JP3319519B2 - 荷電ビーム描画方法 - Google Patents

荷電ビーム描画方法

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JP3319519B2 JP18254092A JP18254092A JP3319519B2 JP 3319519 B2 JP3319519 B2 JP 3319519B2 JP 18254092 A JP18254092 A JP 18254092A JP 18254092 A JP18254092 A JP 18254092A JP 3319519 B2 JP3319519 B2 JP 3319519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSI等の半導体集積
回路のパターンをマスクやウェーハ等の試料に高速・高
精度に描画するための荷電ビーム描画技術に係わり、特
にテーブル連続移動方式の描画スループット向上をはか
った荷電ビーム描画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIのパターンは益々微細かつ
複雑になっており、このようなパターンを形成する装置
として電子ビーム描画装置が用いられている。この装置
を用いて所望のパターンを描画する場合、CADを始め
とするLSIのデータ設計ツールを用いて作成される設
計データを、そのままの形式で上記描画装置の描画デー
タとして供給することはできない。その理由は、次のよ
うな点に集約される。
【0003】(1) 設計データは、一般に多角形で表現さ
れているのに対し、電子ビーム描画装置に供給されるデ
ータは台形や矩形といった基本図形に限定される。
【0004】(2) 図形相互に重なりがあると多重露光と
なってしまい描画パターンの形成精度が悪化してしま
う。
【0005】(3) 電子ビーム描画に供給されるデータ
は、描画方式に準拠して単位描画領域(フレーム領域な
ど)に分割されていなければならない。
【0006】従って、上記設計データに例えば輪郭化処
理を施して多重露光部の除去を行って、その後ビームの
偏向領域により決定する固有の単位領域(フレーム領
域)毎に矩形,台形等の基本図形に分割することによ
り、電子ビーム描画装置にとって受容可能な図形データ
にする。このような工程によって、LSIパターンを描
画するのに必要な描画パターンデータを生成し、磁気デ
ィスク等の記憶媒体に格納している。
【0007】この描画パターンデータを上記フレーム領
域毎に読み出して、一時的にパターンデータバッファに
蓄積し、さらにこのデータを解読してビーム成形手段に
より形成可能な描画単位図形の集まりに分割する。そし
て、その結果を基にビーム位置及びビームの形状を制御
する一方で、試料を載置したテーブルをX方向又はY方
向に連続的に移動してフレーム領域内に所望パターンを
描画する。
【0008】次いで、テーブルを連続移動方向と直交す
る方向にフレーム領域の幅だけステップ移動し、上記処
理を繰り返すことにより所望領域全体の描画処理を行
い、所望のLSIパターンを描画する。なお、主偏向手
段により副偏向位置を決定し副偏向手段により描画を行
っていく2段偏向方式では、副偏向手段のみにより描画
可能な単位描画領域(サブフィールド)の集合体でフレ
ーム領域を構成し、フレーム領域の幅は主偏向手段のビ
ーム偏向幅で規定している。この描画方式でも、上記と
同様にフレーム領域毎に描画パターンデータを読み出
し、テーブルをX方向又はY方向の1方向に連続移動し
ながらビームを追従させて一連の描画処理が行われる。
【0009】ここで、上述の描画処理に供される描画デ
ータを生成するに際しては、LSIパターンの微細化及
び高集積化への対応策として、メモリーセルのような繰
り返し構造を有するパターン領域については、繰り返し
の種となる基本パターン群とその繰り返し情報で描画パ
ターンデータを構成することにより描画パターンデータ
の圧縮をはかっていた。その理由は、パターン密度の微
細化及び集積度の伸長が激しいメモリーデバイスのデー
タ変換処理にあっては、上記繰り返し構造を利用したデ
ータ圧縮を行わないと計算機資源を著しく圧迫すること
と、データ変換処理時間が長期化し実用的でなくなると
いった観点から最早データ変換不能な状況となってしま
うからである。
【0010】上述のような処理工程において発生する描
画単位図形(2枚のビーム成形用アパーチャの重なりに
より発生)の形状は、露光時間の短縮を目的として矩形
ビームのみから矩形と直角2等辺三角形を発生可能なビ
ーム成形用アパーチャ、更には矩形・三角形に加えて台
形ビームを発生可能な形状のビーム成形用アパーチャが
提案されてきた。さらに、最近では上記基本形状のビー
ム発生に加えてメモリーデバイスに代表される繰り返し
パターンを発生可能なビーム発生機構を具備して、露光
時間の高速化が可能なCP方式(セル投影方式)の電子
ビーム描画装置が提案されている。
【0011】しかしながら、この種の描画装置にあって
は次のような問題があった。即ち、上述のCP方式の電
子ビーム描画装置では、第1のビーム成形用アパーチャ
マスクの通過ビームを第2のビーム成形用アパーチャマ
スクのビーム通過孔(アパーチャ)に照射して所望のビ
ーム形状とするため、上記通過ビームを大きく偏向して
ビーム照射位置を制御する必要がある。そのためには、
ビット数の大きなDA(ディジタル/アナログ)変換器
を介してビーム成形偏向器を駆動するが、この方法では
DA変換器の整定時間が長くなりビーム位置の制御に要
する時間の長期化を招き、描画スループットの低下を引
き起こしていた。
【0012】また、上述の方法にあっては第2のビーム
成形用アパーチャマスクに形成されたビーム通過孔の中
の矩形や三角形を始めとする描画単位図形以外のCPセ
ルを生成するに際して、上記CPセル部のビーム通過孔
全体に第1のビーム成形用アパーチャマスクの通過ビー
ムを照射して所望形状のビームとしているために、照射
するビームサイズの制限から設計データの上では1つの
CPセルであったパターンを幾つかのCPセル部に分割
して第2のビーム成形用アパーチャマスクに形成する必
要があった。上記のような状況は、第2のビーム成形用
アパーチャマスク上に形成するCPセル部のビーム通過
孔の種類を増加させると共に、第1のビーム成形用アパ
ーチャマスクの通過ビームを大きく偏向させることを誘
引していた。
【0013】そして、このような問題点はLSIの生産
性を低下させると共にLSIデバイスの生産コストを高
くする要因となり、結果的として今後LSIの急速な進
歩でパターンの微細化,高集積化が進む中で電子ビーム
描画装置で描画されたLSIパターンに対する信頼性及
び装置の稼働率を高める上で大きな問題となる。
【0014】一方、上述の描画処理で、フレーム領域を
描画する時のテーブル移動速度は、フレーム領域中の全
描画単位図形のパターニング時間(ビームの位置及び形
状を制御して所望パターンを描画する時間)と、2段偏
向方式の場合全単位描画領域の位置決め時間が上記テー
ブル移動速度に十分追従可能な値を設定する必要があ
る。その決定方法としては、以下に示す2つの方法が代
表的である。
【0015】(1) 描画ストライプ領域の描画に際して、
テーブル移動速度にパターニングが十分追従し得るよう
極めて低いテーブル移動速度を設定し、全フレーム領域
に亘り該移動速度により描画処理する。
【0016】(2) マスクやウェーハ等の実際の描画処理
に先立って、描画領域を構成するそれぞれの描画ストラ
イプ領域についてパターニングエラー(パターニング処
理がテーブル移動速度に追従できなくなって発生するエ
ラー)を生じないテーブル移動速度をトライアンドエラ
ーにより見出して設定し、該テーブル移動速度により描
画処理する。
【0017】このようにして得たテーブル移動速度で前
記フレーム領域を描画するに際しては、1つのフレーム
領域内で一定速度で前記テーブルを移動することが前提
となっている。その理由は、1フレーム領域内で局所的
なパターン密度に追従させてテーブルの移動速度を可変
速制御することは、装置の機械的な制御と描画パターン
のパターン形成精度の観点から極めて難しい技術であ
り、装置の複雑化を誘引するからである。従って、1フ
レーム領域内で最もパターン密度の高い局所領域を描画
するのにビームが追従可能なテーブル速度により定速移
動しながら描画処理している。
【0018】しかしながら、この種の方法にあっては次
のような問題があった。即ち、1フレーム内での最もテ
ーブル移動速度が低速な局所領域に合わせてテーブル速
度が設定されるので、その局所領域が小さければ小さい
ほど時間のロスが多大となってしまう。そして、この状
況はパターン密度の疎密度較差が大きければ大きいほど
上記のような問題を招き、かつ近年提案されているメモ
リーセル部の形状に沿ったビーム形状を発生して描画ス
ループットの飛躍的向上を図るCP方式(セル投影方
式)にあっては極めて大きな問題となる。
【0019】また、上述の繰り返しパターンを1回のシ
ョットで描画する方式では、トータルのショット数が少
なくて済む。例えば特開昭63−114125号公報で
は、矩形ビーム及び三角形ビームで69ショットかかる
パターンを露光するのに、パターンに特徴的な成形ビー
ムを用いて17ショットで描画でき、ショット数が1/
4に減少した例が説明されている。2重偏向方式の露光
装置の場合を例にとると、描画時間は 描画時間=ステージ移動時間+主偏向セットリング時間 +(ショットセットリング時間+ショット露光時間)×ショット数 で表わすことができる(簡単のため、データ転送時間は
除いた)。このうち、前2項は定数項と考えられる。ま
た、ショットセットリング時間とショット露光時間は、
多くの場合、図形の形状や大きさによらずほぼ一定であ
る。このため、ショット数が減少した分だけ描画時間が
減少し、スループットが向上することになる。
【0020】この方式では、1回のショットで複数個の
図形に相当する成形ビームで露光することもできる。例
えば、第3回マイクロプロセス学会の発表では、矩形ビ
ームのみを使用した場合に較べて1〜2桁ショット数が
減らせる、との報告がある("EB Cell Projection Lith
ography", pp.48-51, The 3rd Micro Process Conferen
ce)。このような方式では、繰り返し使われるパターン
を一括して露光し、描画のスループットを上げる方法と
して有効である。
【0021】このような方式においては、チップ上の全
てのパターンを電子ビーム描画装置で描画しても実用的
なスループットを得ることは難しいため、線幅の大きい
部分はステッパを混用する、所謂ミックス・アンド・マ
ッチ方式の描画方法が必須になる。この場合、ある線幅
が一定値以下のパターンを電子ビーム描画装置で描画す
ればよいが、繰り返し現われる基本パターンや基本パタ
ーン群を全てアパーチャとしてビーム成形用アパーチャ
マスクに組み込むことは不可能なので、残りは基本図形
の組み合わせで露光する必要がある。そのため、アパー
チャマスクにどの図形或いは図形群をアパーチャとして
組み込むかによって描画時間が変わってくる。従って、
アパーチャマスクに組み込むパターンの選択が適切でな
いと、本方式の効果が十分生かされないという問題があ
った。
【0022】また、CP方式の電子ビーム描画方法にあ
っては、繰返しパターン形状に相当するビーム通過孔が
形成される第2のビーム成形用アパーチャマスク上のビ
ーム通過孔の配置は、第1のビーム成形用アパーチャマ
スクからの投影ビームを第2のアパーチャマスク上の所
望ビーム通過孔に照射する際に、他のビーム通過孔に影
響しないよう十分な距離をおくことのみ考慮していた。
このため、第2のアパーチャマスクのビーム通過孔形成
位置には特に規則性がなく、実際の描画処理においてど
のビームをどこに照射するかを表現する描画データでの
ビーム形状指標データと、第1のアパーチャマスクから
の投影ビームを第2のアパーチャマスクのどの位置に照
射して所望のビーム形状を発生するのかの対応関係と
を、繰返しパターンの形状が変わるデータ毎(製品種別
や処理層)に定義する必要があり、描画装置の稼動率を
著しく阻害することとなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来提案
されているCP方式の電子ビーム描画方法においては、
ウェーハへのパターン形成装置として主流となっている
光縮小転写装置の処理時間に匹敵する描画速度及び稼動
率を実現する上で、LSIチップのデバイスの種類及び
素子分離層やコンタクト層などの処理層毎に繰返しパタ
ーンに相当するビーム通過孔を形成する第2のビーム成
形用アパーチャマスクを交換する必要があり、そのアパ
ーチャマスク毎にビーム通過孔の形成位置と描画データ
との対応関係を定義する必要があり、これが電子ビーム
描画装置の稼動率を著しく低下させる要因となってい
た。
【0024】なお、上述した問題は電子ビーム描画方法
に限るものではなく、イオンビーム用いて試料上に所望
パターンを形成する荷電ビーム描画方法全般について言
えることである。
【0025】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たものであり、その目的とするところは、アパーチャ形
及びその組み合わせの最適化により、繰り返しパター
多数含むLSIの描画速度を向上させることがで
き、製造コストの低減等に寄与し得る荷電ビーム描画方
法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、描画す
べきパターンに対して最短で描画ができるようにアパー
チャの形状及びその組み合わせを最適化することにあ
る。
【0027】即ち本発明は、所定のアパーチャが形成さ
れたビーム成形用アパーチャマスクを用い、描画すべき
パターンに繰り返し現われる単位パターン又は単位パタ
ーン群と同一形状の成形ビームをショットして組み合わ
せることにより、試料面上に所望パターンを描画する荷
電ビーム描画方法において、ビーム成形用アパーチャマ
スクにアパーチャを形成するに際し、矩形及び三角形の
少なくとも一方からなる基本図形の成形ビームを得るた
めの基本図形用アパーチャに加えて、描画すべきパター
ンに繰り返し現われ、且つ線幅が一定値以下である単位
パターン又は単位パターン群の中から、前記基本図形の
成形ビームの組み合わせでショットしたと仮定した場合
に最も多くのショット数を要する単位パターン又は単位
パターン群を優先的に選んで、繰り返しパターン用アパ
ーチャを形成することを特徴とする。
【0028】
【作用】本発明によれば、荷電ビーム描画装置でしか描
画できないパターンに繰り返し使われる図形或いは図形
群から、最短の描画時間を与える図形或は図形群を的確
に選んでアパーチャマスクに形成することができるの
で、これらのアパーチャマスクを使った成形ビームの組
合わせで、任意のパターンに対して最短時間で描画する
ことが可能となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。
【0030】図1は、本発明の第1の参考例に係わる電
子ビーム描画装置を示す概略構成図である。図中10は
試料室であり、この試料室10内には半導体ウェーハ若
しくはガラスマスク等の試料11を載置したテーブル1
2が収容されている。テーブル12は、テーブル駆動回
路13によりX方向(紙面左右方向)及びY方向(紙面
表裏方向)に駆動される。そして、テーブル12の位置
はレーザ測長計等を用いた位置回路14により測定され
るものとなっている。
【0031】試料室10の上方には、電子ビーム光学系
20が配置されている。この光学系20は、電子銃2
1,各種レンズ22〜26,ブランキング用偏向器3
1,ビーム寸法可変用偏向器32,ビーム走査用の主偏
向器33,ビーム走査用の副偏向器34及びビーム成形
用アパーチャマスク35,36等から構成されている。
【0032】そして、主偏向器33により所定の単位描
画領域(サブフィールド)に位置決めし、副偏向器34
によりサブフィールド内での図形描画位置の位置決めを
行うと共に、ビーム形状制御用偏向器32及びビーム成
形用アパーチャ35,36によりビーム形状及びビーム
寸法を制御し、テーブル12をX若しくはY方向に連続
移動しながら、LSIチップをビーム偏向幅に応じて短
冊状に分割したフレーム領域を集めた1つの描画ストラ
イプを描画処理する。さらに、テーブル12を次の描画
ストライプの開始位置まで移動し、上記処理を繰り返し
て各描画ストライプを順次描画処理するものである。
【0033】なお、図には示さないがビーム形状制御用
偏向器32は、ビーム整定時間は遅いが大きな領域を高
精度に偏向し得る第1の偏向器と、偏向領域は小さいが
高速にビームを位置決めする第2の偏向器により構成さ
れている。そして、これらの偏向器の組み合わせによ
り、ビーム照射位置を制御して所望ビームを生成するも
のとなっている。
【0034】一方、制御計算機40には磁気ディスクを
始めとする記憶媒体41が接続されており、この磁気デ
ィスク41に描画対象とするLSIチップに係わる描画
データが格納されている。磁気ディスク41から読み出
された描画データは、前記描画ストライプ毎の描画デー
タとしてパターンメモリ(データバッファ部)42に一
時的に格納される。
【0035】データバッフア部42に格納された描画ス
トライプ毎の描画データ、つまり描画位置及び基本図形
データ等で構成される描画ストライプデータは、データ
解読部であるパターンデータデコーダ43及び描画デー
タデコーダ44により解読され、ブランキング回路4
5,ビーム成形ドライバ46,主偏向ドライバ47及び
副偏向ドライバ48に送出される。即ち、パターンデー
タデコーダ43では上記描画ストライプデータを入力
し、描画ストライプデータとして定義されている基本図
形データを前記ビーム成形用アパーチャ35,36の組
み合わせにより形成可能なCPセル図形、又は矩形や三
角形を始めとする描画単位図形群に図形分割して、この
描画図形情報に基づいて作成されるビーム制御情報がブ
ランキング回路45に送出されると共に、所望のビーム
制御情報が作成されてビーム成形ドライバ46に送られ
る。次に、ビーム成形ドライバ46から前記電子光学系
20のビーム形状制御用偏向器32に所定の偏向信号が
印加されて電子ビームのビーム形状及びビーム寸法が制
御されるものとなっている。
【0036】また、描画データデコーダ44では上記描
画ストライプデータに基づいてサブフィールドの位置決
め情報が作成され、この情報を基に主偏向ドライバ47
から前記電子光学系20の主偏向器33に所定の偏向信
号が印加され、これにより電子ビームは所望のサブフィ
ールド位置へ偏向走査される。さらに、描画データデコ
ーダ44では副偏向走査の制御情報を発生し、この情報
により副偏向ドライバ48を介して副偏向器34に所定
の副偏向信号を印加しサブフィールド毎の描画処理を行
っていく。
【0037】次に、上述した一連の描画処理におけるビ
ームの生成方法について詳述する。図2(a)は第1の
ビーム成形用アパーチャマスク35のビーム通過孔(ア
パーチャ)の配置を示しており、矩形形状のビーム通過
孔35aが1つだけ形成されている。図2(b)は第2
のビーム成形用アパーチャマスク36のビーム通過孔
(アパーチャ)の配置を示しており、第1〜第4のビー
ム通過孔36a〜36dが形成されている。
【0038】図3は、第1のビーム成形用アパーチャマ
スク35と第2のビーム成形用アパーチャマスク36に
形成された各ビーム通過孔の電子光学的重ね合わせによ
り、所望のビーム形状及びビーム寸法を生成する様子を
示している。
【0039】図3(a)は、第1のアパーチャマスク3
5のビーム通過孔35aと第2のアパーチャマスク36
の第1ビーム通過孔36aの組み合わせにより矩形ビー
ムを生成しており、図3(b)では第1のアパーチャマ
スク35のビーム通過孔35aと第2のアパーチャマス
ク36の第2ビーム通過孔36bの組み合わせにより三
角形ビームを生成している。上記矩形ビームと三角形ビ
ームは、セル投影方式で生成できないパターン部を描画
処理するための単位描画図形となる。
【0040】また、図3(c)は第1のアパーチャマス
ク35のビーム通過孔35aと第2のアパーチャマスク
36に形成されたCPセル投影用の第3又は第4ビーム
通過孔36c,36dの組み合わせにより設計データの
一部に相当するビーム像を生成している。
【0041】このようなビーム生成に際して、第1のア
パーチャマスク35のアパーチャ投影ビームを、ビーム
寸法可変用偏向器32を用いて第2のアパーチャマスク
36の所定位置に投影する。具体的には、ビーム整定時
間は遅いが大きな領域を高精度に偏向し得る第1のビー
ム偏向器を用いて第2のアパーチャマスク36に形成さ
れた4つのビーム通過孔36a〜36dの中から所望と
するビーム通過孔近傍に位置決めする。さらに、偏向領
域は小さいが高速にビームを位置決めする第2のビーム
偏向器により、上記アパーチャ投影ビームを所望のビー
ム通過孔の所望位置に位置決めし、所望形状及び所望サ
イズのビーム像を生成して描画処理に供する。
【0042】また、第2のビーム偏向器を用いて高速に
所望ビームを生成するのは1つのビーム通過孔内でのビ
ーム移動に限らず、現在のビーム照射位置と次に照射す
べきビーム照射位置の距離が所定領域以内である場合に
は、第1のビーム偏向器を駆動することなく第2のビー
ム偏向器のみでビーム照射位置を制御して所望ビームを
生成していく。
【0043】次に、上記構成された装置を用いてLSI
パターンを描画処理する電子ビーム描画方法について説
明する。描画処理を行うためのデータ作成工程を示した
のが図4である。LSIのパターンは、CADシステム
により設計〜作成され、そこから出力される設計データ
がホスト計算機で描画データにデータ変換され、その描
画データを読み出して電子ビームによる前記描画処理が
行われることとなる。
【0044】ここで、CADシステムから出力される設
計データは、図5(a)に示すように幾つかのブロック
(ここではA〜D,b,d)の集合体で1つのLSIチ
ップが表現されている。そして、このLSIチップのパ
ターンを定義する設計データは、図5(b)に示すよう
に上記LSIチップを構成するブロックに対応した複数
のブロックから構築されている。同図では、LSIチッ
プ全体を表現するブロックAが子ブロックB〜Dを参照
していて、その子ブロックBとDが更に孫ブロックbと
dを参照しているというブロックデータの参照関係(階
層構造)を示している。
【0045】そして、これらの各ブロックは子ブロック
の参照情報のほかに実際の描画図形パターンに相当する
図形データを含んだデータ体系となっている。
【0046】このような形式の設計データを電子ビーム
描画装置で許容し得るデータ形式とするため、ホスト計
算機で上記設計データを構成するブロックに包含される
図形パターンが重畳するか否かについての検査と重畳ブ
ロックの展開処理を(例えば特願昭62−32719号
に開示した方法により前処理)行うが、ここで上記ブロ
ック間の重なり除去処理を行ってもブロック参照関係が
変化しないものとして以下説明を進めることとする。
【0047】図5(b)に示すブロックの参照関係を、
LSIチップ全体を表現する最上位ブロックであるAに
全ての子ブロックの参照情報が定義されるべく1レベル
展開処理を行って、図6(a)に示すようなブロックの
配置体系とする。ここで、もともとあった子ブロックB
とDが消失しているのは、、BとDがその更に子ブロッ
クbとdを参照していてBとDブロック自体に図形パタ
ーンを定義されていなかったためである。
【0048】図6(b)は、同図(a)のブロック配置
を示すデータ構造であり、最上位ブロックAに子ブロッ
クの参照情報が集結されて、図形パターンのみが定義さ
れた子ブロックが参照されている。
【0049】かくして得られたそれぞれのブロックに包
含されている図形パターン相互の重なり除去や白黒反転
処理及び寸法補正処理といった図形演算処理を行った
後、それぞれのブロックを必要に応じて(ブロック領域
がサブフィールドより大きい場合)、図7(a)(b)
に示すように図形のサブフィールド分割処理を行う。そ
して、このサブフィールド毎の図形データを集めて1回
のテーブル連続移動で描画可能なフレーム領域に係わる
描画データ(フレームデータ)を構築する。このフレー
ムデータの作成処理について以下に説明する。
【0050】図8は、前記ブロック領域A,b,C,d
毎に所定サイズ以下の単位領域に分割した体系を示して
いる。この所定サイズ以下の単位領域は、前記サブフィ
ールド分割した領域を少なくとも1領域以上包含した領
域としており、実際の処理ではこのサブフィールドの集
まりで構成している。なお、同図では上記単位領域をサ
ブフィールド領域と対応させた体系としており、サブフ
ィールド領域より小さく領域分割不要なブロックbは、
設計データのブロック領域をそのままの体系で定義して
いる。
【0051】このサブフィールド領域の集合体として、
図9に示すような短冊状のフレーム領域91〜93を決
定する。そして、この中からそれぞれのフレーム領域9
1〜93で参照されている参照数やセルのパターン密度
などの要因を解析してセルb及びdをCPセルとして決
定し、セルb及びdのパターンは第1及び第2ののアパ
ーチャマスクにより、繰り返しパターンの基本となるパ
ターンの投影ビームを生成して描画処理し、その他のパ
ターン部については前述したように矩形ビームと三角形
ビームの組み合わせにより描画処理する。
【0052】上記セルb及びdの描画処理について更に
詳述する。図10は、セルb及びdを描画処理する際に
使用する第2のアパーチャマスク36上に形成された第
3ビーム通過孔36cを示している。図10(a)は、
設計データに定義されたセルbのパターン形状をXYそ
れぞれに2セルずつ配置した構造としており、図10
(b)はセルdのパターン形状をそのまま形成してい
る。そして、図11は上記ビーム通過孔が形成された第
2のアパーチャマスク36と矩形形状のビーム通過孔を
有する第1のアパーチャマスク35を組み合わせて、フ
レーム領域91のセルbを描画処理する過程を示してい
る。
【0053】フレーム領域91のセルbを描画するに際
しては、図10(a)に示すビーム通過孔全体を投影し
て図11(a)のハッチング領域を描画処理し、次に上
記ビーム通過孔の上半分若しくは下半分を第1のアパー
チャマスク35の通過ビームでマスクして図11(b)
に示すハッチング領域を描画し、更に第2のアパーチャ
マスクのビーム通過孔の右半分若しくは左半分をマスク
して図11(c)に示すハッチング領域を描画し、最後
にセルbの1セル分だけをマスクして投影し図11
(d)に示すハッチング領域を描画処理する。
【0054】そして、セルdについてはセルd全体を照
射ビーム面積の制限から投影できないため、縦又は横に
1/2づつ第1のアパーチャマスク35でマスクして2
回に分けて描画処理することにより、高速な描画処理を
実現することができる。
【0055】かくして本参考例によれば、電子光学系の
ビーム照射条件により制限される最大ビーム寸法に関係
なく、CPセルのビーム通過孔を第2のビーム成形用ア
パーチャマスク上に形成することができ、上記アパーチ
ャマスク上のビーム偏向領域を縮小することができ、そ
の結果として描画処理の高速化が可能となる。
【0056】なお、前記描画パターンデータを格納する
手段としては、磁気ディスクに限るものではなく磁気テ
ープや半導体メモリ等その他の記憶媒体を用いることが
できる。また、電子ビーム描画装置の構成は、図1に何
等限定されるものではなく、適宜変更可能である。参考
では電子ビームを例にとり説明したが、電子ビームに
限定されることなくイオンビームやレーザービーム等に
対して適用可能である。描画方式についても、主・副偏
向を組み合わせた2段偏向方式の他、1段偏向方式や3
段以上の偏向方式でもよく、さらに可変成形ビームを用
いたショット方式の他、円形ビームを用いた装置方式の
ものについても適用可能である。また、さらに、記憶媒
体に蓄積される描画パターンデータについても、基本図
形の図形体系でなく、描画単位図形及び多角形図形につ
いても適用可能である。
【0057】このように本参考例によれば、第2のビー
ム成形用アパーチャマスクに形成するCPセル用のビー
ム通過孔の大きさを電子光学系のビーム照射条件に制限
されることなく形成可能となると共に、形成するビーム
通過孔の種類を大幅に低減することが可能となる。従っ
て、第1のビーム成形用アパーチャマスクの通過ビーム
を第2のビーム成形用アパーチャマスク上の所望位置に
制御する際のビーム偏向量を抑制することができ、描画
時間の高速化と描画するパターンの精度向上が可能とな
る。その結果として、荷電ビーム描画装置の稼働率を高
めると共にLSIの生産性を高めることができる。
【0058】次に、本発明の第2の参考例について説明
する。なお、電子ビーム描画装置の基本構成は、前記図
1と同様であるので省略する。この装置を用いた電子ビ
ーム描画方法について説明する。
【0059】描画処理を行うためのデータ作成工程は前
記図4と同様である。即ち、LSIのパターンは、CA
Dシステムにより設計〜作成され、そこから出力される
設計データがホスト計算機で描画データにデータ変換さ
れ、その描画データを読み出して電子ビームによる前記
描画処理が行われることとなる。ここで、CADシステ
ムから出力される設計データは、前記図5(a)に示す
ように表現され、このLSIチップのパターンを定義す
る設計データは前記図5(b)に示すように構築されて
いる。
【0060】このような形式の設計データを前記電子ビ
ーム描画装置で許容し得るデータ形式とするため、先の
と同様に、ホスト計算機で上記設計データを構成する
ブロックに包含される図形パターンが重畳するか否かに
ついての検査と重畳ブロックの展開処理を行う。
【0061】かくして得られたそれぞれのブロックに包
含されている図形パターン相互の重なり除去や白黒反転
処理及び寸法補正処理といった図形演算処理を行った
後、それぞれのブロックを必要に応じて前記図7に示す
ように図形のサブフィールド分割処理を行う。そして、
このサブフィールド毎の図形データを集めて1回のテー
ブル連続移動で描画可能なフレーム領域に係わる描画デ
ータを構築する。このフレームデータの作成処理につい
て以下に説明する。
【0062】図12は、前記ブロック領域A,b,C,
d毎に所定サイズ以下の単位領域に分割した体系を示し
ている。この所定サイズ以下の単位領域は、前記サブフ
ィールド分割した領域を少なくとも1領域以上包含した
領域としており、実際の処理ではこのサブフィールドの
集まりで構成している。なお、同図では上記単位領域を
サブフィールド領域と対応させた体系としており、サブ
フィールド領域より小さく領域分割不要なブロックbは
設計データのブロック領域をそのままの体系で定義して
いる。
【0063】そして、次の処理ステップとして上記単位
領域毎に単位面積当たりの描画パターン密度を算出す
る。具体的な処理工程としては、複数のビーム成形用ア
パーチャマスクの組合わせの投影像で転写可能なパター
ンとそれ以外のパターン部に分別する。そして、投影可
能なパターンについては、そのパターン毎にその転写数
をカウントアップし、単位面積当たりの転写数(ショッ
ト数)に換算する。さらに、投影像以外のパターン部に
ついては、上記ビーム成形アパーチャの重ね合わせによ
り形成可能なサイズ以下の矩形と直角2等辺三角形から
構成する描画単位図形の集合体で表現した図形数を単位
面積当たりの換算値で算出する。
【0064】図13は、上記処理工程に沿って算出した
単位領域毎の単位面積当たりのパターン密度の分布例を
示している。
【0065】このような単位領域を集めてそれぞれのフ
レーム領域を決定するに際しては、チップ領域を図14
(a)に示すように仮想的にX方向に細長い短冊領域
(X仮想フレームと呼ぶ)と、図14(b)に示すよう
なY方向に細長い短冊領域(Y仮想フレームと呼ぶ)を
想定する。そして、それぞれの仮想フレーム内にその開
始位置が包含される単位領域のパターン密度が所定の値
に収まらない仮想フレーム数とパターン密度高低差をそ
れぞれの仮想フレームについて抽出する。
【0066】図13に示すパターン密度を基に、所定の
値を2として上記の値を算出するとX及びY仮想フレー
ム共に所定値に収まらない仮想フレーム数は3となり、
パターン密度の高低差により決定する。
【0067】まず、図14(a)のX仮想フレームにつ
いて算出する。仮想フレーム81が2、仮想フレーム8
2が4、仮想フレーム83が2となる。一方、図14
(b)のY仮想フレームを上記と同様に図13のパター
ン密度に照合して算出すると、仮想フレーム84が4、
仮想フレーム85が4、仮想フレーム86が4、仮想フ
レーム87が0となる。かくして得られた仮想フレーム
領域のパターン密度の較差に基づいて、仮想フレームで
の平均較差の小さいX仮想フレームを最初のフレーム構
築方向に決定する。
【0068】次に、上記決定仮想フレーム方向のフレー
ムデータを構築するに際して、該フレーム領域に開始位
置が包含される単位領域間のパターン密度較差が所定の
範囲(ここではパターン密度較差の範囲を2に抑制す
る)に収まるように制御しながら、図15に示すフレー
ム領域91〜93を決定する。同図のハッチング領域が
それぞれフレームデータに包含される描画パターン領域
を示している。そして、図16中のハッチングで示す領
域は上記処理で定義されなかった領域(所定のパターン
密度較差に収まらなかった領域)を示している。この領
域についても、上述の処理と同様に、X仮想フレームと
Y仮想フレームを想定してそれぞれの仮想フレームでの
パターン密度較差を算出して、フレームデータの構築方
向を決定する。
【0069】この場合には、X仮想フレームではパター
ン密度較差が0・3・0となるのに対し、Y仮想フレー
ムではパターン密度較差が0・2・2となり、全ての所
定の範囲(2)に収まることとなり、最終的に図17に
示すフレーム領域94〜96を決定する。
【0070】そして、通常のLSIチップは1枚のウェ
ハ上にX方向とY方向に配置可能な範囲でたくさん並べ
て描画処理するため、上記フレーム領域94と96に示
すように包含されるパターン領域が、テーブル移動方向
(この場合紙面上下方向)に沿って所定の距離以上離れ
ている場合には、描画パターン間のテーブル移動をテー
ブルの最大速度で移動可能とすべく、図18に示すよう
な94aと96aのフレーム領域として該領域内の描画
パターンを表現するフレームデータを生成し、このフレ
ームデータを集めて所望のLSIパターンを描画するた
めの描画データを生成する。
【0071】そして、この生成されたフレームデータを
上記磁気ディスク41から読み出して、試料を載置した
テーブルをフレーム領域のサイズに応じてX方向若しく
はY方向に連続移動しながら前記ビーム成形手段及びビ
ーム偏向手段を制御しながら描画処理することにより、
高速な描画処理を実現することができる。
【0072】かくして本参考例によれば、1回のテーブ
ル移動で描画処理するフレーム領域内に包含するパター
ンの疎密度較差を所定の範囲内に制御することにより、
パターン密度の較差に起因して生じる描画処理の無駄時
間を大幅に低減し、描画時間を短縮することができる。
その結果として、電子ビーム描画装置の稼働率を高める
と共にLSIの生産性を高めることができる。
【0073】次に、本発明に係わる実施例について説明
する。
【0074】下記の(表1)は本実施例で描画するパタ
―ンに現われる繰り返しセルと図形の最小線幅を示して
いる。また、図19は本実施例で描画するLSIパタ―
ンの一部を示している。
【0075】
【表1】
【0076】(表1)の本パタ―ンの設計デ―タのう
ち、0.7μm以上はステッパで解像できる。従ってこ
れらを除くと、繰り返しパタ―ンが6種類のセルで構成
されていることが分かった。それぞれセルA,B,C,
D,E,Fと呼ぶ。各セルの参照回数は下記の(表2)
に示すとおりである。
【0077】
【表2】
【0078】(表2)の最下段は周辺回路に相当する部
分で非繰り返しパタ―ンである。また、セルA〜F全て
がアパ―チャに形成可能な最大サイズ以下で、分割する
ことなくアパ―チャに形成できることが分かった。本実
施例では非繰り返しパタ―ンは矩形と三角形の成形ビ―
ムのショットを組み合わせて露光する。従って、例えば
セルAの図形群は図20に示す通りだが、これを矩形と
三角形の成形ビ―ムを組み合わせて描画したと仮定した
場合の換算ショット数は、図からも明らかなように69
ショットである。その他のセルの換算ショットするにつ
いても(表2)に示す通りである。また、周辺回路は7
×107 ショットである。
【0079】さて、換算ショット数と参照回数の積、即
ち仮想ショット数を計算すると、各セルについて(表
2)の通りとなる。本実施例では、非繰り返し部分に対
応したアパ―チャ以外に2個の繰り返しパタ―ン用のア
パ―チャを形成することができる。従って、セルA〜F
から2つを選ぶとすると、仮想ショット数の多い順で、
セルB,セルAを選ぶのがよい。
【0080】図21は本発明の一実施例に係わる電子ビ
―ム露光装置を示す概略構成図である。図中111 は電子
銃、112 は電子銃111 から放射された電子ビ―ムをカッ
トするビ―ム制限用アパ―チャマスク、113 はコンデン
サレンズ、114 はアパ―チャ選択用偏向器、115 は第1
のビ―ム成形用アパ―チャマスクであり、アパ―チャ選
択用偏向器114 は電子ビ―ムを第1のアパ―チャマスク
115 の所望のアパ―チャ位置に偏向するものである。
【0081】116 は投影レンズ、117 はビ―ム寸法可変
用偏向器、118 は第2のビ―ム成形用アパ―チャマスク
であり、投影レンズ116 は第1のアパ―チャマスク115
のアパ―チャ像を第2のアパ―チャマスク118 上に投影
するものであり、またビ―ム寸法可変用偏向器117 は上
記アパ―チャ像を第2のアパ―チャマスク118 上に投影
する位置を可変するものである。
【0082】119 は合成された成形アパ―チャ像を縮小
するための縮小レンズ、120 はビ―ム走査用偏向器、12
1 は対物レンズ、122 は試料面であり、ビ―ム走査用偏
向器120 は合成された成形アパ―チャ像を試料面122 上
で走査するもので、対物レンズ121 は縮小レンズ119 に
より縮小された成形アパ―チャ像を試料面122 上に結像
するものである。
【0083】なお、軸合わせコイル,焦点補正コイル,
非点補正のための制御コイル及びブランキング用偏向電
極等は、本発明と直接関連しないため省略してある。ま
た、走査用偏向器120 は実際は主偏向器と副偏向器の2
組で構成してあるが、簡単のため図のようにまとめて示
してある。
【0084】上記基本構成では、第1のアパ―チャマス
ク115 に3個のアパ―チャを設け、このアパ―チャマス
ク115 の上方にアパ―チャ選択用偏向器114 を設けてあ
る。即ち、第1のアパ―チャマスク115 上には、第2の
アパ―チャマスク118 との組合せで、矩形や三角形等の
基本図形形状の成形ビ―ムを生成するアパ―チャと、所
望のパタ―ンに特徴的な2つの特殊形状の成形ビ―ムを
生成するアパ―チャが形成されており、アパ―チャ選択
用偏向器114 は電子ビ―ムの照射位置を上記3個のアパ
―チャに選択するものとなっている。
【0085】そして、アパ―チャ選択用偏向器114 によ
って第1のアパ―チャマスク115 上の何れかのアパ―チ
ャに選択的に電子ビ―ムを偏向し、かくして得られたア
パ―チャ像をビ―ム寸法可変用偏向器117 により偏向し
て、第2のアパ―チャマスク118 のアパ―チャに重ね合
わせ、或いは該アパ―チャを素通りせしめ、非繰り返し
パタ―ンを描画するための矩形や三角形などの基本図形
と所望のパタ―ンに特徴的な特殊図形との両種の形状の
成形ビ―ムを生成し得るようにしている。
【0086】図22は本実施例で用いた第1のアパ―チ
ャマスク115 を示す平面図である。このアパ―チャマス
クは前記図19に示したLSIパタ―ンに対応したもの
で、また前記仮想ショット数の最も多いものから図形群
を選んでアパ―チャに形成したものである。第1の位置
には矩形と三角形の成形ビ―ムを発生させるための矩形
状アパ―チャ151 が形成され、第2の位置には前記セル
Bの図形群に対応したアパ―チャ152 が形成され、また
第3の位置には前記セルAの図形群に対応したアパ―チ
ャ153 が形成されている。アパ―チャ153 の拡大図を図
23に示す。
【0087】図24は第2のアパ―チャマスク118 を示
す平面図である。このアパ―チャマスク118 には、水平
を基準とした場合、図に示すように基準辺に対して0
°、45°、90°、135°、225°、315°の
角度をなす辺で構成される多角形アパ―チャ173 が形成
されている。
【0088】第1のアパ―チャマスク115 のアパ―チャ
151 の像は前記ビ―ム寸法可変用偏向器117 によって、
矩形ビ―ム生成時は図24中のPの位置に、三角形ビ―
ム生成時は図24中のQ,R,S,Tの位置に各々偏向
される。また第1のアパ―チャマスク115 のアパ―チャ
152,153 の像は図24中のUの位置に偏向される。この
ようにして、第1のアパ―チャマスク115 のアパ―チャ
151 の像は第2のアパ―チャマスク118 上のアパ―チャ
133 が持つ種々の辺との組合わせで大きさの異なる矩
形,三角形ビ―ムの生成に使われ、第1のアパ―チャ像
は第2のアパ―チャマスク118 のアパ―チャ133 によっ
て基本的には形状やサイズの変化を受けずに、もとの形
状そのままのビ―ム生成に使われる。(但し、部分的に
使いたい場合は図24中のPの位置に偏向して、部分的
にカットすることも可能)。下記の(表3)はこの様に
して描画した場合の実ショット数を示している。
【0089】
【表3】
【0090】ここで、1ショットに300nsecかか
るとすると、描画時間の内、ステ―ジ移動時間と主偏向
セットリングにかかる時間を除いた露光時間は (19×107 +3.5×106 )×3×10-7 =61(sec) である。
【0091】一方、下記の(表4)に選択を誤って、セ
ルA、セルCをアパ―チャに組み込んで描画した場合の
実ショット数を示している。
【0092】
【表4】
【0093】この場合の露光時間は (8×109 +15×107 +10.0×106 +1×104 ) ×10×10-7=2448(sec) である。この場合、正しい選択をした場合の、40倍以
上の時間がかかり、この例から本発明の効果は明らかで
ある。
【0094】このように本実施例によれば、露光すべき
パタ―ンに応じた成形ビ―ムを形成するにあたって、電
子ビ―ム露光装置で描画すべきパタ―ンの中から、最も
効率のよい形状図形或は図形群を的確に選択してアパ―
チャに形成してパタ―ン露光を行うことができるので、
繰り返し図形を多く含むパタ―ンにあっては露光のショ
ット数を最大限減らすことができ、描画時間の短縮及び
製造コストの低減をはかることができる。
【0095】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、前記第1のアパ―チャマスク
に形成するアパ―チャの個数は3個に限定されるもので
はなく、繰り返す図形の種類に応じて適宜変更可能であ
る。また成形ビ―ムを発生する電子光学系でのアパ―チ
ャの数や位置関係は種々考えられ、本発明はその何れか
1つを特定するものでは無い。更に、実施例では電子ビ
―ム露光装置について説明したが、本発明はイオンビ―
ムを用いたイオンビ―ム露光装置に適用することも可能
である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
【0096】次に、本発明の第3の参考例を説明する。
【0097】電子ビーム描画装置の構成は図1と同様で
あるので省略する。図25は、描画しようとするLSI
パターンの一部を示すパターン例である。このパターン
は、メモリセル部のような膨大な繰返しを有するパター
ン部51と、該メモリセル部を取り囲んでいる比較的繰
返しの少ないパターン部52、及び全く繰返し構造を有
していないパターン部53から構成されている。
【0098】このようなLSIパターンを描画処理する
際に使用する第1のビーム成形用アパーチャマスク35
には、図26(a)に示すように矩形状のビーム通過孔
(アパーチャ)35aが形成されている。一方、第2の
ビーム成形用アパーチャマスク36は、図26(b)に
示すように例えば36a〜36iのように区画化され
(特にマトリックスである必要はない)、それぞれの区
画にはそれぞれ異なる形状のビーム通過孔が形成され
る。その中の1区画には、図27(a)に示すような矩
形状のビーム通過孔61、図27(b)に示すような正
八角形のビーム通過孔62がそれぞれ設けられている。
【0099】そして、第1のビーム成形用アパーチャマ
スク35から投影された矩形ビームとの組み合わせによ
り、図28(a)に示すように種々の大きさの矩形ビー
ム、図28(b)に示すような直角二等辺三角形ビー
ム、さらに図28(c)に示すような種々の台形ビーム
を発生可能となっている。
【0100】また、第2のビーム成形用アパーチャマス
ク36の他の区画には、メモリデバイスに代表される繰
返しパターンの種パターンの形状に応じたビーム通過孔
が形成されている。図27(c)はその一例を表わすビ
ーム通過孔63の形状を示している。
【0101】次に、第1のビーム成形用アパーチャマス
ク35の投影ビームと第2のビーム成形用アパーチャマ
スク36に形成されたビーム通過孔との電子光学的組み
合わせによる、繰返しパターンに相当するビーム形状発
生方法について説明する。
【0102】図29に示すように、第1のアパーチャマ
スク35の投影ビームを照射する第2のアパーチャマス
ク36には、区画化された領域36a〜36i内にハッ
チングで示す如く外形の繰返しパターンに相当するビー
ム通過孔が形成されている。但し、領域36bには八角
形、領域36eには矩形のビーム通過孔が形成されてい
る。
【0103】そして、第1のアパーチャマスク35の投
影ビームは、図29に示すように所望のビーム通過孔が
形成された近傍のマトリックス状に分割した位置に、上
記投影ビーム(矩形)の左下位置が照射されるようにビ
ーム照射位置をアライメント制御され、これにより上記
所望の繰返しパターンに相当するビーム形状が発生する
ことになる。なお、図において、細い破線はビームの照
射位置をX,Y方向共に所定距離の整数倍に規定したと
きのマトリックス、太い破線はビーム照射領域を示して
いる。
【0104】一方、上述のビーム形状の組合わせで所望
パターンを描画するパターンを表現する描画データは、
前記単位描画領域毎にグループ分けされており、その中
の図形データは図30に示すように構成されている。即
ち、上記矩形と三角形及び台形ビームで描画する描画図
形データと、繰返しパターンに相当するビームで描画す
る描画図形データが混在して定義されており、双方の描
画データは図形種別コードにより区別されている。そし
て、上記繰返しパターンに相当するビームで描画する描
画図形データには、描画するビーム形状を示す指標情報
(X,Y)が付与されており、この指標情報は第1のア
パーチャマスク35の投影ビームを第2のアパーチャマ
スク36上のどの位置に照射するのかのマトリックス状
に区画化されたX位置及びY位置で表現され定義されて
いる。
【0105】かくして本参考例方法によれば、描画デー
タに上述した指標情報(X,Y)を付与し、第2のビー
ム成形用アパーチャマスク36へのビーム通過孔の配置
を所定の規則に沿って行うことにより、描画データに定
義された描画図形データから繰返しパターンに相当する
ビーム形状を発生するための第1のビーム成形用アパー
チャマスク35からの投影ビームの第2のビーム成形用
アパーチャマスク36へのビーム照射位置を一意的に決
定することが可能となる。
【0106】このため、描画データとビーム形状を制御
のための結合情報を定義する工程が不要となり、一連の
描画工程のスループットの向上をはかることができる。
具体的には、第2のアパーチャマスク36の交換を必要
とするデータ種別毎に、描画データとビーム形状指標デ
ータとビーム照射位置を対応付ける必要がなくなり、ア
パーチャマスク交換に伴う上記作業を排除することが可
能となる。従って、電子ビーム描画装置の稼動率を高め
ると共に、LSIの生産性を高めることができる。特
に、LSIの微細化・高集積化が顕著な状況化にあって
より有効な効果を発揮すると期待される。
【0107】なお、前記描画データを格納する手段とし
ては磁気ディスクに限るものではなく、磁気テープや半
導体メモリなど、他の記憶媒体を用いることができる。
また、電子ビーム描画装置の構成は図1に何等限定され
るものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。
【0108】また、上記の参考例では電子ビームを例に
とり説明したが、電子ビームに限定されることなく、イ
オンビームやレーザービームを含む荷電ビームに対し適
用可能であり、可変成形ビームを用いたショット方式の
他、楕円形ビームを用いたベクタ若しくはラスタ方式の
装置についても適用可能である。さらに、記憶媒体に格
納される描画データの図形体系は矩形や台形などの基本
図形でなく描画単位図形や多角形図形でもよく、図形相
互の重畳についてもパターンデータデコーダ部に図形の
重なり除去や白黒反転を行う図形演算手段を追加するこ
とにより対応可能となり、このような図形体系のデータ
についても適用可能である。
【0109】また、第2のビーム成形用アパーチャマス
クへのビーム通過孔の配置は、参考例で記述した配置以
外にも種々の配置が想定できる。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0110】次に、本発明の第4の参考例を説明する。
【0111】電子ビーム描画装置の構成は図1と同様で
あるので、省略する。また、描画処理を行うためのデー
タの生成工程は図4と同様であり、LSIのパターンは
CADシステムにより設計〜パターン作成され、その設
計データはホスト計算機により電子ビーム描画装置固有
の描画データにデータ変換される。そして、この描画デ
ータを基にして電子ビームの位置決め及びビーム形状を
制御して一連の描画処理が行われる。
【0112】ここで、CADシステムによりパターン作
成される設計データは、図31(a)に示すようにLS
Iチップの全体領域1は幾つかのブロック領域(2,
3,5,6,9)と幾つかの図形パターン1A〜1Dに
より構成されている。その参照ブロック領域2は、図3
1(b)に示すようにブロック領域4の繰り返しにより
構成されている。更に参照ブロック3は、図31(c)
に示すようにブロック領域7,8及び図形パターン3A
で構成されている。このように設計データは、複数のブ
ロック領域と図形パターンの組み合わせによりLSIチ
ップ全体が表現されるデータ体系となっている。なお、
ブロック領域5,6,9については特に図示しないが、
それぞれブロック領域の参照はなく図形パターンのみに
より構成されるブロック領域として以下説明する。
【0113】個々のブロック領域を表現する設計データ
は、図32に示すようにブロックの参照情報群と図形パ
ターンを定義した図形データ群により構成されている。
なお、図32に示した設計データは図31(a)に示し
たLSIチップ全体のブロック領域1に係わるものであ
り、それぞれのブロック領域に包含されている図形パタ
ーンは、多角形パターンとしてデータ定義されており、
更にそれらの図形は互いにパターン相互の重なりが許容
されている体系となっている。また、ブロック領域相互
の重なりについても特に制限を有するものではない。
【0114】このような形式のLSIパターンの設計デ
ータを電子ビーム描画装置で受容可能な描画データとす
るために、前記ホスト計算機で上記ブロック領域間での
パターンの重なりを除去するための前処理を行う(例え
ば、特願昭62-32719号)。更に、LSIチップ1のブロ
ック参照をチップ領域全体を表現するブロック1に集結
して、ブロック領域1以外にはブロックの参照がなく図
形パターンのみで構成されるデータ体系となるように設
計データの再編成処理を行い(つまり、ブロックの参照
関係を1レベルに制限するための展開処理を行う)、図
33に示すようなブロックの参照関係となるようなデー
タ体系とする。そして、それぞれのブロック領域に包含
されている図形パターン群に対して、スリット法やタッ
チング法に代表される手法を用いて図形相互の重なり除
去処理を行って、描画図形の多重露光領域を解消するた
めの図形処理を施す。
【0115】次に、図34に示すようにLSIチップの
全体領域1をビームの主偏向幅により決定される暫定的
なフレーム領域(51〜53)に領域分割する。図34
においてテーブル連続移動方向は紙面左右方向であり、
テーブルステップ移動方向は紙面上下方向である。
【0116】そして、図33に示す最上位ブロック1が
参照しているブロック領域3〜9の中でLSIチップ領
域全体で2回以上参照されていて、且つ図34に示すフ
レーム領域51〜53の2フレーム以上から参照されて
いるブロック領域(3,4,7,8)をコモンブロック
と判定する。更に、該ブロックに包含されている図形パ
ターンを所定のサブフィールド領域毎の図形パターン集
合となるように、図形の領域分割及び基本図形群(矩
形、台形及び三角形)への図形分割を行う。そして、図
35に示すような図形パターン体系として、該図形パタ
ーンに対する位置及び図形形状を定義した図形データの
集合で表現される図36に示すようなコモンブロック図
形データを生成する。
【0117】一方、上記コモンブロック以外のブロック
であるローカルブロック(最上位ブロック1及び5,
6,9)については、上記フレーム領域51〜53に跨
がるか否かを判定し、跨がるブロック1及び9を図37
に示すようにフレーム境界で領域分割したサブブロック
91〜93,101〜103とする。そして、このよう
なブロック及びサブブロックの集合であるローカルブロ
ックについても上記コモンブロックと同様、それぞれの
ローカルブロック及びサブブロックに包含されている図
形パターンを所定のサブフイールドに領域分割し、更に
そこで得た図形パターンを基本図形群に図形分割した図
形データの集合として表現されるローカルブロック図形
データを生成する。
【0118】次に、それぞれのフレーム領域毎の描画デ
ータを生成する処理に際しては、上記フレーム領域51
〜53に包含されるコモンブロック領域とローカルブロ
ック領域及び上記サブブロック領域の描画位置をフレー
ム基準位置からの相対位置で定義した位置データと、該
ブロック領域内の描画図形を定義した前記コモンブロッ
ク図形データ及びローカルブロック図形データへの指標
データと、該ブロック領域の繰り返し情報を1単位とす
るセル配置データ群とを生成する。
【0119】ここで、生成するセル配置データの格納順
序はテーブルのFWD移動方向(紙面左から右方向)に
沿った順序で格納されており、ブロック毎の描画順序に
対応したものとなっている。また、テーブルのBWD移
動時(紙面右から左方向)の対応として上記セル配置デ
ータのそれぞれにBWD画面時のブロック描画順序に沿
ってチュインデータが付与された体系となっており、こ
のような処理工程より生成したセル配置データは図38
(a)に示すようなセルの配置体系となっており、その
セル配置データはフレーム領域52について同図(b)
に示すようなデータ体系となっている。
【0120】このようにして得たセル配置データとロー
カルブロック図形データの集合により1つのフレームデ
ータを構成する。更に、このような体系のフレームデー
タの集合と前記コモンブロック図形データを集めて、図
39に示すようなLSIチップ全体を表現する描画デー
タを構成して磁気ディスク41に格納する。なお、上記
の描画データには、各フレーム毎にセル配置データ,サ
ブブロックの図形データと共に、描画データの種別を示
す描画データ属性コードが与えられている。
【0121】次に、上述のようなデータ変換処理により
得た描画データを基にして描画処理する際の処理工程に
ついて説明する。図40に示すように、試料に配置され
たLSIチップ群A〜Eから、テーブルのステップ移動
方向の位置が等しいLSIチップ群のみを抽出して描画
カラム領域60a〜60eとする。該描画カラム領域単
位に描画処理を行っていくに際して、1つの描画カラム
領域に包含されるLSIチップの全コモンブロック図形
データを前記パターンメモリ42に格納し、上記描画カ
ラム領域の描画処理の間常駐させるものとする。
【0122】そして、描画カラム領域に包含されるLS
Iチップを構成しているフレーム領域から、テーブルス
テップ移動方向の等しいフレーム領域のみを選択的に抽
出して、図41に示すような1回のテーブル連続移動に
より描画する単位領域である描画ストライプ領域60c
を設定する。そして、該描画ストライプ領域に包含され
る上記フレームデータ(セル配置データとローカルブロ
ック図形データ及びサブブロック図形データで構成)を
上記パターンメモリ部42に追加格納する。
【0123】従って、上記パターンメモリ42には図4
2に示すような体系の描画データが格納されており、描
画データデコーダ44では該描画データをパターンメモ
リ部42より読み出して解読し、図41に示すような描
画ストライプ領域の各フレーム領域の中に定義されてい
るブロック領域を構成しているブロック領域をテーブル
の連続移動方向に沿ってソーティング(FWDの場合は
セル配置データの格納順序そのままでBWDの場合のみ
セル配置データに付与されたチェインデータを基に並べ
変える)して保持する。更に、該ソーティングされたブ
ロック領域からサブフィールド領域毎にテーブル移動方
向に応じて選択される描画すべきサブフィールドの描画
データを解読して、該サブフィールド領域の基準位置が
前記フレーム領域に包含されているか否かを判定し、包
含されている場合のみ上記サブフィールド配置データを
主偏向器33により電子ビームを所定のサブフィールド
位置に偏向走査するように制御信号を送出する。なお、
図43(a)はサブフィールド単位のFWD描画時の描
画順序、図43(b)はBWD描画時の描画順序を示し
ている。
【0124】これと共に、上記サブフィールド領域に描
画すべき図形データ群をパターンデータデコーダ43に
入力し、その図形データを2枚の成形アパーチャ35,
36の組み合わせにより形成可能な単位描画図形群に図
形分割して、そこから出力されるビーム制御信号により
サブフィールド領域でのビーム位置とビーム形状を制御
して該領域に所望パターンを描画処理する。図44は、
上記描画ストライプ領域の描画処理において実際に描画
されるサブフィールド領域と描画されないサブフィール
ド領域を示している。
【0125】なお、上記サブフィールド領域の描画位置
は前述のようにフレーム基準位置からの相対位置で示さ
れており、該フレームで描画するか否かはサブフィール
ド基準位置(ここではサブフィールド領域の左下座標
点)のテーブルステップ移動方向(紙面上下方向)の座
標値が0以上で、フレーム幅よりも小さい場合に描画す
べきサブィールド領域であると判定する。更に、上記パ
ターンデータデコーダ43ではブロック領域のサイズが
所定のサブフィールドサイズより小さく且つ繰り返し構
造となっている場合、1回の主偏向手段により位置決め
して描画し得るブロック領域数をデコードして描画処理
するように制御している。
【0126】このような描画ストライプ領域に対する描
画処理を繰り返すことにより前記描画カラム領域の描画
処理を行い、更に次の描画カラム領域の描画処理に際し
てパターンメモリ部に格納されているコモンブロック図
形データの入れ替えを行い、上記一連の描画処理を繰り
返すことにより試料全体に所望パターンを描画処理する
ことができる。
【0127】次に、上記描画処理の中のデータ解読手順
について説明する。図45は、描画データを解読するマ
イクロプログラムの構造を示している。このマイクロプ
ログラムは、前記図39に示したようなフレームデータ
の先頭部に定義される描画データ属性コードを解読し
て、その描画データに最も適したデータ解読処理を選択
的に処理するデータ属性解読部71と、描画データに応
じて最適化された幾つかのデータ解読処理部72とから
構成される。データ解読処理部72には、図46及び図
47に示す描画データ体系に応じてそれぞれ異なったデ
ータ解読手順が記述されている。
【0128】図46(a)に示す描画データは、フレー
ム領域内にセルデータが1つだけ定義される最も簡単な
データ構造である。この描画データに対するデータ解読
手順としては、上記セル領域の図形データ部として定義
されるサブフィールド領域毎の図形データを順番に読出
して、該図形データを単位描画図形群へ分割処理する処
理手順が記述される。
【0129】図46(b)に示す描画データは、フレー
ム領域内にアレイ構造(繰返し構造を有する)セルが定
義されたデータ構造である。このデータに対するデータ
解読処理部では、アレイ表現されたセルデータをアレイ
展開しながら、描画の単位領域であるサブフィールド領
域内に上記セルを最大幾つ包含させることが可能かを算
出して、サブフィールド毎に上記最大配置数分のセルに
包含される図形データを基に描画単位図形群を生成する
処理手順が記述される。
【0130】図46(c)に示す描画データでは、フレ
ーム領域にセルAとセルBが定義されているため、双方
のセルに跨がってテーブル連続移動方向に沿ったサブフ
ィールド領域の描画情報を順番に生成する必要がある。
従って、このデータに対するデータ解読処理部では、上
記セルAとセルBのセルデータを入力して双方のサブフ
ィールド描画情報を順番に解読し、テーブル連続移動方
向に沿ってサブフィールド描画位置座標Xが小さい領域
の描画情報を順次送出するべく処理手順が記述される。
【0131】また、図47に示す描画データは、フレー
ム領域と共に別のフレーム領域でも参照されるコモンセ
ルを含むデータ構造となっている。このデータに対する
データ解読処理部では、図46(c)のデータ構造に対
するデータ解読手順と同様にセルAとセルBのサブフィ
ールド領域をテーブル連続移動方向に沿って順番に描画
情報を出力すると共に、セルAとセルBのサブフィール
ドの描画位置Y(左下座標)がフレーム領域内に存在し
ない場合に、このフレーム領域で描画しないための描画
オンオフ制御処理を行う処理手順が記述される。
【0132】かくして本参考例方法によれば、アレイセ
ルの有無やコモンセルの有無及びサブフィールドソート
の要否の組み合わせで決定されるデータ属性に応じて、
最適化されたデータ解読処理部を選択的に実行処理する
ことで、描画データの解読処理を高速化することができ
る。つまり、描画データの解読時間をそのデータ構造に
応じて最適化した解読手順により高速化することが可能
となり、描画速度の大幅な向上をはかることができる。
従って、一連の描画工程でのスループットの向上をはか
ることができ、これにより電子ビーム描画装置の性能を
最大限に引き出すことができる。
【0133】なお、前記描画データを格納する手段とし
ては磁気ディスクに限るものではなく、磁気テープや半
導体メモリなどその他の記憶媒体を用いることができ
る。さらに、電子ビーム描画装置の構成は図1に何等限
定されるものではなく、仕様に応じて適宣変更可能であ
る。また、参考例では電子ビームを例にとり説明した
が、電子ビームに限定されることなくイオンビームやレ
ーザービームを用いた描画装置に対して適用可能であ
り、可変成形ビームを用いたショット方式の他、惰円形
ビームを用いたベクタ若しくはラスタ方式の装置につい
ても適用可能である。
【0134】また、記憶媒体に格納される描画データの
図形体系は、矩形や台形等の基本図形でなく描画単位図
形や多角形図形でもよく、図形相互の重畳についてもパ
ターンデータデコーダ部に図形の重なり除去や白黒反転
を行う図形演算手段を追加することにより対応可能とな
り、このような体系のデータについても適用可能であ
る。さらに、データ属性は参考例で記述した構造の他に
種々のデータ構造が想定できる。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができ
る。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ア
パーチャ形状の及びその組み合わせの最適化により、繰
り返しパターン多数含むLSIの描画速度を向上させる
ことができ、製造コストの低減等に寄与することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の参考例に係わる電子ビーム描画
装置を示す概略構成図、
【図2】アパーチャマスクに形成したビーム通過孔の配
置例を示す平面図、
【図3】ビーム通過孔の電子光学的重なりを示す模式
図、
【図4】描画データの生成工程を示す模式図、
【図5】設計データのデータ構造を示す模式図、
【図6】設計データの階層展開を示す模式図、
【図7】ブロック内図形の領域分割を示す模式図、
【図8】チップ内のブロック構造を示す模式図、
【図9】チップ領域のフレーム分割体系を示す模式図、
【図10】CPセル描画用のビーム通過孔の形状を示す
平面図、
【図11】CPセルの描画手順を示す模式図、
【図12】チップ内の単位領域を示す模式図、
【図13】チップ内単位領域のパターン密度較差を示す
模式図、
【図14】チップ内の仮想フレーム領域を示す模式図、
【図15】パターン密度を考慮して生成した第1フレー
ムのデータ体系を示す模式図、
【図16】パターン密度較差により残された領域を示す
模式図、
【図17】パターン密度を考慮して生成した第2フレー
ムのデータ体系を示す模式図、
【図18】描画処理効率化を考慮して生成した第3フレ
ームのデータ体系を示す模式図、
【図19】本発明の一実施例で描画するLSIパターン
の一部を示す平面図、
【図20】同実施例に用いたセルAの図形群及びショッ
ト数を示す模式図、
【図21】同実施例に係わる電子ビーム描画装置の光学
系構成を示す概略図、
【図22】同実施例に用いた第1のアパーチャマスクの
アパーチャ配置例を示す平面図、
【図23】同実施例における第1のアパーチャマスクに
形成したアパーチャを拡大して示す平面図、
【図24】同実施例に用いた第2のアパーチャマスクの
アパーチャ形状を示す平面図、
【図25】描画パターンの一例を示す模式図、
【図26】第1のビーム成形用アパーチャマスクのアパ
ーチャ形状を示す模式図、
【図27】第2のビーム成形用アパーチャマスクのアパ
ーチャ形状を示す模式図、
【図28】2つのアパーチャマスクの重なりによるビー
ム形状を示す模式図、
【図29】第2のビーム成形用アパーチャマスク上のビ
ーム照射位置を示す模式図、
【図30】描画データ中の描画図形データのデータ構造
を示す模式図。
【図31】設計パターンデータのデータ構造を示す模式
図、
【図32】ブロックのデータ体系を示す模式図、
【図33】チップ内のブロック構造を示す模式図、
【図34】フレーム領域への分割を示す模式図、
【図35】基本図形の分割体系を示す模式図、
【図36】コモンブロック図形データのデータ構造を示
す模式図、
【図37】ローカルブロックの分割体系を示す模式図、
【図38】フレームのブロック配置を示す模式図、
【図39】LSIチップ全体のデータ構造を示す模式
図、
【図40】描画する際の描画カラム領域を示す模式図、
【図41】描画する際の描画ストライプ領域を示す模式
図、
【図42】パターンメモリ内のデータ構造を示す模式
図、
【図43】描画処理工程を説明するための模式図、
【図44】描画処理工程を説明するための模式図、
【図45】データ解読手順を記述したマイクロプログラ
ムの構造を示す模式図、
【図46】データ構造とデータ解読手順を説明するため
の模式図、
【図47】データ構造とデータ解読手順を説明するため
の模式図。
【符号の説明】
10…試料室、11…試料、12…テーブル、13…テ
ーブル駆動回路、14…位置回路、20…電子光学系、
21…電子銃、22〜26…各種レンズ、31…ブラン
キング用偏向器31、32…ビーム寸法可変用偏向器、
33…ビーム走査用の主偏向器、34…ビーム走査用の
副偏向器、35…第1のビーム成形用アパーチャマス
ク、36…第2のビーム成形用アパーチャマスク、40
…制御計算機、41…磁気ディスク(記憶媒体)、42
…パターンメモリ、43…パターンデータデコーダ、4
4…描画データデコーダ、45…ブランキング回路、4
6…ビーム成形器ドライバ、47…主偏向器ドライバ、
48…副偏向器ドライバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−246318(JP,A) 特開 昭59−169131(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のアパーチャが形成されたビーム成形
    用アパーチャマスクを用い、描画すべきパターンに繰り
    返し現われる単位パターン又は単位パターン群と同一形
    状の成形ビームをショットして組み合わせることによ
    り、試料面上に所望パターンを描画する荷電ビーム描画
    方法において、 前記ビーム成形用アパーチャマスクにアパーチャを形成
    するに際し、矩形及び三角形の少なくとも一方からなる
    基本図形の成形ビームを得るための基本図形用アパーチ
    ャに加えて、描画すべきパターンに繰り返し現われ、且
    つ線幅が一定値以下である単位パターン又は単位パター
    ン群の中から、前記基本図形の成形ビームの組み合わせ
    でショットしたと仮定した場合に最も多くのショット数
    を要する単位パターン又は単位パターン群を優先的に選
    んで、繰り返しパターン用アパーチャを形成することを
    特徴とする荷電ビーム描画方法。
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