JP2005077620A - 電子写真感光体の製造方法および感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電荷発生層(CGL)を浸漬塗布した後に、下端の拭き取り処理および乾燥工程を行わない場合において、基体に塗布ムラのない優れた感光層を確実に形成することができるオーバーフロー方式の浸漬塗布ができる電子写真感光体の製造方法及びその感光体を提供すること。
【解決手段】 導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成するために、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、該基体外面に感光層を形成させてなる電子写真感光体の製造方法において、上記導電性基体を浸漬させる際に、該基体と浸漬液との相対速度が5.0〜50.0mm/secであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成するために、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、該基体外面に感光層を形成させてなる電子写真感光体の製造方法において、上記導電性基体を浸漬させる際に、該基体と浸漬液との相対速度が5.0〜50.0mm/secであることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は電子写真感光体の製造法及びその感光体に関するものであり、より詳細には、導電性基体上に少なくとも電荷発生層(CGL)を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成するために、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、その基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、該基体外面に感光層を形成させてなる電子写真感光体の製造方法及びその感光体に関するものである。
近年、電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称す。)において有機系の光導電性材料(OPC)の開発が進み、従来から用いられてきた酸化亜鉛、硫化カドミウム、アモルファスセレンおよびアモルファスシリコンなどに代表される無機系の光導電性材料よりも多く使用されるようになっている。有機系光導電性材料を用いた電子写真感光体は、感度、耐久性および環境に対する安定性などに若干の問題はあるが、毒性、原価、材料設計の自由度などの点において無機材料に比べ多くの利点がある。
そこで、精力的な検討の中から、種々の増感法が提案されている。有機電子写真感光体には、光導電層である感光層が単層型のものと積層型のものがある。中でも光を照射したときに電荷担体を発生する物質(以下、「電荷発生物質(CGM)」と称す。)を含む層(以下、「電荷発生層(CGL)」と称す。)と、電荷発生層(CGL)で発生した電荷担体を受け入れ、それを輸送する物質(以下、「電荷輸送物質(CTM)」と称す。)を主体とする層(以下、「電荷輸送層(CTL)」と称す。)とからなる積層型の感光体(以下、「機能分離型感光体」と称す)が優れた増感性を示すことから、現在実用化されている有機感光体構成の大部分を占めてきている。また、近年の耐久性向上から今後感光体の主流として期待されている。
さらに、帯電性改善、導電性基体からの不要な電荷注入の阻止、導電性基体上の欠陥の被覆、ピンホール発生の防止および感光層の接着性の改善などのために、基体上に下引き層(UCL)を設けることで、耐久性も向上してきている。
これらの感光層は、各層を構成するための有機系光導電性材料を結着樹脂とともに、有機溶剤に溶解または分散させて感光材料を含有する感光層用塗布液を調製し、この感光層用塗布液を導電性基体上に順次、塗布して乾燥させることにより形成される。
これらの感光層は、各層を構成するための有機系光導電性材料を結着樹脂とともに、有機溶剤に溶解または分散させて感光材料を含有する感光層用塗布液を調製し、この感光層用塗布液を導電性基体上に順次、塗布して乾燥させることにより形成される。
従来、電子写真感光体の感光層の形成方法として、浸漬塗布(又は浸漬コーティング)、スプレー塗布、スピンナー塗布、ワイヤーバー塗布、ブレード塗布、ローラ塗布等の種々の塗布方法が知られているが、主として浸漬塗布とスプレー塗布が用いられている。なかでも、浸漬塗布は円筒状の被塗布物(導電性基体等)に均一な膜の形成が可能で、比較的機構が簡単かつ生産性およびコストの点で優れているため、電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。
浸漬塗布方法は、浸漬液を収容した槽内に導電性基体等の被浸漬物を浸漬し、次いでこの被浸漬物を引き上げることにより、被浸漬物の外周面上に均一な膜を形成しようとするものである。しかしながら、被浸漬物の浸漬、引上げに伴う浸漬液面の上下動により、槽側壁の内周面に浸漬液が付着し、付着した浸漬液が乾燥して、浸漬液中に乾固物、異物が混入したり、浸漬液の成分変化、劣化を生じたりするため膜ムラを起こす。
また、感光体のサイズは使用される複写機などの寿命・コピースピード等の要求仕様によって異なり、大径、小径と多岐にわたる。各々の感光体径に適した槽径で浸されるべきだが、生産上の作業効率(浸漬液の入れ替え、清掃)を考慮して、同一槽で行われることが多い。
また、感光体のサイズは使用される複写機などの寿命・コピースピード等の要求仕様によって異なり、大径、小径と多岐にわたる。各々の感光体径に適した槽径で浸されるべきだが、生産上の作業効率(浸漬液の入れ替え、清掃)を考慮して、同一槽で行われることが多い。
被膜厚は基体面と浸漬液との間の相対移動速度で決まり、一般に相対移動速度が速いと被膜厚は厚く、逆に遅いと薄くなる。このため前記の場合、従来の浸漬塗布では、異なる径の基体で同一の被膜厚を得るには、たとえば、小径基体の場合には上記移動速度を速く、大径基体の場合は移動速度を遅くする必要がある。このため著しく基体径が異なる場合、昇降機に対して広い動作(速度)範囲が必要となり、設備費用が大きくなる。
生産中で溶剤蒸発や浸漬液の補填等による粘度変化等に対応するために微調整を行う際、大径基体ではわずかな速度調整で微調整を行う必要が生じ、高精度のモーターが必要となる。一方、塗布槽から基体を引き上げる際には、基体径(体積)に応じて浸漬液面が下がるが、小径基体の場合ではあまり液面が下がらない。しかし、大径基体の場合、液面の低下が著しく大きく、引き上げ速度が遅いため、槽中の浸漬液面の高さと槽内壁面との空間に溜まった液溶剤蒸気層を長く通過することになり、基体の長手方向で蒸気の濃度差が大きくなるため膜厚に不均一が生じやすい。例えば、基体上部では接する溶剤蒸気層が薄く・短いため、浸漬液の乾燥が早くなり膜厚は厚くなるが、下部では溶剤蒸気層が濃く・長くなるため乾きが遅くなり、タレが原因となり膜厚が薄くなる。これらの影響を極力小さくするために大径の槽を用いることが考えられるが、小径基体に対しては、必要な浸漬液量が多くなりすぎるために、浸漬液の使用効率が悪くなる。また、浸漬液が可燃物であるために多数量を管理する場合には、防爆等の対応をする必要が生じる。
このような欠点を防止する方法として、いわゆるオーバーフロー方式のものが知られている(例えば特開平2−173754号公報参照)。このようなオーバーフロー方式によると、処理中も常に塗布槽外縁から浸積液がオーバーフローされるために、槽内壁面に乾固物が付着することが無く、液面が一定であるために基体径の大小にかかわらず同じ引き上げ速度で同じ膜厚がとれるために、上記制御が容易である。また、基体長手方向の蒸気層差が無いために基体上下での膜厚も均一なものとなる。しかし、上述のようなオーバーフロー方式の塗布装置では、塗布性の向上と塗布欠陥の減少が見られたが、完全には塗布欠陥等の問題解決がなされていないのが現状であった。そこで、オーバーフロー方式の塗布装置において、浸漬速度を制御することにより塗布性を向上させる方法も提案されている(特開平9−304949号公報参照)。
特開平2−173754号公報
特開平9−304949号公報
しかしながら、上記のオーバーフロー方式では、まだ最適な塗布条件が議論されたとは言えない。電荷輸送層用に最も用いられているポリカーボネート樹脂は溶剤に対する溶解性に乏しく、塩素系炭化水素や、環状もしくは複素系炭化水素等の樹脂などの溶解性が高い溶剤が用いられている。従って、浸漬方法によって電荷輸送層を形成するために、電荷発生層が形成された導電性基体を電荷輸送層用塗布液に浸漬すると、浸漬中に形成されている電荷発生層が電荷輸送層用塗布液に溶出してくることがある。このような現象は、電荷発生層(CGL)を浸漬塗布した後に、下端の拭き取り処理および乾燥工程を行わない場合において発生しやすいことがわかった。特に基体下端にできた電荷発生層の液溜まりが浸漬中に浸漬液に溶け出した場合、これが基体の引き上げ時に再付着すると、電荷輸送層中に塗布欠陥を発生する。
また、浸漬作業を繰り返すと浸漬液中に溶けだした電荷発生層量が増加し、電荷輸送用浸漬液の特性が変化する。この結果、例えば1本目に作成した感光体と、1万本目に作成した感光体の特性が異なってくるような現象が生じる。これらの現象は、例え、浸漬速度や引き上げ速度が所定範囲に入っていても、オーバーフロー速度が所定範囲に入っていない場合に生じやすいことがわかった。すなわち、浸漬中に導電性基体は下方に移動しているが、この基体に接触している浸漬液の相対速度は基体の浸漬速度、塗布槽と基体の径、及び浸漬液の循環速度に依存する。従って、浸漬速度や引き上げ速度が所定範囲に入っていても、オーバーフロー速度が大きくて基体と浸漬液の相対速度が大きい場合は、基体と浸漬液間に生じる摩擦力が強くなり、ドラム下端に溜まりついた塗膜片を剥がしてしまう。その結果、剥がされた塗膜片が浸漬液中に溶出または飛散し、膜剥がれによる剥がれた膜の再付着により、膜欠陥または塗布ムラの多い感光体となってしまう。また、相対速度が所定範囲よりも遅い場合には、浸漬速度もこれ以上に遅くなるので、基体が浸漬液中にある時間が長くなる。このような場合には、浸漬液中に溶けだす電荷発生層量が増加し、電荷輸送用浸漬液の特性が変化する。この結果、例えば1本目に作成した感光体と、1万本目に作成した感光体の特性が異なってくるような現象が生じる。このような現象は例えば、電荷発生層を浸漬塗布で形成した後、基体下端部の液だまりをふき取り処理しない場合や、熱乾燥しないで風乾後、直ちに電荷輸送層を浸漬塗布により形成する場合に生じやすいことがわかった。このように、従来のオーバーフロー方式では、浸漬速度を制御するのみで、完全な塗布欠陥の改善に至っていないのが現状である。
従って、本発明の目的は、電荷発生層(CGL)を浸漬塗布した後に、下端の拭き取り処理および乾燥工程を行わない場合において、基体に塗布ムラのない優れた感光層を確実に形成することができるオーバーフロー方式の浸漬塗布ができる電子写真感光体の製造方法及びその感光体を提供することにある。
本発明は以下の(1)乃至(4)構成及び条件を満たすことを特徴とするものである。
(1)導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成するために、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、上記基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、該基体外面に感光層を形成させてなる電子写真感光体の製造方法において、上記導電性基体を浸漬させる際に、該基体と浸漬液との相対速度が5.0〜50.0mm/secの範囲にあることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(1)導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成するために、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、上記基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、該基体外面に感光層を形成させてなる電子写真感光体の製造方法において、上記導電性基体を浸漬させる際に、該基体と浸漬液との相対速度が5.0〜50.0mm/secの範囲にあることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(2)上記浸漬液を円筒状の槽内でフローさせ、該槽の内径を2R(mm)とし、円筒状に形成された上記導電性基体の外径を2r(mm)とすると、0.5<r/R<0.85、かつR−r≦30、で表される関係式を満たすようにして上記基体に感光層を形成することを特徴とする上記(1)記載の製造方法。
(3)上記感光体の製造方法において、上記基体の引き上げ速度が1.0〜10.0mm/secの範囲にあることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の電子写真感光体の製造方法。
(3)上記感光体の製造方法において、上記基体の引き上げ速度が1.0〜10.0mm/secの範囲にあることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の電子写真感光体の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)の何れかに記載の製造方法によって製造される電子写真感光体。
本発明者等は、浸漬塗布方法において、導電性基体上に電荷発生層を形成した後に電荷輸送層(CTL)を形成する工程で、先ず、電荷発生層(CGL)を形成した後にその下端の拭き取り処理および乾燥工程を行わない場合に、次の電荷輸送層(CTL)を形成するに当たって、浸漬液に基体を浸漬させる際に、基体と浸漬液との相対速度を5.0〜50.0mm/secの範囲に条件設定してオーバーフロー方式の浸漬塗布を行うと、基体下端に溜まりついていた電荷発生層の成分が浸漬液に溶出して、再付着することが抑えられ、塗布欠陥のない優れた感光層を確実に形成することができることを見出し、本発明に至ったものである。
以上のように、本発明に係る電子写真感光体の製造方法によれば、導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、浸漬塗布装置を用いて電荷輸送層を塗布形成する際、電荷発生層を浸漬塗布した後に下端の拭き取り処理および乾燥工程を行わず、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、上記基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、基体外面を被覆する浸漬液を感光層として形成させてなる電子写真感光体の製造方法において、導電性基体を浸漬させる際に、基体と浸漬液の相対速度を5.0〜50.0mm/secに設定することにより、導電性基体に塗布ムラのない優れた感光層を確実に形成することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る電子写真感光体の製造方法、及びその感光体について具体的な実施の形態に基づいて詳説する。なお、本発明に係る電子写真感光体の製造方法及びその感光体はこれらに限るものではない。
図1および図2は本発明に係る電子写真感光体の製造方法に使用される浸漬塗布装置の概略図である。
図1および図2は本発明に係る電子写真感光体の製造方法に使用される浸漬塗布装置の概略図である。
図1に示すような浸漬塗布装置において、電荷発生層の形成後、被浸漬体である円筒状導電性基体1を浸漬液3に浸漬する(図1の矢印Aの方向に下げる)。その後、図2に示すように基体1を引き上げる(図2の矢印Bの方向に上げる)際に、該浸漬液3を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面3aをほぼ所定の高さに維持させながら引き上げて、該基体外面を被覆する浸漬液3を感光層として形成させてなる。
この場合、図1に示す浸漬塗布装置の形態にあっては浸漬液3をほぼ円筒状の槽2に収容し、所定の高さに形成された槽2の上縁2aから浸漬液3をオーバーフローさせながら浸漬液面3aの高さを維持してなるものである。
この場合、図1に示す浸漬塗布装置の形態にあっては浸漬液3をほぼ円筒状の槽2に収容し、所定の高さに形成された槽2の上縁2aから浸漬液3をオーバーフローさせながら浸漬液面3aの高さを維持してなるものである。
即ち、浸漬塗布装置20にあっては、円筒状槽2内に所定の浸漬液3が収容され、槽2の側壁の周囲には受け皿5が設けられている。浸漬液3は、タンク8からポンプ9によって送り出され、フィルター10を介して、液の供給口7より矢印Cで示すように槽2内へと供給される。浸漬液3は下方から上方に流れ、槽2側壁の上縁2aを越えて槽2の放射方向或いは半径方向へと均一に溢流し、受け皿5で捕集される。基体が浸漬する際にオーバーフローした浸漬液は受け皿5の排出口6よりタンク8へと戻される。
円筒状導電性基体1は、浸漬液3内に浸漬され、次いで矢印Bで示す方向に所定の引き上げ速度で引き上げられ、浸漬塗布が施される。この浸漬時に、上述のように浸漬液3が槽2の上縁部を越えて溢流し続けているので、浸漬液3の液面の高さはほぼ一定に保たれる。
浸漬液3に基体1を浸漬する際に、導電性基体を浸漬する際の基体と浸漬液の相対速度が5.0〜50.0mm/secの範囲にある。基体と浸漬液の相対速度とは基体1を含む槽2で仕切られるエリアを流れる浸漬液の上昇速度と基体の浸漬速度(漬け込み速度)の相対速度である。
浸漬液3に基体1を浸漬する際に、導電性基体を浸漬する際の基体と浸漬液の相対速度が5.0〜50.0mm/secの範囲にある。基体と浸漬液の相対速度とは基体1を含む槽2で仕切られるエリアを流れる浸漬液の上昇速度と基体の浸漬速度(漬け込み速度)の相対速度である。
基体と浸漬液の相対速度が5.0mm/sec未満であると、基体の浸漬速度はこれよりも更に遅くなる。従って、基体が浸漬液に浸漬している状態が長くなりすぎるために、塗布すべき内層である電荷発生層を一部浸漬液中に溶解させてしまう。その結果、塗布すべき外層である電荷輸送層(CTL)中にトラップを形成することになり、始めに塗布した感光体と多数本目に塗布した感光体との感度特性の差が大きくなって安定した品質を保てない。
また、基体と浸漬液の相対速度が50.0mm/secより速いと、基体と浸漬液間に生じる摩擦力が強くなり、ドラム下端に溜まりついた塗膜片を剥がしてしまう。その結果、剥がされた塗膜片が浸漬液中に溶出または飛散し、膜剥がれによる剥がれた膜の再付着により、膜欠陥または塗布ムラの多い感光体となってしまう。このような塗布欠陥は画像上に、黒ポチや白ポチ、画像ムラとして発生するため好ましくない。
また、基体と浸漬液の相対速度が50.0mm/secより速いと、基体と浸漬液間に生じる摩擦力が強くなり、ドラム下端に溜まりついた塗膜片を剥がしてしまう。その結果、剥がされた塗膜片が浸漬液中に溶出または飛散し、膜剥がれによる剥がれた膜の再付着により、膜欠陥または塗布ムラの多い感光体となってしまう。このような塗布欠陥は画像上に、黒ポチや白ポチ、画像ムラとして発生するため好ましくない。
また、円筒状槽2の内径を2R(mm)とし、基体1の外径を2r(mm)とすると、0.5<r/R<0.85、かつR−r≦30、で表される関係式を満たすようにして基体1に感光層を形成することが望ましい。
この関係の時、簡単な制御で高品質な有機電子写真感光体を提供することが可能である。
r/R≧0.85では、基体1と槽2壁の距離が近くなるため、浸漬液3が槽2の側壁の上縁部2aを越えて溢流する際に、その液面3aが基体1の引き上げの影響を受けやすくなり、液面3aの波立ちが大きくなるために上述の膜厚にバラツキが発生しやすくなり、感光層欠陥、画像形成装置に用いた場合は画像欠陥の多い感光体となってしまう。
r/R≦0.5では、基体1の径に対して槽2の径が大きくなり、基体1が小さくても浸漬液量を多く必要とし、浸漬液3の使用効率が悪くなる。浸漬液3が危険物であると、多数量を管理する場合に防爆等の対応をする必要が生じるので好ましくない。また、R−r>30では、基体1の径に対して槽2の径が大きくなり、浸漬液3の使用効率が悪くなり、浸漬液3が危険物であると、多数量を管理する場合に防爆等の対応をする必要が生じるので好ましくない。
この関係の時、簡単な制御で高品質な有機電子写真感光体を提供することが可能である。
r/R≧0.85では、基体1と槽2壁の距離が近くなるため、浸漬液3が槽2の側壁の上縁部2aを越えて溢流する際に、その液面3aが基体1の引き上げの影響を受けやすくなり、液面3aの波立ちが大きくなるために上述の膜厚にバラツキが発生しやすくなり、感光層欠陥、画像形成装置に用いた場合は画像欠陥の多い感光体となってしまう。
r/R≦0.5では、基体1の径に対して槽2の径が大きくなり、基体1が小さくても浸漬液量を多く必要とし、浸漬液3の使用効率が悪くなる。浸漬液3が危険物であると、多数量を管理する場合に防爆等の対応をする必要が生じるので好ましくない。また、R−r>30では、基体1の径に対して槽2の径が大きくなり、浸漬液3の使用効率が悪くなり、浸漬液3が危険物であると、多数量を管理する場合に防爆等の対応をする必要が生じるので好ましくない。
さらに、浸漬液3から基体1を引き上げる際に、基体の引き上げ速度が1.0〜10.0mm/secを満たすようにして基体1に感光層を形成することが望ましい。
基体の引き上げ速度が1.0mm/secより遅いと基体が浸漬液に浸漬している状態が長くなりすぎるために、塗布すべき内層である電荷発生層を一部浸漬液中に溶解させてしまう。その結果、塗布すべき外層である電荷輸送層(CTL)中にトラップを形成することになり、始めに塗布した感光体と多数本目に塗布した感光体との感度特性の差が大きくなって安定した品質を保てない。さらに、引き上げ速度が1.0(mm/sec)未満の場合には、感光体を生産する場合において、生産効率が悪くなりコストが増大してしまう。
基体の引き上げ速度が1.0mm/secより遅いと基体が浸漬液に浸漬している状態が長くなりすぎるために、塗布すべき内層である電荷発生層を一部浸漬液中に溶解させてしまう。その結果、塗布すべき外層である電荷輸送層(CTL)中にトラップを形成することになり、始めに塗布した感光体と多数本目に塗布した感光体との感度特性の差が大きくなって安定した品質を保てない。さらに、引き上げ速度が1.0(mm/sec)未満の場合には、感光体を生産する場合において、生産効率が悪くなりコストが増大してしまう。
基体の引き上げ速度が10.0mm/secより速いとまた、引き上げ速度が10.0(mm/sec)を超える場合には、感光体基体1を引き上げる際に、液面3aの波立ちが大きくなるために上述の膜厚のバラツキが発生しやすくなり、感光層の欠陥ひいては画像欠陥の多い感光体となってしまう。また、オーバーフロー流速を維持するためにポンプ9の容量の大きなものが必要となり、さらなる設備投資が必要となる。
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法に使用する材料について簡単に説明する。なお、本発明の製造方法に使用する感光体材料は以下に記載の内容に何ら限定されるものではない。
本発明で用いる導電性基体としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、真鍮等の金属の基体または薄膜シート、またはアルミニウム、錫合金、酸化インジウム等をポリエステルフィルムあるいは紙、金属フィルムの基体などに蒸着したものが挙げられる。
形成される感光体層との接着性改良、付着性改良、基体上の欠陥の被覆及び基体から電荷発生層(CGL)への電荷注入性改良などのために下引き層(UCL)を設けても良い。
形成される感光体層との接着性改良、付着性改良、基体上の欠陥の被覆及び基体から電荷発生層(CGL)への電荷注入性改良などのために下引き層(UCL)を設けても良い。
下引き層(UCL)の材料としては、ポリアミド、共重合ナイロン、カゼイン、ポリビニルアルコール、セルロース、ゼラチン等の樹脂が知られている。これらを各種有機溶剤に溶解し、膜厚が0.1〜5μm程度になるように導電性基体上に塗布される。また、下引層中には、必要に応じて、特に下引層の体積抵抗率の設計、低温/低湿環境下での繰り返えしエージング特性の改善等の理由で、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム、シリカ、酸化アンチモン等の無機顔料が分散含有されることが知られている。
電荷発生層(CGL)は、光照射により電荷を発生する電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結合剤、可塑剤、増感剤を含有し、乾燥膜厚が0.1μm以下となるように形成される。
電荷発生材料としては、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、フタロシアニン顔料、金属フタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、及びカルバソール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。
電荷輸送層(CTL)は、電荷発生材料が発生した電荷を受け入れこれを輸送する能力を有する電荷輸送材料及び結着剤を必須成分とし、必要に応じて公知のレベリング剤、可塑剤、増感剤を含有し、乾燥膜厚が5〜70μmとなるように形成される。
電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−r−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキソジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体等の電子供与性物質、或いはフルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受容性物質などが挙げられる。
電荷輸送層(CTL)を構成する結着剤としては、電荷輸送材料と相溶性を有するものであれば良く、例えばポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。前に述べたようにポリカーボネート樹脂は様々な構造の樹脂が、感光体として最も多く用いられている。
浸漬液は、例えば、上述の電荷発生材料が必要に応じて、結合剤、可塑剤、増感剤と共に適当な溶剤、例えば、シクロヘキサノン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロエタン、エチルエーテル、アセトン、エタノール、クロルベンゼン、メチルエチルケトン等に分散されて用いられる。
このような浸漬液3に基体1を浸漬し、上述した条件のもとで引き上げ、乾燥して導電性基体上に電荷発生層(CGL)を形成する。
このような浸漬液3に基体1を浸漬し、上述した条件のもとで引き上げ、乾燥して導電性基体上に電荷発生層(CGL)を形成する。
また次に、浸漬液は、例えば、上述した電荷輸送材料及び結着剤が、必要に応じてレベリング剤、可塑剤、増感剤と共に適当な溶剤、例えば、ジクロロエタン、ベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、エチルエーテル、アセトン、エタノール、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等に溶解して用いられる。前に述べたように最も多く用いられているポリカーボネート樹脂に対して、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、などの塩素系炭化水素や、環状もしくは複素系炭化水素系の溶剤が多く用いられる。
このような浸漬液3に、上記の電荷発生層(CGL)が形成された基体1を浸漬し、上述した条件のもとで引き上げ、乾燥して電荷輸送層(CTL)を形成する。
このような浸漬液3に、上記の電荷発生層(CGL)が形成された基体1を浸漬し、上述した条件のもとで引き上げ、乾燥して電荷輸送層(CTL)を形成する。
次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1以下の様にして、円筒状導電性基体上に下引き層(UCL)、電荷発生層(CGL)、および電荷輸送層(CTL)を形成し、塗布外観を観察することで、電荷輸送層(CTL)の塗布ムラを判断した。また、周方向膜厚を測定することにより、電荷輸送層(CTL)の膜厚バラツキを判断した。さらに、同一の塗布方法で1本目のドラムと一万本目のドラムの感度差を測定した。
(実施例1)
<UCL>
酸化チタン(TTO55A:石原産業社製)7質量部および共重合ナイロン(CM8000:東レ社製)13質量部を、メチルアルコール159質量部と1,3−ジオキソラン106質量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して下引層用塗布液を調整した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚1μmの下引層を形成した。
<CGL>
<UCL>
酸化チタン(TTO55A:石原産業社製)7質量部および共重合ナイロン(CM8000:東レ社製)13質量部を、メチルアルコール159質量部と1,3−ジオキソラン106質量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカーにて8時間分散処理して下引層用塗布液を調整した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬後引上げ、自然乾燥して層厚1μmの下引層を形成した。
<CGL>
オキソチタニルフタロシアニン3質量部とブチラール樹脂(BL−1:積水水化学社製)2質量部とを、メチルエチルケトン245質量部に混合し、ペイントシェーカーにて分散して電荷発生層用塗布液を調整した。この塗布液を、下引層の場合と同様の浸漬塗布法にて前述の下引層上に塗布し、 下端のふき取りを行わずに自然乾燥して層厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
<CTL>
ブタジエン系化合物を5質量部、4種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)を2.4質量部、G400(出光興産株式会社製)1.6質量部、GH503(出光興産株式会社製)1.6質量部、TS2020(帝人化成株式会社製)2.4質量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25質量部を混合し、テトラヒドロフラン49質量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。
ブタジエン系化合物を5質量部、4種類のポリカーボネート樹脂、J500(出光興産株式会社製)を2.4質量部、G400(出光興産株式会社製)1.6質量部、GH503(出光興産株式会社製)1.6質量部、TS2020(帝人化成株式会社製)2.4質量部、さらにスミライザーBHT(住友化学株式会社製)0.25質量部を混合し、テトラヒドロフラン49質量部を溶剤として電荷輸送層用塗布液を調整した。
次いで図1に示す浸漬塗布装置を用いて、内径80mm、長さ348mmのアルミ製円筒状導電性基体を内径95mmの円筒状槽に基体と浸漬液の相対速度が5.3mm/sec、基体の浸漬速度が1.5mm/secとなるように調整し、電荷輸送層(CTL)を形成して感光体ドラムを作製した。また、図2に示す引き上げ速度は、3.5mm/secとした。作成した感光体ドラムの塗布外観を観察することで塗布欠陥の有無を判断した。また、MCPD−1100(大塚電子社製)を用いて、基体上部・中部・下部の周方向の膜厚を12点測定し、膜厚の標準偏差により膜厚のバラツキを判断した。その結果も、表1に示した。
ここで、膜厚のバラツキが0.3μmより小さい場合を○、0.3μm以上0.4μm以下の場合を△、0.4μmより大きい場合を×とする。さらに、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、塗布開始1本目と10,000本目の感度差を測定した。その結果を表1に示す。ここで、光減衰VLの差が20V以下の場合を○、VLの差が20Vより大きくなっている場合を×とする。
(実施例2)
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が48.0mm/sec、基体の浸漬速度が1.5mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が48.0mm/sec、基体の浸漬速度が1.5mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
(実施例3)
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整し、基体と浸漬液の相対速度が48.0mm/sec、基体の浸漬速度が14.0mm/secとなるようにして、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例1および実施例3の製造方法では、表1に示すように、塗布欠陥のない感光体を作成することができた。
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整し、基体と浸漬液の相対速度が48.0mm/sec、基体の浸漬速度が14.0mm/secとなるようにして、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例1および実施例3の製造方法では、表1に示すように、塗布欠陥のない感光体を作成することができた。
(比較例1)
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が52.0mm/sec、基体の浸漬速度が1.5mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が52.0mm/sec、基体の浸漬速度が1.5mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
比較例1の製造方法では、表1に示すように、10,000本目のドラムでは感度の悪化は見られなかったが、基体の浸漬速度が1.5mm/secにおいても浸漬時に基体と塗工槽間の浸漬液の流速が速いために、電荷発生層の塗膜片が浸漬液に飛散して再付着することによる塗布ムラが発生した。
(比較例2)
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が52.0mm/sec、基体の浸漬速度が14.0mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
比較例2の製造方法では、表1に示すように、一万本目のドラムでは感度の悪化は見られなかったが、基体の浸漬速度が14.0mm/secにおいても浸漬時に基体と塗工槽間の浸漬液の流速が速いために、電荷発生層の塗膜片が浸漬液に飛散して再付着することによる塗布ムラが発生した。
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が52.0mm/sec、基体の浸漬速度が14.0mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
比較例2の製造方法では、表1に示すように、一万本目のドラムでは感度の悪化は見られなかったが、基体の浸漬速度が14.0mm/secにおいても浸漬時に基体と塗工槽間の浸漬液の流速が速いために、電荷発生層の塗膜片が浸漬液に飛散して再付着することによる塗布ムラが発生した。
(比較例3)
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が3.8mm/sec、基体の浸漬速度が1.0mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
比較例3の製造方法では、表1に示すように、一万本目のドラムで感度の悪化が見られた。
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、浸漬速度及びポンプ流量を調整して、基体と浸漬液の相対速度が3.8mm/sec、基体の浸漬速度が1.0mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
比較例3の製造方法では、表1に示すように、一万本目のドラムで感度の悪化が見られた。
(実施例4)
内径65mmのアルミ製円筒状導電性基体に内径70mmの塗布槽を使用し、表1の条件になるように浸漬速度及びポンプ流量を調整して、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例4の製造方法では、表1に示すように、塗布ムラは発生しなかったものの膜厚のバラツキが0.3μm以上0.4μm以下となり、膜厚のバラツキが若干大きくなった。一方、内径30mmのアルミ製の円筒状導電性基体に対して内径70mmの槽を使用する場合には、つまりr/R=0.42では感光体径に対して槽径が大きくなり、必要な浸漬液量が多くなりすぎるために、浸漬液の使用効率が悪くなる。
内径65mmのアルミ製円筒状導電性基体に内径70mmの塗布槽を使用し、表1の条件になるように浸漬速度及びポンプ流量を調整して、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例4の製造方法では、表1に示すように、塗布ムラは発生しなかったものの膜厚のバラツキが0.3μm以上0.4μm以下となり、膜厚のバラツキが若干大きくなった。一方、内径30mmのアルミ製の円筒状導電性基体に対して内径70mmの槽を使用する場合には、つまりr/R=0.42では感光体径に対して槽径が大きくなり、必要な浸漬液量が多くなりすぎるために、浸漬液の使用効率が悪くなる。
(実施例5)
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、引き上げ速度が11.5mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例1と同じ液を作成し、図1に示す浸漬塗布装置を用い、引き上げ速度が11.5mm/secとなるようにし、それ以外は実施例1と同様にして感光体ドラムを作製した。
実施例5の製造方法では、表1に示すように、塗布ムラは発生しなかったものの膜厚のバラツキが0.3μm以上0.4μm以下となり、膜厚のバラツキが若干大きくなった。
本発明は、感光体の製造において導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成する際のオーバーフロー方式の浸漬塗布に関するものであり、導電性基体を浸漬させる際に、該基体と浸漬液との相対速度が5.0〜50.0mm/secの範囲に設定して電子写真感光体の製造することにより、電荷発生層(CGL)を浸漬塗布した後に、下端の拭き取り処理および乾燥工程を行わない場合でも、基体に塗布ムラのない優れた感光層を確実に形成することができる産業上の利用可能性のある電子写真感光体の製造方法である。
1 導電性基体
2 槽
3 浸漬液
5 受け皿
6 排出口
7 供給口
8 タンク
9 ポンプ
10 フィルター
20 浸漬塗布装置
2 槽
3 浸漬液
5 受け皿
6 排出口
7 供給口
8 タンク
9 ポンプ
10 フィルター
20 浸漬塗布装置
Claims (4)
- 導電性基体上に少なくとも電荷発生層を形成した後、電荷輸送層(CTL)を塗布形成するために、浸漬液を上部でオーバーフローさせてその浸漬液面をほぼ所定の高さに維持させながら、上記基体を浸漬液に浸漬し、引き上げて、該基体外面に感光層を形成させてなる電子写真感光体の製造方法において、
上記導電性基体を浸漬させる際に、基体と浸漬液との相対速度が5.0〜50.0mm/secの範囲にあることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 上記浸漬液を円筒状の槽内でフローさせ、該槽の内径を2R(mm)とし、円筒状に形成された上記導電性基体の外径を2r(mm)とすると、0.5<r/R<0.85、かつR−r≦30、で表される関係式を満たすようにして上記基体に感光層を形成することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 上記感光体の製造方法において、上記基体の引き上げ速度が1.0〜10.0mm/secの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜3の何れかに記載の製造方法によって製造される電子写真感光体。
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---|---|---|---|
JP2003306574A JP2005077620A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 電子写真感光体の製造方法および感光体 |
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