JP2005072055A - 荷電ビーム描画方法、荷電ビーム描画装置、描画データ作成方法、及び描画制御プログラム - Google Patents

荷電ビーム描画方法、荷電ビーム描画装置、描画データ作成方法、及び描画制御プログラム Download PDF

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芳明 服部
Hitoshi Higure
等 日暮
Eiji Murakami
英司 村上
Tomoyuki Horiuchi
智之 堀内
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Abstract

【課題】ハードウェアでのショット分割方式を考慮した描画データの分割を行うことができ、描画スループットの向上をはかる。
【解決手段】試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数のフィールドに分割し、描画領域全体のマスクデータを各フィールドに所定のマージンを持たせて分割し、該分割されたマスクデータに基づいて各々のフィールド毎にショット分割方式によりパターンを描画する電子ビーム描画方法であって、フィールド境界でマスクデータに含まれるパターンを分割する際に、各フィールド領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから図形分割位置を求め、フィールド領域の境界マージン内に図形分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はフィールド境界で分割する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電ビーム又はレーザビームを用いて半導体製造のためのマスクやウェハを描画する荷電ビーム描画方法に関する。また、この方法を実施するための荷電ビーム描画装置、描画データ作成方法、更には描画制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子ビーム描画装置では、ビームを試料面上で走査するためのビーム走査用偏向器の偏向幅に制限があるため、描画すべきデータであるマスクデータ(CADデータ)をビームが偏向可能な偏向領域(以下、フィールドと呼ぶ)に分割し、複数のフィールドをつなぎ合わせて全てのマスクデータを描画する方法をとっている。
【0003】
従来の方式では、マスクデータを複数の偏向領域に分割する際、フィールド境界でパターンの分割を行っている。若しくは、微小図形を出力しないように、フィールド境界に所定のマージンを持たせて分割している。また、フィールド境界に跨るパターンが存在した場合、取り込み幅を可変とすることにより、フィールド境界で分割されるパターン数を減少させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、この種の方法においては、ハードウェアでのショット分割方式は何ら考慮に入れられていない。一般に、フィールド境界で分割された図形は最大ショットサイズ以下になるようにハードウェアでさらに分割される。近接効果補正を考えた場合には、図形の端における図形サイズは最大ショットサイズより小さい値(以下、エッジショットサイズと呼ぶ)で分割され、残り部分は最大ショットサイズで分割される。
【0005】
このとき、フィールド分割の仕方によっては、ハードウェアから出力される分割ショット数が増える場合がある。電子ビーム描画装置における描画時間はハードウェアから出力されるショット数に依存し、従ってショット数が増えると描画スループットの低下を招くことになる。
【0006】
【特許文献1】
特許第3125724号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のフィールド分割方式では、ハードウェアにおけるショット分割方式は考慮せずに、マスクデータに含まれる図形をフィールド境界で分割している。このため、フィールド分割の仕方によってはハードウェアから出力される分割ショット数が増え、その結果として描画スループットの低下を招く問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、ハードウェアでのショット分割方式を考慮した描画データの分割を行うことができ、描画スループットの向上をはかり得る荷電ビーム描画方法を提供することにある。
【0009】
また本発明は、上記の荷電ビーム描画方法を実施するための荷電ビーム描画装置、描画データ作成方法、更には描画制御プログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0011】
即ち本発明は、試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割し、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割し、該分割された描画データに基づいて各々の偏向領域毎にショット分割方式によりパターンを描画する荷電ビーム描画方法であって、前記偏向領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、前記ショット分割方式によるショット数が最小となる位置でパターン分割を行うことを特徴とする。
【0012】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものがあげられる。
【0013】
(1) 偏向領域は複数のビーム走査用偏向器のうちで偏向幅の最も大きな偏向器の偏向幅で決まるフィールド領域であり、フィールド領域の境界で描画データに含まれるパターンを分割する際に、各フィールド領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから図形分割位置を求め、フィールド領域の境界マージン内に図形分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はフィールド境界で分割すること。
【0014】
(2) 偏向領域は複数のビーム走査用偏向器のうちで偏向幅の最も小さな偏向器の偏向幅で決まるサブフィールド領域であり、サブフィールド領域の境界で描画データに含まれるパターンを分割する際に、各サブフィールド領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから図形分割位置を求め、サブフィールド領域の境界マージン内に図形分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はサブフィールド境界で分割すること。
【0015】
(3) 偏向領域は複数のビーム走査用偏向器のうちで偏向幅の最も小さな偏向器の偏向幅で決まるサブフィールド領域よりも小さなクラスタ領域であり、クラスタ領域の境界で描画データに含まれるパターンを分割する際に、各クラスタ領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから分割位置を求め、クラスタ領域の境界マージン内に分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はクラスタ境界で分割すること。さらに、最適図形サイズから求めた分割位置でパターンを分割したときに残りの図形サイズが所定サイズよりも小さくなる場合は、1つ前の分割位置でパターンを分割し、且つ1つ前の分割位置がクラスタマージン内にない場合は、クラスタ境界でパターンを分割すること。
【0016】
(4) 描画データを偏向領域(フィールド,サブフィールド,又はクラスタ)に分割する際に、最大ショットサイズと近接効果補正を考慮に入れて偏向領域の境界で描画データに含まれるパターンを分割すること。
【0017】
また本発明は、試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割する領域分割手段と、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割するデータ分割手段と、分割された描画データに基づいて各々の偏向領域毎にショットを分割するショット分割手段と、前記ショット分割手段により得られたショットにより各偏向領域毎にパターンを描画する描画手段とを具備してなる荷電ビーム描画装置であって、前記データ分割手段は、前記偏向領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、前記ショット分割手段によるショット数が最小となる位置でパターン分割を行うことを特徴とする。
【0018】
また本発明は、試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割し、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割する描画データ作成方法であって、前記偏向領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する位置を求める際に、前記分割された描画データに基づいてショット分割を行い、各々の偏向領域毎に分割されたショットでパターンを描画するショット分割方式によるショット数が最小となる位置を選択することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、試料面上の描画領域を複数の偏向領域に分割し、各々の偏向領域をショット分割方式により描画する荷電ビーム描画方法をコンピュータ制御の下に実行させるための描画制御プログラムであって、試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割する手順と、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割し、且つショット分割方式によるショット数が最小となる位置で分割する手順と、分割された描画データに基づいて各々の偏向領域毎にショット分割方式によりパターンを描画する手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
(作用)
本発明によれば、描画データを偏向領域(フィールド,サブフィールド,クラスタ等)に分割する際に、最大ショットサイズや近接効果補正等の有無を考慮に入れて偏向領域の境界で描画データに含まれる図形を分割することにより、ショット分割のためのハードウェアから出力されるショット数を減少させることができ、これにより描画スループットを向上させることが可能となる。
【0021】
より具体的には、例えばフィールド分割では、最大ショットサイズと近接効果補正等の有無を考慮に入れハードウェアでショット分割が最適に行われる図形サイズを計算し、フィールド境界のマージン内で図形を求められた最適な図形サイズで分割することにより、ショット分割方式によるショット数を減らすことができ、描画スループットの向上をはかることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる描画データ作成方法を説明するためのフローチャートである。この実施形態は、フィールド境界で図形の分割を行う際、ハードウェアから出力されるショット数を最適にする方法である。
【0024】
なお、電子ビーム描画装置自体の構成は特に限定されるものではなく、試料面上の描画領域をビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数のフィールドに分割し、描画領域全体のマスクデータを各フィールドに所定のマージンを持たせて分割し、分割されたマスクデータに基づいて各々のフィールド毎にショット分割方式によりパターンを描画するものであればよい。例えば、後述する図4のような構成であってもよい。
【0025】
まず、電子ビームの最大ショットサイズと近接効果補正の有無から最適な図形サイズを計算する(ステップS11)。次いで、求められた最適な図形サイズから分割位置を求め(ステップS12)、フィールドマージン内に分割位置があるか否かを調べる(ステップS13)。フィールドマージン内に分割位置がある場合には、求められた最適な図形サイズにより図形を分割する(ステップS14)。それ以外の場合には、従来通りフィールド境界で図形を分割する(ステップS15)。
【0026】
次に、本実施形態の作用について図2及び図3を用いて説明する。
【0027】
図2(a)は、フィールド境界に跨って定義された図形が、フィールド境界F1によりA1とA2に分割される様子を示している。これら分割された図形は、ショット分割のためのハードウェアで図形サイズが最大ショット以下になるようにさらに分割が行われる。そして、図2(b)に示すように、フィールド境界で分割された図形が単純に左端から最大ショットサイズで分割されるとすると、右端には最大ショットサイズよりも小さいショットが生じ、その結果出力されるショット数は10ショットとなる。
【0028】
本実施形態では、フィールド境界で分割を行う前に最適サイズを計算し、図3(a)に示すように、フィールドマージン内において最適サイズの図形分割位置F2で分割する。即ち、フィールドマージン内に最適サイズの図形分割位置が存在するか否かを判断し、図形分割位置が存在する場合はこの位置で分割を行い、分割位置が存在しない場合はフィールド境界で分割を行う。その結果、ハードウェアでの図形分割時に図形分割が効率良く行われ、結果として図3(b)に示すように、出力されるショット数が9ショットとなる。
【0029】
このように本実施形態によれば、マスクデータをフィールドに分割する際に、最大ショットサイズ及び近接効果補正の有無を考慮に入れ、最適な図形サイズを計算して分割位置を求め、フィールドマージン内に分割位置がある場合には最適な図形サイズにより図形を分割することにより、ショット分割のためのハードウェアから出力されるショット数を減少させることができる。このため、描画スループットの向上をはかることができる。
【0030】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に使用した電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。
【0031】
図中1は試料室であり、この試料室1内には半導体ウェハ若しくはマスク等の試料2を載置したステージ3が収容されている。ステージ3は、ステージ駆動回路4によりX方向(紙面左右方向)及びY方向(紙面表裏方向)に駆動される。そして、ステージ3の移動位置はレーザ測長計等を用いた位置回路5により測定されるものとなっている。
【0032】
試料室1の上方には、電子ビーム光学系10が配置されている。この光学系10は、電子銃11、各種レンズ12〜16、ブランキング用偏向器21、ビーム寸法可変用偏向器22、ビーム走査用の主偏向器23、ビーム走査用の副偏向器24及びビーム成形アパーチャ25,26等から構成されている。ここで、偏向器23,24はいわゆる2段変更方式であり、偏向幅の大きな主偏向器23でフィールドの大きさが決まり、偏向幅の小さな副偏向器24でサブフィールドの大きさが決まることになる。
【0033】
そして、主偏向器23により所定の副偏向走査領域(以降、サブフィールドと呼ぶ)に位置決めし、副偏向器24によりサブフィールド内でのショットの位置決めを行うと共に、ビーム寸法可変用偏向器22及びビーム成形アパーチャ25,26によりビーム形状を制御し、ステージ3を一方向に連続移動しながら、LSIチップを主偏向ビームの偏向幅に応じて短冊状に分割したフレーム(多重描画の場合はストライプ)を描画処理する。さらに、ステージ3を連続移動方向と直交する方向にステップ移動し、上記処理を繰り返して各フレーム(ストライプ)を順次描画するものとなっている。ここで、主偏向器23の偏向幅で決まるのがフィールドであり、このフィールドを一方向に並べたのがフレームに相当している。
【0034】
この実施形態において、描画方法は以下の通りである。まず、制御計算機30に描画開始の命令が送られる。この命令を受けた制御計算機30は、これに接続された記憶媒体である磁気ディスク31にアクセスし、描画データのチップサイズ、チップを構成するフレーム数及びフレーム幅などの情報を入手すると共に、多重描画における何重目の描画であるかを判別して、描画する第1のストライプ領域を決定する。続いて、制御計算機30は、このストライプ領域の情報及びパターン抽出命令をパターンデータ領域抽出ユニット32に送信する。この情報を受けたパターンデータ領域抽出ユニット32は、指定されたストライプ領域を描画するために必要となるフレーム番号及び、各フレームデータから抽出しなければならない領域を、磁気ディスク31に格納された描画データを解析して求める。
【0035】
これらの領域に対して、パターンデータ領域抽出ユニット32は以下の処理を行う。まず、抽出した領域に存在する描画パターンデータを磁気ディスク装置31にアクセスし取り出し、パターンデータ分割ユニット33に転送すると共に、パターンデータ分割ユニット33に対してクラスタ分割処理を行うよう命令を送信する。ここで、クラスタとはサブフィールドをサブフィールドの大きさよりも小さい領域で区分した時の1つの領域のことである。パターンデータ分割ユニット33は、クラスタ分割を行うべき描画データを抽出ユニット32から受け取り、かつクラスタのサイズを制御計算機30から受け取り、このサイズで描画データをクラスタ分割する。クラスタ分割が終了したデータは順次パターンメモリ34に書き出す。
【0036】
同様の処理を、その他の領域に対しても行い、最後に抽出した領域のクラスタ分割処理が終了したところで、分割処理終了信号を制御計算機30に対して送信する。この信号を受信した制御計算機30は、続いてパターンデータ展開ユニット35に対して、パターンメモリ34に格納されたクラスタ分割後のパターンデータをデータ展開するよう実行命令を送信する。
【0037】
パターンデータ展開回路35により得られる描画データは、データ解析部である描画図形デコーダ36及び描画位置データデコーダ37により解析され、ブランキング回路38、ビーム成形器ドライバ39、主偏向器ドライバ40、及び副偏向器ドライバ41に送られる。
【0038】
描画図形データデコーダ36では、上記データに基づいてブランキングデータが作成され、このデータがブランキング回路38に送られる。更に、所望とするビーム寸法データが作成され、このビーム寸法データがビーム成形器ドライバ39に送られる。そして、ビーム成形器ドライバ39から前記電子ビーム光学系10のビーム寸法可変用偏向器22に所定の偏向信号が印加され、これにより電子ビームの寸法が制御される。
【0039】
また、描画位置データデコーダ37では、サブフィールド位置決めデータが作成され、このデータが主偏向器ドライバ40に送られる。そして、主偏向器ドライバ40から前記電子ビーム光学系10の主偏向器23に所定の偏向信号が印加され、これにより電子ビームは所定のサブフィールド位置に偏向走査される。さらに、描画位置データデコーダ37では副偏向器走査のコントロール信号が発生し、この信号が副偏向器ドライバ41に送られる。そして、副偏向器ドライバ41から副偏向器24に所定の副偏向信号が印加され、これによりサブフィールド内部の描画が行われる。
【0040】
本実施形態は、上述した描画方法のうち描画パターンデータをクラスタ分割するパターンデータ分割ユニット33における分割処理に特長を有する。パターンデータ分割ユニット33での処理フローの概略を図5に示す。
【0041】
パターンデータ分割ユニット33では、磁気ディスク31から図形を入力し(ステップS21)、入力された図形に対し、これを通過するクラスタ境界線を図形の配置点及び図形サイズ等から求める(ステップS22)。そして、図形を通過するクラスタ境界があるか否かを判定する(ステップS23)。図形を通過するクラスタ境界がある場合にはクラスタ境界で分割する処理を行い(ステップS24)、図形を通過するクラスタ境界が無い場合には図形の分割処理は行わない(ステップS25)。本実施形態においては特に、このクラスタ境界での分割処理(ステップS24)に特長を有しており、このために以下のような方法を採用している。
【0042】
本実施形態における描画データ作成方法を図6、図7を用いて具体的に説明する。まず、図6のフローチャートに示すように、ショット分割のためのハードウェア(例えばパターンデータ展開ユニット35)でnショットに分割できる図形サイズを、最大ショットサイズ及び近接効果補正の有無を基に計算する(ステップS31)。
【0043】
次いで、最適な図形サイズから図形の分割位置を求める(ステップS32)。そして、求めた分割位置の中でクラスタマージン内に入る分割位置を見付ける。即ち、クラスタマージン内に分割位置があるか否かを判定する(ステップS33)。クラスタマージン内に分割位置が見付からなかった場合には、クラスタ境界でそのまま図形を分割する(ステップS34)。
【0044】
分割位置がクラスタマージン内に存在する場合は、残り図形サイズが微少であるか否かを判定する(ステップS35)。図7(a)に示すケース1のようなパターンの場合、最適な図形サイズ(L)で図形を分割する(ステップS38)。また、図7(b)に示すケース2のパターンのように最適な図形サイズ(L)で分割した時、残りの図形サイズ(L)が微小になる場合は、1つ前の分割位置(LA−1 )でこの図形を分割する(ステップS36,37,38)。
【0045】
即ち、S36で1つ前の分割位置(LA−1 )を選択し、S37でこの位置がマージン内であるか否かを判定し、マージン内であればS38に移りこの位置で図形を分割する。しかしながら、(LA−1 )がクラスタマージン内にない場合(図7(c)に示すケース3の場合)もあり、その場合にはS37からS34に移り、クラスタ境界でこの図形の分割を行う。ここで、微小図形は解像性良く描画できないため、微小図形の発生は描画スループットの低下につながるものである。
【0046】
なお、図7で説明に用いた図形は全て矩形であるが、分割される図形は三角形や台形、平行四辺形であっても構わない。また、上述した説明では横方向の図形分割のみ扱っているが、縦方向の分割にも同様に適用される。
【0047】
次に、本実施形態の効果について図8を用いて説明する。図8(a)においてサブフィールドサイズ20μm、クラスタサイズを10μmとし、図形がクラスタ境界を跨るように配置されているものとする。この例では、最大ショットサイズを2.5μm、エッジショットサイズを1.0μmとした。
【0048】
この図形を従来のパターンデータ分割ユニットを用いて分割すると、図8(b1)のようにクラスタ境界で図形は分割される。その後、これらの図形はショット分割のためのハードウェアによってショット単位に分割される。まず、その時の近接効果補正により図形の両端は最大ショットサイズよりも小さな図形サイズ(以下、エッジショットサイズと呼ぶ)で分割され、エッジショットを除いた中央部分は最大ショットサイズにより何ショットに分割されるか求める(図8(c1))。そして、その分割数で図形サイズが均等になるように中央部分を分割する(図8(d1))。その結果、ハードウェアから出力されるショット数は12ショットとなる。
【0049】
一方、本実施形態を用いた場合にはクラスタ境界で図形を分割する際、最大ショットサイズとエッジショットサイズからハードウェアで最適に図形が分割される図形サイズを計算により求め、その図形サイズで分割を行う(図8(b2))。その後、ハードウェアでショット単位に図形が分割されるが(図8(c2))、前述したように最適なサイズで図形が分割されているため、無駄な分割が入らない(図8(d2))。その結果、ハードウェアから出力されるショット数は11ショットとなり、従来の方法で図形を分割した場合よりも出力されるショット数を少なくすることができる。
【0050】
このように本実施形態によれば、描画パターンデータをクラスタに分割する際に、最大ショットサイズや近接効果補正等の有無を考慮に入れ、クラスタマージン内の最適図形サイズから求めた分割位置でパターンを分割することにより、ショット分割のためのハードウェアから出力されるショット数を減少させることができる。また、最適図形サイズから求めた分割位置でパターンを分割したときに残りの図形サイズが微小となる場合は、クラスタマージン内の1つ前の分割位置でパターンを分割することにより、パターン分割の際に微小図形が発生するのを防止できる。
【0051】
従って本実施形態によれば、微小図形の発生を招くことなく、ショット分割のためのハードウェアから出力されるショット数を減少させることができ、電子ビーム描画装置における描画スループットを向上させることができる。
【0052】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、電子ビーム描画に適用した例を説明したが、本発明はイオンビーム描画にも同様に適用でき、更にレーザビーム描画に適用することも可能である。さらに、描画装置の構成も前記図4に何ら限定されるものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。また、実施形態ではフィールド分割とクラスタ分割の例について述べたが、これらに限らずサブフィールド分割に同様に適用できるのも勿論のことである。
【0053】
また、実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク,ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM,DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0054】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、描画データを偏向領域(フィールド,サブフィールド,クラスタ等)に分割する際に、ハードウェアでのショット分割方式を考慮した描画データの分割を行うことができ、ハードウェアから出力されるショット数を減らすことができ、これにより描画スループットの向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる描画データ作成方法を示すフローチャート。
【図2】従来のフィールド境界でのパターンデータの分割を説明するための模式図。
【図3】第1の実施形態を用いた時のフィールド境界でのパターンデータの分割を説明するための模式図。
【図4】第2の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図5】第2の実施形態で用いたパターンデータ分割ユニットの処理を説明するためのフローチャート。
【図6】第2の実施形態におけるパターンデータ分割処理を説明するフローチャート。
【図7】第2の実施形態におけるパターンデータの分割処理を説明するための図。
【図8】第2の実施形態の効果を説明するための図。
【符号の説明】
1…試料室
2…試料
3…ステージ
4…ステージ駆動回路
5…位置回路
10…電子ビーム光学系
11…電子銃
12〜16…各種レンズ
21…ブランキング用偏向器
22…ビーム寸法可変用偏向器
23…主偏向器
24…副偏向向器
25,26…ビーム成形アパーチャ
30…制御計算機
31…磁気ディスク
32…パターンデータ領域抽出ユニット
33…パターンデータ分割ユニット
34…パターンメモリ
35…パターンデータ展開ユニット
36…描画図形デコーダ
37…描画位置データデコーダ
38…ブランキング回路
39…ビーム成形器ドライバ
40…主偏向ドライバ
41…副偏向器ドライバ

Claims (8)

  1. 試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割し、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割し、該分割された描画データに基づいて各々の偏向領域毎にショット分割方式によりパターンを描画する荷電ビーム描画方法であって、
    前記偏向領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、前記ショット分割方式によるショット数が最小となる位置でパターン分割を行うことを特徴とする荷電ビーム描画方法。
  2. 前記偏向領域は複数のビーム走査用偏向器のうちで偏向幅の最も大きな偏向器の偏向幅で決まるフィールド領域であり、フィールド領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、各フィールド領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから図形分割位置を求め、フィールド領域の境界マージン内に図形分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はフィールド境界で分割することを特徴とする請求項1記載の荷電ビーム描画方法。
  3. 前記偏向領域は複数のビーム走査用偏向器のうちで偏向幅の最も小さな偏向器の偏向幅で決まるサブフィールド領域であり、サブフィールド領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、各サブフィールド領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから図形分割位置を求め、サブフィールド領域の境界マージン内に図形分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はサブフィールド境界で分割することを特徴とする請求項1記載の荷電ビーム描画方法。
  4. 前記偏向領域は複数のビーム走査用偏向器のうちで偏向幅の最も小さな偏向器の偏向幅で決まるサブフィールド領域よりも小さなクラスタ領域であり、クラスタ領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、各クラスタ領域で最適図形サイズを計算し、この最適図形サイズから分割位置を求め、クラスタ領域の境界マージン内に分割位置が存在する場合は該位置で分割し、存在しない場合はクラスタ境界で分割することを特徴とする請求項1記載の荷電ビーム描画方法。
  5. 前記最適図形サイズから求めた分割位置で前記パターンを分割したときに残りの図形サイズが所定サイズよりも小さくなる場合は、1つ前の分割位置で前記パターンを分割し、且つ1つ前の分割位置がクラスタマージン内にない場合は、クラスタ境界で前記パターンを分割することを特徴とする請求項4記載の荷電ビーム描画方法。
  6. 試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割する領域分割手段と、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割するデータ分割手段と、分割された描画データに基づいて各々の偏向領域毎にショットを分割するショット分割手段と、前記ショット分割手段により得られたショットにより各偏向領域毎にパターンを描画する描画手段とを具備してなり、
    前記データ分割手段は、前記偏向領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する際に、前記ショット分割手段によるショット数が最小となる位置でパターン分割を行うことを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  7. 試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割し、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割する描画データ作成方法であって、
    前記偏向領域の境界で前記描画データに含まれるパターンを分割する位置を求める際に、前記分割された描画データに基づいてショット分割を行い、各々の偏向領域毎に分割されたショットでパターンを描画するショット分割方式によるショット数が最小となる位置を選択することを特徴とする描画データ作成方法。
  8. 試料面上の描画領域を複数の偏向領域に分割し、各々の偏向領域をショット分割方式により描画する荷電ビーム描画方法をコンピュータ制御の下に実行させるための描画制御プログラムであって、
    試料面上の描画領域を、ビーム走査用偏向器の偏向幅で決まる複数の偏向領域に分割する手順と、描画領域全体の描画データを各偏向領域に所定のマージンを持たせて分割し、且つショット分割方式によるショット数が最小となる位置で分割する手順と、分割された描画データに基づいて各々の偏向領域毎にショット分割方式によりパターンを描画する手順と、
    をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能な描画制御プログラム。
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