JP2005075857A - ポリウレタン弾性繊維用材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】衣服などに用いた際、衣服などのフィット性とソフトな着用感、ドライクリーニング性および経済性の全てを優れたものとすることが可能なポリウレタン弾性繊維用の材料を得ることにある。
【解決手段】高分子量ジオール(a2)と芳香族ジイソシアネート(a1)を主要構成成分としてなる重量平均分子量が100,000以上1,000,000以下のポリウレタンエラストマー(A)および可塑剤(B)からなるポリウレタン弾性繊維用材料を使用して、ポリウレタン弾性繊維を得る。
【選択図】なし。
【解決手段】高分子量ジオール(a2)と芳香族ジイソシアネート(a1)を主要構成成分としてなる重量平均分子量が100,000以上1,000,000以下のポリウレタンエラストマー(A)および可塑剤(B)からなるポリウレタン弾性繊維用材料を使用して、ポリウレタン弾性繊維を得る。
【選択図】なし。
Description
本発明は、ポリウレタン弾性繊維用材料に関する。更に詳しくは衣服などに用いた際、衣服などのフィット性、ソフトな着用感などを特に優れたものとすることが可能なポリウレタン弾性繊維用材料に関する。
ポリウレタン弾性繊維は、その優れた伸縮特性から、レッグウエア、インナーウエア、スポーツウエアなどに広く展開されている。
そしてポリウレタン弾性繊維の布帛に占める混率をさらに高くすることで、こうした特徴をさらに生かすことができ、特にストッキング、水着等のフィット性を良好とすることができる。
しかし、こうした中で、未だ完全には解決されない事項として、着圧の問題がある。つまり、ポリウレタン弾性繊維の混率が高くなると、着圧が高くなり、締め付けが強すぎ、ソフトな着用感が得られない。
かかる問題点の解決法としては、ウレタン樹脂のモジュラスを下げる手法が採られていた。
その代表的な手段としては、ウレタン樹脂のウレタン基濃度および/またはウレア基濃度を低くする方法がとられていた。
しかし、ウレタン樹脂のウレタン基濃度および/またはウレア基濃度の低下に従い、高分子ジオール成分が結晶化し易くなり、モジュラスの低下の目的に対しては、効果が少ない。また低温下では逆にモジュラスが増大するのが現状であった。
上記高分子ジオール成分の結晶化を防止してモジュラスを低下させる技術として、テトラヒドロフラン(以下、THFと略する)とエチレンオキサイド(以下、EOと略する)の共重合高分子ジオールを使用する方法(例えば特許文献1参照)、THFとプロピレンオキサイド(以下、POと略する)の共重合高分子ジオールを使用する方法(例えば非特許文献1参照)、THFと3−メチル−THFの共重合高分子ジオールを使用する方法(例えば特許文献2参照)が開示されている。
ところが、これらの共重合高分子ジオールを使用する方法では、耐溶剤性が弱く、耐ドライクリーニング性が劣るという問題点があった。
また、さらにこれらの共重合高分子ジオールは合成上の収率が悪い、あるいはモノマーが高価なため、経済性に問題をかかえており、耐ドライクリーニング性が不必要な用途でもまだ広く使用されるには至っていない。
以上の理由から、従来の技術では、衣服などに用いた際、衣服などのフィット性とソフトな着用感、耐ドライクリーニング性および経済性の全てを満足するポリウレタン弾性繊維を得ることはできなかった。
すなわち、本発明の目的は、衣服などに用いた際、衣服などのフィット性とソフトな着用感、ドライクリーニング性および経済性の全てを優れたものとすることが可能なポリウレタン弾性繊維用の材料を得ることにある。
本発明のポリウレタン弾性繊維用材料は、前記の課題を解決するため以下の構成を有する。すなわち、本発明は、高分子量ジオール(a2)と芳香族ジイソシアネート(a1)を主要構成成分としてなる重量平均分子量が100,000以上1,000,000以下のポリウレタンエラストマー(A)および可塑剤(B)からなるポリウレタン弾性繊維用材料、および該ポリウレタン弾性繊維用材料からなるポリウレタン弾性繊維である。
本発明のポリウレタン弾性繊維用材料は下記の効果を有する。
1.衣服などに用いた際、衣服などのフィット性を満足する。
2.フィット感がありながら締め付け感のないソフトな着用感を有し、低温でも風合いが変化しない。
3.ドライクリーニング性が優れている。
4.経済性に問題がない。
1.衣服などに用いた際、衣服などのフィット性を満足する。
2.フィット感がありながら締め付け感のないソフトな着用感を有し、低温でも風合いが変化しない。
3.ドライクリーニング性が優れている。
4.経済性に問題がない。
本発明におけるポリウレタンエラストマー(A)は、芳香族系ジイソシアネート(a1)と、高分子量ジオール(a2)を主要構成成分としてなる。(A)の重量平均分子量が、通常100,000以上、好ましくは150,000以上、さらに好ましくは200,000以上であり、通常1,000,000以下、好ましくは700,000以下、さらに好ましくは500,000以下である。重量平均分子量が100,000未満では所望の破断強度のウレタンエラストマーを得ることができず、重量平均分子量が1,000,000を越えると熱溶融時の溶融粘度が上昇あるいは溶液粘度が上昇し、高いポンプ圧が必要で、溶融紡糸あるいは乾式紡糸が困難になる場合がある。 重量平均分子量の測定方法としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと略記)を使用して、ジメチルフォルムアミドを溶媒とし、ポリスチレンの分子量標準サンプルから得た検量線を基に測定する方法が挙げられる。
(A)は、芳香族系ジイソシアネート(a1)と高分子量ジオール(a2)にさらに、必要により低分子量ジオール(a3)を反応させて得ることができる。(A)は、過剰の芳香族系ジイソシアネート(a1)と、高分子量ジオール(a2)および必要により、低分子量ジオール(a3)とから誘導されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(a)に、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、および芳香脂肪族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミン(b1)および脂肪族モノアミン(b2)を反応させて得ることが好ましい。また、本発明の効果を妨げない範囲で3官能以上の多官能性ポリイソシアネート、多官能性高分子量ポリオール、多官能性低分子量ポリオール、多官能性ポリアミン等が適用されても何ら構わない。これらの多官能成分の許容される使用割合は、それぞれ、芳香族ジイソシアネート(a1)、高分子量ジオール(a2)、低分子量ジオール(a3)、ジアミン(b1)の使用モル数に対して通常3モル%以下、好ましくは1モル%以下である。
上記芳香族ジイソシアネート(a1)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このような芳香族ジイソシアネートには、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、これらの芳香族ジイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基等を有するジイソシアネート変性物);およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは芳香族ジイソシアネートである。
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記)、4,4’ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどが挙げられる。このうちで、特に好ましいものはMDIである。
上記高分子量ジオール(a2)の数平均分子量は、本材料から製造される繊維のソフト感の観点から好ましくは500以上、好ましくは800以上、さらに好ましくは1000以上であり、該繊維の強度の観点から好ましくは10,000以下、好ましくは5000以下、さらに好ましくは3000以下である。
なお、ここでいう数平均分子量は、水酸基価から算出できる。
なお、ここでいう数平均分子量は、水酸基価から算出できる。
上記高分子量ジオール(a2)の具体例としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオールおよびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
上記ポリエステルジオールとしては、例えば(1)2価アルコール類とジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル、酸ハライド等]との縮合重合によるもの;(2)2価アルコール類を開始剤としてラクトンモノマーを開環重合したもの;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記2価アルコール類の具体例としては、脂肪族2価アルコール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)など];脂環基含有2価アルコール類[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなど];芳香環含有2価アルコール類[m−およびp−キシリレングリコール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど)のアルキレンオキシド付加物(分子量500未満)、ジヒドロキシナフタレンのアルキレンオキシド付加物(分子量500未満)、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは、脂肪族2価アルコール類である。
上記(1)のジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族ジカルボン酸である。
上記(2)のラクトンモノマーとしてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、2価アルコールにアルキレンオキサイド(以下AOと略記)が付加した構造の化合物およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記2価アルコールとしては、前述のポリエステルジオールで例示した2価アルコールと同等のものが挙げられる。
2価アルコールに付加するアルキレンオキサイド(以下AOと略す)としては、EO、PO、1,2−,2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、THF、3−メチルTHF、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどがあげられる。
AOは単独でも2種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型など)でもランダム付加でも両者の混合系〔ランダム付加後にチップしたもの:分子中に任意に分布されたAO鎖を0〜50重量%(好ましくは5〜40重量%)有し、0〜30重量%(好ましくは5〜25重量%)のAO鎖が分子末端にチップされたもの〕でもよい。
これらのAOのうちで好ましいものはTHF単独である。
これらのAOのうちで好ましいものはTHF単独である。
ポリエーテルジオールの具体例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下PTMGと略記)、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール、THF/EO共重合ジオール、THF/3M−THF共重合ジオールなどが挙げられる。これらのうち好ましいものはPTMGである。
2価アルコールへのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒など)の存在下(とくにAO付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれる。
また、該ポリエーテルジオールの第1級水酸基含有率は通常0〜100%、好ましくは30〜100%、更に好ましくは50〜100%、最も好ましくは70〜100%である。
また、ポリエーテルエステルジオールとしては、上記ポリエーテルジオールの1種以上と前記ポリエステルジオールの原料として例示したジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては例えば特開平1−190717号広報に開示されているものが挙げられ、例えばポリ(ペンタン−1,5カーボネート)ジオール、ポリ(ヘキサン−1,6カーボネート)ジオール等が挙げられる。
これらの高分子量ジオール(a2)のうちで好ましいものはポリエーテルジオールであり、さらに好ましいのはPTMGである。
該(a2)と共に必要により使用される低分子量ジオール(a3)としては、前記ポリエステルジオールの出発物質として例示した2価アルコールが使用できる。該(a3)として好ましいものは脂肪族2価アルコールである。
ポリウレタンエラストマー(A)の製造方法としてはワンショット法とプレポリマー経由法を挙げることができる。(A)の製造方法としてはプレポリマー経由法が好ましい。
ポリウレタンエラストマー(A)の製造において、ワンショットで(a1)、(a2)および必要により(a3)を反応させる場合のモル比は、(a1)1モルに対し、(a2)は通常0.2〜0.9モル、好ましくは0.3〜0.8モルであり、(a3)は通常0〜0.8モル、好ましくは0.2〜0.7モルである。
ポリウレタンエラストマー(A)の製造において、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)を形成する際の(a1)、(a2)および必要により(a3)のモル比は、(a1)1モルに対し、(a2)は通常0.2〜0.9モル、好ましくは0.3〜0.8モルであり、(a3)は通常0〜0.3モル、好ましくは0.01〜0.15モルである。また、該ウレタンプレポリマー(a)の遊離イソシアネート基含量は通常1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
プレポリマー経由法においては、該ポリウレタンエラストマー(A)は、上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a)に脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、および芳香脂肪族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミン(b1)および脂肪族モノアミン(b2)を反応させることにより得られることが好ましい。。
上記(b1)としては、脂環族ジアミン[4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等];脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];芳香脂肪族ジアミン[キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂環族ジアミンおよび脂肪族ジアミンであり、特に好ましいものはイソホロンジアミンおよびエチレンジアミンである。
上記(b2)としては、モノアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等];ジアルキルアミン[ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等];アルカノールアミン[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはジアルキルアミンであり、特に好ましいものはジプロピルアミンおよびジブチルアミンである。
上記(A)の形成反応において、ウレタンプレポリマー(a)のイソシアネート基1当量に対する(b1)の当量比は、通常0〜1.2当量、好ましくは0.7〜1.1当量であり、また(b2)の当量比は、通常0〜0.2当量、好ましくは0.05〜0.15当量である。
本発明で用いられるポリウレタンエラストマ−(A)の製造方法としては特に限定されないが、(1)ウレタンプレポリマー(a)と好ましくは溶剤を静止型混合機で連続的にライン混合し、更に瞬間混合機でこの溶剤希釈ウレタンプレポリマーと好ましくは(b1)、(b2)を含む溶液を瞬間混合し反応させる方法、(2)バッチ式反応槽に(a1)、(a2)、必要により(a3)および溶剤を一括して仕込み加熱反応させる方法等が挙げられる。(A)の製造方法としては(1)の方法が好ましい。
ウレタンプレポリマー(a)の製造方法としては特に限定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。
(1)無溶剤下、ニーダー中で(a1)、(a2)および必要により(a3)を混合、加熱反応させる方法。 (2)攪拌機付きバッチ式反応槽中で溶剤存在下、(a1)、(a2)および必要により(a3)を混合、加熱反応させる方法。 (3)攪拌機付きバッチ式反応槽中で無溶剤下、(a1)、(a2)および必要により(a3)を混合、加熱反応させる方法。 好ましい方法は(3)である。
ウレタンプレポリマー(a)の製造方法としては特に限定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。
(1)無溶剤下、ニーダー中で(a1)、(a2)および必要により(a3)を混合、加熱反応させる方法。 (2)攪拌機付きバッチ式反応槽中で溶剤存在下、(a1)、(a2)および必要により(a3)を混合、加熱反応させる方法。 (3)攪拌機付きバッチ式反応槽中で無溶剤下、(a1)、(a2)および必要により(a3)を混合、加熱反応させる方法。 好ましい方法は(3)である。
本発明において使用される可塑剤(B)としては、ポリアルキレングリコールの芳香族モノカルボン酸ジエステル;フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];脂肪族リン酸エステル[トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシホスフェート等];芳香族リン酸エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等];ハロゲン脂肪族リン酸エステル[トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(βークロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
該可塑剤(B)として例示したもののうち好ましいものは、下記一般式(1)で示されるポリアルキレングリコールの芳香族モノカルボン酸ジエステル(B1)である。
[式中、R1及びR2は炭素数1〜10のアルキル基および/またはハロゲンで置換されていてもよい芳香族炭化水素基であって同一または異なっていてもよく、Aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を表し、nは2以上25以下の整数を表す。]
上記一般式(1)において、R1及びR2の具体例としては、フェニル基、トルイル基、キシレニル基、4−ブチルフェニル基、2,4−ジブチルフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、ノニルフェニル基などが挙げられる。 また、Aとしては、炭素数2〜4の直鎖または分岐のアルキレン基(エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基など)及びこれらのハロゲン置換された基(1−クロロメチルエチレン基、1−ブロモメチルエチレン基など)、が挙げられ、同じでも異なっていてもよい。
これらのうち好ましいものは、R1及びR2がそれぞれ独立にフェニル基またはアルキル(炭素数1〜10)フェニル基、Aがアルキレン基のものである。また、上記一般式(1)におけるnは弾性繊維の低温でのソフト感の観点から通常2以上、好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、弾性繊維の紡糸時の揮散性の観点から通常25以下、好ましくは15以下、更に好ましくは10以下である。
上記芳香族カルボン酸ジエステル(B1)の製造方法としては特に限定されないが、例えば、(1)芳香族モノカルボン酸もしくはその低級アルキル(炭素数1〜4)エステルとポリアルキレングリコールとを減圧下で加熱し、生成する水またはアルコールを除去する方法、(2)芳香族モノカルボン酸の無水物とポリアルキレングリコールとを反応させ、過剰のモノカルボン酸を中和し抽出により除去する方法などが挙げられる。
該(B1)はそれ単独あるいは前記の他の可塑剤の1種以上と併用して用いられる。併用する場合は(B)中の(B1)の含有量が50重量%以上、好ましくは70重量%以上であることが、弾性繊維のソフトな着用感および良好な低温特性が得られる点から望ましい。
本発明のポリウレタン弾性繊維用材料において、ポリウレタンエラストマー(A)に対する可塑剤(B)の配合割合は、ソフトな着用感および良好な低温特性の観点から、(A)100重量部あたり好ましくは2重量部以上、さらに好ましくは3重量部以上、最も好ましくは5重量部以上であり、弾性繊維の表面の経時的ブリード性の観点から好ましくは80重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下、最も好ましくは30重量部以下である。
本発明において使用される溶剤としては、ジメチルアセトアマイド(以下、DMACと略する)、ジメチルフォルムアマイド、ジメチルスルフォオキシド、N−メチルピロリドンが挙げられる。これらのうち、好ましいのはDMACである。
なお、ポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合しても何ら構わない。これらの例としては例えば、特公平11−200147号広報に開示されているものが挙げられる。
本発明において使用される添加剤としては、顔料、安定剤およびその他の添加剤が挙げられる。
顔料としては特に限定されず、公知の有機顔料および/または無機顔料を使用することができ、(A)100重量部あたり、通常0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部配合する。有機顔料としては例えば不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化セレン化合物、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉末、カーボンブラック等が挙げられる。
安定剤としては特に限定されず公知の酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を使用することができ、(A)100重量部あたり、通常0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部配合される。酸化防止剤としては、フェノール系[たとえば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系[たとえば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等];リン系[たとえばトリフェニルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト等]などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系[たとえば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系[たとえば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、サリチル酸系[フェニルサリシレートなど];ヒンダードアミン系[たとえばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]などが挙げられる。
本発明の弾性繊維用材料に任意に含有させることのできるその他の添加剤としては、たとえば融着防止剤、難燃剤などが挙げられる。
本発明のポリウレタン弾性繊維用材料の製造方法は特に限定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。
(1)(A)、(B)および必要により添加剤を一括して溶融混合装置で混合する方法。
(2)(A)および溶剤を混合した後、(B)および必要により添加剤を加えてバッチで攪拌混合またはスタティックミキサー等で連続混合する方法。
(3)(A)または(A)の溶液を製造する任意の段階であらかじめ(B)および必要により添加剤の一部または全部を含有させておく方法。
(1)(A)、(B)および必要により添加剤を一括して溶融混合装置で混合する方法。
(2)(A)および溶剤を混合した後、(B)および必要により添加剤を加えてバッチで攪拌混合またはスタティックミキサー等で連続混合する方法。
(3)(A)または(A)の溶液を製造する任意の段階であらかじめ(B)および必要により添加剤の一部または全部を含有させておく方法。
本発明のポリウレタン弾性繊維用材料の製造装置は特に限定されず、公知の弾性繊維用材料の製造装置を使用することができる。該弾性繊維用材料の製造装置としては、ジイソシアネートと高分子ジオールを求心混合機で混合した後、パイプライン中でプレポリマーを生成させ、冷却した後、溶剤と高剪断混合機で希釈し、更にジアミン、およびモノアミンの混合液と強力混合機で瞬間混合するものなどがあり、例えばBrit.Pat.934,519(1963)に述べられている製造装置等が挙げられる。
本発明の弾性繊維用材料の形態は溶融紡糸法で使用される場合は溶融状態または無溶剤ペレットまたは無溶剤ブロック形状で製造される。一方、乾式紡糸法で使用される場合は先に例示したDMAC等の溶剤で希釈した通常、30重量%以上80重量%以下の樹脂濃度のウレタン溶液で製造される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
製造例1:ディーン・スターク装置を取り付けた1Lのガラス製反応容器に安息香酸244g(2モル)、分子量335のポリエチレングリコール335部(1モル)、シュウ酸チタンカリウム0.51部(0.0014モル)、キシレン70部を仕込み、窒素を30ml/minの流量で液中パスを行いながら200℃まで昇温した。200℃到達後、その温度で8時間エステル化反応を行い、反応中に生成した縮合水は反応系外へ除去した。得られた生成物を炭酸ナトリウムの5重量%水溶液で洗浄した後、−0.09MPaの減圧下、120〜135℃でキシレンを留去し、エステル540部を得た。得られたエステルのケン化価は201、酸価は0.3であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリエチレングリコールジ安息香酸エステルであった。これを[可塑剤1]とする。
製造例2:上記製造例1の分子量335のポリエチレングリコールに代えて、分子量335のポリプロピレングリコール335部(1モル)を用いる以外は製造例1と全く同じ条件でエステル化反応と後処理を行った。得られたエステルは540部であり、そのケン化価は200、酸価は0.4であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコールジ安息香酸エステルであった。これを[可塑剤2]とする。
製造例3:攪拌棒をセットしたタンクにエチレンジアミン60部、ジプロピルアミン10.1部、DMAC2267部を投入し、20℃下で攪拌均一とし、アミン濃度3.0%の[混合アミン溶液1]を作成した。
製造例4:撹拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコに、PTMG2000[三洋化成工業(株)製 分子量2000、水酸基価56.1]833部を投入し、続いてMDI167部を投入し、80℃で6時間反応を行い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーの遊離イソシアネート含量は2.1%であった。次にこのプレポリマーを温調可能なタンクに移し、40℃に温調した後、ギアーポンプにて200部/minの流速でスタティックミキサーにライン送液した。一方、精密ギアーポンプでDMACを300部/minの流速でスタティックミキサーにライン送液し、連続的にプレポリマー濃度40%の希釈プレポリマーを得た。更にこの希釈プレポリマーを瞬間混合機[桜製作所製S−1ミキサー]に連続的に導入し、1600rpmの回転速度で114.6部/minの流速の混合アミン溶液1と混合、ポリウレタンエラストマー溶液を得た。このポリウレタンエラストマー溶液は樹脂濃度が33.1%、B型粘度計で測定した20℃粘度は80万センチポイズであった。また、ウレタンエラストマー成分はGPCを用い、ポリスチレンの分子量標準サンプルから得た検量線を基に測定したところ、重量平均分子量は22.0万であった。これを[ポリウレタンエラストマー溶液1]とする。
製造例5:撹拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコに、数平均分子量が2,000、ヒドロキシル価が56.1のポリエチレンアジペートジオール[「サンエスター2620」、三洋化成工業(株)製]814部および1,4ブタンジオール4.3部を投入し、60℃で溶解した。続いてMDI181.8部を投入し、110℃で8時間反応を行い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーの遊離イソシアネート含量は2.29%であった。次にこのプレポリマーを温調可能なタンクに移し、40℃に温調した後、ギアーポンプにて200部/minの流速でスタティックミキサーにライン送液した。一方、精密ギアーポンプでDMACを300部/minの流速でスタティックミキサーにライン送液し、連続的にプレポリマー濃度40%の希釈プレポリマーを得た。更にこの希釈プレポリマーを瞬間混合機[桜製作所製S−1ミキサー]に連続的に導入し、1600rpmの回転速度で125.0部/minの流速の混合アミン溶液1と混合、ポリウレタンエラストマー溶液を得た。このポリウレタンエラストマー溶液は樹脂濃度が32.6%、B型粘度計で測定した20℃粘度は85万センチポイズであった。また、ウレタンエラストマー成分はGPCを用い、ポリスチレンの分子量標準サンプルから得た検量線を基に測定したところ、重量平均分子量は23.1万であった。これを[ポリウレタンエラストマー溶液2]とする。
製造例6:撹拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコに、PTMG2000[三洋化成工業(株)製 分子量2000、水酸基価56.1]670部、1,4ブタンジオール64.2部、DMAC2030部を投入し、攪拌して均一となった後、MDI266部を投入し、80℃で6時間反応を行い、ポリウレタンエラストマー溶液を得た。このポリウレタンエラストマー溶液は樹脂濃度が33.0%、B型粘度計で測定した20℃粘度は80万センチポイズであった。また、ウレタンエラストマー成分はGPCを用い、ポリスチレンの分子量標準サンプルから得た検量線を基に測定したところ、重量平均分子量は22.0万であった。これを[ポリウレタンエラストマー溶液3]とする。
製造例7:撹拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコに、PTMG2000[三洋化成工業(株)製 分子量2000、水酸基価56.1]849部を投入し、続いてイソホロンジイソシアネート151部を投入し、120℃で4時間反応を行い、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーの遊離イソシアネート含量は2.14%であった。次にこのプレポリマーを温調可能なタンクに移し、40℃に温調した後、ギアーポンプにて200部/minの流速でスタティックミキサーにライン送液した。一方、精密ギアーポンプでDMACを300部/minの流速でスタティックミキサーにライン送液し、連続的にプレポリマー濃度40%の希釈プレポリマーを得た。更にこの希釈プレポリマーを瞬間混合機[桜製作所製S−1ミキサー]に連続的に導入し、1600rpmの回転速度で116.8部/minの流速の混合アミン溶液1と混合、ポリウレタンエラストマー溶液を得た。このポリウレタンエラストマー溶液は樹脂濃度が33.0%、B型粘度計で測定した20℃粘度は75万センチポイズであった。また、ウレタンエラストマー成分はGPCを用い、ポリスチレンの分子量標準サンプルから得た検量線を基に測定したところ、重量平均分子量は21.0万であった。これを[ポリウレタンエラストマー溶液4]とする。
ポリウレタンエラストマー溶液1を100部、可塑剤1を5部および添加剤として酸化チタン「タイペークR−820」、石原産業(株)製]1部をプラネタリーミキサー内に投入し公転10rpm、自転60rpmで60℃で10分間混合した。静置して脱泡後40℃まで冷却し、本発明のポリウレタン弾性繊維用材料(P1)を得た。これをガラス板上に約250μmの厚みでコーティングし、60℃の循風乾燥機で4時間、80℃の循風乾燥機で4時間乾燥し、膜厚約100μmのフィルム(F1)を得た。
実施例1のポリウレタンエラストマー溶液1の代わりにポリウレタンエラストマー溶液2を使用し、可塑剤1の代わりに可塑剤2を使用する以外は、同じ方法で、本発明のポリウレタン弾性繊維用材料(P2)とフィルム(F2)を得た。
実施例1のポリウレタンエラストマー溶液1の代わりにポリウレタンエラストマー溶液3を使用する以外は、同じ方法で、本発明のポリウレタン弾性繊維用材料(P3)とフィルム(F3)を得た。
ポリウレタンエラストマー溶液1を100部、可塑剤1を10部および添加剤として酸化チタン「タイペークR−820」、石原産業(株)製]1部をプラネタリーミキサー内に投入し公転10rpm、自転60rpmで60℃で10分間混合した。静置して脱泡後40℃まで冷却し、本発明のポリウレタン弾性繊維用材料(P4)を得た。これをガラス板上に約250μmの厚みでコーティングし、60℃の循風乾燥機で4時間、80℃の循風乾燥機で4時間乾燥し、膜厚約100μmのフィルム(F4)を得た。
比較例1:実施例1のポリウレタンエラストマー溶液1の代わりにポリウレタンエラストマー溶液4を使用する以外は、同じ方法で、ポリウレタン弾性繊維用材料(P5’)とフィルム(F5’)を得た。
比較例2:ポリウレタンエラストマー溶液1を100部、添加剤として酸化チタン「タイペークR−820」、石原産業(株)製]1部をプラネタリーミキサー内に投入し公転10rpm、自転60rpmで60℃で10分間混合した。静置して脱泡した後40℃まで冷却し、ポリウレタン弾性繊維用材料(P6’)を得た。これをガラス板上に約300μmの厚みでコーティングし、60℃の循風乾燥機で4時間、80℃の循風乾燥機で4時間乾燥し、膜厚約100μmのフィルム(F6’)を得た。
実施例1〜4および比較例1〜2で得られたフィルムF1〜F4およびF5’〜F6’について下記試験方法により性能試験を行った。その結果を表1に示す。
(試験方法)
(1)300%伸長回復率:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引いた。この試験片を20℃下でインストロン型引っ張り試験機(島津製作所製オートグラフ)で50cm/分の引っ張り速度で300%伸長を5回繰り返し、次に300%長さを30秒間保持、次に300%長さを回復せしめ、応力が0になったときの試験片の標線長さをLcmとした。L×10(%)を300%伸長回復率とし、衣料用の弾性繊維に使用したときのフィット性の指標とした。
(2)常温100%伸長時応力:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引き、標線間のフィルム平均厚み(Gcm)を測定した。この試験片を20℃下でインストロン型引っ張り物性測定機(島津製作所製オートグラフ)で50cm/分の引っ張り速度で100%伸長時の応力Skgを測定した。S/Gを常温100%伸長時応力(kg/cm2)とし、衣料用の弾性繊維に使用したときのソフトな着圧感の指標とした。
(3)低温100%伸長時応力:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引き、標線間のフィルム平均厚み(Gcm)を測定した。この試験片を−10℃下でインストロン型引っ張り物性測定機(島津製作所製オートグラフ)で50cm/分の引っ張り速度で100%伸長時の応力Skgを測定した。S/G(kg/cm2)を低温100%伸長時応力とし、衣料用の弾性繊維に使用したときの低温でのソフトな着圧感の指標とした。
(4)ドライクリーニング後伸長回復率:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引き、標線間のフィルム平均厚み(Gcm)を測定した。この試験片を300%伸長した状態で20℃のパークロロエチレン中に5分間浸漬し、その後50℃順風乾燥機で10分間乾燥後、張力を解放し、その時の標線間の長さLcmを測定した。L×10(%)をドライクリーニング後伸長回復率(%)とし、衣料用の弾性繊維に使用したときの耐ドライクリーニング性の指標とした。
(1)300%伸長回復率:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引いた。この試験片を20℃下でインストロン型引っ張り試験機(島津製作所製オートグラフ)で50cm/分の引っ張り速度で300%伸長を5回繰り返し、次に300%長さを30秒間保持、次に300%長さを回復せしめ、応力が0になったときの試験片の標線長さをLcmとした。L×10(%)を300%伸長回復率とし、衣料用の弾性繊維に使用したときのフィット性の指標とした。
(2)常温100%伸長時応力:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引き、標線間のフィルム平均厚み(Gcm)を測定した。この試験片を20℃下でインストロン型引っ張り物性測定機(島津製作所製オートグラフ)で50cm/分の引っ張り速度で100%伸長時の応力Skgを測定した。S/Gを常温100%伸長時応力(kg/cm2)とし、衣料用の弾性繊維に使用したときのソフトな着圧感の指標とした。
(3)低温100%伸長時応力:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引き、標線間のフィルム平均厚み(Gcm)を測定した。この試験片を−10℃下でインストロン型引っ張り物性測定機(島津製作所製オートグラフ)で50cm/分の引っ張り速度で100%伸長時の応力Skgを測定した。S/G(kg/cm2)を低温100%伸長時応力とし、衣料用の弾性繊維に使用したときの低温でのソフトな着圧感の指標とした。
(4)ドライクリーニング後伸長回復率:フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引き、標線間のフィルム平均厚み(Gcm)を測定した。この試験片を300%伸長した状態で20℃のパークロロエチレン中に5分間浸漬し、その後50℃順風乾燥機で10分間乾燥後、張力を解放し、その時の標線間の長さLcmを測定した。L×10(%)をドライクリーニング後伸長回復率(%)とし、衣料用の弾性繊維に使用したときの耐ドライクリーニング性の指標とした。
表1から本発明のポリウレタン弾性材料は、300%伸長回復率で代表される衣料用の弾性繊維に使用したときのフィット性、常温100%伸長時応力、低温100%伸長時応力に代表されるソフト性、ドライクリーニング後伸長回復率に代表される耐ドライクリーニング性の何れも満足することが判った。
本発明のポリウレタン弾性繊維用材料はソフトフィット性、ドライクリーニング性が要求される衣料用途の弾性繊維の製造に適用できる。
Claims (5)
- 高分子量ジオール(a2)と芳香族ジイソシアネート(a1)を主要構成成分としてなる重量平均分子量が100,000以上1,000,000以下のポリウレタンエラストマー(A)および可塑剤(B)からなるポリウレタン弾性繊維用材料。
- 上記可塑剤(B)の重量が、ポリウレタンエラストマー(A)100重量部に対して2重量部以上80重量部以下である請求項1または2記載の弾性繊維用材料。
- 上記ポリウレタンエラストマー(A)が、過剰の芳香族ジイソシアネート(a1)と、数平均分子量500以上10,000以下の高分子量ジオール(a2)、および必要により、低分子量ジオール(a3)とから誘導されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(a)に、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、および芳香脂肪族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミン(b1)および脂肪族モノアミン(b2)を反応させて得られるポリウレタンエラストマーである請求項1〜3いずれか記載の弾性繊維用材料。
- 請求項1〜4いずれか記載の弾性繊維用材料からなるポリウレタン弾性繊維。
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