JP2005083439A - フレキシブルブーツ - Google Patents
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Abstract
【課題】蛇腹部内外面の磨耗を軽減すると共に、略均一な肉厚でありながら耐久性に優れた低価格なフレキシブルブーツを提供する。
【解決手段】複数の機械要素に締結可能な環状の一端側締結部4と他端側締結部6との間に設けられ、複数の機械要素の相対変化に追従して弾性変形可能な環状の蛇腹部8、蛇腹部と一端側締結部や他端側締結部との間に設けられた環状の肩部10、一端側締結部や他端側締結部の締結用バンドを位置決めする突起部24を具備し、蛇腹部及び肩部並びに突起部のいずれか1つ、これら任意の2つの組み合わせ、これらの全てには、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sが連続形成され、蛇腹部及び肩部並びに突起部に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことで、複数の多角形面が連続的に形成された部分の形状を一定に維持する。
【選択図】 図5
【解決手段】複数の機械要素に締結可能な環状の一端側締結部4と他端側締結部6との間に設けられ、複数の機械要素の相対変化に追従して弾性変形可能な環状の蛇腹部8、蛇腹部と一端側締結部や他端側締結部との間に設けられた環状の肩部10、一端側締結部や他端側締結部の締結用バンドを位置決めする突起部24を具備し、蛇腹部及び肩部並びに突起部のいずれか1つ、これら任意の2つの組み合わせ、これらの全てには、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sが連続形成され、蛇腹部及び肩部並びに突起部に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことで、複数の多角形面が連続的に形成された部分の形状を一定に維持する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部を被うためのフレキシブルブーツに関し、特に、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)に使用されている等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joints)を被うための等速ジョイント用ブーツに関する。なお、等速ジョイントは、入力側(デファレンシャルギア側)から出力側(ホイール(タイヤ)側)へ等速で回転を伝達することにより、車輪をスムーズに回転させる。
例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)には、駆動軸(推進軸)から被駆動軸(被推進軸)へ等速で回転を伝達ための等速ジョイントが用いられている。等速ジョイントには、潤滑剤としてのグリースを密封すると共に、外部からの塵や水などの異物の浸入を防ぐために、各種のフレキシブルブーツ(例えば、インボード側等速ジョイント用ブーツ、アウトボード側等速ジョイント用ブーツ等)が取り付けられている。インボード側等速ジョイント用ブーツは、エンジン側の等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品であり、アウトボード側等速ジョイント用ブーツは、タイヤ側の等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品である。
このような等速ジョイントは、走行中において様々な作動角を取って回転するため、フレキシブルブーツは、例えば屈曲や伸縮などの変形をしながら繰り返し応力(例えば、引張応力、圧縮応力、曲げ応力、せん断応力、ねじり応力など)を受ける。また、作動角によっては蛇腹外面同士や内面同士が干渉したり、蛇腹内面と駆動軸(推進軸)が干渉する。この場合、繰り返し応力に耐え切れなくなると、フレキシブルブーツに亀裂が発生・進展し、やがて破損に至る場合がある。また、干渉が強い場合は、蛇腹部内外面の磨耗が促進され、やがて破損に至る場合がある。
フレキシブルブーツが破損した場合、グリースが飛散して等速ジョイントの潤滑性が低下したり、外部からの塵や水などの異物が浸入して等速ジョイントが損傷して、駆動軸(推進軸)から被駆動軸(被推進軸)へ等速で回転を伝達できなくなってしまう畏れがある。
フレキシブルブーツが破損した場合、グリースが飛散して等速ジョイントの潤滑性が低下したり、外部からの塵や水などの異物が浸入して等速ジョイントが損傷して、駆動軸(推進軸)から被駆動軸(被推進軸)へ等速で回転を伝達できなくなってしまう畏れがある。
そこで、フレキシブルブーツの信頼性を高めるために、例えば特許文献1〜3に示すような様々な改良や開発がされている。
特許文献1及び2には、図7(a),(b)に示すように、等速ジョイントのギヤハウジング(外筐)100に締結されるフレキシブルブーツ102の締結部近傍領域(蛇腹部104と締結部106との間の筒状部108)の耐久性を向上させる技術が開示されている。
この場合、筒状部108には、周方向に沿って等間隔で複数の陥没部110が形成されており、各々の陥没部110は、蛇腹部104側から締結部106側に向って連続的に深く陥没しており、環状凹部112を介して締結部106につながっている。
また、特許文献3には、図8に示すように、等速ジョイントに接続された軸部(図示しない)に締結されるフレキシブルブーツ114の締結部近傍領域(蛇腹部116と締結部118との間の肩部120)の耐久性を向上させる技術が開示されている。
この場合、肩部120に補強リブ122を設けることにより、肩部120の肉厚を厚くしている。
特許文献1及び2には、図7(a),(b)に示すように、等速ジョイントのギヤハウジング(外筐)100に締結されるフレキシブルブーツ102の締結部近傍領域(蛇腹部104と締結部106との間の筒状部108)の耐久性を向上させる技術が開示されている。
この場合、筒状部108には、周方向に沿って等間隔で複数の陥没部110が形成されており、各々の陥没部110は、蛇腹部104側から締結部106側に向って連続的に深く陥没しており、環状凹部112を介して締結部106につながっている。
また、特許文献3には、図8に示すように、等速ジョイントに接続された軸部(図示しない)に締結されるフレキシブルブーツ114の締結部近傍領域(蛇腹部116と締結部118との間の肩部120)の耐久性を向上させる技術が開示されている。
この場合、肩部120に補強リブ122を設けることにより、肩部120の肉厚を厚くしている。
しかし、特許文献1〜3のフレキシブルブーツ102,114では、作動角によっては蛇腹外面同士が干渉したり、蛇腹内面と駆動軸(推進軸)が干渉することによる蛇腹部内外面の磨耗については、一切考慮されていないだけで無く、以下のような問題もかかえている。
即ち、特許文献1及び2のフレキシブルブーツ102では、等速ジョイントの作動角が大きくなったときに、締結部106に用いる締結用バンド(図示しない)が筒状部108や蛇腹部104と干渉し、筒状部108や蛇腹部104外面の磨耗が促進され、やがて破損に至る畏れがある。
また、フレキシブルブーツ102は、複数の陥没部110と締結部106との間に環状凹部112を設けた形状を成しており、このような複雑な形状を実現するためには、ブーツ製造プロセスが煩雑化し、その結果、ブーツ製造コストが上昇してしまう。
また、フレキシブルブーツ102に陥没部110や環状凹部112を設けた場合、それに合わせて等速ジョイントのギヤハウジング(外筐)100の外形を加工しなければならない。具体的には、陥没部110の深さに応じてギヤハウジング(外筐)100に逃げ部100aを加工しなければならないと共に、環状凹部112の形状に合わせてギヤハウジング(外筐)100に環状凸部100bを加工しなければならない。この場合、等速ジョイントの製造プロセスが煩雑化し、その結果、ジョイント製造コストが上昇してしまう。
更に、このようなフレキシブルブーツ102を周方向で一定肉厚のパリソンからブロー成形する場合、筒状部108や陥没部110及び環状凹部112などの各肉厚は、周方向で比較して筒状分108に向って薄くなる傾向がある。これは環状凹部112に近接した位置で最も顕著に現れる。このように肉厚が不均一になっている場合、走行中における等速ジョイントの様々な作動角によりフレキシブルブーツ102が繰り返し応力を受け続けると、肉厚が薄い部分に応力が集中し、その部分が変形したり破損する畏れがある。このような変形や破損は、ブーツ内部の高温高圧化により、肉厚が薄い部分に応力が集中する場合にも同様に起こり得る。
即ち、特許文献1及び2のフレキシブルブーツ102では、等速ジョイントの作動角が大きくなったときに、締結部106に用いる締結用バンド(図示しない)が筒状部108や蛇腹部104と干渉し、筒状部108や蛇腹部104外面の磨耗が促進され、やがて破損に至る畏れがある。
また、フレキシブルブーツ102は、複数の陥没部110と締結部106との間に環状凹部112を設けた形状を成しており、このような複雑な形状を実現するためには、ブーツ製造プロセスが煩雑化し、その結果、ブーツ製造コストが上昇してしまう。
また、フレキシブルブーツ102に陥没部110や環状凹部112を設けた場合、それに合わせて等速ジョイントのギヤハウジング(外筐)100の外形を加工しなければならない。具体的には、陥没部110の深さに応じてギヤハウジング(外筐)100に逃げ部100aを加工しなければならないと共に、環状凹部112の形状に合わせてギヤハウジング(外筐)100に環状凸部100bを加工しなければならない。この場合、等速ジョイントの製造プロセスが煩雑化し、その結果、ジョイント製造コストが上昇してしまう。
更に、このようなフレキシブルブーツ102を周方向で一定肉厚のパリソンからブロー成形する場合、筒状部108や陥没部110及び環状凹部112などの各肉厚は、周方向で比較して筒状分108に向って薄くなる傾向がある。これは環状凹部112に近接した位置で最も顕著に現れる。このように肉厚が不均一になっている場合、走行中における等速ジョイントの様々な作動角によりフレキシブルブーツ102が繰り返し応力を受け続けると、肉厚が薄い部分に応力が集中し、その部分が変形したり破損する畏れがある。このような変形や破損は、ブーツ内部の高温高圧化により、肉厚が薄い部分に応力が集中する場合にも同様に起こり得る。
また、特許文献3のフレキシブルブーツ114では、肩部120に補強リブ122を設けて肩部120の肉厚を部分的に厚くしているため、走行中における等速ジョイントの様々な作動角によりフレキシブルブーツ114が繰り返し応力を受け続けた場合や、ブーツ内部が高温高圧化した場合、肉厚が薄い部分に応力が集中し、その部分が変形したり破損する畏れがある。
更に、このようなフレキシブルブーツ114を周方向で一定肉厚のパリソンからブロー成形する場合、補強リブ122の肉厚を厚くすることができず、逆に極端に薄くなってしまうため、肩部120の耐久性を上げることができない。補強リブ122の肉厚を厚くするためには、肩部120までを射出成形した後、残りの部分をブロー成形しなければならない。しかし、かかる方法では、補強リブ122と蛇腹部116との境界部分、すなわち肉厚や材料強度が不均一となりやすい射出成形とブロー成形の境界部分124が、屈曲機能として最も重要な山部付近の周方向全周に亘って形成され、走行中における等速ジョイントの様々な作動角によりフレキシブルブーツ114が繰り返し応力を受け続けた場合や、ブーツ内部が高温高圧化した場合、境界部分124に応力が集中し、その部分が変形したり破損する畏れがある。
実開平3−124072号公報
特許第3429358号公報
特開2001−99331号公報
更に、このようなフレキシブルブーツ114を周方向で一定肉厚のパリソンからブロー成形する場合、補強リブ122の肉厚を厚くすることができず、逆に極端に薄くなってしまうため、肩部120の耐久性を上げることができない。補強リブ122の肉厚を厚くするためには、肩部120までを射出成形した後、残りの部分をブロー成形しなければならない。しかし、かかる方法では、補強リブ122と蛇腹部116との境界部分、すなわち肉厚や材料強度が不均一となりやすい射出成形とブロー成形の境界部分124が、屈曲機能として最も重要な山部付近の周方向全周に亘って形成され、走行中における等速ジョイントの様々な作動角によりフレキシブルブーツ114が繰り返し応力を受け続けた場合や、ブーツ内部が高温高圧化した場合、境界部分124に応力が集中し、その部分が変形したり破損する畏れがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、蛇腹部内外面の磨耗を軽減すると共に、略均一な肉厚でありながら耐久性に優れた低価格なフレキシブルブーツを提供することにある。
このような目的を達成するために、「請求項1」の発明は、複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部を被うためのフレキシブルブーツであって、フレキシブルブーツの両端には、複数の機械要素に締結することが可能な環状の一端側締結部及び他端側締結部が設けられている。環状の一端側締結部と他端側締結部との間には、複数の機械要素の相対的な変化に追従して弾性変形することが可能な環状の蛇腹部と、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部及び/又は他端側締結部との間に設けられた環状の肩部と、環状の肩部に隣接して設けられ、環状の一端側締結部及び/又は他端側締結部を複数の機械要素に締結する際に用いる締結用バンドを位置決めするための突起部とが設けられている。このような構成において、環状の蛇腹部及び環状の肩部並びに突起部のいずれか1つ、又はこれら任意の2つの組み合わせ、或いは、これらの全てには、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されており、複数の機械要素が相対的に変化して環状の蛇腹部及び環状の肩部並びに突起部に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、複数の多角形面が連続的に形成された部分の形状を一定に維持することができるようになっている(図3)。
この場合、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部及び/又は他端側締結部との間とは、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部及び他端側締結部との間、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部との間、環状の蛇腹部と環状の他端側締結部との間の3通りの組み合わせを示しており、これによれば、環状の肩部は、フレキシブルブーツの一端側締結部側と他端側締結部側の両側に設けても良いし、一端側締結部及び他端側締結部のいずれか一方側にのみ設けても良い。
また、「請求項2」の発明において、複数の多角形面の面数は、少なくとも3面以上であるが、その上限は特に限定されることは無く、フレキシブルブーツの使用目的や必要な耐久性に応じて任意の面数を選択することが可能である。
また、「請求項3」の発明において、複数の多角形面は、それぞれ、少なくとも一部が平坦面形状を成している。これによれば、多角形面の全体を平坦面形状(フラット)にしても良いし(図1)、例えば図2(e)に示すように、上方を平坦面形状にし、そこから下方に向って湾曲(膨らませる)形状にしても良い。
また、「請求項4」の発明において、複数の多角形面は、それぞれ、少なくとも一部が湾曲面形状を成している。これによれば、多角形面の全体を湾曲形状にしても良いし(図2(a)〜(d))、図2(e)のような形状にしても良い。
更に、「請求項5」の発明において、環状の蛇腹部には、複数の凸部と複数の凹部とが交互に組み合わされることで、凹部から凸部に亘って下り勾配で傾斜した複数の下り勾配傾斜面と、凸部から凹部に亘って上り勾配で傾斜した複数の上り勾配傾斜面とが交互に繰り返されて構成されており、これら複数の下り勾配傾斜面及び上り勾配傾斜面のうち、複数の機械要素の相対的な変化に追従して環状の蛇腹部が弾性変形した際に互いに干渉するような位置の少なくとも1つの下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されている。
この構成によれば、複数の機械要素が相対的に変化した際、複数の多角形面が形成された下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面は、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、その形状が一定に維持されると共に、その下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面とが面状に接触しないようになっている。
この場合、少なくとも1つの下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面とは、下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面の双方の面、下り勾配傾斜面のみ、上り勾配傾斜面のみ、これら傾斜面のうちの1つの面のみ、の4通りの組み合わせを意味しており、これらの組み合わせに従った傾斜面に多角形面を形成することが可能である。
また、「請求項6」の発明において、前記環状の肩部には、前記突起部から環状の蛇腹部方向に上り勾配で傾斜したテーパ部が設けられており、突起部及びテーパ部の両方、または少なくとも一方には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されている。これは、多角形面の形成箇所として、図1又は図2(f)或いは図5(c)の場合があり得ることを想定している。
更に、「請求項7」の発明において、環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線は、環状の肩部に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面により構成された複数の境界線や、ブーツ軸方向に隣り合う下り勾配傾斜面または上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線と、整列した位置関係を成している。これは、図5(a)のように、境界線が整列している状態を想定している。なお、図面の構成は一例であり、必ずしも全ての傾斜面に多角形面を形成する必要は無く、必要に応じて任意の傾斜面に多角形面を形成することが可能である。
また、「請求項8」の発明において、環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線は、環状の肩部に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面により構成された複数の境界線や、ブーツ軸方向に隣り合う下り勾配傾斜面または上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線の、間に位置付けられている。これは、図5(b)のように、境界線が相対的にずれている状態を想定している。なお、図面の構成は一例であり、必ずしも全ての境界線を相対的にずらす必要は無く、必要に応じて任意の境界線のみをずらし、残りを整列させても良い。
また、「請求項9」の発明において、請求項1〜8に記載の多角形面は、前記締結用バンドを位置決めするための突起部、環状の肩部、及び環状の蛇腹部をブロー成形する際に一体成形されることが示されている。この場合、ブロー成形とは、熱可塑性樹脂で作ったパリソンを合わせ型で挟み、その中に空気を注入して膨らませ、型の内面に密着させた後、冷却個化して取り出す成形法である。
そして、「請求項10」の発明において、請求項1〜9に記載のフレキシブルブーツは、等速ジョイントを被うためのブーツであって、環状の一端側締結部は、等速ジョイントに接続された軸部に締結可能に構成され、環状の他端側締結部は、等速ジョイントの外筐に締結可能に構成されている。このような構成によれば、外筐に対する軸部の相対的な変化に追従して環状の蛇腹部が弾性変形した際、前記締結用バンドを位置決めするための突起部、前記環状の肩部、及び前記環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、前記突起部、環状の肩部、及び環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面の形状が一定に維持される。
この場合、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部及び/又は他端側締結部との間とは、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部及び他端側締結部との間、環状の蛇腹部と環状の一端側締結部との間、環状の蛇腹部と環状の他端側締結部との間の3通りの組み合わせを示しており、これによれば、環状の肩部は、フレキシブルブーツの一端側締結部側と他端側締結部側の両側に設けても良いし、一端側締結部及び他端側締結部のいずれか一方側にのみ設けても良い。
また、「請求項2」の発明において、複数の多角形面の面数は、少なくとも3面以上であるが、その上限は特に限定されることは無く、フレキシブルブーツの使用目的や必要な耐久性に応じて任意の面数を選択することが可能である。
また、「請求項3」の発明において、複数の多角形面は、それぞれ、少なくとも一部が平坦面形状を成している。これによれば、多角形面の全体を平坦面形状(フラット)にしても良いし(図1)、例えば図2(e)に示すように、上方を平坦面形状にし、そこから下方に向って湾曲(膨らませる)形状にしても良い。
また、「請求項4」の発明において、複数の多角形面は、それぞれ、少なくとも一部が湾曲面形状を成している。これによれば、多角形面の全体を湾曲形状にしても良いし(図2(a)〜(d))、図2(e)のような形状にしても良い。
更に、「請求項5」の発明において、環状の蛇腹部には、複数の凸部と複数の凹部とが交互に組み合わされることで、凹部から凸部に亘って下り勾配で傾斜した複数の下り勾配傾斜面と、凸部から凹部に亘って上り勾配で傾斜した複数の上り勾配傾斜面とが交互に繰り返されて構成されており、これら複数の下り勾配傾斜面及び上り勾配傾斜面のうち、複数の機械要素の相対的な変化に追従して環状の蛇腹部が弾性変形した際に互いに干渉するような位置の少なくとも1つの下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されている。
この構成によれば、複数の機械要素が相対的に変化した際、複数の多角形面が形成された下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面は、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、その形状が一定に維持されると共に、その下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面とが面状に接触しないようになっている。
この場合、少なくとも1つの下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面とは、下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面の双方の面、下り勾配傾斜面のみ、上り勾配傾斜面のみ、これら傾斜面のうちの1つの面のみ、の4通りの組み合わせを意味しており、これらの組み合わせに従った傾斜面に多角形面を形成することが可能である。
また、「請求項6」の発明において、前記環状の肩部には、前記突起部から環状の蛇腹部方向に上り勾配で傾斜したテーパ部が設けられており、突起部及びテーパ部の両方、または少なくとも一方には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されている。これは、多角形面の形成箇所として、図1又は図2(f)或いは図5(c)の場合があり得ることを想定している。
更に、「請求項7」の発明において、環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線は、環状の肩部に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面により構成された複数の境界線や、ブーツ軸方向に隣り合う下り勾配傾斜面または上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線と、整列した位置関係を成している。これは、図5(a)のように、境界線が整列している状態を想定している。なお、図面の構成は一例であり、必ずしも全ての傾斜面に多角形面を形成する必要は無く、必要に応じて任意の傾斜面に多角形面を形成することが可能である。
また、「請求項8」の発明において、環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線は、環状の肩部に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面により構成された複数の境界線や、ブーツ軸方向に隣り合う下り勾配傾斜面または上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線の、間に位置付けられている。これは、図5(b)のように、境界線が相対的にずれている状態を想定している。なお、図面の構成は一例であり、必ずしも全ての境界線を相対的にずらす必要は無く、必要に応じて任意の境界線のみをずらし、残りを整列させても良い。
また、「請求項9」の発明において、請求項1〜8に記載の多角形面は、前記締結用バンドを位置決めするための突起部、環状の肩部、及び環状の蛇腹部をブロー成形する際に一体成形されることが示されている。この場合、ブロー成形とは、熱可塑性樹脂で作ったパリソンを合わせ型で挟み、その中に空気を注入して膨らませ、型の内面に密着させた後、冷却個化して取り出す成形法である。
そして、「請求項10」の発明において、請求項1〜9に記載のフレキシブルブーツは、等速ジョイントを被うためのブーツであって、環状の一端側締結部は、等速ジョイントに接続された軸部に締結可能に構成され、環状の他端側締結部は、等速ジョイントの外筐に締結可能に構成されている。このような構成によれば、外筐に対する軸部の相対的な変化に追従して環状の蛇腹部が弾性変形した際、前記締結用バンドを位置決めするための突起部、前記環状の肩部、及び前記環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、前記突起部、環状の肩部、及び環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面の形状が一定に維持される。
本発明によれば、蛇腹部内外面の磨耗を軽減すると共に、略均一な肉厚でありながら耐久性に優れた低価格なフレキシブルブーツを実現することができる。即ち、従来品に比べて薄肉化しても従来品と同等或いはそれ以上の耐久性を得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るフレキシブルブーツについて、添付図面を参照して説明する。
フレキシブルブーツは、複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部を被うためのものであって、フレキシブルブーツの両端には、複数の機械要素に締結することが可能な環状の一端側締結部及び他端側締結部が設けられている。
この場合、複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部として、等速ジョイントを適用することが可能である。等速ジョイントは、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)から被駆動軸(被推進軸)へ等速で回転を伝達できるようになっており、かかる等速ジョイントには、潤滑剤としてのグリースを密封すると共に、外部からの塵や水などの異物の浸入を防ぐために、各種のフレキシブルブーツ(例えば、インボード側等速ジョイント用ブーツ、アウトボード側等速ジョイント用ブーツ等)が取り付けられている。インボード側等速ジョイント用ブーツは、エンジン側の等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品であり、アウトボード側等速ジョイント用ブーツは、タイヤ側の等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品である。
フレキシブルブーツは、複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部を被うためのものであって、フレキシブルブーツの両端には、複数の機械要素に締結することが可能な環状の一端側締結部及び他端側締結部が設けられている。
この場合、複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部として、等速ジョイントを適用することが可能である。等速ジョイントは、例えば自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)から被駆動軸(被推進軸)へ等速で回転を伝達できるようになっており、かかる等速ジョイントには、潤滑剤としてのグリースを密封すると共に、外部からの塵や水などの異物の浸入を防ぐために、各種のフレキシブルブーツ(例えば、インボード側等速ジョイント用ブーツ、アウトボード側等速ジョイント用ブーツ等)が取り付けられている。インボード側等速ジョイント用ブーツは、エンジン側の等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品であり、アウトボード側等速ジョイント用ブーツは、タイヤ側の等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品である。
図1に示すように、本実施の形態では、フレキシブルブーツの一例として、アウトボード側(タイヤ側)の等速ジョイント(図示しない)を被うための等速ジョイント用ブーツ2を想定する。この場合、等速ジョイント用ブーツ2の環状の一端側締結部4は、等速ジョイントの軸部に締結されるようになっており、環状の他端側締結部6は、等速ジョイントのギヤハウジング(外筐)に締結されるようになっている。
具体的には、環状の一端側締結部4は、比較的小径の軸部に密接できるように小径化されており、かかる環状の一端側締結部4を軸部に密接させた後、図示しない締結用バンドを装着することにより、環状の一端側締結部4を軸部に締結させることができる。
一方、環状の他端側締結部6は、比較的大径のギヤハウジング(外筐)に密接できるように大径化されており、かかる環状の他端側締結部6をギヤハウジング(外筐)に密接させた後、図示しない締結用バンドを装着することにより、環状の他端側締結部6をギヤハウジング(外筐)に締結させることができる。
具体的には、環状の一端側締結部4は、比較的小径の軸部に密接できるように小径化されており、かかる環状の一端側締結部4を軸部に密接させた後、図示しない締結用バンドを装着することにより、環状の一端側締結部4を軸部に締結させることができる。
一方、環状の他端側締結部6は、比較的大径のギヤハウジング(外筐)に密接できるように大径化されており、かかる環状の他端側締結部6をギヤハウジング(外筐)に密接させた後、図示しない締結用バンドを装着することにより、環状の他端側締結部6をギヤハウジング(外筐)に締結させることができる。
また、環状の一端側締結部4と他端側締結部6との間には、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)の相対的な変化に追従して弾性変形することが可能な環状の蛇腹部8が設けられていると共に、環状の蛇腹部8と環状の一端側締結部4との間には、環状の肩部10が設けられている。なお、環状の肩部10の配設位置としては、これに限定されることは無く、例えば環状の蛇腹部8と環状の他端側締結部6との間や、環状の蛇腹部8と環状の一端側締結部4との間に環状の肩部10を設けると同時に環状の蛇腹部8と環状の他端側締結部6との間にも環状の肩部10を設けても良い。
このような構成において、環状の肩部10には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sが連続的に形成されており、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)が相対的に変化して環状の肩部10に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面S同士が相互に支え合うことにより、環状の肩部10の形状を一定に維持することができるようになっている。
このような構成において、環状の肩部10には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sが連続的に形成されており、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)が相対的に変化して環状の肩部10に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面S同士が相互に支え合うことにより、環状の肩部10の形状を一定に維持することができるようになっている。
環状の一端側締結部4及び他端側締結部6には、これらを複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)に締結する際に用いる締結用バンド(図示しない)を位置決めするための突起部24が環状の肩部10に隣接して設けられており、環状の肩部10には、突起部24から環状の蛇腹部方向に上り勾配で傾斜したテーパ部10aが設けられている。
この場合、突起部24及びテーパ部10aの両方、または少なくとも一方に、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sを連続的に形成することが好ましい。なお、多角形面Sの形成箇所は、テーパ部10aのみに形成しても良いし(図1)、突起部24及びテーパ部10aの両方に亘って形成しても良い(図5(c))。突起部24及びテーパ部10aの両方に亘って形成する具体例としては、例えば図2(f)に示すように、突起部24からテーパ部10aに向って滑らかな連続面を形成し、その連続面に複数の多角形面Sを形成する方法が考えられる。なお、かかる連続面に形成する複数の多角形面Sのそれぞれの形状としては、後述する図2(a)〜(e)の形状を適用することができる。
この場合、突起部24及びテーパ部10aの両方、または少なくとも一方に、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sを連続的に形成することが好ましい。なお、多角形面Sの形成箇所は、テーパ部10aのみに形成しても良いし(図1)、突起部24及びテーパ部10aの両方に亘って形成しても良い(図5(c))。突起部24及びテーパ部10aの両方に亘って形成する具体例としては、例えば図2(f)に示すように、突起部24からテーパ部10aに向って滑らかな連続面を形成し、その連続面に複数の多角形面Sを形成する方法が考えられる。なお、かかる連続面に形成する複数の多角形面Sのそれぞれの形状としては、後述する図2(a)〜(e)の形状を適用することができる。
また、複数の多角形面Sの面数は、少なくとも3面以上であれば良いが、その上限は特に限定されることは無く、等速ジョイント用ブーツ2の使用目的や必要な耐久性(強度)に応じて任意の面数を選択することが可能である。例えば図1には、面数が16の多角形面Sが形成された場合を例示しているが、これに限定されることは無く、例えば面数が24であっても良い。
また、複数の多角形面Sは、それぞれ、少なくとも一部が平坦面形状を成していれば良い。この場合、各多角形面Sの全体(全面)を平坦面形状(フラット)にしても良いし(図1)、例えば図2(e)に示すように、上方を平坦面形状Shにし、そこから下方に向って湾曲(膨らませる)形状Srにしても良い。
これに対して、複数の多角形面Sは、それぞれ、少なくとも一部が湾曲面形状を成していれば良い。これによれば、多角形面Sの全体を湾曲形状にしても良いし(図2(a)〜(d))、図2(e)のような形状にしても良い。なお、図2(a)では、各多角形面Sをそれぞれ周方向に凹形状に湾曲させており、図2(b)では、各多角形面Sをそれぞれ周方向に凸形状に湾曲させている。また、図2(c)では、各多角形面Sをそれぞれ放射方向に凸形状に湾曲させており、図2(d)では、各多角形面Sをそれぞれ放射方向に凹形状に湾曲させている。
また、複数の多角形面Sは、それぞれ、少なくとも一部が平坦面形状を成していれば良い。この場合、各多角形面Sの全体(全面)を平坦面形状(フラット)にしても良いし(図1)、例えば図2(e)に示すように、上方を平坦面形状Shにし、そこから下方に向って湾曲(膨らませる)形状Srにしても良い。
これに対して、複数の多角形面Sは、それぞれ、少なくとも一部が湾曲面形状を成していれば良い。これによれば、多角形面Sの全体を湾曲形状にしても良いし(図2(a)〜(d))、図2(e)のような形状にしても良い。なお、図2(a)では、各多角形面Sをそれぞれ周方向に凹形状に湾曲させており、図2(b)では、各多角形面Sをそれぞれ周方向に凸形状に湾曲させている。また、図2(c)では、各多角形面Sをそれぞれ放射方向に凸形状に湾曲させており、図2(d)では、各多角形面Sをそれぞれ放射方向に凹形状に湾曲させている。
以上、いずれの形状の多角形面Sを用いても、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)が相対的に変化して環状の肩部10に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面S同士が相互に支え合うことにより、環状の肩部10の形状を一定に維持することができる。具体的に説明すると、例えば図1(c)に示すように、隣り合う2つの多角形面Sと、これら2つの多角形面Sの間に構成された1本の境界線Lとにより、三角形の枠組Tが形成される。かかる三角形の枠組Tは、力学的な「三角トラス」と同様の効果を奏する。即ち、隣り合う2つの多角形面Sで形成された三角形の枠組Tには、面方向力(引張力や圧縮力)しか働かず、せん断力や曲げモーメントは発生しない。この結果、三角形の枠組Tは、どの方向から力が加わっても変形(例えば、座屈)することは無く、常に一定形状を維持する。
本実施の形態の等速ジョイント用ブーツ2には、上述したような効果を奏する三角形の枠組Tが環状の肩部10の周方向に亘って構築されているため、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)が相対的に変化して環状の肩部10に荷重が作用した場合でも、互いに隣接する多角形面S同士が相互に支え合うことにより、環状の肩部10の形状が一定に維持されることになる。
例えば図3に示すように、環状の肩部10に複数の多角形面Sが形成された等速ジョイント用ブーツ2を屈曲させても、環状の肩部10の形状は一定に維持される。これに対して、例えば図4に示すように、環状の肩部10に複数の多角形面Sが形成されていない等速ジョイント用ブーツ2を屈曲させると、環状の肩部10(特に、テーパ部10a)が大きく湾曲してしまうため、環状の肩部10の形状を一定に維持することはできない。
例えば図3に示すように、環状の肩部10に複数の多角形面Sが形成された等速ジョイント用ブーツ2を屈曲させても、環状の肩部10の形状は一定に維持される。これに対して、例えば図4に示すように、環状の肩部10に複数の多角形面Sが形成されていない等速ジョイント用ブーツ2を屈曲させると、環状の肩部10(特に、テーパ部10a)が大きく湾曲してしまうため、環状の肩部10の形状を一定に維持することはできない。
ところで、自動車の走行中において、等速ジョイントは様々な作動角を取って回転するため、等速ジョイント用ブーツ2は、例えば図3に示すような屈曲を繰り返すことになるが、その際、等速ジョイントの作動角によっては蛇腹部8の傾斜面(後述する)同士が干渉(面状に接触)し、その干渉が強い場合には、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展し、やがて破損に至る場合がある。
図5(a),(b)に示すように、環状の蛇腹部8には、複数の凸部12a,12b,12c,12d,12e,12fと複数の凹部14a,14b,14c,14d,14eとが交互に組み合わされることで、凹部14a,14b,14c,14d,14eから凸部12a,12b,12c,12d,12e,12fに亘って下り勾配で傾斜した複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5と、凸部から凹部に亘って上り勾配で傾斜した複数の上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5とが交互に繰り返されて構成されている。
図5(a),(b)に示すように、環状の蛇腹部8には、複数の凸部12a,12b,12c,12d,12e,12fと複数の凹部14a,14b,14c,14d,14eとが交互に組み合わされることで、凹部14a,14b,14c,14d,14eから凸部12a,12b,12c,12d,12e,12fに亘って下り勾配で傾斜した複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5と、凸部から凹部に亘って上り勾配で傾斜した複数の上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5とが交互に繰り返されて構成されている。
本実施の形態では、上述したような干渉時の亀裂や磨耗などを防止するために、複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5のうち、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)の相対的な変化に追従して環状の蛇腹部8が弾性変形した際に互いに干渉するような位置の下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sが連続的に形成されている。
この場合、下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5に形成される複数の多角形面Sは、上述した環状の肩部10の複数の多角形面Sと同一形状(図1及び図2参照)や面数を適用することが可能であるため、その説明は省略する。
この場合、下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5に形成される複数の多角形面Sは、上述した環状の肩部10の複数の多角形面Sと同一形状(図1及び図2参照)や面数を適用することが可能であるため、その説明は省略する。
また、複数の多角形面Sは、下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5の全てに亘って形成しても良いし(図5(a),(b))、或いは、必要な下り勾配傾斜面や上り勾配傾斜面を適宜選択し、その選択した下り勾配傾斜面や上り勾配傾斜面にのみ複数の多角形面Sを形成しても良い。例えば上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5のみ、又は、下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5のみに多角形面Sを形成しても良い。また、例えば上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5のうち、参照符号A1,A2で示した上り勾配傾斜面のみに多角形面Sを形成しても良い。同様に、下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5のうち、参照符号D1,D2で示した下り勾配傾斜面のみに多角形面Sを形成しても良い。
このような構成によれば、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)が相対的に変化した際、複数の多角形面Sが形成された下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び/又は上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5は、互いに隣接する多角形面S同士が相互に支え合うことにより、その形状が一定に維持されると共に、その下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面とが面状に接触しない。
具体的に説明すると、例えば図5(a)の等速ジョイント用ブーツ2では、環状の蛇腹部8における複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び複数の上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5に形成された複数の多角形面Sにおいて、互いに隣接する多角形面Sの間に構成された複数の境界線Lは、環状の肩部10に形成された複数の多角形面Sにおいて互いに隣接する多角形面Sにより構成された複数の境界線Lと整列した位置関係を成している。
この場合、上述したような干渉時に環状の蛇腹部8が屈曲した際、複数の境界線L同士が線状態に接触することになり、面状に接触する場合に比べて摩擦抵抗を大幅に減少させることが可能となる。このため、環状の蛇腹部8の複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び複数の上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5同士が接触する際に生じる擦過音(異音)を小さくすることができる。この結果、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展することを防止できる。特に、水気のあるような雰囲気中で環状の蛇腹部8が屈曲した場合であっても、複数の境界線L同士が線状態に接触することにより、傾斜面同士が密着することが無いため、排水作用が働くといった効果も得られる。
この場合、上述したような干渉時に環状の蛇腹部8が屈曲した際、複数の境界線L同士が線状態に接触することになり、面状に接触する場合に比べて摩擦抵抗を大幅に減少させることが可能となる。このため、環状の蛇腹部8の複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び複数の上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5同士が接触する際に生じる擦過音(異音)を小さくすることができる。この結果、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展することを防止できる。特に、水気のあるような雰囲気中で環状の蛇腹部8が屈曲した場合であっても、複数の境界線L同士が線状態に接触することにより、傾斜面同士が密着することが無いため、排水作用が働くといった効果も得られる。
このような複数の境界線Lは、例えば図5(a)のように全て整列させる必要は無く、例えば図5(b)のように複数の境界線Lが重ならないように(図中上下方向で相対的にずれるように)構成しても良い。この場合、複数の境界線Lは、環状の蛇腹部8が屈曲した際に、対向する傾斜面に対して線状に接触することになるため、上記同様に、環状の蛇腹部8の複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び複数の上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5同士が接触する際に生じる擦過音(異音)を小さくすることができる。この結果、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展することを防止できると共に、排水作用が働くといった効果も得られる。なお、図5(b)の構成は一例であり、必ずしも全ての境界線Lを相対的にずらす必要は無く、必要に応じて任意の境界線Lのみをずらし、残りを図5(a)のように整列させても良い。
また、上述したような等速ジョイント用ブーツ2の複数の多角形面Sは、締結用バンドを位置決めするための突起部24、環状の蛇腹部8、及び環状の肩部10並びに他端側締結部6をブロー成形する際に一体成形することができる。ブロー成形とは、熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリエステルエラストマー)で作ったパリソンを合わせ型で挟み、その中に空気を注入して膨らませ、型の内面に密着させた後、冷却個化して取り出す成形法である。
ブロー成形では、等速ジョイント用ブーツ2の肉厚を薄く且つ均一に成形することが可能であるが、そのような薄肉の等速ジョイント用ブーツ2であっても、上述したように締結用バンドを位置決めするための突起部24、環状の肩部10、及び蛇腹部8に複数の多角形面Sを形成することにより、等速ジョイント用ブーツ2の耐久性(強度)を向上させることができる。
ブロー成形では、等速ジョイント用ブーツ2の肉厚を薄く且つ均一に成形することが可能であるが、そのような薄肉の等速ジョイント用ブーツ2であっても、上述したように締結用バンドを位置決めするための突起部24、環状の肩部10、及び蛇腹部8に複数の多角形面Sを形成することにより、等速ジョイント用ブーツ2の耐久性(強度)を向上させることができる。
このようにブロー成形により等速ジョイント用ブーツ2の複数の多角形面Sを一体成形できるため、製造プロセスが簡略化でき、その結果、製造コストを大幅に削減することが可能となる。また、従来のように補強リブを設けたり、部分的に厚肉部を構成した場合には、薄肉部と厚肉部との境界に応力が集中し、そこから破損が生じる畏れがあったが、ブロー成形により等速ジョイント用ブーツ2の複数の多角形面Sの肉厚を薄く且つ略均一に成形することで、応力を分散させることが可能となり、その結果、締結用バンドを位置決めするための突起部24、環状の肩部10、及び蛇腹部8に形成した複数の多角形面Sの効果と相俟って、等速ジョイント用ブーツ2全体の耐久性(強度)を向上させることができる。
以上、本実施の形態によれば、等速ジョイント用ブーツ2の締結用バンドを位置決めするための突起部24と環状の肩部10に、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面Sを連続的に形成したことにより、複数の機械要素(等速ジョイントの軸部とギヤハウジング)が相対的に変化して前記締結用バンドを位置決めするための突起部24と環状の肩部10に荷重が作用した場合でも、互いに隣接する多角形面S同士が相互に支え合う(力学的な「三角トラス」と同様の効果を奏する)ことにより、前記締結用バンドを位置決めするための突起部24及び環状の肩部10の形状を一定に維持することができる。即ち、座屈などの発生を抑えることができる。
また、環状の蛇腹部8の複数の下り勾配傾斜面D1,D2,D3,D4,D5及び上り勾配傾斜面A1,A2,A3,A4,A5に適宜複数の多角形面Sを形成したことにより、例えば自動車の走行中において等速ジョイントが様々な作動角を取って回転している間、等速ジョイント用ブーツ2が屈曲を繰り返して蛇腹部8の傾斜面同士が干渉しても、下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面とが面状に接触しないため、環状の蛇腹部8の傾斜面同士が接触する際に生じる擦過音(異音)を小さくすることができる。この結果、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展することを防止できる。特に、水気のあるような雰囲気中で環状の蛇腹部8が屈曲した場合であっても、複数の境界線L同士が線状態に接触することにより、傾斜面同士が密着することが無いため、排水作用が働くといった効果も得られる。
更に、ブロー成形により等速ジョイント用ブーツ2の複数の多角形面Sを一体成形できるため、製造プロセスが簡略化でき、その結果、製造コストを大幅に削減することが可能となる。また、ブロー成形により等速ジョイント用ブーツ2の肉厚を薄く且つ略均一に成形することで、応力を分散させることが可能となり、その結果、環状の肩部10や蛇腹部8に形成した複数の多角形面Sの効果と相俟って、等速ジョイント用ブーツ2全体の耐久性(強度)を向上させることができる。
更に、かかるブロー成形によれば、複数の多角形面Sは、それらを成形した面の内面側にも、多角形面Sと同様の形状を有する複数の多角形面Sが成形される。なお、例えば図1(d)では、環状の肩部10の内面に複数の多角形面Sが成形された例を示したが、環状の蛇腹部8に多角形面Sをブロー成形した場合も同様に、その蛇腹部8の内面に複数の多角形面Sが成形される。このように等速ジョイント用ブーツ2の内面側にも複数の多角形面Sを成形することにより、例えば自動車の走行中において等速ジョイントが様々な作動角を取って回転している間、等速ジョイント用ブーツ2が屈曲を繰り返して例えば蛇腹部8の内面同士(傾斜面同士)が干渉したり、例えば肩部10の内面と蛇腹部8の内面とが干渉したり、また、例えば蛇腹部8の内面と駆動軸(推進軸)が干渉しても、内面側の複数の多角形面Sにより構成される境界線L(例えば図1(d)参照)との間の線接触となる(面状の接触にならない)ため、蛇腹部内面の磨耗を抑えることができる。この結果、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展することを防止できる。
更に、かかるブロー成形によれば、複数の多角形面Sは、それらを成形した面の内面側にも、多角形面Sと同様の形状を有する複数の多角形面Sが成形される。なお、例えば図1(d)では、環状の肩部10の内面に複数の多角形面Sが成形された例を示したが、環状の蛇腹部8に多角形面Sをブロー成形した場合も同様に、その蛇腹部8の内面に複数の多角形面Sが成形される。このように等速ジョイント用ブーツ2の内面側にも複数の多角形面Sを成形することにより、例えば自動車の走行中において等速ジョイントが様々な作動角を取って回転している間、等速ジョイント用ブーツ2が屈曲を繰り返して例えば蛇腹部8の内面同士(傾斜面同士)が干渉したり、例えば肩部10の内面と蛇腹部8の内面とが干渉したり、また、例えば蛇腹部8の内面と駆動軸(推進軸)が干渉しても、内面側の複数の多角形面Sにより構成される境界線L(例えば図1(d)参照)との間の線接触となる(面状の接触にならない)ため、蛇腹部内面の磨耗を抑えることができる。この結果、干渉部分に亀裂や磨耗が発生・進展することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、環状の一端側締結部4や他端側締結部6の形状をそのまま生かした状態で、等速ジョイント用ブーツ2全体の耐久性(強度)を向上させることができるため、これら一端側締結部4や他端側締結部6が締結される軸部やギヤハウジング(外筐)に別途加工処理を施す必要は無い。この結果、ブーツ製造コストやジョイント製造コストを抑えることが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のように種々変更することが可能である。
上述した実施の形態では、フレキシブルブーツの一例として、アウトボード側(タイヤ側)の等速ジョイント(図示しない)を被うための等速ジョイント用ブーツ2を想定しているが、例えば図6(a),(b)に示すような形状の等速ジョイント用ブーツ20にも本発明の技術を適用することが可能である。
上述した実施の形態では、フレキシブルブーツの一例として、アウトボード側(タイヤ側)の等速ジョイント(図示しない)を被うための等速ジョイント用ブーツ2を想定しているが、例えば図6(a),(b)に示すような形状の等速ジョイント用ブーツ20にも本発明の技術を適用することが可能である。
図6(a),(b)に示すような形状の等速ジョイント用ブーツ20は、インボード側(エンジン側)の等速ジョイント(図示しない)を被うことができるようになっている。
インボード側(エンジン側)の等速ジョイントは、軸部に三叉状に装着された例えば3個のコロがそれぞれ軸方向に滑動可能に構成されたトリポッドジョイント(トリポートジョイント)である。トリポッドジョイントのギヤハウジング(外筐)には、薄肉化及び軽量化を図るため、その外周面に周方向に沿って等間隔で且つ軸方向に延出した複数(例えば3本)の円弧状凹部が形成されている。
インボード側(エンジン側)の等速ジョイントは、軸部に三叉状に装着された例えば3個のコロがそれぞれ軸方向に滑動可能に構成されたトリポッドジョイント(トリポートジョイント)である。トリポッドジョイントのギヤハウジング(外筐)には、薄肉化及び軽量化を図るため、その外周面に周方向に沿って等間隔で且つ軸方向に延出した複数(例えば3本)の円弧状凹部が形成されている。
この場合、等速ジョイント用ブーツ20の比較的大径の他端側締結部6の内周面には、ギヤハウジング(外筐)の外周面に形成された3本の円弧状凹部に対応した位置に、それぞれ内方に突出した円弧状凸部22が設けられている。このような構成によれば、他端側締結部6をギヤハウジング(外筐)に嵌める際に、その円弧状凹部に円弧状凸部22を敷き沿わすように密接させた後、締結用バンドで締結することにより、環状の他端側締結部6をギヤハウジング(外筐)に締結させることができる。
インボード側(エンジン側)の等速ジョイントは、高温高圧下の揺動動作に伸縮動作が加わるため、等速ジョイント用ブーツ20にも、それに耐え得るだけの耐久性が要求されるが、上記実施の形態と同様に複数の多角形面S(図6では、環状の肩部10の多角形面Sのみ示す)を形成することにより、高温高圧下の揺動動作や伸縮動作にさらされても変形しない等速ジョイント用ブーツ20を実現することができる。なお、その他の構成や効果は、上述した実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
また、上述した実施の形態において、多角形面Sの形状については特に説明しなかったが、少なくとも3辺から成る多角形(例えば、三角形、四角形、五角形など)を適宜選択して適用することができる。
本発明のフレキシブルブーツは、自動車の駆動軸(ドライブシャフト)や推進軸(プロペラシャフト)から被駆動軸(被推進軸)に等速で回転を伝達するための等速ジョイントに利用するだけで無く、例えば製造装置や搬送装置などに用いられている自由継手に利用することも可能である。
4 環状の一端側締結部
6 環状の他端側締結部
8 環状の蛇腹部
10 環状の肩部
S 多角形面
6 環状の他端側締結部
8 環状の蛇腹部
10 環状の肩部
S 多角形面
Claims (10)
- 複数の機械要素を相対的に変化可能に結合する結合部を被うためのフレキシブルブーツであって、
フレキシブルブーツの両端に設けられ、複数の機械要素に締結することが可能な環状の一端側締結部及び他端側締結部と、
環状の一端側締結部と他端側締結部との間に設けられ、複数の機械要素の相対的な変化に追従して弾性変形することが可能な環状の蛇腹部と、
環状の蛇腹部と環状の一端側締結部及び/又は他端側締結部との間に設けられた環状の肩部と、
環状の肩部に隣接して設けられ、環状の一端側締結部及び/又は他端側締結部を複数の機械要素に締結する際に用いる締結用バンドを位置決めするための突起部と、を具備し、
環状の蛇腹部及び環状の肩部並びに突起部のいずれか1つ、又はこれら任意の2つの組み合わせ、或いは、これらの全てには、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されており、複数の機械要素が相対的に変化して環状の蛇腹部及び環状の肩部並びに突起部に荷重が作用した際、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、複数の多角形面が連続的に形成された部分の形状を一定に維持することを特徴とするフレキシブルブーツ。 - 前記複数の多角形面の面数は、少なくとも3面以上であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルブーツ。
- 前記複数の多角形面は、それぞれ、少なくとも一部が平坦面形状を成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルブーツ。
- 前記複数の多角形面は、それぞれ、少なくとも一部が湾曲面形状を成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルブーツ。
- 前記環状の蛇腹部には、複数の凸部と複数の凹部とが交互に組み合わされることで、凹部から凸部に亘って下り勾配で傾斜した複数の下り勾配傾斜面と、凸部から凹部に亘って上り勾配で傾斜した複数の上り勾配傾斜面とが交互に繰り返されて構成されており、
これら複数の下り勾配傾斜面及び上り勾配傾斜面のうち、複数の機械要素の相対的な変化に追従して環状の蛇腹部が弾性変形した際に互いに干渉するような位置の少なくとも1つの下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成され、
これにより、複数の機械要素が相対的に変化した際、複数の多角形面が形成された下り勾配傾斜面及び/又は上り勾配傾斜面は、互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、その形状が一定に維持されると共に、その下り勾配傾斜面と上り勾配傾斜面とが面状に接触しないようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のフレキシブルブーツ。 - 前記環状の肩部には、前記突起部から環状の蛇腹部方向に上り勾配で傾斜したテーパ部が設けられており、
突起部及びテーパ部の両方、または少なくとも一方には、放射方向に沿って延出し且つ周方向に沿って互いに隣接した複数の多角形面が連続的に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のフレキシブルブーツ。 - 前記環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線は、環状の肩部に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面により構成された複数の境界線や、ブーツ軸方向に隣り合う下り勾配傾斜面または上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線と、整列した位置関係を成していることを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキシブルブーツ。
- 前記環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線は、環状の肩部に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面により構成された複数の境界線や、ブーツ軸方向に隣り合う下り勾配傾斜面または上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面の間に構成された複数の境界線の、間に位置付けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキシブルブーツ。
- 請求項1〜8に記載の多角形面は、前記締結用バンドを位置決めするための突起部、環状の肩部、及び環状の蛇腹部をブロー成形する際に一体成形されることを特徴とするフレキシブルブーツ。
- 請求項1〜9に記載のフレキシブルブーツは、等速ジョイントを被うためのブーツであって、
前記環状の一端側締結部は、等速ジョイントに接続された軸部に締結可能に構成され、前記環状の他端側締結部は、等速ジョイントの外筐に締結可能に構成されており、
外筐に対する軸部の相対的な変化に追従して前記環状の蛇腹部が弾性変形した際、前記締結用バンドを位置決めするための突起部、前記環状の肩部、及び前記環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面に形成された複数の多角形面において互いに隣接する多角形面同士が相互に支え合うことにより、前記突起部、環状の肩部、及び環状の蛇腹部における複数の下り勾配傾斜面及び/又は複数の上り勾配傾斜面の形状を一定に維持することを特徴とするフレキシブルブーツ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006129452A1 (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-07 | Nok Corporation | ジョイントブーツ |
JP2014211182A (ja) * | 2013-04-18 | 2014-11-13 | Nok株式会社 | ボールジョイント用ダストカバー |
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-
2003
- 2003-09-05 JP JP2003314720A patent/JP2005083439A/ja active Pending
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