JP2005078847A - 二次電池用非水電解液及びそれを用いた非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 難燃性(自己消火性)を有し、かつ高い安全性と優れた電池充放電特性を備えた非水系二次電池を与える二次電池用非水電解液、及びそれを用いた非水系二次電池を提供する。
【解決手段】 リチウム塩及び非水溶媒を含有する二次電池用非水電解液であって、非水溶媒が、下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(I)
【化1】
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。ただし、R1〜R3の炭素数の和S1は6以下である。)
及び下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(II)
【化2】
(式中、R11〜R13はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)
を含むものであり、R11〜R13の炭素数の和S2がS2−S1≧6を満たすことを特徴とする二次電池用非水電解液。
【選択図】 なし
【解決手段】 リチウム塩及び非水溶媒を含有する二次電池用非水電解液であって、非水溶媒が、下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(I)
【化1】
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。ただし、R1〜R3の炭素数の和S1は6以下である。)
及び下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(II)
【化2】
(式中、R11〜R13はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)
を含むものであり、R11〜R13の炭素数の和S2がS2−S1≧6を満たすことを特徴とする二次電池用非水電解液。
【選択図】 なし
Description
本発明は、二次電池用非水系電解液及びそれを用いる非水系二次電池に関するものである。詳しくは、安全性が高く、電池充放電特性に優れた、非水系二次電池を与える二次電池用非水系電解液、及びそれを用いた非水系二次電池に関するものである。
近年、電気製品の軽量化、小型化にともない、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池が注目されている。
リチウム二次電池用の電解液は、リチウム塩等の溶質と有機溶媒等の非水溶媒とからなる。有機溶媒には、誘電率が高いこと、酸化電位が高いこと、及び電池中で安定であることが要求される。しかしながら、これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難なので、有機溶媒としては、通常は炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル類又はγ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル類などの高誘電率溶媒と、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖状炭酸エステル類又はジメトキシエタン等のエーテル類などの低粘度溶媒とを組み合わせて使用している。
リチウム二次電池用の電解液は、リチウム塩等の溶質と有機溶媒等の非水溶媒とからなる。有機溶媒には、誘電率が高いこと、酸化電位が高いこと、及び電池中で安定であることが要求される。しかしながら、これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難なので、有機溶媒としては、通常は炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状炭酸エステル類又はγ−ブチロラクトン等の環状カルボン酸エステル類などの高誘電率溶媒と、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖状炭酸エステル類又はジメトキシエタン等のエーテル類などの低粘度溶媒とを組み合わせて使用している。
ところで、これらの非水溶媒を用いて作製したリチウム二次電池は、電池内部における圧力上昇等のため電池が破損し、電解液が漏洩した場合、引火・燃焼する危険がある。これを難燃性を付与することで回避しようとして、難燃化剤を配合ことが種々検討されている。難燃化剤として、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリス(2―クロロエチル)等のリン酸エステルを用いることが提案されている(特許文献1〜5参照)。また、アルキル基の少なくとも1個がハロゲン化アルキル基であるリン酸エステルを用いた自己消火性を有する電解液も提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、これらの優れた難燃性を示すリン酸エステル類は、負極の材質によっては還元分解されやすいという欠点を有しているため、充放電特性を満足させることは困難である。更に、一般にリン酸エステルは粘性が高く、併用する有機溶媒や電池の構成によっては、負荷特性等の電池性能に悪影響を与える可能性もある。
一方、炭素数4〜30のアルキル基を有するリン酸エステルを含む電解液を用いることにより、電池性能を改善させることが提案されている(特許文献7参照)。しかしながら、アルキル基の炭素数を増加させると、電池が高温状態となったときに大量の可燃性ガスが発生する可能性がある。
特開昭58―206078号公報
特開昭60―23973号公報
特開昭61―227377号公報
特開昭61―284070号公報
特開平4―184870号公報
特開平8―88023号公報
特開平2−244565号公報
一方、炭素数4〜30のアルキル基を有するリン酸エステルを含む電解液を用いることにより、電池性能を改善させることが提案されている(特許文献7参照)。しかしながら、アルキル基の炭素数を増加させると、電池が高温状態となったときに大量の可燃性ガスが発生する可能性がある。
したがって、本発明は難燃性(自己消火性)を有し、かつ高い安全性と優れた電池充放電特性を備えた非水系二次電池を与える二次電池用非水電解液、及びそれを用いた非水系二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、自己消火性を有するリン酸アルキルエステルと優れた充放電特性を付与するリン酸アルキルエステルの2種類のリン酸アルキルエステルを併用した非水系電解液を用いることにより、優れた難燃性と電池充放電特性とを示す非水系二次電池が作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、リチウム塩及び非水溶媒を含有する二次電池用非水電解液であって、非水溶媒が、下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(I)
すなわち、本発明の要旨は、リチウム塩及び非水溶媒を含有する二次電池用非水電解液であって、非水溶媒が、下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(I)
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜3の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。ただし、R1〜R3の炭素数の和S1は6以下である。)
及び下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(II)
及び下記一般式で表されるリン酸アルキルエステル(II)
(式中、R11〜R13はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜30の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。)
を含むものであり、R11〜R13の炭素数の和S2がS2−S1≧6を満たすことを特徴とする二次電池用非水電解液、に存する。
を含むものであり、R11〜R13の炭素数の和S2がS2−S1≧6を満たすことを特徴とする二次電池用非水電解液、に存する。
本発明によれば、自己消火性(難燃性)を有し、良好な充放電特性(負荷特性)が得られ、電池の安全性、信頼性が高い非水系二次電池容電解液及び非水系二次電池が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る二次電池用非水電解液に用いるリン酸エステル(I)のR1〜R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基、並びにトリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基及びヘキサフルオロイソプロピル基等が挙げられる。R1〜R3の炭素数の和(以下「S1」という。)が大きいと電解液の難燃化作用に劣る傾向がみられる。
本発明に係る二次電池用非水電解液に用いるリン酸エステル(I)のR1〜R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基、並びにトリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基及びヘキサフルオロイソプロピル基等が挙げられる。R1〜R3の炭素数の和(以下「S1」という。)が大きいと電解液の難燃化作用に劣る傾向がみられる。
リン酸アルキルエステル(I)としては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸ジメチルプロピル、リン酸ジエチルメチル及びリン酸メチルエチルプロピル、並びにリン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)メチル、リン酸トリス(トリフルオロエチル)、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルエチル、リン酸トリフルオロエチルメチルプロピル及びリン酸トリフルオロエチルジエチル等が挙げられる。これらの中で、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)メチル、リン酸トリス(トリフルオロエチル)、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルエチル又はリン酸トリフルオロエチルメチルプロピル等が低粘度であるので好ましい。これらのうち、リン酸トリメチル、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)メチル、リン酸トリス(トリフルオロエチル)等のアルキル基の炭素数が1又は2のものは、難燃化効果が大きいので更に好ましい。なお、リン酸アルキルエステル(I)は、1種類を単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
リン酸アルキルエステル(II)のR11〜R13の炭素数の和(以下「S2」という。)が小さいと電池充放電特性が劣る傾向がみられ、逆に大きすぎるとリチウム塩が溶解し難くなる傾向がみられる。したがって、S2の下限は、通常9以上であり、12以上、特に16以上が好ましい。また、その上限は、通常36以下であり、30以下、特に24以下が好ましい。
本発明は、それぞれのアルキル基の炭素数の和が異なるリン酸アルキルエステル(I)及びリン酸アルキルエステル(II)の2種類のリン酸アルキルエステルを用いることにより、非水系電解液を難燃化すると共に、電池に良好な充放電特性を付与することを可能としたものである。2種類のリン酸アルキルエステルを用いることにより、難燃性と充放電特性の向上とを示す理由は明らかでないが、アルキル基の炭素数の和が小さいためリン含量が大きいリン酸アルキルエステル(I)は、リン酸アルキルエステル(II)よりも燃焼時にPOやHPO等のラジカルを多数形成し、電解液などから発生する活性な水素ラジカル等をトラップして、難燃性を示すためと考えられる。一方、リン酸アルキルエステル(II)は、セパレーターや電極の濡れ性を向上させ、セパレーターや電極の微細構造部分を有効に利用できるため優れた充放電特性を示す。このため、S1とS2の差は6以上であることが必要である。この差が小さいと電池の充放電特性が劣る傾向がみられ、逆に大きすぎるとリチウム塩の溶解性が低下するため電解液が白濁しやすくなる。したがって、S1とS2の差の下限としては9以上が好ましく、上限としては30以下が好ましい。
リン酸アルキルエステル(II)としては、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリウンデシル及びリン酸トリドデシル、並びにリン酸トリスペンタフルオロプロピル、リン酸ペンタフルオロジプロピル、リン酸ビス(ペンタフルオロプロピル)プロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルジプロピル、リン酸トリフルオロエチルプロピルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルプロピルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルプロピルブチル、リン酸トリフルオロエチルジブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジブチル等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
リン酸エステル(I)/リン酸エステル(II)の容量比は、通常80/20以上99.9/0.1以下である。この容量比が小さいと難燃性に劣る傾向がみられ、逆に大きすぎると充放電特性に劣る傾向がみられる。したがって、リン酸エステル(I)/リン酸エステル(II)の容量比の下限としては85/15以上、特に90/10以上が好ましく、上限としては99.5/0.5以下、特に99/1以下が好ましい。
本発明に係る二次電池用非水電解液は、本発明の効果が失われない範囲であれば、他の非水溶媒を含んでいてもよい。
他の非水溶媒としては、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、γ―オクタノラクトン、β―ブチロラクトン、δ―バレロラクトン及びε―カプロラクトン等の環状カルボン酸エステル;炭酸エチレン、炭酸プロピレン及び炭酸ブチレン等の炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の鎖状炭酸エステル類、酢酸メチル、酢酸エチル及びプロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジプロポキシエタン等の鎖状エーテル;テトラヒロドフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル;ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド類;亜硫酸メチル、亜硫酸ジエチル、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン等の亜硫酸エステル類、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸エチレン及び硫酸プロピレン等の硫酸エステル類;ジメチルスルホキシド及びジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物;ハロゲン原子置換の炭酸エステル、カルボン酸エステル、エーテル等のハロゲン系溶媒;イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等の常温型溶融塩;ホスファゼン系溶媒;リン酸エステル(I)及び(II)以外のリン酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、環状カルボン酸エステル又は炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルが好ましい。他の非水溶媒は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
他の非水溶媒としては、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、γ―オクタノラクトン、β―ブチロラクトン、δ―バレロラクトン及びε―カプロラクトン等の環状カルボン酸エステル;炭酸エチレン、炭酸プロピレン及び炭酸ブチレン等の炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステル;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の鎖状炭酸エステル類、酢酸メチル、酢酸エチル及びプロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジプロポキシエタン等の鎖状エーテル;テトラヒロドフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル;ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド類;亜硫酸メチル、亜硫酸ジエチル、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン等の亜硫酸エステル類、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸エチレン及び硫酸プロピレン等の硫酸エステル類;ジメチルスルホキシド及びジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物;ハロゲン原子置換の炭酸エステル、カルボン酸エステル、エーテル等のハロゲン系溶媒;イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等の常温型溶融塩;ホスファゼン系溶媒;リン酸エステル(I)及び(II)以外のリン酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、環状カルボン酸エステル又は炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルが好ましい。他の非水溶媒は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒中のリン酸エステル(I)とリン酸エステル(II)の合計濃度としては、15容量%以上100容量%以下が好ましい。その下限としては20容量%以上が好ましく、上限としては90容量%以下、更に80容量%以下、特に70容量%以下が好ましい。また、他の非水溶媒の濃度としては、濃度が高すぎると電池の難燃性に悪影響を与えるので、85容量%未満、特に80容量%未満が好ましい。
電解質であるリチウム塩には任意のものを用いることができ、例えば、LiClO4、LiPF6及びLiBF4等の無機リチウム塩;LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2 、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2及びLiBF2(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。これらのうち、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2又はLiN(C2F5SO2)2、特にLiPF6又はLiBF4が好ましい。リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。LiPF6又はLiBF4等の無機リチウム塩と、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2 又はLiN(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩とを併用すると、連続充電時のガス発生が抑制され、高温保存した後の劣化が少なくなるので好ましい。
二次電池用非水電解液(以下、単に「電解液」ということがある。)中のリチウム塩の濃度は、通常0.5〜2mol/dm3である。濃度が低くても、逆に高すぎても電解液の導電率が低下する傾向がみられる。したがって、リチウム塩濃度の下限としては0.7mol/dm3以上が好ましく、上限としては1.5mol/dm3以下が好ましい。
二次電池用非水電解液(以下、単に「電解液」ということがある。)中のリチウム塩の濃度は、通常0.5〜2mol/dm3である。濃度が低くても、逆に高すぎても電解液の導電率が低下する傾向がみられる。したがって、リチウム塩濃度の下限としては0.7mol/dm3以上が好ましく、上限としては1.5mol/dm3以下が好ましい。
電解液には、電池の充放電特性を改善するため、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含有させることができる。分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルとしては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート及びトリフルオロメチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート化合物;4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニルエチレンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,4−ジメチル−5−メチレンエチレンカーボネート、4,4−ジエチル−5−メチレンエチレンカーボネート等のアルケニル基を有するエチレンカーボネート化合物などが挙げられる。これらのうち、ビニレンカーボネート、4−ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート又は4,5−ジビニルエチレンカーボネート、特にビニレンカーボネート又は4−ビニルエチレンカーボネートが好ましい。なお、これらは単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルは、電解液中に0.01重量%以上15重量%以下となるように含有させるのが好ましい。濃度が低いと充放電特性を改善するのが困難となる。逆に濃度が高すぎると高温保存時にガスが発生して電池の内圧が上昇することがある。したがって、下限値は0.1重量%以上、更に0.3重量%以上、特に0.5重量%以上とするのが好ましい。また、上限値は10重量%以下、特に8重量%以下とするのが好ましい。
また、電解液中に過充電防止剤を含有させると、過充電時における電池の安全性が向上するので好ましい。過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化物、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール及び2,6−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物などが挙げられる。これらのうち、シクロヘキシルベンゼン、2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼンよりなる群から選ばれたものが、高温保存後の電池特性の劣化しにくいので好ましい。過充電防止剤は、電解液中に0.1〜5重量%含有させるのが好ましい。
電解液には、更に、必要に応じて従来公知の添加剤、脱水剤、脱酸剤を含有させてもよい。
添加剤としては、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物及びフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン及びテトラメチルチウラムモノスルフィド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物などが挙げられる。これらを電解液中に0.1〜5重量%含有させると、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性が良好となる。
添加剤としては、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物及びフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン及びテトラメチルチウラムモノスルフィド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物などが挙げられる。これらを電解液中に0.1〜5重量%含有させると、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性が良好となる。
本発明に係る二次電池用非水電解液と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極及び正極とを用いて、従来公知の方法により非水系二次電池を作製することができる。
負極の活物質としては、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料;リチウム金属;種々のリチウム合金などが挙げられる。これらの負極活物質は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
負極の活物質としては、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料;リチウム金属;種々のリチウム合金などが挙げられる。これらの負極活物質は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料としては、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛若しくは精製天然黒鉛、又はこれらの黒鉛にピッチその他の有機物で表面処理を施した後炭化して得られるものが好ましい。黒鉛は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.338nm、特に0.335〜0.337nmであるものが好ましい。灰分は、通常1重量%以下である。0.5重量%以下、特に0.1重量%以下であるのが好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は、通常30nm以上である。50nm以上、特に100nm以上であるのが好ましい。
レーザー回折・散乱法による炭素質材料粉体のメジアン径は、通常1〜100μmである。3〜50μm、特に5〜40μmが好ましく、最も好ましいのは7〜30μmである。BET法比表面積は、通常0.3〜25.0m2/gである。0.5〜20.0m2/g、特に0.7〜15.0m2/gが好ましく、最も好ましいのは0.8〜10.0m2/gである。また、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトルで分析したとき、1570〜1620cm−1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)及び1300〜1400cm−1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAは0.01〜0.7が好ましく、1570〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅は26cm−1以下、特に25cm−1以下であるのが好ましい。
特に好ましい黒鉛材料は、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.338nmである炭素質材料を核材とし、その表面に該核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料が付着しており、かつ核材と核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料との割合が重量比で99/1〜80/20であるものである。この黒鉛材料を用いると、高い容量で、かつ電解液と反応しにくい負極を製造することができる。
負極の製造は、常法によればよい。例えば、負極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体に塗布し、乾燥した後にプレスして高密度化する方法が挙げられる。
負極層の密度は、1.45g/cm3以上が好ましい。1.55g/cm3以上、特に1.60g/cm3以上とすると、電池の容量が増加するので更に好ましい。なお、負極層とは集電体上の活物質、結着剤、導電剤などよりなる層をいい、その密度とは電池に組立てる時点での密度をいう。
負極層の密度は、1.45g/cm3以上が好ましい。1.55g/cm3以上、特に1.60g/cm3以上とすると、電池の容量が増加するので更に好ましい。なお、負極層とは集電体上の活物質、結着剤、導電剤などよりなる層をいい、その密度とは電池に組立てる時点での密度をいう。
結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−アクリル酸共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ及びガゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅又はニッケル等の金属材料;グラファイト又はカーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。
導電材としては、銅又はニッケル等の金属材料;グラファイト又はカーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。
負極用集電体の材質としては、銅、ニッケル又はステンレス等が挙げられる。これらのうち、薄膜に加工しやすいという点及びコストの点から銅箔が好ましい。
電池を構成する正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物及びリチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などのリチウムを吸蔵及び放出可能な材料が挙げられる。
電池を構成する正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物及びリチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などのリチウムを吸蔵及び放出可能な材料が挙げられる。
正極は、負極に準じて製造することができる。例えば、正極活物質に必要に応じて結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電体に塗布、乾燥した後にプレスにより高密度化して正極とする方法が挙げられる。正極層の密度は3.0g/cm3以上に設定した場合が、電池とした場合の容量が増加するので好ましい。
正極用集電体の材質としては、アルミニウム、チタンもしくはタンタル等の金属又はその合金が挙げられる。これらのうち、アルミニウム又はその合金が、好ましい。
正極用集電体の材質としては、アルミニウム、チタンもしくはタンタル等の金属又はその合金が挙げられる。これらのうち、アルミニウム又はその合金が、好ましい。
二次電池の形状は特に限定されるものではなく、シート電極及びセパレーターをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレーターを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレーターを積層したコインタイプのいずれであってもよい。また、セパレーターの材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば任意である。ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等が好ましい。
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。
実施例1〜7及び比較例1〜6
(電解液)
表1に記載の非水溶媒を用い、LiBF4濃度1mol/dm3、ビニレンカーボネート2重量%及び4―ビニルエチレンカーボネートを含む電解液を調製した。なお、4―ビニルエチレンカーボネートの濃度は、実施例1、2及び比較例4では8重量%、他の実施例及び比較例では3重量%である。
実施例1〜7及び比較例1〜6
(電解液)
表1に記載の非水溶媒を用い、LiBF4濃度1mol/dm3、ビニレンカーボネート2重量%及び4―ビニルエチレンカーボネートを含む電解液を調製した。なお、4―ビニルエチレンカーボネートの濃度は、実施例1、2及び比較例4では8重量%、他の実施例及び比較例では3重量%である。
〈負極の作製〉
負極活物質としての炭素材料に、結着剤としてのフッ素樹脂とを、重量比90:10の比率で混合し、これを溶剤(N―メチルピロリドン)に分散させてスラリーとしたものを、集電体としての銅箔に塗布し乾燥させ、負極シートを得た。得られた負極シートは直径12.5mmに打ち抜いて負極とした。
負極活物質としての炭素材料に、結着剤としてのフッ素樹脂とを、重量比90:10の比率で混合し、これを溶剤(N―メチルピロリドン)に分散させてスラリーとしたものを、集電体としての銅箔に塗布し乾燥させ、負極シートを得た。得られた負極シートは直径12.5mmに打ち抜いて負極とした。
〈正極の作製〉
正極活物質としてのリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)に、導電剤としてのアセチレンブラックと結着剤としてのフッ素樹脂とを、重量比で90:5:5で混合し、これをN―メチルピロリドンに分散させてスラリーとしたものを、集電体としてのアルミニウム箔に塗布し乾燥させ、正極シートを得た。得られた正極シートは直径12.5mmに打ち抜いて正極とした。
正極活物質としてのリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)に、導電剤としてのアセチレンブラックと結着剤としてのフッ素樹脂とを、重量比で90:5:5で混合し、これをN―メチルピロリドンに分散させてスラリーとしたものを、集電体としてのアルミニウム箔に塗布し乾燥させ、正極シートを得た。得られた正極シートは直径12.5mmに打ち抜いて正極とした。
〈電池の作製〉
正極端子を兼ねたステンレスケース内に、正極と負極を電解液を含浸させた多孔性ポリプロピレンフィルムのセパレーターを介して収容し、ポリプロピレン製ガスケットを介し、負極端子を兼ねるステンレス製封口板で密封して、電池を製作した。
電池の作製に用いた非水系電解液の自己消火性、及び電池の充放電特性の評価を以下の方法により行った。結果を表2に示す。
正極端子を兼ねたステンレスケース内に、正極と負極を電解液を含浸させた多孔性ポリプロピレンフィルムのセパレーターを介して収容し、ポリプロピレン製ガスケットを介し、負極端子を兼ねるステンレス製封口板で密封して、電池を製作した。
電池の作製に用いた非水系電解液の自己消火性、及び電池の充放電特性の評価を以下の方法により行った。結果を表2に示す。
(自己消火性)
幅15mm、長さ300mm、厚さ0.19mmの短冊状のガラス繊維濾紙を、電解液の入ったビーカーに10分間以上浸して、非水系電解液をガラス繊維濾紙に十分に含浸させた。次に、ガラス繊維濾紙の一端をクリップで挟み垂直に吊した。この下端より、ライター類の小ガス炎で約3秒間加熱し、火源を取り除いた状態での自己消火性の有無、及び消火するまでの時間を測定した。
幅15mm、長さ300mm、厚さ0.19mmの短冊状のガラス繊維濾紙を、電解液の入ったビーカーに10分間以上浸して、非水系電解液をガラス繊維濾紙に十分に含浸させた。次に、ガラス繊維濾紙の一端をクリップで挟み垂直に吊した。この下端より、ライター類の小ガス炎で約3秒間加熱し、火源を取り除いた状態での自己消火性の有無、及び消火するまでの時間を測定した。
(電池の充放電特性)
25℃に設定した恒温槽内において充放電を実施した。充電は、4.2V、0.36mAの定電流定電圧充電方法で行い、8時間経過した時点で終了した。放電は、0.36mAの定電流で行い、電圧が3Vに達した時点で終了した。この充放電サイクルを3サイクル行って安定化させた後、4サイクル目に4.2V、1.8mAの定電流定電圧充電方法で、3.5時間経過した時点で終了となる充電を行い、0.36mA定電流で、電圧が3Vに達した時点で終了となる放電を行った。このときの放電容量を“放電容量1”とした。次いで、放電を1.8mA定電流で行ったこと以外は4サイクル目と同じ条件で、5サイクル目の充放電を行った。このときの放電容量を“放電容量2”とした。この充放電サイクルによって、それぞれの電池における負荷特性を得た。ここで負荷特性は以下の式から求めたものである。
25℃に設定した恒温槽内において充放電を実施した。充電は、4.2V、0.36mAの定電流定電圧充電方法で行い、8時間経過した時点で終了した。放電は、0.36mAの定電流で行い、電圧が3Vに達した時点で終了した。この充放電サイクルを3サイクル行って安定化させた後、4サイクル目に4.2V、1.8mAの定電流定電圧充電方法で、3.5時間経過した時点で終了となる充電を行い、0.36mA定電流で、電圧が3Vに達した時点で終了となる放電を行った。このときの放電容量を“放電容量1”とした。次いで、放電を1.8mA定電流で行ったこと以外は4サイクル目と同じ条件で、5サイクル目の充放電を行った。このときの放電容量を“放電容量2”とした。この充放電サイクルによって、それぞれの電池における負荷特性を得た。ここで負荷特性は以下の式から求めたものである。
負荷特性(%)=[(放電容量1)/(放電容量2)]×100
表1及び表2から明らかなように、本発明に係る二次電池用非水電解液は、リン酸アルキルエステル(I)及びリン酸アルキルエステル(II)を併用することにより、自己消火性を備え、かつ電池充電特性の良好な非水系二次電池を与える。
すなわち、リン酸アルキルエステル(I)を含まない比較例2及び3の電解液は、自己消火性を示さない。リン酸アルキルエステル(I)とリン酸アルキルエステル(II)とを併用した実施例1及び2は、リン酸アルキルエステル(I)のみを用いた比較例4よりも優れた充放電特性を示す。また、リン酸アルキルエステル(I)、リン酸アルキルエステル(II)及びGBLの3種類の非水溶媒を用いた実施例4〜7の電解液は、リン酸アルキルエステル(I)とGBLとを併用し、リン酸アルキルエステル(II)を用いない比較例1、5及び6の電解液よりも優れた充放電特性を示す。
すなわち、リン酸アルキルエステル(I)を含まない比較例2及び3の電解液は、自己消火性を示さない。リン酸アルキルエステル(I)とリン酸アルキルエステル(II)とを併用した実施例1及び2は、リン酸アルキルエステル(I)のみを用いた比較例4よりも優れた充放電特性を示す。また、リン酸アルキルエステル(I)、リン酸アルキルエステル(II)及びGBLの3種類の非水溶媒を用いた実施例4〜7の電解液は、リン酸アルキルエステル(I)とGBLとを併用し、リン酸アルキルエステル(II)を用いない比較例1、5及び6の電解液よりも優れた充放電特性を示す。
Claims (13)
- リン酸アルキルエステル(I)/リン酸アルキルエステル(II)の容量比が、80/20〜99.9/0.1であることを特徴とする請求項1記載の二次電池用非水電解液。
- 非水溶媒中のリン酸アルキルエステル(I)及びリン酸アルキルエステル(II)の合計濃度が、15容量%以上、100容量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池用非水電解液。
- 非水溶媒が、更に、環状カルボン酸エステル及び/又は分子内に炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
- 環状カルボン酸エステルが、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、γ―オクタノラクトン、β―ブチロラクトン、δ―バレロラクトン及びε―カプロラクトンよりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項4記載の二次電池用非水電解液。
- 分子内に炭素−炭素不飽和結合を有しない環状炭酸エステルが、炭酸エチレン、炭酸プロピレン及び炭酸ブチレンよりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項4又は5記載の二次電池用非水電解液。
- リチウム塩が、無機酸リチウム塩及び/又は有機酸リチウム塩であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
- 無機酸リチウム塩が、LiPF6及び/又はLiBF4であることを特徴とする請求項6記載の二次電池用非水電解液。
- 有機酸リチウム塩が、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiPF3(C2F5)3及びLiB(CF3COO)4よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項7記載の二次電池用非水電解液。
- 二次電池用非水電解液が、更に、分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の二次電池用非水電解液。
- 分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルが、ビニレンカーボネート化合物及び/又はアルケニル基を有するエチレンカーボネート化合物であることを特徴とする請求項10記載の二次電池用非水電解液。
- 二次電池用非水電解液中の分子内に炭素−炭素不飽和結合を有する環状炭酸エステルの濃度が、0.01〜15重量%であることを特徴する請求項10又は11記載の二次電池用非水電解液。
- リチウムを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに二次電池用非水電解液を含む非水系二次電池であって、二次電池用非水電解液が請求項1乃至12のいずれかに記載の二次電池用非水電解液であることを特徴とする非水系二次電池。
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- 2003-08-28 JP JP2003305015A patent/JP2005078847A/ja active Pending
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