JP2005080592A - 生物育成管理支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 育成ケースの傍に付きっ切りでいなくても、その育成ケース内の環境変化に応じて変化する管理情報を外部からいつでも簡単に入手できるようにし、育成ケース内の環境変化に対して、迅速且つ的確に対応できるようにする。
【解決手段】 生物育成管理支援システムが、育成ケースVと、その育成ケースV内の環境変化に応じて変化する特定の管理情報を検出し得る少なくとも1つのセンサSt,Sd,Slと、このセンサの検出情報を受けて、これをインターネット等の通信手段Iを介して、育成ケースVから離れた場所にある端末情報機器PC′,PT,PDAに送信し得る情報処理装置PCとを備え、前記端末情報機器PC′,PT,PDAは、前記情報処理装置PCから送信された前記検出情報を閲覧可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】 生物育成管理支援システムが、育成ケースVと、その育成ケースV内の環境変化に応じて変化する特定の管理情報を検出し得る少なくとも1つのセンサSt,Sd,Slと、このセンサの検出情報を受けて、これをインターネット等の通信手段Iを介して、育成ケースVから離れた場所にある端末情報機器PC′,PT,PDAに送信し得る情報処理装置PCとを備え、前記端末情報機器PC′,PT,PDAは、前記情報処理装置PCから送信された前記検出情報を閲覧可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インターネット等の通信手段を利用した生物育成管理支援システムに関するものである。
一般に生物(例えば観賞魚、観用植物、蛇等の爬虫類、ハムスター、鳥等の小動物)を育成している育成者すなわちユーザは、育成生物の健康を保つために、育成ケース(例えば観賞魚の場合は水槽、爬虫類や小動物の場合は飼育箱)内の育成環境の変化に十分に留意して育成環境を整える必要がある。
そこで、従来では、育成ケース内に温度計等の各種センサを設置し、育成環境の状態変化(例えば観賞魚の場合は水槽内の水温、水質、水位変化等)をユーザ自身あるいはユーザに頼まれた別の人間が随時に監視して、その変化に対しユーザ自身の判断で適宜対応するようにしていた。
しかしながら上記従来の育成手法では、次のような問題がある。
(1) 育成ケース内の環境は刻々と変化するものであるが、この変化に対し付きっ切りで監視を行うことは困難であり、現実的ではない。
(2) また、たとえ付きっ切りで監視していたとしても、目に見えない温度や水質等の変化に気づかないで育成に失敗し、育成生物をだめにしてしまうケースが非常に多いのが実情である。
(3) 上記した育成の失敗を招かないように、ユーザは、育成ケースの状態に絶え間なく気を配ることを意識的又は無意識的に強いられるものであって、「育成ケース内の状態は大丈夫か?」といった漠とした不安を常に抱くものであり、そのことが、育成管理上の不便さ、煩わしさの大きな要因となっている。
(4) 育成行為は、ユーザ自身の注意深さや育成経験等の個人的資質に大きく依存するものであり、誰にでも簡単に習得できるようなものではない。しかも育成生物には様々な種類があって、それぞれ最適な育成環境(例えば観賞魚の場合は最適な温度範囲、水質範囲等)が異なるため、当該生物を適切に育成するには生物毎の育成ノウハウを身につける必要があるが、多くの初心者はこれを知らず、知識や経験不足から育成行為に失敗することが非常に多い。
(5) また特に育成ケースが観賞魚用水槽の場合には、水槽の老朽化や何らかの事故、災害等に因り水漏れが発生し、その発見が遅れたようなときは床の補修や階下の住民への補償等の問題が生じ、また水漏れ後、水槽内に設置されているヒータ等の保温器具が暴走すると火災を招く虞れがある。
(1) 育成ケース内の環境は刻々と変化するものであるが、この変化に対し付きっ切りで監視を行うことは困難であり、現実的ではない。
(2) また、たとえ付きっ切りで監視していたとしても、目に見えない温度や水質等の変化に気づかないで育成に失敗し、育成生物をだめにしてしまうケースが非常に多いのが実情である。
(3) 上記した育成の失敗を招かないように、ユーザは、育成ケースの状態に絶え間なく気を配ることを意識的又は無意識的に強いられるものであって、「育成ケース内の状態は大丈夫か?」といった漠とした不安を常に抱くものであり、そのことが、育成管理上の不便さ、煩わしさの大きな要因となっている。
(4) 育成行為は、ユーザ自身の注意深さや育成経験等の個人的資質に大きく依存するものであり、誰にでも簡単に習得できるようなものではない。しかも育成生物には様々な種類があって、それぞれ最適な育成環境(例えば観賞魚の場合は最適な温度範囲、水質範囲等)が異なるため、当該生物を適切に育成するには生物毎の育成ノウハウを身につける必要があるが、多くの初心者はこれを知らず、知識や経験不足から育成行為に失敗することが非常に多い。
(5) また特に育成ケースが観賞魚用水槽の場合には、水槽の老朽化や何らかの事故、災害等に因り水漏れが発生し、その発見が遅れたようなときは床の補修や階下の住民への補償等の問題が生じ、また水漏れ後、水槽内に設置されているヒータ等の保温器具が暴走すると火災を招く虞れがある。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来の上記問題を比較的簡単且つ低廉なコストで解消することができる生物育成管理支援システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、育成生物が入れられる育成ケースと、その育成ケース内の環境変化に応じて変化する特定の管理情報を検出し得る少なくとも1つのセンサと、このセンサの検出情報を受けて、これを通信手段を介して、前記育成ケースから離れた場所にある端末情報機器に送信し得る情報処理装置とを備え、前記端末情報機器は、前記情報処理装置から送信された前記検出情報を閲覧可能であることを特徴としている。
また請求項2の発明は、前記請求項1の発明の特徴に加えて、前記情報処理装置が、育成生物に応じた前記管理情報の適正範囲を予め記憶可能であると共に、前記センサの検出情報が前記適正範囲にあるか否かを判断可能であり、その判断結果は、該情報処理装置から前記通信手段を介して前記端末情報機器に送信され、該端末情報機器で閲覧可能であることを特徴とする。
また請求項3の発明は、前記請求項1又は2の発明の特徴に加えて、前記育成ケース内の様子を定期的に撮影して画像情報として前記情報処理装置に出力し得るカメラを備え、前記情報処理装置は、前記カメラからの画像情報を前記通信手段を介して前記端末情報機器に送信可能であり、その送信された画像情報は、該端末情報機器で閲覧可能であることを特徴とする。
さらに請求項4の発明は、前記請求項1〜3の何れか発明の特徴に加えて、前記育成ケースは観賞魚育成用の水槽であり、前記センサには、前記水槽内の水の温度を検出する水温センサ、同水の水質を検出する水質センサ、及び同水の水面レベルを検出する水位センサのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
さらに請求項5の発明は、前記請求項1〜4の何れか発明の特徴に加えて、前記育成ケースには、前記情報処理装置に接続され該ケース内の生物の育成に用いる附属電気機器が付設されており、前記端末情報機器に操作入力された指令情報を前記通信手段を介して前記情報処理装置に送信し、その送信された指令情報を前記情報処理装置から前記附属電気機器に出力して該機器を遠隔操作し得るようにしたことを特徴とする。
本発明において、「通信手段」とは、インターネットが含まれることは勿論、有線又は無線を用いた種々の通信手段が含まれるものとする。また本発明において、「端末情報機器」とは、パソコンの他、携帯情報端末、携帯電話等が含まれる。さらに本発明において、「情報処理装置」とは、上記インターネット等の通信手段を介して「端末情報機器」との間で情報交換が可能な種々の情報処理装置、例えばパソコン、携帯情報端末等が含まれる。
以上のように各請求項の発明によれば、生物育成ケース内の環境変化に応じて変化する特定の管理情報をセンサで検出し、情報処理装置がそのセンサからの検出情報をインターネット等の通信手段を介して、育成ケースから離れた位置にある端末情報機器に送信し、その送信された検出情報を該端末情報機器で閲覧できるようにしたので、ユーザは、育成ケースの傍に付きっ切りでいなくても、その育成ケース内の管理情報を外部からいつでも簡単に入手できるようになり、従って、育成ケース内の環境変化に対して、ユーザが例えば同一家屋内に居れば直ちに対応措置を採ることができ、また外出先に居れば家人に対応措置の代行を頼むことができる等、全体として迅速且つ的確な対応が可能となる。また上記環境の変化は、それがたとえ目に見えない変化(例えば温度や水質等の変化)であっても、上記センサの検出情報に基づいて監視を継続的且つ確実に行うことができるから、育成管理上の物理的限界を効果的に補うことができ、以上の結果、育成管理を頗る簡便化し、育成の失敗を大幅に少なくすることができる。更にユーザは、育成ケースの状態に対して、絶え間なく気を配ることを強いられたり或いは漠とした不安を抱くことから解放され、気軽に育成を楽しむことができ、観賞、安らぎといった本来の育成目的に浸ることが可能となる。
また特に請求項2の発明によれば、情報処理装置において、育成ケース内の育成生物に応じた管理情報の適正範囲を予め設定しておき、センサで検出した実際の管理情報がその設定範囲にあるか否かの判断結果をインターネット等の通信手段を通じて端末情報機器に送信して、該端末情報機器において容易にチェックできるようにしたので、ユーザが育成生物に関して最適な育成環境の知識や育成経験を持たない場合でも、その育成生物に応じた最適環境の設定が可能となり、それだけ育成上の失敗を減らすことができる。
また特に請求項3の発明によれば、育成ケース内の様子を定期的に撮影して画像情報として情報処理装置に出力し得るカメラを備え、情報処理装置が、該カメラからの画像情報をインターネット等の通信手段を介して前記端末情報機器に送信し、その送信された画像情報が該端末情報機器で閲覧して、育成ケース内の様子を視認できるようにしたので、ユーザが遠隔地に居ても育成ケース内の様子を目で確認でき、その状態変化をより確実にチェックすることができる。
また特に請求項4の発明によれば、観賞魚育成用の水槽内での環境変化、例えば水槽内の水の温度変化、水質変化又は水位変化のうちの少なくとも1つを、水槽から離れた場所にいるユーザが手元の端末情報機器を通して簡単に確認でき、従って水槽内の環境変化の監視を継続的且つ容易確実に行うことができる。また特に水位変化を確認できるようにした場合には、水漏れを迅速に発見できるから、水漏れによるトラブルや、水漏れ後の保温器具の暴走事故等を未然に防止する上で有効である。
また特に請求項5の発明によれば、端末情報機器に操作入力された指令情報をインターネット等の通信手段を介して情報処理装置に送信し、その送信された指令情報を情報処理装置から育成ケースの附属電気機器に出力して該機器を遠隔操作し得るようにしたので、ユーザは、育成ケースから離れた場所に居ても、手元の端末情報機器で得た育成ケース内の管理情報に応じて、該ケースの附属電気機器を遠隔的に操作することができ、対応がより迅速化され、便利である。
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
添付図面において、図1は、本発明を適用した観賞魚用育成管理支援システムの概略を示す全体概念図、図2は、前記観賞魚用育成管理支援システムの別の実施例を示す、図1対応図である。
先ず、図1において、育成ケースとしての観賞魚用水槽V内には、その底部において、水を加熱するためのヒータユニットHと、水を濾過するフィルタFとが収納される。ヒータユニットHは、図示しない外部電源に接続され、該ユニットUへの通電時には水槽V内の水温に応じて自動的に通電制御し得るように水温調整機構を内蔵している。またフィルタF内には、図示しないエアストンが収納され、これに外部のエアポンプPがエアチューブを介して接続される。而してエアポンプPを作動させると、その供給エアがエアストンから無数の気泡となって噴出、上昇し、その噴出気泡によりフィルタF内に内蔵濾材fを通過する水流が生じて水を清浄化する。尚、上記ヒータユニットH、フィルタF、エアポンプPの機能は従来周知である。
前記水槽V内には水が張られ、そこに育成生物としての鑑賞魚及び/又は水草が育成されるが、その育成管理支援システムSが次のように構築されている。即ち、この支援システムSは、前記水槽Vと、その水槽V内の生物育成環境に関係した特定の管理情報を検出し得るセンサSt,Sd,Slと、このセンサSt,Sd,Slの検出情報を受けて水槽V内の環境変化の監視に必要な情報処理を行うと共にその処理情報又は前記検出情報を通信手段としてのインターネットIを介して、水槽Vから離れた場所にある端末情報機器に送信し得る情報処理装置PCとを備える。
前記情報処理装置として図示例ではパソコンPCが用いられるが、これに代えて、例えば同様の機能を有する携帯情報端末を用いてもよい。また前記端末情報機器として図示例ではノートパソコン等のパソコンPC′,携帯電話PT,携帯情報端末PDAが随時選択的に用いられ、これらの端末情報機器は、水槽Vから離れたユーザの居る場所、例えば同一家屋であっても別の部屋(例えば寝室等)や、屋外、別の建物内等に置かれ、そこからでも水槽Vの環境変化を監視できるようになっている。尚、前記情報処理装置PC及び端末情報機器PC′,PT,PDAには、前記処理情報や検出情報をユーザに表示可能な表示手段としてのモニターMと、該情報処理装置PCや端末情報機器PC′,PT,PDAに所望の機能を発揮させるべくユーザが操作入力するための入力手段としての操作キーKとが付設される。
前記センサには、水槽V内の水の温度を検出する水温センサSt、水質を検出する水質センサSd、及び水面レベルを検出する水位センサSlが含まれる。前記水質センサSdとしては、例えば、水の水素イオン濃度を検出するPHセンサ(観賞魚全般用)、硝酸塩濃度を検出する硝酸塩濃度センサ(観賞魚全般用)、塩分濃度を検出する塩分濃度センサ(海水魚の飼育管理用)、水の濁度を検出する濁度センサ(観賞魚全般用)、二酸化炭素濃度を検出するCO2 センサ(水草育成用)、酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(観賞魚全般用)等の中から育成対象、目的、環境等に応じて少なくとも1つが適宜選択される。また特に水位センサSlにより検出される水位変化情報は、水槽Vの水漏れ感知や、水漏れに伴うヒータユニットHの暴走を未然に防止する上で有効である。
前記センサSt,Sd,Slは、情報処理装置としてのパソコンPCに接続され、それらセンサSt,Sd,Slの検出情報が該パソコンPCに送信される。尚、その接続形態は、USB、IEEE等が適宜選定される。
そして、そのパソコンPCには、これにセンサSt,Sd,Slから送信された検出情報を水槽管理目的に即して情報処理するために専用のアプリケーションソフトが用意され、そのソフトが該パソコンPCのハードディスクに記憶される。このアプリケーションソフトの主要な機能として、図示例では、
(1) 前記センサSt,Sd,Slから送信された検出情報(水温、水質、水位等の水槽管理情報)を読取る
(2) 前記検出情報をパソコンPCのモニターMに表示させる
(3) 前記検出情報を電子メールの形に加工して、前記端末情報機器PC′,PT,PDAの指定したメールアドレス宛に送信する
(4) 育成生物の生態に応じた、水槽管理情報(例えば水温、水質)の適正範囲が予め設定、記憶されていると共に、センサSt,Sd,Slから送信された検出情報が該適正範囲にあるか否かを判断し、その判断結果を電子メールの形に加工して、前記端末情報機器PC′,PT,PDAの指定したメールアドレス宛に送信する
等の機能が含まれる。
(1) 前記センサSt,Sd,Slから送信された検出情報(水温、水質、水位等の水槽管理情報)を読取る
(2) 前記検出情報をパソコンPCのモニターMに表示させる
(3) 前記検出情報を電子メールの形に加工して、前記端末情報機器PC′,PT,PDAの指定したメールアドレス宛に送信する
(4) 育成生物の生態に応じた、水槽管理情報(例えば水温、水質)の適正範囲が予め設定、記憶されていると共に、センサSt,Sd,Slから送信された検出情報が該適正範囲にあるか否かを判断し、その判断結果を電子メールの形に加工して、前記端末情報機器PC′,PT,PDAの指定したメールアドレス宛に送信する
等の機能が含まれる。
前記メールアドレス宛への送信のタイミングは、予め設定した一定時間毎とか、緊急時(例えば予め指定した数値を超えたときや、数値が急激に変化したとき)など、ユーザが任意に設定できるようになっている。尚、前記緊急時(即ち端末情報機器PC′,PT,PDAが該緊急時の電子メールを受けた時)には、その旨をユーザに迅速且つ明確に報知するために、緊急事態であることを端末情報機器PC′,PT,PDAのモニターMに特別に表示させたり内蔵スピーカ(図示せず)で警報したりできるように、端末情報機器PC′,PT,PDAの作動プログラムを設定してもよい。
また、前記 (4)においては、観賞魚、爬虫類、小動物等の育成生物の種類毎に管理情報(例えば水温、水質、水位)の適正範囲を予め設定、記憶しておき、その種類毎の適正範囲を任意に選定できるようにしておけば、ユーザは、自分が育成しようとする生物の種類をパソコンPCのキーボードKを使って指定するだけで、専門的な知識や経験が無くても管理情報(例えば水温、水質、水位)の適正範囲を簡単且つ最適に設定することが可能となる。
前記パソコンPCは、通信手段としてのインターネットIに常時接続状態で接続されており、これにより、該パソコンPCによる処理情報又はセンサSt,Sd,Slからの検出情報をインターネットIを介して、水槽Vから離れた場所にある端末情報機器(例えばノートパソコン等のパソコンPC′,携帯電話PT,携帯情報端末PDA等)に電子メールの形で適時送信可能となっている。
前記水槽Vの周辺には、水槽V内の様子を定期的に撮影して画像情報(静止画又は動画の画像情報)としてパソコンPCに出力し得るデジタルカメラCAが配備される。
そして、前記パソコンPCは、デジタルカメラCAからの画像情報をインターネットIを介して前記端末情報機器PC′,PT,PDAに電子メールの添付ファイルの形で定期的又は随時に送信できるようになっている。従って、ユーザは、その端末情報機器PC′,PT,PDAのモニターMにより、電子メールに添付の前記画像情報、即ち水槽V内の様子を定期的又は随時に見ることができる。
次に前記実施例の作用を説明する。育成者即ちユーザは、水槽Vの傍に居ない場合には、自身の何れかの端末情報機器PC′,PT,PDAを手元に置いておくことにより、水槽V内の環境変化を次のようにして遠隔的に監視できる。即ち、水槽V内の環境変化に応じて変化する特定の管理情報(水温、水質、水位)は、前記各センサSt,Sd,Slにより検出されており、そのセンサの検出情報が、水槽V近くに置かれる情報処理装置としてのパソコンPCに送信される。そして、そのパソコンPCは、センサSt,Sd,Slからの検出情報を電子メールの形にして、インターネット等の通信手段を介して、水槽Vから離れた位置にある前記端末情報機器PC′,PT,PDAの指定したメールアドレス宛に送信するので、ユーザが端末情報機器PC′,PT,PDAのモニターMを通して電子メールを閲覧することにより、メール送信された前記検出情報を手軽に見ることができる。さらにパソコンPCは、デジタルカメラCAからの画像情報をインターネットIを介して端末情報機器PC′,PT,PDAに電子メールの添付ファイルの形で定期的又は随時に送信するから、ユーザは、その端末情報機器PC′,PT,PDAのモニターMにより前記静止画又は動画の画像情報として、水槽V内の様子を定期的又は随時に見ることができる。
かくして、ユーザは、水槽Vの傍に付きっ切りでいなくても、その水槽管理情報を外部からいつでも簡単に入手できるようになるため、水槽V内の環境変化に対して、ユーザが例えば同一家屋内に居れば直ちに対応措置をとることができ、また外出先に居れば家人に対応措置の代行を頼むことができる等、全体として迅速且つ的確な対応が可能となる。尚、上記対応措置としては、例えば水温の下降・上昇に対しては、ヒータユニットHを作動させたり或いは図示しないクーラーユニットを作動させたりし、また水質の低下に対しては、水質改善のための薬品投入や水替え、エアポンプPへの通電によるフィルタFの作動等を行うようにし、また水位の低下に対しては、その原因究明や水の補充を行うようにする。
また上記環境の変化は、それがたとえ目に見えない変化(例えば温度や水質等の変化)であっても、上記センサSt,Sd,Slの検出情報に基づいて監視を継続的且つ確実に行うことができるから、育成管理上の物理的限界を効果的に補うことができ、それらの結果、育成管理を頗る簡便化し、育成の失敗を大幅に少なくすることができる。しかもユーザは、水槽V内の状態に対して、絶え間なく気を配ることを強いられたり或いは漠とした不安を抱くことから解放され、気軽に育成を楽しむことができ、観賞、安らぎといった本来の育成目的に浸ることができる。
また本実施例では、情報処理装置としてのパソコンPCにおいて、水槽V内の観賞魚及び/又は水草に応じた管理情報(水温、水質)の適正範囲を予め設定しておき、センサSt,Sdで検出した実際の管理情報(水温、水質)がその設定範囲にあるか否かの判断結果をインターネットIを通じて電子メールの形で端末情報機器PC′,PT,PDAに送信し、そのメールチェックにより該端末情報機器PC′,PT,PDAにおいて容易に確認できるようにしている。そのため、ユーザが観賞魚及び/又は水草に関して最適な育成環境の知識や育成経験を持たない場合でも、その育成生物に応じた最適環境を設定可能となり、それだけ育成上の失敗を減らすことができる。
また本実施例では、水位センサSlで検出されが水槽V内の水位変化も、パソコンPCからインターネットIを通じて電子メールの形で端末情報機器PC′,PT,PDAに送信して、遠隔の端末情報機器PC′,PT,PDAにおいて容易にチェックできるようにしているため、水漏れを迅速に発見可能となり、水漏れによるトラブルや、水漏れ後の保温器具の暴走事故等を未然に防止する上で有効である。
尚、ユーザが水槽Vの傍に居る場合には、各センサSt,Sd,Slによる検出情報を、水槽V近くに置かれるパソコンPCのモニターMに表示させることによって、ユーザは水槽V内の様子を目で直接確認できるばかりか、前記モニターMの表示からも水槽V内の管理情報(水温、水質)を簡単に得ることができる。
また図2には、本発明の別の実施例が示される。この実施例では、水槽Vに設置される生物育成用の各種の附属電気機器(例えばヒータユニットH、エアポンプP、クーラーユニットC、自動給餌器E、図示しない濾過用水中モータ等)が、情報処理装置としてのパソコンPCからの作動指令信号を受けると該附属電気機器を作動させる駆動部Hd,Pd,Cd,Edを有しており、それら駆動部Hd,Pd,Cd,EdがパソコンPCに接続される。
そして、端末情報機器PC′,PT,PDAにおいてそのキーボードKにより操作入力された作動指令情報をインターネットIを介してパソコンPCに電子メールの形で送信すると、このパソコンPCにおいては、メール送信された前記指令情報を附属電気機器H,P,C,Eに対する作動指令信号として変換し得ると共にその変換信号を対応する駆動部Hd,Pd,Cd,Edに向けて送信し得るようになっており、斯かる機能を達成するためのプログラムがパソコンPCのハードディスクに記録されている。
従って、この実施例では、先の実施例と同様の作用効果を発揮し得る上に、次のような格別の作用効果も発揮し得る。即ち、端末情報機器PC′,PT,PDAにより水槽管理情報を遠隔地で入手したユーザが、その情報内容に応じて端末情報機器PC′,PT,PDAを適宜、操作入力して附属電気機器H,P,C,Eへの作動指令を行う。その指令情報は、端末情報機器PC′,PT,PDAからインターネットIを介してパソコンPCに電子メールの形で送信され、該パソコンPCにおいては、メール送信された前記指令情報を対応する附属電気機器H,P,C,Eへの作動指令信号に変換してその駆動部Hd,Pd,Cd,Edに向けて送信し、これにより、対応する附属電気機器H,P,C,Eを遠隔地からでも随時に操作することができる。例えば水温の下降・上昇に対しては、ヒータユニットHを作動させたり或いはクーラーユニットCを作動させたりし、また水質の低下に対しては、エアポンプPに通電してフィルタFを作動させたり或いは濾過用水中モータ(図示せず)を作動させたりし、またデジタルカメラCAにより撮影した水槽V内の様子から魚が餌を欲していると判断される場合には、自動給餌器Eを作動させて餌やりを行うようにする。
従って、ユーザは、水槽Vから離れた場所に居ても、手元の端末情報機器PC′,PT,PDAで得た水槽V内の管理情報(例えば水温、水質)に応じて、水槽Vの附属電気機器H,P,C,Eを遠隔的に操作することができ、水槽Vの環境変化に対してより迅速に対応でき、一層便利である。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
例えば、前記実施例では、本発明を観賞魚又は水草育成管理支援システムに実施した一例を示したが、本発明を、観賞魚又は水草以外の種々の生物、例えば、観賞用陸生植物、蛇等の爬虫類、ハムスター、鳥等の小動物等の育成管理支援システムとして実施してもよい。この場合、センサで検出すべき育成ケース内の環境に関係した管理情報としては、育成される植物又は動物の育成目的、態様等に即して適宜選定され、本実施例のものに限定されない。
CA デジタルカメラ
I インターネット(通信手段)
PC パソコン(情報処理装置)
PC′ パソコン(端末情報機器)
PDA 携帯情報端末(端末情報機器)
PT 携帯電話(端末情報機器)
Sd 水質センサ
Sl 水位センサ
St 水温センサ
V 観賞魚用水槽(育成ケース)
I インターネット(通信手段)
PC パソコン(情報処理装置)
PC′ パソコン(端末情報機器)
PDA 携帯情報端末(端末情報機器)
PT 携帯電話(端末情報機器)
Sd 水質センサ
Sl 水位センサ
St 水温センサ
V 観賞魚用水槽(育成ケース)
Claims (5)
- 育成生物が入れられる育成ケース(V)と、その育成ケース(V)内の環境変化に応じて変化する特定の管理情報を検出し得る少なくとも1つのセンサ(St,Sd,Sl)と、このセンサ(St,Sd,Sl)の検出情報を受けて、これを通信手段(I)を介して、前記育成ケース(V)から離れた場所にある端末情報機器(PC′,PT,PDA)に送信し得る情報処理装置(PC)とを備え、
前記端末情報機器(PC′,PT,PDA)は、前記情報処理装置(PC)から送信された前記検出情報を閲覧可能であることを特徴とする、生物育成管理支援システム。 - 前記情報処理装置(PC)は、育成生物に応じた前記管理情報の適正範囲を予め記憶可能であると共に、前記センサの検出情報が前記適正範囲にあるか否かを判断可能であり、その判断結果は、該情報処理装置(PC)から前記通信手段(I)を介して前記端末情報機器(PC′,PT,PDA)に送信され、該端末情報機器(PC′,PT,PDA)で閲覧可能であることを特徴とする、請求項1に記載の生物育成管理支援システム。
- 前記育成ケース(V)内の様子を定期的に撮影して画像情報として前記情報処理装置(PC)に出力し得るカメラ(CA)を備え、
前記情報処理装置(PC)は、前記カメラ(CA)からの画像情報を前記通信手段(I)を介して前記端末情報機器(PC′,PT,PDA)に送信可能であり、その送信された画像情報は、該端末情報機器(PC′,PT,PDA)で閲覧可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の生物育成管理支援システム。 - 前記育成ケース(V)は観賞魚飼育用の水槽であり、前記センサには、前記水槽(V)内の水の温度を検出する水温センサ(St)、同水の水質を検出する水質センサ(Sd)、及び同水の水面レベルを検出する水位センサ(Sl)のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする、請求項1,2又は3に記載の生物育成管理支援システム。
- 前記育成ケース(V)には、前記情報処理装置(PC)に接続され該ケース(V)内の生物の育成に用いる附属電気機器(H,P,C,E)が付設されており、
前記端末情報機器(PC′,PT,PDA)で操作入力された指令情報を前記通信手段(I)を介して前記情報処理装置(PC)に送信し、その送信された指令情報を前記情報処理装置(PC)から前記附属電気機器(H,P,C,E)に出力して該機器(H,P,C,E)を遠隔操作し得るようにしたことを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の生物育成管理支援システム。
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