JP2005076193A - 化粧工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材に対し、所望の色相に着色された下塗材を塗付する第1の工程、目地基材と、目地基材から剥離可能な部材とからなり、前記目地基材が透明性を有するものである目地材を貼り付ける第2の工程、仕上塗材を塗付する第3の工程、前記剥離可能な部材を剥す第4の工程、により化粧面を形成する。第2の工程における部材としては、上端部に嵌合凹部が形成された目地基材と、目地基材の嵌合凹部に嵌合可能な目地芯材とからなるものが望ましい。
【選択図】なし
Description
このような化粧方法としては、例えば、樹脂発泡体等からなる目地材を被塗面に貼り付けた上から、合成樹脂エマルション等の結合材と着色材や骨材等を含有させた仕上塗材を塗付した後、目地材を除去して、天然石調、陶磁器タイル調、レンガ調等の模様を施す方法がある(特許文献1等)。
このような方法では、天然石やタイル、レンガ等を一枚一枚貼着する場合に比べて、工期が大幅に短縮される上、コストも大幅に削減できる。しかも、天然石、陶磁器タイル、レンガ等とほぼ同等の美観性を表出することができる。
しかしながら、このような埋め目地工法では、目地基材として着色成型体を使用することによって目地色を表出している。そのため、黒色、灰色、茶色等のごく少数の限定された色相の中から目地色を選択せざるを得ない。すなわち、従来の埋め目地工法では、目地色の選択幅が小さく、仕上塗材と目地との色相の組み合わせにも限界があった。
1.基材に対し、所望の色相に着色された下塗材を塗付する第1の工程、
目地基材と、目地基材から剥離可能な部材とからなり、前記目地基材が透明性を有するものである目地材を貼り付ける第2の工程、
仕上塗材を塗付する第3の工程、
前記剥離可能な部材を剥す第4の工程、
を有することを特徴する化粧工法。
2.基材に対し、所望の色相に着色された下塗材を塗付する第1の工程、
上端部に嵌合凹部が形成された目地基材と、目地基材の嵌合凹部に嵌合可能な目地芯材とからなり、前記目地基材が透明性を有するものである目地材を貼り付ける第2の工程、
仕上塗材を塗付する第3の工程、
前記目地芯材を剥す第4の工程、
を有することを特徴する化粧工法。
3.前記目地材における嵌合凹部の断面が丸形であることを特徴とする2.記載の化粧工法。
4.目地幅が0.5〜5.0mmであることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の化粧工法。
本発明では、着色された下塗材を使用する。このような下塗材は、通常、結合剤及び着色剤を含む。
結合剤としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂、粉末樹脂、セメント、石膏、シリカ等の各種結合剤、あるいはこれらを複合化した結合剤等を使用することができる。このような結合剤の形態は特に限定されず、1液型、2液型のいずれであってもよい。本発明では特に、水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂が好適に用いられる。使用可能な樹脂の種類としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機系着色顔料、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム等の体質顔料等が挙げられる。
骨材としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも一種以上が使用可能である。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、珪砂、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、金属粒、植物性粉粒体等や、これらの表面を着色コーティングしたもの等が挙げられる。
これら着色剤は、結合剤の固形分100重量部に対し、通常5〜1200重量部、好ましくは50〜1000重量部の比率で混合する。
本発明における目地材としては、目地基材と、目地基材から剥離可能な部材とからなり、当該目地基材が透明性を有するものを使用する。図1〜9に、本発明目地材の具体例を示す。
図1の目地材1では、目地基材2の上端部に剥離紙3が積層されている。このうち目地基材2は、透明性を有するものである。目地基材2は、無色透明であることが望ましいが、下塗材が視認可能であれば着色を施したものであってもよい。
また、目地基材2の透明性が確保できる範囲内であれば、樹脂成分以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、着色剤、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
目地材1の厚さ(C)は、特に限定されないが、通常0.5〜10mm程度である。
目地材1の長軸方向の長さは、使用用途により適宜設定することができるが、作業性を考慮し、0.2〜2m程度とするのが好ましい。
なお、図2や図3に示すように、目地基板部5は目地凸部4と一体化させてもよい。
図4に示す目地材1において、目地基材2は、目地基板部5表面に目地凸部4が突設され、該目地凸部4の上端に嵌合凹部7を有する形状となっている。このような形状の目地材では、嵌合凹部7の上面における開口部の幅(A)が目地幅となる。
目地芯材6は、目地基材2の嵌合凹部7と嵌合可能なものを使用することができる。目地芯材6の断面形状及び幅は該嵌合凹部7と嵌合するよう適宜設定すればよい。
目地芯材6の材質は、特に限定されないが、例えば、目地基材2と同様のプラスチックやゴムの他、リード線、釣り糸、たこ糸、針金、ピアノ線、竹等を使用することができる。目地芯材6は、透明であっても不透明であってもよい。また、着色を施したものであってもよい。
目地芯材6は、公知の方法で成形することができる。成形方法としては、例えば、圧縮成形、トランスファ成形、積層成形、射出成形、押出成形、吸込成形等が挙げられる。
なお、ここに言う丸形には、円形、楕円形等の形状を有するものを包含する。
本発明で使用する仕上塗材としては、特に限定されず、例えば、JIS A 6909に規程される建築用仕上塗材及びこれらの類似材料、石材調塗材、調湿性仕上塗材、左官用の各種内外装用仕上塗材、各種塗り床材、天井材、舗装材等が挙げられる。この中でも特に、砂岩調、天然石調、自然石調、陶磁器タイル調、レンガ調等の模様が形成可能な塗材が好適である。
仕上塗材としては、通常、結合剤及び骨材を含有する塗材が用いられる。
これら骨材は、結合剤の固形分100重量部に対し、通常30〜1200重量部、好ましくは100〜1000重量部の比率で混合する。
本発明化粧工法の概略を図12に示す。
本発明化粧工法は、建築物の内外装や床、あるいは土木構造物等に適用することができる。基材としては、このような部位に使用可能な材料であれば特に限定されず、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、プラスチック板、金属板、木工板、ガラス、陶磁器タイル等の各種基材を挙げることができる。またこれら基材の表面は、何らかの表面処理(フィラー処理、サーフェーサー処理、シーラー処理等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたものであってもよい。
下塗材の塗装方法としては、特に限定されず、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等の方法を採用することができる。下塗材の塗付量は、基材が隠蔽可能となる範囲内であればよく、通常0.1〜2kg/m2程度、好ましくは0.2〜1kg/m2程度である。
目地材を貼り付ける際には、粘着剤、接着剤等(以下「粘着剤等」ともいう)を用いて貼り付けることができる。このとき、予め目地材の裏面に粘着層、接着層を設けておくこともできる。なお、粘着剤等としては、通常、透明性を有するものを使用する。粘着剤等を用いる場合は、下塗材が乾燥した後に目地材を貼り付ければよい。
本発明では、下塗材の接着力を利用して目地材を貼り付けることもできる。この場合は、下塗材の乾燥前に、その表面に目地材を押し当てて固定化すればよい。
目地幅は、通常0.5〜10mm程度であり、この範囲内で適宜設定することができる。目地材の高さは、通常0.5〜10mm程度である。
仕上塗材の塗装方法としては、特に限定されず、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り等の方法を採用することができる。
仕上塗材の塗付量は、目地材における目地芯材が剥離可能であれば、特に限定
されない。通常、仕上塗材の塗付厚は1〜10kg/m2程度、好ましくは2〜5kg/m2程度である。
仕上塗材の色相は、目地色との組み合わせによる仕上り状態等を考慮して選定することができる。所望の色相の仕上塗材を得るには、仕上塗材に含まれる骨材や顔料の種類、混合量等を適宜調整すればよい。
第4の工程の後には、目地基材が化粧面に残存する(図12の(4))。本発明では、目地基材が透明性を有するものであるため、下塗材の色相が化粧面の目地色となる。したがって、下塗材の色相を調整することによって、目地色を所望の色相にすることができる。また、目地部全体が目地基材で覆われるため、目地部からの水の浸入等を抑制し、目地部の防水性を高めることもできる。
上塗材を塗付する方法としては、公知の方法が採用でき、例えば、吹き付け、ローラー、刷毛塗り等の各種方法が可能である。
なお、本発明の化粧工法は、主として建築現場での施工に適用するものであるが、工場内における各種パネル、ボード類の表面化粧に適用することも可能である。
目地幅(A)が10mm、目地基板部5の幅(B)が14mm、目地基材2の厚さ(C)が3mm、目地基板部の厚さ(D)が1mmであり、断面が台形状の嵌合凹部7を有する無色透明のポリプロピレン製目地基材に、台形状のポリプロピレン製目地芯材を嵌め込み、目地材を作製した(図10)。
スレート板に対し、グレー色に調色したライムキャッスル下塗材(エスケー化研株式会社製)を塗付量0.2kg/m2でローラー塗りし、2時間乾燥させた。
次いで、上記目地材の目地基板部の裏面に無色透明の粘着剤を塗付し、下塗材表面に対し格子状に貼り付けた後、仕上塗材としてクリーム色のライムキャッスル(エスケー化研株式会社製:石灰石調塗材)を塗付量4.5kg/m2でコテ塗りした。その後、仕上塗材が乾燥する前に、目地芯材を剥離した。
24時間乾燥後、化粧面の外観を確認した。実施例1では、クリーム色の石灰石調模様とグレー色の目地を有する美観性の高い化粧面を得ることができた。
下塗材として茶色に調色したライムキャッスル下塗材を使用した以外は、実施例1と同様にして化粧面を得た。
実施例2では、クリーム色の石灰石調模様と茶色の目地を有する美観性の高い化粧面を得ることができた。
下塗材として白色に調色したライムキャッスル下塗材を使用した以外は、実施例1と同様にして化粧面を得た。
実施例3では、クリーム色の石灰石調模様と白色の目地を有する美観性の高い化粧面を得ることができた。
目地幅(A)が1.2mm、目地基板部5の幅(B)が2.0mm、目地基材2の厚さ(C)が2.0mm、目地基板部の厚さ(D)が1.0mmであり、直径1.2mmの円形状の嵌合凹部7を有する無色透明のポリプロピレン製目地基材に、直径1.2mmの円形状のリード線を嵌め込み、目地材を作製した。
スレート板に対し、クリーム色に調色したライムキャッスル下塗材(エスケー化研株式会社製)を塗付量0.2kg/m2でローラー塗りし、2時間乾燥させた。
次いで、上記目地材の目地基板部の裏面に無色透明の粘着剤を塗付し、下塗材表面に対し格子状に貼り付けた後、仕上塗材としてクリーム色のライムキャッスル(エスケー化研株式会社製:石灰石調塗材)を塗付量4.5kg/m2でコテ塗りした。その後、仕上塗材が乾燥する前に、リード線を剥離した。このとき、目地幅が細いにもかかわらず簡単にリード線を剥離することができた。
24時間乾燥後、化粧面の外観を確認した。実施例4では目地が目立たず、突き合わせ風の石灰石調の意匠性を得ることができた。
2:目地基材
3:剥離紙
4:目地凸部
5:目地基板部
6:目地芯材
7:嵌合凹部
8:基材
9:下塗材
10:仕上塗材
A:目地幅
B:目地基板部の幅
C:目地基材の厚さ
D:目地基板部の厚さ
Claims (4)
- 基材に対し、所望の色相に着色された下塗材を塗付する第1の工程、
目地基材と、目地基材から剥離可能な部材とからなり、前記目地基材が透明性を有するものである目地材を貼り付ける第2の工程、
仕上塗材を塗付する第3の工程、
前記剥離可能な部材を剥す第4の工程、
を有することを特徴する化粧工法。 - 基材に対し、所望の色相に着色された下塗材を塗付する第1の工程、
上端部に嵌合凹部が形成された目地基材と、目地基材の嵌合凹部に嵌合可能な目地芯材とからなり、前記目地基材が透明性を有するものである目地材を貼り付ける第2の工程、
仕上塗材を塗付する第3の工程、
前記目地芯材を剥す第4の工程、
を有することを特徴する化粧工法。 - 前記目地材における嵌合凹部の断面が丸形であることを特徴とする請求項2記載の化粧工法。
- 目地幅が0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧工法。
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