JP2005077436A - 調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置 - Google Patents
調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005077436A JP2005077436A JP2003209728A JP2003209728A JP2005077436A JP 2005077436 A JP2005077436 A JP 2005077436A JP 2003209728 A JP2003209728 A JP 2003209728A JP 2003209728 A JP2003209728 A JP 2003209728A JP 2005077436 A JP2005077436 A JP 2005077436A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- source module
- light source
- light
- dimensional
- condenser lens
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
【課題】調芯時間を短縮し、光結合損失を低減する。
【解決手段】光源モジュール1から平行光として出射されて集光レンズ2により集光され光ファイバ3に導入された光を、光検出器21で検出する。光源モジュール1から出射された平行光が集光レンズ2に入射されるように初期の位置がセットされた状態で、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する光学部品の相対位置を調整する。その後、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の、集光レンズ2の光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】光源モジュール1から平行光として出射されて集光レンズ2により集光され光ファイバ3に導入された光を、光検出器21で検出する。光源モジュール1から出射された平行光が集光レンズ2に入射されるように初期の位置がセットされた状態で、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する光学部品の相対位置を調整する。その後、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の、集光レンズ2の光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光学部品(単体の部品の他、複数の部品からなるいわゆるモジュールも含む。)同士の位置合わせを行う調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば下記の特許文献1の図7に開示されているように、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子からのレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、光ファイバと、前記コリメータレンズからの平行光を光ファイバの入射端付近に集光させる集光レンズと、を有する光学モジュールが、提供されている。前記半導体レーザ素子及び前記コリメータレンズは、平行光を出射する光源モジュールを構成している。この光学モジュールは、ピグテールモジュール等と呼ばれ、例えば光通信などで用いられる。前記光ファイバの入射端面は、当該入射端面での反射による半導体レーザ素子への戻り光を防ぐために、例えば8゜程度傾けて斜めに研磨されている。
【0003】
このような光学モジュールを製造するには、光結合損失を抑えるために、半導体レーザ素子及びコリメータレンズを含み平行光を発する光源モジュールと、集光レンズと、光ファイバとの相対的な位置を、高い精度で位置合わせして調芯する必要がある。また、前述したように光ファイバの入射端面は斜めに研磨されているため、光結合損失を抑えるために、集光レンズを経由した光は光ファイバの入射端に対して最適な入射角度で入射させる必要がある。
【0004】
このような要請に応えるべく、前述したような光学モジュールの従来の製造方法として、特許文献1の段落番号[0012]〜[0014]に開示された製造方法(以下、「第1の従来の製造方法」という。)と、特許文献1の段落番号[0017]〜[0018]に開示された製造方法(以下、「第2の従来の製造方法」という。)とがある。
【0005】
前記第1の従来の製造方法では、半導体レーザ素子から出力され、コリメートレンズ及び集光レンズを通ったレーザ光を調芯用光ファイバによって受光して、調芯用光ファイバの受光したパワー(輝度)をパワーメータにより測定する。そして、集光レンズの位置を少しずつ変えながら、各位置においてそれぞれ調芯用光ファイバに光結合するパワーが最大となるように調芯用光ファイバの位置を調整する。そして、このようにして集光レンズ11の各位置における調芯用光ファイバの最大結合パワーを表示したマップを作成する。作成したマップの中で最大のパワーが得られた位置が最適な集光レンズの位置となるので、その位置で集光レンズを保持するレンズホルダをパッケージのフランジ部にYAGレーザ溶接により固定する。そして、その後、光ファイバを再度位置調整し、光ファイバに光結合するパワーが最大となる位置で、光ファイバを固定している。
【0006】
前記第2の従来の製造方法は、レーザ光を出力する半導体レーザ素子と、その半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を集光する集光レンズと、その集光レンズによって集光されたレーザ光が入射される光ファイバと、前記集光レンズを固定するレンズ固定部端面を備えたパッケージとを有する半導体レーザモジュールの製造方法において、前記半導体レーザ素子を備えた前記パッケージのレンズ固定部端面を所定の基準軸に対して所定角度になるように、前記パッケージの姿勢を調整する第1の工程と、前記集光レンズを前記パッケージのレンズ固定部端面に設置する第2の工程と、前記集光レンズを通過したレーザ光の前記基準軸に対する傾きを検出する第3の工程と、前記基準軸に対するレーザ光の傾きが所定の角度範囲内にあれば、その位置で前記集光レンズを前記レンズ固定部端面に固定し、所定の角度範囲内になければ、前記集光レンズを移動させ、所定の角度範囲内になった位置で前記集光レンズを前記レンズ固定部端面に固定する第4の工程と、前記固定された前記集光レンズを通過したレーザ光が前記光ファイバに結合される光量を所望の光量になるように、前記光ファイバを調芯して固定する第5の工程と、を有する。前記半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を平行光にして前記集光レンズに入射させるコリメートレンズを備えていてもよい。
【0007】
以上の説明からわかるように、前記第1及び第2の従来の製造方法では、いずれの製造方法においても、半導体レーザ素子及びコリメータレンズを有する光源モジュールと集光レンズとの相対的な位置を調整して両者間を固定した後、これらに対して光ファイバの相対的な位置を調整して光ファイバを光源モジュール及び集光レンズに対して固定している。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−156562号公報(安川様から提示された公報です。)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の従来の製造方法では、集光レンズの位置を少しずつ変えながら、各位置において調芯用光ファイバの調芯を行い、集光レンズの各位置における調芯用光ファイバに結合する最大パワーのマップを作成し、さらに集光レンズの固定の前後2回にわたって、光ファイバの調芯を行う必要があるため調芯時間が長くなる。その結果、半導体レーザモジュールの製造時間が長くなるとともに、製造コストがアップする。
【0010】
これに対し、前記第2の従来の製造方法では、集光レンズを通過したレーザ光の基準軸に対するレーザ光の傾きを検出し、その検出したレーザ光の傾きが所定の角度範囲になるように集光レンズを移動することにより光源モジュールに対して集光レンズを調芯している。したがって、前記第2の従来の製造方法では、調芯用光ファイバを用いて光源モジュールに対して集光レンズを調芯する前記第1の製造方法に比べ、調芯時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
しかしながら、前記第2の従来の製造方法では、集光レンズを通過したレーザ光の基準軸に対するレーザ光の傾きを検出しなければならず、その傾き検出のために赤外線カメラや測長センサ等を要するため、コストアップを免れない。また、前記第2の従来の製造方法では、検出されたレーザ光の傾きが所定の角度範囲になるように集光レンズを移動することにより光源モジュールに対して集光レンズを調芯した後に、光源モジュールと集光レンズとを固定している。したがって、実際には、レーザ光の傾きが、光結合損失を最小限にする光ファイバへの最適入射角度に対して比較的大きくばらついてしまう。また、前記第2の従来の製造方法で、レンズ光の傾きが常に一定の角度範囲になるように調整するので、光ファイバの入射端の傾斜角度がばらついてそれに応じて光ファイバの入射端に対する光の最適入射角度がばらつくと、そのばらつきの影響を受けて、光結合損失がばらついてしまう。その結果、前記第2の従来の製造方法では、光結合損失が比較的大きくなってしまう。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、集光レンズを通過した光の傾きを検出することなく調芯時間を短縮することができ、しかも、光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールを製造する場合、光結合損失を抑えるためには、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置を調整するとともに両者の偏光方向を合わせる調芯を行う必要がある。この場合にも、調芯時間を短縮しつつ光結合損失を低減することが要請される。
【0014】
したがって、本発明は、このような光源モジュールと偏波面保持光ファイバとに関して、調芯時間を短縮することができるとともに光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することを他の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による調芯方法は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を、前記光源モジュールから出射され前記集光レンズを経由して前記光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、調整する調芯方法であって、前記光源モジュールから出射された前記平行光の少なくとも一部が前記集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置がセットされた状態で、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の3次元の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、前記第1の位置調整段階の後に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する第2の位置調整段階と、を備えたものである。
【0016】
前述したように、前記第1及び第2の従来の製造方法では、いずれの製造方法においても、半導体レーザ素子及びコリメータレンズを有する光源モジュールと集光レンズとの相対的な位置を調整して両者間を固定した後、これらに対して光ファイバの相対的な位置を調整して光ファイバを光源モジュール及び集光レンズに対して固定している。
【0017】
これに対し、前記第1の態様では、まず、前記第1の位置調整段階において、集光レンズの位置を基準とした光学部品(例えば、光ファイバ)の位置が調整され、その後に、前記第2の位置調整段階において、集光レンズの位置を基準とした光源モジュールの、集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整される。光源モジュールから出射される光が実質的に平行光であるため、集光レンズの位置を基準として光源モジュールを集光レンズの光軸と略垂直な方向に移動させると、光源モジュールから出射されて集光レンズを経由した光の集光点の位置は理論上は全く変化せずに、集光レンズから集光点に向かう光の角度が変化する。前記第1の態様では、この原理を巧みに利用して、前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階を行うのである。すなわち、前記第1の位置調整段階では、結局、前記集光点に対する光学部品の位置調整が行われ、前記第2の位置調整段階では、前記集光点の位置が理論上変化しないことから、前記第1の位置調整段階で行われた光学部品の調整状態が理論上そのまま保持された状態で、光学部品に入射する光の入射角の最適化が行われることになる。
【0018】
したがって、前記第1の態様によれば、前記第1の従来の製造方法と異なり集光レンズの各位置における調芯用光ファイバに結合する最大パワーのマップ作成するような必要がなくなり、調芯時間を大幅に短縮することができる。また、前記第1の態様によれば、光源モジュールから出射され集光レンズを経由して光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて位置調整を行うことができるので、前記第2の従来の製造方法と異なり集光レンズを通過した光の傾きを検出しなくてすみ、赤外線カメラや測長センサ等を必要とせず、コストダウンを図ることができる。さらに、前記第1の態様によれば、前記第2の位置調整段階において、光学部品に対する光の入射角度を変えながら、光結合状態を前記光検出器の出力として直接的に検出して、前記入射角度を最適化することになるので、検出したレーザ光の傾きが所定の角度範囲となるように集光レンズを移動する前記第2の従来の製造方法に比べて、光結合損失を低減することができる。
【0019】
本発明の第2の態様による調芯方法は、前記第1の態様において、前記光検出器の出力を対数増幅する増幅手段を用い、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の位置調整段階を行うものである。
【0020】
この第2の態様によれば、光検出器の出力を対数増幅するので、光強度を信号としてモニタし得る3次元空間を大幅に拡大することができる。例えば、6桁に及ぶ信号強度変化をゲインの切換なしにリアルタイム検出できることとなり、例えば集光スポットと入射点の3次元的なずれに対して、直線増幅器を用いた場合と比較して各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。したがって、光強度が感知される領域を探索するための時間を大幅に短縮することができ、ひいては、調芯時間をより短縮することができる。
【0021】
本発明の第3の態様による調芯方法は、前記第1の態様において、前記光検出器の出力を増幅する増幅手段を用い、前記相対的な位置が調芯位置に近づく前には前記増幅手段に対数増幅を行わせるとともに前記相対的な位置が調芯位置に近づいた後には前記増幅手段に直線増幅を行わせて、前記第1及び第2の位置調整段階を行うものである。
【0022】
この第3の態様によれば、調芯位置に近づく前に対数増幅による信号を用い、調芯位置に近づいた後に直線増幅による信号を用いるので、前記第3の態様と同様の利点を得ながら、しかも、調芯位置付近では狭い範囲での信号変化をより捉えやすい直線増幅を併用することにより、調芯精度を一層高めることができる。
【0023】
本発明の第4の態様による調芯方法は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記第1の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させつつ、前記往復走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、前記1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得る光強度分布取得段階と、前記光強度分布取得段階で得られた1次元的な光強度分布に基づいて、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する段階と、を含むものである。
【0024】
本発明者の研究の結果、光学部品の調芯時の3次元的な光強度分布を十分に考察することにより、その3次元空間における1次元的な光強度分布が、従来必要であった探索動作を極力減らして光学部品の迅速な位置合わせのために用いることができる極めて有益な情報を含んでいることを見出した。このような知見に従って、前記第4の態様では、前記第1の位置調整段階において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させて1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整している。このように、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、無駄な信号探索の動作を減らすことができ、迅速に集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置を合わせることができる。また、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。
【0025】
前記1つの軸は、互いに直交する軸をX軸、Y軸及びZ軸とし、X軸周りの回転軸をXθ、Y軸周りの回転軸をYθ、Z軸周りの回転軸をZθとするとき、例えば、X、Y、Z、Xθ、Yθ、Zθのうちのいずれの軸であってもよい。このとき、Z軸が第1の光学部品から出射される光の光軸方向と略一致していてもよい。
【0026】
前記往復走査の繰り返し周波数は、高いほど参照データが増えるため調芯時間の短縮と調芯精度の向上に寄与する。例えば、前記往復走査の繰り返し周波数は、5Hz以上であることが好ましく、30Hz以上であることが好ましい。往復走査のためのアクチュエータとしてピエゾアクチュエータを用いた場合、例えば、30Hz〜240Hzの繰り返し周波数を得ることができる。
【0027】
本発明の第5の態様による調芯方法は、前記第4の態様において、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度の所定範囲の積分値又は平均値を得る段階と、前記往復走査の中心位置を、前記集光レンズの光軸と略垂直な所定方向に移動させて、前記積分値又は前記平均値が最大となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止させる段階と、を含むものである。前記往復走査の中心位置を移動させる前記所定方向と前記往復走査の方向とは、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0028】
この第5の態様は、1次元的な光強度分布の具体的な利用手法を例示したものである。この第5の態様によれば、1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値を得てこれを利用するので、往復走査の範囲内に調芯位置がなくても、前記所定方向に関して光学部品の相対的な位置を調芯位置に近づけることができる。また、前記積分値又は前記平均値を用いるので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。
【0029】
本発明の第6の態様による調芯方法は、前記第4又は第5の態様において、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度のピーク値又は所定比率値幅を得る段階と、前記往復走査の中心位置を、所定方向に移動させて、前記ピーク値が最大となる位置又はその付近の位置あるいは前記所定比率値幅が最小となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止させる段階と、を含むものである。ここで、所定比率値幅は、ピーク値から所定比率だけ下がったレベルにおける1次的な光強度分布波形の幅であり、前記比率として50%を採用する場合には半値幅となる。前記比率は、50%に限定されるものではなく、例えば40%や60%など、適宜の値を採用し得る。この第6の態様では、前記往復走査の中心位置を移動させる前記所定方向と前記往復走査の方向とは、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。例えば、前記所定方向は、集光レンズの光軸方向と略一致する方向でもよいし、この方向に対して略垂直な方向でもよい。
【0030】
この第6の態様は、1次元的な光強度分布の具体的な利用手法を例示したものである。この第6の態様によれば、前記ピーク値又は前記所定比率値幅により前記所定方向の調整を行うので、集光レンズに対する前記光学部品の相対位置が調芯位置に近づいた場合において微調整を行う場合に、特に有効である。
【0031】
本発明の第7の態様による調芯方法は、前記第4乃至第6のいずれかの態様において、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を得る段階と、前記集光レンズの光軸方向と略一致する第1の方向に対する略垂直な第2の方向に前記往復走査の中心位置が調芯位置に対してオフセットした状態で、前記中心位置を前記第1の方向に移動させて前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置又はその付近の位置で前記第1の方向への移動を停止させる段階と、を含むものである。
【0032】
この第7の態様は、1次元的な光強度分布の具体的な利用手法を例示したものであり、特に、集光レンズから出射される集光光の光強度分布に着目したものである。本発明者の研究の結果、光軸方向と略垂直な方向にオフセットした状態で、光軸方向と略一致する方向へ移動させると、前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置で当該方向の位置が調芯位置に最も近づくことが、判明した。前記第7の態様は、この特性を巧みに利用することにより、当該移動方向の位置調整を行うものである。
【0033】
本発明の第8の態様による調芯方法は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記第2の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置を調整する段階と、を含むものである。
【0034】
前述したように、光源モジュールから出射されて集光レンズを経由した光の集光点の位置は、集光レンズの位置を基準として光源モジュールを集光レンズの光軸と略垂直な方向に移動させても、理論上は全く変化しないが、実際には集光レンズの収差等の影響で若干ずれる場合がある。前記第8の態様によれば、光学部品を集光レンズに対して相対的に集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させて2次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置を調整するので、前述したように集光点の位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、前記第8の態様によれば、大きい信号値に基づいて光源モジュールの位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、集光点のずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。
【0035】
本発明の第9の態様による調芯方法は、前記第8の態様において、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する段階を備えたものである。
【0036】
光源モジュールから出射されて集光レンズを経由した光の集光点の位置は、集光レンズ等の影響によりずれることがあるにしても、そのずれは小さいため、前記第8の態様では、前記第1の位置調整段階の後に、必ずしも、再び集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置を調整する必要はない。しかしながら、前記第8の態様では2次元的な光強度分布が得られているので、この2次元的な光強度分布に基づいて、集光点のずれに応じた前記光学部品の位置調整が可能となる。したがって、前記第9の態様のように、この2次元的な光強度分布に基づいて再び集光レンズに対する光学部品の相対的な位置を調整すれば、更に調芯精度を高めて光結合損失を一層低減することができる。
【0037】
本発明の第10の態様による調芯方法は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、前記光学部品が光ファイバ又は光導波路デバイスであるものである。
【0038】
この第10の態様は、前記光学部品の例を挙げたものであるが、前記第1乃至第9の態様では、この例に限定されるものではない。
【0039】
本発明の第11の態様による調芯方法は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、前記光源モジュールが偏光光を出射し、前記光学部品が偏波面保持光ファイバであり、前記第1の位置調整段階の後でかつ前記第2の調整段階の前に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第3の位置調整段階を、備えたものである。
【0040】
この第11の態様によれば、光源モジュールの偏光方向と偏波面保持光ファイバの偏光面とを合わせることができ、更に光結合損失を低減することができる。
【0041】
本発明の第12の態様による調芯方法は、前記第11の態様において、前記第3の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の前記相対的な回転位置を調整する段階と、を含むものである。
【0042】
通常は、前記光学部品としての偏波面保持光ファイバを回転させる回転軸は偏波面保持光ファイバの軸線とほぼ一致しているが、両者を完全に一致させることは実際上不可能であり偏心している。したがって、偏波面保持光ファイバを回転させると、その入射端の位置がわずかながらずれてしまう。前記第12の態様によれば、偏波面保持光ファイバを集光レンズに対して相対的に集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させて2次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて集光レンズに対する偏波面保持光ファイバの相対的な位置を調整するので、集光点に対して偏波面保持光ファイバの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、前記第12の態様によれば、大きい信号値に基づいて偏波面保持光ファイバの回転位置を調整することができるため、より精度良くその回転位置を調整することができ、光結合損失を一層低減することができる。また、集光点に対するずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。
【0043】
本発明の第13の態様による調芯方法は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、前記光源モジュールから出射され前記偏波面保持光ファイバに導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、調整する調芯方法であって、(a)前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、前記第1の位置調整段階の後に、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第2の位置調整段階と、を備え、(b)前記第2の位置調整段階は、前記偏波面保持光ファイバを前記光源モジュールに対して相対的に、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの前記相対的な回転位置を調整する段階と、を含むものである。
【0044】
前記第12の態様は、前述したように、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、偏波面保持光ファイバと、前記光源モジュールから出射された平行光を偏波面保持光ファイバの入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を調整する調芯方法である。これに対し、前記第13の態様は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、調整する調芯方法である。前記第13の態様における光源モジュールは、例えば、前記第12の態様における光源モジュール(例えば、半導体レーザ素子とコリメータレンズとからなるモジュール)と集光レンズとの組み合わせからなるモジュールでもよいし、コリメータレンズを持たない半導体レーザ素子と集光レンズとからなるモジュールでもよい。
【0045】
前記第13の態様も、前記第12の態様と同様に、偏光方向を合わせるために、2次元的な走査により得られる2次元的な光強度分布を用いて偏波面保持光ファイバの相対的な回転位置を調整する段階を有している。したがって、前記第13の態様によれば、前記第12の態様と同様に、集光点に対して偏波面保持光ファイバの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、前記第13の態様によれば、最大信号値に基づいて偏波面保持光ファイバの回転位置を調整することができるため、より精度良くその回転位置を調整することができ、光結合損失を低減することができる。また、集光点に対するずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を短縮することができる。
【0046】
本発明の第14の態様による調芯方法は、前記第13の態様において、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する段階を備えたものである。
【0047】
偏波面保持光ファイバの入射端の位置は、偏波面保持光ファイバの回転に伴ってずれることがあるにしても、そのずれは小さいため、前記第13の態様では、前記第1の位置調整段階の後に、必ずしも、再び光源モジュールに対する偏波面保持光ファイバの相対的な位置を調整する必要はない。しかしながら、前記第13の態様では2次元的な光強度分布が得られているので、この2次元的な光強度分布に基づいて、集光点に対するのずれに応じた偏波面保持光ファイバの位置調整が可能となる。したがって、前記第14の態様のように、この2次元的な光強度分布に基づいて再び光源モジュールに対する偏波面保持光ファイバの相対的な位置を調整すれば、更に調芯精度を高めて光結合損失を一層低減することができる。
【0048】
本発明の第15の態様による光学モジュールの製造方法は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズとを、有する光学モジュールの製造方法であって、前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との相対的な位置を調整する調芯段階と、調芯後に前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との間を固定する段階と、を備え、前記調芯段階が前記第1乃至第12のいずれかの態様による調芯方法により行われるものである。
【0049】
この第15の態様によれば、前記第1乃至第12のいずれかの態様による調芯方法が採用されているので、光結合損失の少ない光学モジュールを低いコストで製造することができる。
【0050】
本発明の第16の態様による光学モジュールの製造方法は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールの製造方法であって、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を調整する調芯段階と、調芯後に前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの間を固定する段階と、を備え、前記調芯段階が前記第13又は第14の態様による調芯方法により行われるものである。
【0051】
この第16の態様によれば、前記第13又は第14の態様による調芯方法が採用されているので、光結合損失の少ない光学モジュールを低いコストで製造することができる。
【0052】
本発明の第17の態様による調芯装置は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を、調整する調芯装置であって、(a)前記集光レンズに対する前記光学部品の3次元の相対的な位置を変更させる第1の移動手段と、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を変更させる第2の移動手段と、前記光源モジュールから出射され前記集光レンズを経由して前記光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、前記第1及び第2の移動手段を制御する制御手段と、を備え、(b)前記制御手段は、前記光源モジュールから出射された前記平行光の少なくとも一部が前記集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置がセットされた状態で、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する第1の制御と、該第1の制御の後に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記第2の移動手段を制御する第2の制御と、を行うものである。
【0053】
本発明の第18の態様による調芯装置は、前記第17の態様において、前記光検出器の出力を対数増幅する増幅手段を備え、前記制御手段は、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の移動手段を制御するものである。
【0054】
本発明の第19の態様による調芯装置は、前記第17の態様において、前記光検出器の出力を増幅する増幅手段を備え、前記増幅手段は、選択信号に応答して対数増幅及び直線増幅のうちの一方を選択的に行い、前記制御手段は、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の移動手段を制御し、前記制御手段は、前記相対的な位置が調芯位置に近づく前には前記増幅手段に対数増幅を行わせるように、かつ、前記相対的な位置が調芯位置に近づいた後には前記増幅手段に直線増幅を行わせるように、前記増幅手段に前記選択信号を与えるものである。
【0055】
本発明の第20の態様による調芯装置は、前記第17乃至第19のいずれかの態様において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させる往復走査手段を備え、前記制御手段は、前記往復走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、前記1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得る手段と、前記第1の制御において、前記1次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0056】
本発明の第21の態様による調芯装置は、前記第20の態様において、前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度の所定範囲の積分値又は平均値を得る手段と、前記往復走査の中心位置が、前記第1の光学部品から出射される光の光軸方向に対する略垂直な所定方向に移動して、前記積分値又は前記平均値が最大となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0057】
本発明の第22の態様による調芯装置は、前記第20又は21の態様において、前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度のピーク値又は所定比率値幅を得る手段と、前記往復走査の中心位置が、所定方向に移動して、前記ピーク値が最大となる位置又はその付近の位置あるいは前記所定比率値幅が最小となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0058】
本発明の第23の態様による調芯装置は、前記第20乃至第22のいずれかの態様において、前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を得る手段と、前記光源モジュールから出射される光の光軸方向と略一致する第1の方向に対する略垂直な第2の方向に前記往復走査の中心位置が調芯位置に対してオフセットした状態で、前記中心位置が前記第1の方向に移動して前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置又はその付近の位置で前記第1の方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0059】
本発明の第24の態様による調芯装置は、前記第17乃至第23のいずれかの態様において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段を備え、前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第2の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置が調整されるように、前記第2の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0060】
本発明の第25の態様による調芯装置は、前記第24の態様において、前記制御手段は、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段を、含むものである。
【0061】
本発明の第26の態様による調芯装置は、前記第17乃至第25のいずれかの態様において、前記光学部品が光ファイバ又は光導波路デバイスであるものである。
【0062】
本発明の第27の態様による調芯装置は、前記第17乃至第25のいずれかの態様において、前記光源モジュールが偏光光を出射し、前記光学部品が偏波面保持光ファイバであり、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を変更させる回転手段を備え、前記制御手段は、前記第1の制御の後でかつ前記第2の制御の前に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記光検出器の出力に基づいて、前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する第3の制御を、行うものである。
【0063】
本発明の第28の態様による調芯装置は、前記第27の態様において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段を備え、前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第3の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の前記相対的な回転位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0064】
本発明の第29の態様による調芯装置は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、調整する調芯装置であって、(a)前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの3次元の相対的な位置を変更させる移動手段と、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を変更させる回転手段と、前記光源モジュールから出射され前記偏波面保持光ファイバに導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、前記移動手段及び前記回転手段を制御する制御手段と、前記偏波面保持光ファイバを前記光源モジュールに対して相対的に、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段と、を備え、(b)前記制御手段は、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する第1の制御と、該第1の制御の後に、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する第2の制御と、を行い、(c)前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第2の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する手段と、を含むものである。
【0065】
本発明の第30の態様による調芯装置は、前記第29の態様において、前記制御手段は、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記移動手段を制御する手段を、含むものである。
【0066】
本発明の第31の態様による光学モジュールの製造装置は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズとを、有する光学モジュールを製造する製造装置であって、前記第17乃至第28のいずれかの態様による調芯装置と、調芯後に前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との間を固定する固定手段と、を備えたものである。
【0067】
本発明の第32の態様による光学モジュールの製造装置は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールを製造する製造装置であって、前記第29又は第30の態様による調芯装置と、調芯後に前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの間を固定する固定手段と、を備えたものである。
【0068】
前記第17乃至第30の態様による調芯装置は、前記第1乃至第14の態様による調芯方法を実現する装置の例であり、前記第31及び第32の態様による製造方法は、前記第15及び第16の態様による製造方法を実現する装置の例である。これらの例は、制御部を用いることにより自動的に調芯を行う装置の例である。しかしながら、前記第1乃至第14の態様による調芯方法は、前記光検出器の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる調芯装置等によっても実現することができ、前記第1乃至第14の態様による調芯方法は、光検出器の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる場合も含む。この場合、例えば、前記移動手段としてオペレータの操作に応じて作動するものを用い、また、光検出器の出力をそのままオペレータに提示したり、前記1次元的な光強度分布や前記2次元的な光強度分布を提示したりする、提示手段を用いればよい。このような提示手段としては、例えば、オシロスコープや、パーソナルコンピュータ等による画像表示装置を挙げることができる。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置について、図面を参照して説明する。
【0070】
[第1の実施の形態]
【0071】
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図2は、図1中の光源モジュール1、集光レンズ(結合レンズ)2、光ファイバ3及びレーザ溶接機4の付近を詳細に示す図である。なお、図2は調芯後の様子を示している。
【0072】
本実施の形態による製造装置は、実質的に平行光を出射する光源モジュール1と、光が入射される光学部品としての単芯の光ファイバ3と、光源モジュール1から出射された平行光を光ファイバ3の入射端3a付近に集光させる集光レンズ2とを、有する光学モジュールを、これらの間を調芯した後にレーザ溶接機4により固定して連結することにより、製造する製造装置として構成されている。後述する各要素のうち、固定手段としてのYAG溶接機等のレーザ溶接機4及び下記の制御部23のレーザ溶接機制御機能以外の要素により、本発明の一実施の形態による調芯装置が構成されている。
【0073】
説明の便宜上、図1及び図2に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。Z方向が、光源モジュール1の光軸方向、集光レンズ2の光軸方向、及び、光ファイバ3の入射端3a付近の芯線の延びる方向と、略一致している。なお、図1及び図2中の各軸の矢印側を+(プラス)、その反対側を−(マイナス)とする。これらの点は、後述する各実施の形態の説明についても同様とする。
【0074】
本実施の形態では、光源モジュール1は、図2に示すように、半導体レーザ素子5と、半導体レーザ素子5からのレーザ光を平行光にするコリメータレンズ6とを有し、これらがバタフライ型パッケージ7内に収容された構成を有している。なお、バタフライ型パッケージ7に設けられ外部にピン状に突出した電極部の図示は、省略している。パッケージ7は、その光出射側に、調芯後に集光レンズ2を固定するための集光レンズ固定部7aを有している。
【0075】
図2に示すように、集光レンズ2は、レンズ保持部材8により保持されており、調芯後にレンズ保持部材8と集光レンズ固定部7aとの間をレーザ溶接機4により溶接することで、光源モジュール1に対して連結し得るようになっている。
【0076】
また、図2に示すように、光ファイバ3の入射端3a側の部分には、調芯後に光ファイバ4と光源モジュール3との連結を行うためのリング状の接続スペーサ部材9が設けられている。調芯後に、接続スペーサ部材9とレンズ保持部材8との間、接続スペーサ部材9と光ファイバ3のフェルールとの間をそれぞれ、レーザ溶接機4により溶接することで、光ファイバ3を集光レンズ2に対して連結し得るようになっている。
【0077】
本実施の形態による製造装置は、図1に示すように、レーザ溶接機4の他に、基体11と、基体11上に搭載された移動機構としての光源モジュール1用のステージ12と、基体11上に搭載された移動機構としての集光レンズ2用のステージ13と、基体11上に搭載された移動機構としての光ファイバ3用のステージ14と、ステージ14上に搭載された2次元ピエゾアクチュエータ15と、ステージ14に対する光ファイバ3の位置を検出する静電センサや差動トランスなどの2次元位置検出器16と、2次元位置検出器16からの検出信号を増幅する増幅回路17と、2次元ピエゾアクチュエータ15を駆動するピエゾ駆動部18と、光源モジュール1の半導体レーザ素子5を発光させる光源駆動回路19と、ステージ12〜14を駆動するステージ駆動部20と、入射端3aから光ファイバ3に導入された光を検出するフォトダイオード等の光検出器21と、光検出器21の出力を増幅する増幅部22と、例えばパーソナルコンピュータ等を用いて構成され装置全体を制御する制御部23と、を備えている。
【0078】
光源モジュール1は、図示しない保持具を介してステージ12上に搭載されている。集光レンズ2は、保持具24を介してステージ13に搭載されている。光ファイバ3の入射端3a側の部分が、保持具25及び固定具26を介して2次元ピエゾアクチュエータ15上に搭載されている。これらにより、光源モジュール1の集光レンズ固定部7aと集光レンズ2とがZ軸方向に対向しているとともに、光ファイバ3の入射端3aと集光レンズ2とがZ軸方向に対向している。
【0079】
本実施の形態では、ステージ12は、光源モジュール1を基体11に対してX軸及びY軸上を独立して移動させる機能を持ち、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを複合したものとなっている。ただし、各軸のステージ12x,12yの図示は省略している。本実施の形態では、ステージ12は、集光レンズ2に対する光源モジュール1の、集光レンズ2の光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を変更させる移動手段を構成している。
【0080】
ステージ13は、集光レンズ2を基体11に対してX軸、Y軸及びZ軸上を独立して移動させる機能を持つが、本実施の形態では、ステージ13は調芯開始時の初期の位置設定時などに使用されるのみであり、調芯時には固定されたままとされる。したがって、以下の説明では、ステージ13は基体11と一体となり、集光レンズ2の位置がこの製造装置の基準位置となる。
【0081】
本実施の形態では、ステージ14は、2次元ピエゾアクチュエータ15(したがって、光ファイバ3)をX軸、Y軸及びZ軸上を独立して移動させる機能を持ち、X軸ステージ14x、Y軸ステージ14y及びZ軸ステージ14zを複合したものとなっている。ただし、各軸のステージ14x,14y,14zの図示は省略している。本実施の形態では、ステージ14は、集光レンズ2に対する光ファイバ3(厳密には、光ファイバ3の入射端3a側部分。)の3次元の相対的な位置を変更させる移動手段を構成している。
【0082】
なお、ステージ12〜14としては、例えば、ステッピングモータを備えた電動ステージを用いることができる。
【0083】
本実施の形態では、2次元ピエゾアクチュエータ15は、X軸方向用及びY軸方向用の2つの1次元ピエゾアクチュエータを複合した構成を有し、制御部17からの指令に応じてピエゾ駆動部18が出力する正弦波のアナログ電圧信号からなるX軸方向用及びY軸方向用のピエゾ駆動信号により駆動される。よって、2次元ピエゾアクチュエータ15は、ピエゾ駆動部18からX軸方向用及びY軸方向用のピエゾ駆動信号が同時に供給されることで、光ファイバ3をステージ14に対して(したがって、基体11に対して)X軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させると同時に、光ファイバ3をステージ14に対してY軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させ、ひいては、光ファイバ3をステージ14に対して、集光レンズ2の光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる。また、2次元ピエゾアクチュエータ15は、ピエゾ駆動部18からX軸方向用及びY軸方向用のピエゾ駆動信号の一方のみが供給されることで、光ファイバ3をステージ14に対して(したがって、基体11に対して)X軸方向又はY軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させると同時に、光ファイバ3をステージ14に対してY軸方向に1次元的に繰り返して往復運動(往復走査)させる。
【0084】
このように、本実施の形態では、2次元ピエゾアクチュエータ15は、ピエゾ駆動信号の与え方によって、光ファイバ3を1次元的に繰り返して往復走査させる往復走査手段と、光ファイバ3を2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段とを、兼用する。もっとも、両者を別々に設けてもよい。
【0085】
なお、2次元ピエゾアクチュエータに代えて、ボイスコイルモータ、電磁プランジャー、直動ステージなどの他の一軸用アクチュエータを2つ用いても、2次元ピエゾアクチュエータと同様の動作を実現することができる。
【0086】
光ファイバ3のステージ14に対する位置(2次元ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向の変位量)は、X軸方向用位置検出器16x及びY軸方向用位置検出器16y(ただし、各方向用位置検出器16x,16y図示は省略。)を複合した2次元位置検出器16により検出され、その検出信号が増幅回路17で増幅された後に制御部23へ入力される。なお、このような2次元位置検出器16が内蔵された2次元ピエゾアクチュエータ15が市販されているので、例えば、これを用いることができる。また、2次元ピエゾアクチュエータ15を駆動するX軸方向用及びY軸方向の駆動信号がピエゾアクチュエータ9のX軸方向及びY軸方向の変位量にそれぞれ対応しているので、位置検出器16を用いずに、駆動信号自体を位置検出信号として用いてもよい。
【0087】
光源モジュール1の半導体レーザ素子5は、光源駆動回路19から供給される電流により一定の光量で発光させられ、図2に示すように、この光がコリメータレンズ6により平行光にされた後に、光源モジュール1から出射する。
【0088】
光源モジュール1から出射した平行光の少なくとも一部(初期の位置設置時から、光源モジュール1から出射した平行光の全部又は大部分が集光レンズ2に入射することが好ましいが、初期の位置設置時では、前記平行光の一部が入射するだけでもよい。)が集光レンズ2に入射し、この光が集光レンズ2により集光されることで、集光レンズ2の焦平面上の集光点位置に微小な光スポットが形成される。前記集光点位置と光ファイバ3の入射端3aとが合致する位置が調芯位置となる。
【0089】
光検出器21は、光ファイバ3の出射端に配置され、光源モジュール1から出射され集光レンズ2を経由して光ファイバ3に入射したレーザ光強度を検出し、その出力信号が増幅部22で増幅され光強度信号として制御部23へ送られる。
【0090】
本実施の形態では、増幅部22は、制御部23からの増幅モード選択信号に応答して対数増幅及び直線増幅のうちの一方を選択的に行うように構成されている。増幅部22の構成の一例を図4に示す。図4は、増幅部22の構成の一例を示す概略ブロック図である。図2に示す例では、増幅部22は、対数増幅器31と、直線増幅器32と、これらを増幅モード選択信号に応じて切り換えるスイッチ33,34とから構成されている。通常、対数増幅器はその増幅度を変更する機能を含むので、前記増幅モード選択信号により、増幅度を切り替えるようにしてもよい。増幅部22は、常に対数増幅を行うように構成してもよく、その場合には、対数増幅器31のみで構成すればよい。また、増幅部22は、常に直線増幅を行うように構成してもよく、その場合には、直線増幅器32のみで構成すればよい。
【0091】
対数増幅器31は、入力に対して対数的な増幅特性を持つ。対数増幅器31として、例えば、1nAから1mAまでの6桁の電流変化に対して−10Vから+10Vの電圧で出力するものを用いることができる。この場合、通常光検出器21として用いるフォトダイオード(PD)の感度は0.5A/W程度なので、−10Vから+10Vの電圧出力は、PDの光入力パワーに換算して2nWから2mWに相当する。一方、直線増幅器32は、狭い範囲での電流変化は対数増幅器31に比べて捉えやすいが、例えば2〜3桁の電流変化しか捉えることができない。したがって、このような対数増幅器31を用いることにより、6桁に及ぶ信号強度変化をゲインの切換なしにリアルタイム検出できることとなり、集光スポット(集光点位置)と入射点(光ファイバ3の端部3a)の3次元的なずれに対して、常に直線増幅器32を用いる場合に比べて、各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。
【0092】
ここで、図5乃至図8を参照して、光源モジュール1から出射されて集光レンズ2により集光された光の強度分布について説明する。図5及び図7は、XZ平面(又はYZ平面)と平行であり前記集光点位置を含む平面内における光強度分布を模式的に示す光強度分布図である。なお、この光強度分布は、前記集光点位置を通りZ軸と平行な直線を中心として略回転対称となる。図5及び図7は、集光されたビームの光強度が集光点位置からガウス分布で拡がると仮定して、対数表示したものであり、集光点位置での光強度を1(=100)として規格化し、各桁の等強度線を記入したものである。図6は、図5の紙面内においてX方向(又はY方向)に互いにずれたZ軸と平行な各ラインO,P,Q,R上での、各Z方向位置における光強度を示す図である。図8は、図7の紙面内においての互いにZ方向にずれたX軸(又はY軸)と平行な各ラインH,I,J,K上での、各X方向(Y方向)位置における光強度を示す図である。
【0093】
図5乃至図8からわかるように、集光点位置でビームは3次元的に極めて小さく集光され、極めて高い光強度になるが、集光点の前方、後方及びXY軸外側に向けて急激に減衰する。常に直線増幅器32を用いる場合には、一度に観察できる信号強度の範囲は例えば2〜3桁であり、図4及び図6において一度に2〜3本の等強度線の範囲しか観察できない。これに対して、対数増幅器31を用いると、例えば、図4及び図6の中心点(集光点位置)から最も外側の等強度線(10−6の等強度線)までの範囲を同時に観察することが可能になる。
【0094】
次に、本実施の形態による製造装置の調芯動作について説明する。本実施の形態では、この調芯動作は、集光レンズ2に対する光ファイバ3の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する第2の位置調整段階と、を含む。
【0095】
まず、最初に行われる前記第1の位置調整段階について、図9を参照して説明する。図9は、前記第1の位置調整段階における各調整段階での光ファイバ3及びその入射端3aの移動の様子を、図5及び図7に示すような光強度分布と共に示す図である。図9では、理解を容易にするため、X軸、Y軸及びZ軸の原点(中心)を集光点としている。
【0096】
前記第1の位置調整段階は、集光レンズ2と対向するように光源モジュール1を設置して、光源モジュール1から出射された平行光の少なくとも一部が集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置が初期セットされた状態で、行われる。光源モジュール1からの出射光は平行光であるため、その集光点は、集光レンズ2に対する光源モジュール1の3次元の相対的な位置と関係なく、平行光の方向のみに依存した集光レンズ2の後側焦平面上の1点に理論上形成される。前記第1の位置調整段階では、この位置にファイバ3の入射端3aが調芯される。
【0097】
前記集光点が集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置と関係ない位置に形成されるので、光源モジュール1と集光レンズ2との相対的な位置の初期セットは、厳密な位置合わせは全く不要であり、光源モジュール1から出射された平行光の少なくとも一部が集光レンズに入射されればよい。ただし、光源モジュール1から出射した平行光の全部又は大部分が集光レンズ2に入射するように初期の位置設置を行うと、最初から大きい光強度信号に基づいて位置調整を行うことができるので、調芯時間をより短縮することができ、好ましい。
【0098】
前記第1の位置調整段階における調芯動作を開始する際の光ファイバ3の初期の位置設定に関して、光源モジュール1から発した光の集光レンズ2による集光点に対する光ファイバ3の入射端3aの機械的設定誤差が、Z軸で±250μm程度、X軸及びY軸で±200μm程度に収まっている場合について、説明する。
【0099】
この場合、光ファイバ3の入射端3aの位置は、予想される集光点に対して予めZ軸に−1000μm程度(光源モジュール1から遠方)、XY軸に各々−250μm程度、ずらした位置(この位置は設定位置であり、実際の位置は設定位置から前記設定誤差の分だけずれる。)から調芯動作を開始する。
【0100】
調芯動作を開始すると、制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向のみに駆動し、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの所定の振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路19を介して光源モジュール1の半導体レーザ素子5を所定の電流値で発光させる。光ファイバ3の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。制御部23は、増幅部22に増幅モード選択信号を与えて、増幅部22に対数増幅を行わせる。本実施の形態では、後述するような微調整を行う場合を除き、増幅部22には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られる位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る1次元的な光強度分布を、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。
【0101】
このようなピエゾアクチュエータ15によるX軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。また、半導体レーザ素子5の発光は、全ての調芯動作が終了するまで継続される。
【0102】
このような状態で、まず、図9(a)に示すように、光ファイバ3のY軸方向の位置調整を行う。この段階では、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してY軸ステージ14yをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(Y軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、Y軸ステージ14yを停止させる。このとき、積分値又は平均値が最大になる位置を求めるため、図9(a)に示すように、一旦プラス方向へ行き過ぎた後に、積分値又は平均値が最大になる位置に戻して止めることになる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がY軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でY軸ステージ14yを停止させてもよい。これは、図9(d)を参照して第1の調整段階における後述する最終調整において、Y軸方向について再調整を行うためである。
【0103】
次いで、図9(b)に示すように、X軸方向の位置調整を行う。この段階においても、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してX軸ステージ14xをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(X軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、X軸ステージ14xを停止させる。このとき、積分値又は平均値が最大になる位置を求めるため、図9(b)に示すように、一旦プラス方向へ行き過ぎた後に、積分値又は平均値が最大になる位置に戻して止めることになる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がX軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でX軸ステージ14xを停止させてもよい。これは、図9(d)を参照して後述する最終調整において、X軸方向について再調整を行うためである。
【0104】
次に、図9(c)に示すように、Z軸方向の位置調整を行う。すなわち、制御部23は、まず、ステージ駆動部20を介してY軸ステージ14yを数10μm程度プラス方向又はマイナス方向にオフセットさせる。これは、Z軸ステージ14zをプラス方向へ走査していった際には、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができるように、Z軸方向のほぼ中心位置で、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値、平均値及びピーク値が最小となるためである。Y軸ステージ14yのオフセット後に、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を演算する。制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値又は平均値又はピーク値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してZ軸ステージ14zをプラス方向へ走査し、積分値又は平均値又はピーク値が減少し、最小値を示した後に再び増加に転じることを確認し、最少値になる位置へ戻してZ軸ステージ14zを停止させる。なお、前記積分値又は平均値又はピーク値が最小になる位置ではなく、その付近の位置でZ軸ステージ14zを停止させてもよい。これは、図9(d)を参照して後述する最終調整において、Z軸方向について再調整を行うためである。
【0105】
以上の動作により、光ファイバ3の入射端3aは、調芯位置(集光点の位置)に近づいた状態となる。
【0106】
その後、図9(d)に示すように、前記第1の位置調整段階における最終調整を行う。この最終調整では、光ファイバ3のY軸方向の再調整、Z軸方向の再調整及びX軸方向の再調整を順次行う。調芯精度をより高めるためには、このようにZ軸方向の再調整を行うことが好ましいが、Z軸方向の再調整は省略してもよい。
【0107】
まず、光ファイバ3のY軸方向の再調整では、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅(他の比率による所定比率値幅でもよい。この点は以下同様である。)を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してY軸ステージ14yを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Y軸ステージ14yを停止させる。前記ピーク値が最大となる位置や前記半値幅が最小となる位置がY軸方向の中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。
【0108】
引き続くZ軸方向の再調整では、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してZ軸ステージ14zを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Z軸ステージ14zを停止させる。前記ピーク値が最大となる位置や前記半値幅が最小となる位置がZ軸方向の中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。既に説明したように、このZ軸方向の再調整を省略してもよい。
【0109】
その後のX軸方向の再調整では、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15への正弦波による駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向への往復走査を停止させる。その後、制御部23は、ステージ駆動部20を介してX軸ステージ14xを走査するかあるいはピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15に直流電圧を掃引して、X軸方向へ走査させることにより、増幅部22から得られる信号が最大となる位置を求め、その位置の状態にして、前記第1の調整段階における調芯動作を終了する。
【0110】
以上説明した動作では、制御部17は、前記第1の調整段階における最後の段階までまで増幅部16に対数増幅を行わせていた。しかしながら、制御部17は、前述した図9(d)を参照して説明した前記最終段階においては、増幅部16に直線増幅を行わせてもよい。このように、光ファイバ4の端部4aが調芯位置に近づいた後に増幅部16の増幅モードを直線増幅に切り換えることにより、ピーク点検出等の分解能を更に上げることができ、ひいてはサブミクロンレベル等のより高精度な調芯が可能となる。
【0111】
なお、本実施の形態では、前記第1の調整段階における調芯動作は、前述したように前記1次元的な光強度分布を利用して行っているが、本発明では、前記前記第1の調整段階はこのような手法に限定されるものではなく、従来から知られている種々の手法(例えば、螺旋状の走査を行い、所定の信号強度が得られる範囲を検知し、当該範囲の検知後は、山登り法と呼ばれる階段状の2次元走査又は3次元走査により最適点を見つける方法など)を採用してもよい。
【0112】
前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階が行われる。すなわち、光源モジュール1から出射されて集光レンズ2を経由した光の光ファイバ3に対する結合が大きくなるように、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1のXY平面方向(集光レンズ2の光軸と略垂直な面方向)の相対的な位置を調整する。この第2の位置調整段階は、前記第1の位置調整段階の後に行われ、かつ、後述するように光源モジュール1をXY平面方向に移動させても集光点は全く移動しないかほとんど移動しないため、制御部23は、第2の位置調整段階では、検出の分解能を高めるべく増幅部16に直線増幅を行わせることが好ましい。
【0113】
この第2の位置調整段階は、集光レンズ2を経由した光の集光点の位置を理論上変化させることなく(すなわち、光ファイバ3の3次元の位置の調芯状態を理論上維持したままで)、光ファイバ3の入射端3aに対する入射角度を最適化することに、他ならない。
【0114】
この点について、図3を参照して説明する。図3は、前記第1の位置調整段階の後(すなわち、集光点Pに対して光ファイバ3の入射端3aが調芯された状態)において、光源モジュール1を集光レンズ2に対して移動させた際の、光ファイバ3の入射端3aへの入射光の様子を示す図である。図3において、O1は集光レンズ2の光軸、O2は光源モジュール1の光軸、Pは集光点を示している。本例では、光軸O1,O2の方向はZ軸方向と一致しているが、光軸O2は必ずしも光軸O1と平行である必要はなく傾いていてもよい。その場合には、その傾きに応じて集光点Pの位置が光軸O1上からずれるだけであり、前記第1の位置調整段階でその位置に対する光ファイバ3の入射端3aの調芯が完了している。図3(a)は光軸O2が光軸O1と一致する位置に光源モジュール1が集光レンズ2に対して位置している状態を示し、図3(b)は光源モジュール1が図3(a)に示す位置から−Y方向にΔd1だけずれた位置に位置している状態を示し、図3(c)は光源モジュール1が図3(a)に示す位置から+Y方向にΔd2だけずれた位置に位置している状態を示している。
【0115】
光ファイバ3の入射端3aの面は、この面での反射による半導体レーザ素子5への戻り光を防ぐために、図3に示すように、例えば8°程度の角度で斜めに研磨されている。最大効率で光ファイバ3の入射端3aに光を入射させるため、ある程度の入射角をつけてファイバ3に入射させる必要がある。
【0116】
光源モジュール1から出射される光が実質的に平行光であるため、図3に示すように、集光レンズ2の位置を基準として光源モジュール1を集光レンズの光軸O1と略垂直な方向に移動させると、集光点Pの位置は理論上全く変化せずに、集光レンズ3から集光点Pに向かう光の角度が変化する。なお、本実施の形態では、光源モジュール1をステージ12により光軸O1と垂直な方向に移動させるが、光源モジュール1がZ軸方向に移動しても光ファイバ3への入射光には全く変化がないので、第2の位置調整段階において、光源モジュール1を光軸O1に対する垂直な方向から傾いた方向に移動させてもよいことは、言うまでもない。
【0117】
したがって、前記第2の位置調整段階では、光源モジュール1を移動させることで、集光点Pの位置を変化させずに光ファイバ3の3次元の位置の調芯状態を維持したままで、光ファイバ3の入射端3aに対する入射角度を最適化することができるのである。
【0118】
ただし、集光点Pの位置は、前記第2の位置調整段階において光源モジュール1を移動させても理論上は全く変化しないが、実際には集光レンズの収差等の影響で若干ずれる場合がある。
【0119】
前記第2の位置調整段階は、光ファイバ3をそのまま静止させた状態で行ってもよい。この場合、具体的には、制御部23は、増幅部22の信号をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してステージ12(ステージ12x,12y)をXY平面内で走査し、増幅器22の信号が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。このとき、増幅器22の信号のより強いXY位置を順次追跡していくが、この追跡は、例えば、一般的な手法(山登り法と呼ばれる階段状の2次元走査により最適点を見つける方法など)を採用することができる。光ファイバ3をそのまま静止させた状態で行った第2の位置調整段階の後に、全ての調芯動作を終了してもよいし、あるいは、前述したように光源モジュール1の移動に伴って実際には集光点Pがずれる場合があることに鑑み、再び光ファイバ3の位置の再調整を行ってもよい。この光ファイバ3の位置の再調整は、例えば、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよく、その後に全ての調芯動作を終了してもよい。
【0120】
あるいは、前記第2の位置調整段階は、次のようにして行ってもよい。すなわち、光ファイバ3をそのまま静止させるのではなく、光ファイバ3の入射端3aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、この2次元的な走査に従って得られる光検出器21の出力に基づいて2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整してもよい。その具体例について以下に説明する。
【0121】
制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ状に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。そして、この2次元的な走査の際に、光ファイバ3の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られるX軸方向及びY軸方向の位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、XY平面内の2次元的な光強度分布を、順次繰り返して得る。
【0122】
このような状態で、制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布に基づいて、ステージ駆動部20を介してステージ12を制御して、光源モジュール1のXY平面内の位置を調整する。このとき、下記の第1及び第2のパターンのいずれを採用してもよい。
【0123】
第1のパターンでは、制御部23は、ステージ14を動かすことなく、次の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元的な光強度分布における最も高い光強度信号値(以下、「分布内最大信号値」という。)を求める。そして、制御部23は、各2次元的な光強度分布から得られる分布内最大信号値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してステージ12(ステージ12x,12y)をXY平面内で走査し、分布内最大信号値が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。このとき、前記分布内最大信号値のより大きいステージ12に関するXY位置を順次追跡していくが、この追跡は、例えば、一般的な手法(山登り法など)を採用することができる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させることで、光ファイバ3の入射端3aの位置を前記第1の位置調整段階の直後の位置に戻す。
【0124】
この第1のパターンによる第2の位置調整段階の後に、全ての調芯動作を終了してもよいし、あるいは、前述したように光源モジュール1の移動に伴って実際には集光点Pがずれる場合があることに鑑み、再び光ファイバ3の位置の再調整を行ってもよく、その後に全ての調芯動作を終了してもよい。この光ファイバ3の位置の再調整は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、前記2次元的な光強度分布から前記分布内最大信号値が得られた位置が既知であることから、制御部23は、この位置に光ファイバ3の入射端3aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御する。もっとも、この光ファイバ3の位置の再調整は、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0125】
第2のパターンでは、制御部23は、ステージ14を必要に応じて動かす以下の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元領域内において分布内最大信号値が得られる位置(以下、「最大信号位置」という。)を求める。制御部23は、求めた最大信号位置が当該2次元領域の周辺位置であるか否かを判定する。最大信号位置が周辺位置でなければ、制御部23は、当該最大信号位置で得られた分布内最大信号値をモニタ値とする。一方、最大信号位置が周辺位置であれば、制御部23は、前記集光点Pがピエゾアクチュエータ15による2次元的な走査の走査範囲からはずれている可能性があるので、最大信号位置に基づき集光点が走査範囲内に入る方向(この方向は最大信号位置から推測可能である。)へ所定量だけ移動するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御し、光ファイバ3の入射端3aを集光点へ向かうように追従させる。そして、制御部23は、前記モニタ値(すなわち、集光点が2次元走査範囲内に入っている場合に得られた分布内最大信号値)をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してステージ12(ステージ12x,12y)をXY平面内で走査し、前記モニタ値が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。このとき、前記モニタ値のより大きいステージ12に関するXY位置を順次追跡していくが、この追跡は、例えば、一般的な手法(山登り法など)を採用することができる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させる。これにて全ての調芯動作を終了してもよいが、ステージ14の最終的な位置において得られた2次元的な光強度分布に関する最大信号位置が既知であることから、制御部23は、この最大信号位置に光ファイバ3の入射端3aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御することが、好ましい。このようにすることで、光ファイバ3の入射端3aに対する光の入射角度を最適化するべく行った光源モジュール1の移動に伴って集光点がずれても、その集光点の位置に対して精度良く光ファイバ3の入射端3aの調芯が行われることになる。光ファイバ3の入射端3aの位置の再調整は、このような手法に限定されるものではなく、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。また、例えば、ステージ14の位置は、前述した集光点へ向かう追従制御に従って最終的に停止した位置のままとするだけでもよい。
【0126】
図1に示す製造装置では、全ての調芯動作が終了したら、図2に示すように、制御部23の制御下で、接続スペーサ部材9とレンズ保持部材8との間、接続スペーサ部材9と光ファイバ3のフェルールとの間をそれぞれ、レーザ溶接機4により溶接することで、光ファイバ3と集光レンズ2との間を固定する。また、制御部23の制御下で、レンズ保持部材8と集光レンズ固定部7aとの間をレーザ溶接機4により溶接することで、集光レンズ2と光源モジュール1との間を固定する。
【0127】
以上により、光源モジュール1、集光レンズ2及び光ファイバ3を有する光学モジュールが完成する。
【0128】
本実施の形態によれば、まず、前記第1の位置調整段階において、集光レンズ2の位置を基準とした光ファイバ3の位置が調整され、その後に、前記第2の位置調整段階において、集光レンズ3の位置を基準とした光源モジュール1の、集光レンズ2の光軸O1と略垂直な面方向の相対的な位置が調整される。図3を参照して説明したように、光源モジュール1から出射される光が実質的に平行光であるため、集光レンズ2の位置を基準として光源モジュール1を集光レンズ2の光軸と略垂直な方向に移動させると、光源モジュール1から出射されて集光レンズ2を経由した光の集光点Pの位置は理論上は全く変化せずに、集光レンズ1から集光点Pに向かう光の角度が変化する。本実施の形態では、この原理を巧みに利用して、前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階を行うのである。すなわち、前記第1の位置調整段階では、結局、集光点Pに対する光ファイバ3の位置調整が行われ、前記第2の位置調整段階では、集光点Pの位置が理論上変化しないことから、前記第1の位置調整段階で行われた光ファイバ3の調整状態が理論上そのまま保持された状態で、光ファイバ3に入射する光の入射角の最適化が行われることになる。
【0129】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の従来の製造方法と異なり集光レンズ2の各位置における調芯用光ファイバに結合する最大パワーのマップ作成するような必要がなくなり、調芯時間を大幅に短縮することができる。また、前記第1の態様によれば、光源モジュール1から出射され集光レンズ2を経由して光ファイバ3に導入された光を検出する光検出器21の出力に基づいて位置調整を行うことができるので、前記第2の従来の製造方法と異なり集光レンズ2を通過した光の傾きを検出しなくてすみ、赤外線カメラや測長センサ等を必要とせず、コストダウンを図ることができる。さらに、本実施の形態によれば、前記第2の位置調整段階において、光ファイバ3に対する光の入射角度を変えながら、光結合状態を光検出器21の出力として直接的に検出して、前記入射角度を最適化することになる。したがって、本実施の形態によれば、検出したレーザ光の傾きが所定の角度範囲となるように集光レンズを移動する前記第2の従来の製造方法に比べて、前記入射角度をより適切に最適化することができるとともに、光ファイバ3の入射端3aの面の傾斜角度のばらつきの影響も受けなくなるため、光結合損失をより低減することができる。
【0130】
また、前述したように、前記第2の位置調整段階において、光ファイバ3をそのまま静止させるのではなく、光ファイバ3の入射端3aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する場合には、集光レンズ2の収差等の影響で光源モジュール1の移動に伴って集光点Pの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、大きい信号値に基づいて光源モジュール1の位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、集光点Pのずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。このような効果は、前記第2のパターンの場合のみならず、ステージ14を動かさない前記第1のパターンの場合にも得られる。しかし、前記第1のパターンの場合、集光点Pのずれが比較的大きい場合には、集光点Pのずれに完全に追従しきれない。これに対し、前記第2のパターンの場合、2次元走査範囲内に集光点Pが入らないときにはステージ14を動かして集光点に追従させるので、集光点Pのずれが比較的大きくても、集光点のずれに完全に追従することができる。このため、前記第2のパターンの場合には、集光点Pのずれが比較的大きくても、最大信号値に基づいて光源モジュール1の位置を調整することができるため、より一層精度良く調芯することができる。
【0131】
また、前記第2の位置調整段階において光源モジュール1を移動させることに伴い集光点Pがずれる場合があることに鑑み、前述したように再び光ファイバ3の入射端3aの位置を調整すると、更に調芯精度を高めて光結合損失をより一層低減することができる。特に、前述したように2次元的な光強度分布を用いて前記第2の位置調整段階を行う場合において、その2次元的な光強度分布に基づいて光ファイバ3の入射端3aの位置の再調整を行えば、より迅速にその再調整を行うことができ、調芯時間をより短縮することができる。
【0132】
さらに、本実施の形態では、前述したように、前記第1の位置調整段階において、ピエゾアクチュエータ15により光源モジュール1をX軸方向に1次元的に繰り返して往復走査させてX軸に関する1次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて、光ファイバ3の位置を調整している。このように、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、無駄な信号探索の動作を減らすことができ、迅速に光ファイバ3を集光レンズ2に対して位置合わせを行うことができる。また、1次元的な光強度分布の積分値又は平均値又は波形そのものを一括して利用することにより集光レンズ2に対して光ファイバ3の位置調整を行うので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。さらに、本実施の形態では、前記第1の位置調整段階において、光検出器21の出力を対数増幅するので、光強度を信号としてモニタし得る3次元空間を大幅に拡大することができ、集光スポットと光ファイバ3の端部3aの3次元的なずれに対して、直線増幅器を用いた場合と比較して各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。このように、本実施の形態によれば、前記第1の位置調整段階において、1次元的な光強度分布の利用に加えて、対数増幅を併用することにより、1次元的な光強度分布を有効に得ることができる空間を大幅に拡大することができるため、両者の効果が相俟って、より調芯時間を短縮することができる。
【0133】
なお、本実施の形態による製造装置は、例えば、集光レンズ2からの光が入射される光学部品として、光ファイバ3に代えて光導波路デバイスを用いれば、光源モジュール1、集光レンズ2及び当該光導波路デバイスを調芯して、それらかなる光学モジュールを製造することができる。
【0134】
[第2の実施の形態]
【0135】
図10は、本発明の第2の実施の形態による光学モジュール製造方法を実現するために用いられる光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図10において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0136】
図10に示す製造装置が前述した図1に示す製造装置と基本的に異なる所は、図1に示す製造装置では、制御部23が調芯の自動制御を実現しているのに対し、図10に示す製造装置では、増幅部22の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる装置として構成されている点である。
【0137】
図10に示す製造装置では、制御部23が取り除かれ、その代わりに、オペレータが各種の指令を与えるための操作部41と、操作部41から指令された通りに装置各部を制御する制御部42と、画像表示部43とが設けられている。
【0138】
制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、ピエゾ駆動部18に2次元ピエゾアクチュエータ15を駆動させる。制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、光源駆動回路19に半導体レーザ素子5を発光させる。制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、増幅部22に増幅モード選択信号を供給する。制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、ステージ駆動部20を介してステージ12,13,14を移動させる。さらに、制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、レーザ溶接機4を制御して必要箇所を溶接させる。
【0139】
画像表示部43は、2次元位置検出器16からのX軸方向及びY軸方向の位置信号と増幅部22の出力信号とを受け取り、X軸方向及びY軸方向の2次元位置に応じた増幅部22の出力信号の大きさ(光強度)を、2次元分布像として画像表示する。なお、画像表示部43には、2次元ピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に駆動した場合には、2次元光強度分布像が画像表示されることになるが、2次元ピエゾアクチュエータ15をX軸方向のみに駆動した場合には、2次元位置検出器16からのY軸方向の位置信号は一定のままであるので、結局、1次元光強度分布像が画像表示されることになる。なお、画像表示部43は、実際には、例えば、パーソナルコンピュータと液晶パネル等の表示装置との組み合わせとして構成することができる。このように、本例では、画像表示部43が、2次元的な光強度分布及び1次元的な光強度分布を表示することによりオペレータに提示する提示部を構成している。
【0140】
この図10に示す製造装置を用いれば、オペレータは、画像表示部43に表示された1次元的な光強度分布像や2次元的な光強度分布像を見ながら、操作部41を操作してステージ14,12を調整することにより、前記第1の実施の形態による製造装置が実現している調芯方法と同様の調芯方法を実現することができる。ただし、オペレータが光強度分布像を見て判断するので、以下に説明するような調芯方法を採用することができる。
【0141】
図10に示す装置を用いた調芯方法の一具体例について説明する。この調芯方法も、前述した図1に示す製造装置の調芯動作と同様に、集光レンズ2に対する光ファイバ3の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する第2の位置調整段階と、を含む。
【0142】
まず、最初に行われる前記第1の位置調整段階について説明する。
【0143】
図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができるように、光ファイバ3の端部3aのZ軸方向の位置が集光点のZ軸方向の位置と一致していると、Y軸方向のずれに対して信号強度の変化が大きくなって調整が難しくなるため、Z軸方向の位置は、例えば、予め数100μm程度集光点のZ軸方向位置からずらした位置から調整を開始することが望ましい。
【0144】
オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、ピエゾアクチュエータ15をX軸方向のみに駆動し、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの所定の振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路19を介して光源モジュール1の半導体レーザ素子5を所定の電流値で発光させる。また、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、増幅部22に対数増幅を行わせる。画像表示部43には、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を示す1次元光強度分布像が、例えば往復走査の半周期毎に順次更新されて表示される。
【0145】
このような状態で、まず、オペレータは、操作部41を操作することによりX軸ステージ14xを調整して、画像表示部43の1次元光強度分布像の波形の最大値を見つけ、さらに信号が大きくなるようにY軸ステージ14yを調整する。ここで、画像表示部43で観察している1次元光強度分布像に顕著なピークが見つかれば、オペレータは、操作部41を操作して、往復走査範囲の中心にピークがくるようにX軸ステージ14xを調整する。ピエゾアクチュエータ15によるX軸方向の往復走査範囲からX軸のピークが外れている場合は、1次元光強度分布像が傾斜して観察されるので、傾斜の高い方向にX軸ステージ14xを調整すれば、容易にピークを見つけることができる。往復走査範囲内にピークが入ってきたら、オペレータは、往復走査範囲の中心にピークがくるように操作部41の操作によりX軸ステージ14xを調整する。
【0146】
次に、Z軸ステージ14zを調整し、信号が大きくなる位置を確認する。ピーク位置を確認したら、さらに同じ方向にZ軸を移動させ、信号が一方的に減少する場合は、確認したピーク位置に戻って、Y軸ステージ14yを調整して信号が最大になる位置を求める。
【0147】
Z軸方向に移動させた時、信号が一旦減少し、信号が最少となる位置を確認後、さらに同じ方向にZ軸を移動させた時、信号が再度増加に転じる場合は、2番目のピーク位置を確認する。2番目のピーク位置を確認後、Z軸ステージ14yを先ほどの信号が最少となる位置に戻し、Y軸ステージ14yを調整して信号が最大になる位置を求める。
【0148】
この一連の操作で、X,Y,Zの調整位置が決定されるが、更に高精度な調芯が必要な場合は、再度、X,Y,Z軸の調整を行ってもよい。このとき、オペレータは、操作部41を操作して、増幅部22に直線増幅を行わせることが、好ましい。なお、増幅部22に直線増幅を行わせることがない場合には、増幅部16を対数増幅器31のみで構成しておいてもよい。
【0149】
以上の調整が終了したら、オペレータは、操作部41を操作することにより、ピエゾアクチュエータ15による往復走査を止め、ピエゾアクチュエータ15に直流電圧を印加する。オペレータは、画像表示部43に表示される増幅部22の信号レベルを見ながら、そのレベルが最大となるように、操作部41を操作してこの直流電圧を調整し、前記第1の位置調整段階を終了する。なお、前記直流電圧を印加したり調整したりする代わりに、X軸ステージ14xを調整してもよい。
【0150】
前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階を以下のようにして行う。すなわち、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、ピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ上に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。また、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、増幅部22に直線増幅を行わせる。画像表示部43には、XY平面内の2次元的な走査範囲に渡る光強度分布を示す2次元光強度分布像が、順次更新されて表示される。
【0151】
このような状態で、オペレータは、画像表示部43の2次元光強度分布像のピークの値が大きくなるように、操作部41を介して指令を与えて、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを動かし、2次元光強度分布像のピークの値が最も大きくなる位置でX軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを停止させる。このとき、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yの移動に伴い、集光レンズ2の収差等の影響で集光点がずれて2次元光強度分布像のピークの位置が2次元走査範囲の中心からずれる場合があるが、その際には、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、2次元光強度分布像のピークが2次元走査範囲内に入るように、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを移動させる。
【0152】
その後、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、2次元光強度分布像のピークが2次元走査範囲の中心に位置するように、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを移動させてその位置で停止させ、更に、ピエゾアクチュエータ15によるX軸方向及びY軸方向の往復走査を止め、全ての調芯を終了する。
【0153】
その後、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、溶接機4により前記第1の実施の形態の場合と同じ箇所を溶接させる。これにより、光源モジュール1、集光レンズ2及び光ファイバ3を有する光学モジュールが完成する。
【0154】
本実施の形態では、オペレータが介在する形で調芯が行われるが、基本的に前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0155】
なお、ステージ12,13,14として、手動操作型のステージ(例えばオペレータが調整ねじ等を操作して位置を調整し得るステージ)を用いてもよく、その場合には、ステージ駆動部20は不要となる。
【0156】
[第3の実施の形態]
【0157】
図11は、本発明の第3の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図11において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0158】
本実施の形態による製造装置が前記第1の実施の形態による製造装置と異なる所は、以下に説明する点である。
【0159】
本実施の形態による製造装置は、図1中の光源モジュール1に代わる光源モジュール51と、図1中の光ファイバ3に代わる単芯の偏波面保持光ファイバ53と、光源モジュール51から出射された平行光を光ファイバ53の入射端53a付近に集光させる集光レンズ2とを、有する光学モジュールを、これらの間を調芯した後にレーザ溶接機4により固定して連結することにより、製造する製造装置として構成されている。
【0160】
光源モジュール51は、前記光源モジュール1と同様に実質的に平行光を出射するが、この平行光を偏光光として出射するように構成されている。具体的には、光源モジュール51は、例えば、光源モジュール1に対して、出射光を偏光光にするための予め偏光方向が調整された偏光子(図示せず)が、パッケージ内に追加された構造を有する。もっとも、半導体レーザ素子5の出力光は偏光特性を持っているため、必ずしも偏光子を設ける必要はなく、光源モジュール1をそのまま用いてもよい。結合させる光ファイバとして、偏波面保持光ファイバ53を使用することにより、光結合効率を最大にすることが可能となる。
【0161】
本実施の形態では、偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分が、保持具25及び回転ステージ56を介して2次元ピエゾアクチュエータ15上に搭載されている。回転ステージ56は、制御部23の制御下でステージ駆動部20により駆動され、保持具25及びこれに保持された偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分を、2次元ピエゾアクチュエータ15に対して、Z軸方向に延びた軸回りに、少なくとも180゜回転させ得るようになっている。なお、以下の説明では、Z軸方向に延びた軸回りの回転方向を、Zθ方向と呼ぶ。回転ステージ56の軸は、保持具25により保持された偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分の軸と同軸に設定されているが、実際には取り付け誤差等により、偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分の軸に対してわずかながら偏心する。例えば、フェルールを含んだファイバ53の偏心は1〜2μm程度あり、また、回転ステージ56の回転軸と保持具25のファイバ保持中心軸との偏心は5〜10μm程度である。
【0162】
次に、本実施の形態による製造装置の調芯動作について説明する。本実施の形態では、この調芯動作は、前記第1の実施の形態による製造装置と同様に、集光レンズ2に対する光ファイバ53の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する第2の位置調整段階と、を含む。さらに、本実施の形態による製造装置の調芯動作では、光源モジュール51と偏波面保持光ファイバ53との偏光方向を合わせるため、前記第1の位置調整段階の後でかつ前記第2の調整段階の前に、光源モジュール51から出射されて集光レンズ2を経由した光の偏波面保持光ファイバ53に対する結合が大きくなるように、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する偏波面保持光ファイバ53の、集光レンズ2の光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第3の位置調整段階を、含む。
【0163】
本実施の形態における調芯動作の前記第1及び第2の位置調整段階は、前記第1の実施の形態における調芯動作の前記第1及び第2の位置調整段階と同じであるので、ここではその説明は省略する。
【0164】
制御部23は、第3の位置調整段階では、検出の分解能を高めるべく増幅部16に直線増幅を行わせることが好ましい。
【0165】
前記第3の位置調整段階は、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させた状態で行ってもよい。この場合、具体的には、制御部23は、増幅部22の信号をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向に回転させ、増幅器22の信号が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させた状態で行った第3の位置調整段階の後に、直ちに前記第2の位置調整段階を行ってもよいし、あるいは、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴い偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置がずれることに鑑み、前記第2の位置調整段階の前に、再び偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整を行ってもよい。この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、例えば、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0166】
あるいは、前記第3の位置調整段階は、次のようにして行ってもよい。すなわち、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、この2次元的な走査に従って得られる光検出器21の出力に基づいて2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整してもよい。その具体例について以下に説明する。なお、この場合において、前記第2の位置調整段階においても、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aをXY平面内で2次元的に繰り返して走査させる場合には、前記第3の位置調整段階の終了時に前記2次元的な走査を一旦停止させてもよいし、前記2次元的な走査を前記第3の位置調整段階から前記第2の位置調整段階にかけて一旦停止させることなく継続してもよい。以下に説明する例では、前記第3の位置調整段階の終了時に前記2次元的な走査を一旦停止させるものとする。
【0167】
制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ状に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。そして、この2次元的な走査の際に、偏波面保持光ファイバ53の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られるX軸方向及びY軸方向の位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、XY平面内の2次元的な光強度分布を、順次繰り返して得る。
【0168】
このような状態で、制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布に基づいて、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56を制御して、偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整する。このとき、下記の第1及び第2のパターンのいずれを採用してもよい。
【0169】
第1のパターンでは、制御部23は、ステージ14を動かすことなく、次の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元的な光強度分布における最も高い光強度信号値(以下、「分布内最大信号値」という。)を求める。そして、制御部23は、各2次元的な光強度分布から得られる分布内最大信号値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向で走査し、分布内最大信号値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させることで、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置を前記第1の位置調整段階の直後の位置に戻す。
【0170】
この第1のパターンによる第3の位置調整段階の後に、直ちに前記第2の位置調整段階を行ってもよいし、あるいは、前述したように偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれる場合があることに鑑み、再び偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整を行ってもよく、その後に前記第2の位置調整段階を行ってもよい。この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、前記2次元的な光強度分布から前記分布内最大信号値が得られた位置が既知であることから、制御部23は、この位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御する。もっとも、この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0171】
第2のパターンでは、制御部23は、ステージ14を必要に応じて動かす以下の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元領域内において分布内最大信号値が得られる位置(以下、「最大信号位置」という。)を求める。制御部23は、求めた最大信号位置が当該2次元領域の周辺位置であるか否かを判定する。最大信号位置が周辺位置でなければ、制御部23は、当該最大信号位置で得られた分布内最大信号値をモニタ値とする。一方、最大信号位置が周辺位置であれば、制御部23は、前記集光点Pがピエゾアクチュエータ15による2次元的な走査の走査範囲からはずれている可能性があるので、最大信号位置に基づき集光点が走査範囲内に入る方向(この方向は最大信号位置から推測可能である。)へ所定量だけ移動するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御し、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを集光点へ向かうように追従させる。そして、制御部23は、前記モニタ値(すなわち、集光点が2次元走査範囲内に入っている場合に得られた分布内最大信号値)をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向に走査し、前記モニタ値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させる。この後、直ちに前記第2の位置調整段階を行ってもよいが、ステージ14の最終的な位置において得られた2次元的な光強度分布に関する最大信号位置が既知であることから、制御部23は、この最大信号位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御することが、好ましい。このようにすることで、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、集光点の位置に対して精度良く偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの調芯が行われることになる。偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整は、このような手法に限定されるものではなく、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。また、例えば、ステージ14の位置は、前述した集光点へ向かう追従制御に従って最終的に停止した位置のままとするだけでもよい。
【0172】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、以下の利点も得ることができる。
【0173】
すなわち、本実施の形態によれば、前記第3の位置調整段階が行われるので、光源モジュール51の偏光方向と偏波面保持光ファイバ53の偏光方向とを合わせることができ、更に光結合損失を低減することができる。
【0174】
また、前述したように、前記第3の位置調整段階において、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する偏波面保持光ファイバ53の相対的な位置を調整する場合には、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、大きい信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、偏波面保持光ファイバ53のずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。このような効果は、前記第2のパターンの場合のみならず、ステージ14を動かさない前記第1のパターンの場合にも得られる。しかし、前記第1のパターンの場合、偏心による偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの集光点Pに対するずれが比較的大きい場合には、そのずれに完全に追従しきれない。これに対し、前記第2のパターンの場合、2次元走査範囲内に集光点Pが入らないときにはステージ14を動かして集光点Pに追従させるので、偏心による入射端53aのずれが比較的大きくても、集光点に対するずれに完全に追従することができる。このため、前記第2のパターンの場合には、集光点Pに対する入射端53aのずれが比較的大きくても、最大信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より一層精度良く調芯することができる。
【0175】
また、前記第3の位置調整段階において偏波面保持光ファイバ53を回転させることに伴い集光点Pに対してその入射端53aがずれことに鑑み、前述したように再び光ファイバ53の入射端53aの位置を調整すると、更に調芯精度を高めて光結合損失をより一層低減することができる。特に、前述したように2次元的な光強度分布を用いて前記第3の位置調整段階を行う場合において、その2次元的な光強度分布に基づいて光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整を行えば、より迅速にその再調整を行うことができ、調芯時間をより短縮することができる。
【0176】
[第4の実施の形態]
【0177】
図12は、本発明の第4の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図12において、図1及び図11中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0178】
本実施の形態による製造装置が前記第3の実施の形態による製造装置と異なる所は、以下に説明する点である。
【0179】
本実施の形態による製造装置は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュール61と、該光源モジュール61から出射された光が入射される偏波面保持光ファイバ53と、を有する光学モジュールを、これらの間を調芯した後にレーザ溶接機4により固定して連結することにより、製造する製造装置として構成されている。
【0180】
光源モジュール61は、例えば、図11中の光源モジュール51と図11中の集光レンズ2とが予め調芯されて連結された構造を有する。このような光源モジュール61は、例えば、前記第1の従来の製造方法又は前記第2の従来の製造方法により製造することができる。本実施の形態では、ステージ12上には、光源モジュール51に変えて光源モジュール61が搭載されている。これに伴い、本実施の形態では、図11中のステージ13及び保持具24は設けられていない。
【0181】
次に、本実施の形態による製造装置の調芯動作について説明する。本実施の形態では、この調芯動作は、光源モジュール61に対する偏波面保持光ファイバ53の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、光源モジュール61から出射された光の偏波面保持光ファイバ53に対する結合が大きくなるように、光検出器21の出力に基づいて、光源モジュール61に対する偏波面保持光ファイバ53の、光源モジュール61の光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第2の位置調整段階と、を含む。
【0182】
本実施の形態における調芯動作の前記第1の位置調整段階は、前記第1及び第3の実施の形態における調芯動作の前記第1の位置調整段階と同じであるので、ここではその説明は省略する。光源モジュール1及び集光レンズ2の組み合わせを光源モジュール61であるものとして、前記第1の実施の形態における調芯動作の前記第1の位置調整段階の説明を読まれたい。
【0183】
本実施の形態における調芯動作の前記第2の位置調整段階は、前記第3の実施の形態における調芯動作の前記第3の位置調整段階と同様に、光源モジュール61の偏光方向と偏波面保持光ファイバ53の偏光方向とを合わせるものである。ただし、本実施の形態における前記第2の位置調整段階では、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、この2次元的な走査に従って得られる光検出器21の出力に基づいて2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整することに、限定される。その具体例は、前記第3の実施の形態における調芯動作の前記第3の位置調整段階の場合の具体例と同様であるが、以下に説明する。
【0184】
制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ状に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。そして、この2次元的な走査の際に、偏波面保持光ファイバ53の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られるX軸方向及びY軸方向の位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、XY平面内の2次元的な光強度分布を、順次繰り返して得る。
【0185】
このような状態で、制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布に基づいて、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56を制御して、偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整する。このとき、下記の第1及び第2のパターンのいずれを採用してもよい。
【0186】
第1のパターンでは、制御部23は、ステージ14を動かすことなく、次の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元的な光強度分布における最も高い光強度信号値(以下、「分布内最大信号値」という。)を求める。そして、制御部23は、各2次元的な光強度分布から得られる分布内最大信号値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向で走査し、分布内最大信号値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させることで、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置を前記第1の位置調整段階の直後の位置に戻す。
【0187】
この第1のパターンによる第2の位置調整段階の後に、全ての調芯動作を終了してもよいし、あるいは、前述したように偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれる場合があることに鑑み、再び偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整を行ってもよく、その後に全ての調芯動作を終了してもよい。この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、前記2次元的な光強度分布から前記分布内最大信号値が得られた位置が既知であることから、制御部23は、この位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御する。もっとも、この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0188】
第2のパターンでは、制御部23は、ステージ14を必要に応じて動かす以下の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元領域内において分布内最大信号値が得られる位置(以下、「最大信号位置」という。)を求める。制御部23は、求めた最大信号位置が当該2次元領域の周辺位置であるか否かを判定する。最大信号位置が周辺位置でなければ、制御部23は、当該最大信号位置で得られた分布内最大信号値をモニタ値とする。一方、最大信号位置が周辺位置であれば、制御部23は、前記集光点Pがピエゾアクチュエータ15による2次元的な走査の走査範囲からはずれている可能性があるので、最大信号位置に基づき集光点が走査範囲内に入る方向(この方向は最大信号位置から推測可能である。)へ所定量だけ移動するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御し、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを集光点へ向かうように追従させる。そして、制御部23は、前記モニタ値(すなわち、集光点が2次元走査範囲内に入っている場合に得られた分布内最大信号値)をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向に走査し、前記モニタ値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させる。これにより、全ての調芯動作を終了してもよいが、ステージ14の最終的な位置において得られた2次元的な光強度分布に関する最大信号位置が既知であることから、制御部23は、この最大信号位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御することが、好ましい。このようにすることで、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、集光点の位置に対して精度良く偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの調芯が行われることになる。偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整は、このような手法に限定されるものではなく、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。また、例えば、ステージ14の位置は、前述した集光点へ向かう追従制御に従って最終的に停止した位置のままとするだけでもよい。
【0189】
本実施の形態によれば、前記第2の位置調整段階が行われるので、光源モジュール61の偏光方向と偏波面保持光ファイバ53の偏光方向とを合わせることができ、光結合損失を低減することができる。
【0190】
また、本実施の形態によれば、前記第2の位置調整段階において、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する偏波面保持光ファイバ53の相対的な位置を調整するので、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、大きい信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、偏波面保持光ファイバ53のずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。このような効果は、前記第2のパターンの場合のみならず、ステージ14を動かさない前記第1のパターンの場合にも得られる。しかし、前記第1のパターンの場合、偏心による偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの集光点Pに対するずれが比較的大きい場合には、そのずれに完全に追従しきれない。これに対し、前記第2のパターンの場合、2次元走査範囲内に集光点Pが入らないときにはステージ14を動かして集光点Pに追従させるので、偏心による入射端53aのずれが比較的大きくても、集光点に対するずれに完全に追従することができる。このため、前記第2のパターンの場合には、集光点Pに対する入射端53aのずれが比較的大きくても、最大信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より一層精度良く調芯することができる。
【0191】
また、前記第2の位置調整段階において偏波面保持光ファイバ53を回転させることに伴い集光点Pに対してその入射端53aがずれことに鑑み、前述したように再び光ファイバ53の入射端53aの位置を調整すると、更に調芯精度を高めて光結合損失をより一層低減することができる。特に、前述したように2次元的な光強度分布を用いて前記第2の位置調整段階を行う場合において、その2次元的な光強度分布に基づいて光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整を行えば、より迅速にその再調整を行うことができ、調芯時間をより短縮することができる。
【0192】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0193】
例えば、図1に示す装置を変形して図10に示す装置を得たのと同様の変形を、図11に示す装置及び図12に示す装置にそれぞれ適用して、それらの装置に対応しオペレータの判断等に委ねる装置を構成することもできる。本発明による製造方法は、このような製造装置を用いて、オペレータの判断等により調芯を行うものであってもよい。
【0194】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、集光レンズを通過した光の傾きを検出することなく調芯時間を短縮することができ、しかも、光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することができる。
【0195】
また、本発明によれば、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとに関して、調芯時間を短縮することができるとともに光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】図1中の光源モジュール、集光レンズ、光ファイバ及びレーザ溶接機の付近を詳細に示す図である。
【図3】図1に示す製造装置における光源モジュールの位置に応じた光ファイバへの入射光の様子を示す図である。
【図4】増幅部の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図5】光強度分布を模式的に示す図である。
【図6】図5の紙面内における各ライン上での光強度を示す図である。
【図7】光強度分布を模式的に示す他の図である。
【図8】図7の紙面内における各ライン上での光強度を示す図である。
【図9】各調整段階における光ファイバの移動の様子を、光強度分布と共に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による光学モジュール製造方法を実現するために用いられる光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,51,61 光源モジュール
2 集光レンズ
3 光ファイバ
4 レーザ溶接機
5 半導体レーザ素子
6 コリメータレンズ
12,13,14,56 ステージ
15 2次元ピエゾアクチュエータ
16 2次元位置検出器
17 増幅回路
18 ピエゾ駆動部
19 光源駆動回路
20 ステージ駆動部
21 光検出器
22 増幅部
23 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光学部品(単体の部品の他、複数の部品からなるいわゆるモジュールも含む。)同士の位置合わせを行う調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば下記の特許文献1の図7に開示されているように、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子からのレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、光ファイバと、前記コリメータレンズからの平行光を光ファイバの入射端付近に集光させる集光レンズと、を有する光学モジュールが、提供されている。前記半導体レーザ素子及び前記コリメータレンズは、平行光を出射する光源モジュールを構成している。この光学モジュールは、ピグテールモジュール等と呼ばれ、例えば光通信などで用いられる。前記光ファイバの入射端面は、当該入射端面での反射による半導体レーザ素子への戻り光を防ぐために、例えば8゜程度傾けて斜めに研磨されている。
【0003】
このような光学モジュールを製造するには、光結合損失を抑えるために、半導体レーザ素子及びコリメータレンズを含み平行光を発する光源モジュールと、集光レンズと、光ファイバとの相対的な位置を、高い精度で位置合わせして調芯する必要がある。また、前述したように光ファイバの入射端面は斜めに研磨されているため、光結合損失を抑えるために、集光レンズを経由した光は光ファイバの入射端に対して最適な入射角度で入射させる必要がある。
【0004】
このような要請に応えるべく、前述したような光学モジュールの従来の製造方法として、特許文献1の段落番号[0012]〜[0014]に開示された製造方法(以下、「第1の従来の製造方法」という。)と、特許文献1の段落番号[0017]〜[0018]に開示された製造方法(以下、「第2の従来の製造方法」という。)とがある。
【0005】
前記第1の従来の製造方法では、半導体レーザ素子から出力され、コリメートレンズ及び集光レンズを通ったレーザ光を調芯用光ファイバによって受光して、調芯用光ファイバの受光したパワー(輝度)をパワーメータにより測定する。そして、集光レンズの位置を少しずつ変えながら、各位置においてそれぞれ調芯用光ファイバに光結合するパワーが最大となるように調芯用光ファイバの位置を調整する。そして、このようにして集光レンズ11の各位置における調芯用光ファイバの最大結合パワーを表示したマップを作成する。作成したマップの中で最大のパワーが得られた位置が最適な集光レンズの位置となるので、その位置で集光レンズを保持するレンズホルダをパッケージのフランジ部にYAGレーザ溶接により固定する。そして、その後、光ファイバを再度位置調整し、光ファイバに光結合するパワーが最大となる位置で、光ファイバを固定している。
【0006】
前記第2の従来の製造方法は、レーザ光を出力する半導体レーザ素子と、その半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を集光する集光レンズと、その集光レンズによって集光されたレーザ光が入射される光ファイバと、前記集光レンズを固定するレンズ固定部端面を備えたパッケージとを有する半導体レーザモジュールの製造方法において、前記半導体レーザ素子を備えた前記パッケージのレンズ固定部端面を所定の基準軸に対して所定角度になるように、前記パッケージの姿勢を調整する第1の工程と、前記集光レンズを前記パッケージのレンズ固定部端面に設置する第2の工程と、前記集光レンズを通過したレーザ光の前記基準軸に対する傾きを検出する第3の工程と、前記基準軸に対するレーザ光の傾きが所定の角度範囲内にあれば、その位置で前記集光レンズを前記レンズ固定部端面に固定し、所定の角度範囲内になければ、前記集光レンズを移動させ、所定の角度範囲内になった位置で前記集光レンズを前記レンズ固定部端面に固定する第4の工程と、前記固定された前記集光レンズを通過したレーザ光が前記光ファイバに結合される光量を所望の光量になるように、前記光ファイバを調芯して固定する第5の工程と、を有する。前記半導体レーザ素子から出力されたレーザ光を平行光にして前記集光レンズに入射させるコリメートレンズを備えていてもよい。
【0007】
以上の説明からわかるように、前記第1及び第2の従来の製造方法では、いずれの製造方法においても、半導体レーザ素子及びコリメータレンズを有する光源モジュールと集光レンズとの相対的な位置を調整して両者間を固定した後、これらに対して光ファイバの相対的な位置を調整して光ファイバを光源モジュール及び集光レンズに対して固定している。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−156562号公報(安川様から提示された公報です。)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の従来の製造方法では、集光レンズの位置を少しずつ変えながら、各位置において調芯用光ファイバの調芯を行い、集光レンズの各位置における調芯用光ファイバに結合する最大パワーのマップを作成し、さらに集光レンズの固定の前後2回にわたって、光ファイバの調芯を行う必要があるため調芯時間が長くなる。その結果、半導体レーザモジュールの製造時間が長くなるとともに、製造コストがアップする。
【0010】
これに対し、前記第2の従来の製造方法では、集光レンズを通過したレーザ光の基準軸に対するレーザ光の傾きを検出し、その検出したレーザ光の傾きが所定の角度範囲になるように集光レンズを移動することにより光源モジュールに対して集光レンズを調芯している。したがって、前記第2の従来の製造方法では、調芯用光ファイバを用いて光源モジュールに対して集光レンズを調芯する前記第1の製造方法に比べ、調芯時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
しかしながら、前記第2の従来の製造方法では、集光レンズを通過したレーザ光の基準軸に対するレーザ光の傾きを検出しなければならず、その傾き検出のために赤外線カメラや測長センサ等を要するため、コストアップを免れない。また、前記第2の従来の製造方法では、検出されたレーザ光の傾きが所定の角度範囲になるように集光レンズを移動することにより光源モジュールに対して集光レンズを調芯した後に、光源モジュールと集光レンズとを固定している。したがって、実際には、レーザ光の傾きが、光結合損失を最小限にする光ファイバへの最適入射角度に対して比較的大きくばらついてしまう。また、前記第2の従来の製造方法で、レンズ光の傾きが常に一定の角度範囲になるように調整するので、光ファイバの入射端の傾斜角度がばらついてそれに応じて光ファイバの入射端に対する光の最適入射角度がばらつくと、そのばらつきの影響を受けて、光結合損失がばらついてしまう。その結果、前記第2の従来の製造方法では、光結合損失が比較的大きくなってしまう。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、集光レンズを通過した光の傾きを検出することなく調芯時間を短縮することができ、しかも、光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールを製造する場合、光結合損失を抑えるためには、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置を調整するとともに両者の偏光方向を合わせる調芯を行う必要がある。この場合にも、調芯時間を短縮しつつ光結合損失を低減することが要請される。
【0014】
したがって、本発明は、このような光源モジュールと偏波面保持光ファイバとに関して、調芯時間を短縮することができるとともに光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することを他の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による調芯方法は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を、前記光源モジュールから出射され前記集光レンズを経由して前記光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、調整する調芯方法であって、前記光源モジュールから出射された前記平行光の少なくとも一部が前記集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置がセットされた状態で、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の3次元の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、前記第1の位置調整段階の後に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する第2の位置調整段階と、を備えたものである。
【0016】
前述したように、前記第1及び第2の従来の製造方法では、いずれの製造方法においても、半導体レーザ素子及びコリメータレンズを有する光源モジュールと集光レンズとの相対的な位置を調整して両者間を固定した後、これらに対して光ファイバの相対的な位置を調整して光ファイバを光源モジュール及び集光レンズに対して固定している。
【0017】
これに対し、前記第1の態様では、まず、前記第1の位置調整段階において、集光レンズの位置を基準とした光学部品(例えば、光ファイバ)の位置が調整され、その後に、前記第2の位置調整段階において、集光レンズの位置を基準とした光源モジュールの、集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整される。光源モジュールから出射される光が実質的に平行光であるため、集光レンズの位置を基準として光源モジュールを集光レンズの光軸と略垂直な方向に移動させると、光源モジュールから出射されて集光レンズを経由した光の集光点の位置は理論上は全く変化せずに、集光レンズから集光点に向かう光の角度が変化する。前記第1の態様では、この原理を巧みに利用して、前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階を行うのである。すなわち、前記第1の位置調整段階では、結局、前記集光点に対する光学部品の位置調整が行われ、前記第2の位置調整段階では、前記集光点の位置が理論上変化しないことから、前記第1の位置調整段階で行われた光学部品の調整状態が理論上そのまま保持された状態で、光学部品に入射する光の入射角の最適化が行われることになる。
【0018】
したがって、前記第1の態様によれば、前記第1の従来の製造方法と異なり集光レンズの各位置における調芯用光ファイバに結合する最大パワーのマップ作成するような必要がなくなり、調芯時間を大幅に短縮することができる。また、前記第1の態様によれば、光源モジュールから出射され集光レンズを経由して光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて位置調整を行うことができるので、前記第2の従来の製造方法と異なり集光レンズを通過した光の傾きを検出しなくてすみ、赤外線カメラや測長センサ等を必要とせず、コストダウンを図ることができる。さらに、前記第1の態様によれば、前記第2の位置調整段階において、光学部品に対する光の入射角度を変えながら、光結合状態を前記光検出器の出力として直接的に検出して、前記入射角度を最適化することになるので、検出したレーザ光の傾きが所定の角度範囲となるように集光レンズを移動する前記第2の従来の製造方法に比べて、光結合損失を低減することができる。
【0019】
本発明の第2の態様による調芯方法は、前記第1の態様において、前記光検出器の出力を対数増幅する増幅手段を用い、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の位置調整段階を行うものである。
【0020】
この第2の態様によれば、光検出器の出力を対数増幅するので、光強度を信号としてモニタし得る3次元空間を大幅に拡大することができる。例えば、6桁に及ぶ信号強度変化をゲインの切換なしにリアルタイム検出できることとなり、例えば集光スポットと入射点の3次元的なずれに対して、直線増幅器を用いた場合と比較して各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。したがって、光強度が感知される領域を探索するための時間を大幅に短縮することができ、ひいては、調芯時間をより短縮することができる。
【0021】
本発明の第3の態様による調芯方法は、前記第1の態様において、前記光検出器の出力を増幅する増幅手段を用い、前記相対的な位置が調芯位置に近づく前には前記増幅手段に対数増幅を行わせるとともに前記相対的な位置が調芯位置に近づいた後には前記増幅手段に直線増幅を行わせて、前記第1及び第2の位置調整段階を行うものである。
【0022】
この第3の態様によれば、調芯位置に近づく前に対数増幅による信号を用い、調芯位置に近づいた後に直線増幅による信号を用いるので、前記第3の態様と同様の利点を得ながら、しかも、調芯位置付近では狭い範囲での信号変化をより捉えやすい直線増幅を併用することにより、調芯精度を一層高めることができる。
【0023】
本発明の第4の態様による調芯方法は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記第1の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させつつ、前記往復走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、前記1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得る光強度分布取得段階と、前記光強度分布取得段階で得られた1次元的な光強度分布に基づいて、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する段階と、を含むものである。
【0024】
本発明者の研究の結果、光学部品の調芯時の3次元的な光強度分布を十分に考察することにより、その3次元空間における1次元的な光強度分布が、従来必要であった探索動作を極力減らして光学部品の迅速な位置合わせのために用いることができる極めて有益な情報を含んでいることを見出した。このような知見に従って、前記第4の態様では、前記第1の位置調整段階において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させて1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整している。このように、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、無駄な信号探索の動作を減らすことができ、迅速に集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置を合わせることができる。また、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。
【0025】
前記1つの軸は、互いに直交する軸をX軸、Y軸及びZ軸とし、X軸周りの回転軸をXθ、Y軸周りの回転軸をYθ、Z軸周りの回転軸をZθとするとき、例えば、X、Y、Z、Xθ、Yθ、Zθのうちのいずれの軸であってもよい。このとき、Z軸が第1の光学部品から出射される光の光軸方向と略一致していてもよい。
【0026】
前記往復走査の繰り返し周波数は、高いほど参照データが増えるため調芯時間の短縮と調芯精度の向上に寄与する。例えば、前記往復走査の繰り返し周波数は、5Hz以上であることが好ましく、30Hz以上であることが好ましい。往復走査のためのアクチュエータとしてピエゾアクチュエータを用いた場合、例えば、30Hz〜240Hzの繰り返し周波数を得ることができる。
【0027】
本発明の第5の態様による調芯方法は、前記第4の態様において、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度の所定範囲の積分値又は平均値を得る段階と、前記往復走査の中心位置を、前記集光レンズの光軸と略垂直な所定方向に移動させて、前記積分値又は前記平均値が最大となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止させる段階と、を含むものである。前記往復走査の中心位置を移動させる前記所定方向と前記往復走査の方向とは、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0028】
この第5の態様は、1次元的な光強度分布の具体的な利用手法を例示したものである。この第5の態様によれば、1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値を得てこれを利用するので、往復走査の範囲内に調芯位置がなくても、前記所定方向に関して光学部品の相対的な位置を調芯位置に近づけることができる。また、前記積分値又は前記平均値を用いるので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。
【0029】
本発明の第6の態様による調芯方法は、前記第4又は第5の態様において、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度のピーク値又は所定比率値幅を得る段階と、前記往復走査の中心位置を、所定方向に移動させて、前記ピーク値が最大となる位置又はその付近の位置あるいは前記所定比率値幅が最小となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止させる段階と、を含むものである。ここで、所定比率値幅は、ピーク値から所定比率だけ下がったレベルにおける1次的な光強度分布波形の幅であり、前記比率として50%を採用する場合には半値幅となる。前記比率は、50%に限定されるものではなく、例えば40%や60%など、適宜の値を採用し得る。この第6の態様では、前記往復走査の中心位置を移動させる前記所定方向と前記往復走査の方向とは、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。例えば、前記所定方向は、集光レンズの光軸方向と略一致する方向でもよいし、この方向に対して略垂直な方向でもよい。
【0030】
この第6の態様は、1次元的な光強度分布の具体的な利用手法を例示したものである。この第6の態様によれば、前記ピーク値又は前記所定比率値幅により前記所定方向の調整を行うので、集光レンズに対する前記光学部品の相対位置が調芯位置に近づいた場合において微調整を行う場合に、特に有効である。
【0031】
本発明の第7の態様による調芯方法は、前記第4乃至第6のいずれかの態様において、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を得る段階と、前記集光レンズの光軸方向と略一致する第1の方向に対する略垂直な第2の方向に前記往復走査の中心位置が調芯位置に対してオフセットした状態で、前記中心位置を前記第1の方向に移動させて前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置又はその付近の位置で前記第1の方向への移動を停止させる段階と、を含むものである。
【0032】
この第7の態様は、1次元的な光強度分布の具体的な利用手法を例示したものであり、特に、集光レンズから出射される集光光の光強度分布に着目したものである。本発明者の研究の結果、光軸方向と略垂直な方向にオフセットした状態で、光軸方向と略一致する方向へ移動させると、前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置で当該方向の位置が調芯位置に最も近づくことが、判明した。前記第7の態様は、この特性を巧みに利用することにより、当該移動方向の位置調整を行うものである。
【0033】
本発明の第8の態様による調芯方法は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記第2の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置を調整する段階と、を含むものである。
【0034】
前述したように、光源モジュールから出射されて集光レンズを経由した光の集光点の位置は、集光レンズの位置を基準として光源モジュールを集光レンズの光軸と略垂直な方向に移動させても、理論上は全く変化しないが、実際には集光レンズの収差等の影響で若干ずれる場合がある。前記第8の態様によれば、光学部品を集光レンズに対して相対的に集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させて2次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置を調整するので、前述したように集光点の位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、前記第8の態様によれば、大きい信号値に基づいて光源モジュールの位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、集光点のずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。
【0035】
本発明の第9の態様による調芯方法は、前記第8の態様において、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する段階を備えたものである。
【0036】
光源モジュールから出射されて集光レンズを経由した光の集光点の位置は、集光レンズ等の影響によりずれることがあるにしても、そのずれは小さいため、前記第8の態様では、前記第1の位置調整段階の後に、必ずしも、再び集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置を調整する必要はない。しかしながら、前記第8の態様では2次元的な光強度分布が得られているので、この2次元的な光強度分布に基づいて、集光点のずれに応じた前記光学部品の位置調整が可能となる。したがって、前記第9の態様のように、この2次元的な光強度分布に基づいて再び集光レンズに対する光学部品の相対的な位置を調整すれば、更に調芯精度を高めて光結合損失を一層低減することができる。
【0037】
本発明の第10の態様による調芯方法は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、前記光学部品が光ファイバ又は光導波路デバイスであるものである。
【0038】
この第10の態様は、前記光学部品の例を挙げたものであるが、前記第1乃至第9の態様では、この例に限定されるものではない。
【0039】
本発明の第11の態様による調芯方法は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、前記光源モジュールが偏光光を出射し、前記光学部品が偏波面保持光ファイバであり、前記第1の位置調整段階の後でかつ前記第2の調整段階の前に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第3の位置調整段階を、備えたものである。
【0040】
この第11の態様によれば、光源モジュールの偏光方向と偏波面保持光ファイバの偏光面とを合わせることができ、更に光結合損失を低減することができる。
【0041】
本発明の第12の態様による調芯方法は、前記第11の態様において、前記第3の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の前記相対的な回転位置を調整する段階と、を含むものである。
【0042】
通常は、前記光学部品としての偏波面保持光ファイバを回転させる回転軸は偏波面保持光ファイバの軸線とほぼ一致しているが、両者を完全に一致させることは実際上不可能であり偏心している。したがって、偏波面保持光ファイバを回転させると、その入射端の位置がわずかながらずれてしまう。前記第12の態様によれば、偏波面保持光ファイバを集光レンズに対して相対的に集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させて2次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて集光レンズに対する偏波面保持光ファイバの相対的な位置を調整するので、集光点に対して偏波面保持光ファイバの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、前記第12の態様によれば、大きい信号値に基づいて偏波面保持光ファイバの回転位置を調整することができるため、より精度良くその回転位置を調整することができ、光結合損失を一層低減することができる。また、集光点に対するずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。
【0043】
本発明の第13の態様による調芯方法は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、前記光源モジュールから出射され前記偏波面保持光ファイバに導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、調整する調芯方法であって、(a)前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、前記第1の位置調整段階の後に、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第2の位置調整段階と、を備え、(b)前記第2の位置調整段階は、前記偏波面保持光ファイバを前記光源モジュールに対して相対的に、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの前記相対的な回転位置を調整する段階と、を含むものである。
【0044】
前記第12の態様は、前述したように、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、偏波面保持光ファイバと、前記光源モジュールから出射された平行光を偏波面保持光ファイバの入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を調整する調芯方法である。これに対し、前記第13の態様は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、調整する調芯方法である。前記第13の態様における光源モジュールは、例えば、前記第12の態様における光源モジュール(例えば、半導体レーザ素子とコリメータレンズとからなるモジュール)と集光レンズとの組み合わせからなるモジュールでもよいし、コリメータレンズを持たない半導体レーザ素子と集光レンズとからなるモジュールでもよい。
【0045】
前記第13の態様も、前記第12の態様と同様に、偏光方向を合わせるために、2次元的な走査により得られる2次元的な光強度分布を用いて偏波面保持光ファイバの相対的な回転位置を調整する段階を有している。したがって、前記第13の態様によれば、前記第12の態様と同様に、集光点に対して偏波面保持光ファイバの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、前記第13の態様によれば、最大信号値に基づいて偏波面保持光ファイバの回転位置を調整することができるため、より精度良くその回転位置を調整することができ、光結合損失を低減することができる。また、集光点に対するずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を短縮することができる。
【0046】
本発明の第14の態様による調芯方法は、前記第13の態様において、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する段階を備えたものである。
【0047】
偏波面保持光ファイバの入射端の位置は、偏波面保持光ファイバの回転に伴ってずれることがあるにしても、そのずれは小さいため、前記第13の態様では、前記第1の位置調整段階の後に、必ずしも、再び光源モジュールに対する偏波面保持光ファイバの相対的な位置を調整する必要はない。しかしながら、前記第13の態様では2次元的な光強度分布が得られているので、この2次元的な光強度分布に基づいて、集光点に対するのずれに応じた偏波面保持光ファイバの位置調整が可能となる。したがって、前記第14の態様のように、この2次元的な光強度分布に基づいて再び光源モジュールに対する偏波面保持光ファイバの相対的な位置を調整すれば、更に調芯精度を高めて光結合損失を一層低減することができる。
【0048】
本発明の第15の態様による光学モジュールの製造方法は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズとを、有する光学モジュールの製造方法であって、前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との相対的な位置を調整する調芯段階と、調芯後に前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との間を固定する段階と、を備え、前記調芯段階が前記第1乃至第12のいずれかの態様による調芯方法により行われるものである。
【0049】
この第15の態様によれば、前記第1乃至第12のいずれかの態様による調芯方法が採用されているので、光結合損失の少ない光学モジュールを低いコストで製造することができる。
【0050】
本発明の第16の態様による光学モジュールの製造方法は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールの製造方法であって、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を調整する調芯段階と、調芯後に前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの間を固定する段階と、を備え、前記調芯段階が前記第13又は第14の態様による調芯方法により行われるものである。
【0051】
この第16の態様によれば、前記第13又は第14の態様による調芯方法が採用されているので、光結合損失の少ない光学モジュールを低いコストで製造することができる。
【0052】
本発明の第17の態様による調芯装置は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を、調整する調芯装置であって、(a)前記集光レンズに対する前記光学部品の3次元の相対的な位置を変更させる第1の移動手段と、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を変更させる第2の移動手段と、前記光源モジュールから出射され前記集光レンズを経由して前記光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、前記第1及び第2の移動手段を制御する制御手段と、を備え、(b)前記制御手段は、前記光源モジュールから出射された前記平行光の少なくとも一部が前記集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置がセットされた状態で、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する第1の制御と、該第1の制御の後に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記第2の移動手段を制御する第2の制御と、を行うものである。
【0053】
本発明の第18の態様による調芯装置は、前記第17の態様において、前記光検出器の出力を対数増幅する増幅手段を備え、前記制御手段は、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の移動手段を制御するものである。
【0054】
本発明の第19の態様による調芯装置は、前記第17の態様において、前記光検出器の出力を増幅する増幅手段を備え、前記増幅手段は、選択信号に応答して対数増幅及び直線増幅のうちの一方を選択的に行い、前記制御手段は、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の移動手段を制御し、前記制御手段は、前記相対的な位置が調芯位置に近づく前には前記増幅手段に対数増幅を行わせるように、かつ、前記相対的な位置が調芯位置に近づいた後には前記増幅手段に直線増幅を行わせるように、前記増幅手段に前記選択信号を与えるものである。
【0055】
本発明の第20の態様による調芯装置は、前記第17乃至第19のいずれかの態様において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させる往復走査手段を備え、前記制御手段は、前記往復走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、前記1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得る手段と、前記第1の制御において、前記1次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0056】
本発明の第21の態様による調芯装置は、前記第20の態様において、前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度の所定範囲の積分値又は平均値を得る手段と、前記往復走査の中心位置が、前記第1の光学部品から出射される光の光軸方向に対する略垂直な所定方向に移動して、前記積分値又は前記平均値が最大となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0057】
本発明の第22の態様による調芯装置は、前記第20又は21の態様において、前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度のピーク値又は所定比率値幅を得る手段と、前記往復走査の中心位置が、所定方向に移動して、前記ピーク値が最大となる位置又はその付近の位置あるいは前記所定比率値幅が最小となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0058】
本発明の第23の態様による調芯装置は、前記第20乃至第22のいずれかの態様において、前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を得る手段と、前記光源モジュールから出射される光の光軸方向と略一致する第1の方向に対する略垂直な第2の方向に前記往復走査の中心位置が調芯位置に対してオフセットした状態で、前記中心位置が前記第1の方向に移動して前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置又はその付近の位置で前記第1の方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0059】
本発明の第24の態様による調芯装置は、前記第17乃至第23のいずれかの態様において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段を備え、前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第2の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置が調整されるように、前記第2の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0060】
本発明の第25の態様による調芯装置は、前記第24の態様において、前記制御手段は、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段を、含むものである。
【0061】
本発明の第26の態様による調芯装置は、前記第17乃至第25のいずれかの態様において、前記光学部品が光ファイバ又は光導波路デバイスであるものである。
【0062】
本発明の第27の態様による調芯装置は、前記第17乃至第25のいずれかの態様において、前記光源モジュールが偏光光を出射し、前記光学部品が偏波面保持光ファイバであり、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を変更させる回転手段を備え、前記制御手段は、前記第1の制御の後でかつ前記第2の制御の前に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記光検出器の出力に基づいて、前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する第3の制御を、行うものである。
【0063】
本発明の第28の態様による調芯装置は、前記第27の態様において、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段を備え、前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第3の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の前記相対的な回転位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むものである。
【0064】
本発明の第29の態様による調芯装置は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、調整する調芯装置であって、(a)前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの3次元の相対的な位置を変更させる移動手段と、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を変更させる回転手段と、前記光源モジュールから出射され前記偏波面保持光ファイバに導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、前記移動手段及び前記回転手段を制御する制御手段と、前記偏波面保持光ファイバを前記光源モジュールに対して相対的に、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段と、を備え、(b)前記制御手段は、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する第1の制御と、該第1の制御の後に、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する第2の制御と、を行い、(c)前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第2の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する手段と、を含むものである。
【0065】
本発明の第30の態様による調芯装置は、前記第29の態様において、前記制御手段は、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記移動手段を制御する手段を、含むものである。
【0066】
本発明の第31の態様による光学モジュールの製造装置は、実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズとを、有する光学モジュールを製造する製造装置であって、前記第17乃至第28のいずれかの態様による調芯装置と、調芯後に前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との間を固定する固定手段と、を備えたものである。
【0067】
本発明の第32の態様による光学モジュールの製造装置は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールを製造する製造装置であって、前記第29又は第30の態様による調芯装置と、調芯後に前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの間を固定する固定手段と、を備えたものである。
【0068】
前記第17乃至第30の態様による調芯装置は、前記第1乃至第14の態様による調芯方法を実現する装置の例であり、前記第31及び第32の態様による製造方法は、前記第15及び第16の態様による製造方法を実現する装置の例である。これらの例は、制御部を用いることにより自動的に調芯を行う装置の例である。しかしながら、前記第1乃至第14の態様による調芯方法は、前記光検出器の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる調芯装置等によっても実現することができ、前記第1乃至第14の態様による調芯方法は、光検出器の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる場合も含む。この場合、例えば、前記移動手段としてオペレータの操作に応じて作動するものを用い、また、光検出器の出力をそのままオペレータに提示したり、前記1次元的な光強度分布や前記2次元的な光強度分布を提示したりする、提示手段を用いればよい。このような提示手段としては、例えば、オシロスコープや、パーソナルコンピュータ等による画像表示装置を挙げることができる。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置について、図面を参照して説明する。
【0070】
[第1の実施の形態]
【0071】
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図2は、図1中の光源モジュール1、集光レンズ(結合レンズ)2、光ファイバ3及びレーザ溶接機4の付近を詳細に示す図である。なお、図2は調芯後の様子を示している。
【0072】
本実施の形態による製造装置は、実質的に平行光を出射する光源モジュール1と、光が入射される光学部品としての単芯の光ファイバ3と、光源モジュール1から出射された平行光を光ファイバ3の入射端3a付近に集光させる集光レンズ2とを、有する光学モジュールを、これらの間を調芯した後にレーザ溶接機4により固定して連結することにより、製造する製造装置として構成されている。後述する各要素のうち、固定手段としてのYAG溶接機等のレーザ溶接機4及び下記の制御部23のレーザ溶接機制御機能以外の要素により、本発明の一実施の形態による調芯装置が構成されている。
【0073】
説明の便宜上、図1及び図2に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。Z方向が、光源モジュール1の光軸方向、集光レンズ2の光軸方向、及び、光ファイバ3の入射端3a付近の芯線の延びる方向と、略一致している。なお、図1及び図2中の各軸の矢印側を+(プラス)、その反対側を−(マイナス)とする。これらの点は、後述する各実施の形態の説明についても同様とする。
【0074】
本実施の形態では、光源モジュール1は、図2に示すように、半導体レーザ素子5と、半導体レーザ素子5からのレーザ光を平行光にするコリメータレンズ6とを有し、これらがバタフライ型パッケージ7内に収容された構成を有している。なお、バタフライ型パッケージ7に設けられ外部にピン状に突出した電極部の図示は、省略している。パッケージ7は、その光出射側に、調芯後に集光レンズ2を固定するための集光レンズ固定部7aを有している。
【0075】
図2に示すように、集光レンズ2は、レンズ保持部材8により保持されており、調芯後にレンズ保持部材8と集光レンズ固定部7aとの間をレーザ溶接機4により溶接することで、光源モジュール1に対して連結し得るようになっている。
【0076】
また、図2に示すように、光ファイバ3の入射端3a側の部分には、調芯後に光ファイバ4と光源モジュール3との連結を行うためのリング状の接続スペーサ部材9が設けられている。調芯後に、接続スペーサ部材9とレンズ保持部材8との間、接続スペーサ部材9と光ファイバ3のフェルールとの間をそれぞれ、レーザ溶接機4により溶接することで、光ファイバ3を集光レンズ2に対して連結し得るようになっている。
【0077】
本実施の形態による製造装置は、図1に示すように、レーザ溶接機4の他に、基体11と、基体11上に搭載された移動機構としての光源モジュール1用のステージ12と、基体11上に搭載された移動機構としての集光レンズ2用のステージ13と、基体11上に搭載された移動機構としての光ファイバ3用のステージ14と、ステージ14上に搭載された2次元ピエゾアクチュエータ15と、ステージ14に対する光ファイバ3の位置を検出する静電センサや差動トランスなどの2次元位置検出器16と、2次元位置検出器16からの検出信号を増幅する増幅回路17と、2次元ピエゾアクチュエータ15を駆動するピエゾ駆動部18と、光源モジュール1の半導体レーザ素子5を発光させる光源駆動回路19と、ステージ12〜14を駆動するステージ駆動部20と、入射端3aから光ファイバ3に導入された光を検出するフォトダイオード等の光検出器21と、光検出器21の出力を増幅する増幅部22と、例えばパーソナルコンピュータ等を用いて構成され装置全体を制御する制御部23と、を備えている。
【0078】
光源モジュール1は、図示しない保持具を介してステージ12上に搭載されている。集光レンズ2は、保持具24を介してステージ13に搭載されている。光ファイバ3の入射端3a側の部分が、保持具25及び固定具26を介して2次元ピエゾアクチュエータ15上に搭載されている。これらにより、光源モジュール1の集光レンズ固定部7aと集光レンズ2とがZ軸方向に対向しているとともに、光ファイバ3の入射端3aと集光レンズ2とがZ軸方向に対向している。
【0079】
本実施の形態では、ステージ12は、光源モジュール1を基体11に対してX軸及びY軸上を独立して移動させる機能を持ち、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを複合したものとなっている。ただし、各軸のステージ12x,12yの図示は省略している。本実施の形態では、ステージ12は、集光レンズ2に対する光源モジュール1の、集光レンズ2の光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を変更させる移動手段を構成している。
【0080】
ステージ13は、集光レンズ2を基体11に対してX軸、Y軸及びZ軸上を独立して移動させる機能を持つが、本実施の形態では、ステージ13は調芯開始時の初期の位置設定時などに使用されるのみであり、調芯時には固定されたままとされる。したがって、以下の説明では、ステージ13は基体11と一体となり、集光レンズ2の位置がこの製造装置の基準位置となる。
【0081】
本実施の形態では、ステージ14は、2次元ピエゾアクチュエータ15(したがって、光ファイバ3)をX軸、Y軸及びZ軸上を独立して移動させる機能を持ち、X軸ステージ14x、Y軸ステージ14y及びZ軸ステージ14zを複合したものとなっている。ただし、各軸のステージ14x,14y,14zの図示は省略している。本実施の形態では、ステージ14は、集光レンズ2に対する光ファイバ3(厳密には、光ファイバ3の入射端3a側部分。)の3次元の相対的な位置を変更させる移動手段を構成している。
【0082】
なお、ステージ12〜14としては、例えば、ステッピングモータを備えた電動ステージを用いることができる。
【0083】
本実施の形態では、2次元ピエゾアクチュエータ15は、X軸方向用及びY軸方向用の2つの1次元ピエゾアクチュエータを複合した構成を有し、制御部17からの指令に応じてピエゾ駆動部18が出力する正弦波のアナログ電圧信号からなるX軸方向用及びY軸方向用のピエゾ駆動信号により駆動される。よって、2次元ピエゾアクチュエータ15は、ピエゾ駆動部18からX軸方向用及びY軸方向用のピエゾ駆動信号が同時に供給されることで、光ファイバ3をステージ14に対して(したがって、基体11に対して)X軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させると同時に、光ファイバ3をステージ14に対してY軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させ、ひいては、光ファイバ3をステージ14に対して、集光レンズ2の光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる。また、2次元ピエゾアクチュエータ15は、ピエゾ駆動部18からX軸方向用及びY軸方向用のピエゾ駆動信号の一方のみが供給されることで、光ファイバ3をステージ14に対して(したがって、基体11に対して)X軸方向又はY軸方向に繰り返して往復運動(往復走査)させると同時に、光ファイバ3をステージ14に対してY軸方向に1次元的に繰り返して往復運動(往復走査)させる。
【0084】
このように、本実施の形態では、2次元ピエゾアクチュエータ15は、ピエゾ駆動信号の与え方によって、光ファイバ3を1次元的に繰り返して往復走査させる往復走査手段と、光ファイバ3を2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段とを、兼用する。もっとも、両者を別々に設けてもよい。
【0085】
なお、2次元ピエゾアクチュエータに代えて、ボイスコイルモータ、電磁プランジャー、直動ステージなどの他の一軸用アクチュエータを2つ用いても、2次元ピエゾアクチュエータと同様の動作を実現することができる。
【0086】
光ファイバ3のステージ14に対する位置(2次元ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向の変位量)は、X軸方向用位置検出器16x及びY軸方向用位置検出器16y(ただし、各方向用位置検出器16x,16y図示は省略。)を複合した2次元位置検出器16により検出され、その検出信号が増幅回路17で増幅された後に制御部23へ入力される。なお、このような2次元位置検出器16が内蔵された2次元ピエゾアクチュエータ15が市販されているので、例えば、これを用いることができる。また、2次元ピエゾアクチュエータ15を駆動するX軸方向用及びY軸方向の駆動信号がピエゾアクチュエータ9のX軸方向及びY軸方向の変位量にそれぞれ対応しているので、位置検出器16を用いずに、駆動信号自体を位置検出信号として用いてもよい。
【0087】
光源モジュール1の半導体レーザ素子5は、光源駆動回路19から供給される電流により一定の光量で発光させられ、図2に示すように、この光がコリメータレンズ6により平行光にされた後に、光源モジュール1から出射する。
【0088】
光源モジュール1から出射した平行光の少なくとも一部(初期の位置設置時から、光源モジュール1から出射した平行光の全部又は大部分が集光レンズ2に入射することが好ましいが、初期の位置設置時では、前記平行光の一部が入射するだけでもよい。)が集光レンズ2に入射し、この光が集光レンズ2により集光されることで、集光レンズ2の焦平面上の集光点位置に微小な光スポットが形成される。前記集光点位置と光ファイバ3の入射端3aとが合致する位置が調芯位置となる。
【0089】
光検出器21は、光ファイバ3の出射端に配置され、光源モジュール1から出射され集光レンズ2を経由して光ファイバ3に入射したレーザ光強度を検出し、その出力信号が増幅部22で増幅され光強度信号として制御部23へ送られる。
【0090】
本実施の形態では、増幅部22は、制御部23からの増幅モード選択信号に応答して対数増幅及び直線増幅のうちの一方を選択的に行うように構成されている。増幅部22の構成の一例を図4に示す。図4は、増幅部22の構成の一例を示す概略ブロック図である。図2に示す例では、増幅部22は、対数増幅器31と、直線増幅器32と、これらを増幅モード選択信号に応じて切り換えるスイッチ33,34とから構成されている。通常、対数増幅器はその増幅度を変更する機能を含むので、前記増幅モード選択信号により、増幅度を切り替えるようにしてもよい。増幅部22は、常に対数増幅を行うように構成してもよく、その場合には、対数増幅器31のみで構成すればよい。また、増幅部22は、常に直線増幅を行うように構成してもよく、その場合には、直線増幅器32のみで構成すればよい。
【0091】
対数増幅器31は、入力に対して対数的な増幅特性を持つ。対数増幅器31として、例えば、1nAから1mAまでの6桁の電流変化に対して−10Vから+10Vの電圧で出力するものを用いることができる。この場合、通常光検出器21として用いるフォトダイオード(PD)の感度は0.5A/W程度なので、−10Vから+10Vの電圧出力は、PDの光入力パワーに換算して2nWから2mWに相当する。一方、直線増幅器32は、狭い範囲での電流変化は対数増幅器31に比べて捉えやすいが、例えば2〜3桁の電流変化しか捉えることができない。したがって、このような対数増幅器31を用いることにより、6桁に及ぶ信号強度変化をゲインの切換なしにリアルタイム検出できることとなり、集光スポット(集光点位置)と入射点(光ファイバ3の端部3a)の3次元的なずれに対して、常に直線増幅器32を用いる場合に比べて、各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。
【0092】
ここで、図5乃至図8を参照して、光源モジュール1から出射されて集光レンズ2により集光された光の強度分布について説明する。図5及び図7は、XZ平面(又はYZ平面)と平行であり前記集光点位置を含む平面内における光強度分布を模式的に示す光強度分布図である。なお、この光強度分布は、前記集光点位置を通りZ軸と平行な直線を中心として略回転対称となる。図5及び図7は、集光されたビームの光強度が集光点位置からガウス分布で拡がると仮定して、対数表示したものであり、集光点位置での光強度を1(=100)として規格化し、各桁の等強度線を記入したものである。図6は、図5の紙面内においてX方向(又はY方向)に互いにずれたZ軸と平行な各ラインO,P,Q,R上での、各Z方向位置における光強度を示す図である。図8は、図7の紙面内においての互いにZ方向にずれたX軸(又はY軸)と平行な各ラインH,I,J,K上での、各X方向(Y方向)位置における光強度を示す図である。
【0093】
図5乃至図8からわかるように、集光点位置でビームは3次元的に極めて小さく集光され、極めて高い光強度になるが、集光点の前方、後方及びXY軸外側に向けて急激に減衰する。常に直線増幅器32を用いる場合には、一度に観察できる信号強度の範囲は例えば2〜3桁であり、図4及び図6において一度に2〜3本の等強度線の範囲しか観察できない。これに対して、対数増幅器31を用いると、例えば、図4及び図6の中心点(集光点位置)から最も外側の等強度線(10−6の等強度線)までの範囲を同時に観察することが可能になる。
【0094】
次に、本実施の形態による製造装置の調芯動作について説明する。本実施の形態では、この調芯動作は、集光レンズ2に対する光ファイバ3の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する第2の位置調整段階と、を含む。
【0095】
まず、最初に行われる前記第1の位置調整段階について、図9を参照して説明する。図9は、前記第1の位置調整段階における各調整段階での光ファイバ3及びその入射端3aの移動の様子を、図5及び図7に示すような光強度分布と共に示す図である。図9では、理解を容易にするため、X軸、Y軸及びZ軸の原点(中心)を集光点としている。
【0096】
前記第1の位置調整段階は、集光レンズ2と対向するように光源モジュール1を設置して、光源モジュール1から出射された平行光の少なくとも一部が集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置が初期セットされた状態で、行われる。光源モジュール1からの出射光は平行光であるため、その集光点は、集光レンズ2に対する光源モジュール1の3次元の相対的な位置と関係なく、平行光の方向のみに依存した集光レンズ2の後側焦平面上の1点に理論上形成される。前記第1の位置調整段階では、この位置にファイバ3の入射端3aが調芯される。
【0097】
前記集光点が集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置と関係ない位置に形成されるので、光源モジュール1と集光レンズ2との相対的な位置の初期セットは、厳密な位置合わせは全く不要であり、光源モジュール1から出射された平行光の少なくとも一部が集光レンズに入射されればよい。ただし、光源モジュール1から出射した平行光の全部又は大部分が集光レンズ2に入射するように初期の位置設置を行うと、最初から大きい光強度信号に基づいて位置調整を行うことができるので、調芯時間をより短縮することができ、好ましい。
【0098】
前記第1の位置調整段階における調芯動作を開始する際の光ファイバ3の初期の位置設定に関して、光源モジュール1から発した光の集光レンズ2による集光点に対する光ファイバ3の入射端3aの機械的設定誤差が、Z軸で±250μm程度、X軸及びY軸で±200μm程度に収まっている場合について、説明する。
【0099】
この場合、光ファイバ3の入射端3aの位置は、予想される集光点に対して予めZ軸に−1000μm程度(光源モジュール1から遠方)、XY軸に各々−250μm程度、ずらした位置(この位置は設定位置であり、実際の位置は設定位置から前記設定誤差の分だけずれる。)から調芯動作を開始する。
【0100】
調芯動作を開始すると、制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向のみに駆動し、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの所定の振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路19を介して光源モジュール1の半導体レーザ素子5を所定の電流値で発光させる。光ファイバ3の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。制御部23は、増幅部22に増幅モード選択信号を与えて、増幅部22に対数増幅を行わせる。本実施の形態では、後述するような微調整を行う場合を除き、増幅部22には対数増幅を継続して行わせる。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られる位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る1次元的な光強度分布を、例えば往復走査の半周期毎に順次得る。
【0101】
このようなピエゾアクチュエータ15によるX軸方向の往復走査に従った1次元的な光強度分布の取得は、後述する時点まで順次継続される。また、半導体レーザ素子5の発光は、全ての調芯動作が終了するまで継続される。
【0102】
このような状態で、まず、図9(a)に示すように、光ファイバ3のY軸方向の位置調整を行う。この段階では、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してY軸ステージ14yをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(Y軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、Y軸ステージ14yを停止させる。このとき、積分値又は平均値が最大になる位置を求めるため、図9(a)に示すように、一旦プラス方向へ行き過ぎた後に、積分値又は平均値が最大になる位置に戻して止めることになる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がY軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でY軸ステージ14yを停止させてもよい。これは、図9(d)を参照して第1の調整段階における後述する最終調整において、Y軸方向について再調整を行うためである。
【0103】
次いで、図9(b)に示すように、X軸方向の位置調整を行う。この段階においても、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から所定範囲の光強度の積分値又は平均値を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の所定範囲の積分値又は平均値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してX軸ステージ14xをプラス方向へ走査し、この積分値又は平均値が最大になる位置(X軸方向のほぼ中心位置に相当)を求め、X軸ステージ14xを停止させる。このとき、積分値又は平均値が最大になる位置を求めるため、図9(b)に示すように、一旦プラス方向へ行き過ぎた後に、積分値又は平均値が最大になる位置に戻して止めることになる。前記積分値又は平均値が最大になる位置がX軸方向のほぼ中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。なお、前記積分値又は平均値が最大になる位置ではなく、その付近の位置でX軸ステージ14xを停止させてもよい。これは、図9(d)を参照して後述する最終調整において、X軸方向について再調整を行うためである。
【0104】
次に、図9(c)に示すように、Z軸方向の位置調整を行う。すなわち、制御部23は、まず、ステージ駆動部20を介してY軸ステージ14yを数10μm程度プラス方向又はマイナス方向にオフセットさせる。これは、Z軸ステージ14zをプラス方向へ走査していった際には、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができるように、Z軸方向のほぼ中心位置で、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値、平均値及びピーク値が最小となるためである。Y軸ステージ14yのオフセット後に、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を演算する。制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度の積分値又は平均値又はピーク値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してZ軸ステージ14zをプラス方向へ走査し、積分値又は平均値又はピーク値が減少し、最小値を示した後に再び増加に転じることを確認し、最少値になる位置へ戻してZ軸ステージ14zを停止させる。なお、前記積分値又は平均値又はピーク値が最小になる位置ではなく、その付近の位置でZ軸ステージ14zを停止させてもよい。これは、図9(d)を参照して後述する最終調整において、Z軸方向について再調整を行うためである。
【0105】
以上の動作により、光ファイバ3の入射端3aは、調芯位置(集光点の位置)に近づいた状態となる。
【0106】
その後、図9(d)に示すように、前記第1の位置調整段階における最終調整を行う。この最終調整では、光ファイバ3のY軸方向の再調整、Z軸方向の再調整及びX軸方向の再調整を順次行う。調芯精度をより高めるためには、このようにZ軸方向の再調整を行うことが好ましいが、Z軸方向の再調整は省略してもよい。
【0107】
まず、光ファイバ3のY軸方向の再調整では、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅(他の比率による所定比率値幅でもよい。この点は以下同様である。)を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してY軸ステージ14yを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Y軸ステージ14yを停止させる。前記ピーク値が最大となる位置や前記半値幅が最小となる位置がY軸方向の中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。
【0108】
引き続くZ軸方向の再調整では、制御部23は、前述のようにして順次得られる各1次元的な光強度分布について、当該光強度分布から光強度のピーク値又は半値幅を演算する。そして、制御部23は、各1次元的な光強度分布から得られる光強度のピーク値又は半値幅をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してZ軸ステージ14zを走査し、前記ピーク値が最大となる位置あるいは前記半値幅が最小となる位置を求め、Z軸ステージ14zを停止させる。前記ピーク値が最大となる位置や前記半値幅が最小となる位置がZ軸方向の中心位置に相当するものとなることは、図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができる。既に説明したように、このZ軸方向の再調整を省略してもよい。
【0109】
その後のX軸方向の再調整では、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15への正弦波による駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向への往復走査を停止させる。その後、制御部23は、ステージ駆動部20を介してX軸ステージ14xを走査するかあるいはピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15に直流電圧を掃引して、X軸方向へ走査させることにより、増幅部22から得られる信号が最大となる位置を求め、その位置の状態にして、前記第1の調整段階における調芯動作を終了する。
【0110】
以上説明した動作では、制御部17は、前記第1の調整段階における最後の段階までまで増幅部16に対数増幅を行わせていた。しかしながら、制御部17は、前述した図9(d)を参照して説明した前記最終段階においては、増幅部16に直線増幅を行わせてもよい。このように、光ファイバ4の端部4aが調芯位置に近づいた後に増幅部16の増幅モードを直線増幅に切り換えることにより、ピーク点検出等の分解能を更に上げることができ、ひいてはサブミクロンレベル等のより高精度な調芯が可能となる。
【0111】
なお、本実施の形態では、前記第1の調整段階における調芯動作は、前述したように前記1次元的な光強度分布を利用して行っているが、本発明では、前記前記第1の調整段階はこのような手法に限定されるものではなく、従来から知られている種々の手法(例えば、螺旋状の走査を行い、所定の信号強度が得られる範囲を検知し、当該範囲の検知後は、山登り法と呼ばれる階段状の2次元走査又は3次元走査により最適点を見つける方法など)を採用してもよい。
【0112】
前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階が行われる。すなわち、光源モジュール1から出射されて集光レンズ2を経由した光の光ファイバ3に対する結合が大きくなるように、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1のXY平面方向(集光レンズ2の光軸と略垂直な面方向)の相対的な位置を調整する。この第2の位置調整段階は、前記第1の位置調整段階の後に行われ、かつ、後述するように光源モジュール1をXY平面方向に移動させても集光点は全く移動しないかほとんど移動しないため、制御部23は、第2の位置調整段階では、検出の分解能を高めるべく増幅部16に直線増幅を行わせることが好ましい。
【0113】
この第2の位置調整段階は、集光レンズ2を経由した光の集光点の位置を理論上変化させることなく(すなわち、光ファイバ3の3次元の位置の調芯状態を理論上維持したままで)、光ファイバ3の入射端3aに対する入射角度を最適化することに、他ならない。
【0114】
この点について、図3を参照して説明する。図3は、前記第1の位置調整段階の後(すなわち、集光点Pに対して光ファイバ3の入射端3aが調芯された状態)において、光源モジュール1を集光レンズ2に対して移動させた際の、光ファイバ3の入射端3aへの入射光の様子を示す図である。図3において、O1は集光レンズ2の光軸、O2は光源モジュール1の光軸、Pは集光点を示している。本例では、光軸O1,O2の方向はZ軸方向と一致しているが、光軸O2は必ずしも光軸O1と平行である必要はなく傾いていてもよい。その場合には、その傾きに応じて集光点Pの位置が光軸O1上からずれるだけであり、前記第1の位置調整段階でその位置に対する光ファイバ3の入射端3aの調芯が完了している。図3(a)は光軸O2が光軸O1と一致する位置に光源モジュール1が集光レンズ2に対して位置している状態を示し、図3(b)は光源モジュール1が図3(a)に示す位置から−Y方向にΔd1だけずれた位置に位置している状態を示し、図3(c)は光源モジュール1が図3(a)に示す位置から+Y方向にΔd2だけずれた位置に位置している状態を示している。
【0115】
光ファイバ3の入射端3aの面は、この面での反射による半導体レーザ素子5への戻り光を防ぐために、図3に示すように、例えば8°程度の角度で斜めに研磨されている。最大効率で光ファイバ3の入射端3aに光を入射させるため、ある程度の入射角をつけてファイバ3に入射させる必要がある。
【0116】
光源モジュール1から出射される光が実質的に平行光であるため、図3に示すように、集光レンズ2の位置を基準として光源モジュール1を集光レンズの光軸O1と略垂直な方向に移動させると、集光点Pの位置は理論上全く変化せずに、集光レンズ3から集光点Pに向かう光の角度が変化する。なお、本実施の形態では、光源モジュール1をステージ12により光軸O1と垂直な方向に移動させるが、光源モジュール1がZ軸方向に移動しても光ファイバ3への入射光には全く変化がないので、第2の位置調整段階において、光源モジュール1を光軸O1に対する垂直な方向から傾いた方向に移動させてもよいことは、言うまでもない。
【0117】
したがって、前記第2の位置調整段階では、光源モジュール1を移動させることで、集光点Pの位置を変化させずに光ファイバ3の3次元の位置の調芯状態を維持したままで、光ファイバ3の入射端3aに対する入射角度を最適化することができるのである。
【0118】
ただし、集光点Pの位置は、前記第2の位置調整段階において光源モジュール1を移動させても理論上は全く変化しないが、実際には集光レンズの収差等の影響で若干ずれる場合がある。
【0119】
前記第2の位置調整段階は、光ファイバ3をそのまま静止させた状態で行ってもよい。この場合、具体的には、制御部23は、増幅部22の信号をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してステージ12(ステージ12x,12y)をXY平面内で走査し、増幅器22の信号が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。このとき、増幅器22の信号のより強いXY位置を順次追跡していくが、この追跡は、例えば、一般的な手法(山登り法と呼ばれる階段状の2次元走査により最適点を見つける方法など)を採用することができる。光ファイバ3をそのまま静止させた状態で行った第2の位置調整段階の後に、全ての調芯動作を終了してもよいし、あるいは、前述したように光源モジュール1の移動に伴って実際には集光点Pがずれる場合があることに鑑み、再び光ファイバ3の位置の再調整を行ってもよい。この光ファイバ3の位置の再調整は、例えば、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよく、その後に全ての調芯動作を終了してもよい。
【0120】
あるいは、前記第2の位置調整段階は、次のようにして行ってもよい。すなわち、光ファイバ3をそのまま静止させるのではなく、光ファイバ3の入射端3aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、この2次元的な走査に従って得られる光検出器21の出力に基づいて2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整してもよい。その具体例について以下に説明する。
【0121】
制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ状に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。そして、この2次元的な走査の際に、光ファイバ3の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られるX軸方向及びY軸方向の位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、XY平面内の2次元的な光強度分布を、順次繰り返して得る。
【0122】
このような状態で、制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布に基づいて、ステージ駆動部20を介してステージ12を制御して、光源モジュール1のXY平面内の位置を調整する。このとき、下記の第1及び第2のパターンのいずれを採用してもよい。
【0123】
第1のパターンでは、制御部23は、ステージ14を動かすことなく、次の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元的な光強度分布における最も高い光強度信号値(以下、「分布内最大信号値」という。)を求める。そして、制御部23は、各2次元的な光強度分布から得られる分布内最大信号値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してステージ12(ステージ12x,12y)をXY平面内で走査し、分布内最大信号値が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。このとき、前記分布内最大信号値のより大きいステージ12に関するXY位置を順次追跡していくが、この追跡は、例えば、一般的な手法(山登り法など)を採用することができる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させることで、光ファイバ3の入射端3aの位置を前記第1の位置調整段階の直後の位置に戻す。
【0124】
この第1のパターンによる第2の位置調整段階の後に、全ての調芯動作を終了してもよいし、あるいは、前述したように光源モジュール1の移動に伴って実際には集光点Pがずれる場合があることに鑑み、再び光ファイバ3の位置の再調整を行ってもよく、その後に全ての調芯動作を終了してもよい。この光ファイバ3の位置の再調整は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、前記2次元的な光強度分布から前記分布内最大信号値が得られた位置が既知であることから、制御部23は、この位置に光ファイバ3の入射端3aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御する。もっとも、この光ファイバ3の位置の再調整は、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0125】
第2のパターンでは、制御部23は、ステージ14を必要に応じて動かす以下の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元領域内において分布内最大信号値が得られる位置(以下、「最大信号位置」という。)を求める。制御部23は、求めた最大信号位置が当該2次元領域の周辺位置であるか否かを判定する。最大信号位置が周辺位置でなければ、制御部23は、当該最大信号位置で得られた分布内最大信号値をモニタ値とする。一方、最大信号位置が周辺位置であれば、制御部23は、前記集光点Pがピエゾアクチュエータ15による2次元的な走査の走査範囲からはずれている可能性があるので、最大信号位置に基づき集光点が走査範囲内に入る方向(この方向は最大信号位置から推測可能である。)へ所定量だけ移動するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御し、光ファイバ3の入射端3aを集光点へ向かうように追従させる。そして、制御部23は、前記モニタ値(すなわち、集光点が2次元走査範囲内に入っている場合に得られた分布内最大信号値)をモニタしながら、ステージ駆動部20を介してステージ12(ステージ12x,12y)をXY平面内で走査し、前記モニタ値が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。このとき、前記モニタ値のより大きいステージ12に関するXY位置を順次追跡していくが、この追跡は、例えば、一般的な手法(山登り法など)を採用することができる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させる。これにて全ての調芯動作を終了してもよいが、ステージ14の最終的な位置において得られた2次元的な光強度分布に関する最大信号位置が既知であることから、制御部23は、この最大信号位置に光ファイバ3の入射端3aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御することが、好ましい。このようにすることで、光ファイバ3の入射端3aに対する光の入射角度を最適化するべく行った光源モジュール1の移動に伴って集光点がずれても、その集光点の位置に対して精度良く光ファイバ3の入射端3aの調芯が行われることになる。光ファイバ3の入射端3aの位置の再調整は、このような手法に限定されるものではなく、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。また、例えば、ステージ14の位置は、前述した集光点へ向かう追従制御に従って最終的に停止した位置のままとするだけでもよい。
【0126】
図1に示す製造装置では、全ての調芯動作が終了したら、図2に示すように、制御部23の制御下で、接続スペーサ部材9とレンズ保持部材8との間、接続スペーサ部材9と光ファイバ3のフェルールとの間をそれぞれ、レーザ溶接機4により溶接することで、光ファイバ3と集光レンズ2との間を固定する。また、制御部23の制御下で、レンズ保持部材8と集光レンズ固定部7aとの間をレーザ溶接機4により溶接することで、集光レンズ2と光源モジュール1との間を固定する。
【0127】
以上により、光源モジュール1、集光レンズ2及び光ファイバ3を有する光学モジュールが完成する。
【0128】
本実施の形態によれば、まず、前記第1の位置調整段階において、集光レンズ2の位置を基準とした光ファイバ3の位置が調整され、その後に、前記第2の位置調整段階において、集光レンズ3の位置を基準とした光源モジュール1の、集光レンズ2の光軸O1と略垂直な面方向の相対的な位置が調整される。図3を参照して説明したように、光源モジュール1から出射される光が実質的に平行光であるため、集光レンズ2の位置を基準として光源モジュール1を集光レンズ2の光軸と略垂直な方向に移動させると、光源モジュール1から出射されて集光レンズ2を経由した光の集光点Pの位置は理論上は全く変化せずに、集光レンズ1から集光点Pに向かう光の角度が変化する。本実施の形態では、この原理を巧みに利用して、前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階を行うのである。すなわち、前記第1の位置調整段階では、結局、集光点Pに対する光ファイバ3の位置調整が行われ、前記第2の位置調整段階では、集光点Pの位置が理論上変化しないことから、前記第1の位置調整段階で行われた光ファイバ3の調整状態が理論上そのまま保持された状態で、光ファイバ3に入射する光の入射角の最適化が行われることになる。
【0129】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の従来の製造方法と異なり集光レンズ2の各位置における調芯用光ファイバに結合する最大パワーのマップ作成するような必要がなくなり、調芯時間を大幅に短縮することができる。また、前記第1の態様によれば、光源モジュール1から出射され集光レンズ2を経由して光ファイバ3に導入された光を検出する光検出器21の出力に基づいて位置調整を行うことができるので、前記第2の従来の製造方法と異なり集光レンズ2を通過した光の傾きを検出しなくてすみ、赤外線カメラや測長センサ等を必要とせず、コストダウンを図ることができる。さらに、本実施の形態によれば、前記第2の位置調整段階において、光ファイバ3に対する光の入射角度を変えながら、光結合状態を光検出器21の出力として直接的に検出して、前記入射角度を最適化することになる。したがって、本実施の形態によれば、検出したレーザ光の傾きが所定の角度範囲となるように集光レンズを移動する前記第2の従来の製造方法に比べて、前記入射角度をより適切に最適化することができるとともに、光ファイバ3の入射端3aの面の傾斜角度のばらつきの影響も受けなくなるため、光結合損失をより低減することができる。
【0130】
また、前述したように、前記第2の位置調整段階において、光ファイバ3をそのまま静止させるのではなく、光ファイバ3の入射端3aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する場合には、集光レンズ2の収差等の影響で光源モジュール1の移動に伴って集光点Pの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、大きい信号値に基づいて光源モジュール1の位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、集光点Pのずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。このような効果は、前記第2のパターンの場合のみならず、ステージ14を動かさない前記第1のパターンの場合にも得られる。しかし、前記第1のパターンの場合、集光点Pのずれが比較的大きい場合には、集光点Pのずれに完全に追従しきれない。これに対し、前記第2のパターンの場合、2次元走査範囲内に集光点Pが入らないときにはステージ14を動かして集光点に追従させるので、集光点Pのずれが比較的大きくても、集光点のずれに完全に追従することができる。このため、前記第2のパターンの場合には、集光点Pのずれが比較的大きくても、最大信号値に基づいて光源モジュール1の位置を調整することができるため、より一層精度良く調芯することができる。
【0131】
また、前記第2の位置調整段階において光源モジュール1を移動させることに伴い集光点Pがずれる場合があることに鑑み、前述したように再び光ファイバ3の入射端3aの位置を調整すると、更に調芯精度を高めて光結合損失をより一層低減することができる。特に、前述したように2次元的な光強度分布を用いて前記第2の位置調整段階を行う場合において、その2次元的な光強度分布に基づいて光ファイバ3の入射端3aの位置の再調整を行えば、より迅速にその再調整を行うことができ、調芯時間をより短縮することができる。
【0132】
さらに、本実施の形態では、前述したように、前記第1の位置調整段階において、ピエゾアクチュエータ15により光源モジュール1をX軸方向に1次元的に繰り返して往復走査させてX軸に関する1次元的な光強度分布を得、この光強度分布に基づいて、光ファイバ3の位置を調整している。このように、1次元的な光強度分布を一括して利用することにより位置調整を行うので、無駄な信号探索の動作を減らすことができ、迅速に光ファイバ3を集光レンズ2に対して位置合わせを行うことができる。また、1次元的な光強度分布の積分値又は平均値又は波形そのものを一括して利用することにより集光レンズ2に対して光ファイバ3の位置調整を行うので、光強度分布が理想的なガウス分布にならず、その分布に対して実際の光強度分布が局所的に変動していても、その影響を大きく低減することができる。さらに、本実施の形態では、前記第1の位置調整段階において、光検出器21の出力を対数増幅するので、光強度を信号としてモニタし得る3次元空間を大幅に拡大することができ、集光スポットと光ファイバ3の端部3aの3次元的なずれに対して、直線増幅器を用いた場合と比較して各軸でそれぞれ3倍以上の面積、体積では30倍程度の広い空間で信号の強度をモニターしながら調整を進めることができる。このように、本実施の形態によれば、前記第1の位置調整段階において、1次元的な光強度分布の利用に加えて、対数増幅を併用することにより、1次元的な光強度分布を有効に得ることができる空間を大幅に拡大することができるため、両者の効果が相俟って、より調芯時間を短縮することができる。
【0133】
なお、本実施の形態による製造装置は、例えば、集光レンズ2からの光が入射される光学部品として、光ファイバ3に代えて光導波路デバイスを用いれば、光源モジュール1、集光レンズ2及び当該光導波路デバイスを調芯して、それらかなる光学モジュールを製造することができる。
【0134】
[第2の実施の形態]
【0135】
図10は、本発明の第2の実施の形態による光学モジュール製造方法を実現するために用いられる光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図10において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0136】
図10に示す製造装置が前述した図1に示す製造装置と基本的に異なる所は、図1に示す製造装置では、制御部23が調芯の自動制御を実現しているのに対し、図10に示す製造装置では、増幅部22の出力に基づく判断等をオペレータに委ねる装置として構成されている点である。
【0137】
図10に示す製造装置では、制御部23が取り除かれ、その代わりに、オペレータが各種の指令を与えるための操作部41と、操作部41から指令された通りに装置各部を制御する制御部42と、画像表示部43とが設けられている。
【0138】
制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、ピエゾ駆動部18に2次元ピエゾアクチュエータ15を駆動させる。制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、光源駆動回路19に半導体レーザ素子5を発光させる。制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、増幅部22に増幅モード選択信号を供給する。制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、ステージ駆動部20を介してステージ12,13,14を移動させる。さらに、制御部42は、操作部41を介してオペレータから与えられる指令に従って、レーザ溶接機4を制御して必要箇所を溶接させる。
【0139】
画像表示部43は、2次元位置検出器16からのX軸方向及びY軸方向の位置信号と増幅部22の出力信号とを受け取り、X軸方向及びY軸方向の2次元位置に応じた増幅部22の出力信号の大きさ(光強度)を、2次元分布像として画像表示する。なお、画像表示部43には、2次元ピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に駆動した場合には、2次元光強度分布像が画像表示されることになるが、2次元ピエゾアクチュエータ15をX軸方向のみに駆動した場合には、2次元位置検出器16からのY軸方向の位置信号は一定のままであるので、結局、1次元光強度分布像が画像表示されることになる。なお、画像表示部43は、実際には、例えば、パーソナルコンピュータと液晶パネル等の表示装置との組み合わせとして構成することができる。このように、本例では、画像表示部43が、2次元的な光強度分布及び1次元的な光強度分布を表示することによりオペレータに提示する提示部を構成している。
【0140】
この図10に示す製造装置を用いれば、オペレータは、画像表示部43に表示された1次元的な光強度分布像や2次元的な光強度分布像を見ながら、操作部41を操作してステージ14,12を調整することにより、前記第1の実施の形態による製造装置が実現している調芯方法と同様の調芯方法を実現することができる。ただし、オペレータが光強度分布像を見て判断するので、以下に説明するような調芯方法を採用することができる。
【0141】
図10に示す装置を用いた調芯方法の一具体例について説明する。この調芯方法も、前述した図1に示す製造装置の調芯動作と同様に、集光レンズ2に対する光ファイバ3の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する第2の位置調整段階と、を含む。
【0142】
まず、最初に行われる前記第1の位置調整段階について説明する。
【0143】
図5乃至図8を参照して説明した光強度分布から理解することができるように、光ファイバ3の端部3aのZ軸方向の位置が集光点のZ軸方向の位置と一致していると、Y軸方向のずれに対して信号強度の変化が大きくなって調整が難しくなるため、Z軸方向の位置は、例えば、予め数100μm程度集光点のZ軸方向位置からずらした位置から調整を開始することが望ましい。
【0144】
オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、ピエゾアクチュエータ15をX軸方向のみに駆動し、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に例えば周波数30Hz、振幅100μm〜300μmの所定の振幅の正弦波形で往復走査させ、また、光源駆動回路19を介して光源モジュール1の半導体レーザ素子5を所定の電流値で発光させる。また、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、増幅部22に対数増幅を行わせる。画像表示部43には、X軸方向の往復走査の全振幅に渡る光強度分布を示す1次元光強度分布像が、例えば往復走査の半周期毎に順次更新されて表示される。
【0145】
このような状態で、まず、オペレータは、操作部41を操作することによりX軸ステージ14xを調整して、画像表示部43の1次元光強度分布像の波形の最大値を見つけ、さらに信号が大きくなるようにY軸ステージ14yを調整する。ここで、画像表示部43で観察している1次元光強度分布像に顕著なピークが見つかれば、オペレータは、操作部41を操作して、往復走査範囲の中心にピークがくるようにX軸ステージ14xを調整する。ピエゾアクチュエータ15によるX軸方向の往復走査範囲からX軸のピークが外れている場合は、1次元光強度分布像が傾斜して観察されるので、傾斜の高い方向にX軸ステージ14xを調整すれば、容易にピークを見つけることができる。往復走査範囲内にピークが入ってきたら、オペレータは、往復走査範囲の中心にピークがくるように操作部41の操作によりX軸ステージ14xを調整する。
【0146】
次に、Z軸ステージ14zを調整し、信号が大きくなる位置を確認する。ピーク位置を確認したら、さらに同じ方向にZ軸を移動させ、信号が一方的に減少する場合は、確認したピーク位置に戻って、Y軸ステージ14yを調整して信号が最大になる位置を求める。
【0147】
Z軸方向に移動させた時、信号が一旦減少し、信号が最少となる位置を確認後、さらに同じ方向にZ軸を移動させた時、信号が再度増加に転じる場合は、2番目のピーク位置を確認する。2番目のピーク位置を確認後、Z軸ステージ14yを先ほどの信号が最少となる位置に戻し、Y軸ステージ14yを調整して信号が最大になる位置を求める。
【0148】
この一連の操作で、X,Y,Zの調整位置が決定されるが、更に高精度な調芯が必要な場合は、再度、X,Y,Z軸の調整を行ってもよい。このとき、オペレータは、操作部41を操作して、増幅部22に直線増幅を行わせることが、好ましい。なお、増幅部22に直線増幅を行わせることがない場合には、増幅部16を対数増幅器31のみで構成しておいてもよい。
【0149】
以上の調整が終了したら、オペレータは、操作部41を操作することにより、ピエゾアクチュエータ15による往復走査を止め、ピエゾアクチュエータ15に直流電圧を印加する。オペレータは、画像表示部43に表示される増幅部22の信号レベルを見ながら、そのレベルが最大となるように、操作部41を操作してこの直流電圧を調整し、前記第1の位置調整段階を終了する。なお、前記直流電圧を印加したり調整したりする代わりに、X軸ステージ14xを調整してもよい。
【0150】
前記第1の位置調整段階の後に、前記第2の位置調整段階を以下のようにして行う。すなわち、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、ピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、光ファイバ3の入射端3aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ上に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。また、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、増幅部22に直線増幅を行わせる。画像表示部43には、XY平面内の2次元的な走査範囲に渡る光強度分布を示す2次元光強度分布像が、順次更新されて表示される。
【0151】
このような状態で、オペレータは、画像表示部43の2次元光強度分布像のピークの値が大きくなるように、操作部41を介して指令を与えて、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを動かし、2次元光強度分布像のピークの値が最も大きくなる位置でX軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを停止させる。このとき、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yの移動に伴い、集光レンズ2の収差等の影響で集光点がずれて2次元光強度分布像のピークの位置が2次元走査範囲の中心からずれる場合があるが、その際には、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、2次元光強度分布像のピークが2次元走査範囲内に入るように、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを移動させる。
【0152】
その後、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、2次元光強度分布像のピークが2次元走査範囲の中心に位置するように、X軸ステージ12x及びY軸ステージ12yを移動させてその位置で停止させ、更に、ピエゾアクチュエータ15によるX軸方向及びY軸方向の往復走査を止め、全ての調芯を終了する。
【0153】
その後、オペレータは、操作部41を介して指令を与えて、溶接機4により前記第1の実施の形態の場合と同じ箇所を溶接させる。これにより、光源モジュール1、集光レンズ2及び光ファイバ3を有する光学モジュールが完成する。
【0154】
本実施の形態では、オペレータが介在する形で調芯が行われるが、基本的に前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0155】
なお、ステージ12,13,14として、手動操作型のステージ(例えばオペレータが調整ねじ等を操作して位置を調整し得るステージ)を用いてもよく、その場合には、ステージ駆動部20は不要となる。
【0156】
[第3の実施の形態]
【0157】
図11は、本発明の第3の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図11において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0158】
本実施の形態による製造装置が前記第1の実施の形態による製造装置と異なる所は、以下に説明する点である。
【0159】
本実施の形態による製造装置は、図1中の光源モジュール1に代わる光源モジュール51と、図1中の光ファイバ3に代わる単芯の偏波面保持光ファイバ53と、光源モジュール51から出射された平行光を光ファイバ53の入射端53a付近に集光させる集光レンズ2とを、有する光学モジュールを、これらの間を調芯した後にレーザ溶接機4により固定して連結することにより、製造する製造装置として構成されている。
【0160】
光源モジュール51は、前記光源モジュール1と同様に実質的に平行光を出射するが、この平行光を偏光光として出射するように構成されている。具体的には、光源モジュール51は、例えば、光源モジュール1に対して、出射光を偏光光にするための予め偏光方向が調整された偏光子(図示せず)が、パッケージ内に追加された構造を有する。もっとも、半導体レーザ素子5の出力光は偏光特性を持っているため、必ずしも偏光子を設ける必要はなく、光源モジュール1をそのまま用いてもよい。結合させる光ファイバとして、偏波面保持光ファイバ53を使用することにより、光結合効率を最大にすることが可能となる。
【0161】
本実施の形態では、偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分が、保持具25及び回転ステージ56を介して2次元ピエゾアクチュエータ15上に搭載されている。回転ステージ56は、制御部23の制御下でステージ駆動部20により駆動され、保持具25及びこれに保持された偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分を、2次元ピエゾアクチュエータ15に対して、Z軸方向に延びた軸回りに、少なくとも180゜回転させ得るようになっている。なお、以下の説明では、Z軸方向に延びた軸回りの回転方向を、Zθ方向と呼ぶ。回転ステージ56の軸は、保持具25により保持された偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分の軸と同軸に設定されているが、実際には取り付け誤差等により、偏波面保持光ファイバ53の入射端53a側の部分の軸に対してわずかながら偏心する。例えば、フェルールを含んだファイバ53の偏心は1〜2μm程度あり、また、回転ステージ56の回転軸と保持具25のファイバ保持中心軸との偏心は5〜10μm程度である。
【0162】
次に、本実施の形態による製造装置の調芯動作について説明する。本実施の形態では、この調芯動作は、前記第1の実施の形態による製造装置と同様に、集光レンズ2に対する光ファイバ53の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整する第2の位置調整段階と、を含む。さらに、本実施の形態による製造装置の調芯動作では、光源モジュール51と偏波面保持光ファイバ53との偏光方向を合わせるため、前記第1の位置調整段階の後でかつ前記第2の調整段階の前に、光源モジュール51から出射されて集光レンズ2を経由した光の偏波面保持光ファイバ53に対する結合が大きくなるように、光検出器21の出力に基づいて、集光レンズ2に対する偏波面保持光ファイバ53の、集光レンズ2の光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第3の位置調整段階を、含む。
【0163】
本実施の形態における調芯動作の前記第1及び第2の位置調整段階は、前記第1の実施の形態における調芯動作の前記第1及び第2の位置調整段階と同じであるので、ここではその説明は省略する。
【0164】
制御部23は、第3の位置調整段階では、検出の分解能を高めるべく増幅部16に直線増幅を行わせることが好ましい。
【0165】
前記第3の位置調整段階は、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させた状態で行ってもよい。この場合、具体的には、制御部23は、増幅部22の信号をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向に回転させ、増幅器22の信号が最も大きくなる位置でステージ12を停止させる。偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させた状態で行った第3の位置調整段階の後に、直ちに前記第2の位置調整段階を行ってもよいし、あるいは、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴い偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置がずれることに鑑み、前記第2の位置調整段階の前に、再び偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整を行ってもよい。この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、例えば、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0166】
あるいは、前記第3の位置調整段階は、次のようにして行ってもよい。すなわち、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、この2次元的な走査に従って得られる光検出器21の出力に基づいて2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整してもよい。その具体例について以下に説明する。なお、この場合において、前記第2の位置調整段階においても、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aをXY平面内で2次元的に繰り返して走査させる場合には、前記第3の位置調整段階の終了時に前記2次元的な走査を一旦停止させてもよいし、前記2次元的な走査を前記第3の位置調整段階から前記第2の位置調整段階にかけて一旦停止させることなく継続してもよい。以下に説明する例では、前記第3の位置調整段階の終了時に前記2次元的な走査を一旦停止させるものとする。
【0167】
制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ状に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。そして、この2次元的な走査の際に、偏波面保持光ファイバ53の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られるX軸方向及びY軸方向の位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、XY平面内の2次元的な光強度分布を、順次繰り返して得る。
【0168】
このような状態で、制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布に基づいて、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56を制御して、偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整する。このとき、下記の第1及び第2のパターンのいずれを採用してもよい。
【0169】
第1のパターンでは、制御部23は、ステージ14を動かすことなく、次の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元的な光強度分布における最も高い光強度信号値(以下、「分布内最大信号値」という。)を求める。そして、制御部23は、各2次元的な光強度分布から得られる分布内最大信号値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向で走査し、分布内最大信号値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させることで、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置を前記第1の位置調整段階の直後の位置に戻す。
【0170】
この第1のパターンによる第3の位置調整段階の後に、直ちに前記第2の位置調整段階を行ってもよいし、あるいは、前述したように偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれる場合があることに鑑み、再び偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整を行ってもよく、その後に前記第2の位置調整段階を行ってもよい。この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、前記2次元的な光強度分布から前記分布内最大信号値が得られた位置が既知であることから、制御部23は、この位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御する。もっとも、この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0171】
第2のパターンでは、制御部23は、ステージ14を必要に応じて動かす以下の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元領域内において分布内最大信号値が得られる位置(以下、「最大信号位置」という。)を求める。制御部23は、求めた最大信号位置が当該2次元領域の周辺位置であるか否かを判定する。最大信号位置が周辺位置でなければ、制御部23は、当該最大信号位置で得られた分布内最大信号値をモニタ値とする。一方、最大信号位置が周辺位置であれば、制御部23は、前記集光点Pがピエゾアクチュエータ15による2次元的な走査の走査範囲からはずれている可能性があるので、最大信号位置に基づき集光点が走査範囲内に入る方向(この方向は最大信号位置から推測可能である。)へ所定量だけ移動するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御し、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを集光点へ向かうように追従させる。そして、制御部23は、前記モニタ値(すなわち、集光点が2次元走査範囲内に入っている場合に得られた分布内最大信号値)をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向に走査し、前記モニタ値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させる。この後、直ちに前記第2の位置調整段階を行ってもよいが、ステージ14の最終的な位置において得られた2次元的な光強度分布に関する最大信号位置が既知であることから、制御部23は、この最大信号位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御することが、好ましい。このようにすることで、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、集光点の位置に対して精度良く偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの調芯が行われることになる。偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整は、このような手法に限定されるものではなく、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。また、例えば、ステージ14の位置は、前述した集光点へ向かう追従制御に従って最終的に停止した位置のままとするだけでもよい。
【0172】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、以下の利点も得ることができる。
【0173】
すなわち、本実施の形態によれば、前記第3の位置調整段階が行われるので、光源モジュール51の偏光方向と偏波面保持光ファイバ53の偏光方向とを合わせることができ、更に光結合損失を低減することができる。
【0174】
また、前述したように、前記第3の位置調整段階において、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する偏波面保持光ファイバ53の相対的な位置を調整する場合には、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、大きい信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、偏波面保持光ファイバ53のずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。このような効果は、前記第2のパターンの場合のみならず、ステージ14を動かさない前記第1のパターンの場合にも得られる。しかし、前記第1のパターンの場合、偏心による偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの集光点Pに対するずれが比較的大きい場合には、そのずれに完全に追従しきれない。これに対し、前記第2のパターンの場合、2次元走査範囲内に集光点Pが入らないときにはステージ14を動かして集光点Pに追従させるので、偏心による入射端53aのずれが比較的大きくても、集光点に対するずれに完全に追従することができる。このため、前記第2のパターンの場合には、集光点Pに対する入射端53aのずれが比較的大きくても、最大信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より一層精度良く調芯することができる。
【0175】
また、前記第3の位置調整段階において偏波面保持光ファイバ53を回転させることに伴い集光点Pに対してその入射端53aがずれことに鑑み、前述したように再び光ファイバ53の入射端53aの位置を調整すると、更に調芯精度を高めて光結合損失をより一層低減することができる。特に、前述したように2次元的な光強度分布を用いて前記第3の位置調整段階を行う場合において、その2次元的な光強度分布に基づいて光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整を行えば、より迅速にその再調整を行うことができ、調芯時間をより短縮することができる。
【0176】
[第4の実施の形態]
【0177】
図12は、本発明の第4の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。図12において、図1及び図11中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0178】
本実施の形態による製造装置が前記第3の実施の形態による製造装置と異なる所は、以下に説明する点である。
【0179】
本実施の形態による製造装置は、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュール61と、該光源モジュール61から出射された光が入射される偏波面保持光ファイバ53と、を有する光学モジュールを、これらの間を調芯した後にレーザ溶接機4により固定して連結することにより、製造する製造装置として構成されている。
【0180】
光源モジュール61は、例えば、図11中の光源モジュール51と図11中の集光レンズ2とが予め調芯されて連結された構造を有する。このような光源モジュール61は、例えば、前記第1の従来の製造方法又は前記第2の従来の製造方法により製造することができる。本実施の形態では、ステージ12上には、光源モジュール51に変えて光源モジュール61が搭載されている。これに伴い、本実施の形態では、図11中のステージ13及び保持具24は設けられていない。
【0181】
次に、本実施の形態による製造装置の調芯動作について説明する。本実施の形態では、この調芯動作は、光源モジュール61に対する偏波面保持光ファイバ53の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、該第1の位置調整段階の後に、光源モジュール61から出射された光の偏波面保持光ファイバ53に対する結合が大きくなるように、光検出器21の出力に基づいて、光源モジュール61に対する偏波面保持光ファイバ53の、光源モジュール61の光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第2の位置調整段階と、を含む。
【0182】
本実施の形態における調芯動作の前記第1の位置調整段階は、前記第1及び第3の実施の形態における調芯動作の前記第1の位置調整段階と同じであるので、ここではその説明は省略する。光源モジュール1及び集光レンズ2の組み合わせを光源モジュール61であるものとして、前記第1の実施の形態における調芯動作の前記第1の位置調整段階の説明を読まれたい。
【0183】
本実施の形態における調芯動作の前記第2の位置調整段階は、前記第3の実施の形態における調芯動作の前記第3の位置調整段階と同様に、光源モジュール61の偏光方向と偏波面保持光ファイバ53の偏光方向とを合わせるものである。ただし、本実施の形態における前記第2の位置調整段階では、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、この2次元的な走査に従って得られる光検出器21の出力に基づいて2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する光源モジュール1の相対的な位置を調整することに、限定される。その具体例は、前記第3の実施の形態における調芯動作の前記第3の位置調整段階の場合の具体例と同様であるが、以下に説明する。
【0184】
制御部23は、ピエゾ駆動部18に指令を与えて、ピエゾ駆動部18を介してピエゾアクチュエータ15をX軸方向及びY軸方向の両方向に同時に駆動することにより、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、X軸方向に往復走査させると同時にY軸方向に往復走査させることでジグザグ状に2次元的に走査させ、これを繰り返させる。このとき、例えば、Y軸方向の走査周波数をX軸方向の走査周波数に比べて高くし、X軸方向の走査の半周期において、5μm〜10μm程度のY軸方向の幅を有しかつ+Y方向に走査される際の走査線がX軸方向に0.5μmピッチで5本又は6本程度得られるように、X軸方向及びY軸方向の往復走査の周波数及び振幅が設定される。そして、この2次元的な走査の際に、偏波面保持光ファイバ53の出射光の強度は、光検出器21で検出され、その出力が増幅部22で増幅され、増幅部22の出力が制御部23へ供給される。一方、位置検出器16から増幅回路17を介して得られるX軸方向及びY軸方向の位置検出信号が、制御部23へ供給される。制御部23は、増幅回路17からの位置検出信号と増幅部22からの出力(増幅された光強度信号)をA/D変換してデータとしてそれぞれ取り込むことにより、XY平面内の2次元的な光強度分布を、順次繰り返して得る。
【0185】
このような状態で、制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布に基づいて、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56を制御して、偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整する。このとき、下記の第1及び第2のパターンのいずれを採用してもよい。
【0186】
第1のパターンでは、制御部23は、ステージ14を動かすことなく、次の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元的な光強度分布における最も高い光強度信号値(以下、「分布内最大信号値」という。)を求める。そして、制御部23は、各2次元的な光強度分布から得られる分布内最大信号値をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向で走査し、分布内最大信号値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させることで、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置を前記第1の位置調整段階の直後の位置に戻す。
【0187】
この第1のパターンによる第2の位置調整段階の後に、全ての調芯動作を終了してもよいし、あるいは、前述したように偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれる場合があることに鑑み、再び偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整を行ってもよく、その後に全ての調芯動作を終了してもよい。この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、前記2次元的な光強度分布から前記分布内最大信号値が得られた位置が既知であることから、制御部23は、この位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御する。もっとも、この偏波面保持光ファイバ53の位置の再調整は、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。
【0188】
第2のパターンでは、制御部23は、ステージ14を必要に応じて動かす以下の動作を行う。制御部23は、前述のようにして順次得られた2次元的な光強度分布について、当該2次元領域内において分布内最大信号値が得られる位置(以下、「最大信号位置」という。)を求める。制御部23は、求めた最大信号位置が当該2次元領域の周辺位置であるか否かを判定する。最大信号位置が周辺位置でなければ、制御部23は、当該最大信号位置で得られた分布内最大信号値をモニタ値とする。一方、最大信号位置が周辺位置であれば、制御部23は、前記集光点Pがピエゾアクチュエータ15による2次元的な走査の走査範囲からはずれている可能性があるので、最大信号位置に基づき集光点が走査範囲内に入る方向(この方向は最大信号位置から推測可能である。)へ所定量だけ移動するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御し、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを集光点へ向かうように追従させる。そして、制御部23は、前記モニタ値(すなわち、集光点が2次元走査範囲内に入っている場合に得られた分布内最大信号値)をモニタしながら、ステージ駆動部20を介して回転ステージ56をZθ方向に走査し、前記モニタ値が最も大きくなる位置で回転ステージ56を停止させる。そして、制御部23は、ピエゾアクチュエータ15へのX軸方向用及びY軸方向用の駆動信号の供給をピエゾ駆動部18に停止させ、ピエゾアクチュエータ15のX軸方向及びY軸方向への往復走査を停止させる。これにより、全ての調芯動作を終了してもよいが、ステージ14の最終的な位置において得られた2次元的な光強度分布に関する最大信号位置が既知であることから、制御部23は、この最大信号位置に偏波面保持光ファイバ53の入射端53aが位置するように、ステージ駆動部20を介してステージ14を制御することが、好ましい。このようにすることで、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、集光点の位置に対して精度良く偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの調芯が行われることになる。偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整は、このような手法に限定されるものではなく、一般的な手法により行ってもよいし、あるいは、前記第1の位置調整段階における最終調整と同様の調整を行ってもよい。また、例えば、ステージ14の位置は、前述した集光点へ向かう追従制御に従って最終的に停止した位置のままとするだけでもよい。
【0189】
本実施の形態によれば、前記第2の位置調整段階が行われるので、光源モジュール61の偏光方向と偏波面保持光ファイバ53の偏光方向とを合わせることができ、光結合損失を低減することができる。
【0190】
また、本実施の形態によれば、前記第2の位置調整段階において、偏波面保持光ファイバ53をそのまま静止させるのではなく、偏波面保持光ファイバ53の入射端53aを、XY平面内で2次元的に繰り返して走査させつつ2次元的な光強度分布を取得し、得られた2次元的な光強度分布に基づいて、集光レンズ2に対する偏波面保持光ファイバ53の相対的な位置を調整するので、偏心の影響で偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の回転に伴ってその入射端53aの位置がずれても、その位置ずれに2次元で追従できる。したがって、大きい信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より精度良く調芯することができる。また、偏波面保持光ファイバ53のずれに対して2次元で追従できるので、調芯時間を更に短縮することができる。このような効果は、前記第2のパターンの場合のみならず、ステージ14を動かさない前記第1のパターンの場合にも得られる。しかし、前記第1のパターンの場合、偏心による偏波面保持光ファイバ53の入射端53aの集光点Pに対するずれが比較的大きい場合には、そのずれに完全に追従しきれない。これに対し、前記第2のパターンの場合、2次元走査範囲内に集光点Pが入らないときにはステージ14を動かして集光点Pに追従させるので、偏心による入射端53aのずれが比較的大きくても、集光点に対するずれに完全に追従することができる。このため、前記第2のパターンの場合には、集光点Pに対する入射端53aのずれが比較的大きくても、最大信号値に基づいて偏波面保持光ファイバ53のZθ方向の位置を調整することができるため、より一層精度良く調芯することができる。
【0191】
また、前記第2の位置調整段階において偏波面保持光ファイバ53を回転させることに伴い集光点Pに対してその入射端53aがずれことに鑑み、前述したように再び光ファイバ53の入射端53aの位置を調整すると、更に調芯精度を高めて光結合損失をより一層低減することができる。特に、前述したように2次元的な光強度分布を用いて前記第2の位置調整段階を行う場合において、その2次元的な光強度分布に基づいて光ファイバ53の入射端53aの位置の再調整を行えば、より迅速にその再調整を行うことができ、調芯時間をより短縮することができる。
【0192】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0193】
例えば、図1に示す装置を変形して図10に示す装置を得たのと同様の変形を、図11に示す装置及び図12に示す装置にそれぞれ適用して、それらの装置に対応しオペレータの判断等に委ねる装置を構成することもできる。本発明による製造方法は、このような製造装置を用いて、オペレータの判断等により調芯を行うものであってもよい。
【0194】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、集光レンズを通過した光の傾きを検出することなく調芯時間を短縮することができ、しかも、光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することができる。
【0195】
また、本発明によれば、集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとに関して、調芯時間を短縮することができるとともに光結合損失を低減することができる調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光源モジュールの製造方法及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】図1中の光源モジュール、集光レンズ、光ファイバ及びレーザ溶接機の付近を詳細に示す図である。
【図3】図1に示す製造装置における光源モジュールの位置に応じた光ファイバへの入射光の様子を示す図である。
【図4】増幅部の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図5】光強度分布を模式的に示す図である。
【図6】図5の紙面内における各ライン上での光強度を示す図である。
【図7】光強度分布を模式的に示す他の図である。
【図8】図7の紙面内における各ライン上での光強度を示す図である。
【図9】各調整段階における光ファイバの移動の様子を、光強度分布と共に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態による光学モジュール製造方法を実現するために用いられる光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による光学モジュールの製造装置を模式的に示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,51,61 光源モジュール
2 集光レンズ
3 光ファイバ
4 レーザ溶接機
5 半導体レーザ素子
6 コリメータレンズ
12,13,14,56 ステージ
15 2次元ピエゾアクチュエータ
16 2次元位置検出器
17 増幅回路
18 ピエゾ駆動部
19 光源駆動回路
20 ステージ駆動部
21 光検出器
22 増幅部
23 制御部
Claims (32)
- 実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を、前記光源モジュールから出射され前記集光レンズを経由して前記光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、調整する調芯方法であって、
前記光源モジュールから出射された前記平行光の少なくとも一部が前記集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置がセットされた状態で、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の3次元の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、
前記第1の位置調整段階の後に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する第2の位置調整段階と、
を備えたことを特徴とする調芯方法。 - 前記光検出器の出力を対数増幅する増幅手段を用い、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の位置調整段階を行うことを特徴とする請求項1記載の調芯方法。
- 前記光検出器の出力を増幅する増幅手段を用い、前記相対的な位置が調芯位置に近づく前には前記増幅手段に対数増幅を行わせるとともに前記相対的な位置が調芯位置に近づいた後には前記増幅手段に直線増幅を行わせて、前記第1及び第2の位置調整段階を行うことを特徴とする請求項1記載の調芯方法。
- 前記第1の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させつつ、前記往復走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、前記1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得る光強度分布取得段階と、前記光強度分布取得段階で得られた1次元的な光強度分布に基づいて、前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する段階と、を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の調芯方法。
- 前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度の所定範囲の積分値又は平均値を得る段階と、前記往復走査の中心位置を、前記集光レンズの光軸と略垂直な所定方向に移動させて、前記積分値又は前記平均値が最大となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止させる段階と、を含むことを特徴とする請求項4記載の調芯方法。
- 前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度のピーク値又は所定比率値幅を得る段階と、前記往復走査の中心位置を、所定方向に移動させて、前記ピーク値が最大となる位置又はその付近の位置あるいは前記所定比率値幅が最小となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止させる段階と、を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の調芯方法。
- 前記光学部品の前記集光レンズに対する相対的な位置を調整する前記段階は、前記1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を得る段階と、前記集光レンズの光軸方向と略一致する第1の方向に対する略垂直な第2の方向に前記往復走査の中心位置が調芯位置に対してオフセットした状態で、前記中心位置を前記第1の方向に移動させて前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置又はその付近の位置で前記第1の方向への移動を停止させる段階と、を含むことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の調芯方法。
- 前記第2の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置を調整する段階と、を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の調芯方法。
- 前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する段階を備えたことを特徴とする請求項8記載の調芯方法。
- 前記光学部品が光ファイバ又は光導波路デバイスであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の調芯方法。
- 前記光源モジュールが偏光光を出射し、
前記光学部品が偏波面保持光ファイバであり、
前記第1の位置調整段階の後でかつ前記第2の調整段階の前に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第3の位置調整段階を、備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の調芯方法。 - 前記第3の位置調整段階は、前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の前記相対的な回転位置を調整する段階と、を含むことを特徴とする請求項11記載の調芯方法。
- 集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、前記光源モジュールから出射され前記偏波面保持光ファイバに導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、調整する調芯方法であって、
前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置を調整する第1の位置調整段階と、
前記第1の位置調整段階の後に、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光検出器の出力に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を、調整する第2の位置調整段階と、
を備え、
前記第2の位置調整段階は、前記偏波面保持光ファイバを前記光源モジュールに対して相対的に、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させつつ、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る2次元光強度分布取得段階と、前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの前記相対的な回転位置を調整する段階と、を含むことを特徴とする調芯方法。 - 前記2次元光強度分布取得段階で得られた2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を、調整する段階を備えたことを特徴とする請求項13記載の調芯方法。
- 実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズとを、有する光学モジュールの製造方法であって、
前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との相対的な位置を調整する調芯段階と、
調芯後に前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との間を固定する段階と、
を備え、
前記調芯段階が請求項1乃至12のいずれかに記載の調芯方法により行われることを特徴とする光学モジュールの製造方法。 - 集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールの製造方法であって、
前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を調整する調芯段階と、
調芯後に前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの間を固定する段階と、
を備え、
前記調芯段階が請求項13又は14記載の調芯方法により行われることを特徴とする光学モジュールの製造方法。 - 実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズと、の相対的な位置を、調整する調芯装置であって、
前記集光レンズに対する前記光学部品の3次元の相対的な位置を変更させる第1の移動手段と、
前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置を変更させる第2の移動手段と、
前記光源モジュールから出射され前記集光レンズを経由して前記光学部品に導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、前記第1及び第2の移動手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記光源モジュールから出射された前記平行光の少なくとも一部が前記集光レンズに入射されるように、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置がセットされた状態で、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する第1の制御と、該第1の制御の後に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光源モジュールの、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記第2の移動手段を制御する第2の制御と、を行うことを特徴とする調芯装置。 - 前記光検出器の出力を対数増幅する増幅手段を備え、
前記制御手段は、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の移動手段を制御することを特徴とする請求項17記載の調芯装置。 - 前記光検出器の出力を増幅する増幅手段を備え、
前記増幅手段は、選択信号に応答して対数増幅及び直線増幅のうちの一方を選択的に行い、
前記制御手段は、前記増幅手段の出力に基づいて前記第1及び第2の移動手段を制御し、
前記制御手段は、前記相対的な位置が調芯位置に近づく前には前記増幅手段に対数増幅を行わせるように、かつ、前記相対的な位置が調芯位置に近づいた後には前記増幅手段に直線増幅を行わせるように、前記増幅手段に前記選択信号を与えることを特徴とする請求項17記載の調芯装置。 - 前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、1つの軸に関して1次元的に繰り返して往復走査させる往復走査手段を備え、
前記制御手段は、前記往復走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、前記1つの軸に関する1次元的な光強度分布を得る手段と、前記第1の制御において、前記1次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むことを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の調芯装置。 - 前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度の所定範囲の積分値又は平均値を得る手段と、前記往復走査の中心位置が、前記第1の光学部品から出射される光の光軸方向に対する略垂直な所定方向に移動して、前記積分値又は前記平均値が最大となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むことを特徴とする請求項20記載の調芯装置。
- 前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度のピーク値又は所定比率値幅を得る手段と、前記往復走査の中心位置が、所定方向に移動して、前記ピーク値が最大となる位置又はその付近の位置あるいは前記所定比率値幅が最小となる位置又はその付近の位置で前記所定方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むことを特徴とする請求項20又は21記載の調芯装置。
- 前記制御手段は、前記1次元的な光強度分布から光強度の積分値又は平均値又はピーク値を得る手段と、前記光源モジュールから出射される光の光軸方向と略一致する第1の方向に対する略垂直な第2の方向に前記往復走査の中心位置が調芯位置に対してオフセットした状態で、前記中心位置が前記第1の方向に移動して前記積分値又は前記平均値又は前記ピーク値が最小となる位置又はその付近の位置で前記第1の方向への移動を停止するように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むことを特徴とする請求項20乃至22のいずれかに記載の調芯装置。
- 前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段を備え、
前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第2の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光源モジュールの相対的な位置が調整されるように、前記第2の移動手段を制御する手段と、を含むことを特徴とする請求項17乃至23のいずれかに記載の調芯装置。 - 前記制御手段は、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段を、含むことを特徴とする請求項24記載の調芯装置。
- 前記光学部品が光ファイバ又は光導波路デバイスであることを特徴とする請求項17乃至25のいずれかに記載の調芯装置。
- 前記光源モジュールが偏光光を出射し、
前記光学部品が偏波面保持光ファイバであり、
前記集光レンズに対する前記光学部品の、前記集光レンズの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を変更させる回転手段を備え、
前記制御手段は、前記第1の制御の後でかつ前記第2の制御の前に、前記光源モジュールから出射されて前記集光レンズを経由した光の前記光学部品に対する結合が大きくなるように前記光検出器の出力に基づいて、前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する第3の制御を、行うことを特徴とする請求項17乃至25のいずれかに記載の調芯装置。 - 前記光学部品を前記集光レンズに対して相対的に、前記集光レンズの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段を備え、
前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第3の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記集光レンズに対する前記光学部品の前記相対的な回転位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する手段と、を含むことを特徴とする請求項27記載の調芯装置。 - 集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバとの相対的な位置を、調整する調芯装置であって、
前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの3次元の相対的な位置を変更させる移動手段と、
前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略平行な軸回りの相対的な回転位置を変更させる回転手段と、
前記光源モジュールから出射され前記偏波面保持光ファイバに導入された光を検出する光検出器の出力に基づいて、前記移動手段及び前記回転手段を制御する制御手段と、
前記偏波面保持光ファイバを前記光源モジュールに対して相対的に、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面内で2次元的に繰り返して走査させる2次元走査手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの3次元の相対的な位置が調整されるように、前記第1の移動手段を制御する第1の制御と、該第1の制御の後に、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する第2の制御と、を行い、
前記制御手段は、前記2次元的な走査に従って得られる前記光検出器の出力に基づいて、2次元的な光強度分布を得る手段と、前記第2の制御において、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの前記相対的な回転位置が調整されるように、前記回転手段を制御する手段と、を含む、
ことを特徴とする調芯装置。 - 前記制御手段は、前記2次元的な光強度分布に基づいて、前記光源モジュールから出射された光の前記偏波面保持光ファイバに対する結合が大きくなるように前記光源モジュールに対する前記偏波面保持光ファイバの、前記光源モジュールの光軸と略垂直な面方向の相対的な位置が調整されるように、前記移動手段を制御する手段を、含むことを特徴とする請求項29記載の調芯装置。
- 実質的に平行光を出射する光源モジュールと、光が入射される光学部品と、前記光源モジュールから出射された前記平行光を前記光学部品の入射端付近に集光させる集光レンズとを、有する光学モジュールを製造する製造装置であって、
請求項17乃至28のいずれかに記載の調芯装置と、
調芯後に前記光源モジュールと前記集光レンズと前記光学部品との間を固定する固定手段と、
を備えたことを特徴とする光学モジュールの製造装置。 - 集光点に集光される偏光光を出射する光源モジュールと、該光源モジュールから出射された光が入射される偏波面保持光ファイバと、を有する光学モジュールを製造する製造装置であって、
請求項29又は30記載の調芯装置と、
調芯後に前記光源モジュールと前記偏波面保持光ファイバとの間を固定する固定手段と、
を備えたことを特徴とする光学モジュールの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003209728A JP2005077436A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003209728A JP2005077436A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005077436A true JP2005077436A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34402560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003209728A Pending JP2005077436A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005077436A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008233731A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Konica Minolta Opto Inc | レーザモジュールおよびその光軸調整方法 |
JP2008249913A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Precise Gauges Co Ltd | 光部品実装方法及び装置 |
JP2008250731A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Konica Minolta Opto Inc | 位置決め装置 |
US7593104B2 (en) | 2005-10-24 | 2009-09-22 | Seiko Epson Corporation | Method for manufacturing optical module, positioning apparatus, evaluation method and evaluation apparatus for evaluating optical module |
JP2011511318A (ja) * | 2008-01-30 | 2011-04-07 | コーニング インコーポレイテッド | 光パッケージを位置合わせする方法およびシステム |
CN102621164A (zh) * | 2012-02-24 | 2012-08-01 | 深圳大学 | 多光锥耦合数字x射线探测器的耦合装置 |
KR101249437B1 (ko) | 2011-09-23 | 2013-04-03 | (주)에이디에스 테크놀로지 | 광 정렬 제어장치 |
JP2021048953A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社アドバンテスト | 内視鏡、蛍光測定装置およびレンズ保持筒状体 |
US11333833B2 (en) | 2016-12-06 | 2022-05-17 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Alignment method |
-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003209728A patent/JP2005077436A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7593104B2 (en) | 2005-10-24 | 2009-09-22 | Seiko Epson Corporation | Method for manufacturing optical module, positioning apparatus, evaluation method and evaluation apparatus for evaluating optical module |
JP2008233731A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Konica Minolta Opto Inc | レーザモジュールおよびその光軸調整方法 |
JP2008249913A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Precise Gauges Co Ltd | 光部品実装方法及び装置 |
JP2008250731A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Konica Minolta Opto Inc | 位置決め装置 |
JP2011511318A (ja) * | 2008-01-30 | 2011-04-07 | コーニング インコーポレイテッド | 光パッケージを位置合わせする方法およびシステム |
KR101249437B1 (ko) | 2011-09-23 | 2013-04-03 | (주)에이디에스 테크놀로지 | 광 정렬 제어장치 |
CN102621164A (zh) * | 2012-02-24 | 2012-08-01 | 深圳大学 | 多光锥耦合数字x射线探测器的耦合装置 |
US11333833B2 (en) | 2016-12-06 | 2022-05-17 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Alignment method |
JP2021048953A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社アドバンテスト | 内視鏡、蛍光測定装置およびレンズ保持筒状体 |
WO2021059611A1 (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 株式会社アドバンテスト | 内視鏡、蛍光測定装置およびレンズ保持筒状体 |
JP7198184B2 (ja) | 2019-09-24 | 2022-12-28 | 株式会社アドバンテスト | 内視鏡、蛍光測定装置およびレンズ保持筒状体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4810251B2 (ja) | 原子間力顕微鏡 | |
JP3860121B2 (ja) | 測定装置における移動の切り離し及び測定のための装置及び方法 | |
US6970627B2 (en) | Method and apparatus for core alignment between optical components | |
JP2821005B2 (ja) | 微細表面形状計測装置 | |
KR20140129047A (ko) | 빔 스캐닝 시스템 | |
JP2003500660A (ja) | レーザスキャナーの走査対象である平面の位置把握方法およびそのためのシステム | |
JP2005077436A (ja) | 調芯方法及びその装置、並びに、これを用いた光学モジュールの製造方法及びその装置 | |
JP2018151187A (ja) | 走査型プローブ顕微鏡 | |
JP3349779B2 (ja) | スキャナシステム及びこれを用いた走査型顕微鏡 | |
JPH0961683A (ja) | 光デバイス組立方法およびその装置 | |
JP4327225B2 (ja) | 調芯位置に近づける方法、光学部品の調芯装置、並びに光学部品の組立体の製造方法 | |
JP4327223B2 (ja) | 光学部品の調芯装置 | |
US7601949B2 (en) | Optical scanner device | |
JP4327224B2 (ja) | 光学部品に関する直線を平行に近づける方法、光学部品の調芯装置、並びに光学部品の組立体の製造方法 | |
JP2008134190A (ja) | カンチレバーホルダーおよびこれを備えた走査型プローブ顕微鏡 | |
JPH06265759A (ja) | 自動光軸合わせ装置 | |
CN112630144A (zh) | 扫描型探针显微镜以及扫描型探针显微镜的位置调整方法 | |
JP2001050862A (ja) | 光ピックアップ対物レンズの収差測定装置 | |
JP2791121B2 (ja) | 微細表面形状計測装置 | |
JP4868309B2 (ja) | 探針先端の位置合わせ方法 | |
JPH07181030A (ja) | 原子間力顕微鏡 | |
JP3353965B2 (ja) | スキャナシステム及びこれを用いた走査型顕微鏡 | |
JP4162508B2 (ja) | 走査型プローブ顕微鏡用の走査機構及び走査型プローブ顕微鏡 | |
JPH10260023A (ja) | 測定顕微鏡 | |
JP2000031583A (ja) | 発光素子の発光点検出方法、および光学素子固定装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080317 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090818 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091222 |