧縮処理であることに相当する。従って、得られる出力画像においては、白地に配置された赤文字のテキスト画像がより、くっきりと鮮明に出力されることになる。
なお本実施の形態では、ユーザの「Cool」度合が所定値の0.6以上であるため、彩度強調のガマット圧縮処理を施した。本実施の形態と同じく、前記ユーザの解析結果の「Cool」度合に基づいて彩度圧縮の度合、すなわち図10の矢印(い)の垂線に対する傾き:θを制御することによって、よりユーザの嗜好を反映させた色補正処理を提供することが可能である。
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2として、ユーザが「Cool」で、「Hard」な画像を嗜好すると解析された場合において、ユーザに好適な出力物を供する技術を例示する。つまり、実施の形態1における画像よりも、さらにコントラストが強い画像を嗜好する傾向に対応する実施の形態であって、得られる印刷物は、白地に配置された赤文字のテキスト画像がより、くっきりと鮮明に出力されることになる。
なお、本実施の形態においては、ユーザの嗜好解析方法とユーザ嗜好に応じたガマット圧縮以外は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
本発明に係る実施の形態2として、ユーザが「Cool」で、「Hard」な画像を嗜好すると解析された場合において、ユーザに好適な出力物を供する技術を例示する。つまり、実施の形態1における画像よりも、さらにコントラストが強い画像を嗜好する傾向に対応する実施の形態であって、得られる印刷物は、白地に配置された赤文字のテキスト画像がより、くっきりと鮮明に出力されることになる。
なお、本実施の形態においては、ユーザの嗜好解析方法とユーザ嗜好に応じたガマット圧縮以外は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
(ユーザ嗜好解析方法2)
ここでは、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップについて、本実施の形態2に係る心理物理空間の図5を参照に説明する。
まず、ユーザに配色パターンを提示し、ユーザは好みの配色パターンを選択する。このときユーザは予め所定の数(本実施の形態では4つ)の配色パターンを選択するものとする。本実施の形態では、ユーザが配色パターンのNo.02、16、19、25を選択する。このときの選択された範囲は、図5におけるBの領域に示している。
ここでは、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップについて、本実施の形態2に係る心理物理空間の図5を参照に説明する。
まず、ユーザに配色パターンを提示し、ユーザは好みの配色パターンを選択する。このときユーザは予め所定の数(本実施の形態では4つ)の配色パターンを選択するものとする。本実施の形態では、ユーザが配色パターンのNo.02、16、19、25を選択する。このときの選択された範囲は、図5におけるBの領域に示している。
次に、各配色パターンの心理空間における空間位置を算出する。すなわち、図3に示した配色パターンに対応する特性値のリストから、各配色パターンの心理空間における空間位置を読出し、下記の表2に示す値を得る。
このとき、Warm・Cool軸の値は、+の場合Warmである割合を示し、一方、Soft・Hard軸の値は、+の場合「Soft」である割合を示す。
さらに、心理空間位置における各心理物理空間における平均(ave)および分散(std)を、前出の式(1)に従って算出する。本実施の形態における、各配色パターンに対応する心理物理空間の座標値を、実施の形態1と同様に算出した。その結果を以下に示す。
さらに、心理空間位置における各心理物理空間における平均(ave)および分散(std)を、前出の式(1)に従って算出する。本実施の形態における、各配色パターンに対応する心理物理空間の座標値を、実施の形態1と同様に算出した。その結果を以下に示す。
Warm・Cool,ave=−0.863
Warm・Cool,std=+0.056
Soft・Hard,ave=−0.783
Soft・Hard,std=−0.068
最後に、前記算出した心理距離と分散の値とを、予め定めた所定値と比較し、ユーザの性向を解析する。本実施の形態では、Warm・Cool,aveが−0.6よりも小さいので、「Coolの嗜好が強いユーザである」と解釈される。また同様にして、Soft・Hard,aveは−0.6よりも小さいので「Hardに関する嗜好が強いユーザである」と解析される。このように解釈されたユーザの嗜好に関する解釈結果に基づいて、色補正処理を施す。
Warm・Cool,std=+0.056
Soft・Hard,ave=−0.783
Soft・Hard,std=−0.068
最後に、前記算出した心理距離と分散の値とを、予め定めた所定値と比較し、ユーザの性向を解析する。本実施の形態では、Warm・Cool,aveが−0.6よりも小さいので、「Coolの嗜好が強いユーザである」と解釈される。また同様にして、Soft・Hard,aveは−0.6よりも小さいので「Hardに関する嗜好が強いユーザである」と解析される。このように解釈されたユーザの嗜好に関する解釈結果に基づいて、色補正処理を施す。
(ガマット変換処理部の詳細)
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の詳細について説明するが、ガマット処理の入力デバイスのガマット情報、および出力デバイスのガマット情報は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の詳細について説明するが、ガマット処理の入力デバイスのガマット情報、および出力デバイスのガマット情報は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
(3a)嗜好に応じたガマット圧縮2
ここでユーザの嗜好に応じたガマット圧縮方法について記載する。
図12は均等色空間における、明度と彩度との色再現域の対応を模式的に示す。また図中では、色相がマンセル・バリューで5R、および0Rである色相を例示しており、図の斜線部は出力値の色再現範囲を示している。なお、本実施の形態においては、標題のフォントが大きいテキスト部分「○急、ABSブリタニカ…(以下は省略する)」に赤の配色が、小さいテキスト部分に黒の配色が配置された、白背景の画像を出力する場合を想定する(図11参照)。
ここでユーザの嗜好に応じたガマット圧縮方法について記載する。
図12は均等色空間における、明度と彩度との色再現域の対応を模式的に示す。また図中では、色相がマンセル・バリューで5R、および0Rである色相を例示しており、図の斜線部は出力値の色再現範囲を示している。なお、本実施の形態においては、標題のフォントが大きいテキスト部分「○急、ABSブリタニカ…(以下は省略する)」に赤の配色が、小さいテキスト部分に黒の配色が配置された、白背景の画像を出力する場合を想定する(図11参照)。
そこで、実施の形態1に示すガマット圧縮では、図12の矢印(い)が示す最外郭の色にマッピングされることになる。これに対して、ユーザ解析ステップによりCool、かつHardと解析されたユーザに対しては、図12の矢印(う)が示す最外郭の色にマッピングされることになる。
すなわち、ある入力値(Lab)は、色相角が1次色の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。本実施の形態のガマット圧縮は実施の形態1のガマット処理よりも、より鮮明な画像が得られる圧縮処理であることに相当する。
すなわち、ある入力値(Lab)は、色相角が1次色の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。本実施の形態のガマット圧縮は実施の形態1のガマット処理よりも、より鮮明な画像が得られる圧縮処理であることに相当する。
なお本実施の形態では、ユーザの「Cool、およびHard」度合に基づいて、1次色の色相方向に色相角を変位させ、かつ略彩度保存の方向にガマット圧縮を施したが、ユーザの「Cool、およびHard」度合に基づいて、彩度圧縮の度合すなわち図12の矢印(う)の立体角:φを制御することによって、よりユーザの嗜好を反映させた色補正処理を提供することが可能である。
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3として、ユーザがWarmで、Softな画像を嗜好すると解析された場合において、ユーザに好適な出力物を供する技術を例示する。つまり同実施の形態は、ユーザの、よりソフトで温かみのある画像を嗜好する傾向に対応する。なお、本実施の形態においては、ユーザの嗜好解析方法とユーザ嗜好に応じたガマット圧縮以外は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
本発明に係る実施の形態3として、ユーザがWarmで、Softな画像を嗜好すると解析された場合において、ユーザに好適な出力物を供する技術を例示する。つまり同実施の形態は、ユーザの、よりソフトで温かみのある画像を嗜好する傾向に対応する。なお、本実施の形態においては、ユーザの嗜好解析方法とユーザ嗜好に応じたガマット圧縮以外は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
(ユーザ嗜好解析方法3)
ここでは、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップについて、本実施の形態2に係る心理物理空間の図5を参照に説明する。
まず、ユーザに配色パターンを提示し、ユーザは好みの配色パターンを選択する。このときユーザは予め所定の数(本実施の形態では4つ)の配色パターンを選択する。本実施の形態では、ユーザが配色パターンのNo.02、16、19、25を選択する。このときの選択された範囲は、図5におけるCの領域に示している。
ここでは、ユーザの色に関する嗜好を解析する解析ステップについて、本実施の形態2に係る心理物理空間の図5を参照に説明する。
まず、ユーザに配色パターンを提示し、ユーザは好みの配色パターンを選択する。このときユーザは予め所定の数(本実施の形態では4つ)の配色パターンを選択する。本実施の形態では、ユーザが配色パターンのNo.02、16、19、25を選択する。このときの選択された範囲は、図5におけるCの領域に示している。
次に、各配色パターンの心理空間における空間位置を算出する。すなわち、図3に示した配色パターンに対応する特性値のリストから、各配色パターンの心理空間における空間位置を読出し、下記の表3に示す値を得る。
このとき、Warm・Cool軸の値は、+の場合Warmである割合を示し、一方、Soft・Hard軸の値は、+の場合Softである割合を示す。
さらに、心理空間位置における各心理物理空間における平均(ave)および分散(std)を、前出の式(1)に従って算出する。本実施の形態における、各配色パターンに対応する心理物理空間の座標値を、実施の形態1と同様に算出した。
Warm・Cool,ave=+0.863
Warm・Cool,std=+0.056
Soft・Hard,ave=+0.783
Soft・Hard,std=+0.068
Warm・Cool,ave=+0.863
Warm・Cool,std=+0.056
Soft・Hard,ave=+0.783
Soft・Hard,std=+0.068
最後に、前記算出した心理距離と分散の値とを、予め定めた所定値と比較し、ユーザの性向を解析する。本実施の形態では、Warm・Cool,aveが+0.6より大きいので、「Warmの嗜好が強いユーザである」と解釈される。同様にして、Soft・Hard,aveは0.6よりも大きいので「Softに関する嗜好が強いユーザである」と解析される。このように解釈されたユーザの嗜好に関する解釈結果に基づいて、色補正処理を施す。
(ガマット変換処理部の詳細)
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の詳細について説明するが、ガマット処理の入力デバイスのガマット情報および出力デバイスのガマット情報は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
次に、ガマット変換処理部を構成する各部の詳細について説明するが、ガマット処理の入力デバイスのガマット情報および出力デバイスのガマット情報は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
(3b)嗜好に応じたガマット圧縮3
ここでユーザの嗜好に応じたガマット圧縮方法について記載する。
図14は均等色空間における、明度と彩度との色再現域の対応を模式的に示す。また図中では、色相がマンセル・バリューで5Y、および5YRにおける色相を例示しており、図の斜線部(網点部)は出力値の色再現範囲を示している。なお、本実施の形態においては、図14に示すように、画像として人物が配置された画像を出力する場合を想定する。
ここでユーザの嗜好に応じたガマット圧縮方法について記載する。
図14は均等色空間における、明度と彩度との色再現域の対応を模式的に示す。また図中では、色相がマンセル・バリューで5Y、および5YRにおける色相を例示しており、図の斜線部(網点部)は出力値の色再現範囲を示している。なお、本実施の形態においては、図14に示すように、画像として人物が配置された画像を出力する場合を想定する。
そこで、通常のガマット圧縮を鑑みると、入力値(Lab)に対して、図13の矢印(え)が示す色差最小方向の最外郭の色にマッピングされることになる。 これに対して、前出のユーザ解析ステップによりWarm、かつSoftと解析されたユーザに対しては、より暖かみのある画像を嗜好すると判断される。
すなわち、ある入力値(Lab)は、色相角が1次色の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。本実施の形態のガマット圧縮は実施の形態1のガマット処理よりも、より鮮明な画像が得られる圧縮処理であることに相当する。
すなわち、ある入力値(Lab)は、色相角が1次色の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。本実施の形態のガマット圧縮は実施の形態1のガマット処理よりも、より鮮明な画像が得られる圧縮処理であることに相当する。
ある入力値(Lab)は、次の2つの段階を伴って、ガマット圧縮が施される。
すなわち、1ステップとして、図13(a)における矢印(お)が示すように、略明度保存の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。2ステップとして、略色差最小となるように、図13(a)における矢印(か)が示す方向に色相角をWarmの方向に変位する方向にマッピングされる。つまり本実施の形態におけるガマット圧縮は、画像がより暖かみがあり、さらによりソフトに処理される圧縮処理であることに相当する。つまり同実施の形態は、ユーザの、よりソフトで温かみのある画像を嗜好する傾向に対応する実施の形態である。
すなわち、1ステップとして、図13(a)における矢印(お)が示すように、略明度保存の方向に向って、最外郭の位置にマッピング処理が施される。2ステップとして、略色差最小となるように、図13(a)における矢印(か)が示す方向に色相角をWarmの方向に変位する方向にマッピングされる。つまり本実施の形態におけるガマット圧縮は、画像がより暖かみがあり、さらによりソフトに処理される圧縮処理であることに相当する。つまり同実施の形態は、ユーザの、よりソフトで温かみのある画像を嗜好する傾向に対応する実施の形態である。
(画像処理システムのハードウェア構成)
図15は、画像処理システムのハードウェア構成例を示す図である。図15を参照すると、この画像処理システムは、たとえばワークステーションやパーソナルコンピュータ等で実現され、全体を制御するCPU21と、CPU21の制御プログラム等が記憶されているROM22と、CPU21のワークエリア等として使用されるRAM23と、ハードディスク24と、画像データを表示するためのディスプレイ103と、カラープリンタなどの画像形成装置100とを有している。ここで、CPU21、ROM22、RAM23、およびハードディスク24は、図1のコンピュータ102としての機能を有している。
図15は、画像処理システムのハードウェア構成例を示す図である。図15を参照すると、この画像処理システムは、たとえばワークステーションやパーソナルコンピュータ等で実現され、全体を制御するCPU21と、CPU21の制御プログラム等が記憶されているROM22と、CPU21のワークエリア等として使用されるRAM23と、ハードディスク24と、画像データを表示するためのディスプレイ103と、カラープリンタなどの画像形成装置100とを有している。ここで、CPU21、ROM22、RAM23、およびハードディスク24は、図1のコンピュータ102としての機能を有している。
なお、この場合、図3の色空間変換部103、104、および前述のガマット変換処理部200の機能をCPU21にもたせることができる。すなわち、本発明の画像処理装置としての機能をCPU21にもたせることができる。
また、CPU21におけるこのような画像処理装置としての機能は、たとえばソフトウエアパッケージ、具体的には、CD−ROM等の情報記録媒体の形で提供することができ、このため、図14の例では、情報記録媒体30がセットされたとき、これを駆動する媒体駆動装置31が設けられている。
また、CPU21におけるこのような画像処理装置としての機能は、たとえばソフトウエアパッケージ、具体的には、CD−ROM等の情報記録媒体の形で提供することができ、このため、図14の例では、情報記録媒体30がセットされたとき、これを駆動する媒体駆動装置31が設けられている。
換言すれば、本発明の画像処理装置および画像処理方法は、ディスプレイ等を備えた汎用の計算機システムにCD−ROM等の情報記録媒体に記録されたプログラムを読み込ませて、この汎用計算機システムのマイクロプロセッサに色空間変換処理およびガマット変換処理を実行させる装置構成においても実施することが可能である。
この場合、本発明の色空間変換処理およびガマット変換処理を実行するためのプログラム、すなわち、ハードウェアシステムで用いられるプログラムは、媒体に記録された状態で提供される。プログラムなどが記録される情報記録媒体としては、CD−ROMに限られるものではなく、ROM、RAM、フレキシブルディスク、メモリカード等が用いられてもよい。
媒体に記録されたプログラムは、ハードウェアシステムに組み込まれている記憶装置、たとえばハードディスク24にインストールされることにより、このプログラムを実行して、色変換機能および色変換プロファイル生成機能を実現することができる。また、本発明の色変換装置および色変換方法を実現するためのプログラムは、媒体の形で提供されるのみならず、通信によって(たとえばサーバによって)提供されるものであってもよい。
以上において、本実施の形態によれば、ユーザの嗜好に従って色変換する画像処理方法、画像処理装置、およびこれを記録した記憶媒体を供することにより、「ユーザの好みを反映した最適な出力物を得ることが可能」となった。
100 コンピュータ
101 画像表示装置(ディスプレイ)
102 画像出力装置
103、104 色空間変換部
200 ガマット変換処理部
300 色変換装置
101 画像表示装置(ディスプレイ)
102 画像出力装置
103、104 色空間変換部
200 ガマット変換処理部
300 色変換装置
Claims (20)
- 入力デバイスに入力された入力画像に対して処理を施して処理後の入力画像を出力デバイスから出力させる画像処理方法において、
予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する提示ステップと、
前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択ステップと、
前記ユーザによって選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析する第1の解析ステップとを有し、
前記出力デバイスから処理後の入力画像を出力する際に前記入力デバイスのガマット情報、及び前記出力デバイスのガマット情報を検出する検出ステップと、
前記検出結果と、前記検出結果を解釈した結果とに基づいて、ガマット圧縮条件を変更する第1の変更ステップと、
前記変更結果に基づいて色補正処理を施す補正処理ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記第1の解析ステップは、
前記選択された配色パターンの心理空間における位置を算出する第1の算出ステップと、
前記算出された空間位置と配色パターンとの統計情報を用いて相関関係を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の算出結果および前記第2の算出結果に基づいてユーザの性向を演算する演算ステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。 - 前記第2の算出ステップは、
前記選択された配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の平均を算出するステップと、
前記配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の分散を算出するステップと、
からなることを特徴とする請求項2記載の画像処理方法。 - 前記演算ステップは、
前記心理距離の平均および分散関係予め記憶した所定値と比較する比較ステップと、
前記比較結果に基いて、ユーザの性向を演算する演算ステップと、
からなることを特徴とする請求項2記載の画像処理方法。 - 前記第1の変更ステップは、
前記ユーザの性向における、クール・ウォーム度合を算出する算出ステップと、
レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等の任意の表色系で表される入力デバイスの入力信号が、出力装置の色再現の範囲内にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記入力信号が前記判定ステップで色再現の範囲外にあると判定された場合、前記算出したクール・ウォーム度合に基づいて、マッピング方向を変更する第2の変更ステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。 - 前記第2の変更ステップは、
前記クール・ウォーム度合におけるクール度合が所定の閾値よりも大きい場合、略彩度保存方向にマッピングすることを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。 - 前記第2の変更ステップは、
前記クール・ウォーム度合におけるウォーム度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。 - 前記第2の変更ステップは、
前記ソフト・ハード度合におけるハード度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。 - 前記第2の変更ステップは、
前記ソフト・ハード度合におけるソフト度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を2次色方向にマッピングすることを特徴とする請求項6記載の画像処理方法。 - 入力画像が入力される入力デバイスと、該入力デバイスに入力された入力画像に対して処理が施された入力画像を出力する出力デバイスとを備えた画像処理装置において、
予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する画像表示手段と、
前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択手段と、
前記選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析し、前記入力画像を前記画像表示手段に出力する際に前記入力デバイスのガマット情報及び前記出力デバイスのガマット情報を検出し、該検出結果と、該検出結果を解釈した結果とに基づいて、ガマット圧縮条件を変更し、該変更結果に基づいて前記入力画像に色補正処理を施すコンピュータと、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記選択された配色パターンの心理空間における位置を算出し、
算出された空間位置と配色パターンとの統計情報を用いて相関関係を算出し、
算出結果に基いてユーザの性向を演算することを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記選択された配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の平均を算出し、前記配色パターンの心理空間における空間位置の心理距離の分散を算出することを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記心理距離の平均および分散関係予め記憶した所定値と比較し、該比較結果に基づいて、ユーザの性向を演算することを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記ユーザの性向における、クール・ウォーム度合を算出し、レッド、グリーン、ブルー、Lab表色系におけるLab値、マンセル空間におけるVx、Vy、Vz等の任意の表色系で表される入力デバイスの入力信号が、出力装置の色再現の範囲内にあるか否かを判定し、
前記入力信号が前記判定ステップで色再現の範囲外にあると判定された場合に、前記算出したクール・ウォーム度合に基づいて、マッピング方向を変更することを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記クール・ウォーム度合におけるクール度合が所定の閾値よりも大きい場合、略彩度保存方向にマッピングすることを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記クール・ウォーム度合におけるウォーム度合が所定の閾値よりも大きい場合、色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記ソフト・ハード度合におけるハード度合が所定の閾値よりも大きい場合、
色相角を1次色方向にマッピングすることを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - 前記コンピュータは、
前記ソフト・ハード度合におけるソフト度合が所定の閾値よりも大きい場合、
色相角を2次色方向にマッピングすることを特徴とする請求項10記載の画像処理装置。 - コンピュータに、入力デバイスに入力された入力画像に処理を施した後出力デバイスから出力させることを実行させるためのプログラムにおいて、
予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する提示処理と、
前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択処理と、
前記選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析する第1の解析処理とを有し、
処理が施された入力画像を前記出力デバイスから出力する際に前記入力デバイスのガマット情報及び前記出力デバイスのガマット情報を検出する検出処理と、
前記検出結果と、前記検出結果を解釈した結果とに基づいてガマット圧縮条件を変更する第1の変更処理と、
前記変更結果に基づいて色補正処理を施す補正処理と、
を有することを特徴とするプログラム。 - コンピュータに、入力デバイスに入力された入力画像に処理を施した後出力デバイスから出力させる処理を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体において、
予めユーザに対して、複数の色の組み合わせで構成される配色パターンのイメージを複数提示する提示処理と、
前記提示した配色パターンから、少なくとも1つの所定数の配色パターンが前記ユーザによって選択される選択処理と、
前記選択された配色パターンに基づいて、前記ユーザの嗜好を解析する第1の解析処理とを有し、
入力画像を出力する際に前記入力デバイスのガマット情報及び前記出力デバイスのガマット情報を検出する検出処理と、
前記検出結果と、前記検出結果を解釈した結果とに基づいて、ガマット圧縮条件を変更する第1の変更処理と、
前記変更結果に基づいて色補正処理を施す補正処理と、
を有することを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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-
2003
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