以下、図面を参照して本表示制御プログラム、養殖システムおよび情報処理装置に係る実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
(A)構成
図1は実施形態の一例としての養殖システム1の構成を模式的に示す図である。
本養殖システム1は、図1に示すように、養殖管理装置10,管理者端末20a,20bおよび水槽30を備える。
[水槽30]
水槽30には海水または淡水の飼育用水が満たされ、この水中において複数種類の水生生物(生体)が飼養(養殖,飼育)される。水槽30は管理領域に相当し、この水槽30内においては水質が同一であるとみなされる。すなわち、管理領域は、同じ水質として管理する単位に相当する。後述する養殖管理装置10は、同じ水質管理対象となる領域を管理対象とすることが望ましい。なお、水槽30は1以上設置されており、水槽30毎に飼養する水生生物が登録されるものとする。
水生生物は、例えば、鯉、金魚、熱帯魚、鮎等の淡水魚、ハマチ、鯛等の海水魚や、牡蠣等の貝類、ナマコ、ウニ等、など、食用、観賞用、その他の目的で飼養する飼養対象である。
本実施形態においては、水槽30に、例えば、複数のケージが沈められ、これらのケージに、飼養対象の生体であるマナマコやエゾバフンウニが生体種毎にケージを分けて入れられている。
水槽30には複数種類(図1に示す例では6つを図示)のセンサ31−1〜31−6が設置されている。
例えば、センサ31−1は水槽30中の飼育用水の水温を測定する温度センサであり、センサ31−2は飼育用水の塩分濃度を測定する塩分濃度センサであり、センサ31−3は飼育用水のphを測定するphセンサである。また、センサ31−4は飼育用水のアンモニウムイオンを、センサ31−5は飼育用水の亜硝酸イオンを、センサ31−6は飼育用水の硝酸イオンを、それぞれ測定するイオンセンサである。
以下、これらのセンサ31−1〜31−6を特に区別しない場合には、センサ31と表記する。センサ31は、これらの温度センサや塩分濃度センサ、phセンサ、イオンセンサに限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。また、以下、センサ31−1〜31−6をセンサ#1〜#6とそれぞれ表す場合がある。センサ31は、水槽30における環境状態を測定する。
センサ31は、本養殖システム1において水質の管理に用いられる水質管理項目毎に備えられる。水質管理項目は、例えば、水温,塩分濃度,ph,アンモニウムイオン,亜硝酸イオン,硝酸イオン,濁度である。これらの水質管理項目の情報は、水槽30の水質を表す水質情報(飼育環境情報)に相当する。これらの水質情報を測定種別といってもよい。
本実施形態においては、水質管理項目毎にセンサ31が備えられ、一のセンサ31が一の水質管理項目の測定に用いられるが、これに限定されるものではない。すなわち、一のセンサ31を複数種類の水質管理項目の測定に用いてもよい。
センサ31は自律的に測定を行なってもよく、また、養殖管理装置10からの測定指示に従って計測を行なってもよい。センサ31は測定の結果得られたセンサデータ(測定値)を養殖管理装置10に送信する。
管理者端末20a,20bは、本養殖システム1の管理者が使用する情報処理装置である。例えば、管理者端末20aはスマートフォンである。管理者端末20bは、スマートフォンよりも大きなサイズの表示装置を備える情報処理装置であり、例えば、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC,タブレットPCである。
管理者は、管理者端末20aのタッチディスプレイ514(図18参照)や,管理者端末20bのモニタ614a(図19参照)に表示される入力画面(ユーザインタフェース)を介して、各種の入力操作を行なう。なお、管理者端末20aのタッチディスプレイ514や管理者端末20bのモニタ614aを表示装置という場合がある。
図2は実施形態の一例としての養殖システム1の管理者端末20a,20bの機能構成を例示する図である。
以下、管理者端末20a,20bを特に区別しない場合には、管理者端末20と表記する。
管理者端末20は、表示制御部21および入力制御部22としての機能を備える。
表示制御部21は、管理者端末20aのタッチディスプレイ514(図18参照)や管理者端末20bのモニタ614a(図19参照)に種々の情報を表示させる制御を行なう。例えば、表示制御部21は、後述する入力画面201a−1〜201a−4をタッチディスプレイ514やモニタ614aに表示させる。
入力制御部22は、入力画面201a−1〜201a−4において入力された情報を処理する。例えば、入力制御部22は、管理者端末20aのタッチディスプレイ514から入力された情報をメモリ512に記憶させる他、プロセッサ511に処理させる。また、入力制御部22は、入力された情報をネットワークインタフェース518(図18参照)を介して養殖管理装置10に送信してもよい。
また、入力制御部22は、管理者端末20bのキーボード15aやマウス15bにより入力された情報をメモリ612に記憶させる他、プロセッサ611に処理させる。また、入力制御部22は、入力された情報をネットワークインタフェース618(図19参照)を介して養殖管理装置10に送信してもよい。
[管理者端末20a]
図3〜図6は実施形態の一例としての養殖システム1の管理者端末20aのタッチディスプレイ514(図18参照)に表示される入力画面201a−1〜201a−4を例示する図である。
管理者は、生体の飼養に要求される飼養条件を示す管理指標値を、管理者端末20aに表示される入力画面201a−1〜201a−4を介して入力(設定)する。本養殖システム1においては、生体の種類(生体種)毎に飼養条件を表す管理指標値を予め設定することができる。管理指標値は、後述する養殖管理装置10のセンサデータ評価部102により閾値として用いられる。
例えば、管理者端末20aに備えられたプロセッサ511(図18参照)がクライアント用養殖管理プログラムを実行することで、表示制御部21および入力制御部22としての機能が実現され、入力画面201a−1〜201a−4が管理者端末20aのタッチディスプレイ514に表示される。
なお、後述する養殖管理装置10が入力画面201a−1〜201a−4を提供し、インターネット等のネットワークを介して当該養殖管理装置10に接続された管理者端末20aにおいて、表示制御部21がブラウザを介してこれらの入力画面201a−1〜201a−4を表示装置に表示させてもよい。
図3に例示する入力画面201a−1は、養殖管理に関して管理者が行なう作業の選択画面を示す。
この図3に例示する入力画面201a−1においては、作業入力の選択肢として、給餌,池入れ,出荷,注水・排水,水槽メンテ,水質モニタ,取出し,斃死回収,生体種登録およびメール通知の各アイコンを備える。
管理者はこの入力画面201a−1において、行なおうとする作業入力に対応するアイコンを選択する。本実施形態においては、生体種登録を行なう例について示す。生体登録は、本養殖システム1において飼養する生体種を新たに登録(新規生体登録)する機能と、既に登録済みの生体種に対する管理指標値の設定・変更(管理指標値設定)を行なう機能とを含む。以下、生体種登録には、新規生体種登録と、登録済みの生体種に対する管理指標値設定とを含めるものとする。なお、水槽30は1以上設置されており、水槽30毎に飼養する水生生物が登録されることを含む。
管理者が入力画面201a−1において生体種登録のアイコン2011を選択すると、図4に例示する入力画面201a−2が管理者端末20aのタッチディスプレイ514に表示される。
図4に例示する入力画面201a−2は、生体種登録の対象を選択する選択画面を示す。
図4に例示する入力画面201a−2には、登録済みの生体種として、マナマコおよびエゾバフンウニが示されている。管理者は、この入力画面201a−2において、登録済みの生体種(図4に示す例ではマナマコまたはエゾバフンウニ)を選択することで、図5に例示する生体種登録用の入力画面201a−3が管理者端末20aのタッチディスプレイ514に表示される。
図5に例示する生体種登録用の入力画面201a−3は、生体種名欄2021と複数(図5に示す例では6つ)の管理指標値設定欄2022−1〜2022−6とを備える。
生体種名欄2021には、生体種名が入力される。図5に示す例においては、生体種名欄2021にマナマコが入力されている。
管理指標値設定欄2022−1〜2022−6には、生体種名欄2021に示される生体種についての飼養条件を示す管理指標値がそれぞれ設定される。複数種類(図5に示す例では6種類)の水質管理項目(飼養管理項目,飼育環境情報)に応じて、複数(図5に示す例では6つ)の管理指標値設定欄2022−1〜2022−6が備えられる。以下、6つの管理指標値設定欄2022−1〜2022−6を特に区別しない場合には、管理指標値設定欄2022と表記する。
管理指標値設定欄2022は、生体の飼養を行なうに際して、水質を管理するための水質管理項目毎に備えられる。水質管理項目は、生体の飼養を行なうための飼養条件の種類に相当する。
図5に示す例においては、水温,塩分濃度,ph,アンモニウムイオン,亜硝酸イオンおよび硝酸イオンが水質管理項目であり、これらの水質管理項目のそれぞれに対して、管理指標値設定欄2022が設けられている。
管理指標値設定欄2022は、背景領域2028,下限値欄2023および上限値欄2024を備える。図5に例示する背景領域2028は、左右方向に長い矩形形状を有し、この背景領域2028上に、下限値欄2023と上限値欄2024とが左右方向に並んで配置されている。背景領域2028は、管理者端末20aのタッチディスプレイ514の幅(左右方向長)とほぼ同じ左右方向長を有してもよい。
下限値欄2023および上限値欄2024には、それぞれ管理者によって管理指標値が入力される。管理指標値は、生体の飼養に求められる水質情報の値(飼養条件)を表し、管理指標値が範囲として表される場合に、管理者は、その下限値を下限値欄2023に、上限値を上限値欄2024に、それぞれ入力する。なお、水槽30が複数設置されている場合には、システムは、同じ生体であっても、管理する生体群の単位毎に異なる管理指標値の登録を許容する。具体的には、システムは、異なる水槽にて同種の生体が飼養される場合に、それぞれの水槽単位で異なる管理指標値を登録することを可能とする。例えば高品質とそれ以外の品質とで飼養に係る費用を調整する場合に利用される。
これらの下限値および上限値は、後述する養殖管理装置10のセンサデータ評価部102により閾値として用いられる。下限値欄2023に入力された下限値を下限閾値という場合がある。また、上限値欄2024に入力された上限値を上限閾値という場合がある。
例えば、マナマコの飼養には飼育用水の水温が4℃〜20℃の範囲内であることが要求される。すなわち、マナマコの飼養においては4℃〜20℃が水温の許容範囲である。また、マナマコの飼養においては、飼育用水のpHが7pH〜9pHであることが要求される。すなわち、マナマコの飼養においては7pH〜9pHがpHの許容範囲である。さらに、マナマコの飼養においては、飼育用水の塩分濃度が20%〜38%であることが要求される。すなわち、マナマコの飼養においては20%〜38%が塩分濃度の許容範囲である。
マナマコの飼養においては、飼育用水のアンモニウムイオンおよび亜硝酸イオンがそれぞれ1mg以下であることが要求される。すなわち、マナマコの飼養においては1mg以下であることがアンモニウムイオンおよび亜硝酸イオンの許容範囲である。また、マナマコの飼養においては、飼育用水の硝酸イオンが100mg以下であることが要求される。すなわち、マナマコの飼養においては100mg以下であることが硝酸イオンの許容範囲である。
管理者は、これらの各水質管理項目の許容範囲の上限値および下限値を、入力画面201a−3の各管理指標値設定欄2022の下限値欄2023および上限値欄2024にそれぞれ設定する。
下限値(下限閾値)は、水槽30における環境状態を測定するセンサ31により測定される測定項目(水質管理項目:水温,塩分濃度,ph,アンモニウムイオン,亜硝酸イオンおよび硝酸イオン)に対する下限管理指標値に相当する。
また、上限値(上限閾値)は、水槽30における環境状態を測定するセンサ31により測定される測定項目に対する上限管理指標値に相当する。
例えば、許容範囲が4℃〜20℃である水温について、管理者は、管理指標値設定欄2022−1に対して、下限値欄2023に“4”を設定するとともに、上限値欄2024に“20”を設定する。
同様に、管理者は、各水質項目について、対応する管理指標値設定欄2022−2〜2022−6に対して、それぞれ下限値欄2023および上限値欄2024に許容範囲を示す限界値(上限値,下限値)を設定する。なお、下限値欄2023または上限値欄2024の一方のみに値を設定してもよい。
背景領域2028は、同一の管理指標値設定欄2022における下限値欄2023や上限値欄2024に値が入力されていない状態(未設定状態)では任意の単色(第一色)で表されてもよい。
そして、管理指標値設定欄2022の下限値欄2023に値が入力されると、当該下限値欄2023の近傍に入力済みマーク2027が表示される。図5に示す例においては、管理指標値設定欄2022−1〜2022−3のそれぞれにおいて、背景領域2028における下限値欄2023側の近傍を部分的に表示色を第一色と異なる第二色に変更するこことで構成された入力済みマーク2027が示されている。この入力済みマーク2027を表すことで、下限値欄2023に値が設定されたことを管理者が容易に把握することができる。また、この入力済みマーク2022として、下限値欄2023の左側位置に、例えば「丸付きの×印」のマークを合せて付すことで、管理者が色の識別がしにくい場合でも下限値欄2023に値が設定されたことを容易に把握することができる。
同様に、管理指標値設定欄2022の上限値欄2024に値が入力されると、当該上限値欄2024の近傍に入力済みマーク2027が表示される。図5に示す例においては、管理指標値設定欄2022−1〜2022−6のそれぞれにおいて、背景領域2028における上限値欄2024側の近傍を部分的に表示色を第一色とは異なる第二色に変更するこことで構成された入力済みマーク2027が示されている。この入力済みマーク2027を表すことで、上限値欄2024に値が設定されたことを管理者が容易に把握することができる。また、この入力済みマーク2022として、上限値欄2024の右側位置に、例えば「丸付きの×印」のマークを合せて付すことで、管理者が色の識別がしにくい場合でも下限値欄2023に値が設定されたことを容易に把握することができる。入力済みマーク2027および「丸付きの×印」のマークは、警告色であることが望ましく、例えば赤系統が用いられる。
すなわち、管理指標値設定欄2022においては、下限値欄2023もしくは上限値欄2024に閾値(下限値,上限値)が入力されると、入力された側に対応する背景領域2028の表現が変更される。これにより、下限値欄2023に閾値が入力された場合に、下限値が入力されていることが分かるように、下限値欄2023付近の背景領域2028の表示態様が変更される。同様に、上限値欄2024に閾値が入力された場合に、上限値が入力されていることが分かるように、上限値欄2024付近の背景領域2028の表示態様が変更される。
図5に示す例においては、入力済みマーク2027は下限値欄2023や上限値欄2024の外側に形成されている。なお、入力済みマーク2027は、これに限定されるものではない。値が入力された下限値欄2023や上限値欄2024の色や形状を変更することで入力済みマーク2027を表してもよく、種々変形して実施することができる。
管理指標値設定欄2022においては、左側に下限値欄2023が、右側に上限値欄2024が、それぞれ配置され、これらの下限値欄2023と上限値欄2024とにそれぞれ値が入力された状態においては、下限値欄2023の左側と上限値欄2024の右側とにそれぞれ入力済みマーク2027が表示される。これにより、管理指標値設定欄2022が、上限値と下限値とを表示するとともに、これらの上限値と下限値との間が飼養条件の許容範囲である棒状のメータとしての態様を表す。
そして、図5に示す例において、管理指標値設定欄2022を棒状のメータとして見た場合に、管理指標値設定欄2022における、下限値欄2023よりも左側の領域が下限値よりも小さい値に相当し、下限値欄2023よりも右側の領域が下限値よりも大きい値に相当する。同様に、管理指標値設定欄2022における、上限値欄2024よりも左側の領域が上限値よりも小さい値に相当し、上限値欄2024よりも右側の領域が上限値よりも大きい値に相当する。
下限値欄2023に下限値が入力された場合は、この下限値欄2023の値よりも、より低い値を示す位置に入力済みマーク2027が表示される。また、上限値欄2024に上限値が入力された場合はこの上限値欄2024の値よりも、より高い値を示す位置に入力済みマーク2027が表示される。すなわち、表示制御部21は、下限値欄2023に下限値が入力された場合は、この下限値欄2023の値よりも、より低い値を示す位置のマークを変更する。また、表示制御部21は、上限値欄2024に上限値が入力された場合はこの上限値欄2024の値よりも、より高い値を示す位置のマークを変更する。
また、この管理指標値設定欄2022において、下限値欄2023と上限値欄2024との間、棒状のメータにおける許容範囲を表す領域にチェックマーク(レ点)が示されている。
管理指標値設定欄2022を、飼養条件の上限値と下限値とを示す棒状のメータとして見る場合に、許容範囲外の領域に相当する、下限値の左側と上限値の右側とに「丸付きの×印」とのマークが配置され、上限値と下限値との間にチェックマーク(レ点)が配置される。これにより、管理者が色の識別がしにくい場合でも管理指標値設定欄2022を容易に把握することができる。
生体種名欄2021や管理指標値設定欄2022(下限値欄2023,上限値欄2024)に入力された値は、管理者端末20aに備えられた図示しないメモリ等の記憶領域に一時的に格納される。
また、図5に例示する生体種登録用の入力画面201a−3は、登録ボタン2026およびキャンセルボタン2025を備える。
登録ボタン2026は、管理者が、生体種名欄2021や各管理指標値設定欄2022(下限値欄2023,上限値欄2024)に入力された情報を登録する場合に選択(押下,タッチ,クリック)される。
入力画面201a−3の下限値欄2023および上限値欄2024において入力された下限値および上限値は、図示しないメモリ等の記憶領域に格納された後、登録ボタン2026が選択されることで、養殖管理装置10に送信される。これらの上限値および下限値は、後述の如く、養殖管理装置10の記憶部104において閾値データベース105に記録される(図12参照)。
キャンセルボタン2025は、管理者が、生体種名欄2021や各管理指標値設定欄2022(下限値欄2023,上限値欄2024)において行なった入力を記憶部104に登録せずにキャンセルする場合に選択される。
また、図4に例示する入力画面201a−2は、新規生体種アイコン2012を備える。管理者が、この入力画面201a−2において新規生体種アイコン2012を選択することで、図6に例示する新規生体登録用の入力画面201a−3が管理者端末20aのタッチディスプレイ514に表示される。
図6に例示する新規生体種登録用の入力画面201a−4は、生体種名欄2021と複数(図6に示す例では6つ)の管理指標値設定欄2022−1〜2022−6とを備える。また、新規生体種登録用の入力画面201a−4は、登録ボタン2026およびキャンセルボタン2025を備える。
以下、図中において既述の符号と同一の符号は同様の部分を示しているので、その詳細な説明は省略する。
図6に例示する入力画面201a−4においては、生体種名欄2021には生体種名は入力されておらず、また、各管理指標値設定欄2022−1〜2022−6の下限値欄2023および上限値欄2024にも閾値は入力されていない。
管理者は、この入力画面201a−4を介して、飼養する生体種の情報を新たに登録する。
また、管理者端末20aのタッチディスプレイ514には、養殖管理装置10の出力制御部103から送信されるモニタリング画面202a−1,202a−2が表示される。これらのモニタリング画面202a−1,202a−2については、図14および図15を用いて後述する。
[管理者端末20b]
図7〜図10は実施形態の一例としての養殖システム1の管理者端末20bのモニタ614a(図19参照)に表示される入力画面201b−1〜201b−4を例示する図である。
管理者は、生体の飼養に要求される飼養条件を示す管理指標値を、管理者端末20bに表示される入力画面201b−1〜201b−4を介して入力(設定)する。本養殖システム1においては、生体の種類毎に飼養条件(管理指標値)を設定することができる。管理指標値は、後述する養殖管理装置10のセンサデータ評価部102により閾値として用いられる。
例えば、管理者端末20bに備えられたプロセッサ611(図19参照)がクライアント用養殖管理プログラムを実行することで表示制御部21および入力制御部22としての機能が実現され、入力画面201b−1〜201b−4が管理者端末20bのモニタ614aに表示される。なお、後述する養殖管理装置10が入力画面201b−1〜201b−4を提供し、インターネット等のネットワークを介して当該養殖管理装置10に接続された管理者端末20aの表示制御部21が、ブラウザを介してこれらの入力画面201b−1〜201b−4をモニタ614aに表示させてもよい。
図7に例示する入力画面201b−1は、養殖管理に関して管理者が行なう作業の選択画面を示す。
この図7に例示する入力画面201b−1は、図3に示した入力画面201a−1と同様のアイコンを備える。
すなわち、作業入力の選択肢として、給餌,池入れ,出荷,注水・排水,水槽メンテ,水質モニタ,取出し,斃死回収,生体登録およびメール通知の各アイコンを備える。
管理者はこの入力画面201b−1において、行なおうとする作業入力に対応するアイコンを選択する。本実施形態においては、生体登録を行なう例について示す。
管理者が入力画面201b−1において生体登録のアイコン2011を選択すると、図8に例示する入力画面201b−2が管理者端末20bのモニタ614aに表示される。
図8に例示する入力画面201b−2は、生体登録の対象を選択する選択画面を示す。
この図8に例示する入力画面201b−2は、図4に示した入力画面201a−2と同様の情報を表示する。
管理者は、この入力画面201b−2において、登録済みの生体(図8に示す例ではマナマコまたはエゾバフンウニ)を選択することで、図9に例示する生体登録用の入力画面201b−3が管理者端末20bのモニタ614aに表示される。
図9に例示する生体登録用の入力画面201b−3は、図5に示した入力画面201a−3と同様に、生体種名欄2021と複数(図9に示す例では6つ)の管理指標値設定欄2022−1〜2022−6とを備える。
管理者は、各水質管理項目の許容範囲を、入力画面201b−3の各管理指標値設定欄2022の下限値欄2023および上限値欄2024にそれぞれ設定する。
図9に例示する入力画面201b−3においても、管理指標値設定欄2022において下限値欄2023もしくは上限値欄2024に閾値(下限値,上限値)が入力されると、入力された側に対応する背景領域2028の表現が変更される。これにより、下限値欄2023に閾値が入力された場合に、下限値が入力されていることが分かるように、下限値欄2023付近の背景領域2028の表示態様が変更される。同様に、上限値欄2024に閾値が入力された場合に、上限値が入力されていることが分かるように、上限値欄2024付近の背景領域2028の表示態様が変更される。
また、図8に例示する入力画面201b−2は、新規生体種アイコン2012を備える。管理者が、この入力画面201b−2において新規生体種アイコン2012を選択することで、図10に例示する新規生体登録用の入力画面201b−4が管理者端末20bのモニタ614aに表示される。
図10に例示する新規生体登録用の入力画面201b−4は、図6に示した入力画面201a−4と同様に、生体種名欄2021と複数(図10に示す例では6つ)の管理指標値設定欄2022−1〜2022−6とを備える。また、新規生体登録用の入力画面201−4は、登録ボタン2026およびキャンセルボタン2025を備える。
管理者は、この入力画面201b−4を介して、飼養する生体の情報を登録する。
また、管理者端末20bのモニタ614aには、養殖管理装置10の出力制御部103から送信されるモニタリング画面202bが表示される。これらのモニタリング画面202bについては、図13を用いて後述する。
[養殖管理装置10]
養殖管理装置10は、水槽30に設置されたセンサ31から送信されるセンサデータ(測定値)に基づき、飼育用水の状態を管理する。
養殖管理装置10は、例えば、サーバ機能を備える情報処理装置である。養殖管理装置10は、図1に示すように、センサデータ収集部101,センサデータ評価部102,出力制御部103およびモニタリング情報作成部107としての機能を備える。また、養殖管理装置10は記憶部104としての機能を備える。
記憶部104は、図1に示すように、閾値データベース105,センサデータ群106およびセンサデータ評価結果108を記憶する。記憶部104は、例えば、記憶装置13(図17参照)によって実現される。閾値データベース105,センサデータ群106およびセンサデータ評価結果108についての各詳細は後述する。
センサデータ収集部101は、水槽30に設置された各センサ31からセンサデータ(測定値,測定結果)をそれぞれ収集する。以下、センサ31により測定された測定値をセンサデータという場合がある。
センサデータ収集部101は、各センサ31に対してセンサデータの送信を要求し、この要求に対してセンサ31から応答(送信)されるセンサデータを受信することで、センサデータを収集してもよい。センサデータ収集部101は、各センサ31に対して定期的もしくは任意のタイミングでセンサデータの収集を行なってもよい。
センサデータ収集部101は、複数の水槽30のそれぞれに備えられた各センサ31からセンサデータの収集を行なう。センサデータ収集部101は収集されたセンサデータがいずれのセンサ31から収集されたものであるか認識することができる。これにより、センサデータ収集部101はセンサデータが複数の水槽30のうちいずれの水槽(管理領域,第1の管理領域)30で測定されたものであるかを特定することができる。センサデータ収集部101は、収集した前記センサデータが対応づけられる第1の管理領域を特定する管理領域特定部に相当する。
例えば、複数の水槽30のそれぞれについて、水槽30を特定する情報に対して、当該水槽30に備えられたセンサ31や、当該水槽30で飼養されている生体種を特定する情報を対応付けて構成した水槽データベース(図示省略)を記憶部104に記憶してもよい。
また、センサデータ収集部101は、各センサ31から定期的もしくは任意のタイミングで送信されるセンサデータを受信することでセンサデータを収集してもよい。
センサデータ収集部101は、複数のセンサ31のセンサデータを同じタイミング(時刻)で収集することが望ましい。
センサデータ収集部101が収集した各センサ31のセンサデータは、記憶部104に記憶される。すなわち、収集されたセンサデータはメモリ12や記憶装置13の所定の記憶領域に記憶される。
センサデータ収集部101によって収集されたセンサデータは、当該センサデータを計測したセンサ31を特定する識別情報および当該センサデータが収集された時刻を示すタイムスタンプに関連付けて、センサデータ群106として記憶される。
図11は実施形態の一例としての養殖システム1におけるセンサデータ群を例示する図である。
この図11に例示するセンサデータ群106は、収集されたセンサデータを、同一のタイムスタンプ(図11に示す例では“2019/5/5 12:12”)を有するセンサデータをセンサ31に対応付けたテーブルで表している。
記憶部104においては、センサデータ収集部101によって収集されたセンサデータが、同一のタイムスタンプ毎にまとめて構成されたセンサデータ群106を複数記憶する。
センサデータ評価部102は、センサデータ収集部101によって収集された各センサ31のセンサデータが、飼養条件を満たす状態にあるかを評価(判断)する。
以下、センサデータ評価結果108が評価を行なうセンサデータを評価対象センサデータという場合がある。センサデータ評価部102は、評価対象センサデータを閾値データベース105と比較することで評価を行なう。
図12は実施形態の一例としての養殖システム1における閾値データベース105を例示する図である。
閾値データベース105は、飼養する生体群毎の水質管理項目毎の許容範囲(飼養条件)を示す。生体群の使用条件は、同じ生体の種類であっても水槽30毎に可変である。閾値データベース105は、水槽毎の生体群毎の許容範囲である。閾値データベース105においては、管理者端末20aの入力画面201a−3および管理者端末20bの入力画面201b−3において入力された上限値および下限値が、対応する水質管理項目の下限閾値および上限閾値として対応付けて設定される。
閾値データベース105においては、生体種毎に水質管理項目の下限閾値と上限閾値とが設定される。
以下、一の生体種についての、水質管理項目に関する上限閾値と下限閾値との組み合わせを閾値セットという場合がある。閾値セットには、複数の水質管理項目についての上限閾値と下限閾値との組み合わせを含んでよい。閾値セットは生体種毎に備えられる。
閾値セット115は、生体の種類(生体種)毎に、管理指標値の下限値(下限閾値)および上限値(上限閾値)を備える管理指標値情報に相当する。
図12に示す例においては、生体種名が“生体種A”である生体種に関する閾値セット115−1と、生体種名が“生体種B”である生体種とに関する閾値セット115−2とが図示されている。
なお、以下、閾値セットを示す符号としては、複数の閾値セットのうち1つを特定する必要があるときには符号115−1,115−2を用いるが、任意の閾値セットを指すときには符号115を用いる。閾値データベース105は複数の閾値セット115を備える。
図12に示す例において、生体種Aに関する閾値セット115−1においては、例えば、水質管理項目#1(水温)に対して、下限閾値“11”と上限閾値“20”とが設定されている。また、水質管理項目#2(塩分濃度)に対して、下限閾値“20”と上限閾値“30”とが設定されている。
図12においては図示が省略されているが、閾値セット115には、他の水質管理項目(例えば、ph,アンモニウムイオン,亜硝酸イオン,硝酸イオン)についても下限閾値および上限閾値が設定されている。
閾値セット115は、生体の種類(生体種)毎に、管理指標値の下限値(下限閾値)および上限値(上限閾値)を備える管理指標値情報に相当する。
センサデータ評価部102は、センサデータ収集部101によって収集されたセンサ31のセンサデータ(評価対象センサデータ)を、閾値セット115と比較する。センサデータ評価部102は、評価対象センサデータの値が、閾値セット115における当該センサデータに対応する水質管理項目の下限閾値と上限閾値との間にあるかを確認する。
すなわち、センサデータ評価部102は、センサデータ(評価対象センサデータ)の値が下限閾値(下限値)と上限閾値(上限値)との間にあるかを判定する判定部に相当する。
センサデータ評価部102は、収集した評価対象センサデータに基づき、例えば、上述した水槽データベースを参照して、当該評価対象センサデータを計測したセンサ31が備えられた水槽30を特定し、当該水槽30で飼養されている生体種を特定してもよい。すなわち、センサデータ評価部102は、水槽(第1の管理領域)30で飼養されている1以上の種類の生体を特定する生体種特定部に相当する。
そして、センサデータ収集部101は、この特定した生体種についての閾値セット115を参照して、該評価対象センサデータの値と比較し、評価対象センサデータの値が、閾値セット115における当該センサデータに対応する水質管理項目の下限閾値と上限閾値との間にあるかを確認してもよい。
評価対象センサデータの値が、閾値セット115における当該センサデータに対応する水質管理項目の下限閾値と上限閾値との間にある場合には、当該センサデータによって表される水質管理項目は、当該閾値セット115に対応する生体種の飼養条件を満たす(正常状態)と判断される。すなわち、センサデータ評価部102は、評価対象センサデータの値が、閾値セット115における当該センサデータに対応する水質管理項目の上限閾値と下限閾値との間にある場合に正常状態であると判断する。なお、評価対象センサデータの値が下限閾値と上限閾値との間にある場合とは、評価対象センサデータの値が、下限閾値以上且つ、上限閾値以下であることを示す。
これに対して、評価対象センサデータの値が、閾値セット115における当該センサデータに対応する水質管理項目の上限閾値と下限閾値との間にない場合には、当該センサデータによって表される水質管理項目は、当該閾値セット115に対応する生体種の飼養条件を満たさない(異常状態)と判断される。すなわち、センサデータ評価部102は、評価対象センサデータの値が、閾値セット115における当該センサデータに対応する水質管理項目の上限閾値と下限閾値との間にない場合に異常状態であると判断する。なお、評価対象センサデータの値が下限閾値と上限閾値との間にない場合とは、評価対象センサデータの値が、下限閾値よりも低いか、上限閾値よりも高いことを示す。
センサデータ評価部102は、評価対象センサデータを閾値セット115と比較することにより行なった飼養条件を満たす状態にあるか否かの評価結果(判断結果)を記憶部104の所定の記憶領域に記憶させる。以下、この記憶部104に記憶された判断結果を示す情報をセンサデータ評価結果108という。
センサデータ評価結果108は、例えば、評価対象センサデータを測定したセンサ31を識別する識別情報に対して、当該評価対象センサデータが飼養条件を満たす状態にあるかを示す情報を対応付けることで構成される。センサデータ評価部102は、評価対象センサデータが飼養条件を満たす状態にあるかを示す情報として、例えば、評価対象センサデータが飼養条件を満たす状態にある場合には“1”を、評価対象センサデータが飼養条件を満たす状態にない場合には“0”を、それぞれセンサデータ評価結果108に設定する。
センサデータ評価部102は、評価対象センサデータについて飼養条件を満たす状態にあるかの評価を行なった後に、センサデータ評価結果108を参照して、最新の評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と同じであるかを確認する。
そして、センサデータ評価部102は、最新の評価対象センサデータについての評価結果と、前回の評価結果との比較の結果に基づき、管理者に対するエラー通知方法を決定する。
最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と同じである場合には、管理者に対するエラー通知メールの送信を行なわないこと、および、後述するモニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおけるエラー通知状態を変更しないことを決定する。
ここで、最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と同じである場合とは、前回の評価結果が正常状態であり、最新の評価結果も正常状態である場合と、前回の評価結果が異常状態であり、最新の評価結果も異常状態である場合とを含む。
前回の評価結果が正常状態である場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにはエラー通知情報は示されていない。そして、最新の評価結果も正常状態である場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bには継続してエラー通知情報は示されないこととなる。
これに対して、前回の評価結果が異常状態である場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにはエラー通知情報が示されている(図13,図14参照)。そして、最新の評価結果も異常状態である場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bには継続してエラー通知情報が示されることとなる。
一方、最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と異なる場合には、センサデータ評価部102は、管理者に対する状態通知メールの送信を行なうこと、および、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおけるエラー通知状態を変更することを決定する。
ここで、最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と異なる場合とは、前回の評価結果が正常状態であり、最新の評価結果は異常状態である場合と、前回の評価結果が異常状態であり、最新の評価結果が正常状態である場合とを含む。
前回の評価結果が正常状態である場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにはエラー通知情報は示されていない。その後、最新の評価結果が異常状態となった場合には、センサデータ評価部102は、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにエラー通知情報が示されるように変更する決定を行なう(図13,図14参照)。
また、センサデータ評価部102は、管理者に対して、水質管理項目における異常状態が検出された旨を通知するエラー通知メールの送信を決定する。センサデータ評価部102は、出力制御部103に対して、管理者に対するエラー通知メールの送信を指示する。このエラー通知メールの送信指示には、異常が検出された評価対象センサデータが対応する水質管理項目やエラーの内容を含んでもよい。エラーの内容には、評価対象センサデータの値が、下限閾値よりも低い、もしくは、上限閾値より高いことを示す情報を含んでもよく、また、評価対象センサデータの値を含んでもよく、種々変形して実施することができる。
これに対して、前回の評価結果が異常状態である場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにはエラー通知情報が示されている(図13〜図15の符号P1〜P4参照)。その後、最新の評価結果が正常状態となった場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにはエラー通知情報が示されないように変更される。
また、センサデータ評価部102は、管理者に対して、水質管理項目における異常状態が解消された旨を通知する状態通知メールの送信を決定する。センサデータ評価部102は、出力制御部103に対して、管理者に対するエラーが解消された旨の状態通知メールの送信を指示する。
上述の如く、センサデータ評価部102は、最新の評価結果に応じた通知状態をモニタリング情報作成部107に指示する。
すなわち、センサデータ評価部102は、最新の評価結果が異常状態である場合には、エラー通知情報の表示を決定し、モニタリング情報作成部107に対してエラー通知情報の表示を指示する。一方、センサデータ評価部102は、最新の評価結果が正常状態である場合には、エラー通知情報の非表示を決定し、モニタリング情報作成部107に対してエラー通知情報の非表示を指示する。
また、センサデータ評価部102は、最新の評価結果に応じた通知状態メールを出力制御部103に送信させる指示を行なう。
センサデータ評価部102は、エラー通知メールの送信を決定した場合には、出力制御部103に対して、管理者に対するエラー通知メールの送信を指示する。このエラー通知メールの送信指示には、異常が検出された評価対象センサデータが対応する水質管理項目や、エラーの内容を含んでもよい。エラーの内容には、評価対象センサデータの値が、下限閾値よりも低い、もしくは、上限閾値より高いことを示す情報を含んでもよく、また、評価対象センサデータの値を含んでもよく、種々変形して実施することができる。
センサデータ評価部102は、エラーが解消された旨の状態通知メールの送信を決定した場合には、出力制御部103に対して、管理者に対して、エラーが解消された旨の状態通知メールの送信を指示する。この状態通知メールの送信指示には、異常が解消された評価対象センサデータが対応する水質管理項目や、解消された時刻の情報を含んでもよい。
エラーの内容には、評価対象センサデータの値が、下限閾値よりも低い、もしくは、上限閾値より高いことを示す情報を含んでもよく、また、評価対象センサデータの値を含んでもよく、種々変形して実施することができる。
モニタリング情報作成部107は、記憶部104に記憶されたセンサデータ群106の値を用いて、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bを作成する。
モニタリング画面202a−1,202a−2,202bは、水槽30の飼育用水の状態を示す情報である。
図13は実施形態の一例としての養殖システム1におけるモニタリング画面202bを例示する図である。
図13に例示するモニタリング画面202bは、主に管理者端末20bのモニタ614aに表示させる情報であり、水槽情報500と水質情報600とを備える。
水槽情報500は、水槽30に関する情報を示す。図13に示す例においては、水槽情報500は、生体情報501と水槽設備情報502とを備える。
生体情報501は、水槽30において飼養している生体の情報である。図13に示す例においては、生体種に対して、育成中の生体の個数や、飼育開始日、出荷可能日および初期サイズが関連付けて表示されている。また、生体種に対して、出荷可能であるか否かを示す情報(出荷OK/育成中)も表示されている。
なお、図13に例示する生体情報501においては、同一の生体種であってもロット(例えばケージ)が異なる場合には別の生体種として表している。
生体情報501は、複数(図13に示す例では4つ)の生体種についての上記情報を一覧としてリスト表示している。
また、この水槽情報500において、センサデータ評価部102が以異常状態を検知した生体種に対して、異常状態である旨を表すエラー通知情報(警告情報)が表示されている(図13の符号P1,P2参照)。
図13に示す例においては、エゾバフンウニ(種ウニロット1,2)に対してエラー通知情報が付して示されている。また、このエラー通知情報には、異常状態が検知された水質管理項目と、異常検知の元となったセンサデータが上限閾値と下限閾値とのいずれを超えたかを示す情報が含まれる。図13に示す例においては、エラー通知情報に「水温」との文字と「基準以上」との文字が含まれているので、水温を測定するセンサ31のセンサデータが上限閾値よりも高い値であったことがわかる。
モニタリング情報作成部107は、センサデータ評価部102からエラー通知情報の表示を指示された場合に、モニタリング画面202bに、上述の如きエラー通知情報の表示を行なう。また、モニタリング情報作成部107は、センサデータ評価部102からエラー通知情報の非表示を指示された場合に、モニタリング画面202bにおいてエラー通知情報を非表示にする。
なお、センサデータ評価部102が複数の水質管理項目について異常を検知した場合には、この生体情報501において、対応する生体種に複数のエラー通知情報を付して表してもよい。
水槽設備情報502は、水槽30に関する情報と、センサ31に関する情報とを備える。図13に示す例において、水槽30に関する情報として、水槽30の種類(名称)として陸上養殖水槽であることが示されるとともに、水槽30の規模(飼育水槽容量)と循環率と完遂率とが示されている。また、センサ(センシングデバイス)31に関する情報として、水質モニタおよび設備モニタが備えられていることを示している。また、水質モニタが水温,濁度,pH,塩分濃度を測定可能であることや、設備モニタが水位,温湿度および気圧を測定可能であることも示されている。
また、センサ31として、水中映像を撮影するネットワークカメラが備えられていることや、当該ネットワークカメラが耐水ハウジングを備えることも示している。
水質情報600は、水槽30の飼育用水の水質を表す情報であり、センサデータ収集部101が収集した各センサ31のセンサデータの値を示す。
図13に示す例においては、水質情報600は、水温,濁度,pH,塩分濃度,アンモニウムイオン,亜硝酸イオンおよび硝酸イオンの各センサデータの値を一覧(リスト)として示している。
なお、図13に示す例においては、濁度,pH,塩分濃度,アンモニウムイオン,亜硝酸イオンおよび硝酸イオンについては、最新の各センサデータの値を測定日時とともに示している。一方、水温については、過去に測定されたセンサデータの値を時系列に応じてプロットしたグラフとして表している。
このように、センサデータの遷移をグラフで表すことで、当該水質管理項目のセンサデータの値の傾向を容易に把握することができ利便性が高い。
また、この水槽情報600においても、センサデータ評価部102が以異常状態を検知した生体種に対して、異常状態である旨を表すエラー通知情報(警告情報)が表示されている(符号P3参照)。
なお、濁度,pH,塩分濃度,アンモニウムイオン,亜硝酸イオンおよび硝酸イオンについても、少なくともいずれかをセンサデータの値の遷移をグラフで表してもよく、また、水温の最新のセンサデータの値を測定日時とともに示してもよい。水質管理項目のセンサデータの値の表示形態を、グラフとするか最新のセンサデータの値の表示とするかを、管理者が任意に選択できるようにしてもよい。
また、図13に例示するモニタリング画面202bにおいては、水槽情報500の上方に、異常状態が検出された水質管理項目の数が示されている(符号P4参照)。これにより、例えば、モニタ614aの表示サイズがモニタリング画面202bより小さく、モニタリング画面202bの一部しか表示されない場合でも、管理者が異常状態を知ることができる。また、この異常状態発生数に隣接する下向き矢印のアイコンを管理者が選択することで、異常状態に関する情報をモニタ614aに表示させてもよい。
図14は実施形態の一例としての養殖システム1におけるモニタリング画面202a−1を例示する図、図15は実施形態の一例としての養殖システム1におけるモニタリング画面202a−2を例示する図である。
これらの図14および図15に例示するモニタリング画面202a−1,202a−2は、主に管理者端末20aのタッチディスプレイ514に表示させる情報である。
図14に示すモニタリング画面202a−1は水槽情報500を備え、図15に示すモニタリング画面202a−2は水質情報600を備える。
スマートフォンである管理者端末20aは、ノートPCやデスクトップPC,タブレットPC等の管理者端末20bよりもディスプレイサイズが小さく、一度に表示できる情報量が少ない。そこで、管理者端末20aにおいては、図13に例示したモニタリング画面202bを水槽情報500と水質情報600とに分けて、それぞれモニタリング画面202a−1,202a−2として表示させる。
なお、管理者端末20aにおける、モニタリング画面202a−1とモニタリング画面202a−2との切り替えは、例えば、表示切替用のタブを表示させ、管理者により行なわれるタブの選択入力に応じて行なってもよく、種々変形して実施することができる。
出力制御部103は、センサデータ評価部102から異常状態を検知した旨の通知を受信すると、管理者端末20a,20bに対して異常状態の発生を通知(警告)する。例えば、出力制御部103は、センサデータ評価部102からエラー通知メールの送信を指示された場合に、管理者のメールアドレスに対して異常状態の発生を通知するエラー通知メール(警告メール)を送信する。エラー通知メールは、生体種毎に発行される。
エラー通知メールには、異常状態が検知された水質管理項目や、異常を示したセンサデータの値を含めてもよい。また、エラー通知メールに、異常状態の発生を検知した時刻や、当該異常状態が検知されたセンサ31が測定を行なった時刻を含めてもよい。エラー通知メールは、これに限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
出力制御部103は、センサデータ(評価対象センサデータ)の値が下限閾値(下限値)と上限閾値(上限値)との間にない場合に、警告情報を出力する出力部に相当する。
出力制御部103は、センサデータ評価部102は、センサデータ(評価対象センサデータ)の値が下限閾値(下限値)と上限閾値(上限値)との間にあるかの判定結果が、前回行なわれた判定結果と同じ場合に、警告情報の出力を抑止する。
また、出力制御部103は、モニタリング情報作成部107によって作成されたモニタリング画面202a−1,202a−2を管理者端末20aに送信して表示させる制御を行なう。さらに、出力制御部103は、モニタリング情報作成部107によって作成されたモニタリング画面202bを管理者端末20bに送信して表示させる制御を行なう。
これらのモニタリング画面202a−1,202a−2,202bには、センサデータ評価部102により特定の生体種に関して、特定の水質管理項目においてセンサデータに異常が検知された場合に、これらの生体種と水質管理項目を明確にするようにエラー通知が表示される。すなわち、エラー通知の表示は、生体種毎に行なわれ、また、水質管理項目毎に行なわれる。
なお、モニタリング画面202a−2の上方には、カメラ画像の表示等の他の機能表示の画面に切り替えるためのアイコンが備えられており、管理者は適宜切り替えて用いることができる。
(B)動作
上述の如く構成された実施形態の一例としての養殖システム1における養殖管理装置10の処理を、図16に示すフローチャート(ステップS1〜S5)に従って説明する。
ステップS1において、センサデータ収集部101が各センサ31からセンサデータを収集する。センサデータ収集部101は、例えば、定期的にセンサデータの収集を行なう。
ステップS2において、センサデータ評価部102が、センサデータ収集部101によって収集された各センサデータを評価対象センサデータとして、閾値データベース105に記憶されている各閾値セット115の対応する水質管理項目の下限閾値および上限閾値と比較する。これにより、センサデータ評価部102は、各評価対象センサデータが飼養条件を満たしているか否かを判断する。
例えば、センサデータ評価部102は、水温のセンサデータを、水槽30において飼養している全ての生体種の閾値セット115について、各水温の下限閾値および上限閾値とそれぞれ比較し、センサデータの値が下限閾値と下限閾値との間にあるかを判断する。
センサデータ評価部102は、評価対象センサデータが飼養養条件を満たす状態にあるか否かの評価結果(判断結果)を記憶部104にセンサデータ評価結果108として記憶させる。
ステップS3において、センサデータ評価部102は、最新の評価対象センサデータについての評価結果とセンサデータ評価結果108とを比較して、最新の評価対象センサデータについての評価結果と前回の評価結果とが同じであるかを確認する。
確認の結果、最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と同じである場合には(ステップS3の“同じ”ルート参照)、ステップS4に移行する。
ステップS4においては、センサデータ評価部102は、管理者に対するエラー通知メールの送信を行なわないこと、および、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおけるエラー通知状態を変更しないことを決定する。
エラー通知情報の表示を決定した場合には、センサデータ評価部102は、モニタリング情報作成部107に対してエラー通知情報の表示を指示する。また、エラー通知情報の非表示を決定した場合には、センサデータ評価部102は、モニタリング情報作成部107に対してエラー通知情報の非表示を指示する。
モニタリング情報作成部107は、センサデータ評価部102からエラー通知情報の表示を指示された場合に、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bに、上述の如きエラー通知情報の表示を行なう。また、モニタリング情報作成部107は、センサデータ評価部102からエラー通知情報の非表示を指示された場合に、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおいてエラー通知情報を非表示にする。その後、処理を終了する。
一方、ステップS3における確認の結果、最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と異なる場合には(ステップS3の“違う”ルート参照)、ステップS5に移行する。
ステップS5においては、センサデータ評価部102は、管理者に対するエラー通知メールの送信を行なうこと、および、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおけるエラー通知状態を変更することを決定する。
この決定による結果、エラー通知情報の表示を決定した場合には、センサデータ評価部102は、モニタリング情報作成部107に対してエラー通知情報の表示を指示する。また、エラー通知情報の非表示を決定した場合には、センサデータ評価部102は、モニタリング情報作成部107に対してエラー通知情報の非表示を指示する。
モニタリング情報作成部107は、センサデータ評価部102からエラー通知情報の表示を指示された場合に、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bに、上述の如きエラー通知情報の表示を行なう。また、モニタリング情報作成部107は、センサデータ評価部102からエラー通知情報の非表示を指示された場合に、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおいてエラー通知情報を非表示にする。
また、センサデータ評価部102は、出力制御部103に対して、管理者に対するエラー通知メールの送信を指示する。その後、処理を終了する。
(C)効果
このように、実施形態の一例としての養殖システム1によれば、生体種毎に備えられた入力画面201a−3,201b−3において、下限値欄2023と上限値欄2024とを備え、管理者がこれらの下限値欄2023と上限値欄2024とに下限閾値と上限閾値とを入力可能に構成されている。
これにより、飼育用水に対して、水質管理項目の値が生体種の飼養条件を満たす適正範囲となるように制御することができる。
入力画面201a−3,201b−3の管理指標値設定欄2022において、下限値欄2023もしくは上限値欄2024に閾値(下限閾値,上限閾値)が入力されると、入力された側に対応する背景領域2028の表現を変更して表示させる。
これにより、入力画面201a−3,201b−3において、複数の管理指標値設定欄2022を並べて表示する場合に、上限閾値または下限閾値が入力されているか否かを容易に把握することができ利便性が高い。
閾値データベース105において、生体種毎に閾値セット115を備え、各閾値セット115において、複数の水質管理項目毎に上限閾値および/または下限閾値を備える。センサデータ評価部102が、評価対象センサデータの値を、対応する水質管理項目の下限閾値および上限閾値と比較することで、評価対象センサデータの値が正常状態であるか異常状態であるかを判断する。
これにより、飼養条件が異なる複数の生体種を同一の水槽30において飼養する場合に、飼育用水の水質が各生体種の飼養条件を満たすものであるかを容易に把握することができ利便性が高い。
センサデータ評価部102は、センサデータ評価結果108を参照して、最新の評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と同じであるかを確認する。最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と同じである場合には、管理者に対するエラー通知メールの送信を行なわないこと、および、後述するモニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおけるエラー通知状態を変更しないことを決定する。
これにより、水質管理項目について評価対象センサデータの値が異常状態であると判断された場合において、当該水質管理項目について既に管理者に対してエラー通知メールが送信されている場合に、繰り返しエラー通知メールを送信することがない。すなわち、管理者がエラー通知メールを重複して受信することがなく効率的なシステム運用を実現することができる。
また、水質管理項目について評価対象センサデータの値が異常状態であると判断された場合において、当該水質管理項目について既に管理者に対してエラー通知が行なわれている場合には、継続してエラー通知を行なわせることができる。すなわち、管理者に対する水質管理項目についてのエラー通知を確実に実現することができる。
一方、最新の評価対象センサデータについての評価結果が、センサデータ評価結果108に記録された前回の評価結果と異なる場合には、センサデータ評価部102は、管理者に対する状態通知メールの送信を行なうこと、および、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにおけるエラー通知状態を変更することを決定する。
前回の評価結果が正常状態である場合において、その後、最新の評価結果が異常状態となった場合には、センサデータ評価部102は、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにエラー通知情報が示されるように変更する決定を行なう。
また、センサデータ評価部102は、管理者に対して、水質管理項目における異常状態が検出された旨を通知するエラー通知メールの送信を決定する。
これにより、管理者は、水槽30の飼育用水において検出された異常を迅速に知ることができる。
また、前回の評価結果が異常状態である場合に、その後、最新の評価結果が正常状態となった場合には、モニタリング画面202a−1,202a−2,202bにはエラー通知情報が示されないように変更することで、管理者は水槽30の飼育用水が正常状態となったことを迅速に把握することができる。
また、管理者に対して、水質管理項目における異常状態が解消された旨を通知する状態通知メールの送信を行なうことで、これによっても、管理者は水槽30の飼育用水が正常状態になったことを迅速に把握することができる。
(D)その他
図17は実施形態の一例としての養殖システム1の養殖管理装置10のハードウェア構成を例示する図である。
養殖管理装置10は、図17に例示するように、プロセッサ11,メモリ12,記憶装置13,グラフィック処理装置14,入力インタフェース15,光学ドライブ装置16,機器接続インタフェース17およびネットワークインタフェース18を構成要素として有する。これらの構成要素11〜18は、バス19を介して相互に通信可能に構成される。
プロセッサ(処理部)11は、養殖管理装置10全体を制御する。プロセッサ11は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor),ASIC(Application Specific Integrated Circuit),PLD(Programmable Logic Device),FPGA(Field Programmable Gate Array)のいずれか一つであってもよい。また、プロセッサ11は、CPU,MPU,DSP,ASIC,PLD,FPGAのうちの2種類以上の要素の組み合わせであってもよい。
そして、プロセッサ11が養殖管理装置10用の制御プログラム(養殖管理プログラム:図示省略)を実行することにより、上述した、センサデータ収集部101,センサデータ評価部102および出力制御部103としての機能が実現される。
センサデータ収集部101,センサデータ評価部102および出力制御部103としての機能は、例えば、OS(Operating System)プログラム上で動作する機能として実装されてもよく、また、OSプログラムの機能として実装されてもよい。
なお、養殖管理装置10は、例えばコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されたプログラム(養殖管理プログラムやOSプログラム)を実行することにより、図1に示すセンサデータ収集部101,センサデータ評価部102および出力制御部103としての機能を実現する。
養殖管理装置10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、養殖管理装置10に実行させる養殖管理プログラムを記憶装置13に格納しておくことができる。プロセッサ11は、記憶装置13内のプログラムの少なくとも一部をメモリ12にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
また、養殖管理装置10(プロセッサ11)に実行させるプログラム(養殖管理プログラム)を、光ディスク16a,メモリ装置17a,メモリカード17c等の非一時的な可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ11からの制御により、記憶装置13にインストールされた後、実行可能になる。また、プロセッサ11が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
メモリ12は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む記憶メモリである。メモリ12のRAMは養殖管理装置10の主記憶装置として使用される。RAMには、プロセッサ11に実行させるOSプログラムや制御プログラム(キャッシュ制御プログラム)の少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ12には、プロセッサ11による処理に必要な各種データが格納される。
記憶装置13は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、SSD(Solid State Drive)、ストレージクラスメモリ(Storage Class Memory:SCM)等の記憶装置であって、種々のデータを格納するものである。記憶装置13は、養殖管理装置10の補助記憶装置として使用される。記憶装置13には、OSプログラム,制御プログラムおよび各種データが格納される。制御プログラムには養殖管理プログラムが含まれる。
なお、補助記憶装置としては、SCMやフラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。また、複数の記憶装置13を用いてRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)を構成してもよい。
また、記憶装置13には、後述する閾値データベース105を構成するデータが格納される。
グラフィック処理装置14には、モニタ14aが接続されている。グラフィック処理装置14は、プロセッサ11からの命令に従って、画像をモニタ14aの画面に表示させる。モニタ14aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等が挙げられる。
入力インタフェース15には、キーボード15aおよびマウス15bが接続されている。入力インタフェース15は、キーボード15aやマウス15bから送られてくる信号をプロセッサ11に送信する。なお、マウス15bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル,タブレット,タッチパッド,トラックボール等が挙げられる。
光学ドライブ装置16は、レーザ光等を利用して、光ディスク16aに記録されたデータの読み取りを行なう。光ディスク16aは、光の反射によって読み取り可能にデータを記録された可搬型の非一時的な記録媒体である。光ディスク16aには、DVD(Digital Versatile Disc),DVD−RAM,CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。
機器接続インタフェース17は、養殖管理装置10に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば、機器接続インタフェース17には、メモリ装置17aやメモリリーダライタ17bを接続することができる。メモリ装置17aは、機器接続インタフェース17との通信機能を搭載した非一時的な記録媒体、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリである。メモリリーダライタ17bは、メモリカード17cへのデータの書き込み、またはメモリカード17cからのデータの読み出しを行なう。メモリカード17cは、カード型の非一時的な記録媒体である。
ネットワークインタフェース18は、ネットワークに接続される。ネットワークインタフェース18は、ネットワークを介して、管理者端末20a,20bとの間でデータの送受信を行なう。ネットワークには他の情報処理装置や通信機器等が接続されてもよい。
ネットワークには管理者端末20a,20bが接続され、養殖管理装置10は、ネットワークインタフェース18およびネットワークを介して管理者端末20a,20bと通信可能に接続される。
例えば、養殖管理装置10は、管理者端末20a,20bとWi-fi(登録商標)等の無線通信ネットワークを介して接続されてもよい。また、養殖管理装置10は、管理者端末20bとLANケーブル等を介して接続されてもよい。
図18は実施形態の一例としての養殖システム1の管理者端末20aのハードウェア構成を例示する図である。
管理者端末20aは、例えば、図18に例示するように、プロセッサ511,メモリ512,記憶装置513,タッチディスプレイ514,機器接続インタフェース517およびネットワークインタフェース518を構成要素として有する。これらの構成要素511〜514,517,518は、バス519を介して相互に通信可能に構成される。
タッチディスプレイ514は、表示装置と位置入力装置とを組み合わせた装置である。
そして、プロセッサ511がクライアント用養殖管理プログラムを実行することにより、上述した、表示制御部21および入力制御部22としての機能が実現される。
なお、プロセッサ511,メモリ512,記憶装置513,機器接続インタフェース517,ネットワークインタフェース518およびバス519は、図17に示した養殖管理装置10のプロセッサ11,メモリ12,記憶装置13,機器接続インタフェース17,ネットワークインタフェース18およびバス19と同様の機能構成を有するので、その説明は省略する。
図19は実施形態の一例としての養殖システム1の管理者端末20bのハードウェア構成を例示する図である。
管理者端末20bは、例えば、図19に例示するように、プロセッサ611,メモリ612,記憶装置613,グラフィック処理装置614,入力インタフェース615,光学ドライブ装置616,機器接続インタフェース617およびネットワークインタフェース618を構成要素として有する。これらの構成要素611〜618は、バス619を介して相互に通信可能に構成される。
これらのプロセッサ611,メモリ612,記憶装置613,グラフィック処理装置614,入力インタフェース615,光学ドライブ装置616,機器接続インタフェース617,ネットワークインタフェース618およびバス619は、図17に示した養殖管理装置10のプロセッサ11,メモリ12,記憶装置13,グラフィック処理装置14,入力インタフェース15,光学ドライブ装置16,機器接続インタフェース17,ネットワークインタフェース18およびバス19と同様の機能構成を有するので、その説明は省略する。
そして、プロセッサ611がクライアント用養殖管理プログラムを実行することにより、上述した、表示制御部21および入力制御部22としての機能が実現される。
なお、開示の技術は上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成および各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態においては、水槽30の飼育用水に複数のケージを沈め、これらのケージに飼養対象の生体を入れて養殖する例を示しているが、これに限定されるものではない。
例えば、水槽30に沈めた複数のケージに代えて、海や湖等の水域に複数の生簀を浮かべ、これらの生簀に飼養対象の生体を入れて養殖してもよい。また、水槽30に沈めた複数のケージに代えて、一の水浄化装置と水循環システムとを有するとともに、複数の水槽を備え、これらの各水槽に飼育用水を循環させる水循環系において、水槽毎に異なる生体種を入れて養殖してもよく、種々変形して実施することができる。本養殖システム1は、これらの水域や水循環系の如く、水質が一定とみなされる範囲に幅広く適用することができる。
また、上述した実施形態においては、水槽30において水生生物(生体)を養殖する例を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、空気中や土中において複数種類の陸生生物(生体)を養殖してもよく、種々変形して実施することができる。
また、上述した実施形態において、水質管理項目が、水温,塩分濃度,ph,アンモニウムイオン,亜硝酸イオン,硝酸イオン,濁度である例を示したが、これらに限定されるものではなく、これら以外の項目を測定して管理してもよく、種々変形して実施することができる。
さらに、上述した実施形態において、管理指標値設定欄2022において、背景領域2028における下限値欄2023や上限値欄2024の近傍を部分的に表示色を第一色とは異なる第二色に変更するこことで構成された入力済みマーク2027を示しているが、これに限定されるものではない。入力済みマーク2027は適宜変更することができる。例えば、下限値欄2023や上限値欄2024の近傍に、値が入力済みであることを表すアイコン等を表示させてもよく、また、下限値欄2023や上限値欄2024の色や形状等の表示形態を変更させてもよく、種々変形して実施することができる。
また、上述した実施形態においては、センサデータ評価部102がセンサデータを下限閾値および上限閾値と比較しているが、これに限定されるものではない。センサデータ評価部102は、センサデータを上限閾値または下限閾値のいずれかとだけ比較して異常状態/正常状態の判断を行なってもよい。
上述した実施形態においては、スマートフォンとして構成された管理者端末20aのタッチディスプレイ514にモニタリング画面202a−1,202a−2を選択的に切り替えて表示しているが、これに限定されるものではない。管理者端末20aのタッチディスプレイ514にモニタリング画面202bを表示させてもよい。また、モニタリング画面202a−1,202a−2を管理者端末20bに表示させてもよい。
また、上述した開示により本実施形態を当業者によって実施・製造することが可能である。
(E)付記
(付記1)
管理領域における複数種類の生体を飼養する養殖システムに備えられる情報処理装置のプロセッサに、
前記管理領域における環境状態を測定するセンサにより測定される測定項目に対する下限管理指標値を入力する下限値入力領域と、前記測定項目に対する上限管理指標値を入力する上限値入力領域とを備える入力画面を表示装置に表示させ、
前記下限値入力領域に前記下限管理指標値が入力された場合、または、前記上限値入力領域に前記上限管理指標値が入力された場合に、前記下限管理指標値または前記上限管理指標値の入力が行なわれたことを示す入力済みマークを前記下限値入力領域または上限値入力領域の外側に表示させる
処理を実行させる、表示制御プログラム。
(付記2)
前記入力領域において、前記下限値入力領域と前記上限値入力領域とを並べて表示させる
処理を、前記プロセッサに実行させる、付記1記載の表示制御プログラム。
(付記3)
前記下限値入力領域と前記上限値入力領域とを並べて配置し、
前記下限値入力領域に前記下限管理指標値が入力された場合は前記下限値入力領域の値よりも、より低い値を示す位置のマークを変更し、または、前記上限値入力領域に前記上限管理指標値が入力された場合は前記上限値入力領域の値よりも、より高い値を示す位置のマークを変更する
処理を、前記プロセッサに実行させる、付記2記載の表示制御プログラム。
(付記4)
前記下限値入力領域および前記上限値入力領域の少なくとも一部の表示態様を変更することで前記入力済みマークを前記表示装置に表示させる
処理を、前記プロセッサに実行させる、付記3記載の表示制御プログラム。
(付記5)
前記複数種類の生体のそれぞれに対応させて、前記生体の種類毎に前記入力画面を表示させる
処理を、前記プロセッサに実行させる、付記1〜4のいずれか1項に記載の表示制御プログラム。
(付記6)
前記センサにより測定された測定項目において、前記下限管理指標値または前記上限管理指標値に基づき異常が検出された場合に、
前記管理領域における前記生体の状態を前記生体の種類毎に表示する生体情報において、前記異常が検出された生体の種類に対応させて異常通知情報を表示させる
処理を、前記プロセッサに実行させる、付記1〜5のいずれか1項に記載の表示制御プログラム。
(付記7)
管理領域における複数種類の生体を飼養する養殖システムであって、
前記管理領域における環境状態を測定するセンサと、
前記センサによる測定値に対する管理指標値を入力する情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置が、
前記センサにより測定される測定項目に対する下限管理指標値を入力する下限値入力領域と、前記測定項目に対する上限管理指標値を入力する上限値入力領域とを備える入力画面を表示装置に表示させ、
前記下限値入力領域に前記下限管理指標値が入力された場合、または、前記上限値入力領域に前記上限管理指標値が入力された場合に、前記下限管理指標値または前記上限管理指標値の入力が行なわれたことを示す入力済みマークを前記下限値入力領域または上限値入力領域の外側に表示させる表示制御部
を備える、養殖システム。
(付記8)
前記表示制御部が、
前記入力領域において、前記下限値入力領域と前記上限値入力領域とを並べて表示させる
ことを特徴とする、付記7記載の養殖システム。
(付記9)
前記表示制御部が、
前記下限値入力領域と前記上限値入力領域とを並べて配置し、
前記下限値入力領域に前記下限管理指標値が入力された場合は前記下限値入力領域の値よりも、より低い値を示す位置のマークを変更し、または、前記上限値入力領域に前記上限管理指標値が入力された場合は前記上限値入力領域の値よりも、より高い値を示す位置のマークを変更する
ことを特徴とする、付記8記載の養殖システム。
(付記10)
前記下限値入力領域および前記上限値入力領域の少なくとも一部の表示態様を変更することで前記入力済みマークを前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする、付記9記載の養殖システム。
(付記11)
前記複数種類の生体のそれぞれに対応させて、前記生体の種類毎に前記入力画面を表示させる
ことを特徴とする、付記7〜10のいずれか1項に記載の養殖システム。
(付記12)
前記センサにより測定された測定項目において、前記下限管理指標値または前記上限管理指標値に基づき異常が検出された場合に、
前記管理領域における前記生体の状態を前記生体の種類毎に表示する生体情報において、
前記異常が検出された生体の種類に対応させて異常通知情報を表示させる
ことを特徴とする、付記7〜11のいずれか1項に記載の養殖システム。
(付記13)
管理領域における複数種類の生体を飼養する養殖システムにおいて備えられる情報処理装置であって、
表示装置と、
前記管理領域における環境状態を測定するセンサにより測定される測定項目に対する下限管理指標値を入力する下限値入力領域と、前記測定項目に対する上限管理指標値を入力する上限値入力領域とを備える入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記下限値入力領域に前記下限管理指標値が入力された場合、または、前記上限値入力領域に前記上限管理指標値が入力された場合に、前記下限管理指標値または前記上限管理指標値の入力が行なわれたことを示す入力済みマークを前記下限値入力領域または上限値入力領域の外側に表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする、情報処理装置。
(付記14)
前記表示制御部が、
前記入力領域において、前記下限値入力領域と前記上限値入力領域とを並べて表示させる
ことを特徴とする、付記13記載の情報処理装置。
(付記15)
前記表示制御部が、
前記下限値入力領域と前記上限値入力領域とを並べて配置し、
前記下限値入力領域に前記下限管理指標値が入力された場合は前記下限値入力領域の値よりも、より低い値を示す位置のマークを変更し、または、前記上限値入力領域に前記上限管理指標値が入力された場合は前記上限値入力領域の値よりも、より高い値を示す位置のマークを変更する
ことを特徴とする、付記13記載の情報処理装置。
(付記16)
前記表示制御部が、
前記下限値入力領域および前記上限値入力領域の少なくとも一部の表示態様を変更することで前記入力済みマークを前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする、付記15記載の情報処理装置。
(付記17)
前記表示制御部が、
前記複数種類の生体のそれぞれに対応させて、前記生体の種類毎に前記入力画面を表示させる
ことを特徴とする、付記13〜16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記18)
前記センサにより測定された測定項目において、前記下限管理指標値または前記上限管理指標値に基づき異常が検出された場合に、
前記表示制御部が、
前記管理領域における前記生体の状態を前記生体の種類毎に表示する生体情報において、前記異常が検出された生体の種類に対応させて異常通知情報を表示させる
ことを特徴とする、付記13〜17のいずれか1項に記載の情報処理装置。