JP2005076818A - トロイダル型無段変速機のローディングカム機構 - Google Patents
トロイダル型無段変速機のローディングカム機構 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 カム面とテーパローラとの接触部に生じる滑りを減らすことができるトロイダル型無段変速機のローディングカム機構を提供する。
【解決手段】 トロイダル型無段変速機のローディングカム機構25は、入力軸10の軸線まわりに回転自在なカムディスク26を備えている。カムディスク26のカム面30と、入力ディスク11のカム面31との間に、テーパローラ27が配置されている。テーパローラ27のコーンセンタは、カムディスク26の回転軸線よりもテーパローラ27から遠い側に位置している。
【選択図】 図1
【解決手段】 トロイダル型無段変速機のローディングカム機構25は、入力軸10の軸線まわりに回転自在なカムディスク26を備えている。カムディスク26のカム面30と、入力ディスク11のカム面31との間に、テーパローラ27が配置されている。テーパローラ27のコーンセンタは、カムディスク26の回転軸線よりもテーパローラ27から遠い側に位置している。
【選択図】 図1
Description
この発明は、例えば自動車用変速機として利用されるトロイダル型無段変速機のローディングカム機構に関する。
自動車用変速機のバリエータ部に、ハーフトロイダル型無段変速機を使用することが知られている(例えば下記特許文献1参照)。ハーフトロイダル型無段変速機は、図4に模式的に示すように、入力軸101と、入力ディスク102と、出力軸103と、出力ディスク104と、傾斜角度を変化させることのできる変位軸105と、変位軸105によって回転自在に支持されたパワーローラ106などを備えている。パワーローラ106は入力ディスク102と出力ディスク104との間に挟まれている。
入力ディスク102の背面側に、ローディングカム機構107が設けられている。ローディングカム機構107は、第1のカム面109を有するカムディスク108と、入力ディスク102の背面に形成された第2のカム面110と、転動体の一例であるテーパローラ112などを備えている。カム面109,110は、それぞれ、ディスク102,108の円周方向に交互に形成された凸部P1と凹部P2とを有している。
図示しないエンジンによって入力軸101が回転し、カムディスク108が回転すると、カム面109,110の相対位置がカムディスク108の周方向にずれる。このとき、カム面109,110間に挟まれているテーパローラ112を介して、ディスク102,108が互いに拘束し合うことにより、カムディスク108から入力ディスク102にトルクが伝達される。入力ディスク102が回転すると、その回転がパワーローラ106を介して出力ディスク104に伝達される。
特開2000−35100号公報
従来のテーパローラ112を用いたローディングカム機構107は、スラストテーパ軸受を基にしている。このため、図5に示されるように、テーパローラ112のコーンセンタCがディスクの回転軸線X上に位置している。単なるスラストテーパ軸受では、ディスクとテーパローラとの接触面が周方向に平坦であるため、テーパローラとディスクとの接触部に実質的な滑りが生じない。
ところが前記ローディングカム機構107のように、カム面109,110上をテーパローラ112が転がる場合、以下に説明するようにカム面109,110とテーパローラ112との接触部に滑りが生じる。
図6に一方のカム面109を代表して示すように、テーパローラ112がカム面109を転がったとする。カム面109のカムリードLは、ディスク108の内径側と外径側とで一定である。このため、テーパローラ112の軸線方向中央の滑りがゼロであるとすると、図7に示すように、カム面109を転がるテーパローラ112は、その大径側がカム面109よりも進もうとし、小径側がカム面109よりも遅れることになる。
このため、テーパローラ112の大径側と小径側とで互いに逆向きの滑りが発生する。この滑りにより、カム面109とテーパローラ112との間の力の伝達効率(カム効率)が悪化する。
従ってこの発明の目的は、カム面とテーパローラとの間の滑りを低減できるトロイダル型無段変速機のローディングカム機構を提供することにある。
本発明は、入力軸の軸線まわりに回転自在でかつ周方向に沿って第1のカム面を有するカムディスクと、前記第1のカム面と対向する第2のカム面を有しかつ前記カムディスクに対し周方向に相対移動可能な入力ディスクと、前記第1のカム面と前記第2のカム面との間に配置されるテーパローラと、を有するトロイダル型無段変速機のローディングカム機構において、前記テーパローラのコーンセンタが、前記カムディスクの回転中心よりも前記テーパローラから遠い側に位置している。
このように構成された本発明のローディングカム機構は、前記テーパローラが前記カム面を転がる際に、カム面に対してテーパローラの大径側が遅れ、小径側が進もうとする。このことにより、カムリード一定のカム面をテーパローラが転がる際に生じる「大径側が進み、小径側が遅れる動き」が相殺され、カム面とテーパローラとの接触部の滑りが低減する。
この発明によれば、カム面とテーパローラを有するローディングカム機構において、カム面とテーパローラとの接触部の滑りが低減し、カム効率が向上する。
以下に本発明の一実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1に示されたハーフトロイダル型無段変速機は、入力軸10と、この入力軸10と一体に回転する入力ディスク11と、入力軸10と同心の出力軸12と、出力軸12に固定された出力ディスク13と、入力ディスク11と出力ディスク13との間に設けられた一対のパワーローラ15などを備えている。
図1に示されたハーフトロイダル型無段変速機は、入力軸10と、この入力軸10と一体に回転する入力ディスク11と、入力軸10と同心の出力軸12と、出力軸12に固定された出力ディスク13と、入力ディスク11と出力ディスク13との間に設けられた一対のパワーローラ15などを備えている。
パワーローラ15の外周面15aは、入力ディスク11のトラクション面11aと出力ディスク13のトラクション面13aに接している。入力軸10と同一軸線上に、エンジン等の駆動源によって回転する駆動軸16が設けられている。各パワーローラ15は、パワーローラ軸受17によって、トラニオン18に回転自在に取付けられている。トラニオン18は、それぞれトラニオン軸19を中心として揺動可能である。
入力ディスク11の背面側に、ローディングカム機構25が設けられている。ローディングカム機構25は、カムディスク26と、テーパローラ27とを含んでいる。カムディスク26は、入力軸10にベアリング28を介して支持され、入力軸10の軸線まわりに回転自在である。カムディスク26に第1のカム面30が形成されている。入力ディスク11には、第1のカム面30と対向する第2のカム面31が形成されている。
カム面30,31間に前記テーパローラ27が配置されている。これらテーパローラ27は、保持器32によって、カム面30,31の周方向に所定ピッチで保持されている。カム面30,31には、それぞれ、ディスク11,26の円周方向に沿って、交互に凹部と凸部が形成されている。カムディスク26の裏面側に係止部42(図1に示す)が形成されている。係止部42は駆動軸16に形成された受け部43に係合する。
図2に示されるように、カム面30,31は、ディスク11,26の半径方向に関してテーパローラ27のテーパ角θと対応した角度でそれぞれ傾いている。テーパローラ27のコーンセンタCは、ディスク11,26の回転軸線Xに対してテーパローラ27から遠い側に位置している。
次に、上記ローディングカム機構25の作用について説明する。
図示しないエンジンによって駆動軸16が回転すると、カムディスク26が回転することにより、カム面30,31の相対位置がカムディスク26の周方向にずれる。このためカム面30,31間に挟まれているテーパローラ27がカム面30,31を少し転がったのち、入力ディスク11とカムディスク26とがテーパローラ27を介して互いに拘束し合う。このことにより、入力ディスク11がテーパローラ27を介してカムディスク26と一体に回転する。
図示しないエンジンによって駆動軸16が回転すると、カムディスク26が回転することにより、カム面30,31の相対位置がカムディスク26の周方向にずれる。このためカム面30,31間に挟まれているテーパローラ27がカム面30,31を少し転がったのち、入力ディスク11とカムディスク26とがテーパローラ27を介して互いに拘束し合う。このことにより、入力ディスク11がテーパローラ27を介してカムディスク26と一体に回転する。
入力ディスク11が回転すると、その回転がパワーローラ15を介して出力ディスク13に伝わることにより、出力軸12が回転する。このトラクションドライブのために、トロイダル型無段変速機では潤滑油を兼ねたトラクション油が使用されている。
本実施形態では、図2に模式的に示すように、テーパローラ27のコーンセンタCが、ディスク11,26の回転軸線Xよりもテーパローラ27から遠い側に位置している。このことにより、図3に一方のカム面30を代表して示すように、カム面30上をテーパローラ27が転がる際に、テーパローラ27の大径側がカム面30よりも遅れ、テーパローラ27の小径側はカム面30よりも進む傾向となる。
このため、図7に示す従来のテーパローラに生じる滑り(大径側がカム面よりも進み、小径側がカム面よりも遅れることによる滑り)を相殺させることができる。他方のカム面31とテーパローラ27との間においても、一方のカム面30と同様に滑りを抑制することができる。
10…入力軸
11…入力ディスク
25…ローディングカム機構
26…カムディスク
27…テーパローラ
30…第1のカム面
31…第2のカム面
C…コーンセンタ
X…回転軸線
11…入力ディスク
25…ローディングカム機構
26…カムディスク
27…テーパローラ
30…第1のカム面
31…第2のカム面
C…コーンセンタ
X…回転軸線
Claims (1)
- 入力軸の軸線まわりに回転自在でかつ周方向に沿って第1のカム面を有するカムディスクと、
前記第1のカム面と対向する第2のカム面を有しかつ前記カムディスクに対し周方向に相対移動可能な入力ディスクと、
前記第1のカム面と前記第2のカム面との間に配置されるテーパローラと、
を有するトロイダル型無段変速機のローディングカム機構において、
前記テーパローラのコーンセンタが、前記カムディスクの回転中心よりも前記テーパローラから遠い側に位置することを特徴とするトロイダル型無段変速機のローディングカム機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003310354A JP2005076818A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | トロイダル型無段変速機のローディングカム機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003310354A JP2005076818A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | トロイダル型無段変速機のローディングカム機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005076818A true JP2005076818A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34412249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003310354A Pending JP2005076818A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | トロイダル型無段変速機のローディングカム機構 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005076818A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016200208A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
-
2003
- 2003-09-02 JP JP2003310354A patent/JP2005076818A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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