JP3122007U - ドライブシャフトブーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブシャフトブーツに補強部を備える構造として、特に蛇腹形状の凹部に発生する亀裂による破損を容易かつ効果的に防止することが可能なドライブシャフトブーツを提供することを目的とする。
【解決手段】ドライブシャフトに接続される小径側接続部3と、ジョイント部に接続される大径側接続部4と、小径側接続部3と大径側接続部4を両端に内部が空洞で凸部5と凹部6を備えて蛇腹形状に形成される本体部2を備えるドライブシャフトブーツ1aにおいて、凹部6に凸部5の肉厚よりも厚肉に補強部7aを備えるものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、自動四輪車や自動二輪車のドライブシャフトとホイールを連結するジョイント部を覆うドライブシャフトブーツに係り、特に、耐久性に優れるドライブシャフトブーツに関する。
自動車のドライブシャフトブーツは、合成ゴムや合成樹脂で製造され、内部にグリースを注入して保持することでドライブシャフトとホイールのジョイント部を保護する重要な部品である。
その形状について図5を参照しながら説明する。図5は、従来技術に係るドライブシャフトブーツの外形図である。
図5において、ドライブシャフトブーツ51は蛇腹状の本体部52を挟んで小径側接続部53と大径側接続部54を備えた構成となっている。
小径側接続部53はドライブシャフト(図示せず)を覆うように接続され、大径側接続部54はジョイント部(図示せず)を覆うように接続される。ドライブシャフトブーツ51は本体部52と小径側接続部53及び大径側接続部54が、可撓性を備えた合成ゴムや合成樹脂で一体に構成されている。
本体部52は、走行時のステアリング操作や上下振動発生の際に伸縮を容易にして引張力や衝撃力に耐えられるように、凸部55と凹部56を備えて空洞の蛇腹状に形成されるものである。
また、本体部52の内部には、ジョイント部の潤滑促進や摩耗防止のためにグリースが保持されている。
なお、本図には一体型のドライブシャフトブーツ51を例示しているが、ドライブシャフトブーツには、ドライブシャフトやジョイント部に装着が容易なように図5に示されるような形状を縦割に一般には2分割した分割型も存在している。
このようなドライブシャフトブーツ51においては、長期間の使用によって、特に蛇腹形状の凹部56に亀裂が入ることによる破損が頻繁に発生して、その亀裂からグリース漏れなどが生じる不具合が多数発生している。そのため、このドライブシャフトブーツ51は定期点検時などに周期的に交換されることが普通であるものの、運転中に破損する可能性があり走行安全性にも影響があることからなるべく損傷を受けにくい材料や構造とすることが従来課題として挙げられていた。
そこで、このような課題を解決するために、これまでにも多数の技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、「自動車のドライブシャフトブーツ」という名称で、2分割型のドライブシャフトブーツで、両分割端面が共に外周面側へ向かうに従い漸次迫出し、接合するときにはほぼ平行となるように形成されたドライブシャフトブーツに関する発明が開示されている。
また、特許文献2には「ドライブシャフト用組立式ブーツ」として、ブーツ本体の上半片と下半片との結合部の離間防止対策の不備を解消するために、円筒形ブーツを2つ割りにした部材の切断面において、軸線を挟んだ片側には二段式の顎を供えた突起帯を設け、他の片側には二段式の突起帯を結合する形状の溝帯を設けたものが開示されている。
これら特許文献1及び2に開示される発明では、2分割型のドライブシャフトブーツが装着容易である一方、その2分割型であるが故に抱える分割面からの破損を防止するために、互いに嵌合して、密着性を高めて不用意に外れることがないように分割された両面の形状を工夫したものである。
また、特許文献3には、「ドライブシャフトブーツカバー」という名称で、ドライブシャフトブーツにドライヤー等の熱で密着する軟質のカバーを設けることを特徴とするドライブシャフトブーツが開示されている。
このような構成のドライブシャフトブーツカバーにおいては、ドライブシャフトブーツにさらにカバーを設けることで、強度を増して走行時の破損を防止するものである。
特開2003−74716号公報 特開平9−177972号公報 特開2003−148508号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1や特許文献2に開示された発明においては、2分割型のドライブシャフトブーツにおいては有効であるものの、一体型のドライブシャフトブーツでは既に一体となっているため、分割端面における補強については施しようがない。また、破損は分割端面からのみ発生するものでもなく、特に蛇腹形状の凹部において周方向へ発生することが多く、分割端面における補強では解決できない可能性が高いという課題があった。
特許文献3に開示された発明においては、ドライブシャフトブーツカバーという部品を追加することによって改善されるため、この部品の装着作業やメンテナンス作業が煩わしく、これらの作業に時間も係るという課題を有していた。また、このカバーを追加することで、このカバーとドライブシャフトブーツによる摩擦が生ずることで逆に破損の原因になる可能性があるという課題もあった。
本考案はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、ドライブシャフトブーツに補強部を備える構造として、特に蛇腹形状の凹部に発生する亀裂による破損を容易かつ効果的に防止することが可能なドライブシャフトブーツを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の考案であるドライブシャフトブーツは、ドライブシャフトに接続される小径側接続部と、ジョイント部に接続される大径側接続部と、前記小径側接続部と前記大径側接続部を両端に内部が空洞で凸部と凹部を備えて蛇腹形状に形成される本体部を備えるドライブシャフトブーツにおいて、前記凹部に前記凸部の肉厚よりも厚肉に補強部を備えることを特徴とするものである。
このような構成のドライブシャフトブーツにおいては、亀裂が多発する蛇腹形状の凹部に、凸部の肉厚よりも厚肉に補強部を備えることで、周方向長さが凸部に比較して短い凹部に集中する応力をこの補強部で分散するという作用を有する。
また、請求項2記載の考案は、ドライブシャフトに接続される小径側接続部と、ジョイント部に接続される大径側接続部と、前記小径側接続部と前記大径側接続部を両端に内部が空洞で凸部と凹部を備えて蛇腹形状に形成される本体部を備えるドライブシャフトブーツにおいて、前記凹部の肉厚よりも厚肉に補強部を前記凹部の周方向に複数設けることを特徴とするものである。
このような構成のドライブシャフトブーツにおいては、凹部の周方向に複数設けられた補強部を他の凹部よりも厚肉とすることで、凹部の周方向に肉厚の分布を持たせて補強するという作用を有する。
請求項3記載の考案は、請求項1又は請求項2に記載のドライブシャフトブーツにおいて、前記補強部は、前記凹部表面で、前記凹部を挟む両斜面部を一体に接続するように設けられることを特徴とするものである。
このような構成のドライブシャフトブーツにおいては、請求項1又は請求項2に記載された考案の作用に加えて、補強部が凹部を挟む両斜面を一体に接続するように設けられることで、凹部に発生する力をドライブシャフトと同軸方向に分散させるという作用を有する。
請求項4記載の考案は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のドライブシャフトブーツにおいて、前記補強部は、らせん状に形成されることを特徴とするものである。
このような構成のドライブシャフトブーツにおいては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された考案の作用に加えて、らせん状とすることでドライブシャフトと同軸方向の単位長さに対して補強部を長く設けて、補強を強化するという作用を有する。
請求項5記載の考案は、ドライブシャフトに接続される小径側接続部と、ジョイント部に接続される大径側接続部と、前記小径側接続部と前記大径側接続部を両端に内部が空洞で凸部と凹部を備えて蛇腹形状に形成される本体部を備えるドライブシャフトブーツにおいて、前記ドライブシャフトと同軸方向に凸部と凹部に連続して、周囲の肉厚よりも厚肉に突起する帯状の補強部を備えるものである。
このような構成のドライブシャフトブーツにおいては、蛇腹形状の凸部と凹部の両方に跨って補強部を周囲の肉厚よりも厚肉に突起する帯状とすることで、ドライブシャフトブーツの伸縮によってかかる力を蛇腹形状全体で分散、緩和するという作用を有する。
請求項6記載の考案であるドライブシャフトブーツは、請求項5に記載のドライブシャフトブーツにおいて、前記補強部は、らせん状に形成されるものである。
このような構成のドライブシャフトブーツによれば、請求項5に記載された考案の作用に加えて、らせん状とすることでドライブシャフトと同軸方向の単位長さに対して補強部を長く設けて、補強を強化するという作用を有する。
以上説明したように、本考案の請求項1に記載のドライブシャフトブーツにおいては、周方向長さが凸部に比較して短く、亀裂が多発する蛇腹形状の凹部に集中する応力を補強部を用いて分散することで、亀裂の発生を抑制し、ドライブシャフトブーツの耐久性を向上させることが可能である。
本考案の請求項2に記載のドライブシャフトブーツにおいては、凹部の周方向に肉厚の分布を持たせることで補強して、応力の集中を避け、もって耐久性を向上させることが可能である。
本考案の請求項3に記載のドライブシャフトブーツにおいては、請求項1又は請求項2に記載された考案の効果に加えて、補強部が凹部を挟む両斜面を一体に接続するように設けられることで、凹部に発生する力をドライブシャフトと同軸方向に分散させて、周方向のみならず、軸方向にも応力を分散させることでより耐力を備えさせ、もって耐久性の向上を図ることが可能である。
本考案の請求項4に記載のドライブシャフトブーツにおいては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された考案の効果に加えて、らせん状とすることでドライブシャフトと同軸方向の単位長さに対して補強部を長く設けて補強を強化し、耐久性の向上を図ることが可能である。
本考案の請求項5に記載のドライブシャフトブーツにおいては、補強部を蛇腹形状の凸部と凹部の両方に跨って突起する帯状とすることで、ドライブシャフトブーツの伸縮によってかかる力を蛇腹形状全体で分散・緩和し、もって耐久性の向上を図ることができる。
本考案の請求項6に記載のドライブシャフトブーツにおいては、請求項5に記載された考案の効果に加えて、請求項4に記載の発明と同様に耐久性の向上を図ることができる。
以下に、本考案の最良の実施の形態に係るドライブシャフトブーツの実施例について説明する。
実施例1について図1及び図2を参照しながら説明する(特に、請求項1乃至請求項3に対応)。
図1(a)は本考案の実施例1に係るドライブシャフトブーツの外形図であり、(b)は(a)に示すA−A線矢視断面図であり、(c)は(a)に示すB−B線矢視断面図である。また、図2は図1(a)に示すC−C線矢視断面図である。
図1において、ドライブシャフトブーツ1aは、図5に示す従来技術のドライブシャフトブーツと同様に、蛇腹状の本体部2を挟んで小径側接続部3と大径側接続部4を備えて、可撓性を有する合成ゴムあるいは合成樹脂によって一体に構成されている。
本体部2は、図2に示されるように内部が空洞に形成され、凸部5と凹部6を交互に備えて、覆われるドライブシャフト(図示せず)と同軸方向の断面形状が、上辺が下辺よりも短い略台形状となるように構成されている。図1及び2では、本体部2の凸部5と凹部6がそれぞれ4個形成されているが、この個数は4個に限定するものではなく、ドライブシャフトブーツ1aが装着されるドライブシャフトやジョイント部(図示せず)の寸法によって適宜変更されてよい。
本体部2の端部は、小径側接続部3と大径側接続部4が設けられており、それぞれドライブシャフトとジョイント部を覆うように接続される。
また、本体部2の凹部6を挟む上側斜面部6aと下側斜面部6bを接続するように補強部7aが設けられている。この補強部7aは、図1(b)に示されるように、凹部6の周方向に突起するように4箇所設けられており、従って、その補強部7aの部分は、他の凹部6の部分の肉厚に比較して厚肉となっている。
また、補強部7aの上側端部は上側斜面部6aに、補強部7aの下側端部は下側斜面部6bにそれぞれ一体に接続されている。従って、図1(c)に示されるように本体部2の凸部5には補強部7aは形成されていない。
なお、ドライブシャフトブーツ1aの空洞の内部には、グリース(図示せず)が注入、保持されジョイント部の潤滑促進や摩耗防止に供される。
図1及び図2に開示する実施例1では、補強部7aを、凹部6のみならず凹部6を挟む上側斜面部6aと下側斜面部6bを一体に接続するように形成することで、より耐力を備えさせ、もって耐久性の向上を図るが、この補強部7aは、凹部6にのみ設けられてもよい。すなわち、図1(a)に示される補強部7aよりもドライブシャフトと同軸の方向に短尺で、上側斜面部6aや下側斜面部6b
を接続するような状態でないものであってもよい。
その際には、図1及び2に示されるように、凹部6の周方向に複数設けられるような場合の他に、凹部6の全周に亘って連続的に補強部が設けられるようなものであってもよい。
補強部7aが凹部6のみに存在し、その両側の斜面部に一体に接続されないような場合であっても、少なくとも凹部6は補強部7aによって厚肉に形成されることで、凹部6の周方向に亘って応力を分散・緩和することができ、耐久性を向上させることが可能である。
なお、本願明細書において、ある物の肉厚よりも厚肉に補強部が設けられるとは、その物の肉厚以上にその補強部の肉厚が設けられるという意味ではなく、補強部が設けられる結果、その物の肉厚以上に補強部も含めて厚肉に形成されるという意味である。以下の実施例においても同様である。
また、本ドライブシャフトブーツの凹部における亀裂の多発は、凹部が凸部に比較して小径であるところ、発生する応力に対する分散効果が小さいために生じると考えられることから、凹部6の肉厚を凸部5の肉厚よりも厚肉に補強部を設けてもよい。
このような場合でも、補強部7aを凹部6の周方向に連続するように厚肉に形成してもよいし、図1(1),(b)に示されるように、不連続に間隔をあけて複数設けるようにしてもよい。また、その間隔は一定の間隔に設けてもよいし、例えば装着した際に、下方となる部分ではグリースの荷重をより受けることから間隔を短くして補強を強化するようにしてもよい。
以上のように構成されるドライブシャフトブーツ1aにおいては、凹部6に凸部5より厚肉に、あるいは凹部6の肉厚よりも厚肉に補強部7aを形成することで、走行時の上下動の衝撃やステアリング操作によって発生する伸縮力を凹部6の周方向に分散、緩和させるように作用する。
従って、凹部6に発生する圧縮や引張の応力を凹部6で周方向に分散、緩和することが可能である。また、これによって耐久性を向上させ、ドライブシャフトブーツ1aの長寿命化を可能とするものである。
また、図1,2に示すように、ドライブシャフトブーツ1aの補強部7aで上側斜面部6aと下側斜面部6bを一体に接続することで、伸縮力をドライブシャフトと同軸方向にも分散、緩和させることができる。従って、この補強部7aは、凹部に発生する応力をドライブシャフトと同軸の方向に分散、緩和させて、凹部6の周方向にのみならず、上側斜面部6aと下側斜面部6bを介して多段の凸部5と凹部6全体で軸方向に応力を分散させることが可能である。
従って、より一層耐久性を向上させることが可能であり、ドライブシャフトブーツ1aの長寿命化も可能である。
次に、実施例2について図3を参照しながら説明する(特に、請求項5に対応)。
図3(a)は本考案の実施例2に係るドライブシャフトブーツの外形図であり、(b)は(a)に示すD−D線矢視断面図であり、(c)は(a)に示すE−E線矢視断面図である。なお、実施例1と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3(a)に示すように、本実施例に係るドライブシャフトブーツ1bでは、補強部7bを凹部6のみ、あるいは凹部6とそれを挟む上側斜面部6aと下側斜面部6bにのみ設けるのではなく、図3(c)に示されるように凸部5においても連続して設けるものである。
また、この補強部7bは凸部5や凹部6において補強部7bを設けていない周囲の肉厚よりも厚肉に突起する帯状に形成されるものである。また、その方向は、ドライブシャフトブーツ1bが覆うドライブシャフト(図示せず)と同軸の方向に設けられるものである。
このように構成される補強部7bは、自動車の走行やステアリング操作によって、ドライブシャフトブーツ1bの蛇腹状に形成された本体部2に伸縮力が発生した場合に、この補強部7bが凸部5や凹部6の周方向に他よりも厚肉に肉厚の分布を持つことで、それらの周方向においてその伸縮力を分散、緩和させるように作用する。また、特に、この補強部7bを介してドライブシャフトと同軸方向に、多段に形成された凸部5と凹部6の全体にその伸縮力を分散、緩和させることができる。
従って、このドライブシャフトブーツ1bの蛇腹状に形成された本体部2が伸縮することによって発生する引張や圧縮の応力は、凸部5や凹部6の周方向において分散及び緩和されることはもちろん、図1,2を参照して説明した実施例1と同様に、あるいはそれ以上に、ドライブシャフトと同軸方向に、発生する応力をより効果的に分散、緩和することが可能である。
本実施例においても、補強部7bの数は4個として、周方向に等間隔に設けているが、特にこの4個には限定されず、ドライブシャフトブーツ1bの寸法や用途に応じてその数を増減してもよいことは言うまでもない。また、補強部7bの設置の間隔については、先に実施例1で述べたことをそのまま適用してもよい。
さらに、図3においては、その幅が細めとも見えるが、帯状に形成される補強部7bの幅は図3に示される程度に限定するものでもない。このことは、他の実施例においても同様である。
次に、実施例3について図4を参照しながら説明する(特に、請求項4及び請求項6に対応)。図4は、本考案の実施例3に係るドライブシャフトブーツの凹部を挟んで両斜面部に設けられた補強部を示す外形図である。実施例1と同一の構成については同一符号を付し、その構成の説明は省略する。
図4において、実施例3に係るドライブシャフトブーツは、実施例1のドライブシャフトブーツ1aにおいて、補強部を螺旋状に設けたものである。
補強部7cは、凹部6を挟む上側斜面部6aと下側斜面部6bを接続するように一体に構成されており、しかも、図中符号αで示すような角度を備えて、らせん状に形成されている。
このようにらせん状に補強部7cを形成することで、凸部5間に設けられる補強部7cの長さを図1に示す実施例1の補強部7aよりも長く設けることが可能となり、よって、補強をより効率的、効果的に実行することが可能となる。
また、このように角度αをもって形成されることによって、凹部6及びその両斜面部において周方向と軸方向の両方に、より円滑に伸縮力が分散、緩和するように作用する。従って、その伸縮力によって発生する引張応力と圧縮応力もより効果的に分散、緩和するように作用する。
この作用は、図中符号αで示される角度が大きくなるに従って補強部7cが長くなることから大きくなると考えられる。
なお、らせん状としているが、本願において「らせん状」とは、図4に示されるように角度αをもって補強部7cが形成されていることを意味しており、個々の補強部7cが例えば、凹部6を周方向に1周以上巻回されるような場合を意味しているのではない。
また、図4に示す本実施例3では、実施例1の補強部7aをらせん状に形成するものであるが、その変形例として実施例2の補強部7bをらせん状に形成してもよいことは言うまでもない。また、その際の「らせん状」も、本体部の上下端の間で一周以上巻回されるような場合のみを意味するものではなく、一周巻回されなくとも例えば半周などでもよい。
すなわち、凹部6のみならず、凸部5までも連続するように補強部をドライブシャフトと同軸方向に延設しつつ、それに図4に示されるような角度をつけて、形成されるようにするのである。
このように形成される補強部においても、実施例3と同様に、伸縮力の分散、緩和を促進するように作用する。
従って、図4に示されるような実施例3及びその変形例では、それぞれ実施例1及び実施例2のドライブシャフトブーツにおいて発揮される効果以上に、効率的、効果的に伸縮力、応力を緩和することが可能である。
以上説明したように、請求項1乃至請求項6に記載された本考案は長寿命のドライブシャフトブーツとして利用が可能であり、また、ドライブシャフトブーツ以外にも蛇腹形状を備えた構造物に対しても適用が可能である。
(a)は本考案の実施例1に係るドライブシャフトブーツの外形図であり、(b)は(a)に示すA−A線矢視断面図であり、(c)は(a)に示すB−B線矢視断面図である。 図1(a)に示すC−C線矢視断面図である。 (a)は本考案の実施例2に係るドライブシャフトブーツの外形図であり、(b)は(a)に示すD−D線矢視断面図であり、(c)は(a)に示すE−E線矢視断面図である。 本考案の実施例3に係るドライブシャフトブーツの凹部を挟んで両斜面部に設けられた補強部を示す外形図である。 従来技術に係るドライブシャフトブーツの外形図である。
符号の説明
1a,1b…ドライブシャフトブーツ 2…本体部 3…小径側接続部 4…大径側接続部 5…凸部 6…凹部 6a…上側斜面部 6b…下側斜面部 7a〜7c…補強部 51…ドライブシャフトブーツ 52…本体部 53…小径側接続部 54…大径側接続部 55…凸部 56…凹部

Claims (6)

  1. ドライブシャフトに接続される小径側接続部と、ジョイント部に接続される大径側接続部と、前記小径側接続部と前記大径側接続部を両端に内部が空洞で凸部と凹部を備えて蛇腹形状に形成される本体部を備えるドライブシャフトブーツにおいて、前記凹部に前記凸部の肉厚よりも厚肉に補強部を備えることを特徴とするドライブシャフトブーツ。
  2. ドライブシャフトに接続される小径側接続部と、ジョイント部に接続される大径側接続部と、前記小径側接続部と前記大径側接続部を両端に内部が空洞で凸部と凹部を備えて蛇腹形状に形成される本体部を備えるドライブシャフトブーツにおいて、前記凹部の肉厚よりも厚肉に補強部を前記凹部の周方向に複数設けることを特徴とするドライブシャフトブーツ。
  3. 前記補強部は、前記凹部表面で、前記凹部を挟む両斜面部を一体に接続するように設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドライブシャフトブーツ。
  4. 前記補強部は、らせん状に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のドライブシャフトブーツ。
  5. ドライブシャフトに接続される小径側接続部と、ジョイント部に接続される大径側接続部と、前記小径側接続部と前記大径側接続部を両端に内部が空洞で凸部と凹部を備えて蛇腹形状に形成される本体部を備えるドライブシャフトブーツにおいて、前記ドライブシャフトと同軸方向に凸部と凹部に連続して、周囲の肉厚よりも厚肉に突起する帯状の補強部を備えることを特徴とするドライブシャフトブーツ。
  6. 前記補強部は、らせん状に形成されることを特徴とする請求項5記載のドライブシャフトブーツ。
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