JP2012051975A - ポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】回復応力、引張り強度及び伸びのいずれの伸縮物性にも優れるポリウレタン樹脂を提供する。
【解決手段】式(1)及び/又は式(2)で表されるポリオールを含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなることを特徴とするポリウレタン樹脂。
Figure 2012051975

Figure 2012051975

[R1とR3は2価の炭化水素基、R2とR4は1価の炭化水素基、a及びeは0〜2、b及びfは1〜70、d及びgは1〜2、cは1〜6、h及びkは1〜3の整数。]
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタン樹脂に関する。更に詳しくは、弾性繊維に好適なポリウレタン樹脂に関する。
ポリウレタン弾性繊維は、その優れた伸縮特性から、レッグウエア、インナーウエア、スポーツウエア等に広く展開されているが、ポリウレタン弾性繊維の伸縮特性(回復応力、引張り強度及び伸び)を更に向上させることで、こうした特徴を更に活かすことができ、特にストッキングや水着等のフィット性を向上させることができる。
伸縮特性を向上させるには、従来ポリウレタン樹脂のモジュラスを上げる手法が採られていた。その代表的な手段として、ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度及び/又はウレア基濃度を調整する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
岩田敬治、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、日刊工業、昭和62年9月25日発行、第1版、44頁
しかし、上記方法ではポリウレタン樹脂のウレタン基濃度及び/又はウレア基濃度の上昇又は低下に伴い、樹脂の回復応力、引張り強度及び伸びの内のいずれかの性能が低下する傾向にあり、一定の効果はあるものの、これら全ての性能を十分に向上させることができないという問題があり、従来の技術では、衣料等に用いた際、十分なフィット性を得ることはできなかった。本発明の目的は、回復応力、引張り強度及び伸びのいずれの伸縮物性にも優れるポリウレタン樹脂を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリオールを使用することで、高い伸縮物性(回復応力、引張り強度及び伸び)を有するポリウレタン樹脂が得られることを見い出し、本発明に到達した。即ち本発明は、一般式(1)で表されるポリオール及び/又は一般式(2)で表されるポリオールを含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなることを特徴とするポリウレタン樹脂である。
Figure 2012051975
[式中、R1は炭素数2又は3の2価の炭化水素基でありR1が複数個ある場合は同一でも異なっていてもよく、R2は炭素数1〜20の1価の炭化水素基、aは0〜2の整数、bは1〜70の整数、cは1〜6の整数、dは1又は2である。]
Figure 2012051975
[式中、R3は炭素数2又は3の2価の炭化水素基であり、複数個あるR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R4は炭素数1〜20の1価の炭化水素基、eは0〜2の整数、fは1〜70の整数、gは1又は2、h及びkはそれぞれ独立に1〜3の整数である。]
本発明のポリウレタン樹脂は、回復応力、引張り強度及び伸び等の伸縮物性に優れる。
本発明のポリウレタン樹脂は、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られ、活性水素成分(A)に前記一般式(1)で表されるポリオール及び/又は一般式(2)で表されるポリオールを含有することを特徴とする。
一般式(1)におけるR1は炭素数2又は3の2価の炭化水素基であり、R1が複数個ある場合は同一でも異なっていてもよい。
炭素数2又は3の2価の炭化水素基としては、エチレン基及び1,2−又は1,3−プロピレン基が挙げられる。これらの内、引張り強度及び伸びの観点から好ましいのはエチレン基である。
2は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、具体的には、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20の芳香脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の炭化水素基(アルキル基及びアルケニル基等)が挙げられる。直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基及びオレイル基等が挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基及び2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
炭素数7〜20の芳香脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基及びシンナミル基等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
これらの内、好ましいのは炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基、更に好ましいのは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、特に好ましいのはメチル基及びエチル基、最も好ましいのはメチル基である。
aは0〜2の整数であり、伸縮特性(回復応力、引張り強度及び伸び)の観点から、好ましくは0又は1である。
bは1〜70の整数であり、伸縮特性(回復応力、引張り強度及び伸び)及びハンドリング性の観点から、好ましくは1〜55の整数、更に好ましくは1〜42の整数である。
cは1〜6の整数であり、引張り強度の観点から、好ましくは1〜3の整数、更に好ましくは1又は2である。
dは1又は2である。
一般式(2)におけるR3は炭素数2又は3の2価の炭化水素基であり、複数個あるR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。炭素数2又は3の2価の炭化水素基としては、R1において例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
4は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、R2において例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
eは0〜2の整数であり、伸縮特性(回復応力、引張り強度及び伸び)の観点から、好ましくは0又は1である。
fは1〜70の整数であり、伸縮特性(回復応力、引張り強度及び伸び)及びハンドリング性の観点から、好ましくは1〜55の整数、更に好ましくは1〜42の整数である。
gは1又は2であり、h及びkはそれぞれ独立に1〜3の整数である。
一般式(1)又は一般式(2)で表されるポリオールは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
一般式(1)で表されるポリオール及び/又は一般式(2)で表されるポリオールの使用量は、伸縮特性と作業性の観点から、活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)の合計重量に基づいて、好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは20〜80重量%である。
活性水素成分(A)は、一般式(1)で表されるポリオール及び一般式(2)で表されるポリオール以外に、高分子ポリオール及び鎖伸長剤を含有することができる。
高分子ポリオールとしては、Mnが500以上の、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール及びポリブタジエンジオール等が挙げられる。
上記及び以下において、Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量を表す。
Mnが500以上のポリエステルジオールとしては、縮合型ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール及びポリカーボネートジオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルジオールとしては、2価アルコールとジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル及び酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。
2価アルコールの具体例としては、炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、分岐鎖を有するジオール(1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール等)等]、炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等]及び炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物(Mn500未満)、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物(Mn500未満)及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等]等が挙げられる。
上記AOとしては、炭素数2〜12のアルキレンオキサイド[エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)、3−メチルTHF、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド及びエピクロルヒドリン等]が挙げられる。
2価アルコールの内で好ましいものは、炭素数2〜8の脂肪族2価アルコールである。2価アルコールは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸及びフマル酸等]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸及びイソフタル酸等]及びこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。これらの内好ましいものは脂肪族ジカルボン酸である。
ジカルボン酸は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリラクトンジオールとしては、前記2価アルコールを開始剤としてラクトンモノマー(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては特開平1−190717号公報に開示されているもの等が挙げられ、例えばポリ(ペンタン−1,5カーボネート)ジオール及びポリ(ヘキサン−1,6カーボネート)ジオールが挙げられる。
Mnが500以上のポリエーテルジオールとしては、前記2価アルコールにAOを付加させた化合物等が挙げられる。
AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、後者の場合はブロック付加(チップ型、バランス型、活性セカンダリー型等)でもランダム付加でも両者の混合系でもよい。
これらのAOの内で好ましいものはTHF単独である。
2価アルコールへのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒で又は触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒等)の存在下(特にAO付加の後半の段階で)に常圧又は加圧下に1段階又は多段階で行なわれる。
ポリエーテルジオールの具体例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール、THF/EO共重合ジオール及びTHF/3−メチルTHF共重合ジオール等が挙げられる。これらの内で好ましいものはポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
Mnが500以上のポリエーテルエステルジオールとしては、上記ポリエーテルジオールの1種以上と上記縮合型ポリエステルジオールの原料として例示したジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。
これらの高分子ポリオールの内で好ましいものはポリエーテルジオールであり、更に好ましいのはポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
高分子ポリオールは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
鎖伸長剤としては、化学式から計算される分子量又はMnが500未満の低分子ポリオール及びポリアミン化合物等が挙げられる。
化学式から計算される分子量又はMnが500未満の低分子ポリオールとしては、前記2価アルコール等が挙げられる。これらの内で、強度が大きく、耐熱性、耐光性等に優れた高物性の最終製品を得る観点から好ましいのは炭素数2〜8の脂肪族2価アルコールであり、更に好ましいのはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールであり、更に好ましいものはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールである。
化学式から計算される分子量又はMnが500未満のポリアミン化合物としては、脂肪族ジアミン(エチレンジアミン等)、脂環式ジアミン(イソホロンジアミン等)、芳香族ジアミン(4,4−ジアミノジフェニルメタン等)、芳香脂肪族ジアミン(キシレンジアミン等)、アルカノールアミン(エタノールアミン等)、ヒドラジン及びジヒドラジド(アジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。これらの内、得られるポリウレタン樹脂の強度及び伸度の観点からこのましいのは芳香族ジアミンであり、更に好ましいものは、4,4’−ジアミノジフェニルメタンである。
鎖伸長剤の使用量は、一般式(1)で表されるポリオール、一般式(2)で表されるポリオール及びMnが500以上の高分子ポリオールの合計当量に対して、0.1〜10倍の当量であることが好ましい。
鎖伸長剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
有機ポリイソシアネート(B)としては、従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用でき、具体的には炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体及びウレトジオン変性体等)等が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート及び2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの内、ポリウレタン樹脂の引張り強度をより向上させる観点から、芳香族ジイソシアネートが好ましく、特に好ましいものはMDIである。
有機ポリイソシアネート成分(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂の製造方法としては特に限定されないが、ウレタンプレポリマーと好ましくは溶剤を静止型混合機で連続的にライン混合し、更に瞬間混合機でこの溶剤希釈ウレタンプレポリマーと鎖伸長剤とを瞬間混合し反応させる方法やバッチ式反応槽に(A)、(B)並びに必要により鎖伸長剤及び溶剤を一括して仕込み加熱反応させる方法等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーの製造方法としては特に限定されないが、例えば無溶剤下、ニーダー中で(A)、(B)及び必要により鎖伸長剤を混合、加熱反応させる方法や攪拌機付きバッチ式反応槽中で溶剤の存在下又は非存在下に、(A)、(B)及び必要により鎖伸長剤を混合、加熱反応させる方法が挙げられる。
本発明において使用される溶剤としては、ジメチルアセトアミド(以下、DMACと略)、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォオキシド及びN−メチルピロリドンが挙げられる。これらの内、好ましいのはDMACである。
尚、ポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒を1種又は2種以上混合しても何ら構わない。これらの例としては例えば、特公平11−200147号広報に開示されているものが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂は、顔料、安定剤及びその他の添加剤を含有することができる。
顔料としては特に限定されず、公知の有機顔料及び/又は無機顔料を使用することができ、ポリウレタン樹脂100重量部あたり、通常0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部配合する。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料及びキナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化セレン化合物、金属塩(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉末及びカーボンブラック等が挙げられる。
安定剤としては特に限定されず公知の酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を使用することができ、ポリウレタン樹脂100重量部あたり、通常0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部配合される。
酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等];リン系[トリフェニルフォスファイト及びジフェニルイソデシルフォスファイト等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等];サリチル酸系[フェニルサリシレート等];ヒンダードアミン系[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]等が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂に任意に含有させることのできるその他の添加剤としては、融着防止剤及び難燃剤等が挙げられる。
顔料、安定剤及びその他の添加剤は、ポリウレタン樹脂の製造時の任意の段階で添加することでき、製造後に添加してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂は、回復応力、引張り強度及び伸び等の伸縮物性に優れるため、弾性繊維として好適に用いられる。
本発明のポリウレタン樹脂を弾性繊維用に使用する際、溶融紡糸法で使用される場合は溶融状態、無溶剤ペレット又は無溶剤ブロックの形状で使用される。一方、乾式紡糸法で使用される場合、は先に例示したDMAC等の溶剤で希釈した通常30〜80重量%の樹脂濃度のウレタン樹脂溶液で使用される。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
尚、実施例中の粘度及び樹脂のMnの測定、フィルムの作製、フィルムの強伸度物性及び弾性回復率の測定は以下の方法に従って行った。
[1]粘度
試料を20℃又は25℃の恒温槽で5時間温調した後、B型粘度計[東機産業(株)社製BH型又はBL型粘度計]で測定した。
[2]樹脂のMn
東ソー(株)社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8020」(カラム:東ソーTSKgel α−M)を用いて、ポリスチレンを標準物質としてMnを測定した。
[3]フィルムの作製
ポリウレタン樹脂溶液を、離型処理したガラス板上に0.7mmの厚みに塗布し、70℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後、ガラス板から剥がすことにより、厚さが約0.2mmのフィルムを作製した。
[4]フィルムの強伸度物性
フィルムを温度25℃、湿度65%RHに調整した室内に1日間放置した後、JIS K 6301に従い、強伸度特性を測定した。
[5]200%伸長回復応力
フィルムを幅1cm、長さ15cmに切り抜き、10cmの標線を引いた。この試験片を25℃ででインストロン型引張り試験機(島津製作所製オートグラフ)を用いて50cm/分の引張り速度で300%伸長して、引張速度ど同じ速度で伸長前の状態に戻す操作を4回繰り返し、次に300%長さまで伸長して30秒間保持し、伸長前の状態に戻す際に200%長さになった時点の応力を測定した。この値が大きい程、衣料用の弾性繊維に使用したときのフィット性が良好である。
製造例1
攪拌装置及び温度制御装置を備えたステンレス製オートクレーブに、「PTMG2000」(三菱化学株式会社製のMn2,000のポリテトラメチレングリコール、水酸基価56.1)522.6部(1モル部)、無水フタル酸77.4部(2モル部)及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.9部(0.03モル部)を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。ハーフエステル化後、EO36.4部(3モル部)を120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、未反応のEOを0.1MPaにて1時間減圧除去した。90℃まで冷却した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製「キョーワード600」)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水し、ポリオール(A−1)を得た。(A−1)の水酸基価は47.4mgKOH/g、粘度は9,000mPa・s/25℃であった。
製造例2
製造例1と同様のオートクレーブに、「PTMG1000」(三菱化学株式会社製のMn1,000のポリテトラメチレングリコール、水酸基価112.2)522.6部(1モル部)、無水フタル酸77.4部(1モル部)及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.6部(0.01モル部)を仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。その後EO68.9部(3モル部)を120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、未反応のEOを0.1MPaにて1時間減圧除去して、90℃まで冷却した後、触媒除去のため、水と合成珪酸塩(協和化学社製「キョーワード600」)を加えて加熱処理後、ろ過、減圧脱水し、ポリオール(A−2)を得た。(A−2)の水酸基価は88.6mgKOH/g、粘度は2,000mPa・s/25℃であった。
実施例1
撹拌機及び温度計を備えた四つ口フラスコに、製造例1で得られたポリオール(A−1)247.3部、「PTMG1000」(三菱化学株式会社製のMn1,000のポリテトラメチレングリコール、水酸基価112.2)25.9部、エチレングリコール16.1部、MDI 97.2部及びDMAC 613.5部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。反応後の系中のNCO%は0.010%であった。ついで、n−ブチルアルコール6.1部を加えて、1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度39.0%、粘度950,000mPa・s/20℃、Mn52,000のポリウレタン樹脂溶液(P−1)を得た。
実施例2
撹拌機及び温度計を備えた四つ口フラスコに、製造例2で得られたポリオール(A−2)189.3部、「PTMG2900」(三菱化学株式会社製のMn2,900のポリテトラメチレングリコール、水酸基価38.7)47.7部、エチレングリコール19.4部、MDI 119.1部、DMAC 624.5部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。反応後の系中のNCO%は0.030%であった。ついで、n−ブチルアルコール7.7部を加えて、1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度38.0%、粘度900,000mPa・s/20℃、Mn62,000のポリウレタン樹脂溶液(P−2)を得た。
比較例1
撹拌機及び温度計を備えた四つ口フラスコに、「PTMG2900」[三菱化学株式会社製のMn2,900のポリテトラメチレングリコール、水酸基価38.7]254.7部、「TERATHANE650」(インビスタ社製のMn650のポリテトラメチレングリコール、水酸基価172.6)24.5部、エチレングリコール17.1部、MDI 100.4部、DMAC 603.3部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。反応後の系中のNCO%は0.020%であった。ついで、n−ブチルアルコール5.9部を加えて、1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度40.0%、粘度930,000mPa・s/20℃、Mn57,000のポリウレタン樹脂溶液(R−1)を得た。
実施例1、2及び比較例1で得られたポリウレタン樹脂溶液について、上記方法によりフィルムを作製し、性能試験を行った。結果を、各ポリウレタン樹脂における活性水素成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)の合計重量に対する一般式(1)又は(2)で表されるポリオールの重量%と共に表1に示す。
Figure 2012051975
表1から、本発明のポリウレタン樹脂は、従来技術により得られる比較例1のポリウレタン樹脂よりも、伸縮特性、特に引張強度及び回復応力に優れることが分かる。
本発明のポリウレタン樹脂は、衣料用途の弾性繊維の製造に特に有用である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるポリオール及び/又は一般式(2)で表されるポリオールを含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなることを特徴とするポリウレタン樹脂。
    Figure 2012051975
    [式中、R1は炭素数2又は3の2価の炭化水素基でありR1が複数個ある場合は同一でも異なっていてもよく、R2は炭素数1〜20の1価の炭化水素基、aは0〜2の整数、bは1〜70の整数、cは1〜6の整数、dは1又は2である。]
    Figure 2012051975
    [式中、R3は炭素数2又は3の2価の炭化水素基であり、複数個あるR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R4は炭素数1〜20の1価の炭化水素基、eは0〜2の整数、fは1〜70の整数、gは1又は2、h及びkはそれぞれ独立に1〜3の整数である。]
  2. 前記一般式(1)におけるR1及び前記一般式(2)におけるR3が、エチレン基である請求項1記載のポリウレタン樹脂。
  3. 前記一般式(1)におけるR2及び前記一般式(2)におけるR4が、メチル基又はエチル基である請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂。
  4. 前記活性水素成分(A)が、数平均分子量が500以上のポリエーテルジオールを更に含有する請求項1〜3のいずれか記載のポリウレタン樹脂。
  5. 弾性繊維用である請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン樹脂。
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