JP2005075671A - 高炉出銑樋用不定形耐火物 - Google Patents

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Abstract

【課題】損耗速度が低く、樋材原単位の削減、樋修理頻度の低減を図ることが可能な高炉出銑樋用不定形耐火物を提供する。
【解決手段】炭化珪素質原料を50〜95重量%と、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉とをその合量で3〜30重量%含有する組成とする。
また、水酸化マグネシウム微粉と前記アルミナ微粉の量比を、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算して、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33とする。
また、水酸化マグネシウム微粉及びアルミナ微粉を、受熱によりスピネル化して、炭化珪素質を除くマトリックス部の耐スラグ性が向上するよう構成する。
また、さらに炭素質原料、金属粉末、酸化防止剤、硬化剤、分散剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉樋の内張りに使用される不定形耐火物に関し、詳しくは、主に高炉スラグと接触する主樋などに使用される、高炉スラグに溶け難い炭化珪素質原料を主成分とする高炉出銑樋用不定形耐火物に関する。
高炉樋は高炉から出銑された溶銑、高炉スラグの通路となるもので、高炉出銑樋の中で、特に主樋は、溶銑及び高炉スラグを分離する役割を果たすことから、主樋に用いられる耐火材の損耗の形態には、大別して、スラグ−空気界面(以下、「スラグライン」という)における損耗と、スラグ−メタル界面(以下、「メタルライン」という)における損耗の2つの形態がある。
このうち主に高炉スラグと接触する部位はスラグラインと称され、このスラグライン用の不定形耐火物としては、一般に、高炉スラグに溶け難い炭化珪素質原料を主成分とする不定形耐火物(以下、「スラグライン材」ともいう)が使用されている。
ところで、高炉樋用のスラグライン材としては、例えば、アルミナ(Al23)−炭化ケイ素(SiC)−炭素(C)質の流し込み耐火材が使用されている。
また、高炉樋用のスラグライン材においては、炭化珪素質原料を多く含有させると耐用性が向上することが知られており、炭化珪素質原料を60〜90%含有させたものが一般的に使用されている。
そして、このように、炭化珪素質原料を高い割合で含有するアルミナ(Al23)−炭化ケイ素(SiC)−炭素(C)質の高炉樋用不定形耐火物を用いることにより、従来に比べて耐用性を向上させることができるようになっている。
さらに、スラグライン材としては、親水性処理を施した平均粒径10〜200μmの黒鉛を3〜20重量%、微粉成分として、平均粒径が75μm以下のアルミナ微粉を6〜30重量%及び、平均粒径が75μm以下のマグネシア微粉を2〜20重量%含み、そして骨材成分としてアルミナ、スピネルを含有するアルミナ・スピネル系高炉樋用不定形耐火物が提案されており(例えば、特許文献1参照)、また、黒鉛材料を3〜20重量%、金属Al及び金属Mgを合計で0.5〜10重量%もしくはAl−Mg合金を0.5〜10重量%含有する不定形耐火材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、近年、さらなるコストダウンや省力化の要求が大きく、耐火材の損耗速度を低減させ、樋の寿命を向上させることによって、樋材原単位の削減、さらに樋修理頻度の低減を図る必要が生じている。
特開平9−157044号公報 特開平10−279370号公報
本発明は、上記問題点を解決するものであり、損耗速度が低く、樋材原単位の削減、樋修理頻度の低減を図ることが可能な高炉出銑樋用不定形耐火物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、発明者らは、スラグライン材の溶損メカニズムを調査した。その結果、
(1)スラグライン材を構成する成分のうち、アルミナ微粉からのアルミナ成分の溶出が著しく、スラグライン材中のアルミナ原料を削除あるいは低減することが有効な手段の一つであること(アルミナ原料のうち、骨材として添加されるアルミナ原料は比表面積が小さく、高炉スラグヘの溶出は少ないため、耐食性に与える影響は軽微であり、特にアルミナ微粉の削減が有効である)、
(2)一方、スラグライン材におけるアルミナ原料は、施工時に良好な流動性をもたらす原料粒度構成を得るための骨材や微粉として添加されるものであり、アルミナ微粉はスラグライン材のマトリックス部を構成し、その易焼結性によって施工体の受熱後強度を発現するという役割を担っていること、
(3)したがって、アルミナ微粉の使用量を減らすことにより、アルミナ成分の高炉スラグへの溶出を抑制できる可能性があること、
を知った。
そして、このようなアルミナ微粉の代わりに用いるべき微粉原料を種々検討した結果、アルミナ微粉を使用せずにスラグライン材を構成することは困難であるとの結論にいたり、アルミナ微粉を使用しつつも、その高炉スラグヘの溶出を抑制する手段を講じることが賢明であると考え、さらに種々の実験、検討を行って本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(請求項1)の高炉出銑樋用不定形耐火物は、炭化珪素質原料を50〜95重量%含有するとともに、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉をその合量で3〜30重量%含有することを特徴としている。
また、請求項2の高炉出銑樋用不定形耐火物は、前記水酸化マグネシウム微粉と前記アルミナ微粉の量比が、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算して、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33であることを特徴としている。
また、請求項3の高炉出銑樋用不定形耐火物は、前記水酸化マグネシウム微粉及び前記アルミナ微粉が、受熱によりスピネル化し、炭化珪素質を除くマトリックス部の耐スラグ性が向上するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項4の高炉出銑樋用不定形耐火物は、炭素質原料、金属粉末、酸化防止剤、硬化剤、分散剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴としている。
本発明(請求項1)の高炉出銑樋用不定形耐火物は、炭化珪素質原料を50〜95重量%含有するとともに、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉をその合量で3〜30重量%含有しているので、アルミナ成分の溶出を抑制して、耐用性を向上させることが可能になるとともに、樋修理の頻度を低減して、省力化を図ることが可能になる。
すなわち、高炉出銑樋用不定形耐火物(スラグライン材)がアルミナ微粉を多く含んでいると、アルミナ微粉からのアルミナ成分の溶出が著しく、損耗が増大する傾向がある。一方、スラグライン材におけるアルミナ微粉は、施工時の良好な流動性をもたらす原料粒度構成を得るための骨材や微粉としての機能を果たすとともに、アルミナ微粉はスラグライン材のマトリックス部を構成し、その易焼結性によって施工体の受熱後強度を発現するという役割を担っている。
これに対し、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物においては、平均粒子径20μm以下である水酸化マグネシウム微粉をアルミナ微粉の一部と置換添加し、受熱時にアルミナ微粉と反応させるように構成しているので、微粉マトリックス部がスピネル化して、アルミナ成分の溶出が抑制されることになり、さらにスピネル化に伴う反応焼結により、受熱後に十分な施工体強度が発現される。その結果、施工時の良好な流動性、及び、易焼結性を損なうことなく、スラグラインに対する溶損を抑制して、耐用性を向上させることが可能になる。
また、請求項2の高炉出銑樋用不定形耐火物は、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の量比が、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算して、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33となるようにしているので、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉が反応して、マグネシアリッチのスピネルが生成するため、アルミナ成分の高炉スラグへの溶出が抑制防止され、十分な施工体強度が発現される。その結果、耐用性を向上させることが可能になる。
また、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、上述のように、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉をその合量で3〜30重量%含有させるとともに、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の量比が、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算して、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33となるようにしているので、施工体が受熱することにより水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉が反応してスピネル化することになるが、請求項3の高炉出銑樋用不定形耐火物のように、水酸化マグネシウム微粉及びアルミナ微粉をよりスピネル化が進行するように配慮した構成とする(例えば、水酸化マグネシウム微粉及びアルミナ微粉として、微細な粒径のものを用いる)ことにより、確実に炭化珪素質を除くマトリックス部の耐スラグ性を向上させることが可能になり、本発明を実効あらしめることが可能になる。
また、請求項4の高炉出銑樋用不定形耐火物のように、炭素質原料、金属粉末、酸化防止剤、硬化剤、分散剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有させることにより、施工性や耐用性などの特性をさらに改善して、品質の向上を図ることが可能になる。
本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、炭化珪素質原料を50〜95重量%含有するとともに、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉をその合量で3〜30重量%含有する不定形耐火物であり、さらに、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の量比が、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算して、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33である高炉出銑樋用不定形耐火物である。
従来のスラグライン材においては、その構成成分のうち、アルミナ微粉からのアルミナ成分の溶出が著しく、耐用性を向上させるためには、スラグライン材中のアルミナ原料を削除あるいは低減することが有効な手段の一つである(すなわち、アルミナ原料であっても、骨材として添加される、粗粒で比表面積の小さいアルミナ原料は、高炉スラグヘの溶出が少ないため、耐食性に与える影響は軽微であることから、比表面積が大きく、溶出しやすいアルミナ微粉の含有量を削減することが有効である)。
しかし、スラグライン材におけるアルミナ原料は施工時の良好な流動性をもたらす原料粒度構成を得るための骨材や微粉として添加される。また、アルミナ微粉はスラグライン材のマトリックス部を構成し、その易焼結性によって施工体の受熱後強度を発現するという役割を担っていることから、アルミナ微粉を使用せずにスラグライン材を構成することは困難である。
そこで本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物においては、アルミナ微粉を使用する一方で、スラグライン材に平均粒子径20μm以下である水酸化マグネシウム微粉をアルミナ微粉の一部と置換添加し、受熱時に水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉とを反応させてスピネル化するようにしており、このスピネル化により、アルミナ成分がスピネルとして固定され、アルミナ成分の高炉スラグへの溶出が抑制、防止されるとともに、このスピネル化に伴う反応焼結により、受熱後に十分な施工体強度を発現させることが可能になる。
なお、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物において水酸化マグネシウム微粉が選定されたのは、以下の理由による。
アルミナとの反応焼結によりスピネル化する原料としては、水酸化マグネシウム以外には、マグネシア、金属マグネシウムなどが一般に知られている。このうち、マグネシアは製鋼用アルミナ−マグネシア質耐火物として広く用いられており、このアルミナ−マグネシア質耐火物は、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物と同様にアルミナとマグネシアとの反応焼結によるスピネル化を意図した不定形耐火物である。
しかし、製鋼用アルミナ−マグネシア質耐火物に用いられるマグネシア原料は、通常、粒子径が30μm以上のものである。これはマグネシアの水和性の高さからそれ以上の微粉化が制限されることによるものであり、30μm未満のマグネシア原料を使用する際には、例えば、上述の特許文献1(特開平9−157044号公報)に記載されているような耐水処理を施す必要がある。しかし、このような耐水処理は処理コストが高く、近年の著しいコストダウンの要求から見て実用的でない。
また、金属マグネシウムを利用する場合にも、例えば、上述の特許文献2(特開平10−279370号公報)に記載されているような耐水処理を施すことが必要である。さらに、微細な金属マグネシウム粉末は発火、爆発などの危険があり、取り扱いに注意を要する。
これに対して、本発明において用いられている水酸化マグネシウムは水和性が比較的低く、耐水処理を施す必要がなく、取り扱いも容易であり、アルミナとの反応焼結によりスピネルを生成させるための材料として好ましいものである。
本発明の不定形耐火物においては、炭化珪素質微粉、アルミナ微粉、水酸化マグネシウム微粉を主要原料としてマトリックス部が構成されるが、その他の副原料を含有していてもよい。
このマトリックス部を構成する原料の割合や総量は、施工時の流動性、施工体の緻密度などから要求される配合粒度分布などによって決定される。
すなわち、本発明の使用部位である高炉主樋スラグラインにおける耐用性を確保するためには、マトリックス部には、しかるべき割合で炭化珪素質微粉が配合されていることが望ましい。
これらの見地から本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物において、アルミナ微粉及び水酸化マグネシウムの含有割合はその合量で3〜30重量%の範囲とすることが望ましい。30重量%を超えると他の原料との兼ね合いから、不定形耐火物としての粒度構成に破綻をきたす。また、その合量が3重量%未満の場合には本発明の十分な効果を期待することができなくなる。
また、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、上述のように、水酸化マグネシウム微紛及びアルミナ微粉が、受熱によりスピネル化することを特徴としている。そして、生成するスピネルの組成は、本発明の目的からして、理論組成よりもマグネシアリッチの領域のスピネルであることが望ましい。アルミナリッチスピネル組成では、遊離のアルミナ成分が高炉スラグ中に容易に溶出し、本発明の効果を得ることが困難になる。
したがって、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の量比は、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算したときに、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33の要件を満たすことが望ましい。なお、アルミナ微粉の割合があまり小さくなると、施工時の流動性や焼結性に悪影響をもたらすため、(マグネシア/アルミナ(重量比))は、5.0以下とすることが望ましい。
また、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物において用いられる炭化珪素質原料については特に制約はなく、市販される種々の炭化珪素質原料はもちろん、別途合成された炭化珪素質原料など任意のものを用いることが可能である。
なお、炭化珪素質原料は50〜95重量%の割合とすることが望ましいが、これは、炭化珪素質原料は50重量%未満になると、本発明によりマトリックス部の強化がなされても、材料全体の耐高炉スラグ性が低下し、また、95重量%を超えると本発明の水酸化マグネシウム及びアルミナ微粉、さらには硬化剤などを有効量添加できなくなることによる。
また、水酸化マグネシウム微粉、アルミナ微粉についても平均粒子径以外に特別の制約はない。ただし、アルミナ微粉については、反応性の高さから仮焼アルミナを使用することが望ましい。
上記以外の成分配合には公知の設計技術を用いることが可能である。
例えば、「炭化珪素質原料を50〜95重量%含有するとともに、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉をその合量で3〜30重量%含有する」という要件を満たす一方で、骨材として、平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉とは別にアルミナ質原料を使用することも可能であり、また、上記平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウムとは別に、本発明の範囲を外れたマグネシア原料を追加することも可能である。
その他スピネル質、シリカ質等の天然原料や人工原料、カルシア、ドロマイトといった塩基性物質などを配合することも可能である。さらに、粘土などの可塑性付与材やシリカヒュームなども使用可能である。
また、炭素質原料として、土状黒鉛、鱗片状黒鉛、カーボンブラックのような無機物やこれを2次処理したもの、また、ピッチやレジンなどの有機物、さらにシリコンのような金属粉末などを配合することも可能である。
さらに、炭化珪素質原料や炭素質原料の酸化防止剤として炭化ホウ素などを添加することも可能である。
また、硬化剤としてはアルミナセメントが最も取り扱いが容易で好適である。ただし、アルミナセメントはアルミナ質材料であるため、本発明の趣旨から、その添加量は施工体の要求強度などを考慮して最少限度にとどめることが望ましい。さらに、シリカゾルやアルミナゾル、レジンのような有機物などを硬化剤として使用することも可能である。
さらに、従来から使用されているような分散剤や硬化調整剤などを添加することにより、低水分で施工時の流動性を確保し、硬化時間を施工に好適な時間に調整することも可能である。
また、乾燥時の爆裂を防止するために、アルミニウム粉末や有機繊維を添加することも可能である。
以下、本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
表1に示すような割合で、炭化ケイ素(SiC)、アルミナ、アルミナ微粉、水酸化マグネシウム微粉、カーボンブラック、ピッチ、シリカ微粉、金属シリコン(Si)、酸化防止剤、アルミナセメント、分散剤、硬化調整剤などの原料を所定の割合で配合し、本発明の要件を備えた実施例1,2,3,4の高炉出銑樋用不定形耐火物(試料)、及び比較例1,2,3の高炉出銑樋用不定形耐火物(試料)を作製した。
Figure 2005075671
なお、比較例1の試料は、ベースとなった従来の高炉出銑樋用不定形耐火物、比較例2の試料は水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の量比が本発明の範囲から外れたもの、比較例3の試料は水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の合量が本発明の範囲から外れたものである。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3の各試料4kgを用意し、これに水を添加して、万能混練機で3分間混練した。その後、混練された試料を所定形状の金型を用いて流し込み成型し、常温で24時間養生して、硬化を確認した後、脱型し、110℃の乾燥器中で24h乾燥した。
それから、コークスブリーズを充填した炭化珪素質のサガーに入れ、電気炉で500℃で加熱し、ピッチ中の揮発分を除去した。
その後、高周波炉を用い、内張法にて耐食性を比較した。その結果を図1に示す。なお、図1はベースとなった比較例1の試料の溶損量を100とした場合の、各試料の溶損量の割合(溶損比)を示すものであり、溶損比の値が小さいほど耐食性に優れている。なお、溶損比は以下の式により求めた値である。
溶損比=(各試料の溶損量/比較例1の試料の溶損量)×100
図1より、実施例1〜4はいずれも、溶損比が100以下であり、ベースとなった比較例1の試料よりも耐食性が向上していることがわかる。
一方、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の量比が本発明の範囲から外れている(本発明の範囲を下回っている)比較例2の試料では、溶損比が100を超えており、ベースとなった比較例1の試料よりも耐食性が低下していることがわかる。
また、水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉の合量が本発明の範囲から外れている(本発明の範囲を上回っている)比較例3の試料では、良好な流動性が得られず、正常な試料片を作製することができなかったため、図1に示すように、耐食性が著しく低下した。
以上の実施例により、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、従来の高炉出銑樋用不定形耐火物に比べて、良好な耐食性を備えていることが確認された。
なお、上記実施例1〜4の各試料を、実際に高炉樋のスラグゾーンに施行して行った実機テストにおいても、十分な耐用性が確保され、樋材原単位が大幅に低下することが確認されている。
なお、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において、その配合割合などに関し、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉を、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉との合量で3〜30重量%の範囲で含有させ、施工体が受熱することにより水酸化マグネシウム微粉とアルミナ微粉が反応してスピネル化して、アルミナ成分のスラグへの溶出が抑制防止されるようにしているので、施工時の良好な流動性、及び、易焼結性を損なうことなく、施工体の耐用性を向上させることが可能になる。したがって、本発明の高炉出銑樋用不定形耐火物は、主に高炉スラグと接触する高炉樋用の不定形耐火物として、広く利用することが可能である。
本発明の実施例及び比較例にかかる高炉出銑樋用不定形耐火物の溶損比を示す図である。

Claims (4)

  1. 炭化珪素質原料を50〜95重量%含有するとともに、平均粒子径20μm以下の水酸化マグネシウム微粉と平均粒子径20μm以下のアルミナ微粉をその合量で3〜30重量%含有することを特徴とする高炉出銑樋用不定形耐火物。
  2. 前記水酸化マグネシウム微粉と前記アルミナ微粉の量比が、水酸化マグネシウムをマグネシアに換算して、(マグネシア/アルミナ(重量比))≧0.33であることを特徴とする請求項1記載の高炉出銑樋用不定形耐火物。
  3. 前記水酸化マグネシウム微粉及び前記アルミナ微粉が、受熱によりスピネル化し、炭化珪素質を除くマトリックス部の耐スラグ性が向上するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の高炉出銑樋用不定形耐火物。
  4. 炭素質原料、金属粉末、酸化防止剤、硬化剤、分散剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉出銑樋用不定形耐火物。
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