JP2005074632A - 感光性ドライフィルム - Google Patents

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JP2005074632A JP2003209717A JP2003209717A JP2005074632A JP 2005074632 A JP2005074632 A JP 2005074632A JP 2003209717 A JP2003209717 A JP 2003209717A JP 2003209717 A JP2003209717 A JP 2003209717A JP 2005074632 A JP2005074632 A JP 2005074632A
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photosensitive resin
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Yukihiko Tanaka
幸彦 田中
Shinkichi Asahi
伸吉 朝日
Naoya Katsumata
直也 勝又
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Abstract

【課題】平滑性に優れ、長期保存性(感光性樹脂層の感度向上・安定性)、密着性がよくかつ剥離性に優れる保護フィルムを有する感光性ドライフィルムを提供する。
【解決手段】支持フィルム上に感光性樹脂層、保護フィルムを積層してなる感光性ドライフィルムにおいて、上記支持フィルムおよび保護フィルムが、酸素透過量0〜200ml/m/h/atmのポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリプロピレン(PP)からなり、かつ、保護フィルムでの高さ1μm以上のフィッシュアイの平均個数が0.1個/m以下である、感光性ドライフィルム。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性ドライフィルムに関する。本発明はプリント基板やプラスチックパッケージ等の半導体素子の製造に好適に適用される。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板やプラスチックパッケージ等の半導体素子の製造に用いられる金属配線基板等の作製において、感光性ドライフィルムを用いてパターン形成を行う方法が知られている。
【0003】
感光性ドライフィルムは、図1に示すように、支持フィルム2、感光性樹脂層3、および保護フィルム4が順次積層された構造をなし、一体化されて形成されている。
【0004】
そして使用時、保護フィルム4を剥がしながら、感光性樹脂層3側を基板(図示せず)にあて、感光性ドライフィルム1を基板上に熱圧着させる。次いで支持フィルム2が積層された状態で感光性樹脂層3を選択的に露光させる。露光後、支持フィルム2を剥がし、現像を行って感光性樹脂層3の未露光部を選択的に除去し、感光性樹脂パターン(ホトレジストパターン)を形成する。
【0005】
次いで、該ホトレジストパターンをマスクとして、基板をエッチング、あるいはホトレジストパターン非形成部にめっき等の処理を行った後、ホトレジストパターンを剥離し、所望の金属配線を形成した基板を得る。
【0006】
かかる感光性ドライフィルムは、感光性樹脂層表面に保護フィルムが被着した状態で長期保存されるため、該保護フィルムが感光性樹脂層へ悪影響を及ぼさないよう、高い平滑性が求められる。
【0007】
保護フィルムとしては従来、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂フィルムや、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂フィルムが用いられている。これらフィルムは、通常、材料を熱溶融し押し出す延伸法などにより製造されるが、保護フィルム中に、フィッシュアイと呼ばれる突起状異物(未溶解・熱劣化物)が生じることがある。このフィッシュアイは、感光性樹脂層に転写されて凹部を生じさせ、これがホトレジストパターンへのエアボイド(気泡)を生じさせ、最終的にはパターン形状の不良化、欠陥、ひいては断線をもたらす原因となる。
【0008】
保護フィルムの平滑化については、これまでに種々の技術が提案されている(特許文献1〜3参照)。保護フィルムとしてはさらに、平滑化に加えて、長期保存性、密着性がよくかつ剥離が容易である、等の点において、より一層の向上が望まれている。
【0009】
【特許文献1】
特許第3019075号公報
【特許文献2】
特許第3406543号公報
【特許文献3】
特許第3406544号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、平滑性に優れ、長期保存性(感光性樹脂層の感度向上性)に優れる感光性ドライフィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、支持フィルム上に感光性樹脂層、保護フィルムを積層してなる感光性ドライフィルムにおいて、上記支持フィルムおよび保護フィルムが、酸素透過量0〜200ml/m/h/atmのポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリプロピレン(PP)からなり、かつ、保護フィルムにおける高さ1μm以上のフィッシュアイの平均個数が0.1個/m以下である感光性ドライフィルムを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳述する。
【0013】
本発明に用いられる支持フィルムおよび保護フィルムは、酸素透過量0〜200ml/m/h/atmのポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリプロピレン(PP)からなる。PET、PPの上記酸素透過量は、好ましくは0〜130ml/m/h/atm、特に好ましくは0〜50ml/m/h/atmである。酸素透過量が200ml/m/h/atmを超えると保存安定性が低下し、感度が下がる。
【0014】
本発明において酸素透過量は単位分圧差(1atm)で単位時間(1時間)に単位面積(1m)のフィルムを通過する酸素ガスの体積であり、JIS Z 1707に定められたJIS K 7126の酸素ガス透過度に準拠して決められる。
【0015】
上記本発明範囲内の酸素透過量を有するPET、PPとしては、例えばPETフィルム「G2」(帝人デュポン社製、酸素透過量6ml/m/h/atm)、離型処理を施したPETフィルムである「ピューレックスフィルムA53」(帝人デュポン社製、酸素透過量6ml/m/h/atm)、PPフィルム「E−200」(王子製紙社製、酸素透過量125ml/m/h/atm)などが市販品として好適に用いられる。
【0016】
本発明では支持フィルムと感光性樹脂層(後述)の間の接着力が、保護フィルムと感光性樹脂層の間の接着力よりも大きいのが好ましい。したがって、保護フィルムとして用いる材料は、例えばPETフィルムにシリコーンやフッ素等で表面処理(離型処理)をした材料またはPPフィルムを用いるのが好ましく、一方、支持フィルムとして用いる材料は離型処理を施さないPETフィルムを用いるのが好ましい。
【0017】
また本発明に用いられる保護フィルムは、高さ1μm以上のフィッシュアイの平均個数が0.1個/m以下で、好ましくは0個/mである。ここでフィッシュアイとは、材料を熱溶融し混練、押出し延伸法またはキャスティング法によりフィルムを製造する際に、材料の未溶解および熱劣化物がフィルム中に取り込まれたものをいう。このフィッシュアイは既知の表面形状測定方法で計測することができ、計測装置としては例えばマイクロマップ(マイクロマップ社製)が挙げられる。
【0018】
保護フィルムおよび支持フィルムが上記条件を満足することにより、本願発明効果を奏することができる。特に酸素透過量が上記本発明範囲内のものを用いることにより、長期間保存した後の感光性樹脂層劣化の防止を図ることができ、形成されるパターン形状が断面矩形の良好なプロフィルを得ることができる。また保護フィルムにおいて高さ1μm以上のフィッシュアイの平均個数を0.1個/m以下とすることにより、特に平滑性、密着性・剥離容易性の点において特に優れた効果が得られる。さらにPET、PPを用いることにより、作業性の点において優れた効果が得られる。
【0019】
保護フィルム、支持フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、それぞれ5〜125μm程度とするのが好ましい。
【0020】
感光性樹脂層は、特に限定されるものでなく、目的に応じて適宜、公知の感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。
【0021】
感光性樹脂組成物としては、感光性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、エッチング、めっきによりパターン形成をする際のマスクパターンとして用いる感光性樹脂組成物としては、(a)バインダー樹脂、(b)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性単量体、および(c)光重合開始剤を含有するものが、一般に好適に用いられる。ただしこれに限定されるものではない。
【0022】
(a)成分としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、クレゾールノボラック系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の点からは(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
【0023】
また(a)成分としては、例えば、次に挙げるモノマーを重合あるいは共重合させたものを用いることができる。なお、これらモノマーは(b)成分(後述)として配合することもできる。このようなモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸、その他の共重合可能なモノマーを好適に用いることができ、具体的にはスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルが好適に用いられる。
【0024】
その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば上記した(メタ)アクリル酸エステルの例示化合物をフマレートに代えたフマル酸エステル類、マレエートに代えたマレイン酸エステル類、クロトネートに代えたクロトン酸エステル類、イタコネートに代えたイタコン酸エステル類、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、イソプレン、クロロプレン、3−ブタジエン、ビニル−n−ブチルエーテル等を挙げることができる。
【0025】
上記モノマーの重合体・共重合体のほかに、セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロースなどのセルロース誘導体や、さらに、これらセルロース誘導体とエチレン性不飽和カルボン酸や(メタ)アクリレート化合物等との共重合体を用いることができる。さらに、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドとの反応生成物であるポリブチラール樹脂などのポリビニルアルコール類、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、β,β−ジメチル−β−プロピオラクトンなどのラクトン類が開環重合したポリエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール単独または二種以上のジオール類と、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸類との縮合反応で得られたポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコールなどのポリエーテル類、ビスフェノールA、ヒドロキノン、ジヒドロキシシクロヘキサン等のジオール類と、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、無水コハク酸等のカルボニル化合物との反応生成物であるポリカーボネート類が挙げられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0026】
(a)成分は、アルカリ現像性の見地からは、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有するモノマーとその他のモノマーをラジカル重合させることにより製造することができる。その場合、(メタ)アクリル酸を含有させることが好ましい。
【0027】
また(a)成分は、可撓性の見地からは、ベンジル(メタ)アクリレートをモノマーとして含有させることが好ましい。
【0028】
(a)成分の質量平均分子量は、機械的強度、アルカリ現像性等の点から、2万〜30万程度のものが好ましく、特には4万〜20万のものが好ましい。また現像性、耐薬品性等の点から、酸価80〜300mgKOH/gが好ましく、特には100〜200mgKOH/gである。
【0029】
(a)成分の配合量は、当該(a)成分と後述の(b)成分との合計量100質量部に対して、40〜80質量部が好ましい。(a)成分が少なすぎると光硬化パターンが脆くなりやすい傾向がみられ、塗膜性に劣り、一方、多すぎると感度の低下等がみられる。
【0030】
(b)成分としての光重合性単量体としては、上述したモノマーを挙げることができるが、さらに、例えば、多価アルコール、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が用いられる。
【0031】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基数2〜14)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基数2〜14)、ポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基数2〜14)(プロピレン基数2〜14)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸が拳げられる。
【0033】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)等が挙げられる。2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−500」(新中村化学工業社製)として商業的に入手可能である。
【0034】
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が拳げられる。
【0035】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス[(メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート]ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0037】
(b)成分の配合量は、前記(a)成分と当該(b)成分との合計量100質量部に対して、20〜60質量部が好ましい。(b)成分が少なすぎると感度の低下等がみられ、一方、多すぎると塗膜性に劣る。
【0038】
(c)成分としての光重合性化合物としては、各種の活性光線、例えば紫外線などにより活性化され重合を開始する公知の化合物を任意に用いることができる。具体的には、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、クマリン系化合物などが挙げられる。
【0039】
(c)成分の配合量は、前記(a)成分および(b)成分の合計量100質量部に対して、0.001〜60質量部が好ましい。(c)成分が少なすぎると感度が不十分となり、一方、多すぎると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
【0040】
本発明に用いられる感光性樹脂組成物には、さらに、必要に応じて、染料(例えば、マラカイトグリーン等)、光発色剤(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等)、熱発色防止剤、可塑剤(例えば、p−トルエンスルホンアミド等)、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等を適宜、配合することができる。
【0041】
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤に溶解して固形分30〜60質量%程度の溶液として支持フィルム上に塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成する。次いでこの感光性樹脂組成物層上に保護フィルムをラミネートすることにより、感光性ドライフィルムが得られる。
【0042】
感光性樹脂層の厚みは、3〜100μm程度が好ましく、より好ましくは10〜30μmである。感光性樹脂層の厚みが少なすぎると追従性が低下し、欠け、断線が発生する傾向があり、一方厚すぎると解像度が悪化する傾向がある。
【0043】
本発明の感光性ドライフィルムの使用方法としては、例えば以下の例が挙げられる。ただしこれに限定されるものではない。
【0044】
本発明の感光性ドライフィルムから、まず保護フィルムを剥がし、露出した感光性樹脂層側を被処理体(基板)にあてて、基板上に感光性ドライフィルムを被着させる。被着に際しては、通常、基板をあらかじめ加熱しておき、この上に感光性ドライフィルムを置いて押圧する、いわゆる熱圧着方式等が挙げられる。
【0045】
次いで、支持フィルムが積層された感光性樹脂層に、マスクを介して露光、あるいは直接描画露光することにより、感光性樹脂層を選択的に露光させる。
【0046】
上記露光後、支持フィルムを剥がし、現像を行って感光性樹脂層の未露光部を選択的に除去し、露光部の感光性樹脂層が残留したパターンを形成する。現像液としては、アルカリ現像液、すなわちリチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩;ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン;ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン;モルホリン、ピペラジン、ピリジン等の環状アミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン;テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシド等のスルホニウムヒドロキシド類からなる水溶液;その他、コリン、ケイ酸塩含有緩衝液等の汎用のアルカリ現像液や有機溶剤、すなわちアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル等の多価アルコール類およびその誘導体;乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類を用いることができる。
【0047】
次いで、パターン化された残留感光性樹脂層(ホトレジストパターン)をマスクとして、基板をエッチング、あるいはホトレジストパターン非形成部にめっき処理すること等により、金属配線パターンを形成する。
【0048】
この後、ホトレジストパターンは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、あるいは有機アミン類等のpH12〜14程度の水溶液により剥離除去される。
【0049】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0050】
感光性樹脂組成物調製
下記表1に示す組成の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
【0051】
【表1】
Figure 2005074632
【0052】
(実施例1〜3、比較例1、対照例1〜2)
上記表1に示す感光性樹脂組成物の溶液を、PETフィルム(19μm厚)「G2」(帝人デュポン社製、酸素透過量6ml/m/h/atm)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流乾燥機で約5分間乾燥した後、下記表2に示す各保護フィルムをそれぞれラミネートし、感光性ドライフィルムを得た。感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は10μmであった。
【0053】
表2に示す各保護フィルムのフィッシュアイの個数は、測定装置「マイクロマップ512」(マイクロマップ社製)で計測後、計数した。
【0054】
なお、対照例1〜2として、保護フィルムを設けない感光性フィルム(支持フィルム−感光性樹脂層)を作製した。
【0055】
【表2】
Figure 2005074632
【0056】
I.エアボイド、保護フィルムの剥離性
厚さ0.15mm、20cm×20cm角の銅合金を2質量%硫酸水溶液に1分間(25℃)浸漬し、その後水洗、乾燥し、得られた基板上に、上記各感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥離しながら、ロール温度105℃、ロールシリンダー圧力0.29MPa、速度2m/minでラミネートした。
【0057】
次いで、このようにして得られた基板に3.5kw超高圧水銀灯(伯東社製)にて露光を行った。
【0058】
(エアボイド)
露光後の基板上のエアボイド数を顕微鏡でカウントした。結果を表3に示す。
【0059】
(保護フィルム剥離性)
また保護フィルムの剥離性について下記基準により評価した。結果を表3に示す。
〈剥離性評価基準〉
◎: 保護フィルムが感光性樹脂層から比較的容易に剥離でき、剥離した保護フィルムに感光性樹脂層が全く付着していなかった。
【0060】
○: 保護フィルムが感光性樹脂層から比較的容易に剥離できたが、剥離した保護フィルムに感光性樹脂層が一部付着していた。
【0061】
II.保存安定性(感度安定性)
上記各感光性ドライフィルム(ただし対照例2を除く)を1週間、温度20℃、湿度50%の環境下で遮光(黒色ポリエチレンによる包装)保存した。
【0062】
一方、1.6mm厚の両面胴張積層板を2質量%硫酸水溶液に1分間(25℃)浸漬し、次いで、10質量%過硫酸ソーダ水溶液に2分間(25℃)浸漬し、その後水洗、乾燥し、得られた基板上に、上記1週間保存後の各感光性ドライフィルムの保護フィルムを剥離しながら、ロール温度105℃、ロールシリンダー圧力0.29MPa、速度2m/minでラミネートした。
【0063】
次いで、このようにして得られた基板にステップ・タブレット(Stouffer 21)を真空密着させ、3.5kw超高圧水銀灯(伯東社製)にて露光後、1.0質量%炭酸ソーダにて12秒間スプレー現像し、パターンを形成した。
【0064】
現像後のステップ・タブレット(Stouffer 21)で6.5段を得る露光量で感光性樹脂層の感度を判定した。結果を表3に示す。
【0065】
なお、対照例2は、遮光保存の期間を設けなかった以外は対照例1と同様に処理した。
【0066】
【表3】
Figure 2005074632
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、平滑性に優れ、長期保存性、密着性がよくかつ剥離性に優れる保護フィルムを有する感光性ドライフィルムが提供され、長期間保存後であっても、感光性樹脂層の感度を低下させることなく、むしろ向上させることができ、断面矩形の良好なプロフィルのパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光性ドライフィルムの構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 感光性ドライフィルム
2 支持フィルム
3 感光性樹脂層
4 保護フィルム

Claims (3)

  1. 支持フィルム上に感光性樹脂層、保護フィルムを積層してなる感光性ドライフィルムにおいて、上記支持フィルムおよび保護フィルムが、酸素透過量0〜200ml/m/h/atmのポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリプロピレン(PP)からなり、かつ、保護フィルムにおける高さ1μm以上のフィッシュアイの平均個数が0.1個/m以下である、感光性ドライフィルム。
  2. 上記酸素透過量が0〜130ml/m/h/atmである、請求項1記載の感光性ドライフィルム。
  3. 支持フィルムと感光性樹脂層の間の接着力が、保護フィルムと感光性樹脂層の間の接着力よりも大きいものである、請求項1または2記載の感光性ドライフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011215366A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Asahi Kasei E-Materials Corp ドライフィルムレジストロール
JP2012234091A (ja) * 2011-05-06 2012-11-29 Hitachi Chem Co Ltd 感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法
KR101548412B1 (ko) 2012-12-28 2015-08-28 코오롱인더스트리 주식회사 드라이 필름 포토 레지스트용 감광성 수지 조성물

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