JP2005080838A - フィルム状口腔内投与剤の圧着装置 - Google Patents

フィルム状口腔内投与剤の圧着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧着させた口腔内投与剤層を挟む2枚の樹脂フィルムの一方のみ剥離し、意図したもう一方の樹脂フィルム上に口腔内投与剤層を確実に保持させることができる、フィルム状口腔内投与剤の圧着装置を提供する。
【解決手段】 投与剤層がそれぞれ形成された2枚の樹脂フィルム同士を、投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧する一対の押圧ローラ11、11と、圧着品12の2枚の樹脂フィルムのうちの一方の樹脂フィルム12bを、押圧ローラの加圧部における接線方向に略一致させて搬送させる搬送機構と、押圧ローラからの一方の樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に設けられた直径6cm以下の剥離ロール13と、剥離ロールの周面に沿って、圧着品の2枚の樹脂フィルムのうちの他方の樹脂フィルム12aのみを、一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込む巻き取り軸14とを備えた構造の圧着装置とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、食品、医薬部外品、医薬品、化粧料などのうちの可食性の口腔内投与物を薄い層に形成し、これを多層に積層するためのフィルム状口腔内投与剤の圧着装置に関する。
具体的には、例えば食品および消臭作用や健康維持効果等の作用を有する医薬部外品、さらには上顎や歯茎の粘膜や鼻空粘膜等の口腔内における経粘膜貼付剤、口腔内の患部に貼付して治療・保護を行う口腔内疾患予防貼付剤、口腔内治療貼付剤、および口腔内において溶解して消化管吸収や口腔内粘膜吸収せしめる経口投与用の医薬口腔内投与剤ならびに口臭予防貼付剤、口臭防止貼付剤、化粧料などの経口投与物において、これらを薄い層に形成して多層に積層するフィルム状口腔内投与剤の圧着装置に関する。
食品、医薬部外品、医薬品、化粧品等を多層のフィルム状あるいはシート状にして口腔内投与剤化する装置は、従来から種々提案されている。なお、本明細書においては、フィルム状やシート状等の薄い層状を総称する用語として「フィルム状」という用語を使用している。
例えば特許文献1および特許文献2には、仕切板で仕切られたホッパーに種類や配合の異なる可食性素材をそれぞれ投入し、ホッパー下の第1次圧延ロールで帯状の第1次圧延シートを複数形成し、それを搬送過程でシートの長手方向と垂直な方向に一定間隔を保持して重ね合わせて、第2次ローラで圧延接着することによって多層体構造の食品を製造する食品装置が記載されている。しかし、この装置は、圧延可塑性を有するクッキー生地、パイ生地、クラッカー生地といった厚手の多層シートを形成するもので、厚さ数百μm〜数十μmの極めて薄い複数層の可食性素材を圧着して全体の厚さが数千μm〜数十μm程度の薄い多層体構造を形成する食品等の口腔内投与剤を製造できるものではない。
数千μm〜数十μmの厚さのフィルム状可食性多層構造を得るものに係わる特許文献として次のものがある。
特許文献3には、口腔粘膜部にプフレノルフィンを投与するためのシート状又はテープ状の口腔内投与剤が記載されており、プフレノルフィンを含む口腔内投与剤層調製液をテープ、シートまたはフォイルに塗布して乾燥させ、これらを組み合わせて多層とすることが記載されているが、多層構造を得るための具体的な製造装置については一切教示されていない。
しかも、特許文献3には、口腔内投与剤層調製液をテープ、シートまたはフォイルに塗布して乾燥させたものを、そのまま投薬単位または複数投薬単位に切断または穴開けによって分離しているので、口腔内に投与する際にその切断物からテープ、シートまたはフォイルを剥がすのが面倒であり、またテープ、シート、フォイル等の口腔内で違和感を持つ素材を剥がさずに使用する場合には、おのずと使用する用途も限定され、さらに、可食性でない素材の場合にはその用途は一層限定されてしまう。
特許文献4には、薬物含有層と非接着層と接着層からなる多層構造のフィルム口腔内投与剤が記載されている。またその製造方法としては、ポリ四フッ化エチレン(登録商標:テフロン)シャーレ上に、口腔内投与剤層調製液を塗布または噴霧し、塗布または噴霧した口腔内投与剤層調製液の乾燥を行った後にシャーレより剥離する操作を繰り返し行って、所要の多層構造を有するフィルム口腔内投与剤を得ることが実施例に開示されているが、製造装置については一切教示されていない。
本願と同一出願人により特許出願された特許文献5には、コーティング層(a)、薬物層I(b)、薬物層II(c)の3種の層を、a、b、c、b、aの順に積層してなるフィルム状トローチ剤が提案されている。各口腔内投与剤層調製液のポリエステル剥離フィルム上への展延乾燥を繰り返すことにより、所望の多層構造を形成し、得られた製品を直径12〜15mmの円形状に打ち抜き、フィルム状トローチ剤である口腔内投与剤を得ることが記載されている。
WO98/56266号公報 特開2002−191343号公報 特表2001−506640号公報 特開平9−235220号公報 特開2001−288074号公報
かかる状況において、出願人は、複数の薄い層を積層してなる多層構造のフィルム状口腔内投与剤を得るために、口腔内投与剤層調製液を樹脂フィルムの表面上に展延して乾燥することにより所定厚さの口腔内投与剤層を形成した樹脂フィルムを製造し、これらの樹脂フィルム同士を、口腔内投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で各樹脂フィルムの裏面から加圧して口腔内投与剤層を圧着させ、相互に密着させた口腔内投与剤層を挟む2枚の樹脂フィルムの一方を剥ぎ取ることを試みた。
すると、可食性の口腔内投与剤は、それだけで自立してフィルムを形成できる程度の強度を持っているので、剥ぎ取った樹脂フィルムの方に口腔内投与剤層が付着してしまい、意図したもう一方の樹脂フィルムの方に口腔内投与剤層を保持できなくなるという事態が生ずることがあった。
さらに、複数層を積層させた多層構造のフィルム状口腔内投与剤を所定の形状に製剤化するには、樹脂フィルム表面上に多層の口腔内投与剤層を形成する際の塗工、乾燥および圧着の繰り返し工程はできるだけ幅広の樹脂フィルムを用いて行い、これを所定の細幅に切り分けた後に、所定の形状に打ち抜く製剤化工程に供給するのが効率的である。しかし、表面上に口腔内投与剤層を保持した幅広の樹脂フィルムをむやみに細幅に切り分けると、樹脂フィルムに保持された口腔内投与剤層に歪み、シワ、亀裂等が生じるといった問題がある。
そこで本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであって、厚さ数百μm〜数十μmの極めて薄い複数層を圧着して全体の厚さが数千μm〜数十μm程度の薄い多層体構造を形成するに際して、圧着させた口腔内投与剤層を挟む2枚の樹脂フィルムの一方のみ剥離し、意図したもう一方の樹脂フィルム上に口腔内投与剤層を確実に保持させることができる、フィルム状口腔内投与剤の圧着装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、口腔内投与剤層を保持した幅広の樹脂フィルムを製剤化工程へ供給するに際して細幅に切り分ける場合に、樹脂フィルムに保持された口腔内投与剤層に歪み、シワ、亀裂等が生じることがなく生産性や操作性に優れた、フィルム状口腔内投与剤の圧着装置を提供することを目的とする。
さらにまた本発明は、複数層を圧着させて多層構造の口腔内投与剤層を製造するに際して、多種類の投与剤層を所望の数だけ積層圧着させて、各種用途に適応しうる多層構造の口腔内投与剤層を得ることができる融通性を備え、かつ装置全体としてコンパクトなフィルム状口腔内投与剤の圧着装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明の請求項1に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、
表面上に所定厚さの口腔内投与剤層がそれぞれ形成された2枚の樹脂フィルム同士を、口腔内投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧する一対の押圧ローラと、
前記一対の押圧ローラから送出され相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの一方の樹脂フィルムを、前記一対の押圧ローラの加圧部における接線方向に略一致させて搬送させる搬送機構と、
前記一対の押圧ローラからの前記一方の樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に設けられた直径6c以下の剥離ロールと、
この剥離ロールの周面に沿って、相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの他方の樹脂フィルムのみを、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込む巻き取り軸と、
を備えたことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、フィルム状口腔内投与剤は、それだけで自立してフィルムを形成できる強度を持っているので、剥離される他方の樹脂フィルムに口腔内投与剤層が付着してしまい、意図した前記一方の樹脂フィルムに口腔内投与剤層を保持できなくなるというトラブルが生じやすいが、一対の押圧ローラからの前記一方の樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に剥離ローラを設け、その剥離ローラの直径を6cm以下と小さくし、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込んで剥離させることにより、意図した一方の樹脂フィルムに口腔内投与剤層を確実に保持させることができるようになり、生産性に優れた圧着装置が提供できる。
本発明の請求項2に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項1において、前記剥離ロールは、前記他方の樹脂フィルムの移動に伴って伴回りするように回動自在に設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明によれば、剥離される他方の樹脂フィルムの移動に伴って剥離ロールが伴回りすることによって、他方の樹脂フィルムのみの剥離を円滑に行なうことができる。
本発明の請求項3に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項1または2において、前記剥離ロールを起点として、前記他方の樹脂フィルムのみを、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と45度以上の角度をなして引き込む位置に前記巻き取り軸が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3の発明によれば、所定の位置に巻き取り軸を設けることによって、他方の樹脂フィルムのみの剥離をより円滑に、かつ確実に行なうことができる。
本発明の請求項4に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項1〜3のいずれか1項において、表面上に所定厚さの口腔内投与剤層がそれぞれ形成された前記2枚の樹脂フィルムを前記一対の押圧ローラへそれぞれ供給する一対の巻き出しロールと、前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離され、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールとが設けられ、かつ、前記巻き出しロールと巻き取りロールは、寸法および構造が略同じで、相互に取り替え可能とされていることを特徴とするものである。
請求項4の発明によれば、巻き取りロールと巻き出しロールが相互に取り替え可能とされてため、本発明の圧着装置により得られた複数口腔内投与剤層を保持する樹脂フィルムを巻き取りロールに巻き取って一旦ロールフィルムとしたものを、そのまま再度圧着装置の出発材料として、もう一つのロールフィルムと圧着させることにより、多層構造のフィルム状口腔内投与剤の形成をバッチ方式により簡便に実施することができる。
すなわち、本発明の圧着装置により得られた複数口腔内投与剤層を保持する樹脂フィルムを一旦巻き取りロールにバッチ方式で巻き取ってロールフィルムとし、このロールフィルムをそのまま、巻き出しロールに巻き取られた原料ロールフィルムとして圧着装置にセットし、これと同一成分または異種成分の単層または複数層からなる口腔内投与剤層を保持した樹脂フィルムを巻き出しロールに巻き取ったもう一つの原料ロールフィルムを同様に圧着装置にセットし、それぞれのロールフィルムから巻き出された2枚の樹脂フィルム同士を、口腔内投与剤層が互いに対向するように重ね合わせて一対の押圧ローラに引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧することにより、多数の口腔内投与剤層が多重に密着積層された多層構造のフィルム状口腔内投与剤をバッチ方式により効率よく極めて容易に製造することが可能となる。かようなバッチ操作を必要に応じて種々組み合わせることによって、各種用途に適用しうる多種類の多層構造のフィルム状口腔内投与剤を製造できる融通性を備えた圧着装置を提供することができる。
本発明の請求項5に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項1〜4のいずれか1項において、前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離され、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを、搬送方向と平行に細幅に切断するスリッターと、前記スリッターにより複数本に切断された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る複数の巻き取りリールとが設けられ、かつ、前記複数の巻き取りリールは、その鍔部を除く巻き取り軸部が隙間なく前後に互い違いに列をなして配置されていることを特徴とするものである。
請求項5の発明によれば、スリッターによって複数本に切断分割された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを、それぞれ対応する巻き取りリールで1本ずつ個別に巻き取るに際して、前後に互い違いに列をなして配置された巻き取りリールの巻き取り軸部を隙間なく並べてあるので、複数本に切断分割された細幅の樹脂フィルム同士の間隔を空ける必要がないため、樹脂フィルムに保持された口腔内投与剤層に歪み、シワ、亀裂等を生じさせることなく、細幅に切断分割された樹脂フィルムを1本ずつ個別にかつ円滑に巻き取りリールに巻き取ることができる。
本発明の請求項6に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項1〜3のいずれか1項において、前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離されて、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムに対して、搬送方向と平行に細幅に切断するオン状態と、切断を行わないで通過させるオフ状態とに切り替え可能なスリッターが設けられると共に、オン状態の前記スリッターによって複数本に切断された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る複数の巻き取りリールを軸支するシャフトと、オフ状態の前記スリッターを通過して切断されずに前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールとが、相互に取り替え可能とされていることを特徴とするものである。
請求項6の発明によれば、スリッターを機能させて細幅の複数本の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る巻き取りリールを軸支するシャフトを、複数口腔内投与剤層を保持した幅広の樹脂フィルムをバッチ方式で巻き取る巻き取りロールに交換することができ、これにより、スリッターによる樹脂フィルムの切断分割操作と、スリッターを機能させないバッチ式の圧着操作とを必要に応じて簡単に切り替えることが可能となり、装置全体がコンパクトで設置面積も少なくてすむフィルム状口腔内投与剤の圧着装置を提供できる。
本発明の請求項7に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項5または6において、前記複数の巻き取りリールを軸支するシャフトはその両端がフレームにより支持され、前記シャフトの一端は前記フレームの一方に片持ち可能に支持されるとともに、片持ちされた前記シャフトの他端を支持する他方のフレームは起倒自在にされていることを特徴とするものである。
請求項7の発明によれば、シャフトの一端をフレームに片持ちさせ、他端を支持するフレームを倒すことにより、シャフトを片持ちさせた状態で、シャフトに軸支させる巻き取りリールのシャフトに対する取り付けや取り外しが簡便かつ迅速に行うことができ、複数の巻き取りリールを軸支しているシャフトごと移動させる必要がないため、作業性が極めてよい。
本発明の請求項8に係るフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、上記した請求項5〜7のいずれか1項において、前記各巻き取りリールは前記シャフトに対して回転可能に支持されるとともに、前記シャフトの一端側に配設されたスプリングにより各巻き取りリール側壁が押圧されて前記シャフトの他端側に付勢され、このスプリングによる付勢力によりシャフトの回転が巻き取りリールに伝達されるようにしたことを特徴とするものである。
請求項8の発明によれば、巻き取りリール側壁を押圧するスプリングによる付勢力によりシャフトの回転が巻き取りリールに伝達されるので、このスプリングの付勢力を調整することによって、巻き取りリールがシャフトに対してスリップする程度を調整することができる。
すなわち、スプリングの付勢力を強めることにより、巻き取りリールとシャフトとの間のスリップが少なくなるため、シャフトの回転の巻き取りリールへの伝達が大となり、巻き取りリールによる樹脂フィルムの巻き取り力を高めることができる。逆に、スプリングの付勢力を弱めた場合には、巻き取りリールとシャフトとの間でスリップしやすくなるため、シャフトの回転の巻き取りリールへの伝達が小となり、巻き取りリールによる樹脂フィルムの巻き取り力を弱めることができる。このようにして、巻き取りリールへの樹脂フィルムの巻き取り量の変動に伴う巻き取り力の制御を簡単に行うことができ、高価な制御装置を設置する必要がない。
本発明において、上述した請求項5に記載のスリッターと巻き取りリールを具備する構造を不可欠な構成とした場合には、以下のように記載することができる。すなわち、本発明によるフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、
表面上に所定厚さの口腔内投与剤層がそれぞれ形成された2枚の樹脂フィルム同士を、口腔内投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧する一対の押圧ローラと、
前記一対の押圧ローラから送出され相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの一方の樹脂フィルムを、前記一対の押圧ローラの加圧部における接線方向に略一致させて搬送させる搬送機構と、
前記一対の押圧ローラからの前記一方の樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に設けられた剥離ロールと、この剥離ロールの周面に沿って、相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの他方の樹脂フィルムのみを、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込む巻き取り軸とからなる樹脂フィルム剥離機構と、
前記他方の樹脂フィルムが前記樹脂フィルム剥離機構により剥離され、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを、搬送方向と平行に細幅に切断するスリッターと、
前記スリッターにより複数本に切断された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る複数の巻き取りリールと
を備え、
かつ、前記複数の巻き取りリールは、その鍔部を除く巻き取り軸部が隙間なく前後に互い違いに列をなして配置されていることを特徴とするものである。
同様に、本発明において、上述した請求項6に記載のスリッターと巻き取りリールを具備する構造を不可欠な構成とした場合には、以下のように記載することができる。すなわち、本発明によるフィルム状口腔内投与剤の圧着装置は、
表面上に所定厚さの口腔内投与剤層がそれぞれ形成された2枚の樹脂フィルム同士を、口腔内投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧する一対の押圧ローラと、
前記一対の押圧ローラから送出され相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの一方の樹脂フィルムを、前記一対の押圧ローラの加圧部における接線方向に略一致させて搬送させる搬送機構と、
前記一対の押圧ローラからの前記一方の樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に設けられた剥離ロールと、この剥離ロールの周面に沿って、相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの他方の樹脂フィルムのみを、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込む巻き取り軸とからなる樹脂フィルム剥離機構と、
前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離されて、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムに対して、搬送方向と平行に細幅に切断するオン状態と、切断を行わないで通過させるオフ状態とに切り替え可能なスリッターとが設けられると共に、
オン状態の前記スリッターによって複数本に切断された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る複数の巻き取りリールを軸支するシャフトと、オフ状態の前記スリッターを通過して切断されずに前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールとが、相互に取り替え可能とされていることを特徴とするものである。
本発明の圧着装置によれば、フィルム状口腔内投与剤は、それだけで自立してフィルムを形成できる強度を持っているので、剥離される他方の樹脂フィルムに口腔内投与剤層が付着してしまい、意図した一方の樹脂フィルムに口腔内投与剤層を保持できなくなるというトラブルが生じやすいが、一対の押圧ローラから送出される樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に剥離ローラを設け、その剥離ローラの直径を6cm以下と小さくし、一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込んで剥離させることにより、意図した一方の樹脂フィルムに口腔内投与剤層を確実に保持させることができるようになり、生産性に優れた圧着装置が提供できる。
剥離される樹脂フィルムの移動に伴って上記の剥離ロールを供回りするようにしたり、剥離ロールを起点として、剥離される樹脂フィルムのみを、一方の樹脂フィルムの搬送方向と45度以上の角度をなして引き込む位置に上記の巻き取り軸を設けることにより、剥離すべき樹脂フィルムの剥離を円滑かつ確実に行うことができる。
また、口腔内投与剤層がそれぞれ形成された2枚の樹脂フィルムを、一対の押圧ローラへそれぞれ供給する一対の巻き出しロールと、圧着品を巻き取る巻き取りロールの両方を、寸法および構造が略同じで、相互に取り替え可能とすれば、圧着品を巻き取りロールに巻き取って一旦ロールフィルムとしたものを、そのまま再度圧着装置の出発材料として巻き出しロールの位置にセットすることにより、多層構造のフィルム状口腔内投与剤の形成をバッチ方式により簡便に実施することができる。
さらに、スリッターによって複数本に切断分割された圧着製品を、それぞれ対応する巻き取りリールで1本ずつ個別に巻き取るに際して、前後に互い違いに列をなして配置された巻き取りリールの巻き取り軸部を隙間なく並べる構成とすることにより、複数本に切断分割された細幅の圧着製品同士の間隔を空ける必要がないため、圧着製品に保持された口腔内投与剤層に歪み、シワ、亀裂等を生じさせることなく、細幅に切断分割された圧着製品を1本ずつ個別にかつ円滑に巻き取りリールに巻き取ることができる。
また、スリッターを機能させて細幅の複数本の圧着製品を1本ずつ個別に巻き取る巻き取りリールを軸支するシャフトと、圧着品を巻き取る巻き取りロールとを、相互に取り替え可能とすることにより、スリッターによる圧着製品の切断分割操作と、スリッターを機能させないバッチ式の圧着操作とを必要に応じて簡単に切り替えることが可能となり、装置全体がコンパクトで設置面積も少なくてすむフィルム状口腔内投与剤の圧着装置を提供できる。
さらに、複数の巻き取りリールを軸支するシャフトの両端をフレームにより支持し、シャフトの一端を一方のフレームに片持ちさせ、他端を支持する他方のフレームを起倒自在とすることにより、シャフトを片持ちさせた状態で、シャフトに軸支させる巻き取りリールのシャフトに対する取り付けや取り外しを簡便かつ迅速に行うことができ、複数の巻き取りリールを軸支しているシャフトごと移動させる必要がないため、作業性が極めてよい。
上記した各巻き取りリールをシャフトに対して回転可能に支持し、シャフトの一端側に配設されたスプリングにより各巻き取りリール側壁が押圧されてシャフトの他端側に付勢するように構成することにより、巻き取りリール側壁を押圧するスプリングによる付勢力によりシャフトの回転が巻き取りリールに伝達されるので、このスプリングの付勢力を調整することで、巻き取りリールがシャフトに対してスリップする程度を調整することができる。これによって、巻き取りリールへの樹脂フィルムの巻き取り量の変動に伴う巻き取り力の制御を簡単に行うことができ、高価な制御装置を設置する必要がない。
樹脂フィルムの表面に所定厚さの口腔内投与剤層(以下「投与剤層」と略記する)を形成するに際しては、図1に図示したごとき塗工装置100が好ましく使用できる。この塗工装置100は、樹脂フィルム巻き出しロール101にセットした樹脂フィルム102を、ガイドロール103とドクターロール104の間を通して乾燥炉105内に導き、樹脂フィルム巻き取りロール106で巻き取ることにより、樹脂フィルム102を連続的に移動させる。この間に、投与剤層調製液供給用ダム部107に供給した投与剤層調製液108が樹脂フィルム上に塗布され、この際、ガイドロール103上の樹脂フィルム102とドクターロール104とのクリアランスを所定寸法に調整することにより所定の塗布量とすることができる(部分拡大図参照)。かくして形成された樹脂フィルム102上の塗布層108aは、乾燥炉105を通過することにより、熱風吹き出し装置109から均一に吹き出された熱風により乾燥され、投与剤層が形成された樹脂フィルム110が巻き取りロール106にロール状に巻き取られる。
次いで、この巻き取りロール106にロール状に巻き取った投与剤層形成樹脂フィルム110を、再度巻き出しロール101に取り付け、同一成分または異種成分の投与剤層調製液108をダム部107に供給して再び塗布と乾燥を施し、巻き取りロール106に巻き取ることにより、二層の投与剤層が積層形成された樹脂フィルムを製造することができ、かような塗布と乾燥を複数回繰り返すことにより、同一成分の投与剤層の厚さを増加させたり、各種成分からなる複数層の投与剤層を形成させることも可能である。
しかしながら、塗布・乾燥の回数が増すほど、投与剤層調製液の塗布量が不正確となるとともに、乾燥に要する時間が長くなるため、塗布・乾燥の繰り返し回数は2〜3回程度、好ましくは1回に止めることが望ましい。また、1回の塗布で樹脂フィルム表面上に形成する投与剤層の厚さは、1〜300μm程度とすることが望ましい。1回の塗布厚を300μmより厚くした場合には、乾燥時間が長くなりすぎて生産性が悪くなる。
図1の塗工装置100を用いて、単一の塗布あるいは同一成分または異種成分による複数の塗布を施し、表面上に所定厚さの投与剤層が形成された樹脂フィルム110を製造する。このようにして製造された数種類の投与剤層形成樹脂フィルム110は、それぞれ巻き取りロール106でロール状に巻かれてロールフィルムとされた後、図2に図示した本発明の圧着装置10を用いて2枚の投与剤層形成樹脂フィルムを圧着し、薄い層が多数積層された多層構造を有するフィルム状の投与剤層を樹脂フィルム上に形成することができる。
図2は本発明の圧着装置10の実施例を示すものであり、例えば図1の塗工装置100を用いて製造された所定厚さの投与剤層が表面上に形成された2枚の樹脂フィルム同士を、投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧する一対の押圧ローラ11、11と、押圧ローラから送出され相互に密着された複数投与剤層を挟む2枚の樹脂フィルム(圧着品)12の1枚12aのみを剥離する剥離ロール13と、剥離したフィルムを巻き取る巻き取り軸14と、剥離後に残される複数投与剤層保持樹脂フィルム(圧着製品)12bを巻き取る巻き取りロール15とを備えている。
この巻き取りロール15を駆動ロールとするとともに、押圧ローラ11、11の1つのローラを駆動ロールとし、さらに剥離ロール13と巻き取りロール15との間に別途駆動ロール16を配設し、これら3つの駆動ロールが、複数投与剤層保持樹脂フィルムの搬送機構となり、押圧ローラ11、11から送出された複数投与剤層保持樹脂フィルム12bを巻き取りロール15へ搬送することができる。
搬送機構により複数投与剤層保持樹脂フィルム12bが搬送される方向は、図2に示したように、一対の押圧ロール11、11の加圧部における接線方向と一致させているが、必ずしも接線方向と正確に一致させなくても、図3に図示したように、接線方向Tと搬送方向Cとのズレが30°以内、好ましくは15°以内、さらに好ましくは10°以内といった程度に略一致させればよい。換言すれば、搬送方向を図3の矢印Y1と矢印Y2との間の範囲内とすればよい。
剥離ロール13は、押圧ローラ11、11から送出される複数投与剤層保持樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に設置されており、相互に密着された複数投与剤層を挟む2枚の樹脂フィルム12の1枚12aのみを、複数投与剤層保持樹脂フィルム12bの搬送方向とは異なる方向に引き込む巻き取り軸14で巻き取ることにより、剥離することができる。この剥離ロール13は剥離される樹脂フィルム12aの移動に伴って伴回りするように回動自在に設けられている。
複数層からなる投与剤層は、それだけで自立したフィルムを形成できる程度の強度を持っているため、剥離すべき樹脂フィルム12aの方に投与剤層が付着してしまい、もう一方の樹脂フィルム12bの方に投与剤層を保持させることができなくなる事態が生ずることがある。そこで本発明においては、図4に示したように、剥離ロール13の直径Dを6cm以下、好ましくは5cm以下と小さくし、直径の小さい剥離ロール13の周面に沿ってできるだけ急角度で剥離することにより、意図した一方の樹脂フィルム12bに複数投与剤層が確実に保持残留されるようにしている。また、剥離される樹脂フィルム12aを巻き取る巻き取り軸14は、剥離ロール13を起点として、剥離される樹脂フィルム12aを、複数投与剤層保持樹脂フィルム12bの搬送方向Cと45°以上、好ましくは60°以上の角度をなして引き込む位置に設けることが望ましい。なお、図4に示した例では、搬送方向Cと約80°の角度で剥離フィルム12aを引き込む位置に巻き取り軸14を設けている。
図2に示した本発明の圧着装置10の動作は以下の通りである。表面上に投与剤層が形成された樹脂フィルムのロールフィルム17(例えば図1の106)を、圧着装置10の上部巻き出しロール18にセットし、もう一つのロールフィルム19を下部巻き出しロール20にセットする。これらのロールフィルム17、19をそれぞれ所定速度で巻き出し、各投与剤層面が互いに対向するように重ね合わせて、一対の押圧ローラ11、11の間を通過させることにより、樹脂フィルムの裏面から加圧されて、投与剤層相互が密着する。
押圧ローラ11、11により加圧するに際しては、押圧ローラの温度を30〜150℃、好ましくは30〜80℃とする。この温度は、樹脂フィルムの種類や、投与剤層に用いる物質の種類等により適宜選定する必要があるが、投与剤層が若干軟化して密着しやすくなる温度とすることが好ましい。過度の高温は、投与剤層が溶融して投与剤層内の溶媒が揮発し突沸する危険があるため避けるべきであり、温度が低すぎると密着が十分になされなくなる場合がある。また、押圧ローラによる加圧圧力は、0.05〜1.5MPa、好ましくは0.1〜0.7MPaとする。過度の圧力は、投与剤層が展延されてしまい単位面積当たりの量的精度に影響を及ぼし好ましくない。また、圧力が低すぎると十分な密着が得られない。
押圧ローラ11、11を通過した圧着品12は、その両面が樹脂フィルムで覆われ、それらの間に複数投与剤層が密着して積層された構造を有している。この圧着品12が剥離ロール13を通過した時点で、上面を覆っている樹脂フィルム12aのみを剥離し、剥離した樹脂フィルム12aを剥離フィルム巻き取り軸14により巻き取ることによって、圧着品12から樹脂フィルム12aを連続的に剥離することができる。かくして得られた圧着製品12b、すなわち表面上に複数投与剤層を保持している樹脂フィルムは、巻き取りロール15によりロール状に巻き取られ、複数投与剤層保持ロールフィルム12cが形成される。
この複数投与剤層保持フィルム(圧着製品)12bにさらに別な投与剤層を積層する場合には、以下のようにする。すなわち、上記で得られた複数投与剤層保持ロールフィルム12cを巻き取りロール15から取り外して、図2の上部巻き出しロール18にセットし、同様に形成した別の複数投与剤層保持ロールフィルム12cを、下部巻き出しロール20にセットし、上述した圧着操作と全く同様な操作を繰り返して行えばよい。このとき、巻き取りロール15と巻き出しロール18、20とを、寸法および構造が略同じで、相互に取り替え可能とすることにより、巻き取りロール15に巻き取ったロールフィルム12cを、そのまま番号18、20の位置にセットして再度圧着装置10の出発材料として複数回の圧着操作を繰り返すことができ、より多数の投与剤層が積層された多層構造のフィルム状口腔内投与剤をバッチ方式により簡便に実施することが可能となる。
投与剤層を保持した二つの樹脂フィルムを押圧ローラ11、11の間に通して圧着する際に、二つの樹脂フィルムの間に空気を巻き込んだ場合には、貼り合わせ不良が生じる。この場合には、圧着装置10の運転を停止することなく、図5に示したように、押圧ローラ11、11の下流に設置した一対のロール21、21の間隙を狭めて閉じるとともに、押圧ローラ11、11の間隙を開けて開放する。この操作により、二つの樹脂フィルム間に巻き込まれた空気は閉じられたロール21、21により容易に押し出されて除去される。空気が除去された後に、押圧ローラ11、11を閉じてロール21、21を開放することにより、図2に図示したような正常な圧着運転に戻すことができる。
図2の圧着装置10における巻き出しロール18、20と巻き取りロール15における樹脂フィルムの巻き出しおよび巻き取り時の張力制御には、従来から慣用されているパウダーブレーキとパウダークラッチを用いることができる。すなわち、巻き出しロール側18、20に設置したパウダーブレーキ(図示せず)においては、巻き径が小さくなるに従って、パウダーブレーキに加える電圧を減少させることによりブレーキ力を弱め、張力を斬減させるように制御する。一方、巻き取りロール15側に設置したパウダークラッチ(図示せず)においては、巻き径を自動監視し、巻き径に応じた電圧でパウダークラッチの伝達力を制御することにより、巻き取り張力を常に一定に維持する。すなわち、巻き径が大きくなるに伴ってパウダークラッチへの印加電圧を大きくし、パウダークラッチの伝達力を大きくするように制御する。
投与剤層を保持した樹脂フィルムを押圧ローラ11、11により圧着する上述した圧着操作は、できるだけ幅広の樹脂フィルムを用いて行い、これを所定の細幅に切断分割した後に、所定の形状に打ち抜く製剤化工程に供給することが効率的である。そのため図2に示した本発明の圧着装置10の実施例においては、押圧ローラ11、11から送出される圧着品のうちの上面を覆っている樹脂フィルム12aのみを剥離ローラ13により剥離した後、複数投与剤層保持樹脂フィルム12bの搬送方向に沿った位置で、複数投与剤層保持樹脂フィルム12bを搬送方向と平行に細幅に切断するスリッター30を設置している。
このスリッター30は、図6に示した実施例においては、駆動ロール16と組み合わされて構成されており、駆動ロール16に対向させて設けた複数の円盤状刃31が上下動可能とされている。すなわち、図2および図5に図示されているように、幅広の複数投与剤層保持樹脂フィルム12bを巻き取りロール15で巻き取る際には、円盤状刃31が上方位置にあり、円盤状刃31とその下の駆動ロール16との間隙が開いて開放された状態とされてスリッター30は機能しない。一方、最終圧着製品となる複数投与剤層保持樹脂フィルムを細幅に切断する際には、図6に示したように、円盤状刃31が下方に移動し、円盤状刃31とその下の駆動ロール16との間隙が閉じられて、ここを通過する幅広の最終圧着製品(幅広圧着製品)32aが細幅の圧着製品(細幅圧着製品)32bに切断分割される。細幅に切断分割された複数本の細幅圧着製品32bは、1本ずつ個別に複数の巻き取りリール33a、33bにそれぞれ巻き取られる。
幅広圧着製品32aの複数投与剤層の幅が例えば460mmであり、これをスリッター30により幅36mmの12本の細幅圧着製品32bに切断する場合、投与剤層の幅方向に13枚の円盤状刃31を36mm間隔で互いに平行となるように並列させて設ける。投与剤層両端部の切断カス32cは、カス巻き取り軸35で巻き取られて除去される。
スリッター30は、図7および図8に示したような複数個(例えば13個)のスリッターユニット36、36を投与剤層の幅方向、すなわち駆動ロール16の幅方向に等間隔で並列させた構造を有しており、各スリッターユニット36にはそれぞれ1枚ずつ円盤状の刃31が組み込まれ、隣り合うスリッターユニットの刃31が例えば36mm間隔で互いに平行となるように配置されている。図7には図示を簡略化するために駆動ロール16の幅方向に並列させた2個のスリッターユニット36、36のみ示してある。各スリッターユニット36においては、円盤状の刃31の回転軸31aは軸受37により回転自在に支持され、刃31と軸受37は2枚の側壁38、38の間に上下動自在(矢印Y3)に収納され、刃31の回転方向(図8の矢印Y4)前方下端に至る刃の一部分31bが側壁38から突出している。側壁38頂部にはエアバッグ収納部39が設けられ、その内部には、エアチューブ40と接続されたフレキシブルなエアバッグ41が収納されていて、エアバッグ41の膨張、収縮に伴い軸受37および円盤状刃31が上下動するように構成されている。また、側壁38後端部(細幅に切断された圧着製品がスリッター30から送出される側)には、駆動ロール16の軸方向に平行に設けられたスリッターフレーム42に対して各スリッターユニット36を固定するための固定具43が取り付けられていて、ネジ43aの締め付けによってスリッターユニット36を1個ずつスリッターフレーム42の所定位置に取付固定して並列配置させる。
図7および8に示したスリッター30の動作は以下の通りである。スリッター30が機能していない状態にあっては、エアバッグ41内のエアがエアーチューブ40を介して抜かれて扁平な形状とされており、このとき刃は上方位置に持ち上げた位置に保持され、駆動ロール16との間隙が開いている(図2参照)。すなわち、切断を行わないで通過させるオフ状態となつており、搬送されてくる幅広圧着品12bは切断されることなく幅広のまま、巻き取りロール15に巻き取ることができる。
エアチューブ40からエアバッグ41内にエアを注入すると、エアバッグ41が膨張し、これに伴い軸受37が下方に押し下げられるため、刃31は駆動ロール16の周面に当接して押し付けられる(図6参照)。すなわち、搬送方向と平行に細幅に切断するオン状態となる。この状態においては、搬送されてくる幅広圧着品32aは、隣り合うスリッターユニット36、36の刃31と刃31の間の幅wに相当する細幅圧着製品32bに切断されることになる。
スリッター30により、例えば幅36mmで12本に切断された細幅圧着製品32bは、奇数列の6本の細幅圧着製品32bが前方に配置したシャフト34aに同軸状に軸支された6個の巻き取りリール33aにそれぞれ1本ずつ個別に巻き取られ、偶数列の6本の細幅圧着製品32bが後方に配置したシャフト34bに同軸状に軸支された6個の巻き取りリール33bにそれぞれ1本ずつ個別に巻き取られる(図6参照)。
シャフト34aに軸支された6個の巻き取りリール33aと、シャフト34bに軸支された6個の巻き取りリール33bとは、図9に示したように、前後に互い違いに2列に配置されている。このとき、各シャフト34aおよび34bに軸支された隣り合う巻き取りリール33、33の間に所定幅のリールプレート50、50とスペーサー51を挿入することにより、前列のシャフト34aの巻き取りリール33aの鍔部45aを除く巻き取り軸部46aと、後列のシャフト34bの巻き取りリール33bの鍔部45bを除く巻き取り軸部46bとが、隙間なく互い違いに配列されるようにする。巻き取り軸部46の幅は、そこに巻き取られる細幅圧着製品1本の幅w(36mm)と等しくされている。したがって、スリッター30により幅36mmに切断分割された12本の細幅圧着製品32bは、12本の合計幅(432mm)が拡げられることなく、巻き取りリール33に至るまで互いに幅方向に平行に搬送されて1本ずつ別個の巻き取りリール33に巻き取ることができる。その結果、切断分割された隣り合う細幅圧着製品の間の間隔が幅方向に拡げられながら、1本ずつ別個の巻き取りリールに巻き取る場合に見られるような、細幅圧着製品32bの投与剤層の歪み、シワ、亀裂等の発生を効果的になくすことができる。
なお、図6および図9に示した例では、複数の巻き取りリール33を軸支するシャフト34a、34bは、前後2列に配置しているが、巻き取りリール33の個数に応じて、前後に3列以上配置することもできる。
シャフト34に対して複数の巻き取りリール33をセットする機構を図10に示す。図10においては、シャフト34の上半分を断面図、下半分を正面図としてそれぞれ示している。シャフト34の一端部(図面の右側端部)の細径部分34cには、右側から順にいずれも円環状のストッパー52、ベアリング53、歯車54およびベアリング55が、それぞれカラー56、57、58を介在させて嵌合固定されている。シャフトの細径部分34cに続く太径部分34dには、その右側端部に円環状のストッパー60が嵌合されて固定ボルト60aで固定されている。このストッパー60の左側には、いずれも円環状のリールプレート50、巻き取りリール33、リールプレート50、スペーサー51、リールプレート50、巻き取りリール33、リールプレート50、スペーサー51…がこの順番で次々に嵌合され、例えば6個の巻き取りリール33が嵌合される。6個目の巻き取りリール33を位置決めするリールプレート50の左側には、いずれも円環状のスプリング受け61、スプリング62および外周にネジ切り加工を施したスリ割りブッシング63がこの順で嵌合され、スリ割りブッシング63が固定ボルト63aで固定されている。また、スリ割りブッシング63には、その外周のネジ溝に螺合する押し込みネジ64が嵌合されている。さらに、シャフト34の他端部(図面の左側端部)の細径部分34eには、いずれも円環状のベアリング65とストッパー66がカラー67、68を介在させて嵌合固定されている。
シャフトの太径部分34dの長手方向には細長い突起からなるキー69が形成されており、シャフトに嵌合される円環状嵌合部材であるリールプレート50、スペーサー51、スプリング受け61、スリ割りブッシング63の内周面に形成されたキー溝がキー69と係合して、シャフト34の回転がこれら円環状嵌合部材に確実に伝達されるようになっている。
巻き取りリール33は、ポリ四フッ化エチレン(登録商標:テフロン)製の巻き取り軸部46と、巻き取り軸部の両側面から放射方向に伸びるアルミ合金製の鍔部45とからなっており、巻き取りリール33を両側から挟む一組の円環状リールプレート50、50は、巻き取り軸部46の側面と面接触している。リールプレート50の中心寄りには、円環状の巻き取り軸部46の中央孔部46cに嵌合する小径の円環状突起50cが形成されており、この円環状突起50cを巻き取り軸部46の中央孔部46cに嵌合させることで、巻き取りリール33の位置決めを簡便かつ確実に行うことができる。
各巻き取りリール33は、巻き取り軸部46とその軸部46を挟持する円環状リールプレート50、50との接触面(摺動面)を介して、シャフト34に対して回転可能に支持されるとともに、シャフト34の左側端部に配設されたスプリング62により各巻き取りリール33の巻き取り軸部46側壁が押圧されてシャフト34の右側に付勢され、このスプリング62による付勢力によりシャフト34の回転が円環状リールプレート50、50を介して巻き取りリール33に伝達されるようになっている。この作用については、詳しく後述する。
また、図9に図示したように、前列に配列された巻き取りリール33aの巻き取り軸部46aと、後列に配列された巻き取りリール33bの巻き取り軸部46bが、隙間なく互い違いに配列されるようにするために、図10に示したスペーサー51の幅とその両側に配置されるリールプレート50、50およびリール鍔部45、45の幅との合計wが、リール巻き取り軸部46の幅w(すなわち細幅圧着品の幅)と同じとなるようにされている。
シャフト34を所定位置に支持するための軸受フレームを図11と図12に示す。図11は図10に図示したシャフト34の右側端部を支持する右側軸受フレーム70であり、全体として縦長のボックス形状を有しており、頂部開口面には開閉自在な蓋71を備えている。対向する2つの側壁72a、72b頂部にはU字状の切欠孔73a、73bが形成され、これらU字状切欠孔より下方の側壁72a、72bの間には図示しないモーターで駆動される駆動歯車74が配設されている。図11は、蓋71を開いて、シャフト34の右側端部を軸受フレーム70に載置した状態を図示してあり、シャフト34に取り付けた2つのベアリング53、55を軸受フレーム70の2つのU字状切欠孔73a、73bに嵌め込み、歯車54を駆動歯車74と係合させることにより、駆動歯車74の回転が歯車54を介してシャフト34に伝達される。蓋71を閉じるに際しては、蓋71を倒して頂部開口面を塞ぎ、止めネジ75をネジ穴76に挿入して止めネジハンドル77を回すことで、蓋71を閉止することができる。このとき、蓋71の両側部に取り付けたベアリング抑え具78a、78bでU字状切欠孔73a、73bに嵌め込まれたベアリング53、55の頂部を抑えて、ベアリングがU字状切欠孔から抜け出ないようにすることができる。
図12はシャフト34の左側端部を支持する左側軸受フレーム80であり、1枚の側壁81と蓋82とからなっている。側壁81頂部にはU字状の切欠孔83が形成され、蓋82は開閉自在に側壁81に取り付けられている。また側壁81底部には台板84側面が当接されていて、側壁81と台板84とは蝶番85、85で連結されている。台板84に穿設した貫通穴に止めネジ86を貫通させて止めネジハンドル87を回し、止めネジ86先端部を側壁81下部に形成したネジ穴88(図13参照)に螺合させてネジ止めすることにより、側壁81を図12のように垂直に立てて保持することができる。図12は、蓋82を開いて、シャフト34の左側端部を軸受フレーム80に載置した状態を示しており、シャフト34に取り付けた1つのベアリング65が軸受フレーム80のU字状切欠孔83に嵌め込まれている。この状態で蓋82を倒して、止めネジ89をネジ穴90に挿入し止めネジハンドル91を回すことで、蓋82を閉止することができる。このとき、蓋82の側部に取り付けたベアリング抑え具92でU字状切欠孔83に嵌め込まれたベアリング65の頂部を抑えて、ベアリングがU字状切欠孔から抜け出ないようにすることができる。
図12の左側軸受フレーム80は、その側壁81を矢印Y5方向に倒すことができ、倒した状態を図13に示す。側壁81を倒すには、止めネジ89(図12)とネジ穴90との螺合を解いて止めネジ89がネジ穴90から抜け出るような方向に止めネジハンドル91(図12)を回わし、蓋82を開いた状態にし、次いでネジハンドル87を回し、止めネジ86とネジ穴88との螺合をとして蝶番部分85(図12)で側壁81を折り曲げればよい。
複数の巻き取りリール33を図10のようにセットしたシャフト34の動作を以下に説明する。シャフト34の両端部を図11および図12の軸受フレーム70、80にそれぞれ載置すると、右側軸受フレーム70(図11)に設けられている駆動歯車74とシャフトの歯車54とが噛み合い、駆動歯車74の回転がシャフト34に伝達される。シャフトの回転は、前述したキー69とキー溝の係合により各円環状嵌合部材に確実に伝達され、リールプレート50、スペーサー51、スプリング受け61、スリ割りブッシング63等の円環状嵌合部材がシャフト34の回転と伴に確実に回転する。
しかしながら、巻き取りリール33の巻き取り軸部46を、摩擦係数の低いポリ四フッ化エチレン製としてあるため、巻き取り軸部46を両側から挟持しているリールプレート50、50との接触面(図10において太線で示してある面)で滑りが生じる結果、巻き取りリール33にはシャフト34の回転がそのまま伝達されない。
シャフト34の回転の巻き取りリール33への伝達は、リールの巻き取り軸部46とリールプレート50との滑りの程度により変化する。この滑りの程度は、シャフト34の左側に嵌合させてあるスプリング62の強さにより調整することができる。すなわち、スリ割りブッシング63に螺合させた押し込みネジ64をシャフト34の右方向に押し込むと、スプリング62によりリールプレート50やスペーサー51が押圧されてシャフトの右側方向に付勢される。スプリング62による付勢力が強い場合には、リールの巻き取り軸部46とリールプレート50との滑りが低減し、シャフト34の回転が巻き取りリール33に伝達されやすくなる。一方、スプリング62による付勢力が弱い場合には、リールの巻き取り軸部46とリールプレート50との滑りが大きくなり、巻き取りリール33にはシャフト34の回転が伝達されにくくなり、フリーに回転できるようになる。
巻き取りリール33には、スリッター30により切断分割された細幅圧着製品が1本ずつ個別に巻き取られるため、巻き取りが進むにつれて巻き取り径が大きくなり、それに伴い、同じ長さの細幅圧着製品を巻き取るのに要する巻き取りリール33の回転数は低減する。また、1本のシャフト34に軸支されている複数の巻き取りリール33は、必ずしもすべてが同じ巻き取り径とはならず、巻き取り径の異なるものが混在している場合もある。図10に示した実施例においては、スプリング62による付勢力を調整することで、巻き取りリール33の巻き取り径の変化に対応した自由な回転数で個々の巻き取りリール33を回転させることが可能となる。
シャフト34にセットした複数の巻き取りリール33に対する細幅圧着製品32bの巻き取り操作が完了した時点で、図11の右側軸受フレーム70の駆動歯車74を停止してシャフト34の回転を停止し、巻き取りリール33をシャフト34から取り外す。巻き取りリール33の取り外しに際しては、シャフト34の右側端部を図11の右側軸受フレーム70にセットした状態のまま、図12の左側軸受フレーム80の蓋82を開いて側壁81を倒し、右側軸受フレーム70でシャフト34を片持ち状態とする。この片持ち状態で、シャフト34の左側端部から円環状嵌合部材であるストッパー66、ベアリング65、スリ割りブッシング63、スプリング62、スプリング受け61を順次に外せば、リールプレート50やスペーサー51とともに次々に巻き取りリール33を取り外すことができる。このように、シャフト34を片持ち状態として巻き取りリール33を次々にシャフト34から取り外せることにより、複数の巻き取りリール33が軸支された重いシャフト34を複数人の作業員で軸受フレーム70、80から外す作業を行わずにすみ、1人の作業員で複数の巻き取りリール33を容易かつ迅速に取り外すことが可能となる。
なお、図2および図6に示した本発明の圧着装置の実施例では、スリッター30を機能させていない状態では、幅広の圧着製品を巻き取りロール15に巻き取る操作を行ない、スリッター30を機能させて細幅圧着製品に切断分割する場合には、細幅圧着製品を1本ずつ複数の巻き取りリール33に巻き取る操作を行えるようにしている。この場合、図11および図12に示した軸受フレーム70、80に、巻き取りリール33を軸支するシャフト34と、巻き取りロール15とが、相互に取り替え可能にセットできるようにしておくことにより、幅広圧着製品の圧着操作と細幅圧着製品への切断分割操作とを必要に応じて簡単に切り替えることが可能となる。
投与剤層を保持するためのベースフィルムとなる樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリイミド、ポリプロピレン、セルローストリアセテート、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、トリアセテート、フッ素樹脂(ETFE,PFA,FEP)等の樹脂からなるフィルムから適宜選択して使用することができる。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく使用できる。
本発明の圧着装置で圧着した後に、剥離ロールで剥離される樹脂フィルムには、少なくとも投与剤層が形成される面(表面)に疎水性物質をコーティングすることにより予め剥離処理を施して、投与剤層から樹脂フィルムを剥離しやすくしておくことが望ましい。また、投与剤層を保持している樹脂フィルムをロール状に巻いてロールフィルムとする場合は、ロール状に巻いた状態では、投与剤層が形成されていない樹脂フィルム面(裏面)も投与剤層と接することになる。このとき、樹脂フィルム裏面が投与剤層から容易に剥がれないと、ロールフィルムを巻き戻し難くなる。そのため、投与剤層を保持している樹脂フィルムをロールフィルムとする場合、剥離される樹脂フィルムには、投与剤層が形成される表面とその反対側の裏面との両面に予め剥離処理を施しておくことが望ましく、一方、剥離されずに投与剤層を保持している樹脂フィルムには、少なくとも投与剤層が形成されない裏面に予め剥離処理を施しておくことが望ましい。
剥離処理するに際して樹脂フィルムにコーティングする疎水性物質としては、食品添加物の規格基準に適合するシリコーン樹脂やワックス(蜜ロウ)等が使用できるほか、アルミ箔や錫泊等の金属箔でコーティングすることもできる。
圧着装置で圧着する2枚の樹脂フィルムの面上にそれぞれ形成された投与剤層は、単層として形成されていてもよいが、通常は、所望の薬効あるいは機能を発現させるのに好適な各種の層を適宜の数で積層させた複数層からなる積層構造として形成される。一般的なフィルム状の口腔内投与剤層の積層構造は、最外層を構成するコーティング層、製剤の基剤と有効成分を含有する薬物層、さらに要すれば支持層等が順次積層されて構成されている。本明細書では、コーティング層、薬物層、支持層等を総称する用語として“投与剤層”という用語を使用している。
コーティング層は、フィルム状投与剤層の表面を保護する機能、あるいは貼付剤として用いる場合の皮膚への粘着機能をもたらすものであり、例えば下記のごとき物質が単独または適宜組み合わせて使用できる。
ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、ヒドロキシプロピルセルロース、水不溶性メタクリル酸共重合体、メタクリル酸エチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、メタクリル酸ジメチルアミノエチル・メタクリル酸メチル共重合体、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の一部架橋物、カーボポール、トラガント、アラビアゴム、ローカストビーンズガム、グアーガム、デキストリン、デキストラン、アミロース、ヒドロキシル化アルキルセルロースエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸エステル類、ロジン系樹脂(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等)、デラカントゴム、プルラン、キトサン、水溶性プルランエーテル、水溶性プルランエステル、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリアクリル酸エステル等。
薬物層において有効成分とともに用いる基剤としては、例えば下記のごとき物質が単独または適宜組み合わせて使用できる。
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カンテン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、アクリル酸重合体(アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類等)、メタクリル酸重合体(メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル類等)、無水マレイン酸重合体(メチルビニルエーテルなどの共重合体等)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸、カーボポール、トラガント、アラビアゴム、ローカストビーンズガム、グアーガム、カラゲナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、ヒドロキシル化アルキルセルロースエーテル、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸エステル類、ロジン系樹脂(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等)、デラカントゴム、プルラン、キトサン、水溶性プルランエーテル(プルランメチルエーテル、プルランエチルエーテル、プルランプロピルエーテル等)、水溶性プルランエステル(プルランアセテート、プルランエチレート等)、セルロースの二塩基酸類モノエステル、デンプンならびに糖類多価アルコール類の二塩基酸モノエステル類、ポリビニルアルコールならびにポリビニルアルコール誘導体の二塩基酸モノエステル類、無水マレイン酸とビニルアセテートまたはスチレンならびにビニルメチルエーテル等のビニルモノマーとの共重合体、アクリル酸ならびにメタクリル酸と他のビニルモノマーとの共重合体、エチルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、プロピルセルロース、オイドラギット、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ポリビニルアルコールフタレート、スチレン無水マレイン酸共重合体、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル、ポリアクリル酸アルキルエステル等。
支持層は、口腔内の非ターゲット部分に有効成分が溶出しないようにするためのものであり、例えば下記のごとき物質を単独または適宜組み合わせて、口腔内で難溶解性または不溶解性の層にすることにより目的を達成することができる。
ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カンテン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、アクリル酸重合体(アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類等)、メタクリル酸重合体(メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル類等)、無水マレイン酸重合体(メチルビニルエーテルなどの共重合体等)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸、エトキシ基の置換度が1.5以上のエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ローカストビーンズガム、グアーガム、カラゲナン、ヒドロキシル化アルキルセルロースエーテル、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、ロジン系樹脂(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等)、セラック系樹脂(セラック、白色透明セラック)、セルロースの二塩基酸類モノエステル(セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートサクシネート、セルロースベンゾエートフタレート、メチルセルロースフタレート、エチルハドロキシエチルセルロースフタレート、セルロースアセテートメレアエート等)、デンプンならびに糖類多価アルコール類の二塩基酸モノエステル類(酢酸デンプンフタレート、酢酸アミロースフタレート、デキストリン、ラクトース、サッカロース、グルコース、ガラクトース、フラクトース、ソルボース、ラムノース、キシロース、マンニトール、ソルビトール等のフタール酸モノエステル類)、ポリビニルアルコールならびにポリビニルアルコール誘導体の二塩基酸モノエステル類(ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルプロピネートフタレート、ポリビニルブチレートフタレート、ポリビニルアセトアセタールフタレート、ポリビニルアセトアセタールサクシネート)、無水マレイン酸とビニルアセテートまたはスチレンならびにビニルメチルエーテル等のビニルモノマーとの共重合体(スチレン・無水マレイン酸共重合体、ビニルメチルエーテル・無水マレイン酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、ビニルブチルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル・メチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体、ブチルアクリレート・スチレン・無水マレイン酸共重合体等)、アクリル酸ならびにメタクリル酸と他のビニルモノマーとの共重合体(スチレン・アクリル酸共重合体、メチルアクリレート・アクリル酸共重合体、メチルアクリレート・メチルアクリル酸共重合体、メチルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、ブチルアクリレート・スチレン・アクリル酸共重合体等)、エチルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、プロピルセルロース、オイドラギット、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ポリビニルアルコールフタレート等。
本発明により製造されるフィルム状口腔内投与剤において、薬物層に含有させる有効成分として使用できる医薬品の例としては、下記のごとき薬剤が挙げられる。
中枢神経系用薬(催眠鎮静剤、抗不安剤、抗てんかん剤、解熱鎮痛消炎剤、興奮剤、覚せい剤、抗パーキンソン剤、精神神経用剤、総合感冒剤等)、末梢神経系用薬(局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自律神経剤、鎮けい剤等)、感覚器官用薬(眼科用剤、鎮暈剤等)、循環器官用薬(強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、高脂血症用剤等)、呼吸器官用薬(呼吸促進剤、鎮咳剤、去たん剤、気管支拡張剤、含漱剤等)、消化器官用薬(止しゃ剤、整腸剤、消化性潰瘍用剤、下剤、浣腸剤等)、ホルモン剤(唾液腺ホルモン剤、甲状腺・副甲状腺ホルモン剤、タンパク同化ステロイド剤、副腎ホルモン剤、卵胞ホルモンおよび黄体ホルモン剤、混合ホルモン剤等)、泌尿生殖器および肛門用薬(子宮収縮剤、避妊剤、痔疾用剤等)、外皮用薬(メトキサレン等)、歯科口腔用薬(歯科用抗生物質製剤等)、ビタミン剤、滋養強壮薬(無機質製剤等)、血液・体液用薬(血液凝固阻止剤等)、肝臓疾患用剤、解毒剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、細胞賦活用薬、腫瘍用薬(アルキル化剤、代謝拮抗剤等)、アレルギー用薬(抗ヒスタミン剤等)、生薬、漢方製剤、抗生物質製剤、抗ウイルス剤、駆虫剤、アルカロイド系麻薬(アヘンアルカロイド系製剤、コカアルカロイド系製剤等)、非アルカロイド系麻薬(クエン酸フェンタニルなどの合成麻薬)等。
また、薬物層に含有させる有効成分としては、消臭作用や健康維持効果等の作用を有する医薬部外品、化粧品、健康食品等の口腔内投与物も挙げられる。
本発明により製造されるフィルム状口腔内投与剤に用いられるコーティング層、薬物層、支持層は、上述の成分を例えば下記のごとき溶媒に溶解または分散させたものを用いて投与剤層形成工程において塗布乾燥させることにより得られる。
水、エタノール、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸n−ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロラン、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、トルエン、1,1,2−トリクロロエテン、キシレン、1,1−ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシメタン、2,2−ジメトキシプロパン、イソオクタン、イソプロピルエーテル、メチルイソプロピルケトン、メチルテトラヒドロフラン、石油エーテル、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、塩化メチレン等。
また、本発明により製造されるフィルム状口腔内投与剤には、必要に応じて可塑剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤等の添加剤を添加することができる。矯味剤としては、サッカリン、グリチルリチン酸、白糖、果糖、マンニトール等の甘味剤、メントール、ハッカ油等の清涼化剤、クエン酸、酒石酸、フマール等の酸味を与える有機酸化合物等を使用できる。矯臭剤としては、天然または合成の香料を使用することができる。着色剤としては、食用レーキ等の通常製剤に用いられるものを使用できる。
本発明の圧着装置を用いて、一方の面上に多層構造を有する投与剤層を積層形成した幅広樹脂フィルムを製造し、これをスリッターにより細幅樹脂フィルムに切断した後、この細幅樹脂フィルムを円形に打ち抜き加工して、円形のフィルム状トローチ剤を製造した実施例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈コーティング層調製液の調製〉
適量の精製水にプルラン20.0重量部およびD−ソルビトール5.0重量部を加え撹拌溶解してコーティング層調製液とした。
〈薬物層I調製液の調製〉
適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム1.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン1.5重量部、マクロゴール400 4.5重量部、l−メントール2.5重量部、ポリビニルピロリドンK90 22.5重量部およびヒドロキシプロピルセルロース59.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに、適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム3.8重量部、サッカリンナトリウム0.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層I調製液とした。
〈薬物層II調製液の調製〉
適量のエタノールに、塩化セチルピリジニウム4.5重量部、マレイン酸クロルフェニラミン4.5重量部、タンニン酸7.0重量部、マクロゴール400 13.5重量部、l−メントール7.5重量部、ポリビニルピロリドンK90 67.5重量部およびヒドロキシプロピルセルロース182.0重量部を加えて撹拌溶解し、これに、適量の精製水にグリチルリチン酸二カリウム11.2重量部、サッカリンナトリウム1.5重量部を加えて撹拌溶解したものを加えて、更に撹拌混合して薬物層II調製液とした。
〈投与剤層の積層形成工程〉
(1)コーティング層+薬物層Iの塗布
裏面をシリコーン剥離処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの表面(シリコーン剥離処理していない面)に、図1の塗工装置100を用いてコーティング層調製液を塗布、乾燥して、厚さ8〜12μmのコーティング層を形成した。このPETフィルムのコーティング層の上に、図1の塗工装置100を用いて、さらに薬物層I調製液を塗布し、厚さ55〜75ミクロンの薬物層Iを形成した。かくして、薬物層I/コーティング層/PETフィルムの積層構造を有する中間品Aを製造し、ロール状に巻き取った。
(2)薬物層IIの塗布
両面をシリコーン剥離処理したPETフィルムの表面に、図1の塗工装置100を用いて薬物層II調製液を塗布、乾燥して、厚さ55〜75μmの薬物層IIを形成し、薬物層II/PETフィルムの積層構造を有する中間品Bを製造し、ロール状に巻き取った。
〈投与剤層圧着加工工程〉
(1)第1工程
上記で得られた中間品Aと中間品Bの一部とを、図2の本発明の圧着装置10を用いて、中間品Aの薬物層Iと中間品Bの薬物層IIとが対向するようにして圧着した後、中間品BのPETフィルムを剥離して、薬物層II/薬物層I/コーティング層/PETフィルムの積層構造を有する中間品Cを製造し、巻き取りロール15でロール状に巻き取った
(2)第2工程
上記第1工程で得られた中間品Cをロール状に巻き取った巻き取りロール15をそのまま図2の巻き出しロール18の位置にセットし、中間品Bの残りを巻き出しロール20の位置にセットし、図2の圧着装置10を用いて、中間品Cの薬物層IIと中間品Bの薬物層IIとが対向するようにして圧着した後、中間品BのPETフィルムを剥離して、薬物層II/薬物層II/薬物層I/コーティング層/PETフィルムの積層構造を有する中間品を製造した。この中間品を2つに分けてそれぞれを巻き取りロール15でロール状に巻き取り、中間品Dと中間品D′とした。
(3)第3工程
上記第2工程で得られた同じ構成の中間品Dと中間品D′をそれぞれロール状に巻き取った2つの巻き取りロール15を、巻き出しロール18と20の位置にセットし、図6に図示したスリッター30を機能させた状態の圧着装置を用いて、それぞれの薬物層IIが対向するようにして圧着した後、中間品DのPETフィルムを剥離し、引き続きスリッター30を通過させて細幅に裁断し、リール33aと33bとにそれぞれ巻き取った。かくして、コーティング層/薬物層I/薬物層II/薬物層II/薬物層I/コーティング層/PETフィルムの積層構造を有する細幅に裁断された中間品Eを製造した。
〈打ち抜き成型工程〉
上記で得られた細幅の中間品Eを、円形切断刃を備えた打ち抜き成型装置を用いて、PETフィルムの裏面まで到達しないようにして積層投与剤層のみを打ち抜き、直径15mmの円形のフィルム状トローチ剤を得た。
口腔内投与剤層を樹脂フィルム上に塗布して形成するための塗工装置の一例を示す説明図。 本発明の圧着装置の実施例を示す説明図。 図2の圧着装置におけるの押圧ロールから送出される圧着品の搬送方向の説明図。 図2の圧着装置における剥離されるフィルムの剥離ロールと巻き取り軸の位置関係の説明図。 図2の圧着装置の動作の一例を示す説明図。 図2の圧着装置にスリッターを組み入れた実施例を示す説明図。 スリッターの構造の一例を示す断面図。 スリッターの構造の一例を示す一部切欠立面図。 2本のシャフトにそれぞれ軸支された複数の巻き取りリールの巻き取り軸部が、隙間なく前後に互い違いに配列された状態を示す説明図。 シャフトに対して複数の巻き取りリールをセットする機構の説明図。 シャフトの右端部を支持する右側軸受フレームの斜視図。 シャフトの左端部を支持する左側軸受フレームの斜視図。 図12の左側軸受けフレームを倒した状態の斜視図
符号の説明
10:圧着装置
11、11:一対の押圧ローラ
13:剥離ロール
14:剥離フィルムの巻き取り軸
15:圧着品の巻き取りロール
18、20:投与剤層が形成された樹脂フィルムの巻き出しロール
30:スリッター
31:円盤状刃
33:巻き取りリール
34:シャフト
45:巻き取りリールの鍔部
46:巻き取りリールの巻き取り軸部
62:スプリング
70:右側軸受フレーム
80:左側軸受フレーム

Claims (8)

  1. 表面上に所定厚さの口腔内投与剤層がそれぞれ形成された2枚の樹脂フィルム同士を、口腔内投与剤層が互いに対向するように重ね合わせた状態で引き込み、各樹脂フィルムの裏面から加圧する一対の押圧ローラと、
    前記一対の押圧ローラから送出され相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの一方の樹脂フィルムを、前記一対の押圧ローラの加圧部における接線方向に略一致させて搬送させる搬送機構と、
    前記一対の押圧ローラからの前記一方の樹脂フィルムの搬送方向に沿った位置に設けられた直径6cm以下の剥離ロールと、
    この剥離ロールの周面に沿って、相互に密着された複数口腔内投与剤層を挟む前記2枚の樹脂フィルムのうちの他方の樹脂フィルムのみを、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と異なる方向に引き込む巻き取り軸と、
    を備えたことを特徴とするフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  2. 前記剥離ロールは、前記他方の樹脂フィルムの移動に伴って伴回りするように回動自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  3. 前記剥離ロールを起点として、前記他方の樹脂フィルムのみを、前記一方の樹脂フィルムの搬送方向と45度以上の角度をなして引き込む位置に前記巻き取り軸が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  4. 表面上に所定厚さの口腔内投与剤層がそれぞれ形成された前記2枚の樹脂フィルムを前記一対の押圧ローラへそれぞれ供給する一対の巻き出しロールと、
    前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離され、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールとが設けられ、
    かつ、前記巻き出しロールと巻き取りロールは、寸法および構造が略同じで、相互に取り替え可能とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  5. 前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離され、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを、搬送方向と平行に細幅に切断するスリッターと、
    前記スリッターにより複数本に切断された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る複数の巻き取りリールとが設けられ、
    かつ、前記複数の巻き取りリールは、その鍔部を除く巻き取り軸部が隙間なく前後に互い違いに列をなして配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  6. 前記他方の樹脂フィルムが前記剥離ロールにより剥離されて、前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムに対して、搬送方向と平行に細幅に切断するオン状態と、切断を行わないで通過させるオフ状態とに切り替え可能なスリッターが設けられると共に、
    オン状態の前記スリッターによって複数本に切断された複数口腔内投与剤層を保持する細幅の前記一方の樹脂フィルムを1本ずつ個別に巻き取る複数の巻き取りリールを軸支するシャフトと、オフ状態の前記スリッターを通過して切断されずに前記搬送機構により搬送されてきた複数口腔内投与剤層を保持する前記一方の樹脂フィルムを巻き取る巻き取りロールとが、相互に取り替え可能とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  7. 前記複数の巻き取りリールを軸支するシャフトはその両端がフレームにより支持され、前記シャフトの一端は前記フレームの一方に片持ち可能に支持されるとともに、片持ちされた前記シャフトの他端を支持する他方のフレームは起倒自在にされていることを特徴とする請求項5または6に記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
  8. 前記各巻き取りリールは前記シャフトに対して回転可能に支持されるとともに、前記シャフトの一端側に配設されたスプリングにより各巻き取りリール側壁が押圧されて前記シャフトの他端側に付勢され、このスプリングによる付勢力によりシャフトの回転が巻き取りリールに伝達されるようにしたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルム状口腔内投与剤の圧着装置。
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