JP2005075899A - 地盤注入用シリカ溶液および地盤注入工法 - Google Patents

地盤注入用シリカ溶液および地盤注入工法 Download PDF

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Abstract

【課題】水ガラスおよび酸性材を含む地盤注入用シリカ溶液および地盤注入工法であって、シリカ濃度を高くしても安定したシリカ溶液を得、さらにこのシリカ溶液に反応剤を添加することにより高強度の固結体を得る。
【解決手段】上述のシリカ溶液は水ガラスおよび酸性材、またはこれにアルカリ剤、さらには水ガラスおよび酸性材に活性シリカおよび/またはコロイダルシリカをそれぞれ含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させて構成される。また上述の地盤注入工法はこのシリカ溶液に反応剤を含有せしめ、地盤中に注入して構成される。
















Description

本発明は水ガラスおよび酸性材を有効成分として含有し、水ガラスのアルカリの一部を酸性材で中和することにより、あるいはさらにアルカリ剤を含有せしめることにより、さらには活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させたアルカリ性の地盤注入用シリカ溶液およびこれを用いた地盤注入工法に関する。
水ガラスのアルカリの一部を酸性材で中和してモル比を高めると、水ガラス中に活性シリカが形成され、この活性シリカが残りのシリカと重合し、高分子化してコロイド状となる。このコロイドはアルカリ雰囲気中で直ちにゲル化することなく、ある期間安定したアルカリ性シリカコロイドである。本発明者はこのシリカコロイドに反応剤を添加すると、長結〜瞬結まで安定したゲル化時間を得ることを見い出し、これを地盤注入に利用することにより、アルカリ性〜酸性領域でゲル化時間を調整し得る地盤注入用シリカ溶液および地盤注入工法を見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は上述のようにコロイド状とすることにより、アルカリ性〜酸性の広い範囲で、長いゲル化時間および安定したゲル化が得られ、特に、アルカリ性〜弱酸性の範囲で長結〜瞬結の安定したゲル化時間が得られ、このため、作業性に優れるのみならず、反応生成物が少なくてすみ、水質保全性に優れた地盤注入用シリカ溶液および地盤注入工法を得る。
さらに、本発明はゲルの収縮やシリカの溶出がなく、長いゲル化時間であっても高強度を呈して耐久性に優れ、かつ、シリカ濃度が低くても充分な高強度が得られ、しかも強度発現が早いのみならず、コンクリート構造物付近や貝殻を多く含むアルカリ性地盤であっても確実に固結し、また、セメント系固結材との併用性にも優れ、さらに、コロイド状を呈するため、地下水のPH変化が少なくてすみ、このため、低環境負荷にも優れる。
従来、水ガラスを用いた地盤固結材の技術分野では、アルカリ領域で、しかも長いゲル化時間で安定なゲルを形成することは困難であった。この理由は水ガラスを長いゲル化時間でゲル化させるためには、水ガラス溶液に含まれるアルカリの当量に対して過少の当量の反応剤を用いざるを得ないことにある。このため、ゲル化物に多くの未反応水ガラスが含まれ、そのアルカリによってシリカゲルが解重合し、シリカ分が溶解して耐久性が得られず、かつ強度が低く、経日的に強度が大幅に低下し、さらにゲル化物がシネリシスによって収縮し、固結砂の透水性が低下してゲルが不安定になる等の問題点があった。したがって、従来では、長いゲル化時間の水ガラスグラウトはアルカリ領域では実用に適さなかった。
このため、従来では、水ガラスグラウトは反応剤として無機反応剤を用いる場合には、ゲル化時間が短く、仮設用にのみ用いられてきた。また、反応剤として有機反応剤を用いる場合には、瞬結〜数十分のゲル化時間が可能であるが、有機反応剤による地下水の汚染が生じ、BODやCODの問題が生じた。
これらの問題を解決するため、従来、水ガラスと酸を混合して得られる酸性〜中性の水
ガラスグラウトが広く使用に供されている。このグラウトは水ガラスのアルカリを中和によって除去したものであり、長いゲル化時間を得ることから、耐久性、浸透性に優れている点で極めて優れた注入材といえる。
しかるに、そのゲル化物はシネリシスによる収縮が大きいという問題がある。さらに、水ガラスと酸のPHと、ゲル化時間との関係では、図7の曲線(1)、(2)、(3)に示されるように中性領域で10秒以内と短く、アルカリ領域でも、酸性領域でもPH変化に応じてゲル化時間が大幅に変動し、ゲル化時間の調整が難しい。特に、アルカリ領域では、ゲル化時間を長くすると、ゲル化が不安定で、ゲル化しないことも起こりやすい。ゲル化時間を長くするためにはPHが1〜3の強酸性にする必要から酸を多く用いなくてはならず、経済性に劣るのみならず、地下水が酸性になったり、さらには反応生成物が多くなり、環境負荷が大きいという問題があった。
さらに、環境負荷が少なく、耐久性に優れた固結材として、水ガラスのアルカリをイオン交換樹脂で除去してなるPHが2〜4の活性シリカを加熱濃縮して増粒し、PH9〜10で粒径が10〜20nm、シリカ濃度がほぼ30%のコロイダルシリカを用いた固結材が本出願人等によってすでに開発されている。このコロイダルシリカはチンダル現象による乳白色を呈し、PH10付近でNaCl等の中性塩によりゲル化する。
しかし、この固結材はコロイダルシリカが高価で、またシリカ濃度が高いにも係わらず、強度が低く、かつ強度発現も遅いという欠点があった。このため、本出願人は水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜で処理して得られるPH2〜4程度の酸性を呈する活性シリカによるグラウトを開発した。
しかし、活性シリカは製造上、シリカ濃度を薄くせざるを得ず、工業的には通常、4.5重量%以下、実験室的には6重量%以下であり、このため強度が弱い。また、反応性が高いので、安定性が1日程度である。このため、これを現場に搬入するまでにゲル化することも起こり、実用性に欠ける。さらに、イオン交換樹脂やイオン交換膜によって脱アルカリされた水ガラスのアルカリNaOはこれを中和処理するために大量の水と酸性中和材を必要とし、このため大きな排水処理装置が必要となって高価となる。
なお、上述の活性シリカを酸によってPH1〜2に調整すると、20℃の温度では2〜3日間はゲル化しない。しかし、夏場の高温時では、例えばローリー車で現場に搬入する際には、ローリー車の中でゲル化してしまう。
特願2002−365593
本発明は上述の諸問題を解決するためになされたものであって、イオン交換樹脂やイオン交換膜を用いずに水ガラスのアルカリの一部を酸性材と反応させて水ガラスの見かけ上のモル比を高めた地盤注入用シリカ溶液およびこのシリカ溶液を用いた地盤注入工法にかかわる。すなわち、本発明は水ガラスのシリカを高分子化し、いわゆるコロイド状シリカとして地盤注入用に利用したものである。
この種の本発明技術は取扱操作が簡単であって、工場あるいは現場において短時間でシリカコロイドとすることができる。また、本発明はイオン交換法のように多量の廃水を生じることなく、作業性に優れるのみならず、ほぼ中性領域でゲル化時間をコントロールでき、このため、環境保全上も極めて優れている。
また、このようにして得られたアルカリ性のコロイド状シリカは、コロイド化しているためチンダル現象により半透明を呈し、かつ、アルカリ金属中性塩等の無機塩類単独で均質にゲル化する点、水ガラスとは異なる。すなわち、水ガラスに無機塩類、例えば、塩化カリウムや塩化ナトリウムを添加しても全体がゲル化することはなく、直ちに部分的な白濁沈殿を生じる。また、塩を多量に添加しても白色ペースト状の沈殿が生じるのみで、全体がゲル化することはない。このため、従来の水ガラスグラウトではこれらのアルカリ金属の中性塩は他の反応剤と併用してゲル化促進剤として使用されていた。
しかるに、本発明にかかるシリカ溶液では均質にゲル化する。これはシリカ溶液がシリカコロイドで形成されていることに起因する。すなわち、本発明者はイオン交換樹脂やイオン交換膜を用いずに、また、濃縮して増粒するようなことをせずに、水ガラスと酸性材を混合することによって、簡便に、上述のコロイダルシリカに見られるチンダル現象や、一価のアルカリ金属塩のみによる均質ゲル化というコロイドとしての特性をもつシリカ液を形成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は水ガラスのアルカリの一部を酸性材で中和して水ガラスの見かけ上のモル比を高め、アルカリ性シリカコロイドを生成することにより、シリカ濃度を高くしても安定したシリカ溶液を得、さらにこのシリカ溶液に反応剤を添加することにより、高強度の固結体を得、さらにシリカ濃度が高いにもかかわらず、少量の反応剤で酸性領域のみならず、中性〜アルカリ性でも長いゲル化時間で安定した固結体を得、かつ地下水のPH変化を起こさず水質保全性に優れ、シリカの溶脱やゲルの収縮を起こさず、固結体の耐久性にも優れ、コンクリート構造物付近等、アルカリ性地盤の影響を受けずに確実に固結し、反応生成物が少なく、上述の公知技術に存する欠点を改良した地盤注入用シリカ溶液および地盤注入工法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の地盤注入用シリカ溶液によれば、水ガラスおよび酸性材を有効成分として含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させることを特徴とする。
さらに、上述の目的を達成するため、本発明の地盤注入用シリカ溶液によれば、水ガラスおよび酸性材を有効成分としたシリカ溶液にアルカリ剤を含有せしめ、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させることを特徴とする。
さらにまた、上述の目的を達成するため、本発明の地盤注入用シリカ溶液によれば、水ガラス、酸性材、活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを有効成分として含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させることを特徴とする。
さらに、上述の目的を達成するため、本発明の地盤注入工法によれば、次の(A)、(B)または(C)の工程により水ガラスの見かけ上のモル比を増加させたシリカ溶液を調製し、このシリカ溶液に反応剤を含有せしめて地盤に注入することを特徴とする。
(A)水ガラスおよび酸性材を有効成分として含有せしめる。
(B)水ガラスおよび酸性材を有効成分としたシリカ溶液にアルカリ剤を含有せしめる。
(C)水ガラス、酸性材、活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを有効成分として含有せしめる。
本発明の地盤注入用シリカ溶液は水ガラスのアルカリの一部を酸性材で中和し、見かけ上のモル比を高めてなるアルカリ性シリカコロイドであって、シリカ濃度が高くても安定したシリカ液である。
また、本発明の地盤注入工法は上述のシリカ液に反応剤を添加し、地盤中に注入することにより、高強度の固結体を得、しかも強度の発現も早く、また、シリカ濃度が低くても充分な固結体を得、しかも、シリカ濃度が高いにもかかわらず、少量の反応剤で酸性領域のみならず、中性〜アルカリ性でも長いゲル化時間で安定した固結体を得る。特に、図7に示されるように、ほぼ中性領域でも充分なゲル化時間が得られ、このため地下水のPH値が変化しにくい。
しかも、本発明にかかるシリカ溶液はコロイド化しているため、アルカリ領域でもアルカリによって溶解されにくく、このためシリカの溶脱やゲルの収縮が少なく、固結体の耐久性に優れる。
さらに、コロイド状シリカのゲル化物はアルカリ雰囲気中でも、例えば、コンクリート構造物付近の地盤や、貝殻を多く含む地盤等でも、これらの影響を受けることなく、確実に固結する。
また、コロイド状シリカが少量の反応剤でゲル化するため、反応生成物が少なく、水質保全性に優れる。
本発明の地盤注入用シリカ溶液は上述のとおり、水ガラスと酸性材とを含有せしめて水ガラスのアルカリの一部を酸性材で中和することにより、あるいは水ガラスと酸性材とからなるシリカ溶液にアルカリ剤を含有せしめることにより、さらには、水ガラス、酸性材、活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを含有せしめることにより、見かけ上のモル比を高モル比としたシリカ溶液であり、あるいはコロイド状を呈するシリカ溶液である。
見かけ上のモル比が高モル比を呈するシリカ溶液は水ガラスのアルカリであるNaOに対して当量以下の酸性材を加え、次の(a)、(b)および(c)のうちのいずれか一つ、または複数の組み合わせによりコロイド状を呈してなるものである。
(a)水ガラスの濃度および酸性材の使用量をシリカ溶液が半透明ないしは乳白色となるように定める。
(b)水ガラスの濃度および酸性材の使用量をアルカリ金属中性塩の存在下で、均一にゲル化するように定める。
(c)見かけ上のモル比が高モル比を呈するアルカリ性シリカ溶液にさらに酸性材を加えてコロイド状のシリカ液とする。
上述のコロイド状シリカは配合した時点で形成され、あるいは経時的に数分〜数日間熟成して形成される。なお、本発明において、水ガラスに酸性材を加えて水ガラスのアルカリの一部を除去し、モル比を高くする工程は現場で行ってもよく、あるいは工場で行ってから現場に搬入してもよい。
さらに、本発明の地盤注入工法は上述のようにして生成された、見かけ上のモル比が高められたアルカリ性シリカ溶液に反応剤を加え、アルカリ性〜酸性のシリカ溶液として地盤中に注入することからなるものである。
以下、本発明のシリカ溶液および地盤注入工法を添付図面を用いて詳述する。図1は本発明にかかるシリカ溶液およびこれを用いた地盤注入工法を説明するためのフローシートであって、まず、水ガラスを導管1を通し、ポンプ2の作動によりバルブ3を介して上流側の薬液槽4に導入する。この薬液槽4は酸性材槽5と導管6を通して連通しており、この酸性材槽5から酸性材がポンプ19の作動によりバルブ20を介して薬液槽4に導入される。薬液槽4では、水ガラスと酸性材が混合され、水ガラスの見かけ上のモル比が増大された本発明にかかるアルカリ性のシリカ溶液が調製される。
さらに、本発明は図1の薬液槽4中に、上述の水ガラスおよび酸性材に加えて、貯溜槽7からアルカリ剤、あるいは活性シリカおよび/またはコロイダルシリカをポンプ42の作動により、バルブ43を経て導入し、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させたアルカリ性のシリカ溶液を得る。
本発明に用いられる水ガラスとしては液状水ガラス、粉状水ガラス等、任意の水ガラスが用いられるが、特にモル比SiO/NaO=2〜6のものであり、特に3〜5のものが好ましく、さらに好ましくはモル比3.7以上のものである。また、本発明に用いられる酸性材としてはPH3以下の無機酸、無機塩、有機塩あるいは水溶液中で酸を呈する化合物であって、具体的には、硫酸、塩酸、リン酸、硫酸水素ナトリウム、スルファミン酸等の無機酸、クエン酸、グルコン酸等の有機酸が水ガラスと混合して見かけ上のモル比を高め、均質なコロイド状のアルカリ性シリカ溶液を作るのに最も適している。その他、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ミョウバン等が用いられる。さらに、本発明に用いられるアルカリ剤としては水ガラスが主に用いられ、水ガラス以外のアルカリ剤としては、アルカリ金属炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、アルミニウム塩等、加水分解してアルカリ性を呈する塩、アルカリ土金属やアルミニウム等の水酸化物等が挙げられる。
本発明に用いられる活性シリカとしては、水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜により水ガラスのアルカリを除去してなるものであり、あるいは水ガラスと酸を混合して得られる酸性水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜により塩を除去してなるものである。なお、本発明において、水ガラス、酸性材および活性シリカからなるシリカ溶液は水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜によって水ガラスのアルカリの一部を除去してなるシリカ溶液と、酸性材とを含有せしめることにより得ることもできる。
上述のとおり、本発明では、水ガラスおよび酸性材を有効成分として含有せしめることにより、さらには水ガラスおよび酸性材を有効成分としたシリカ溶液にアルカリ剤を含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させる。この場合の水ガラスの見かけ上のモル比は3〜10である。さらに、本発明では、水ガラス、酸性材、活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを有効成分として含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させる、この場合の水ガラスの見かけ上のモル比は3〜10,000である。
このようにして水ガラスの見かけ上のモル比を増加させて得られるシリカ溶液はコロイド状を呈し、あるいは半透明を呈し、さらにはアルカリ金属中性塩の存在下、全体的にゲル化するものである。ここで用いられるアルカリ金属中性塩としては、無機中性塩、例えば、塩化カリ(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ソーダ(NaSO)等が挙げられる。
このようにして得られる本発明にかかるシリカ溶液は後述するように反応剤を含有せしめて地盤中に注入し、地盤の固結に供用される。なお、得られるシリカ溶液はさらにイオン交換樹脂またはイオン交換膜で処理してシリカ溶液中のアルカリ、または酸、あるいは塩の全てまたは一部を除去し、アルカリ性へ酸性を呈するシリカ溶液とすることもできる。なお、本発明にかかる上述シリカ溶液は図1のように現場で製造されてもよく、あるいは工場で製造してから現場に搬送してもよい。
図1の薬液槽4で製造された、あるいは工場で製造され、現場に搬送されたアルカリ性のシリカ溶液は図1の導管8を通り、ポンプ10の作動によりバルブ9を介して下流側の混合槽11に導入される。さらに、この混合槽11には導管12を通し、ポンプ13の作動によりバルブ14を介して反応剤が導入され、ここでアルカリ性のシリカ溶液と反応剤が混合されて地盤注入材が製造される。
得られた混合槽11中の地盤注入材は導管15を通し、ポンプ16の作動によりバルブ17を通して地盤18中に注入される。図1において、ポンプ2,10,12,16,19、42およびバルブ3,9,14,17,20、43はそれぞれコントローラ21に連結され、コントローラ21からの指示により自動的に制御される。もちろん、薬液槽4および混合槽11には図示しない攪拌装置を備えることもできる。
図2は地盤注入材の地盤への他の注入態様を示した説明図であって、アルカリ性のシリカ溶液と反応剤との混合を地盤中で行う例である。図2において、工場で製造され、現場に搬入されたアルカリ性シリカ溶液、あるいは図1の薬液槽4で製造されたアルカリ性シリカ溶液を導官8を通して混合槽11に導入し、導管15を通し、ポンプ16の作動によりバルブ17を介して単独で地盤18中に注入する。一方、反応剤槽22に貯溜された反応剤を導管23を通し、ポンプ24の作動によりバルブ25を介して単独で直接地盤18に注入する。そして、それぞれ別々に地盤18中に注入されたアルカリ性シリカ溶液および反応材は地盤18中で混合され、地盤注入材を形成して地盤18を固結する。図2中、ポンプ24およびバルブ25は図1と同様、コントローラ21に連結され、このコントローラ21からの指示により自動的に制御される。
図3は本発明にかかるさらに他の具体例の装置であって、上流側の薬液槽4−1と、下流側の薬液槽4−3との間に、さらに中間の薬液槽4−2を設けて薬液槽を三つとし、これら三つの薬液槽を縦方向に重ねることにより互いに隣接して構成される。積み重ねられた薬液槽はバルブ26,26を介して内部が互いに連通される。27はヒーターであり、加温することによりコロイド化を促進する。他の図面の装置においても同様である。
このように構成される図3の製造装置は上段に位置する上流側の薬液槽4−1にまず、導管1を通してアルカリ性シリカ溶液を導入し、次いで、このシリカ溶液をバルブ26を通じて中間の薬液槽4−2に移送し、ここで、導管1を通して水ガラス、水ガラス以外のアルカリ材または水ガラスと酸性材を添加し、その後、中間の薬液槽4−2中の溶液をさらに、バルブ26を通して下流側の薬液槽4−3に移送し、ここでさらに、導管1を通して水ガラス、水ガラス以外のアルカリ剤または水ガラスと酸性材を添加し、このようにして水ガラス、または水ガラスと酸性材をアルカリ性シリカ溶液中に段階的に、ないしは経時的に添加してコロイド状のアルカリ性シリカを製造し、あるいは増大して導管15を通してポンプ10の作動によりバルブ9を介して地盤中に注入する。これらの動作はすべて、コントローラ21の制御のもとにバルブおよびポンプの作動により自動的に行われる。さらに、後述するように、反応剤槽22から反応剤を導管23を通し、ポンプ24の作動によりバルブ25を介して地盤中に注入し、地盤中でコロイド状のアルカリ性シリカと混合され、地盤を固結する。なお、コントローラ21の制御により、地盤への注入速度、アルカリ性シリカ液の各薬液槽への移送、コロイド化のための混合時間、材料の供給時間、加温等を管理することもできる。
図4もまた、本発明にかかるさらに他の具体例の装置を表したフローシートであって、上流側の薬液槽4−1と、中間の薬液槽4−2と、下流側の薬液槽4−3とを横方向に並列に隣接し、これら各薬液槽の内部を導管28を介して互いに連通して構成される。27はヒータである。
このように構成される図4の製造装置は上流側の薬液槽4−1にまず、水ガラスと酸性材またはアルカリ性シリカ溶液またはコロイド状のアルカリ性シリカを導入し、次いで、このシリカ溶液を導管28を通して中間の薬液槽4−2に移送し、ここで、水ガラス、水ガラス以外のアルカリ剤または水ガラスと酸性材を添加し、その後、中間の薬液槽4−2中の溶液をさらに、導官28を通して下流側の薬液槽4−3に移送し、ここでさらに、水ガラス、水ガラス以外のアルカリ剤または水ガラスと酸性材を添加し、このようにして水ガラス、水ガラス以外のアルカリ剤または水ガラスと酸性材をアルカリ性シリカ溶液またはコロイド状のアルカリ性シリカに段階的に、ないしは経済的に添加してコロイド状のアルカリ性シリカを製造し、あるいはコロイドのシリカ濃度を増大し、地盤中に注入する。これらの動作は図3と同様、すべて、コントローラ21の制御のもとにバルブおよびポンプの作動により自動的に行われる。このとき、後述するように、反応剤槽22から反応剤をポンプ24の作動によりコロイド状アルカリ性シリカと混合し、地盤18中に注入して地盤18を固結する。
図5は本発明にかかる他の具体例装置のフローシートであって、薬液槽として導管31を用いる。この導管31は上流側先端32に導入口35を有し、下流側末端33に排出口36を有し、さらに中間部分の管壁には添加口37を一個、あるいは複数個間隔をあけて設けて構成される。なお、ポンプ2、バルブ3、およびコントローラ21もまた上述と同様に設けられる。
上述の構成からなる図5の製造装置は上流側先端32に導入口35から水ガラスと酸性材、またはアルカリ性シリカ溶液またはコロイド状のアルカリ性シリカを導管31内に導入し、かつ、中間部分の添加口37から導管31内に流れるアルカリ性シリカ溶液またはコロイド状のアルカリ性シリカに水ガラス、水ガラス以外のアルカリ剤または水ガラスと酸性材を段階的に、ないしは経時的に添加してコロイド状のアルカリ性シリカを製造し、排出口36から貯溜槽34に貯溜する。これらの動作は上述と同様、すべてコントローラ21の制御のもとに、バルブ3およびポンプ2の作動により自動的に行われる。このとき、後述のように、反応剤槽22から反応剤をポンプ24の作動により貯溜槽34中に添加、混合し、混合液を地盤18中に注入して地盤18を固結する。
図6は本発明にかかる他の具体例装置のフローシートであって、薬液槽として環状導管38を用いる。この環状導管38は一方の端39に導入口35、およびこの導入口35とは反対側の他端40に排出口36をそれぞれ有し、かつ任意の管壁に添加口37を一個、ないしは複数個、間隔をあけて設けて構成される。なお。バルブ3、ポンプ2およびコントローラ21もまた、上述と同様に設けられる。
上述の構成からなる図6の製造装置は一方の端39に導入口35から水ガラスと酸性材またはアルカリ性シリカ溶液またはコロイド状アルカリ性シリカを環状導管38内に導入し、ポンプ41の作動により環状導管38内を矢印方向に循環させ、この状態で添加口37からアルカリ性シリカ溶液に水ガラス、水ガラス以外のアルカリ剤または水ガラスと酸性材を段階的に、ないしは経時的に添加してコロイド状のアルカリ性シリカを製造し、排出口36から貯溜槽34に貯溜する。このとき後述のように、反応剤槽22から反応剤をポンプ24の作動により貯溜槽34中に添加、混合し、混合液を地盤18中に注入して地盤18を固結する。上述の本発明各装置において、薬液槽、導管または環状導管にヒータを設けて加温し、コロイド化を促進させることもできる。
本発明に用いられる反応剤は塩、酸または、塩と酸の併用物、有機反応剤、またはセメントおよび/またはスラグ、石灰、石こう等である。塩としては、特に可溶性の無機中性塩が好ましく、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土金属の中性塩、酸性塩等であり、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム等の重炭酸アルカリ金属塩、炭酸のアルカリ金属塩等、水溶液がアルカリを呈する塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の多価金属塩化物、酸性塩、アルミン酸ソーダ等のアルミニウム塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。
その他の可溶性塩としては、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩や酸性塩、炭酸マグネシウム、ミョウバン、スルファミン酸マグネシウム等の多価金属塩等が挙げられ、このうちでも特に、アルカリ金属塩が均質なゲルをつくるのに適している。また、酸としては、リン酸、硫酸、炭酸、炭酸ガス、スルファミン酸等の無機酸や加水分解に酸性を呈する塩、酢酸、クエン酸、グルコン酸等の有機酸、グリオキザール、ジアセチン、トリアセチン、エチレンカーボネート等の有機酸エステル等、が用いられる。これらの塩や酸は単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いられる。本発明では上述のとおり、アルカリ側でゲル化させる場合には塩または酸を用い、また、非アルカリ側でゲル化させるためには酸を用いれば良いが、塩と酸を併用して用いるのが好ましい。
なお、本発明地盤固結材において、さらに金属イオン封鎖剤を添加することにより、地盤中の微量金属を不動態化し、ゲル化時間への影響を少なくすることができる。ここで使用される金属イオン封鎖剤としてはリン酸、リン酸塩等のリン酸化合物、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシフェニル酢酸)エチレンジアミン、コハク酸、これらの塩類、脂肪族オキシカルボン酸、縮合リン酸塩等が挙げられる。脂肪族オキシカルボン酸としては酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ジヒドロキシエチルグリシン等、縮合リン酸塩としてはピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸等のポリリン酸の塩であるが、具体的には、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウムまたはこれらのカリカム塩等である。
本発明に用いられる酸性材としては上述したとおりであるが、特に硫酸、リン酸を用いる場合には、得られるアルカリ性シリカコロイドが長期間安定である点で好ましい。また、塩酸を用いる場合は、工業用塩酸あるいは副生塩酸等、好ましくは塩化水素濃度5〜36%の塩酸を用い、必要に応じて水で稀釈する。
また、水ガラスと、このような酸性材とを反応させると、塩が生成されるが、最終的に得られたアルカリ性シリカコロイドは地盤改良材として使用されるため、これらの塩が環境への影響の少ないものが好ましく、その点からは、酸性材は少量ですむものが好ましい。本発明によるアルカリ性シリカコロイドは、水ガラスのシリカがコロイド状になっているため、図7に示すように弱アルカリ〜弱酸性領域(PH4〜10付近)で安定したゲル化が可能で長結から瞬結までゲル化時間の調整が可能である。ほぼ中性領域では、ゲル化させる反応剤は少量でゲル化時間を調製できるので、環境負荷の少ないことが特徴である。
水ガラスの濃度は、安定化までの工程を容易に操作できれば、特に限定されるものではないが、アルカリ性シリカコロイドを工場で製造して注入現場に搬入する場合には高濃度の方が有利である。例えば、工業製品を水で稀釈する場合、その稀釈率は0〜100%が好ましく、注入現場で製造する場合には、最終アルカリ性シリカコロイドのシリカ濃度として3〜30重量%となるような濃度が好ましい。
水ガラスに酸を加えて見かけ上のモル比を高めて得られるアルカリ性シリカ溶液のモル比は使用した水ガラスのモル比より高く、かつ、見かけ上のSiOとNaO(酸により中和されたナトリウムは計算から除外する)のモル比が3〜10となるような水ガラスと酸性材の比率が好ましい。しかし、このアルカリ性シリカ液に他のシリカ液を加えた場合、例えばコロイダルシリカを加えた場合、あるいは、活性珪酸を加えた場合、そのモル比は3〜100程度になる。ここで活性珪酸は水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜で水ガラスのアルカリの全てまたは一部を除去したり、あるいは水ガラスのアルカリの全てを除去した低分子珪酸にアルカリまたは水ガラスを加えて安定化したシリカ溶液をいう。活性珪酸を濃縮増粒して弱アルカリで安定化すればコロイダルシリカになる。
なお、水ガラスの濃度にもよるが、PHが9より小さいアルカリ性シリカに対して酸を使用する場合には、ゲル化時間が短くなるので、水ガラスと酸の使用量はでき上がったアルカリ性シリカ液のPHが8以上、好ましくは9以上になるように定める。工場でアルカリ性シリカを製造し、現場に搬入して用いる場合は、その間ゲル化しない可使時間を保つためにPHが9以上、好ましくは10以上が適している。
本発明において、熟成とは水ガラスと酸性材を反応させてシリカをコロイド化することである。水ガラスと酸の反応混合液の熟成時間は水ガラスの濃度と水ガラスに対する酸の量によって決定される。すなわち、シリカコロイド液を製造してから使用するまでの時間が短い場合、あるいは注入に際してゲル化時間を短くする場合、早くコロイド化してかつ、シリカコロイドの安定時間が短くてもよい。しかしゲル化時間を長くする場合、あるいは、大量にアルカリ性シリカを製造する場合には、コロイド化するまでの熟成時間が長くてもよく、あるいはコロイドが長時間安定していることが必要である。工場でアルカリ性シリカコロイドを製造して現場に搬入する場合、作業工程上、コロイド化してかつ、コロイドが安定している時間が1〜2日以上が適当である。
なお、熟成温度は室温でも充分であるが、必要に応じて40〜95℃に加熱することもできる。また、熟成時間の目安は水ガラスと酸の混合液が目視により半透明ないしは乳白色となれば良く、あるいはアルカリ金属中性塩(KCl等)の存在下で均一にゲル化すればよい。この場合、シリカは平均粒径がほぼ1nm以上となっている。
水ガラスに対して酸を加えることにより混合初期は透明であるが、徐々に半透明または乳白色になる。これはチンダル現象によりコロイド状になっていることを示している。また、KClのようなアルカリ金属中性塩を加えると全体が均等にゲル化する。
しかし、水ガラスに対して酸量が極めて少ない場合は、混合液は透明のままで、KClを加えて白沈を生じるのみで、コロイド化しない。この場合はさらに酸性材を添加することによってコロイド化できる。水ガラスがコロイド化すると図7に示すように反応が緩やかになるため、アルカリが低減しても直ちにゲル化することがなく、かつ、長いゲル化時間でも確実にゲル化し、かつ、ゲル化時間の調整がしやすい。このため、酸性材を段階的に加えて、水ガラスのアルカリを低減しながらアルカリ領域でコロイドを成長させる。
水ガラスに対する酸の量が多い場合、アルカリ領域のPHでもすぐにゲル化してしまう。この場合はゲル化前に水ガラスを加えることによって、安定したコロイドを形成させることができる。また、ゲル化する前に水ガラスを加えるという工程を段階的に繰り返すことによって、シリカ濃度を高めながらコロイドの濃度を増大することができる。これはすでに存在している大きな粒径のシリカコロイドに、水ガラスの単分子シリカが吸着され、シリカの増粒が行われ、水ガラスのアルカリによってコロイドが安定し、電気二重層が形成されることによる。
また、上述の水ガラスを加えるに当って、水ガラスと酸性材を共に加えてもよい。この場合、アルカリ領域のシリカコロイドに水ガラスと酸性材によって形成される活性シリカの単分子がすでに存在しているシリカコロイドに吸着されてコロイドの増粒と濃度の増加が行われることになる。この場合の追加される水ガラスと酸性材の量は、水ガラスのアルカリの当量に酸性材の酸の当量が過少でも過大でも構わない。このようにしてアルカリ性シリカ液がゲル化することなく、安定性を保ちながらモル比を高め、あるいはシリカ濃度を高めることができる。
なお、水ガラスと酸と塩を混合し、得られたシリカ溶液をアルカリ領域で短時間でゲル化する場合、同じ量の水ガラスと酸と塩を用いてあらかじめ水ガラスと酸を混合してコロイドを形成した上で、塩と反応させると、ゲル化時間が長く、安定した固結液を得る。そして塩の量を増やすことによってゲル化時間を短縮できる。これはコロイド化したシリカ液はゲル化反応が急激に行われないから、長いゲル化時間で安定したゲル化が行われ、したがって、ゲル化時間の調整も容易であることを示している。
一般に、水ガラスと酸、または水ガラスと酸や塩を混合して、直ちに注入してアルカリ領域でゲル化させる場合、ゲルは経日的に収縮が大きくなり、やがてゲルが溶けてしまう。これはシリカの単分子が大きく成長しないままゲル化するため、ゲル化後もシラノール基同志の縮合重合により脱水して収縮が大きくなり、さらにアルカリによって重合度の小さなシリカが解重合することに基因する。
これに対して、本発明ではアルカリ性シリカ液を注入するに当って、コロイド状で地盤に注入してゲル化させるので、シラノール基のシロキサン結合がゲル化後ほとんどコロイド粒子内で完了しているため、収縮が少ない。また、コロイド化した後のゲルは表面積が小さいため、アルカリの存在下でもシリカが溶解しにくく、したがって、ゲルが消滅するようなことはなく、耐久性に優れた固結体を形成する。また、少量の反応剤で安定したゲル化を得ることができるので、反応生成物が少なく地下水の水質保全性が優れている。
本発明において、安定化とは水ガラスと酸性材を反応させ、シリカがコロイド状になった段階を経て地盤に注入するまでゲル化することなく、可使時間を保持できる状態をいう。したがって、水ガラスと酸を一段階で反応させたアルカリ性シリカ溶液がシリカ濃度およびモル比の選択によりコロイドが生成されて、可使時間があればそのまま使用でき、また更に、酸または塩、あるいはその他の反応剤を加えてゲル化時間を調整して注入することができる。
コロイド生成液に添加して安定化させるアルカリ剤とはPHが9以上のアルカリ性を示す化合物であり、水に完全に溶解するものが好ましい。具体的には水ガラスあるいは苛性アルカリ、その他のアルカリ性を呈する塩が挙げられる。ここで、添加するアルカリ剤は添加して液の粘度が上昇したり、不均一にゲル化を生じる場合には、徐々に添加するか、添加量を二回以上に分割して添加することが好ましい。
水ガラスと酸性材からなるアルカリ性シリカ溶液にシリカ溶液を添加して、該アルカリ性シリカコロイドのシリカ濃度を高くすることができる。ここで、シリカ溶液とは水ガラスからイオン交換樹脂またはイオン交換膜によってアルカリの一部または全てを除去し、PHを調整した後、加熱造粒工程を経ないで得られる酸性活性シリカや、中性〜アルカリ性のシリカ溶液、あるいは水ガラスと酸を混合した酸性シリカ溶液をイオン交換樹脂またはイオン交換膜によって塩の一部または全てを除去したシリカ溶液を言う。あるいはこのシリカ溶液にアルカリを加えたアルカリ性シリカ等、水ガラス以外のシリカやコロイダルシリカ溶液である。
また、水ガラス以外のシリカ溶液としてコロイダルシリカを加えてもよい。コロイダルシリカとは水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜と接触させ、水ガラス中のナトリウムイオンを除去してPH2〜4の酸性シリカ溶液とし、PH調整した後、加熱造粒し、必要に応じて濃縮したもので、PHが10付近の、例えばシリカ濃度10〜30%、平均粒径10〜20mμ程度のものである。
本発明にかかるアルカリ性シリカコロイドは反応剤と混合して地盤に注入され、地盤を固化する。このような地盤固結材はシリカ濃度の合計量が1〜30重量%が好ましく、また、水ガラスと酸性材を混合して水ガラスの見かけ上のモル比を増加したアルカリ性シリカ液のシリカ濃度は0.1〜30.0%が好ましい。例えば、低濃度のアルカリ性シリカ溶液を使用する場合には、液状防止用注入材としては充分なサンドゲル強度が得られるが、都市土木等の汎用グラウトとしてはアルカリ性シリカ溶液に酸性材および/または水ガラスを併用することが好ましい。さらに、本発明ではコロイダルシリカや活性シリカ等、水ガラス以外のシリカ液を併用してもよい。
本発明にかかる地盤固結材は上述のとおり、シリカ溶液にさらに反応剤を加えてなり、固結体の強度が大幅に増加するとともに、強度発現も早い。本発明の地盤注入用シリカ溶液を液状化防止用注入材に使用する場合、注入材中のシリカ濃度は0.5〜7.0%が好ましい。
本発明の地盤注入用シリカ溶液は、コロイド化しているため単なる水ガラスグラウトに比較して、図7に示すように中性領域でもゲル化時間を長くすることができるが、酸または塩または塩と酸を併用すれば、その量を調整して少ない反応剤の量でゲル化時間を短縮あるいは延長できる。また、PHは酸で任意に調整し、PHを同一にしてゲル化時間の調整は塩で効果的に行えるので、反応剤の量を少なくして任意のPHとゲル化時間を得ることができる。ゲル化時間はPHが8付近を中心にして最短となり、5〜9付近のほぼ中性領域でゲル化時間を4〜5時間までのコントロールすることができる。また、硬化物の耐久性を良くする場合には、PHを10以下にするのが好ましい。本発明では水ガラスを用い、コロイド化することによって、中性領域で長いゲル化時間でも、短いゲル化時間でも得ることができる。このような現象は水ガラス系では例をみない。
また、PHが3〜11の範囲でゲル化時間を数時間まで調整できるので、数十時間の連続注入により広範囲の固結が可能である。このように中性領域を中心にして、弱アルカリ性〜弱酸性の範囲で使用出来るので、地下水のPH変化が少なくてすむ。本発明ではシリカ溶液がコロイド化しているため、水ガラスのように中性領域でも瞬結になることなく、浸透に充分なゲル化時間を保持できる。ゲル化時間を短縮するには、さらに塩を併用すれば、瞬結にすることができる。
本発明はコロイド化しているため、アルカリ雰囲気の地盤条件下で劣化することなく、耐久性が優れている。したがって、コンクリート構造物付近ないしは該構造物が構築された地盤、アルカリ地盤、コンクリート構造物の中、または背部の空間、セメント系固結地盤等に本発明の地盤固結材を注入すれば、固結体の耐久性は充分に得られる。
具体的には、スラグを高モル比水ガラスやアルカリ剤で固結した地盤に、本発明地盤固結材を注入しても、やはり固結体の耐久性は充分に得られる。このため、懸濁型グラウトの浸透しきれない部分に本発明地盤固結材を浸透することにより恒久的地盤改良が可能になる。また、コロイダルシリカを有効成分とする本発明地盤固結材は、さらに強アルカリ性地盤に対する耐久性が向上される。アルカリ性シリカコロイドあるいはこれに反応剤、水ガラスや酸を組み合わせてなる本発明にかかる地盤固結材(ただし、セメントを使用した場合を除く)は、PHが12好ましくはPHが11を超えない範囲が固結体の耐久性向上のために好ましい。また、アルカリ性シリカコロイドからなる本発明地盤固結材にコロイダルシリカを併用することにより、さらに強アルカリ性地盤に対する耐久性が向上される。
さらに、本発明にかかるアルカリ性シリカ溶液に酸を加えてPHを中性ないし酸性の配合液とし、さらにこれに塩を添加すると、この配合液をアルカリ雰囲気の地盤に注入しても正常にゲル化し、固結体の耐久性が阻害されることはない。また本発明におけるアルカリ性シリカ液をゲル化させるためには少量の酸と塩で足り、このため反応生成物は少量であって、水質保全上の問題は生ぜず、環境負荷の少ない地盤改良が可能になる。これはコロイド化したアルカリ性シリカ液に少量のKClやNaClのようなアルカリ金属中性塩を加えるだけで均一にゲル化することからも理解できる。本発明の地盤固結材はゲル化のために塩を用いることにより、ゲル化時間が数時間でも確実に固結し、しかも耐久性に優れた固結体を得、したがって液状化防止の目的で数十時間の連続注入が可能になる。
また、従来法である水ガラスとセメントを主成分とする注入材では、ゲルタイムが1分程度で用いられ、それ以上長くするとゲル化が不確実になり、充分な強度が得られない。また、ゲル化時間は1分程度で10秒以下の瞬結にすることは難しい。酸性シリカゾルとセメントを主成分とする注入材では、瞬結とはなるが、ゲルが弱く、豆腐を崩したようなゲル化物となってしまう。さらに、材料として強酸を現場で使用するために、取扱いの問題があるばかりでなく、注入機器関係に耐酸性の機材を使用する必要がある。
これに対し、本発明のアルカリ性シリカ溶液―セメント系注入材は、ゲル化時間が数秒から数十分まで安定した強固な固結体を得、使用する材料がどちらもアルカリ性であり、取扱いが容易であるばかりでなく、通常使用している注入機器を使用することができる。
さらに、得られる硬化物は強度発現が速く、例えば、セメント量の同一配合で比較すると、酸性シリカゾルを使用した場合の1時間強度(サンドゲル)が0.01MN/m以下であるのに対し、アルカリ性シリカ溶液を使用した場合のそれは、0.08MN/mと極めて大きく、ゲル化時間は溶液型も懸濁型も瞬結から緩結まで可能である。
このため二重管瞬結工法や瞬結・緩結二重管複合注入工法が可能である。例えば、二重管ダブルパッカ工法の一次注入としてセメント−ベントナイトのようなアルカリ材を用い、二次注入材として、ゲル化時間が数十時間の注入方式に適合する等、任意の注入工法に適用することができる。このアルカリ性シリカ溶液を用いた懸濁型グラウトとしての懸濁材料は普通セメント、高炉セメント等のほか、微粒子セメント、スラグ微粒子セメント、石こう、石灰等の一種ないしは複数種を併用してもよい。さらに、炭酸塩、重炭酸塩、苛性ソーダ、アルミニウム塩等の水溶性アルカリ剤を併用してもよい。
瞬結性固結材としては、水ガラスを使用した溶液型注入材、例えば、水ガラス−無機酸系、酸性シリカゾル系、セメントを主成分として懸濁型注入材、例えば、一次注入材として使用される。
図7は水ガラスのPHとゲル化時間(分)との関係およびアルカリ性シリカのPHとゲル化時間(分)との関係を表したグラフである。図7において、「●」印でプロットされた曲線は(1)がSiO 3.00%の水ガラス(モル比3.3)を温度25℃で、硫酸で中和したときのPHとゲル化時間との関係を示し、(2)がSiO3.50%の水ガラス(モル比3.3)を温度25℃で、硫酸で中和したときのPHとゲル化時間との関係を示し、(3)がSiO6.0%の水ガラス(モル比3.3)を温度25℃で、硫酸で中和したときのPHとゲル化時間との関係を示す。また、「○」印でプロットされた曲線はSiO6.0%のアルカリ性シリカを硫酸で中和したときのPHとゲル化時間との関係を示し、「▲」印でプロットされた曲線はSiO 3.0%のアルカリ性シリカを硫酸で中和したときのPHとゲル化時間との関係を示し、「△」印でプロットされた曲線はSiO 3.0%のアルカリ性シリカを硫酸で中和し、KClを5g/400ml添加してゲル化時間を短縮したときのPHとゲル化時間との関係を示す。
図7において、コロイド化されていない水ガラスについては、SiO6.0%の曲線(3)はもちろんのこと、SiO3.0%の曲線(1)および(2)も中性領域で急激にゲル化時間が短縮し、かつアルカリ側および酸性側で大幅にゲル化が延長し、曲線が急激になる。これに対して、アルカリ性シリカについては、SiO濃度が6.0%、あるいは3.0%であって、相当に高いにもかかわらず、ゆるやかな曲線を示す。したがって、本発明にかかるアルカリ性シリカの場合、酸性領域のみならず、アルカリ領域でも、すなわち全PH領域でゲル化が可能であり、このため少ない反応剤量でゲル化が可能であるのみならず、中性領域でも長いゲル化時間で浸透注入でき、低環境負荷型注入材ということができる。
さらに、本発明の原理と特徴について以下に詳述する。
水ガラスと酸性材を混合すると、水ガラス中のアルカリが酸によって中和して消費され、中和したアルカリに対応したシリカ分および残りの水ガラスのシリカ分の合計と、残りの水ガラスのアルカリ分との比率が見かけ上のモル比となる。このようにして見かけ上のモル比を高めることにより重合を促進し、シリカをコロイド化してアルカリ性シリカコロイドが生成する。
その理由は、水ガラスと酸が反応してアルカリが除去された結果、単分子あるいは低分子珪酸が形成され、その低分子シリカが重合しながら高分子化し、さらに残存する水ガラス中のシリカを吸着しながらコロイドの数と粒径を増大し、このコロイド粒子が残存する水ガラスのアルカリによって電気二重層を形成し、安定化するものと思われる。
このコロイドの形成と可使時間に相当するシリカ液の安定性は、シリカ液の見かけ上のモル比、使用する水ガラスのモル比、水ガラスのシリカ濃度等によって異なるが、シリカのコロイド液であることを示すチンダル現象、すなわち、半透明あるいは乳白色を呈するか、あるいはKCl等、一価のアルカリ金属塩に加えて全体がゲル化する状態になる場合、シリカ溶液がコロイド化していると見なすことができる。
水ガラスの低分子シリカは粒径が通常0.1nmは付近、あるいはそれ以下であるが、
コロイド化した場合、1nm付近から10nm付近になるようである。これにさらに、重合度の大きいコロイダルシリカを加えれば、10nm以上から数十nm程度になるようである。このため、上述したような判定ができる。アルカリ領域のPH範囲で水ガラスと酸性材の配合がこのようなコロイド状を呈する量を保持し、さらに酸性材の配合量を増やすとシリカ溶液は中性〜酸性を呈してゲル化時間は短縮し、かつ、ゲル化時間が長くなる。
しかるに、コロイド化していると酸性材のみでは瞬結領域(数十秒以内、通常10秒以内)となることなく、充分な浸透時間(1分〜10分あるいはそれ以上)を保持できる。なお、アルカリ性シリカ溶液は酸性側になるまで水ガラスに酸を添加して酸性珪酸水溶液をつくり、その上で水ガラスを添加してアルカリ側に移向せしめ、安定化したアルカリシリカ液を形成して、コロイド化してもよい。
本発明は基本的にはアルカリ領域で、水ガラスと酸性材を混合して水ガラスの見かけ上のモル比を高めてコロイド状のアルカリ性シリカを形成し、あるいはさらに、水ガラスまたは水ガラスと酸性材とを加えてシリカ濃度の高い安定したシリカコロイドを形成せしめ、このシリカコロイドに反応剤を加えて所定のゲル化時間で硬化し、従来技術の問題を解決した。すなわち、本発明は酸を加えて見かけ上の水ガラスのモル比を高めてなる、アルカリ性シリカまたは/さらにこれに水ガラスまたは水ガラスと酸性材を混合してアルカリを含むシリカ液とし、これを重合反応によって高分子化し、コロイド化することにより、以下の特性を生ずる。
(1)シリカコロイドは水ガラスと酸性材や、アルカリを混合して形成される。このアルカリ性シリカコロイドに水ガラスまたは水ガラスと酸を加えると、さらに水ガラスの低分子シリカや活性シリカがすでに存在するコロイドに吸着されて、コロイドが成長し、水ガラスのアルカリで電気二重層を形成して安定化する。したがって、このようにして形成されたコロイドにさらに水ガラスを加えるか、あるいは水ガラスを酸と共に加えるという工程を段階的に続けることによって、加熱濃縮しなくてもシリカコロイドの増粒とシリカコロイドの濃度を高めることができる。
(2)水ガラスと酸を混合して形成された酸性領域のシリカ溶液はゲル化後、脱水が多く、収縮が大きい。これは、シリカが線状に重合し、それが絡み合ってゲル化するため、ゲルが圧縮しやすく、構造が弱いからであると思われる。それに対して、アルカリ領域では、球状のシリカコロイドが形成され、その粒子同士がシロキサン結合で結合しあうので、ゲル化後の脱水が少なく、また、収縮が少なく、このためゲルの構造が強いと考えられる。したがって、このコロイド化されたアルカリ性シリカ溶液に、さらに酸を加えるとコロイド化による耐久性とアルカリの低減による耐久性の向上がはかられる。
このアルカリ性シリカのシリカ濃度を高めるために、コロイダルシリカや活性シリカ等、水ガラス以外のほかのシリカ溶液を加えることができる。この活性シリカは、(a)水ガラスのアルカリの一部、または全てをイオン交換樹脂またはイオン交換膜で除去してなるシリカ溶液、(b)水ガラスと酸の混合液からなる酸性珪酸水溶液塩の一部または全てをイオン交換樹脂またはイオン交換膜で除去してなるシリカ溶液、(c)水ガラスと酸を混合して、水ガラスのアルカリの一部、または全てを除去してなるシリカ溶液、として得られる。これらの活性シリカ単独は、水ガラスの単分子のNaイオンが水素イオンに置き換わった単分子の珪酸であって、PHが酸性〜中性を呈する。これらの活性シリカは、ゲル化後もシラノール基の縮合重合によってゲル中で脱水が生ずるため、ゲルの収縮が大きい。
それに対し、アルカリ領域でコロイドにした本発明アルカリ性シリカ液はコロイドの形成後には既にコロイド内部のシロキサン結合が完了し、ゲル化時にはコロイド表面のシロキサン結合のみであるので、ゲル化後の脱水収縮が極めて少ない。一方、上記アルカリ性シリカコロイドに活性シリカを加えることによって、活性シリカの活性がゲル化に際して付与され、初期強度の増大、固結物の強度の促進に効果を生ずる。
(3)コロイド状になっているシリカ溶液では、アルカリ領域であるにもかかわらず、シリカコロイドを解重合しにくく、重合度の少ないシリカはアルカリと接触して溶解しやすい。もちろん、アルカリ含有量が低いほど、シリカは溶解しにくいが、一度コロイド状にすると、かなりのアルカリ液でもコロイドが溶解することなく保ちうる。
(4)コロイド状のアルカリ性シリカは同一のシリカ濃度でゲル化時間が長い。また、長いゲル化時間で強度が高く、均質な、構造的に安定したゲル化物を得る。特に、アルカリ領域ないしは酸性領域においてゆるやかなゲル化時間の曲線を画くため、長時間のゲル化時間を得ることができる。反応剤の量を調節して任意のPH領域で、長時間から短時間まで、ゲル化時間を調整できる。このため、長いゲル化時間でも充分な強度を保持しながら、ゲル化時間を容易に調製し得る。したがって、酸性〜中性の領域はもちろんのこと、アルカリ領域でも、安定性の良い長結〜瞬結グラウトを得ることができる。
これに対して、水ガラスと酸の混合によるゲル化時間の曲線は中性領域で瞬結〜1分以内でアルカリ領域では急速にゲル化時間が長くなり、ゲル化が不安定となるため、中性グラウトは瞬結領域で使用し、長結グラウトはPH2〜3付近の酸性領域で使用せざるを得ない。このため、中性領域で長いゲル化時間を得ることは不可能である。
本発明はコロイド化しているため、中性領域でも長いゲル化時間を得ることができ、注入地盤のPHが変化しないため、水質保全上優れている。またアルカリ領域でも充分ゲル化時間の調整が可能なため小量の反応剤の使用ですみ、反応生成物が少なく、低環境負荷に優れている。
(5)コロイド状になっているか否かの判定はチンダル現象のみならず、アルカリ金属中性塩を添加することにより容易に判定できる。単なる単分子シリカの溶液である水ガラス水溶液や、コロイドに達していないシリカ液の場合、透明であり、KClやNaClを添加すると、塩析による水ガラス中のシリカの部分的な白色沈殿を生じるのみで、全体が均質なゲルを形成することはできない。このため、従来の水ガラス系注入材では、これらの塩は硬化剤としてではなく、他の硬化剤と併用してゲル化促進剤として使用されてきた。
ところが、コロイド状態では、これらの中性塩の添加により液全体を均質なゲルにすることができる。これはシリカ分が大きな粒径のコロイド状になっているため、中性塩のみでコロイド表面の電気二重層が破壊され、コロイド表面のシラノール基同志が重合してシロキサン結合を起こし、粒子同志が架橋することによるものである。
(6)本発明によりゲル化したゲル化物はアルカリ領域であっても、シリカの溶脱が極めて少なく、また、ゲルの収縮も極めて少ない。これは本発明が高分子化したコロイドのゲル化であるため、ゲル化物が経時的なシラノール基の縮合重合の脱水による収縮現象が少なくなるためと思われる。
(7)アルカリ領域において、長いゲル化時間でシリカの溶脱がなく、また収縮も少ない。
したがって、得られる固結体は耐久性に優れ、かつ高強度を呈する。アルカリ性のシリカコロイドは少量の反応剤でゲル化するので、反応生成物は少ない。すなわち、アルカリ領域〜中性領域でも安定した長いゲル化時間でゲル化し、少量の反応剤ですむので反応生成物が少なく、したがって環境負荷が少なく、地下水の水質汚染を起こさない。
本発明固結材は注入に際してあらかじめイオン交換樹脂またはイオン交換膜によって脱塩あるいはシリカ分以外のイオンを除去することにより、塩あるいはシリカ分以外のイオンを完全に、あるいは大部分除去して殆ど純粋な、しかも溶出しないシリカ分のみで地盤を固結でき、完全無公害注入材となる。
しかも、本発明固結材は反応材が少量ですむため、脱塩処理により回収される塩は少なくてすむ。このため現場で使用するイオン交換樹脂の量ももちろん少なくてすみ、あるいはイオン交換膜を用いた電解透析の設備も小さくてすみ、また、脱塩シリカのゲル化時間が短くなっても、そのまま地盤に注入すればよく、極めて作業性に優れ、かつ経済的な施工が可能になる。たとえば、現場でイオン交換樹脂のカセットを用いて脱アルカリまたは脱酸または脱塩して、そのカセットを回収して工場に運んで、工場で再生し、現場で再度用いることができる。
(8)コロイド状のアルカリ性シリカによるゲル化物はアルカリに対して耐久性に優れている。このため地盤が貝殻混じりのアルカリ性地盤でも、セメントによる改良地盤でも、アルカリ性注入材を併用しても、また、コンクリート構造物周辺部でも、本発明にかかる
コロイド状のアルカリ性シリカは使用可能であり、確実に固結する。また、本発明にかかるコロイド状のアルカリ性シリカはセメントとの混合液として地盤固結に利用できるのみならず、コンクリート構造物付近ないしは該構造物が構築される地盤、アルカリ性地盤、コンクリート構造物の中、またはコンクリート構造物背部の空間に注入して固結することにより、恒久的な止水や地盤改良を行うことも可能になり、また、土と混合して固結体を形成することも可能になる。
(9)本発明にかかる地盤固結材およびこの固結材と埋め戻し土との混合物を掘削地盤に充填することにより、または前記地盤固結材、または該固結材と、土やその他の粉状体との混合物を地盤中の空隙や裏込め空間に充填したり、軟弱地盤に圧入することにより、地盤改良を行うことができる。また、本発明は収縮がないため、トンネル掘削に際して補強材をあらかじめ削孔中に挿入し、補強材と削孔との間の空間に本発明固結材を圧入し、グリオキザールやエチレンカーボネ―ト等の有機反応剤で高強度ゲル化物とし、あるいは懸濁型反応剤で超高強度ゲル化物とし、補強材を地山に定着して補強することもできる。
(10)本発明にかかる熟成は加温することによりコロイドの形成を促進できる。加温による促進は地盤注入における工期の促進上きわめて有用である。
(11)本発明において、水ガラスと酸性材の混合液のモル比は3〜10000が望ましい。混合液のアルカリ量が高く、モル比が3以下の場合、コロイドが形成されなかったり、あるいは一度形成したコロイドが溶けやすくなるが、酸を添加して水ガラスのアルカリの一部を中和して、モル比を高くすることにより、コロイドを形成することができる。この場合、混合液のモル比は加えた酸と同一の当量のNaOが除去されたとみなしてモル比(実質的モル比、すなわち見かけ上のモル比)を算出する。
(12)活性シリカや酸性水ガラス等はアルカリに溶けやすい。これは低分子シリカが線状に重合しているものと思われる。また、アルカリ地盤において、アルカリの影響を受けやすい。しかし、本発明のアルカリ性シリカは活性シリカよりも大きな粒径のコロイド状シリカを形成するため、アルカリに対する抵抗力が大きく、溶けにくい。したがって、アルカリ領域でゲル化しても、そのゲル化物は耐久性があり、かつ地盤のアルカリ雰囲気にも抵抗がある。また、コロイダルシリカのように活性シリカを加熱濃縮して弱アルカリで安定化したシリカコロイドに比べて粒径が小さく、活性も残っており、薄いシリカ濃度でも強度が高く、かつ強度発現が早い。このような性質を得るには、地盤固結材のシリカ濃度が1重量%以上であり、好ましくは3〜30重量%である。
(13)無機反応剤を用いた水ガラスグラウトあるいは酸性水ガラスグラウトでは、瞬結にゲル化する。しかし、ゲル化時間を長くする場合、アルカリ領域では反応剤の少量の変化で大幅にゲル化時間が変化したり、ゲル化しなかったりするので、ゲル化時間の調製はほとんど不可能である。これに対して、シリカをコロイド状にした本発明では、酸性領域はもちろんのこと、中性〜アルカリ領域でも長いゲル化時間で確実にゲル化し、ゲル化時間を容易に調整できる。
以下、本発明を実施例によって具体的に詳述するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
1.使用材料
(1)水ガラス
表1のとおり。
Figure 2005075899
(2)活性シリカ
3号水ガラスを約5.5倍に稀釈した液を陽イオン交換樹脂に通過、処理し、得られるPH2.7、比重1.03、SiO=5.0%の活性シリカ
(3)アルカリ性活性シリカ
上記活性シリカに水ガラスを加えたもの。比重1.03、モル比19.1
シリカ濃度=4.5%、 平均粒径 5nm、半透明を呈する。
(4)酸
表2のとおり。試薬を使用した。
Figure 2005075899
(5)市販コロイダルシリカ
SiO=30%、比重=1.20、PH=10.0、平均粒径=15nm
(6)その他の反応剤
塩化カリウム(KCl) 工業用
重炭酸カリウム(KHCO) 試薬
苛性ソーダ 試薬
重曹 試薬
グリオキザール 工業用
エチレンカーボネート 試薬
(7)セメント、スラグ、消石灰
表3のとおり。
Figure 2005075899
2.測定法
シリカの溶脱およびホモゲルの体積変化
200mlのガラス製メスフラスコに測定すべき試料100mlを注ぎ込み、ゲル化させた、その後、標線まで水を入れて所定日数養生した。測定日に養生水を全量取り出し、シリカの測定に供した。さらに標線まで水を入れ、再度養生を行った。ホモゲルの体積は算出により求めた。
実施例1〜10
アルカリ性シリカコロイドの調製
表4、5、6,7に記載されるように、水ガラスと酸を必要に応じて水で稀釈した後、所定量を混合した(工程1)。その後所定時間室温で熟成した後、アルカリ材を添加して安定化した。なお、工程1で得られた混合液のPHが10以上で安定な場合にはアルカリ材を添加しなかった。得られたアルカリ性シリカはASF4と同様に、半透明、低粘度(4cps以下)であった。
Figure 2005075899
Figure 2005075899
Figure 2005075899
Figure 2005075899
実施例9において、熟成時間を10分、6時間、24時間と変えてアルカリ性シリカを調製し、塩化カリウム化でゲル化させたところ、熟成時間の短いものほどゲルタイムは長かったが均一にゲル化した。また、実施例10−aの粘度は4.5cpsと他の実施例のものとは比較して若干高かった。
実施例10−1〜3および比較例a,b
アルカリ性シリカのシリカ濃度アップ
実施例1のアルカリ性シリカ100mlに中性コロイダルシリカ30mlを添加した。これによりアルカリ性シリカのシリカ濃度6.1%を、12.1%に大きくすることができた。配合液のPHは10.9であった。この配合液は6ケ月経過後も均一でゲル化しなかった。
比較例a
比較のため水ガラスと中性コロイダルシリカを混合したところ、白色沈殿を生成し、注入材原料としては使用できなかった。
比較例b
アルカリ性活性シリカは単独で塩化カリウムで硬化させると均一にゲル化するが、アルカリ性活性シリカ:水ガラス2=2:8(容量)で混合した液を、塩化カリウムで硬化させたが、均一にゲル化せず、ゲル化物が沈殿した。これに対し、本発明のアルカリ性シリカコロイドは塩化カリウムで均一にゲル化することから、上記混合液よりコロイド化が進んでいることがわかる。
実施例11〜30および比較例1
上記実施例で調製したアルカリ性シリカコロイドを使用し、各種反応剤を添加、混合し、溶液型および懸濁型の配合液を作成した。各実施例試料について、SiO濃度(重量〜容量)%、ゲルタイムおよびサンドゲル強度をそれぞれ算出または測定し、結果を表8、9および10に示した。また、比較例1の各試料も作成し、同様の試験を行って結果を表8、9および10に示した。実施例20のホモゲルの1時間強度は0.08MN/mであった。
Figure 2005075899
Figure 2005075899
Figure 2005075899
実施例30−1
実施例11のアルカリ性シリカを、実施例10−1のアルカリ性シリカに代えて、他は同一条件で実験を行った。その結果、ゲルタイムは30分であった。またサンドゲルを作成したところ、その強度は0.18MN/m(2日)、0.24MN/m(28日)であった。
比較例2
水ガラス3号40ml、75%硫酸7mlおよび水をミキサーで混合して酸性シリカゾル200mlを調製した(A液)。また、別に普通セメント60gおよび重曹2gを水に懸濁させて200mlとした(B液)。各200mlを混合したところゲルタイムは10秒であった。この割合で調製した配合液5φ×10cmのモールドに直ちに流し込み、ホモゲルを作成し、1時間強度を測定したところ0.01MN/m以下であった。
実施例11と比較例1は、使用している水ガラス、10%塩酸およびKClを同一量使用しているが、実施例11では水ガラスの一部がコロイド状シリカになっているのに対し、
比較例1でコロイド状シリカを生成していないのであり、そのため前者の配合液のPHは後者のそれと比較するとやや高く、ゲルタイムは同じく前者のがやや長い。強度においても前者の方がやや小さくなっている。これらの性能上の相違は、実施例11のアルカリ性シリカがコロイド状となっていることを示している。さらに、後述するようにホモゲルの収縮では顕著な差となって現れている。
実施例31〜36および比較例3,4
表4および表5に示されるアルカリ性シリカコロイドを使用し、表11に記載の配合液について、シリカの溶脱およびホモゲルの収縮率(%)を測定した。なお、比較のためにコロイドを生成しない方法でゲル化させた配合液(比較例1)についても、シリカの溶脱率(%)およびホモゲルの収縮率(%)を測定した。結果を表11に示す。
Figure 2005075899
実施例37〜39および比較例5
試料として、表6に示されるように、実施例11のAS(アルカリ性シリカコロイド)−KCl系、実施例12のAS−KCl−燐酸系、および実施例17のAS−AT−KCl−燐酸系を用い、これをそれぞれ、同量のLWゲル化物上に注ぎ込み、ゲルタイムを測定して水ガラス系注入材から溶出されるアルカリのゲルタイムへの影響を観察した。LWゲル化物は200ml中、水ガラス3(3号水ガラス)50ml、セメント1を50g、残り水、PH12.5の配合のゲル化物である。なお、参考のために試料としては比較例2のAS−燐酸系についても上述と同様にゲルタイムを測定した。結果を表12に示す。
Figure 2005075899
実施例40,41および比較例6〜8
16φ×13cmのプラスチック製容器に、セメント1を50g、ベントナイト15.6gと水250mlの比率でセメントを硬化させ、厚さ5cmの固結物とした。この固結物を2日養生後、該固結物上に表7に示される実施例40、41の各配合液をそれぞれ約1リットルずつ注ぎ込んでゲル化させ、これらのゲルタイムおよびゲルの状態を観察して前記固結物のアルカリの影響を述べた。同様に比較例6〜8の配合液についても行った。結果を表13に示す。
Figure 2005075899
実施例42
表2の実施例1のアルカリ性シリカコロイド100ml(A液)、普通セメント150g、消石灰5g、スラグ95g、ベントナイト90g、残り水からなる懸濁液900ml(B液)を混合したところ、15秒でゲル化し、1時間後には0.04MN/mとなり、1ケ月後の固結体の収縮率は0.2%であった。これより、このような配合液は充分裏込め材、空洞充填材として使用可能であることがわかった。
実施例43
透水係数が2.5×10−3cm/sの砂地盤に以下の複合注入を行った。実施例16の瞬結配合液(ゲルタイム10秒)を190リットル注入後、実施例16−1の緩結配合液(ゲルタイム15時間)を580リットル注入した。注入1ケ月後、透水係数を測定したところ、4.1×10−5cm/sとなっており、充分改良されていることがわかった。
1.簡便な工程、操作でコロイド状シリカを製造することができる。
2.コロイド状シリカを用いることにより、コロイド状ではない水ガラスと反応剤とからなる水ガラスグラウトとくらべて、ゲル化物の収縮が少なく、広い範囲で安定なゲル化領域を得、かつ、シリカの溶脱が少なく、優れた耐久性を得る。また、シリカ濃度が低くても、中性コロイダルシリカを使用した場合に比べて、同一シリカ濃度でも、サンドゲルの強度が大きく、かつ強度発現も早い。
3.反応剤の使用量が少量であるため、反応生成物が少なく、低環境負荷型注入材である。
4.アルカリ性を呈するコロイド状シリカのPHとゲル化時間との関係はゆるやかな曲線を呈し、長いゲル化時間を得、かつゲル化時間の調製が容易である。
本発明にかかる製造装置の一具体例のフローシートである。 地盤注入材の他の注入態様を表した説明図である。 薬液槽を縦方向に積み重ねた本発明にかかる製造装置の具体例のフローシートである。 薬液槽を横方向に並列した本発明にかかる製造装置の具体例のフローシートである。 薬液槽が導管である本発明にかかる製造装置の具体例のフローシートである。 薬液槽が環状導管である本発明にかかる製造装置の具体例のフローシートである。 水ガラスおよびアルカリ性シリカコロイドについてのPHとゲル化時間(分)の関係をそれぞれ表したグラフである。
符号の説明
1 導管
2 ポンプ
3 バルブ
4 薬液槽
5 酸性材槽
6 導管
7 貯溜槽
8 導管
9 バルブ
10 ポンプ
11 混合槽
12 導管
13 ポンプ
14 バルブ
15 導管
16 ポンプ
17 バルブ
18 地盤
19 ポンプ
20 バルブ
21 コントローラ
22 反応剤槽
23 導管
24 ポンプ
25 バルブ
26 バルブ
27 ヒータ
28 導管
29 ポンプ
30 バルブ
31 導管
32 上流側先端
33 下流側末端
34 貯溜槽
35 導入口
36 排出口
37 添加口
38 環状導管
39 一方の端
40 反対側の他端
41 ポンプ

Claims (16)

  1. 水ガラスおよび酸性材を有効成分として含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させてなるアルカリ性の地盤注入用シリカ溶液。
  2. 水ガラスおよび酸性材を有効成分としたシリカ溶液にアルカリ剤を含有せしめ、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させてなるアルカリ性の地盤注入用シリカ溶液。
  3. 請求項1または2において、水ガラスの見かけ上のモル比が3〜10である請求項1または2に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  4. 水ガラス、酸性材、活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを有効成分として含有せしめることにより、水ガラスの見かけ上のモル比を増加させてなるアルカリ性の地盤注入用シリカ溶液。
  5. 請求項4において、水ガラスの見かけ上のモル比が3〜10000である請求項4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  6. 請求項4において、活性シリカが水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜により水ガラスのアルカリを除去してなる請求項4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  7. 請求項4において、活性シリカが水ガラスと酸を混合して得られる酸性水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜により塩を除去してなる請求項4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  8. 請求項4において、水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜によって水ガラスのアルカリの一部を除去してなるシリカ溶液と、酸性材とを含有せしめることにより、水ガラス、酸性材および活性シリカからなる地盤注入用シリカ溶液を得る請求項4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  9. 請求項1、2、または4において、得られるシリカ溶液がコロイド状を呈する請求項1,2または4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  10. 請求項1,2または4において、得られるシリカ溶液が半透明を呈するか、アルカリ金属中性塩の存在下、全体的にゲル化し、あるいは半透明を呈し、かつアルカリ金属中性塩の存在下、全体的にゲル化する請求項1,2または4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  11. 請求項1,2または4において、得られるシリカ溶液に反応剤を含有せしめる請求項1,2または4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  12. 請求項1,2または4において、得られるシリカ溶液がアルカリ性〜酸性を呈する請求項1,2または4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  13. 請求項1,2または4において、得られるシリカ溶液をさらにイオン交換樹脂またはイオン交換膜で処理してシリカ溶液中のアルカリまたは酸、あるいは塩の全てまたは一部を除去する請求項1,2または4に記載の地盤注入用シリカ溶液。
  14. 次の(A)、(B)または(C)の工程により水ガラスの見かけ上のモル比を増加させたシリカ溶液を調製し、このシリカ溶液に反応剤を含有せしめて地盤に注入することを特徴とする地盤注入用工法。
    (A)水ガラスおよび酸性材を有効成分として含有せしめる。
    (B)水ガラスおよび酸性材を有効成分としたシリカ溶液にアルカリ剤を含有せしめる。
    (C)水ガラス、酸性材、活性シリカおよび/またはコロイダルシリカを有効成分として含有せしめる。
  15. 請求項14において、活性シリカが水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜により水ガラスのアルカリを除去してなる請求項14に記載の地盤注入工法。
  16. 請求項14において、活性シリカが水ガラスと酸を混合して得られる酸性水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜により塩を除去してなる請求項14に記載の地盤注入工法。
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