JP2005073320A - モータ内蔵形ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールねじ軸の位置決め精度を高精度化すると共に、コンパクト化が図れるモータ内蔵形ボールねじ装置を提供する。
【解決手段】ボールねじ軸21にボールねじナット23とボールスプラインナット24とをそれぞれボール22を介して螺着すると共に、各ナット23,24の外周面にそれぞれダイレクトドライブモータ17A,17Bのロータ15A,15B及びナット回転位置検出用のセンサロータ30A,30Bを一体回転可能に取り付け、各ナット23,24の外周側に、内面に各ロータ15A,15B,30A,30Bにそれぞれ周面対向するステータ16A,16B,31A,31Bを固定したハウジング32を配置して、ナット23,24の外周部とハウジング32との間にクロスローラ軸受34を介装する。
【選択図】 図1
【解決手段】ボールねじ軸21にボールねじナット23とボールスプラインナット24とをそれぞれボール22を介して螺着すると共に、各ナット23,24の外周面にそれぞれダイレクトドライブモータ17A,17Bのロータ15A,15B及びナット回転位置検出用のセンサロータ30A,30Bを一体回転可能に取り付け、各ナット23,24の外周側に、内面に各ロータ15A,15B,30A,30Bにそれぞれ周面対向するステータ16A,16B,31A,31Bを固定したハウジング32を配置して、ナット23,24の外周部とハウジング32との間にクロスローラ軸受34を介装する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置の搬送装置や、ロボット等の産業機器の回転、昇降駆動装置、その他、工作機械等の産業機械用のアクチュエータとして利用できるモータ内蔵形ボールねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一軸上にボールねじナット及びボールスプラインナットとを配置した従来のボールねし装置としては、例えば、図2(例えば特許文献1参照)及び図3(例えば特許文献2参照)に示すものがある。
これらのボールねじ装置はいずれも、ボールねじ溝1aとボールスプライン溝1bとを有するボールねじ軸1にボール2を介して螺着されたボールねじナット3及びボールスプラインナット4をそれぞれ同軸上に配置されたロータ5A,5Bとステータ6A,6Bからなるダイレクトドライブモータ7A,7Bにより回転駆動させるようにしたもので、これにより、各ナット3,4の回転用アクチュエータや動力伝達部品を別途に設ける必要をなくして装置の小型化を図るようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−46784号公報
【特許文献2】
特開平4−347556号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、ボールねじナット3及びボールスプラインナット4から軸方向に離間した位置に各ナット3,4を回転駆動させるためのダイレクトドライブモータ7A,7Bのロータ5A,5B及びステータ6A,6Bが配設されているため、装置全体の小型化が図れず、また、各ナット3,4の回転位置をロータ5A,5Bと一体回転するプーリ8A,8Bにベルト機構を介してエンコーダにより検出するようにしているため、伝達機構のすべりやバックラッシュ等により各ナット3,4の回転位置検出に誤差が生じ、ボールねじ軸1の位置決め精度が低下するという問題がある。
【0005】
一方、特許文献2では、各ダイレクトドライブモータ7A,7Bのロータ5A,5Bはそれぞれ各ナット3,4の外周面に一体回転可能に取り付けられているため、装置全体の大型化は回避できるものの、ナット3及びダイレクトドライブモータ7Aとナット4及びダイレクトドライブモータ7Bとの軸方向の対向空間に、支持軸受としての背面組合せアンギュラ玉軸受9及び各ナット3,4の回転位置を検出するためのセンサ10を配設するためのスペースが必要となり、このスペースが軸方向の小型化を妨げる原因になる。
【0006】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、ボールねじ軸の位置決め精度を高精度なものとすることができると共に、装置全体のコンパクト化を図ることができるモータ内蔵形ボールねじ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、螺旋状のボールねじ溝と直線状のボールスプライン溝とを有するボールねじ軸にボールねじナットとボールスプラインナットとをそれぞれボールを介して螺着すると共に、前記各ナットの外周面にそれぞれダイレクトドライブモータのロータ及びナット回転位置検出用のセンサロータを一体回転可能に取り付け、前記各ナットの外周側に、内面に前記モータロータ及び前記センサロータにそれぞれ周面対向するステータを固定したハウジングを配置して、前記ボールねじナットの外周部と前記ハウジングとの間に支持軸受を介装すると共に、前記ボールスプラインナットと前記ハウジングとの間に支持軸受を介装し、前記各支持軸受のうちの少なくともボールねじナット用の支持軸受をラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けることのできる軸受としたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記ボールねじ軸を中空構造としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態の一例であるモータ内蔵形ボールねじ装置20は、端部に回転テーブルTが取り付けられたボールねじ軸21を備えており、このボールねじ軸21の外周面には螺旋状のボールねじ溝21aと軸方向に直線状に延びるボールスプライン溝21b(周方向に複数本)とが形成されていて、ボールねじナット23とボールスプラインナット24とがそれぞれ装着されている。
【0010】
ボールねじナット23は、ボールねじ軸21のボールねじ溝21aに対応するボールねじ溝23aを内周面に有しており、このボールねじ溝23aとボールねじ軸21のボールねじ溝21aとの間に多数のボール22が転動自在に介装されている。また、ボールねじナット23には、ボール22を無限循環させる図示しないボール循環部材(例えば循環チューブ)が取り付けられており、ボールねじ軸21とボールねじナット23との相対回転に伴ってボール22は両ねじ溝21a,23a間を転動しつつ螺旋状に移動し、前記ボール循環部材を経て元の位置に戻り、循環を操り返す構造になっている。
【0011】
一方、ボールスプラインナット24は、ボールねじ軸21のボールスプライン溝21bに対応するボールスプライン溝24bを内周面に有しており、このボールスプライン溝24bとボールねじ軸21のボールスプライン溝21bとの間に多数のボール22が転動自在に介装されている。また、ボールスプラインナット24には、ボール22を無限循環させるボール戻し通路28が形成されており、ボール22はボールねじ軸21とボールスプラインナット24との相対的な直線移動に伴って前記両スプライン溝21b,24b間を転動しつつ直線方向に移動して前記ボール戻し通路28を経て元の位置に戻り、循環を操り返す構造になっている。
【0012】
ボールねじナット23の外周面には、ダイレクトドライブモータ17Aのロータ15A及びボールねじナット23の回転位置を検出する例えばレゾルバ29Aのセンサロータ30Aが互いに軸方向に離間して一体回転可能に嵌合されている。また、ボールスプラインナット24の外周面には、ダイレクトドライブモータ17Bのロータ15B及びボールスプラインナット24の回転位置を検出する例えばレゾルバ29Bのセンサロータ30Bが互いに軸方向に離間して一体回転可能に嵌合されている。
【0013】
ボールねじナット23とボールスプラインナット24の外周側には、ハウジング32が配置されており、該ハウジング32の内周面には、ボールねじナット23側のロータ15A及びセンサロータ30Aにそれぞれ周面対向するステータ16A及びセンサステータ31Aがステータ支持部材33Aを介して固定されていると共に、ボールスプラインナット24側のロータ15B及びセンサロータ30Bにそれぞれ周面対向するステータ16B及びセンサステータ31Bがステータ支持部材33Bを介して固定されている。
【0014】
また、ボールねじナット23の外周部とハウジング32との間、及びボールスプラインナット24とハウジング32との間には、支持軸受として、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けることのできるクロスローラ軸受(又はクロスボール軸受)34が介装されている。なお、レゾルバ29Aとダイレクトドライブモータ17Aとの間、各ダイレクトドライブモータ17A,17B間、レゾルバ29Bとダイレクトドライブモータ17Bとの間には、モータによる磁気的な影響を受けないように、それぞれ磁気シールド35,36,37を設置している。磁気シールドは、例えば鉄のような強磁性体の金属製のものを用いる。
【0015】
上記のように構成されたモータ内蔵形ボールねじ装置20においては、例えばハウジング32を工作機械やロポット等の取付部に固定し、各ダイレクトドライブモータ17A,17Bをそれぞれ独立して制御してボールねじナット23及びボールスプラインナット24を所定の回転速度で駆動することで、ボールねじ軸21の回転運動、軸方向への直線運動、回転運動を伴う軸方向への直線運動を行うことができる。
【0016】
例えば、ダイレクトドライブモータ17Aに通電してロータ15Aひいてはボールねじナット23のみを正(又は逆)回転させれば、ボールねじ軸21は軸方向に前進(又は後退)運動する。その前進(又は後退)距離は、ロータ15Aの正回転(又は逆回転)角度として予め設定し図示しないコントローラに入力しておくことができる。一方、ダイレクトドライブモータ17Bに通電してロータ15Bひいてはボールスプラインナット24のみを回転させれば、ボールねじ軸21は回転運動を伴って軸方向に運動する。
【0017】
ダイレクトドライブモータ17A,17Bに同時に通電してボールねじナット23とボールスプラインナット24とを共に同じ回転速度で同方向に回転させれば、ボールねじ軸21とボールねじナット23との相対回転速度が0となり、ボールねじ軸21は軸方向の運動をせずに回転運動のみを行う。また、ボールねじナット23とボールスプラインナット24とを異なる回転速度で駆動すれば、ボールねじ軸21は回転運動と軸方向運動との複合された運動となる。回転方向を逆とすれば、各運動も逆方向となる。
【0018】
ボールねじ軸21にこれらの運動を所定の順序とタイミングで所定量だけ行わせるため、コントローラ内のプログラムメモリに移動量、速度などの位置決め指令を予めプログラムしておき、コントローラの出力信号を位置決め制御回路を経て各モータの駆動回路に送りダイレクトドライブモータ17A,17Bを駆動してその指令を実行する。その際、各ナット23,24の相対回転位置を常にレゾルバ29A,29Bを介して検出して位置決め制御回路にフィードバックし、コントローラが指令信号との偏差信号を駆動回路に送ることによりダイレクトドライブモータ17A,17Bへの通電をプログラム通り制御する。これにより、ボールねじナット23,ボールスプラインナット24の回転を精密にコントロールして、上記のボールねじ軸21の各種運動の高い繰り返し精度が確保できる。
【0019】
上記の説明から明らかなように、この実施の形態では、ボールねじナット23及びボールスプラインナット24の外周面にそれぞれダイレクトドライブモータのロータを一体回転可能に取り付けると共に、各ナット23,24の支持軸受に高剛性のクロスローラ軸受34を用ることで、従来のように、各ナット23,24の軸方向の対向空間に配置される背面組合せアンギュラ玉軸受等を省略して部品点数を削減することができるので、装置全体の小型化が図ることができる。
【0020】
また、各ダイレクトドライブモータ17A,17Bのセンサロータ15A,15Bを各ナット23,24の外周面に配置しているので、装置の小型化が図れると共に、センサロータ15A,15Bの直径を大きくできることから、1回転中のセンサの分解能を上げることができ、位置決めの高分解能化を図ることができる。
【0021】
更に、プーリやベルト等の伝達機構を使用しない回転位置検出センサを用いているので、ボールねじ軸21の位置決め精度の高精度化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、中実のボールねじ軸21を例に採って説明したが、これに代えて、中空構造のボールねじ軸21を採用してもよい。このようにすると、ボールねじ軸21内に装置の配線などを収納できるので、装置そのものをコンパクトに設計することができる。
【0022】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、ボールねじ軸の位置決め精度を高精度なものとすることができると共に、装置全体のコンパクト化を図ることができるという効果が得られる。
請求項2の発明では、請求項1の発明に加えて、ボールねじ軸内に装置の配線等を収納できるので、装置のよりコンパクト化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるモータ内蔵形ボールねじ装置を説明するための断面図である。
【図2】一軸上にボールねじナット及びボールスプラインナットとを配置した従来のボールねし装置を説明するための断面図である。
【図3】一軸上にボールねじナット及びボールスプラインナットとを配置した従来のボールねし装置を説明するための一部を切り欠いた図である。
【符号の説明】
15A,15B…モータロータ
16A,16B…ステータ
17A,17B…ダイレクトドライブモータ
20…モータ内蔵形ボールねじ装置
21…ボールねじ軸
21a…ボールねじ溝
21b…ボールスプライン溝
22…ボール
23…ボールねじナット
24…ボールスプラインナット
30A,30B…センサロータ
31A,31B…センサステータ
32…ハウジング
34…クロスローラ軸受(支持軸受)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置の搬送装置や、ロボット等の産業機器の回転、昇降駆動装置、その他、工作機械等の産業機械用のアクチュエータとして利用できるモータ内蔵形ボールねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一軸上にボールねじナット及びボールスプラインナットとを配置した従来のボールねし装置としては、例えば、図2(例えば特許文献1参照)及び図3(例えば特許文献2参照)に示すものがある。
これらのボールねじ装置はいずれも、ボールねじ溝1aとボールスプライン溝1bとを有するボールねじ軸1にボール2を介して螺着されたボールねじナット3及びボールスプラインナット4をそれぞれ同軸上に配置されたロータ5A,5Bとステータ6A,6Bからなるダイレクトドライブモータ7A,7Bにより回転駆動させるようにしたもので、これにより、各ナット3,4の回転用アクチュエータや動力伝達部品を別途に設ける必要をなくして装置の小型化を図るようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−46784号公報
【特許文献2】
特開平4−347556号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、ボールねじナット3及びボールスプラインナット4から軸方向に離間した位置に各ナット3,4を回転駆動させるためのダイレクトドライブモータ7A,7Bのロータ5A,5B及びステータ6A,6Bが配設されているため、装置全体の小型化が図れず、また、各ナット3,4の回転位置をロータ5A,5Bと一体回転するプーリ8A,8Bにベルト機構を介してエンコーダにより検出するようにしているため、伝達機構のすべりやバックラッシュ等により各ナット3,4の回転位置検出に誤差が生じ、ボールねじ軸1の位置決め精度が低下するという問題がある。
【0005】
一方、特許文献2では、各ダイレクトドライブモータ7A,7Bのロータ5A,5Bはそれぞれ各ナット3,4の外周面に一体回転可能に取り付けられているため、装置全体の大型化は回避できるものの、ナット3及びダイレクトドライブモータ7Aとナット4及びダイレクトドライブモータ7Bとの軸方向の対向空間に、支持軸受としての背面組合せアンギュラ玉軸受9及び各ナット3,4の回転位置を検出するためのセンサ10を配設するためのスペースが必要となり、このスペースが軸方向の小型化を妨げる原因になる。
【0006】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、ボールねじ軸の位置決め精度を高精度なものとすることができると共に、装置全体のコンパクト化を図ることができるモータ内蔵形ボールねじ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、螺旋状のボールねじ溝と直線状のボールスプライン溝とを有するボールねじ軸にボールねじナットとボールスプラインナットとをそれぞれボールを介して螺着すると共に、前記各ナットの外周面にそれぞれダイレクトドライブモータのロータ及びナット回転位置検出用のセンサロータを一体回転可能に取り付け、前記各ナットの外周側に、内面に前記モータロータ及び前記センサロータにそれぞれ周面対向するステータを固定したハウジングを配置して、前記ボールねじナットの外周部と前記ハウジングとの間に支持軸受を介装すると共に、前記ボールスプラインナットと前記ハウジングとの間に支持軸受を介装し、前記各支持軸受のうちの少なくともボールねじナット用の支持軸受をラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けることのできる軸受としたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記ボールねじ軸を中空構造としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態の一例であるモータ内蔵形ボールねじ装置20は、端部に回転テーブルTが取り付けられたボールねじ軸21を備えており、このボールねじ軸21の外周面には螺旋状のボールねじ溝21aと軸方向に直線状に延びるボールスプライン溝21b(周方向に複数本)とが形成されていて、ボールねじナット23とボールスプラインナット24とがそれぞれ装着されている。
【0010】
ボールねじナット23は、ボールねじ軸21のボールねじ溝21aに対応するボールねじ溝23aを内周面に有しており、このボールねじ溝23aとボールねじ軸21のボールねじ溝21aとの間に多数のボール22が転動自在に介装されている。また、ボールねじナット23には、ボール22を無限循環させる図示しないボール循環部材(例えば循環チューブ)が取り付けられており、ボールねじ軸21とボールねじナット23との相対回転に伴ってボール22は両ねじ溝21a,23a間を転動しつつ螺旋状に移動し、前記ボール循環部材を経て元の位置に戻り、循環を操り返す構造になっている。
【0011】
一方、ボールスプラインナット24は、ボールねじ軸21のボールスプライン溝21bに対応するボールスプライン溝24bを内周面に有しており、このボールスプライン溝24bとボールねじ軸21のボールスプライン溝21bとの間に多数のボール22が転動自在に介装されている。また、ボールスプラインナット24には、ボール22を無限循環させるボール戻し通路28が形成されており、ボール22はボールねじ軸21とボールスプラインナット24との相対的な直線移動に伴って前記両スプライン溝21b,24b間を転動しつつ直線方向に移動して前記ボール戻し通路28を経て元の位置に戻り、循環を操り返す構造になっている。
【0012】
ボールねじナット23の外周面には、ダイレクトドライブモータ17Aのロータ15A及びボールねじナット23の回転位置を検出する例えばレゾルバ29Aのセンサロータ30Aが互いに軸方向に離間して一体回転可能に嵌合されている。また、ボールスプラインナット24の外周面には、ダイレクトドライブモータ17Bのロータ15B及びボールスプラインナット24の回転位置を検出する例えばレゾルバ29Bのセンサロータ30Bが互いに軸方向に離間して一体回転可能に嵌合されている。
【0013】
ボールねじナット23とボールスプラインナット24の外周側には、ハウジング32が配置されており、該ハウジング32の内周面には、ボールねじナット23側のロータ15A及びセンサロータ30Aにそれぞれ周面対向するステータ16A及びセンサステータ31Aがステータ支持部材33Aを介して固定されていると共に、ボールスプラインナット24側のロータ15B及びセンサロータ30Bにそれぞれ周面対向するステータ16B及びセンサステータ31Bがステータ支持部材33Bを介して固定されている。
【0014】
また、ボールねじナット23の外周部とハウジング32との間、及びボールスプラインナット24とハウジング32との間には、支持軸受として、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けることのできるクロスローラ軸受(又はクロスボール軸受)34が介装されている。なお、レゾルバ29Aとダイレクトドライブモータ17Aとの間、各ダイレクトドライブモータ17A,17B間、レゾルバ29Bとダイレクトドライブモータ17Bとの間には、モータによる磁気的な影響を受けないように、それぞれ磁気シールド35,36,37を設置している。磁気シールドは、例えば鉄のような強磁性体の金属製のものを用いる。
【0015】
上記のように構成されたモータ内蔵形ボールねじ装置20においては、例えばハウジング32を工作機械やロポット等の取付部に固定し、各ダイレクトドライブモータ17A,17Bをそれぞれ独立して制御してボールねじナット23及びボールスプラインナット24を所定の回転速度で駆動することで、ボールねじ軸21の回転運動、軸方向への直線運動、回転運動を伴う軸方向への直線運動を行うことができる。
【0016】
例えば、ダイレクトドライブモータ17Aに通電してロータ15Aひいてはボールねじナット23のみを正(又は逆)回転させれば、ボールねじ軸21は軸方向に前進(又は後退)運動する。その前進(又は後退)距離は、ロータ15Aの正回転(又は逆回転)角度として予め設定し図示しないコントローラに入力しておくことができる。一方、ダイレクトドライブモータ17Bに通電してロータ15Bひいてはボールスプラインナット24のみを回転させれば、ボールねじ軸21は回転運動を伴って軸方向に運動する。
【0017】
ダイレクトドライブモータ17A,17Bに同時に通電してボールねじナット23とボールスプラインナット24とを共に同じ回転速度で同方向に回転させれば、ボールねじ軸21とボールねじナット23との相対回転速度が0となり、ボールねじ軸21は軸方向の運動をせずに回転運動のみを行う。また、ボールねじナット23とボールスプラインナット24とを異なる回転速度で駆動すれば、ボールねじ軸21は回転運動と軸方向運動との複合された運動となる。回転方向を逆とすれば、各運動も逆方向となる。
【0018】
ボールねじ軸21にこれらの運動を所定の順序とタイミングで所定量だけ行わせるため、コントローラ内のプログラムメモリに移動量、速度などの位置決め指令を予めプログラムしておき、コントローラの出力信号を位置決め制御回路を経て各モータの駆動回路に送りダイレクトドライブモータ17A,17Bを駆動してその指令を実行する。その際、各ナット23,24の相対回転位置を常にレゾルバ29A,29Bを介して検出して位置決め制御回路にフィードバックし、コントローラが指令信号との偏差信号を駆動回路に送ることによりダイレクトドライブモータ17A,17Bへの通電をプログラム通り制御する。これにより、ボールねじナット23,ボールスプラインナット24の回転を精密にコントロールして、上記のボールねじ軸21の各種運動の高い繰り返し精度が確保できる。
【0019】
上記の説明から明らかなように、この実施の形態では、ボールねじナット23及びボールスプラインナット24の外周面にそれぞれダイレクトドライブモータのロータを一体回転可能に取り付けると共に、各ナット23,24の支持軸受に高剛性のクロスローラ軸受34を用ることで、従来のように、各ナット23,24の軸方向の対向空間に配置される背面組合せアンギュラ玉軸受等を省略して部品点数を削減することができるので、装置全体の小型化が図ることができる。
【0020】
また、各ダイレクトドライブモータ17A,17Bのセンサロータ15A,15Bを各ナット23,24の外周面に配置しているので、装置の小型化が図れると共に、センサロータ15A,15Bの直径を大きくできることから、1回転中のセンサの分解能を上げることができ、位置決めの高分解能化を図ることができる。
【0021】
更に、プーリやベルト等の伝達機構を使用しない回転位置検出センサを用いているので、ボールねじ軸21の位置決め精度の高精度化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、中実のボールねじ軸21を例に採って説明したが、これに代えて、中空構造のボールねじ軸21を採用してもよい。このようにすると、ボールねじ軸21内に装置の配線などを収納できるので、装置そのものをコンパクトに設計することができる。
【0022】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、ボールねじ軸の位置決め精度を高精度なものとすることができると共に、装置全体のコンパクト化を図ることができるという効果が得られる。
請求項2の発明では、請求項1の発明に加えて、ボールねじ軸内に装置の配線等を収納できるので、装置のよりコンパクト化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるモータ内蔵形ボールねじ装置を説明するための断面図である。
【図2】一軸上にボールねじナット及びボールスプラインナットとを配置した従来のボールねし装置を説明するための断面図である。
【図3】一軸上にボールねじナット及びボールスプラインナットとを配置した従来のボールねし装置を説明するための一部を切り欠いた図である。
【符号の説明】
15A,15B…モータロータ
16A,16B…ステータ
17A,17B…ダイレクトドライブモータ
20…モータ内蔵形ボールねじ装置
21…ボールねじ軸
21a…ボールねじ溝
21b…ボールスプライン溝
22…ボール
23…ボールねじナット
24…ボールスプラインナット
30A,30B…センサロータ
31A,31B…センサステータ
32…ハウジング
34…クロスローラ軸受(支持軸受)
Claims (2)
- 螺旋状のボールねじ溝と直線状のボールスプライン溝とを有するボールねじ軸にボールねじナットとボールスプラインナットとをそれぞれボールを介して螺着すると共に、前記各ナットの外周面にそれぞれダイレクトドライブモータのロータ及びナット回転位置検出用のセンサロータを一体回転可能に取り付け、前記各ナットの外周側に、内面に前記モータロータ及び前記センサロータにそれぞれ周面対向するステータを固定したハウジングを配置して、前記ボールねじナットの外周部と前記ハウジングとの間に支持軸受を介装すると共に、前記ボールスプラインナットと前記ハウジングとの間に支持軸受を介装し、前記各支持軸受のうちの少なくともボールねじナット用の支持軸受をラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けることのできる軸受としたことを特徴とするモータ内蔵形ボールねじ装置。
- 前記ボールねじ軸を中空構造としたことを特徴とする請求項1記載のモータ内蔵形ボールねじ装置。
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