JP2005082554A - ポリオキシエチレン鎖を有する化合物を含有する皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 過敏症の原因となるアルデヒドを殆ど発生させない、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物を含有する皮膚外用剤を提供する
【解決手段】 ポリオキシエチレン鎖を有する化合物を含む皮膚外用剤に、4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩から選択される1種又は2種以上を0.6〜10質量%、及び、好ましくはトコフェロール類及び/又は天然有機ガム質を配合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物を含有する、安定性に優れる皮膚外用剤に関する。
近年、シックハウス症候群など、化学物質過敏症が、非常に重大な社会問題となりつつある。化学物質過敏症の原因としては、反応を誘起する化学物質と、化学物質に過敏に反応するような生体側と2つの面での原因が存する。この内、生体側の過敏性を誘起する要因としては、過剰に負荷されたストレスが存する。又、過敏症を誘起する物質側については、その原因物質の一つにホルマリン等のアルデヒド類が存すると言われている。かかるアルデヒド類は、それ自体を防腐の目的で組成物中に含有させる場合と、アルコール類が酸化されて生じたり、ポリマーが分解して生じたりする、物質の経時変化によって発生し、心ならずも組成物中に含有されてしまう場合の2つの場合が存する。化粧料などの皮膚外用剤に於いては、アルデヒド類そのものを組成物に含有させることは殆どの場合に於いて認めてられておらず、経時変化が大きなその発生原因となっている。この様な発生原因の内、皮膚外用剤の汎用原料では、ポリエチレングリコール類やポリオキシエチレンが付加した非イオン界面活性剤などのポリオキシエチレン鎖を有する化合物に関するものが特に深刻である。アルデヒド類の皮膚外用剤に於ける含有量は数ppb程度と極めて少なく、前記のような原因物質により生じるアルデヒドの発生量は、従来の健常な肌であれば問題のないレベルの量であるが、過敏な状況であると、この程度の発生量でも、好ましくない皮膚反応を誘起してしまうと言われている。
この様な状況下、かかる過敏症の対策としても、3つの面からのアプローチが存する。即ち、生体側の過敏に反応するシステムを調整し、化学物質に対する感受性を通常のレベルに引き下げるアプローチと、生体側のバリアを強化し、過敏反応を誘起する化学物質が反応の場に侵入しないように防ぐアプローチと、皮膚上で過敏症誘起物質が生成しないように防ぐアプローチである。第一のアプローチとしては、例えば、生薬類のエキスで、負荷されたストレスを緩和する試み(例えば、特許文献1参照)やテルペノイド類により、感受性を低下させる技術(例えば、特許文献2参照)が存し、第二のアプローチとしては、レチノール類を皮膚に作用させて、表皮を厚くし、バリア機能を向上させる試み(例えば、特許文献3、特許文献4参照)等が存しているが、第三のアプローチについては知見が存しない。
ところで、4−n−ブチルレゾルシノールについては、その製法は既に知られており(例えば、非特許文献1参照)、メラニン産生抑制作用(例えば、特許文献5参照)、雲脂抑制作用(例えば、特許文献6参照)、ニキビ抑制作用(例えば、特許文献7参照)、赤外線防護剤との併用による、日焼けと火照りの改善作用(例えば、特許文献8参照)、放射線照射後の瘢痕抑制(例えば、特許文献9参照)、活性酸素消去作用(例えば、特許文献10参照)、抗掻痒作用(例えば、特許文献11参照)等が知られている。しかしながら、このものを0.5〜10質量%含有させることにより、ポリエチレングリコール類やポリオキシエチレンが付加した非イオン界面活性剤などのポリオキシエチレン鎖を有する化合物の安定性が著しく高まり、アルデヒド類の発生が殆ど抑制出来ることは全く知られていなかった。
他方、1)4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩から選択される1種又は2種以上を0.6〜10質量%と2)ポリオキシエチレン鎖を有する化合物群から選択される1種又は2種以上を0.05〜10質量%とを含有する皮膚外用剤は知られておらず、この様
な皮膚外用剤が、過敏症の原因となるアルデヒドを殆ど発生させないことも全く知られていなかった。
特開2001−278770号公報 特表2003−505490号公報 特表2003−505489号公報 特表2002−512198号公報 特開平02−49715号公報 特開平04−169516号公報 特開平04−169511号公報 特開平05−4905号公報 特開2001−206813号公報 特開2001−302505号公報 特開2001−302506号公報 Lille.J.Bitter,LA.Peiner.V,Tr.Nauch-Issled.Inat.slantaev 1969,No.18,127
本発明は、上記の様な状況下為されたものであり、過敏症の原因となるアルデヒドを殆ど発生させない、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物を含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究努力を重ねた結果、1)4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩から選択される1種又は2種以上を0.6〜10質量%と2)ポリオキシエチレン鎖を有する化合物群から選択される1種又は2種以上を0.05〜10質量%とを含有する皮膚外用剤が、その様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
<1>1)4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩から選択される1種又は2種以上を0.6〜10質量%、及び、2)ポリオキシエチレン鎖を有する化合物群から選択される1種又は2種以上を0.05〜10質量%含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<2>さらに、トコフェロール類を含有することを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>トコフェロール類の含有量が、0.001〜0.6質量%であることを特徴とする、<2>に記載の皮膚外用剤。
<4>さらに、天然有機ガム質を含有することを特徴とする、<1>〜<3>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<5>天然有機ガム質が、キサンタンガム、クィンシードガム及びグァーガムから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<4>に記載の皮膚外用剤。
<6>天然有機ガム質の含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする、<4>又は<5>に記載の皮膚外用剤。
尚、本発明において、前記の各物質の含有量は、化粧料全量に対する含有量を示す。
本発明によれば、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物群を製剤中で安定化させ、過敏症の原因となるアルデヒドを殆ど発生させない、皮膚外用剤を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)本発明の必須成分である4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩
本発明の皮膚外用剤は、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩(以下、「4−n−ブチルレゾルシノール等」ということがある)を含有する。4−n−ブチルレゾルシノールは、常法に従って製造することが出来る(例えば、非特許文献1参照)。即ち、レゾルシンとブタン酸を塩化亜鉛の存在下縮合し、亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法やレゾルシンとn−ブチルアルコールとを200〜400℃の高温下で縮合させる方法が例示できる。
このようにして得られた4−n−ブチルレゾルシノールは、種々の塩基性化合物と反応させることにより塩とすることが出来る。本発明の必須成分として用いることの出来る塩としては、生理的に許容されるものであれば特段の限定はされず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩やトリエチルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩やアルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩などが好ましく例示できる。これらの塩の内、特に好ましいものはアルカリ金属塩であり、中でもナトリウム塩が特に好ましい。
本発明の皮膚外用剤に於いて、4−n−ブチルレゾルシノール等は単独で含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。
本発明の皮膚外用剤に於いて、4−n−ブチルレゾルシノール等は、製剤中に存在するポリオキシエチレン鎖を有する化合物群の安定性を著しく向上させ、これらの化合物が分解して、アルデヒドが生じるのを抑制する。本発明の皮膚外用剤中に於ける4−n−ブチルレゾルシノール等の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.6〜10質量%であり、1.2〜5質量%が更に好ましい。これは、少なすぎると効果を発揮しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになる場合があるからである。
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるポリオキシエチレン鎖を有する化合物
本発明の皮膚外用剤は、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物を、必須成分として含有する。前記ポリオキシエチレン鎖を有する化合物としては、ポリエチレングリコール類、ポリオキシエチレンが付加した形態の非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加した形態のアニオン界面活性剤等が好適に例示出来る。
前記ポリオキシエチレンが付加した形態の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(硬化されていても良い)ヒマシ油類、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル類又はジメチコンコポリオール等が好適に例示出来る。
又、前記ポリオキシエチレンが付加した形態のアニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)硫酸エステル及び/又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)リン酸エステル及び/又はその塩等が好適に例示出来る。
上記ポリオキシエチレン鎖を有する化合物として特に好ましく適用されるのは、オキシエチレン(エチレンオキサイド)の平均付加モル数(平均重合度)が20以上のものである。これらは唯一種で用いることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。好ましい含有量は、通常の化粧料の場合に従えば良く、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物については、総量で、皮膚外用剤全量に対して0.05〜15質量%であり、界面活性剤として用いられる場合であれば、総量で、皮膚外用剤全量に対して0.05
〜5質量%である。ここで、これらの成分の配合目的は特に制限されないが、典型的には、ポリエチレングリコール類であれば、保湿作用であり、界面活性剤であれば、乳化、可溶化又は分散作用である。
(3)本発明の皮膚外用剤の好ましい成分であるトコフェロール類
本発明の皮膚外用剤は、好ましい任意成分として、トコフェロール類を含有する。本発明に言うトコフェロール類とは、α−、β−、γ−又はδ−トコフェロール、これらのトコフェロールとニコチン酸とのエステル等のトコフェロールのエステル類などのトコフェロールと、トコフェロールの水酸基の修飾物又はビタミンE活性を有する化合物群から選ばれる1種又は2種以上を意味する。中でも特に好ましいものは、抗酸化能が最も高いδ−トコフェロールである。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかるトコフェロール類は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかるトコフェロール類の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.001〜0.6質量%であり、更に好ましくは、0.005〜0.1質量%である。
(4)本発明の皮膚外用剤の好ましい成分である天然有機ガム質
本発明の皮膚外用剤は、天然有機ガム質を任意成分として含有する。かかる天然有機ガム質としては、例えば、微生物の産物たるキサンタンガム、ジェランガム、海藻由来のカラギーナンガム、植物由来のクィンシードガム(マルメロ種子の抽出物)やグァーガム等が好適に例示出来、特に好ましくは、キサンタンガム、クィンシードガム及びグァーガムから選択される1種又は2種以上である。これらは何れも化粧料用の原料であるので、その皮膚外用剤への使用は問題なく行え、又、多くの市販品も存することからその入手もたやすい。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかる天然有機ガム質を唯一種含有させることも出来るし、二種以上組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかる天然有機ガム質の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して0.01〜5質量%であり、更に好ましくは、0.05〜2質量%である。
(5)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分である、1)4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩から選択される1種又は2種以上を0.6〜10質量%、及び、2)ポリオキシエチレン鎖を有する化合物群から選択される1種又は2種以上を0.05〜10質量%を含有することを特徴とする。また、本発明の皮膚外用剤は、好ましくは、さらに上記トコフェロール類もしくは天然有機ガム質、又はこれらの両方を含有する。
本発明の皮膚外用剤は、かかる構成を取ることにより、ポリオキシエチレン基を安定化させ、極微量のポリオキシエチレン鎖の分解によるアルデヒド類の発生を抑制することが出来る。ここで、本発明に言う、皮膚外用剤とは、皮膚に外用で用いられる製剤全般を包括して示す言葉であり、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が包括されている。
本発明の皮膚外用剤で特に好ましいものは、化粧料(但し、医薬部外品を含む)であり、前記の観点から、化学物質に対して過敏な人用の化粧料に適用するものであることが特に好ましい。本発明の皮膚外用剤においては、前記必須成分及び好ましい任意成分以外に、通常、皮膚外用剤で使用される成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イ
ソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、イソプレングリコールなどのポリエチレングリコール以外の多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレン基を側鎖に有しない非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、スルホコハク酸エステル塩などのポリオキシエチレン基を側鎖に有しないアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、ヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、リボフラビン、ピリドキシンなどのビタミンやグリチルレチン酸塩、グリチルリチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。
特に好ましいものは、多価アルコールであり、中でも、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等が好ましく、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。これらは、保湿作用を発揮しながら防腐効果を付与する作用を有する。かかる成分は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して1〜10質量%である。本発明の皮膚外用剤は、かかる必須成分と、任意成分と、好ましい成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
本発明の皮膚外用剤の剤形としては、皮膚外用剤で知られている剤形であれば特段の限定無く適用することが出来、例えば、ローション、エッセンス、乳液、クリーム、ジェル等が好ましく例示できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に具体的に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
ポリオキシエチレン基を有する化合物と、4−n−ブチルレゾルシノールとの相互作用を検討した。即ち、10質量部のポリオキシエチレン基を有する化合物に、濃度を振って4−n−ブチルレゾルシノールを添加し、60℃、1ヶ月の過酷条件で保存した。尚、溶媒は0.1mMリン酸緩衝液(pH5)を用いた。保存後、溶液中のアルデヒド類を4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(AHMT)吸光光度法で定量した。即ち、検体を水酸化ナトリウムでアルカリ性(pH9〜11)とし、AHMT溶液と反応させ、過ヨウ素酸カリウムを加えて定色した赤色の550nmを測定し、予め用意した検量線より、検体中のアルデヒド量をホルムアルデヒドとして定量した。結果を表1に示す(単位はppb)。
これより、4−n−ブチルレゾルシノールを0.6質量%以上、より好ましくは1.2
質量%以上含有することにより、ホルムアルデヒドの発生が著しく抑制されることが判る。
Figure 2005082554
<実施例2>
実施例1と同様に、更にδ−トコフェロールを添加した系で検討を行った。結果を表2に示す。これより、4−n−ブチルレゾルシノールを添加しない系では、あまりδ−トコフェロールの添加効果が見られないにもかかわらず、4−n−ブチルレゾルシノール添加系では、δ−トコフェロールの添加効果が如実であることが判る。特に4−ブチルレゾルシノールの添加量が0.6〜1.2質量%のところでは、δ−トコフェロールなどトコフェロール類の添加効果が如実であり、好ましいと言える。
(溶媒)
0.1mMリン酸緩衝液(pH5) 79.94質量部
エタノール 10 質量部
被験物質 10 質量部
δ−トコフェロール 0.06質量部
Figure 2005082554
<比較例>
実施例1の4−n−ブチルレゾルシノールをアスコルビン酸に置換して、実施例1と同様の検討を行った。その結果を表3に記す。これより、アスコルビン酸には4−n−ブチルレゾルシノールに見られるような効果が存しないことが判る。
Figure 2005082554
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等の分野で有用である。

Claims (6)

  1. 1)4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩から選択される1種又は2種以上を0.6〜10質量%、及び、2)ポリオキシエチレン鎖を有する化合物群から選択される1種又は2種以上を0.05〜10質量%を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  2. さらに、トコフェロール類を含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. トコフェロール類の含有量が、0.001〜0.6質量%であることを特徴とする、請求項2に記載の皮膚外用剤。
  4. さらに、天然有機ガム質を含有することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 天然有機ガム質が、キサンタンガム、クィンシードガム及びグァーガムから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の皮膚外用剤。
  6. 天然有機ガム質の含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の皮膚外用剤。
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