JP2006238335A - 情報処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 XYZ色空間を介した色空間変換においてグレーバランスを良好に保持する。
【解決手段】 入力色信号に対してマトリクスを用いてXYZ信号に変換する第1の変換工程と、基準白色点のXYZ値を用いて前記XYZ信号を正規化処理を行う正規化処理工程と、前記正規化処理されたXYZ値を他の色空間に変換する第2の変換工程とを有し、前記正規化処理工程はマトリクスで表され、前記第1の変換工程のマトリクスと前記正規化処理工程のマトリクスを合成して得られるマトリクスを用いて、前記入力色信号に対して変換処理を行なう。
【選択図】 図18

Description

本発明は、XYZ値を用いた処理に関するものである。
図1は一般的なカラーマッチングの概念図である。
RGBデータである入力データは、入力プロファイルによりデバイスに依存しない色空間のXYZデータに変換される。出力デバイスの色再現範囲外の色は出力デバイスにより表現することができないため、そのすべて色が出力デバイスの色再現範囲内に収まるように、デバイスに依存しない色空間のデータに変換された入力データに色空間圧縮が施される。そして、色空間圧縮が施された後、入力データはデバイスに依存しない色空間から出力デバイスに依存する色空間のCMYKデータへ変換される。
特開2001−094800号公報
カラーマッチングの中間処理において、XYZ値を固定小数点でエンコーディングしてしまうと量子化誤差の影響でグレー・バランスが崩れてしまうという問題があった。この問題は特に暗部において顕著であり、例えば、ソース側プロファイルがsRGBの場合、8−bit sRGB(R,G,B)=(18,18,18)に対してsRGBのTRCを適用し、処理内部でD50基準の11−bit XYZ値(1.0=0x03FF)へ変換すると、XYZの理論値では(X,Y,Z)=(5.97226,6.194005,5.109435)となるが、11−bit XYZの整数値では(X,Y,Z)=(6,6,5)となり、量子化誤差によってD50のグレーではなくなってしまう。このため、デスティネーション側プロファイルのPCSがLabの場合には、(X,Y,Z)=(6,6,5)からLab値へ変換するため、8−bit Lab(L,a,b)=(14,129,128)のようにLab空間の無彩色軸上へ写像されず、最終的な出力においてもグレー・バランスが保持されなくなってしまう。この問題を解決するためにエンコーディングするXYZ値の演算ビット数を上げて精度向上を図ることは可能であるが、必ずしもグレー・バランスが正確に保持できるわけではなく、単純に演算ビット数を上げるだけではメモリ消費の増大や演算処理速度の低下を招き、必ずしも効率的な精度向上になるとは限らなかった。
本願請求項1記載の発明は、入力色信号に対してマトリクスを用いてXYZ信号に変換する第1の変換工程と、基準白色点のXYZ値を用いて前記XYZ信号を正規化処理を行う正規化処理工程と、前記正規化処理されたXYZ値を他の色空間に変換する第2の変換工程とを有し、前記正規化処理工程はマトリクスで表され、前記第1の変換工程のマトリクスと前記正規化処理工程のマトリクスを合成して得られるマトリクスを用いて、前記入力色信号に対して変換処理を行なうことを特徴とする。
本願請求項4記載の発明は、第1の色空間で示される色信号を入力し、前記第1の色空間で示される色信号から、基準白色のXYZ値を用いて正規化処理されたXYZ信号を求め、前記正規化処理されたXYZ信号をXYZ信号に変換するマトリクスと、XYZ信号を第2の色空間の信号に変換するためのマトリクスとを合成して得られたマトリクスを用いて、前記正規化処理されたXYZ信号を第2の色空間に変換することを特徴とする。
本発明によれば、XYZ色空間を介した色空間変換においてグレーバランスを良好に保持することができる。
(実施例1)
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
(CAMの説明)
人間の視覚系によって、知覚される色は、照明光の違い、刺激がおかれている背景などの条件によって、目に入ってくる光が同じであっても異なって見えることが知られている。
例えば、白熱電球で照明された白色は、目に入ってくる光の特性ほどには赤く感じられなくて、白として知覚される。また、黒い背景におかれた白と、明るい背景に置かれた白とでは黒い背景に置かれた白の方が明るく感じられる。前者の現象は色順応、後者は対比として知られている。このためには、XYZではなく網膜状に分布している視細胞の生理的な活性度に対応する量で色を表示する必要があるが、このような目的に色知覚モデルが開発されている。CIEでは、CIE CAM97sの使用を推奨している。この色知覚モデルは色覚の生理的な三原色を用いており、例えばCIE CAM97sで計算される色知覚の相関量であるJ(明度)、C(クロマ)およびH(色相)、あるいは、Q(ブライトネス)、M(カラフルネス)およびH(色相)の値が、観察条件に依存しない色の表示方法と考えられる。J、C、HまたはQ、M、Hの値がデバイス間で一致するように色再現することによって、入出力画像の観察条件の違いを解決することができる。
入力画像を観察する際の観察条件に応じた補正処理(XYZをJCHまたはQMHに変換する処理)を行う色知覚モデルCIE CAM97sの順変換における処理内容を、図13を用いて説明する。
まず、入力画像の観察条件情報としてステップS160で、順応視野の輝度(cd/平方メートル、通常、順応視野における白の輝度の20%が選らばれる)であるLA、光源条件における試料の相対三刺激値であるXYZ、光源条件における白色光の相対三刺激値であるXwYwZw、および、光源条件における背景の相対輝度であるYbが設定される。また、ステップS180で指定される観察条件のタイプに基づき、入力画像の観察条件情報として、ステップS170で周囲の影響の定数c、色誘導係数Nc、明度コントラスト係数FLLおよび順応度の係数Fが設定される。
ステップS160およびS170で設定された入力画像観察条件情報に基づき、入力画像を示すXYZに対して以下のような処理が行われる。
まず、人間の生理的な三原色として考えられているBradfordの三原色に基づき、XYZを変換してBradford錐体応答RGBが求められる(S100)。人間の視覚は常に観察光源に完全順応するわけではないので、輝度レベルと周囲条件(LAおよびF)に基づき順応度を示す変数Dを求め、この変数DおよびXwYwZwに基づき、RGBに対して不完全順応処理を行いRcGcBcに変換される(S110)。
次に、人間の生理的な三原色として考えられているHunt−Pointer−Estevezの三原色に基づき、RcGcBcを変換してHunt−Pointer−Estevez錐体応答R’G’B’が求められる(S120)。このR’G’B’に対して刺激強度レベルによる順応度合いの推定が行われ、試料と白の両方に応じた順応後錐体応答R’aG’aB’aが求められる(S130)。なお、ステップS130では、順応視野の輝度LAに基づき求められる変数FLを用いて非線型応答圧縮が行われる。
続いて、見えとの相関関係を求めるために、以下の処理が行われる。
赤−緑および黄色−青の反対色応答abがR’aG’aB’aから求められ(S140)、反対色応答abおよび偏心係数から色相Hが求められる(S150)。
また、Ywおよび背景の相対輝度Ybから求められる背景誘導係数nが求められ、この背景誘導係数nを用いて試料および白の両方に関する無彩色応答AおよびAwが求められ(S190)、背景誘導係数nおよび明度コントラスト係数FLLから求められる係数z、並びに、A、Awおよびcに基づき明度Jが求められ(S151)、色誘導係数Ncから飽和度Sが求められ(S153)、飽和度Sおよび明度JからクロマCが求められ(S152)、明度Jおよび白の無彩色応答Awから輝度Qが求められる(S154)。
また、変数FLおよび周囲の影響の定数cからカラフルネスMが求められる(S155)。
上述した観察条件に応じた補正処理を用いて観察条件に応じて動的にプロファイルを変更する実施形態を説明する。
図2において、11は入力デバイスに依存するデータを、入力側の環境光の白色点基準に基づくデバイスに依存しない色空間データへ変換するための変換マトリクスまたは変換ルックアップテーブル(LUT)、12は変換LUT11から得られるデータを人間の色知覚色空間JChまたはQMhへ変換するための色知覚モデルの順変換部(CAM)、13は環境光の基準白色に相対的な色知覚空間であるJCh(またはJCH)、14は照度レベルによって大きさの変化する絶対的な色知覚空間であるQMh(またはQMH)、15は人間の色知覚空間JChまたはQMhから出力側の環境光の白色点基準に基づくデバイスに依存しない色空間データへ変換するための色知覚モデルの逆変換部、16は逆変換部15から得られるデータを出力デバイスに依存する色空間データヘ変換するための変換LUTである。
一般に、観察条件における環境光の白色点は、カラーターゲットやカラーパッチなどの色票を測色した際の標準光源の白色点とは異なる。例えば、測色の際に使用される標準光源はD50やD65であるが、実際に画像を観察する場合の環境光はライトブースのD50やD65とは限らず、白熱電球や蛍光灯などの照明光であったり、照明光と太陽光とが混合した光になる場合が多い。以下の説明では、簡単化のために、観察条件における環境光の光源特性をD50、D65およびD93とするが、実際にはメディア上の白色点のXYZ値を白色点として設定する。
図3は本実施形態の機能構成例を示すブロック図である。図3において、41は入力プロファイル42と入力側の観察条件1とから入力側の観察条件1に依存するデータを作成するデータ作成部、43はユーザによる指定またはプロファイルによる指定に基づき色空間圧縮をJCH色空間上で行うかQMH色空間上で行うかを選択する色空間圧縮モード選択部、44および45はそれぞれ出力プロファイル46に基づきJCHまたはQMH色知覚空間上でデータに色空間圧縮を施す色空間圧縮部、47は出力プロファイル46と出力側の観察条件2とから出力側の観察条件2に依存するデータを作成するデータ作成部、48は観察条件1に依存するデータ、色空間圧縮データ、観察条件2に依存するデータおよび色知覚モデルを利用してカラーマッチングを行うカラーマッチング部である。
図18は図3に示される機能構成を実現する装置の構成例を示すブロック図であるが、図18に示すような装置は、例えばパーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータ装置に、図3に示す機能を実現するソフトウェアを供給することによって実現されることは言うまでもない。その場合、本実施形態の機能を実現するソフトウェアは、コンピュータ装置のOS(基本システム)に含まれていても構わないし、OSとは別に例えば入出力デバイスのドライバソフトウェアに含まれていても構わない。
同図において、CPU 100は、ROM 101およびハードディスク(HD)106などに格納されたプログラムに従い、RAM 102をワークメモリに利用して、装置全体の動作を司るとともに、上述したカラーマッチングに関連する処理をはじめとする各種の処理を実行する。入力インタフェイス103は入力デバイス104を接続するための、ハードディスクインタフェイス105はHD 106を接続するための、ビデオインタフェイス107はモニタ108を接続するための、出力インタフェイス109は出力デバイス110を接続するためのそれぞれインタフェイスである。
なお、本実施形態が対象とする入力デバイスには、ディジタルスチルカメラおよびディジタルビデオカメラなどの撮影機器、並びに、イメージスキャナおよびフィルムスキャナなどイメージリーダをはじめとする各種の画像入力機器が含まれる。また、出力デバイスには、CRTやLCDなどのカラーモニタ、カラープリンタおよびフィルムレコーダなどの画像出力機器が含まれる。
また、インタフェイスとして汎用のインタフェイスが利用できる。その用途に応じて、例えば、RS232C、RS422およびIEEE1394などのシリアルインタフェイス、並びに、SCSI、GPIBおよびセントロニクスなどのパラレルインタフェイスが利用可能である。
また、カラーマッチングを行うための入出力プロファイルはHD 106に格納されるが、ハードディスクに限らず、MOなどの光ディスクを用いることもできる。
以下では、入出力プロファイルを利用してカラーマッチングを行う例を説明する。
[観察条件1に依存するデータの作成]
データ作成部41を用いて変換LUT 11を作成するが、変換LUT 11を作成する方法には、図4に一例を示すカラーターゲットのXYZ値(またはLab値)および入力デバイスのRGB値の関係から、環境光に対応する変換LUT 11を再構築する方法、並びに、図5に一例を示す入力プロファイル42内のデバイスRGB空間からXYZ空間へ変換するための変換LUTを環境光に対応する変換LUT 11へ更新する方法がある。
図4は環境光に対応する変換LUT 11を再構築する処理例を示すフローチャートである。
環境光に対応する変換LUT 11を再構築するために、ステップS51で入力プロファイル42からユーザにより指定されたプロファイルを読込む。入力プロファイル内には予めカラーターゲットのXYZ値(またはLab値)と、そのカラーターゲットをある入力デバイスで読んだときのデバイスRGB値を関連付けたXYZ→RGB関係データが格納されている。このXYZ→RGB関係データを、ステップS52でプロファイルから取り出す。プロファイル内には観察条件1も格納されているので、ステップS53で、観察条件1をプロファイルから取り出す。
ステップS52で取り出されたXYZ→RGB関係データのXYZ値は、カラーターゲットを測色したときの基準光であるD50またはD65を基準とするデータであるから、測色光源基準のXYZ値を環境光基準のXYZ値に修正する必要がある。ステップS54では、色知覚モデルによって測色光源基準のXYZ値を、測色条件であるD50光源の白色点「D50基準の場合」、照度レベルおよび周囲光の状態等に基づき色知覚モデルにより人間の色知覚空間JCHへ変換し、測色条件とは異なる観察条件1である例えばD65光源の白色点、照度レベルおよび周囲光の状態などに基づき色知覚モデルを用いて再びXYZ値へ逆変換することにより、環境光基準のXYZ値を得る。これにより、環境光基準のXYZ値とデバイスRGB値との関係が得られたので、ステップS55でRGB→XYZ関係データに基づくRGB→XYZ変換マトリクスを作成し、反復法などで最適化すれば、環境条件1に対応する変換LUT 11を得ることができる。
図5は環境光に対応する変換LUT 11へ更新する処理例を示すフローチャートである。なお、図4と同様の処理が実行されるステップには同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
一般的に、入力デバイス用のICCプロファイルにはRGB→XYZ変換を行うための変換マトリクス(colorant Tag)または変換LUT(AtoB0 Tag)が格納されているので、RGB→XYZ関係データを、ステップS62でプロファイルから取り出す。
そして、ステップS54で環境光基準のXYZ値とデバイスRGB値との関係が得られた後、ステップS66でプロファイル内の変換マトリクス(colorant Tag)または変換LUT(AtoB0 Tag)を更新すれば、環境条件1に対応する変換LUT 11を得ることができる。
なお、一般に、入力デバイス用のICCプロファイルには、RGB→XYZ変換を行うための変換マトリクス(colorant Tag)または変換LUT(AtoB0 Tag)が格納されている。また、図4および図5においてはRGB→XYZ関係データを利用する例を説明したが、これに限らず、RGB→Lab関係データなどの他のデバイス非依存色のデータを利用しても構わない。
[色空間圧縮モードの選択および色空間圧縮]
色空間圧縮モードは、ユーザによりユーザインタフェイス経由で選択されるか、ソース側プロファイルのヘッダ内のRendering Intentによって自動的に選択される。プロファイルに基づき自動選択される場合は以下のようになる。
Perceptual JCH色空間上の色空間圧縮モード
Relative Colorimetric JCH色空間上の色空間圧縮モード
Saturation JCH色空間上の色空間圧縮モード
Absolute Colorimetric QMH色空間上の色空間圧縮モード
つまり、相対的なカラーマッチングの場合はJCH空間13が選択され、絶対的なカラーマッチングの場合はQMH空間14が選択される。
図6はJCH 13またはQMH 14上で色空間圧縮を行う処理例を示すフローチャートである。
色知覚空間上で色空間圧縮を行うために、ステップS81で、出力プロファイル46からユーザに指定されたプロファイルを読込む。
一般に、出力デバイス用ICCプロファイルには、色再現領域の内か外かを判定(以下「色再現領域の内外判定」と呼ぶ)するために、XYZ値またはLab値を入力する判定LUT(gamut Tag)が格納されている。しかし、そのXYZ値は測色光源の特性であるD50またはD65を基準にしているため、環境光に応じた色再現領域の内外判定に直接利用することはできない。従って、色再現領域の内外判定を行うLUT(gamut Tag)を利用する代わりに、プロファイルに格納されているCMYK→XYZ変換を行うための変換LUT(AtoB0 Tagなど)からCMYK→XYZ関係データを、ステップS82で取り出して利用する。出力プロファイルには観察条件2も格納されているので、ステップS83で観察条件2を出力プロファイルから取り出す。
ステップS82で取り出されたCMYK→XYZ関係データのXYZ値は、測色光であるD50またはD65を基準とするデータであるから、環境光基準のXYZ値に修正する必要がある。ステップS84では、色知覚モデルによって測色光基準のXYZ値を、測色条件であるD50光源の白色点「D50基準の場合」、照度レベルおよび周囲光の状態などに基づき色知覚モデルを用いて、人間の色知覚空間JCHへ変換し、測色条件とは異なる観察条件2である例えばD65光源の白色点、照度レベルおよび周囲光の状態などに基づいて、再びXYZ値へ逆変換することにより、環境光基準のXYZ値を得る。このようにステップS84では、デバイスのCMYK値から環境光基準のXYZ値への関係を求める。ステップS85では、ステップS84で得られたCMYK→環境光XYZ関係データに基づきJCHまたはQMH色空間上における出力デバイスの色再現領域を求める。
JCHまたはQMH色空間上における出力デバイスの色再現領域は、例えば、
Red (C:0%,M:100%,Y:100%,K:0%)
Yellow (C:0%,M:0%,Y:100%,K:0%)
Green (C:100%,M:0%,Y:100%,K:0%)
Cyan (C:100%,M:0%,Y:0%,K:0%)
Blue (C:100%,M:100%,Y:0%,K:0%)
Magenta(C:0%,M:100%,Y:0%,K:0%)
White (C:0%,M:0%,Y:0%,K:0%)
Black (C:0%,M:0%,Y:0%,K:100%)
の八点に対する環境光基準のXYZ値を、ステップS84で求められたCMYK→環境光XYZ関係データを用いて求め、さらに色知覚モデルによって観察条件2に基づいて人間の色知覚空間JCHまたはQMHの座標値へ変換することで、図7に示されるような12面体によって近似することができる。
12面体で近似される色再現領域において、色再現領域の内部の点、例えば無彩色軸上におけるWhiteとBlackの中間点と、内外判定対象の入力色信号の点(JCH値またはQMH値)とが、同じ側にあれば色再現範囲内にあると判断し、反対側にあれば色再現範囲外にあると判断する。
ステップS85により得られる色再現領域に基づく内外判定の結果に基づき、ステップS86で色空間圧縮が行われる。図8はJCH色知覚空間における色空間圧縮の概念を、図9はQMH色知覚空間における色空間圧縮の概念をそれぞれ示す図である。上記の内外判定により出力デバイスの色再現範囲外であると判定された入力色信号は、JCH色知覚空間やQMH色知覚空間において、色相角h(またはH)が保存されるように、色再現範囲内へマッピングされる。そして、このマッピング結果は、相対的カラーマッチングの場合にはJCH色知覚空間を入出力色空間とするLUTへ、絶対的カラーマッチングの場合にはQMH色知覚空間を入出力色空間とするLUTへ格納される。
図10は異なるデバイス間における色空間圧縮の概念を示す図で、破線は入力デバイスの色再現領域を、実線は出力デバイスの色再現領域をそれぞれ示している。JCH色知覚空間においては、J(lightness)の大きさが観察条件1および2の光源白色点(以下では「白色点1」「白色点2」と略す場合がある)によってそれぞれ正規化されるため、Jは環境条件1および2の照度レベル(以下では「照度レベル1」「照度レベル2」と略す場合がある)に依存しない。QMH一方、色知覚空間においては、Q(brightness)の大きさが照度レベル1および2によって変化する。従って、相対的カラーマッチングでは白色点1がそのまま白色点2になる。一方、絶対的カラーマッチングでは、照度レベル1>照度レベル2の場合には白色点1が白色点2ヘマッピングされる。また、照度レベル1<照度レベル2の場合には白色点1が白色点2より低いのでグレーとして出力される。
[観察条件2に依存するデータの作成]
次に、データ作成部47を用いて変換LUT 16を作成する。
図11は環境光に対応する変換LUT 16を再構築する処理例を示すフローチャートである。
一般に、出力デバイス用のICCプロファイルには、XYZまたはLab値からデバイスのCMYKまたはRGB値への変換を行うためのLUT(BtoA0 Tagなど)が色空間圧縮も含めた形式で格納されている。しかし、LUTへ入力すべきXYZ値はD50またはD65を基準とするデータであるから、環境光に応じた変換LUTとして直接利用することはできない。
そこで、色空間圧縮処理と同様に、ステップS71で、出力プロファイル46に格納されているCMYK→XYZ変換を行うための変換LUT(AtoB0 Tagなど)を読み込み、ステップS72で、変換LUTからCMYK→XYZ関係データを取り出す。なお、CMYK→XYZ関係データのCMYK値はRGB値など他のデバイス依存色であっても構わないし、XYZ値はLab値など他のデバイスに依存しない色であっても構わない。次に、ステップS73で、出力プロファイル46内に予め格納された観察条件2を取り出す。
取り出されたCMYK→XYZ関係データのXYZ値はD50またはD65を基準とするデータであるから、ステップS74で測色光源基準のXYZ値を環境光基準のXYZ値に修正する。つまり、色知覚モデルによって測色光源基準のXYZ値を、その測色条件(D50光源の白色点「D50基準の場合」、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて、人間の色知覚空間JCHへ変換し、測色条件とは異なる観察条件2(D65光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて、再びXYZ値へ逆変換することにより、測色光源基準のXYZ値を環境光基準のXYZ値に変換することができる。
これにより、デバイスCMYK値から環境光基準のXYZ値への関係が得られるので、ステップS75で、CMYK→環境光XYZ関係データを用いて、環境光XYZ→CMYK関係データを反復法などを用いて最適化すれば、所望の環境光に対応する変換LUT 16を得ることができる。
[カラーマッチングの実行]
図12はカラーマッチング処理の概念を示す図である。11はデータ作成部41により観察条件1に基づき作成された変換LUT、132は色空間圧縮部44によりJCH色空間上で作成されたLUT、133は色空間圧縮部45によりQMH色空間上で作成されたLUT、16はデータ作成部47により観察条件2に基づき作成された変換LUTである。
RGBまたはCMYKの入力色信号は、変換LUT 11により入力デバイスの色信号から観察条件1におけるデバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換される。次に、XYZ信号は、色知覚モデル順変換部134および135により観察条件1(D50光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて人間の知覚信号JCHまたはQMHへ変換される。相対的カラーマッチングの場合はJCH空間が、絶対的カラーマッチングの場合はQMH空間がそれぞれ選択される。
色知覚信号JCHおよびQMHはLUT 132および133により出力デバイスの色再現範囲内へ圧縮される。色空間圧縮された色知覚信号JCHおよびQMHは、色知覚モデル逆変換部136および137により観察条件2(D65光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて観察条件2におけるデバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換される。そして、XYZ信号は変換LUT 134により観察条件2における出力デバイスに依存する色信号へ変換される。
以上の処理によって得られたRGBまたはCMYK信号は出力デバイスへ送られて、その色信号によって示される画像がプリント出力される。そのプリントアウトを観察条件2の下で観察すれば、観察条件1の下で観察されるオリジナル原稿と、同じ色味に見える。
(任意の基準白色点に応じたCRGB空間)
上記の例ではデバイスに依存しない色空間としてXYZ信号を例に説明を行っているが、XYZ信号の代わりにデバイスに依存しないRGB信号を利用することも少なくない。RGB色空間はXYZ色空間から3x3マトリクスによる1対1対応の線型変換が可能であり、三原色点の色度及び基準白色点により色再現範囲を決定することができる。又、入力色空間としてRGB色空間を利用すれば、3D LUTにおけるグレー軸の配置を対角軸上に行うことが可能となり、格子点数に関係なく四面体補間におけるグレー色の色ずれを防ぐことができる効果がある。一方、入力色空間としてLab色空間等を利用した場合には、3D LUTのa軸/b軸方向の格子点数が奇数個の場合にはグレー軸が格子点上に配置されるため線形補間におけるグレー色の色ずれが生じないが、格子点数が偶数個の場合には線形補間による色ずれが生じる。
RGB三原色の色度R(xr,yr),G(xg,yg),B(xb,yb)及び基準白色点の三刺激値(Xw,Yw,Zw)より、RGB色空間とXYZ色空間の変換式は以下の方法によって求めることができる。
zr=1−xr−yr ・・・(7)
zg=1−xg−yg ・・・(8)
zb=1−xb−yb ・・・(9)
Figure 2006238335
Figure 2006238335
Figure 2006238335
例えば、図14に示されるような人間の全可視領域を包含する三原色の色度(x,y):
R(x,y)=(0.7347,0.2653)・・・(13)
G(x,y)=(−0.0860,1.0860)・・・(14)
B(x,y)=(0.0957,−0.0314)・・・(15)
と基準白色点D65によって決定される変換マトリクスは(7)〜(12)式を利用すれば以下のようになる。
Figure 2006238335
Figure 2006238335
以下、デバイスRGBとデバイスに依存しないRGBを区別するために、基準白色点及び(13)〜(15)式の三原色によって定義されるRGB色空間をCRGB色空間と呼ぶ。尚、デバイスに依存しないRGBの三原色は(13)〜(15)式に限定されるものではない。基準白色点D65(X,Y,Z)=(0.9505,1.0000,1.0891)に対するCRGB値を例えば8ビットの量子化によって表現すれば(11)式を用いて(R,G,B)=(255,255,255)となる。しかし、同変換式において他の基準白色点A(X,Y,Z)=(1.098675,1.000000,0.355916)に対するCRGB値は8ビットの量子化において(R,G,B)=(562,106,83)となり、オーバーフローが発生する。仮に表現できたとしても、CRGB色空間を入力とする3D LUTでは図15に示されるようにグレー軸が対角軸上に配置されないため四面体補間によるグレー色の色ずれが発生する可能性がある。
本実施例では、観察条件下の基準白色点に応じて動的にXYZ色空間とCRGB色空間の変換式を作成することにより、CRGB色空間におけるオーバーフローやアンダーフローを防ぐと共に、3D LUTにおいてグレー軸が対角軸からずれることによるグレー色の色ずれを防ぐ。
図16に観察条件下の基準白色点に応じて動的にXYZ色空間とCRGB色空間の変換式を作成し、異なる観察条件下のカラーマッチングを行った例を示す。
同図において、161はRGBやCMYK等のデバイスに依存した信号を観察条件下の白色点基準のCRGB信号へ変換するためのプロファイルである。プロファイル作成手段はデータ作成部41の方法によってRGB→XYZ関係データを作成した後、XYZ→CRGBの変換を適用することによってRGB→CRGB関係データを得ることができる。ここで、XYZ→CRGBの変換マトリクスは、CRGB三原色(13)〜(15)及び入力側の基準白色点D50(X,Y,Z)=(0.9642,1.0000,0.8249)より、以下の(19)式によって与えられる:
Figure 2006238335
Figure 2006238335
得られたRGB→CRGB関係データはLUT形式等へ変換され、入力側の基準白色点D50と共にプロファイルへ格納される。格納されるCRGB値は8ビットの量子化に限定される必要はなく、16ビット等の量子化精度であってもかまわない。また、データ作成部41では色知覚モデルを用いて測色光基準のXYZ値を観察光基準のXYZ値に修正しているが、カラーターゲットの分光反射率及び観察光の分光分布が得られる場合には観察光基準のXYZ値を直接求めてもよい。
同様に、166は観察条件下の白色点基準のCRGB信号をRGBやCMYK等のデバイスに依存した信号へ変換するためのプロファイルである。プロファイル作成手段はデータ作成部47のステップS74の方法によってRGB→XYZ関係データを作成した後、XYZ→CRGBの変換を適用することによってRGB→CRGB関係データを得ることができる。ここで、XYZ→CRGBの変換マトリクスは、CRGB三原色(13)〜(15)及び入力側の基準白色点A(X,Y,Z)=(1.098675,1.0000,0.355916)より、以下の(21)式によって与えられる:
Figure 2006238335
Figure 2006238335
また、データ作成部47では色知覚モデルを用いて測色光基準のXYZ値を観察光基準のXYZ値に修正しているが、カラーパッチの分光反射率及び観察光の分光分布が得られる場合には観察光基準のXYZ値を直接求めてもよい。得られたRGB→CRGB関係データはステップS75の処理によりCRGB→RGB関係データへと変換され、出力側の基準白色点Aと共にプロファイルへ格納される。また、データ作成部47のステップS74の方法によって得られたRGB→XYZ関係データからCRGB→RGB関係データを作成する他の方法として、XYZ→CRGBの変換を適用して逆変換する代わりに、ステップS75の処理によりXYZ→RGB関係データを作成した後、XYZ→RGB変換の前段として(20)式を適用することもできる。
入力側の基準白色点D50を格納したプロファイル161と出力側の白色点Aを格納したプロファイル166を用いたカラーマッチングは、以下のような処理の流れになる。
先ず、プロファイル161によりRGBまたはCMYKの入力色信号は変換LUT等によりD50基準のCRGB信号へ変換される。カラーマッチング手段はプロファイル161に格納された入力側の基準白色点D50を読み出し、(18)式に示されるCRGB→XYZの変換マトリクスを作成し、D50基準のCRGB信号をXYZ信号へ変換する。次に、XYZ信号は、色知覚モデル順変換部134または135により観察条件1(D50光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて人間の知覚信号JCHまたはQMHへ変換される。ここで、相対的カラーマッチングの場合はJCH空間が、絶対的カラーマッチングの場合はQMH空間がそれぞれ選択される。
色知覚信号JCHおよびQMHはLUT132および133により出力デバイスの色再現範囲内へ圧縮される。色空間圧縮された色知覚信号JCHおよびQMHは、色知覚モデル逆変換部136または137により観察条件2(A光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいてXYZ信号へ変換される。カラーマッチング手段はプロファイル166に格納された出力側の基準白色点Aを読み出し、(21)式に示されるXYZ→CRGBの変換マトリクスを作成し、XYZ信号をA基準のCRGB信号へ変換する。そして、プロファイル166によりA基準のCRGB信号は変換LUT等によりRGBまたはCMYKの出力信号へ変換される。
カラーマッチングの中間処理において、XYZ値を固定小数点でエンコーディングしてしまうと量子化誤差の影響でグレー・バランスが崩れてしまうという問題については、XYZへのエンコーディングを行なう代わりに基準白色点(Xn,Yn,Zn)で正規化した(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)を利用することによって問題を解決する。(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)色空間上で基準白色点のグレーはX/Xn=Y/Yn=Z/Znで表現されるため、Lab空間へ写像してもグレー・バランスを保証することができる。先述したようにCRGB空間を中間的な色空間としてもRGB空間上でグレー・バランスを保持できるが、Labとの相互変換等でXYZを経由する場合には(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)を利用した方が効率的で、グレー・バランスも保持できるという利点がある。
例えば、3x3マトリクスを用いたモニタ・プロファイルからLabの3D LUTを用いたプリンタ・プロファイルへの変換は、通常のCRGB空間を経由した変換の場合(図17参照)、
RGB→(γ変換→3x3マトリクス)→XYZ→CRGB→色知覚モデル順変換→JCh→色知覚モデル逆変換→CRGB→XYZ→Lab→(3D LUT)→CMYK
のようにXYZ空間を経由するものが2つ存在する(CRGB→色知覚モデル順変換、色知覚モデル逆変換→CRGBでのXYZ経由はここでは考えない)。ここで、3x3マトリクスとCRGBの間のXYZは、XYZ色空間からCRGB色空間への変換が3x3マトリクス変換となるので、モニタ・プロファイルの3x3マトリクスと、XYZ色空間からCRGB空間への3x3マトリクスが3x3の合成マトリクスとして処理されることとなり、中間表現としてのXYZは存在しないことになる。一方、CRGBとLabの間のXYZはCRGBからLabへ直接変換できないため、途中でXYZへのエンコーディングが必要となる。この際、XYZの代わりに基準白色点(Xn,Yn,Zn)で正規化した(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)を用いて、以下のように処理を置き換える(図18参照):
RGB→(γ変換→3x3マトリクス)→XYZ→CRGB→色知覚モデル順変換→JCh→色知覚モデル逆変換→CRGB→XYZ→(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)→Lab→(3D LUT)→CMYK
ここで、XYZ色空間から(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)色空間への変換は、
Figure 2006238335
のように表現され、CRGB色空間からXYZ色空間への3x3マトリクスと、XYZ色空間から(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)色空間への3x3マトリクスが3x3の合成マトリクスとして処理される。この結果、XYZへのエンコーディングが必要なくなるため、グレー・バランスは保持されたまま、(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)によってエンコーディングが行なわれる。また、Labは、
Figure 2006238335
によって表現できることから、(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)の値をそのままLab変換へ利用できる。この結果、8−bit sRGB(R,G,B)=(18,18,18)に対して11−bit XYZで(X,Y,Z)=(6,6,)、8−bitLabで(L,a,b)=(14,129,128)となり、従来Lab空間の無彩色軸上へ写像されなかったものが、同じ11−bitで(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)=(12,12,12)、8−bit Lab(L,a,b)=(13,128,128)となり、本実施例によりLab空間上の無彩色軸上へ写像されるように改善される。
同様に、(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)色空間からXYZ色空間への変換は、
Figure 2006238335
のように表現され、Lab→XYZ→CRGBの色空間変換の処理を置き換える際に利用できる。
以上のように、本実施例によればカラーマッチングの中間処理でXYZのエンコーディングを行なわないように処理を最適化し、グレー・バランスを保持することができる。
また、CIEXYZ色空間と任意の基準白色点で正規化されたXYZ色空間の変換マトリクスを動的に作成し、デバイスに依存しない色を基準白色点で正規化された該XYZ色空間において表現することにより、CIEXYZ色空間で量子化した際に問題となるグレー・バランスの崩れを防ぐことができる。
また、環境光の基準白色点で正規化されたXYZ色空間を3D LUTの入力色空間として用いることにより、グレー色を3D LUTの対角軸上へ配置することが可能となり、格子点数に関係なく四面体補間による色ずれを防ぐことができる。
(変形例)
なお、カラーマッチング手段を適用する際に、プロファイル161または166内に基準白色点が格納されていない場合には、例えばICCで規定されているD50をデフォルトの基準白色点として代用する。
また、カラーマッチング手段において、観察条件1下のCRGB(またはXYZ)信号が色知覚モデル順変換部134または135により人間の知覚信号JCHまたはQMHへ変換された後、LUT132および133により出力デバイスの色再現範囲内へ圧縮され、色知覚モデル逆変換部136または137により観察条件2下のCRGB(またはXYZ)信号へ変換しているが、色空間圧縮の行われる場所は特にカラーマッチング手段内に限定される必要はない。つまり、カラーマッチング手段では色空間圧縮を行わず、出力側プロファイル内で色空間圧縮を行うことも可能である。観察条件1下のCRGB(またはXYZ)信号は色知覚モデル順変換部134または135により人間の知覚信号JCHまたはQMHへ変換され、色空間圧縮を伴うことなく、色知覚モデル逆変換部136または137により観察条件2下のCRGB(またはXYZ)信号へ変換される。そして、出力側のプロファイル166を作成する際に、観察条件2下のCRGB(またはXYZ)信号を再度、色知覚モデル順変換部134または135により人間の知覚信号JCHまたはQMHへ変換し、LUT132および133により出力デバイスに対する色空間圧縮を施した後、色知覚モデル逆変換部136または137により観察条件2下のCRGB(またはXYZ)信号へ変換し、変換LUT等によりRGBまたはCMYKの出力信号へ変換されるようにしておけばよい。
また、プロファイルへ格納された観察光の基準白色点と予め定義されたCRGB三原色の色度を利用することにより、カラーマッチング手段がCRGB色空間とXYZ色空間の変換マトリクスを動的に作成としているが、該変換マトリクスを得るためのプロファイル情報は観察光の基準白色点に限定される必要はない。つまり、観察条件に応じたCRGB色空間とXYZ色空間の変換マトリクスをプロファイル情報として保存していてもかまわない。
なお、基準白色点で正規化された(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)色空間についてもCRGB色空間と同様に、プロファイルを格納する際の色空間として用いることができる。
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
一般的なカラーマッチングの概念図 本発明の概念を説明する図 第1実施形態の機能構成例を示すブロック図 環境光に対応する変換LUTを再構築する処理例を示すフローチャート 環境光に対応する変換LUTへ更新する処理例を示すフローチャート JCHまたはQMH色空間上で色空間圧縮を行う処理例を示すフローチャート 色再現領域を近似する12面体を示す図 JCH色知覚空間における色空間圧縮の概念を示す図 QMH色知覚空間における色空間圧縮の概念を示す図 異なるデバイス間における色空間圧縮の概念を示す図 環境光に対応する変換LUTを再構築する処理例を示すフローチャート カラーマッチング処理の概念を示す図 色知覚モデルについて説明する図 人間の全可視領域を包含するRGB領域を示す図 基準白色点が固定されている場合のグレー軸のずれを示す図 入力側基準白色点に応じたCRGB色空間と出力側基準白色点に応じたCRGB色空間を用いた例を示す図 通常のCRGB空間を経由した変換の例を示す図 基準白色点(Xn,Yn,Zn)で正規化した(X/Xn,Y/Yn,Z/Zn)を用いた例を示す図

Claims (7)

  1. 入力色信号に対してマトリクスを用いてXYZ信号に変換する第1の変換工程と、
    基準白色点のXYZ値を用いて前記XYZ信号を正規化処理を行う正規化処理工程と、
    前記正規化処理されたXYZ値を他の色空間に変換する第2の変換工程とを有し、
    前記正規化処理工程はマトリクスで表され、前記第1の変換工程のマトリクスと前記正規化処理工程のマトリクスを合成して得られるマトリクスを用いて、前記入力色信号に対して変換処理を行なうことを特徴とする情報処理方法。
  2. 前記他の色空間はLab色空間であり、
    L値は前記正規化処理されたY値を用いて求められ、
    a値は前記正規化処理されたX値とY値とを用いて求められ、
    b値は前記正規化処理されたY値とZ値とを用いて求められることを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
  3. 前記入力色信号はRGB色空間であることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理方法。
  4. 第1の色空間で示される色信号を入力し、
    前記第1の色空間で示される色信号から、基準白色のXYZ値を用いて正規化処理されたXYZ信号を求め、
    前記正規化処理されたXYZ信号をXYZ信号に変換するマトリクスと、XYZ信号を第2の色空間の信号に変換するためのマトリクスとを合成して得られたマトリクスを用いて、前記正規化処理されたXYZ信号を第2の色空間に変換することを特徴とする情報処理方法。
  5. 前記第1の色空間はLab色空間であることを特徴とする請求項4記載の情報処理方法。
  6. 前記第2の色空間はRGB色空間であることを特徴とする請求項4または5記載の情報処理方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理方法をコンピュータにて実現するためのプログラム。
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