JP4701370B2 - 地盤注入工法 - Google Patents

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本発明は、地盤注入工法に関し、詳しくは、炭酸カルシウムを通常よりも多量に含む土壌であっても、炭酸ガスの発生を防止し、ゲル化時間を長くして広範囲を固めることができ、地盤のポーラス化による強度低下を防止する地盤注入工法に関する。
従来、軟弱地盤の改良には、液体状やスラリー状、あるいは微粒子を含む粉体状の地盤固結剤が一般に利用されてきた。本出願人等においても活性珪酸水溶液を用いる地盤固結工法としていくつかの発明につき先に特許出願を行ってきた。
例えば、特許文献1には、所定の陽イオン交換樹脂による接触処理により水ガラスのpH値をアルカリ領域内のpH値に増加せしめてアルカリ活性珪酸とした地盤注入材の製造方法が開示されており、かかる地盤注入材は、浸透性に優れ、高固結強度を呈し、かつ低収縮性で耐久性にも優れていることが示されている。また、特許文献2には、pHが2〜4の活性珪酸水溶液に苛性ソーダ等のアルカリや重炭酸ソーダ等のアルカリ性を呈する塩を加えてpHを7.2〜8.0に調整することにより、溶液が安定で十分な強度を有するシリカ溶液系の地盤固結剤の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3にも、pH2〜4の、実質的に塩を含まない分子量1000以下の活性珪酸水溶液を主剤とする地盤改良剤が開示されており、かかる地盤改良剤は、公害の心配がなく、強度、耐久性に優れた経済的なものであることが報告されている。さらにまた、特許文献4および特許文献5には、地盤への浸透性を高める等の理由から、活性珪酸水溶液に酸を加えてpHを2未満にして、炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩を加えてゲル化を調整する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示された地盤注入材の製造方法は、活性珪酸に水ガラスを加えることによって、アルカリ領域で安定化したシリカ溶液を用いる方法であるが、中性領域を通過する際にその工程でゲル化し易い、或は不均質ゲルを生じ易く、それを防ぐためにはシリカ濃度を薄くしなくてはならず、したがって大きな強度が得られにくいという問題があった。また、特許文献2および特許文献3に開示された方法により製造された地盤固結剤や地盤改良剤は、工場でpHが2〜4の活性珪酸を作って現場に搬入するまでの貯蔵、運輸、現場作業の間にゲル化してしまうおそれがあり、また液温がローリー等で運搬中に上がってしまいゲル化時間が短縮する夏期には、実用上実施が困難であった。
さらに、特許文献4および特許文献5に開示された地盤固結剤のゲル化調整方法は、現場にて活性珪酸水溶液に酸を加えてpHを2以下に調整した酸性活性珪酸水溶液を用いるものであるが、工場で製造した活性珪酸水溶液をそのまま現場に搬入して用いた場合、ゲル化時間が長すぎて注入液がどこに逸脱するかわからず、そのためにアルカリ金属塩を加えるものであるが、アルカリ金属塩をそのまま加えるとシリカが析出してしまうため、水溶液を加えることになる。さらにまた、水溶液を加えるため、シリカ濃度が薄まって所定の強度が得られないという問題があった。
そこで、従来の活性珪酸の注入の手段と目的に際して、実用上の欠点を除き、作業性に優れ、強度と浸透性を高め、耐久性の向上を可能にし、液状化防止に極めて優れた地盤注入工法として、酸性活性珪酸水溶液を工場で製造した後にpHおよびSiO濃度を調製して地盤に注入する方法(特許文献6)が提案されている。
一方、特許文献7には、ゲル化時間の短縮を低減することを目的に、水ガラスを陽イオン交換樹脂で処理して得られる活性珪酸またはコロイダルシリカと、金属イオン封鎖剤およびリン酸系化合物のいずれか一方または両方とを有効成分として含有する薬剤を使用した地盤注入用グラウト材が開示されている。
特許第2987620号公報 特許第3091178号公報 特公平3−20430号公報 特開2000−1674号公報 特開平11−269458号公報 特許第3908231号公報 特開2000−63833号公報
しかしながら、沖縄県地方等では、サンゴ礁堆積物が広く分布し、臨海部の埋立てにはサンゴ礁堆積物の浚渫土が使用され、この浚渫土中には、サンゴ礁堆積物による炭酸カルシウムを通常の土壌よりも多量に含んでいる。そのため、特許文献6に記載の方法では、pHが酸性領域の地盤注入用活性珪酸水溶液を使用していることから、炭酸ガスを発生し、この炭酸ガスにより、ゲル化時間が短くなり広範囲を固めることができず、地盤がポーラス化して強度が低下するという問題点があった。
また、特許文献7に記載の方法は、活性珪酸またはコロイダルシリカと、金属イオン封鎖剤およびリン酸系化合物のいずれか一方または両方とを有効成分として含有する薬剤を、一度に地盤注入するため、上述の浚渫土中のようにサンゴ礁堆積物による炭酸カルシウムを通常よりも多量に含んでいる土壌に対しては、未だ十分なゲル化時間の短縮を低減する効果が得られていなかった。
そこで本発明の目的は、上記従来技術における問題を解消して、炭酸カルシウムを通常よりも多量に含む土壌であっても、炭酸ガスの発生を防止し、ゲル化時間を長くして広範囲を固めることができ、地盤のポーラス化による強度低下を防止する地盤注入工法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリカ化合物を地盤に注入する前に、特定の試薬で地盤を処理することにより、炭酸ガスの発生を防止し、ゲル化時間を長くして広範囲を固めることができ、地盤のポーラス化による強度低下を防止できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の地盤注入工法は、酸性化合物および/またはキレート剤を地盤に注入した後、シリカ化合物を地盤に注入することを特徴とするものである。
また、本発明の地盤注入工法は、前記酸性化合物が、リン酸、硫酸、塩酸および硫酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、前記キレート剤が、リン酸系キレート剤であることが好ましい。
さらに、本発明の地盤注入工法は、前記シリカ化合物が、水ガラス、活性シリカおよびコロイダルシリカからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明により、炭酸カルシウムを通常よりも多量に含む土壌であっても、炭酸ガスの発生を防止し、ゲル化時間を長くして広範囲を固めることができ、地盤のポーラス化による強度低下を防止する地盤注入工法を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき具体的に説明する。
本発明の地盤注入工法に用いられる酸性化合物としては、炭酸カルシウムと中和反応して、炭酸ガスを排出できるものであれば限定されず、例えば、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸、クエン酸、グルコン酸等の有機酸、硫酸アルミニウム等の酸性塩が挙げられ、リン酸、硫酸、塩酸および硫酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、本発明の地盤注入工法に用いられるキレート剤としては、炭酸カルシウム中のカルシウムを不動態化できるものであれば限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシフェニル酢酸)エチレンジアミン、これらの塩類、縮合リン酸塩等が挙げられる。縮合リン酸塩としてはピロリン酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸等のポリリン酸の塩であるが、具体的にはピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウムまたはこれらのカリウム塩等が挙げられる。さらに好ましくは、リン酸系キレート剤であり、具体的には、縮合リン酸塩で、特にヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム等が好ましい。
本発明において、酸性化合物および/またはキレート剤の地盤への注入方法としては、地盤に広い範囲で注入できるものであれば限定されないが、液体に溶解して注入することが好ましい。液体中の酸性化合物および/またはキレート剤の濃度は、本発明の所望の効果が得られれば限定されないが、好ましくは1質量%以上の溶液であり、さらに好ましくは、1〜10質量%である。また、酸性化合物および/またはキレート剤の注入後の地盤のpHは、好ましくは7以下であり、さらに好ましくはpH3〜7である。
また、本発明の地盤注入工法は、酸性化合物および/またはキレート剤を地盤に注入した後に、活性珪酸水溶液を地盤に注入するものであれば限定されないが、酸性化合物および/またはキレート剤を地盤に注入した後、直後から1週間後の間に活性珪酸水溶液を地盤に注入することが好ましく、1週間後に活性珪酸水溶液を地盤に注入することが、さらに好ましい。酸性化合物および/またはキレート剤を地盤に注入した後に1週間等の時間を置くことにより、炭酸ガスを十分に発生させること等ができ、活性珪酸水溶液を地盤に注入するときには、炭酸ガスの発生を十分に防止できる。
さらに、本発明の地盤注入工法に用いられるシリカ化合物は、特に限定されないが、例えば、水溶性珪酸塩(水ガラス)、即ち、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸アンモニウムなどをイオン交換法、電気泳動法、電気透析法などにより脱アルカリして得られるものがあるが、水ガラス、活性シリカおよびコロイダルシリカからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。また、2種以上のシリカ化合物を混合することで、ゲル化時間や強度を調整することができる。さらに、上記水ガラスとしては、モル比が2.0〜5.0の水ガラスを水で希釈して用いることが好ましい。
かかる水ガラスとしては、具体的には、水ガラス水溶液、これに酸、塩あるいは有機系反応剤、例えば、グリオキザノール等のアルデヒド化合物、酢酸エステル、ジエステル、トリエステル、炭酸エステル等のエステル類を加えた水ガラス水溶液、あるいは水ガラスのアルカリを酸で中和して得られる中性〜酸性シリカ溶液、活性シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン水溶液等が挙げられる。
上記活性シリカは、水ガラスをイオン交換樹脂またはイオン交換膜で処理して、水ガラス中のアルカリの一部または全部を除去して得られる。また、水ガラスと酸を混合してなる酸性水ガラスを、イオン交換樹脂またはイオン交換膜に通過させ、水ガラス中の塩の一部または全部を脱塩して得られたものであってもよい。さらに、活性シリカのシリカ濃度が低い場合には、加熱濃縮したり、コロイダルシリカ、水ガラス等を適宜に添加して、シリカ濃度を上げることもできる。活性シリカのシリカ濃度は、1〜8質量%、pHは2〜4である。
かかる活性シリカは、シリカ粒径が1〜5nmに成長して数日後にはゲル化するが、苛性アルカリや水ガラス等のアルカリを加えて、アルカリ側のpHにすることにより安定化される。この安定化した活性シリカに、現場で酸や塩を加えてpHやゲル化時間を調整し、使用に供される。また、活性シリカに酸を加え、可使時間を長くしてゲル化時間を調製することもできる。この種の活性シリカはゲル化時間を長く調整できるのみならず、低濃度でもゲル化し、かつ固結後の耐久性にも優れている。粘度は水とほとんど変わらず、2cps以下である。
また、コロイダルシリカはコロイド化されており、活性シリカをアルカリまたは水ガラスを加えて濃縮重合して、弱アルカリ領域に安定化して製造する。これにより、Na含有量が少ないことから中性付近のpHでも、ゲル化せず長時間安定し、また少ない反応剤でもゲル化することから、本発明に適している。
かかるコロイダルシリカは、上記活性シリカを加熱することにより濃縮増粒し、pHを9〜10に調製して安定化して得られるが、pHが酸性〜中性であってもよい。このようにして得られたコロイダルシリカはシリカ濃度が5質量%以上、通常は30質量%程度であり、また、粒径は5〜20nmであるが、それ以上、例えば、100nm程度まで大きくすることができる。
さらに、酸性〜中性のシリカゾルは、水ガラスを過剰またはほぼ当量の酸と混合し、水ガラス中のアルカリ分を中和除去して得られるpHが酸性から5〜9程度の中性シリカ水溶液である。これは通常、注入現場で調製され、通常の地盤注入ではシリカ濃度3〜10質量%で使用される。このシリカゾルもアルカリが除去されているため、耐久性に優れ、シリカ濃度が1質量%以下でもゲル化する。粘度は水とほとんど同じであり、2cps以下である。
本発明の地盤注入工法に用いられるシリカ化合物は、SiO濃度が1〜10質量%であることが好ましく、シリカ化合物は工場で製造し、熟成した後、これを現場に搬入する際に、水ガラスを加えてSiO濃度を調製することもできる。この場合、工場製造時のシリカ化合物は、好ましくはSiO濃度が1〜5質量%である。工場製造時のシリカ化合物のSiOの量が1質量%より少ないと、地盤改良のための強度や耐久性が不足する場合があり、一方、シリカ化合物のSiO濃度が5質量%より多いと、イオン交換樹脂やイオン交換膜にシリカが詰まってしまう場合がある。なお、シリカ化合物のシリカ濃度を高めてゲル化時間を長くするとともに高耐久かつ高強度を得るには、pHが中性よりも酸性領域の範囲でシリカ化合物に添加する酸の量を増やし、その分、現場で加える水ガラスの量を多くすればよい。
本発明においては、pH2〜4の上記シリカ化合物に酸を加えてpHが2未満のシリカ化合物にすることが好ましい。ここで、添加する酸は、無機酸でも有機酸でも使用できる。例えばHCl、HSO、HNO、HPOなどやクエン酸、グルコン酸、酢酸のような有機酸を好適に使用することができるが、好ましくは無機酸を使用し、特にリン酸が優れている。勿論、酸として各種塩を使用してもよい。また、現場で加えるゲル化調整剤として各種無機酸、有機酸のほかにアルカリ金属、アルカリ土類金属、その他各種塩、例えば炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩、塩化物、アルミン酸塩等任意の塩を用いることができる。
pH2未満のシリカ化合物は工場で製造し、熟成した後、これを現場に搬入することが好ましい。熟成期間としては、好ましくは1日以上である。このようなシリカ化合物は単分子の活性珪酸がpH2未満の酸性領域において重合反応によってコロイド化して安定化し、100時間以上、通常400時間以上のゲル化時間という極めて長いゲル化時間を保持している。このため、工場生産してから現場に搬入するまで、たとえ気温が上がっても現場における可使時間がなくなる心配はない。
また、本発明におけるシリカ化合物の大きさは、製造時点では、単分子程度の大きさで、それが重合反応により増粒してもせいぜい平均粒径が5nm程度である。それに酸を加えてpHを2よりも低くすると平均粒径が1nm以下であるが、それを1日以上熟成することによって平均粒径が5〜10nmまで大きくなる。このような安定化したシリカ化合物に水ガラスを酸性領域の範囲で加えてシリカ濃度を大きくすると、コロイドが10〜20nmの大きさに常温で増粒して長いゲル化時間を保持する。シリカが長期耐久性を得るには、シリカがコロイド状に成長して、その比表面積が小さくなり、かつ、非アルカリ領域であることが好ましく、これによりシリカの溶解が少なくなり、耐久性に優れたものとすることができることが判っている。この粒径の小さい酸性活性シリカを、pH2以下で、好ましくは1日以上熟成して粒径を大きくし、さらに現場で酸性領域内で水ガラスを加えることによって、シリカ化合物コロイドと水ガラスとの反応によりシリカの重合反応が生じて増粒される結果、10nm以上の大きな粒径のシリカに成長して、長期耐久性に優れたシリカコロイドが得られ、これにより、ゲル化時間が長く、現場条件に適合した任意のゲル化時間と強度が得られ、かつ、工場製造から現場に至るまでの作業性に優れた地盤注入工法を可能にする。
本発明に係るシリカ化合物には、目的に応じて通常知られているゲル化調整剤や硬化剤を添加してよい。例えば、セメント、石灰、スラグ、石膏等の懸濁性硬化剤を用いたりすることもできる。また、粘土等の懸濁分を加えることができるのはもちろんである。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に詳述するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、%は質量%を示す。
実施例1〜5、比較例1
カルシウム混合砂(地盤)に、酸性水またはキレート水を混合し、地盤のpHを測定した。1週間後、シリカ化合物(薬液)5mLを混合し、薬液注入後の地盤のpHを測定し、地盤中ゲル化時間を測定した。
カルシウム混合砂は、豊浦砂に、全質量の4質量%にあたるコーラルサンド(炭酸カルシウム)を混合したものを使用した。
実施例1〜4は、酸性水として硫酸を水で希釈し、地盤のpHが下記表1記載の値になるように調整した。また、実施例5は、キレート水として、ヘキサメタリン酸ナトリウムを水で希釈し、地盤のpHが下記表1記載の値になるように調整した。
また、シリカ化合物は、コロイダルシリカと水ガラスの混合したものを主剤とし、硫酸にてpH2.69に調整した。このシリカ化合物は、シリカ濃度6質量%で、気中ゲル化時間は約1500分であった。
さらに、比較例1として、カルシウム混合砂をイオン交換水と混合したものにシリカ化合物を5mL混合し、地盤のpH、薬液注入後の地盤のpHおよび地盤中ゲル化時間を測定した。
Figure 0004701370
表1の結果より、地盤を処理していない比較例1においては、地盤中ゲル化時間が84分であったのに対し、実施例1〜4においては、酸により地盤のpHを変化させることで地盤中ゲル化時間を長くすることができた。また、キレート剤であるヘキサメタリン酸ナトリウム希釈水を混合したものである実施例5も、比較例1と比べゲル化時間が長くなった。
本実施例の結果より、シリカ化合物を注入する前に酸、またはキレート剤で地盤を処理することにより、炭酸ガスの発生を防止し、地盤中ゲル化時間を長くして広範囲を固めることができ、地盤のポーラス化による強度低下を防止できることを示した。

Claims (4)

  1. 無機酸または有機酸、および/または、キレート剤を、炭酸カルシウムを含む地盤に注入して、地盤中に含まれる炭酸カルシウムから炭酸ガスを発生させた後、シリカ濃度が1〜10質量%で酸性領域のシリカ化合物を前記地盤に注入することによって固結地盤のポーラス化を防止することを特徴とする地盤注入工法。
  2. 前記キレート剤がリン酸系キレート剤である請求項1記載の地盤注入工法。
  3. 前記シリカ化合物が、水ガラス、活性シリカおよびコロイダルシリカからなる群から選ばれる1種以上である請求項1または2記載の地盤注入工法。
  4. 前記炭酸カルシウムを含む地盤がサンゴ礁堆積物を含む地盤である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の地盤注入工法。
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