JP2005078886A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プレートが高温で且つ鍋内の油が低温の場合などには、反り量や油量の検知精度に大幅な誤差を生じるおそれがあった。
【解決手段】 加熱容器1を載置するプレート3と、加熱容器1内の被加熱物2を加熱する加熱コイル5と、プレート3の温度を測定する温度センサ4と、温度センサ4で測定した測定温度に基づいて、加熱容器1底面の反り量を検出する反り量検出手段8と、反り量検出手段8で検出された反り量に基づいて、加熱コイル5の加熱量を調整する加熱量調整手段11とを備え、反り量検出手段8は、加熱開始温度から第1の温度に上昇するまでの第1の経過時間と、前記第1の温度から第2の温度に上昇するまでの第2の経過時間とを用いて反り量を検出するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘導加熱調理器に関し、特に鍋の反り量や油量などを高い精度で検出することのできる誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器は、鍋をのせたプレートの下方に温度検知手段を設け、プレートを介して加熱された鍋の発熱する温度を間接的に測定している(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2001−351771号公報(第2〜5頁、第1図)
特開平6−89780号公報(第2〜4頁、第1図)
特許文献1に記載された誘導加熱調理器によれば、温度検出手段により検出された温度の2階微分値により鍋の反り量を判定すると共に、熱伝導方程式を用いて推定された鍋の熱容量と鍋底温度により油量を判定している。そして、これらの判定で得られた鍋の反り量と油量とに基づいて、温度立ち上げ手段と温度調整手段の制御方式を変えることにより、油量によらず精度良く揚げ物調理を行うことができる。
また、特許文献2に記載された誘導加熱調理器によれば、温度検知手段と計時手段を用いて鍋内容物加熱過程における温度上昇の傾きtを求めている。そして、この傾きtから推定した鍋の反り量に基づいてパワーダウン温度Tを決定することにより、反りのある鍋の異常加熱を防止することができる。
しかしながら、特許文献1,2に示した従来の誘導加熱調理器では、プレートと鍋内の油とが常温の場合しか考慮されていないため、プレートが高温で且つ鍋内の油が低温の場合、或いはプレートが低温で且つ鍋内の油が高温の場合には、反り量や油量の検知精度に大幅な誤差を生じるおそれがあった。
本発明は、このような問題を解決し、プレートや油の初期温度に影響されることなく、鍋の反り量や油量を高い精度で検出することのできる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明の誘導加熱調理器は、加熱容器を載置するプレートと、プレートの下方に設けられ、加熱容器内の被加熱物を加熱する加熱コイルと、プレートの下方に設けられ、前記プレートの温度を測定する温度センサと、温度センサで測定した測定温度に基づいて、加熱容器底面の反り量を検出する反り量検出手段と、反り量検出手段で検出された反り量に基づいて、加熱コイルの加熱量を調整する加熱量調整手段とを備え、反り量検出手段は、加熱開始温度から第1の温度に上昇するまでの第1の経過時間と、第1の温度から第2の温度に上昇するまでの第2の経過時間とを用いて反り量を検出することを特徴とする。
本発明の誘導加熱調理器は、反り量検出手段において、加熱開始温度から第1の温度に上昇するまでの第1の経過時間と、第1の温度から第2の温度に上昇するまでの第2の経過時間とを用いて反り量を検出している。
ここで、プレートが高温で且つ鍋内の油が低温の状態で加熱を開始する場合、或いはプレートが低温で且つ鍋内の油が高温の状態で加熱を開始する場合(以下、ホットスタートという)は、プレートと鍋内の油とが常温の状態で加熱を開始する場合(以下、コールドスタートという)に比べて、第1の経過時間と第2の経過時間とが各々変動する。そこで、第1の経過時間と第2の経過時間とに基づいて反り量を検出することにより、ホットスタートの影響を効果的に排除することができる。その結果、ホットスタートの場合であっても、高い精度で鍋の反り量を検出することが可能となる。
以下、本発明に係る誘導加熱調理器の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の誘導加熱調理器は、油(被加熱物)2の入った鍋(加熱容器)1を上面に載置可能なプレート3を備えている。このプレート3は、図示しない誘導加熱調理器本体の上面を構成する。鍋1の載置位置に対向するプレート3の下面には、プレート3の温度を測定するためのサーミスタ(温度センサ)4と、鍋1内の油2を加熱する加熱コイル5とが設けられている。
また、誘導加熱調理器本体内部には、サーミスタ4の出力信号を入力してプレート3の温度を検出する温度検出手段6と、温度検出手段6での温度検出間隔を計数するタイマー7と、温度検出手段6の検出温度に基づいて、鍋1の鍋底反り量を検出する反り量検出手段8と、温度検出手段6の検出温度および反り量検出手段8で検出された反り量に基づいて、油2の容量を検出する容量検出手段9とが設けられている。
さらに、誘導加熱調理器本体内部には、容量検出手段9で検出された油2の容量に基づいて、加熱コイル5の加熱量を設定する加熱量設定手段10と、温度検出手段6の検出温度および容量検出手段9で検出された油2の容量に基づいて、加熱量設定手段10で設定された加熱量を調整する加熱量調整手段11と、加熱コイル5を駆動させるためのインバータ回路12と、加熱量調整手段11で調整された加熱量に基づいて、インバータ回路12を制御する制御手段13とが設けられている。
また、加熱量調整手段11には、反り量検出手段8で検出された反り量および容量検出手段9で検出された油2の容量に基づいて、加熱開始から予熱完了までの期間および油温度一定制御期間の制御温度を設定する制御温度設定手段11aと、温度検出手段6の検出温度および制御温度設定手段11aで設定された制御温度に基づいて、加熱量設定手段10で設定された加熱量を調整する出力調整手段11bとが設けられている。
図2は本実施の形態に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。同図に示すように、加熱コイル5を駆動するインバーター回路12は、整流器12a、平滑コンデンサ12b、チョークコイル12c、共振コンデンサ12d、スイッチング素子12eを備えている。そして、整流器12aは、交流電源14を全波整流し、スイッチング素子12eは、制御手段13の制御信号によってオン・オフ制御される。また、制御手段13にはマイコン15が接続され、このマイコン15は、交流電源14を直流電源に変換する直流電源回路16の出力電力の供給を受けて駆動する。さらに、マイコン15には、図1に示した温度検出手段6、タイマー7、反り量検出手段8、容量検出手段9、加熱量設定手段10、加熱量調整手段11が内蔵されている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
まず、反り量検出手段8の動作について、図3〜図6を用いて説明する。図3は、油2を入れた鍋1をプレート3に載置して加熱を行ったときのサーミスタ4の初期温度変化を表したグラフである。油2の加熱においては、加熱量調整手段11により加熱量を一定に、例えば1.5kWに固定して加熱を行う。
グラフ中の各記号の意味は、加熱開始時点のサーミスタ温度(サーミスタ温度=初期プレート温度)をT0℃、T0℃からT1℃(T1℃=T0℃+所定温度1(本実施の形態では所定温度1=1℃))に至るまでの経過時間(第1の経過時間)をΔtm1[sec]、T1℃からT2℃(T2℃=T1℃+所定温度2(本実施の形態では所定温度2=10℃))に至るまでの経過時間(第2の経過時間)をΔtm2[sec]としている。本実施の形態では油加熱開始後、サーミスタ4と、タイマー7を利用して、上記Δtm1とΔtm2の時間の計測を行う。
図4は、加熱開始時点における鍋1内の初期油温とプレート3の初期温度の関係によって、Δtm1がどのように変化するのかを表した図である。通常使用条件としてもっとも頻度が高い状態、即ち、鍋1、油2、プレート3が共に周囲空気温度(常温)に等しい状態から加熱を開始するコールドスタートを基準にすると、コールドスタート条件では、時間遅れの後に温度が上昇し始め、温度立上り後、図3のΔtm2に該当する時間区間における温度上昇傾きaが略一定の傾きを有する上昇曲線(1)となる。これに対し、初期油温が常温より高い状態から加熱を開始するホットスタート条件の場合、熱容量が大きい高温油の影響を受けたサーミスタ4の温度は、上昇曲線(1)よりも温度上昇開始ポイントが早く、且つ上昇曲線(1)に比べて温度上昇傾きbが僅かに大きな上昇曲線(2)となる。
また、プレート3の初期温度のみが高い状態(調理後、油2を新品に入換えた場合など)から加熱を開始した場合には、加熱開始直後、プレート3に対し低温の油2の影響を受け、一旦温度がT0より低下した後に上昇へ転じ、温度上昇ポイントが遅く、上昇後は上昇曲線(1)に比べて温度上昇傾きcが僅かに小さな上昇曲線(3)となる。
ここで、ホットスタートによる加熱時間の誤差(基準となるコールドスタートに対する誤差)は、Δtm1に表れるので、もし上昇曲線(1)(2)(3)の温度上昇傾きa,b,cが全て同じであれば、Δtm2のみを用いて反り量閾値と比較することにより、ホットスタートによる加熱時間の誤差をキャンセルすることが可能である。しかし、上昇曲線(1)(2)(3)の温度上昇傾きa,b,cは僅かに異なるので、Δtm2のみでは正しく反り量を検出することはできない。そこで、Δtm1とΔtm2とを用いて反り量を検出することにより、ホットスタートの場合もコールドスタートと同様に正確に反り量を検出することができる。
図5は、Δtm1を横軸にΔtm2を縦軸にとり、鍋反り量の関係を表したグラフである。同図に示すように、Δtm1とΔtm2の関係は、鍋反り量ごとに一次関数の関係にて表される。従って、Δtm1とΔtm2の値が判れば、図5の関係から反り量を推定することが可能となる。なお、図5の関係は油量の大小の影響を受けることがないため、鍋1内の油量の大小によらず鍋1の反り量検出を行うことが可能である。
また、図5の関係は実機試験結果を基に対象機種に合わせて決定することが可能であり、代表的なポイント(例えば反り0.2mm、1.0mm、3.0mm)にて試験を行い、各ポイント間の1次式については傾きa1〜a8、切片b1〜b8を近似補間によって求めることにより、少ない試験回数でも図5の関係を決定することができる。
図6は、Δtm1(第1の経過時間)およびΔtm2(第2の経過時間)と、反り量閾値との関係を表した反り量検出テーブルを示す図である。この反り量検出テーブルは、図5により決定した傾きa1〜a8、切片b1〜b8を用いて各鍋反り量における閾値算出式を求め、鍋の反りレベルと反り量閾値の関係を表している。
ここで、反りレベルは、同図においてΔtm2が何れの反りレベルに該当する値なのかを判定することにより決定される。また、反り量判定閾値算出式f1(Δtm1)〜f8(Δtm1)は、図5で説明したようにΔtm1の1次式で表されるので、この一次式より傾きa1〜a8、切片b1〜b8を予め決定しておく。そして、この反り量検出テーブルをマイコン15のメモリーに記憶しておき、この反り量検出テーブルを用いて上記判定処理を反り量検出手段8で行うことにより、鍋1の反りレベルの判定が可能となる。
また、反り量判定閾値算出式の傾きa1〜a8および切片b1〜b8は、反り量が小さい領域では反り量の差異に対して変化量が大きいが、反り量が大きい領域では反り量の差異に対し変化量が小さい。従って、反り量判定閾値を等分割設定した場合には、反り量が少ない領域における分解能が低下してしまい、判定精度が粗くなってしまう。
このため、図6の反り量検出テーブルでは、反り量が少ない領域(反りレベルS1〜S5)では反り量閾値を細かく設定すると共に、反り量が多い領域(反りレベルS6〜S8)では反り量閾値を粗く設定している。このように反り量が少ない領域と多い領域において閾値の分解能を変化させることにより、少ない閾値の設定数でも反り量の判定精度を高く保つことが可能であり、且つ閾値に関する情報(傾き、切片)をマイコン15に記憶する容量を小さく抑えることが可能となる。
以上のように、本実施の形態では、Δtm1とΔtm2とに基づいて反り量を検出することにより、ホットスタートの影響を効果的に排除することができる。その結果、ホットスタート条件においても、高い精度で鍋1の反り量を検出することが可能となる。
なお、本実施の形態では、反り量閾値としてΔtm2の傾きの値や、加熱開始後、ある一定時間が経過した後の区間における温度上昇量やその傾きを用いても、同様に、ホットスタート条件における鍋1の反り量の正確な検出が可能である。また、Δtm1についてもT0からT1に至るまでの傾きや、加熱開始後一定時間経過における温度上昇量やその傾きを利用することが可能である。
次に、容量検出手段9の動作について、図7〜図11を用いて説明する。図7は、加熱初期の反り検知終了後、更に加熱コイル5による加熱を継続した場合のセンサー温度上昇傾向を表したものである。加熱開始から時間Δtm3経過時点の温度T3から所定時間Δtm4(例えばΔtm4=10秒)経過した後の温度T4に至った時点の温度差をΔT4(ΔT4=T4−T3)としている。本実施の形態では、油加熱開始後、サーミスタ4と、タイマー7を利用して、上記Δtm3とΔtm4の時間および温度差ΔT4の計測を行う。
容量検出手段9は、計測されたΔT4、例えば図8に示す表のようにΔT4が設定された閾値に対しどの範囲に属するのかを判定し、油量レベルを決定する。油量判定閾値Z1〜Z3は次式にて表される。
油量判定閾値[℃]=Z+ΔTs+ΔTp+ΔToil…(式1)
ここで、Z[℃]は基準閾値、ΔTs[℃]は反り量補正、ΔTp[℃]は初期プレート温度補正、ΔToil[℃]は初期油温補正である。
以下、基準閾値Zおよび各補正量について説明する。基準閾値Zは、初期加熱状態におけるプレート3と鍋1内の油2の温度が周囲の空気温度(常温)に等しいコールドスタート条件であり、かつ、鍋反りが無い鍋1を用いて加熱を行った場合の最も標準的な条件における閾値(基準閾値Z)を表す。この基準閾値Zの値は、実機試験に基づき決定する。
基準閾値Zは、鍋反りが無く、且つ、初期加熱状態におけるプレート3と鍋1内の油2の温度が周囲の空気温度(常温)に等しい条件を想定した場合の閾値であるため、油量判定に影響を及ぼす鍋反り量、初期プレート温度、初期油温度のそれぞれの影響を考慮した補正を行う必要がある。
図9は、横軸に油量、縦軸にΔT4をとり、反り補正の概念を表した図である。鍋の反り量の影響は、基準状態(基準状態=基準閾値Z)に対し図に示すように表れ、鍋反り量が基準よりも大きくなると閾値ΔT4は全体的に縦軸マイナス方向へ平行移動する傾向となる。従って、反り補正量ΔTsの値は、前述の反り量検出手段8にて求めた反りレベルに応じた値をテーブル化してメモリに記憶しておき、このテーブルを参照することにより決定することが可能である。また、ΔTsの値は対象機種に応じて実機試験結果により決定する。
図10は、横軸に油量、縦軸にΔT4をとり、初期プレート温度補正と初期油温補正の概念を表した図である。初期プレート温度と初期油温の影響は、基準状態(基準状態=基準閾値Z)に対し図に示すように表れる。基準状態では、初期プレート温度=初期油温であるため、この状態から油の温度のみ高くなるとΔT4は縦軸プラス方向へ平行移動し、油の温度のみ低くなると縦軸マイナス方向へ平行移動する傾向となる。また、初期プレート温度の影響については上記初期プレート温度と初期油温度の関係を保った状態で、初期プレート温度が上昇した場合には全体的に縦軸マイナス側へ平行移動する傾向となる。
初期プレート温度補正量ΔTpは、次式にて求められる。
(初期プレート温度−基準条件プレート温度)×補正傾き1…(式2)
ここで、初期プレート温度は加熱開始時のプレート温度、基準条件プレート温度は基準閾値Zの条件における初期プレート温度、補正傾き1は実機試験結果の傾向から決定される定数である。
また、初期油温補正量ΔToilは、次式にて求められる。
(初期温度上昇時間Δtm1−基準温度上昇時間Δtm1′)×補正傾き2…(式3)
ここで、初期温度上昇時間Δtm1は図4にて説明のΔtm1であり、基準温度上昇時間Δtm1′は基準閾値Zの条件におけるΔtm1の値である。
基準となる初期温度上昇時間Δtm1′は、初期プレート温度と鍋反り量によって値が特定され、その関係は図11にて表される。図11より初期プレート温度と反り量検出手段8で検出された鍋反り量が判れば、Δtm1′の値が求まる。実機においては、図11の傾きc1〜c8および切片d1〜d8を実機試験により決定し、マイコン15のメモリーに記憶する。そして、Δtm1′算出時にマイコン15のメモリーから傾きc1〜c8および切片d1〜d8を呼び出して、容量検出手段9で演算を行うことにより、Δtm1′を算出することができる。
以上のように、容量検出手段9は、基準閾値Zに対して少なくとも初期油温補正を行うことにより、初期加熱状態における鍋1内の油2の温度が周囲の空気温度(常温)に比べて高温の場合(ホットスタートの場合)であっても、その影響を効果的に排除することができる。その結果、高い精度で油量を検出することが可能となる。
また、容量検出手段9は、基準閾値Zに対して少なくとも初期油温補正と初期プレート温度補正とを行うことにより、初期加熱状態における鍋1内の油2の温度と、初期加熱状態におけるプレート3の温度との少なくとも一方が、周囲の空気温度(常温)に比べて高温の場合(ホットスタートの場合)であっても、その影響を効果的に排除することができる。その結果、高い精度で油量を検出することが可能となる。
さらに、容量検出手段9は、基準閾値Zに対して初期油温補正と初期プレート温度補正と反り量補正とを行うことにより、初期加熱状態における鍋1内の油2の温度と、初期加熱状態におけるプレート3の温度との少なくとも一方が、周囲の空気温度(常温)に比べて高温の場合(ホットスタートの場合)であっても、その影響を効果的に排除することができ、併せて、鍋反りによる検出誤差も排除することができる。その結果、高い精度で油量を検出することが可能となる。
また、油量が少ない場合には温度上昇の差異が加熱開始後早期に表れるため、Δtm4が小さい領域において正確な油量検出を行うことが可能である。しかし、油量が多い場合に正確な判定を行なうためには、Δtm4が大きい領域で判定を行なう必要がある(油量が多い場合にはΔtm4が大きい領域にならないと差が明確に表れないためである)。そこで、例えばΔtm4=30,40,50,60,70,80,90,100[sec]など、時間経過に応じて複数回判定を行うことにより、油量小から油量大までの広い油量範囲に対し、油量検知精度を向上させることが可能となる。
なお、上記の容量検出手段9では、油量判定閾値として温度差ΔT4を用いているが、このときの傾きの値や、一定温度差上昇における所要時間またはその傾きを用いてもコールドスタート条件に加え、ホットスタート条件における正確な油量の検出が可能となる。また、Δtm1についてもT0からT1に至るまでの傾きや、加熱開始後一定時間経過における温度上昇量やその傾きを利用することが可能である。
図12は、反り量検出手段8と油量検出手段9により検出した鍋反りレベルと油量レベルを用いて、制御温度設定手段11aにて加熱コイル5の予熱加熱を終了するサーミスタ目標温度Thを変更する補正量ΔThの値を数表化したものである。
図13は、横軸に時間、縦軸に温度を取り、加熱開始からの油温とサーミスタ温度の変化を表したグラフである。図のように油温に対し、サーミスタ温度は鍋反り量と油量によって上昇の傾向が異なり、油温が目標温度に到達した時点のサーミスタ温度(サーミスタ温度=サーミスタ目標温度Th)は、鍋反り量と油量によって異なる。従って、予熱制御時のサーミスタ目標温度Thの補正を、図12により決定したΔThの値により行う(補正後Th′=Th+ΔTh)。
図14は、以上説明の予熱制御の内容をフローチャート化した図である。同図に示すように、予熱開始後(S1)、反り量検出手段8を用いて鍋1の反り量検出を行い(S2)、続いて容量検出手段9を用いて鍋1内の油量検出を行う(S3)。そして、これらの検出結果を基に各補正量を用いてサーミスタ目標温度Thの変更を行い(S4)、サーミスタ温度が目標温度を上回っているかどうかの判定を行う(S5)。この判定処理で、サーミスタ温度が目標温度を上回っていると判断した場合には、予熱を完了させる(S6)。
ここで、検出精度を高めるために油量検出を複数回行う場合には(例えばΔtm4=30,40,50,60,70,80,90,100[sec]のタイミングで行う)、S3〜S5の処理を複数回実施するとよい。
以上のように、反り量検出手段8および容量検出手段9で検出した補正量を用いてサーミスタ目標温度Thを変更することにより、正確なサーミスタ目標温度Thの設定を行うことができる。その結果、ホットスタートの場合であっても、サーミスタ目標温度Thに向けて確実に予熱処理を行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内において、例えば以下のように変更することも可能である。
(1)上記実施の形態では、油2の容量検出を行っているが、油2に限定されることなく、水やスープなどの他の液体を用いてもよい。
(2)上記実施の形態では、温度センサとしてサーミスタ4を用いてプレート3の温度を測定しているが、サーミスタ4に限定されることなく、赤外線センサ等の他のセンサを用いてもよい。
本実施の形態に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器の加熱初期における温度特性図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器の加熱初期における初期油温と初期プレート温度の影響を表した温度特性図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、Δtm1−Δtm2座標面上における反り量の関係を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、反り量と閾値Δtm2の関係を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器の加熱温度特性図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、油量と閾値ΔT4の関係を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、油量判定閾値ΔT4に対する鍋反り量の影響を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、油量判定閾値ΔT4に対する初期油温と初期プレート温度の影響を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、T0−Δtm1'座標面上における反り量の関係を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、鍋反り量と油量に応じた補正温度量ΔThの関係を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器において、鍋反り量と油量に応じた温度補正の概念を表した図である。 本実施の形態に係る誘導加熱調理器の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1…鍋、2…油、3…プレート、4…サーミスタ、5…加熱コイル、6…温度検出手段、7…タイマー、8…反り量検出手段、9…油量検出手段、10…加熱量設定手段、11…加熱量調整手段、11a…制御温度設定手段、11b…出力調整手段、12…インバータ回路、13…制御手段、14…交流電源、15…マイコン、16…直流電源回路。

Claims (10)

  1. 加熱容器を載置するプレートと、
    前記プレートの下方に設けられ、前記加熱容器内の被加熱物を加熱する加熱コイルと、
    前記プレートの下方に設けられ、前記プレートの温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサで測定した測定温度に基づいて、前記加熱容器底面の反り量を検出する反り量検出手段と、
    前記反り量検出手段で検出された反り量に基づいて、前記加熱コイルの加熱量を調整する加熱量調整手段とを備え、
    前記反り量検出手段は、加熱開始温度から第1の温度に上昇するまでの第1の経過時間と、前記第1の温度から第2の温度に上昇するまでの第2の経過時間とを用いて反り量を検出することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記反り量検出手段は、前記第1および第2の経過時間と複数の前記反り量閾値との関係を示した反り量検出テーブルを更に備え、
    前記反り量検出手段は、前記反り量検出テーブルにおける前記第1および第2の経過時間と複数の反り量閾値との比較によって、反り量を検出することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記反り量検出テーブルにおいて、反り量が少ない領域では前記反り量閾値を細かくすると共に、反り量が多い領域では前記反り量閾値を粗くしたことを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調理器。
  4. 加熱容器を載置するプレートと、
    前記プレートの下方に設けられ、前記加熱容器内の被加熱物を加熱する加熱コイルと、
    前記プレートの下方に設けられ、前記プレートの温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサで測定した測定温度に基づいて、前記被加熱物の容量を検出する容量検出手段と、
    前記容量検出手段で検出された容量に基づいて、前記加熱コイルの加熱量を調整する加熱量調整手段とを備え、
    前記容量検出手段は、基準となる閾値に対し、少なくとも前記被加熱物の初期温度による補正を行うことを特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 前記被加熱物の初期温度による補正は、前記プレートの初期温度と前記被加熱物の初期温度とが一致する基準条件で予め測定した加熱開始温度から所定の温度に上昇するまでの時間と、前記温度センサで測定した加熱開始温度から所定の温度に上昇するまでの時間との差に所定の補正傾きを乗じて得られる補正量を用いた補正であることを特徴とする請求項4記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記容量検出手段は、基準となる閾値に対し、更に前記プレートの初期温度による補正を行うことを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記プレートの初期温度による補正は、前記プレートの初期温度と前記被加熱物の初期温度とが一致する基準条件で予め測定した基準条件プレート温度と、前記温度センサで測定した前記プレートの初期温度との差に所定の補正傾きを乗じて得られる補正量を用いた補正であることを特徴とする請求項6記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記温度センサで測定した測定温度に基づいて、前記加熱容器底面の反り量を検出する反り量検出手段を更に備え、
    前記容量検出手段は、基準となる閾値に対し、更に前記反り量検出手段で検出した反り量で補正することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記被加熱物の初期温度による補正量に基づいて、前記加熱量調整手段における加熱目標温度を変更することを特徴とする請求項4記載の誘導加熱調理器。
  10. 加熱容器を載置するプレートと、
    前記プレートの下方に設けられ、前記加熱容器内の被加熱物を加熱する加熱コイルと、
    前記プレートの下方に設けられ、前記プレートの温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサで測定した測定温度に基づいて、前記加熱容器底面の反り量を検出する反り量検出手段と、
    前記温度センサで測定した測定温度に基づいて、前記被加熱物の容量を検出する容量検出手段と、
    前記反り量検出手段で検出された反り量および前記容量検出手段で検出された容量に基づいて、前記加熱コイルの加熱量を調整する加熱量調整手段とを備え、
    前記反り量検出手段は、加熱開始温度から第1の温度に上昇するまでの第1の経過時間と、前記第1の温度から第2の温度に上昇するまでの第2の経過時間とを用いて反り量を検出し、
    前記容量検出手段は、基準となる閾値に対し、少なくとも前記被加熱物の初期温度による補正を行うことを特徴とする誘導加熱調理器。
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