JP2005070245A - 光学材料の接着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明では、光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチック表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、光酸化によって無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、かつ、接合強度も強い光学材料を提供することを目的とする。
【解決手段】光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチックや無機光学材料表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学的に結合させ、同時に、酸化剤雰囲気で紫外線照射及び赤外線加熱による光酸化反応によって、有機材料であるシリコーンオイルを無機材料であるSiO2に変える。
【選択図】 なし
【解決手段】光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチックや無機光学材料表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学的に結合させ、同時に、酸化剤雰囲気で紫外線照射及び赤外線加熱による光酸化反応によって、有機材料であるシリコーンオイルを無機材料であるSiO2に変える。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光学材料の接着方法に関する。
光学部品の接着法としては接着剤としてバルサム、エポキシ樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、紫外線硬化樹脂あるいは熱融着などがある。しかしこれらの接着剤は全て可視光用であり、250nm以下の紫外線域では使えない。一方熱融着では光学材料に熱歪が残り光導波路としては使えない。このため光学部品同士を接合するにはエアーコンタクトさせる以外に方法は無い。
光学材料の接着に関しては、2枚のレンズを接合する方法について、特許文献1『光学素子の製造方法』には、ガラスレンズにテトライソシアネート化合物あるいはクロロシラン化合物を滴下した後、これを高速回転し、該溶液を均一に拡散させ、均一拡散された該溶液の上方から赤外ヒーター加熱を行い、加水分解による3次元架橋構造のSiO2膜を形成させた後、常温まで徐冷する。その後、該SiO2膜の上にアクリレート系紫外線硬化型透明樹脂接着剤を塗布した後、その上に別のガラスレンズを押し付け、そのガラスレンズの上方から紫外線を照射して樹脂を硬化させてレンズ複合体を形成している。この方法でのSiO2膜形成は、赤外線による過熱による加水分解のみによっている。この方法は一方の光学材料表面にテトライソシアネート化合物あるいはクロロシラン化合物を塗布後、熱の加水分解によって完全にガラス化した平坦面を作り、この面に紫外線硬化樹脂を塗布し、他方の光学材料面を接合する事が開示されている。しかし、これはあくまでも第1の光学系を整形する手段であって第2のレンズとの接合ではない。両者のレンズの接合にはアクリレート系紫外線硬化型透明樹脂接着剤を用い、350〜380nmの紫外線によって光励起して硬化させるが、硬化後の接着層では250nm 以下の透過は殆ど無く、250nm以下の波長域では使用不可能である。
フッ素樹脂の紫外線を用いた接着については、本願発明者らによる特許文献2の請求項1に『フッ素樹脂材料を同種または異種の材料と接着剤を介して接合させるのに先立ち、フッ素原子との結合エネルギーが128kcal/mol以上の原子と、親水基、親油基あるいは該接着剤固有の官能基とを有する化合物を含む溶液に該フッ素樹脂材料を接触させ、その状態で該フッ素樹脂材料と該溶液との界面に光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射し、これにより該フッ素樹脂材料から脱フッ素すると同時に該接着剤と親和性を有する官能基で置換する表面改質処理を行なうことを特徴とするフッ素樹脂の接着方法』と、特許文献3の請求項1に『フッ素樹脂表面に、無機珪素化合物の存在下において、紫外レーザー光を用いる表面改質法』が開示されている。
さらに固体材料とフッ素樹脂の接着について、本願発明者らにより特許文献4の請求項23『被処理固体材料上面に液体化合物または官能基に水素原子を有する接着剤の薄液層を介して、フッ素樹脂板を加圧接着させ、該フッ素樹脂板を通して光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射して被処理固体材料とフッ素樹脂板とを直接接着する』、請求項24『フッ素樹脂材料上面に液体化合物または官能基に水素原子を有する接着剤の薄液層を介して、透明窓材を加圧接着させ、該透明窓材を通して光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射して被処理固体材料とフッ素樹脂板とを直接接着する』と開示されており、請求項4の液体化合物の中にはシリコーンオイルが開示されている。
シリコーンオイルの紫外線による酸素雰囲気でのSiO2形成については、本願発明者らによる非特許文献1に『ジメチルシロキサンシリコーンモノマー(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を塗布したガラス基板上に、酸素雰囲気でArFエキシマレーザー光を照射してシロキサン結合からメチル基を光解離させ、かつ、酸素の光励起によって生成した基底状態の酸素原子 O(3P)がSiのダングリンボンドと結合して厚さ2μmの透明SiO2硬質膜を形成させたと』と開示されている。
大口径望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙空間で使用するミラーには材料の軽量化のためにハニカム構造ミラーが使われる。ところがこれら鏡と蜂の巣構造物との接合に接着剤を用いると硬化歪が発生する事とミラーを真空蒸着したときに接着剤からガスが発生し、蒸着の妨げになる。このガス発生を無くすために現在では熱融着が行なわれているが、この熱融着には材料の融点に近い温度加熱が必要である。しかし、この高温のためミラー表面に熱歪が残り,真空蒸着後の波面にゆがみが発生し、観測結果やレーザー波面に狂いが生ずる事が問題になっている。
特願平2-410824 (特開平4-219349)
特願平5-238350
特願平4-327822
特願平5-238349
特願2002-350311
特願2001-14687
特願2002-119578
村原正隆 著 塑性と加工(日本塑性加工学会誌)第27巻第307号、934〜942 (1986)
紫外線域で透過可能な光学材料としては、石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、フッ素樹脂、プラスチック、シリコーンゴム、サファイヤー、結晶、非線形結晶、固体レーザーロッドなどが有るが、これらの接合に接着剤を用いると250nm以下の波長域では使えない。また、熱融着を用いても、材料面に熱歪が残り,これが原因となって波面にゆがみが発生する。このため異種の材料との接合ではエアーコンタクトが良く使われているが、材料によってはエアーコンタクトが難しかったり、接合強度が弱いなど、様々な欠点を有していた。
従って、本願発明では、光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチック表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、光酸化によって無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、かつ、接合強度も強い光学材料を提供することを目的とする。
本発明では、フッ素樹脂フィルム表面と光透過性材料表面との間に接合後は紫外域で透明に成り得るような接着剤で接合する事が出来る。さらに、ここで用いるフッ素樹脂は比較的紫外域で透過性があるFEPやPFAあるいはサイトップ(旭化成製)の薄いシートを用いる。フッ素樹脂の紫外線を用いた接着については、本願発明者らによる特許文献2の請求項1に『フッ素樹脂材料を同種または異種の材料と接着剤を介して接合させるのに先立ち、フッ素原子との結合エネルギーが128kcal/mol以上の原子と、親水基、親油基あるいは該接着剤固有の官能基とを有する化合物を含む溶液に該フッ素樹脂材料を接触させ、その状態で該フッ素樹脂材料と該溶液との界面に光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射し、これにより該フッ素樹脂材料から脱フッ素すると同時に該接着剤と親和性を有する官能基で置換する表面改質処理を行なうことを特徴とするフッ素樹脂の接着方法』を用いる。
さらに固体材料とフッ素樹脂の接着について、本願発明者らにより特許文献4の請求項23『被処理固体材料上面に液体化合物または官能基に水素原子を有する接着剤の薄液層を介して、フッ素樹脂板を加圧接着させ、該フッ素樹脂板を通して光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射して被処理固体材料とフッ素樹脂板とを直接接着する』、請求項24『フッ素樹脂材料上面に液体化合物または官能基に水素原子を有する接着剤の薄液層を介して、透明窓材を加圧接着させ、該透明窓材を通して光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射して被処理固体材料とフッ素樹脂板とを直接接着する』と開示されており、請求項4の液体化合物の中にはシリコーンオイルが開示されている。しかし、上記発明では、たとえフッ素樹脂板と透明窓材の間にシリコーンオイルを介して紫外線を照射しても、シリコーンオイル中のメチル基が存在するため、接着完了後250nm以下の紫外線を透過することは出来なかった。さらに光子エネルギー密度を高くしたり、または照射パルス数を多くすると、シリコーンオイル中のメチル基の炭素原子が遊離して、黒化して光の透過率を低減させた。そこで本願発明では、シリコーンオイルに酸化剤を介在させ、かつ、これらを160℃以上過熱することによって、紫外線による酸化反応を促進させることによって、ジメチルシロキサンあるいはメチルフェニルシロキサンを完全にSiO2に変化させ、250nm 以下の紫外線を透過可能にしている。しかも、シリコーンオイルが塗布されるフッ素樹脂表面および石英ガラス表面には、シリコーンオイルとの付着力を向上させるために、本願発明者らによる特許文献5『固体材料表面のプラズマ処理などによる活性化』によるプラズマ処理を施し、両光学材料のシリコーンオイルとの接着力を強くしている。
シリコーンオイルの紫外線による酸素雰囲気でのSiO2形成については、本願発明者らによる非特許文献1に『ジメチルシロキサンシリコーンモノマー(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を塗布したガラス基板上に、酸素雰囲気でArFエキシマレーザー光を照射してシロキサン結合からメチル基を光解離させ、かつ、酸素の光励起によって生成した基底状態の酸素原子 O(3P)がSiのダングリンボンドと結合して厚さ2μmの透明SiO2硬質膜を形成させたと』と開示されている。
一般にシリコーンオイルを物質表面に塗布すると、離型性が発現され、他の物質が粘着するのを妨げると同時に熱酸化に対する安定性も非常に優れていると言われている。しかし、これらシリコーンオイルの特徴を紫外線照射によって打ち破り、これを接着剤として用いようとしたのが本発明である。
本発明は以下の3つのメカニズムによって成り立っている。有機シリコーンオイルが紫外線照射によってフッ素樹脂表面と接合する事。有機シリコーンオイルが紫外線照射によって石英と接合する事。有機シリコーンオイルが紫外線照射によって酸化され無機ガラスSiO2に変化する事。
すなわち、シリコーンオイルが紫外線照射によってフッ素樹脂表面と接合する事は、シリコーンオイル(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を構成しているSiやHなどの原子が、特許文献2の請求項1に記載されている「フッ素原子との結合エネルギーが128kcal以上の原子を含む溶液に該フッ素樹脂材料を接触させ、その状態で該フッ素樹脂材料と該溶液との界面に光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射すること」に抵触する。しかし、シリコーンオイルの結合エネルギーはSi-O:190.9kcal/mol、Si-C:104kcal/mol、C-H:80.6kcal/molである。一方Si-Fの結合エネルギーは128kcal/mol、H-Fの値は135.9kcal/molである。すなわちH-F > Si-Fであるため、Siによる脱フッ素反応は起こり難い。たとえ起こったとしても、F原子が抜けたフッ素樹脂側にシリコーンオイルから光解離されたH原子もしくは-CH3が置換され、肝心のシリコーンオイルの骨格はフッ素樹脂には結合しない。他方シリコーンオイルは、構造式にSi原子を含むが、有機化合物であるため、特許文献3の請求項1に記載されている「無機珪素化合物」には抵触しない。従って光励起されたシリコーンオイルによる脱フッ素原子は水素である。そしてこの反応によって生成する物質はHFあるいはCH3F、CH2F2、CHF3、CF4などであり、フッ素原子が抜けたフッ素樹脂にはシリコーンオイルの骨格として-SiOまたは CH2SiOが置換される。
有機シリコーンオイルが紫外線照射によって石英と接合すること、および、有機シリコーンオイル自身が酸化剤存在下で紫外線照射によって無機ガラスであるシロキサン結合を有する石英に変わる事などは、本願発明者らによる非特許文献1に記載された『ジメチルシロキサンシリコーンモノマー(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を塗布したガラス基板上に、酸素雰囲気でArFエキシマレーザー光を照射してシロキサン結合からメチル基を光解離させ、かつ、酸素の光励起によって生成した基底状態の酸素原子 O(3P)がSiのダングリンボンドと結合して厚さ2μmの透明SiO2硬質膜を形成させた』と報告している。
従って本願発明は、本願発明者らによる特許文献2、4と非特許文献1を利用して、従来異種の材料とのエアーコンタクトはできなかったフッ素樹脂フィルムと紫外線透過性材料としての石英ガラスを接合し、紫外線透過可能な耐フッ酸性や耐薬品性を有する窓材を作る。
さらに、大口径望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙で使用するミラーでは材料の軽量化のためにハニカム構造が使われる。ところがこれら鏡と蜂の巣構造物との接合に接着剤を用いると硬化歪が発生する事とミラーを真空蒸着したときに接着剤からガスが発生し、蒸着の妨げになる。このガス発生を無くすために熱融着が行なわれるが、この熱融着には融点に近い高温加熱を必要とする。しかし、この高温のためミラー表面に熱歪が残り,真空蒸着後の波面にゆがみが発生し、観測結果やレーザー波面に狂いが生ずる。クリアセラム、ゼロジュワ、ULE(Ultra Low Expansion)などの結晶化ガラスに至っては熱融着ができない。パイレックス(登録商標)やテンパックスなどの低膨張ガラスあるいはセラミックなどに至っても同様に熱融着ができない。これらの問題を回避するには比較的低温過熱で処理ができ、接着後は接着剤がSiO2に変化する接着方法が提供される。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチックや無機光学材料表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、効果的な光酸化によって、有機材料であるシリコーンオイルを無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、かつ、接合強度も強い光学材料を形成させることにより、所期の目的を達成できることを見いだした。その際、本願発明者らによる上記特許文献2,4,5および非特許文献1に開示された方法を利用する。
すなわち、紫外線域で透過可能な光学材料としては、石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、フッ素樹脂、プラスチック、シリコーンゴム、サファイヤー、結晶、非線形結晶、固体レーザーロッドなどが有るが、これらの接合に接着剤を用いると250nm以下の波長域では使えない。また、熱融着を用いても、材料面に熱歪が残り、これが原因となって波面にゆがみが発生する。このため異種の材料との接合ではエアーコンタクトが良く使われているが、材料によってはエアーコンタクトが難しかったり、接合強度が弱いなど、多くの欠点を有していた。
本願発明では、石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、セラミック、光学ガラス、フッ素樹脂、プラスチック、シリコーンゴム、サファイヤー、結晶、非線形結晶、固体レーザーロッドなどの同種または異種同士の組み合わせから成る平面、球面あるいは非球面の形状を呈する夫々の被接合材料表面に、本願発明者らによって特許文献4で開示されている方法でプラズマ処理を施し、被接合材料表面でのシリコーンオイルとの親和性を向上させている。そして、被接合材料の各表面にシリコーンオイルを塗布し、その面にドライヤーで空気や酸素の熱風を送ったり、オゾンや水蒸気雰囲気で赤外ランプ加熱を行なう。またはシリコーンオイルに酸化剤として過酸化水素あるいは水などを微量混合した溶液で両被接合材料表面で挟み、両方の被接合材料を重ねあわせ、それらの境界面にArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、XeClレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、Xeエキシマランプ光、KrClエキシマランプ光、XeClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電などによって得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線を照射することにより光学材料同士を接着させる。
光学材料がフッ素樹脂と石英ガラスの接合の場合には両方の被接合材料表面に有機シリコーンオイルと酸化剤を介在させ、これらを過熱した後、両方の被接合材料を重ねあわせ、フッ素樹脂側からエキシマレーザー光やエキシマランプ光などの紫外線を入射して、夫々の光学材料の末端基とシリコーンオイルの末端基との間を化学的に結合させると同時に、未反応の有機シリコーンオイルを紫外線で光酸化して、無機材料SiO2に変え強接着させる。
光学材料が共に石英ガラスである場合の接合は、シリコンウエハ搬送用石英ガラス容器や紫外線測定用溶液セルあるいはハニカム構造の軽量化ミラーなどの接合には有機シリコーンオイルに酸化剤として過酸化水素あるいは水などを微量混合した溶液を接着剤として用い、一方の石英側からエキシマレーザーあるいはエキシマランプ光を入射し、両光学材料の末端基とシリコーンオイルの末端基との間を化学的に結合させると同時に、未反応の有機シリコーンオイルを紫外線で光酸化して、無機材料SiO2に変え強接着させる。
光学材料がハニカム構造ミラーの接合の場合には、一方の光学材料の形状が平面板あるいは曲面板であり、他方が同種材料より成る蜂の巣状に加工した構造物であり、交互に雄型・雌型の間隙に、有機シリコーンオイルに酸化剤として過酸化水素あるいは水などを微量混合した溶液を接着剤として用い、一方の石英ミラー側からエキシマレーザーあるいはエキシマランプ光を入射し、ミラー側と蜂の巣状に加工した構造物側の末端基とシリコーンオイルの末端基との間を化学的に結合させると同時に、未反応の有機シリコーンオイルを紫外線で光酸化して、無機材料SiO2に変え強接着させる。
本発明によれば、フッ素樹脂フィルムと光学材料をシリコーンオイルを接着剤として用い、光化学的に両者を接合し、紫外線透過性に優れた耐薬品性光学窓を提供する事ができる。一般にフッ素樹脂は撥水性であり低摩擦性である。このため異種の材料とのエアーコンタクトはできない。そこでフッ素樹脂フィルム表面と光透過性材料表面との間に接合後は紫外域で透明に成り得るような接着剤で接合が出来る。
フッ素樹脂フィルムと石英ガラスなどの光透過性材料表面とが接合できれば、耐フッ酸性や耐薬品性保護膜や紫外線を用いた固体材料の高精度研磨の為の研磨パッドとして使え、本願発明者らが提案している、特許文献6による紫外線の光化学反応を用いた『石英ガラスの研磨方法』および特許文献7による『シリコンウエハの研磨方法』などの高精度研磨の為の研磨パッドとして使うこともできる。
大口径天体望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙で使用するミラーでは材料の軽量化のためにハニカム構造が使われる。これら鏡と蜂の巣構造物との接合に、本発明を用いれば、比較的低温加熱で処理ができるため、熱融着による熱歪や真空蒸着後の波面にゆがみ、観測結果やレーザー波面の狂いなどが回避できる。
本願発明の特徴は、光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチック表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、光酸化によって無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、かつ、接合強度が強い光学材料を形成することである。
一般に化学薬品雰囲気下で光化学反応を行なう場合化学薬品に耐性を持つフッ素樹脂が重要な意味を持っている。このため光学材料の保護膜としてフッ素樹脂をコーティングしたいが接着性に乏しい。そこで薄いフッ素樹脂シートを光学材料に強接着させ、かつ、紫外線光の透過量の減衰を極力抑える為に、ジメチルシロキサンシリコーンオイルを採用する。このオイル(SiO(CH3)2)n)は構造式の側鎖にメチル基(-CH3)を持っている。このオイルに紫外線を照射すると炭素(C)が遊離して黒化する。この黒化によって光の透過が阻害される。この黒化を防止する為には反応系に酸素を導入しなければならない。
ジメチルシロキサンシリコーンオイルをフッ素樹脂フィルム表面と合成石英ガラス表面との間に挟み、ArFレーザーを照射すると、次第に接合部のジメチルシロキサンシリコーンオイルが黒化し、ArFレーザー光の透過光量が激減する。これでは紫外線透過材料として実用に成らない。この黒化の原因は ジメチルシロキサンシリコーオイル(SiO(CH3)2)n)がフッ素樹脂フィルムと合成石英ガラスに挟まれ、これによって酸素が遮断されている為、ArFレーザーによる光分解によって炭素(C)が遊離する為である。
そこで本発明では、予め両被接合材料表面に微量の酸素雰囲気でプラズマ処理を施しておき、それらの表面のいずれか一方にシリコーンオイルと過酸化水素や水などの酸化剤を介在させ、160℃内外の温度で加熱し、あるいはドライヤーなどで適量の高温酸素を導入した後、両者の被接合面同士を重ね合わせ、加圧しながらその接合面にArFレーザー、KrFレーザー、Xe2エキシマランプ、KrClエキシマランプなどの紫外線を照射することを特徴とする。
フッ素樹脂との界面では紫外線によって励起されたシリコーンオイルの側鎖の水素(H)あるいはメチル基(-CH3)が共に励起されているフッ素樹脂の((-CF2)nあるいは (-C(CF3)2)n)を脱フッ素し、HF あるいはCFnH4-nを形成し、シリコーンオイルの未結合手とフッ素樹脂の炭素(C)が結合する。予めフッ素樹脂の表面に酸素プラズマ処理を施しておくとシリコーンオイルとの密着性が向上するのみならず、シリコーンオイル中に酸素が入り込む事によりフッ素樹脂とのC-O-Si結合の生成や炭素(C)の遊離を抑制する事ができる。
この酸素プラズマ処理は石英ガラス表面に於いても同様な効果が現れ、シリコーンオイルとの密着性を向上させるのみならず光反応による炭素(C)の遊離を抑制する。本発明で用いるシリコーンオイルは無色透明でメチル基を有するジメチルシリコーンオイルやフェニル基を有するメチルフェニルシリコーンオイルが適している。粘度は10〜1000000が有るが、試料表面に一様にオイルを塗布するには粘性が10〜1000ぐらいの低粘度オイルをスピナーで塗布する。粘度がこれ以上に成るとベンゼン、キシレン、トルエン、リグロイン、塩化メチレン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどで、またメチルフェニルシリコーンオイルはアルコールで希釈すれば、スピナーで薄い層を形成することができる。そこにドライヤーで熱風空気を照射し、酸素が入り込んだ面に他方の試料表面を圧着し、その面に、ArFエキシマレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、Xeエキシマランプ光、KrClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電により得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線を入射する。また酸化剤として微量の過酸化水素水を含むメチルフェニルシリコーンオイルを用いれば、フェニル基特有の吸収帯が250nm近傍にあるため、励起光としてKrFエキシマレーザーやKrClエキシマランプ光あるいはXeClエキシマランプ光などが使える。これらシリコーンオイル中の酸素は紫外線によって励起されると、一部は炭素の引き抜き原子として使われ、その生成物はCO2ガスとなって反応系外に拡散される。他の残りの活性を帯びた酸素原子はメチル基が抜けた後に置換されSiO2を形成し逐次反応によって石英化する。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布し、その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側からXe2エキシマランプ光を60分照射した試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、未照射では0 kgf/cm2であった強度が、4.4kgf/cm2になった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、塗布面にドライヤーで10分間160℃の加熱空気を照射した。その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側からXe2エキシマランプ光を60分照射した試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、強度は5.4kgf/cm2になった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、塗布面に10分間大気中で160℃の赤外線ランプ加熱を行なった。その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側からXe2エキシマランプ光を60分照射した試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、強度は5.0kgf/cm2になった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-100cs)をスピナーで塗布した後、塗布面に10分間大気中で160℃の赤外線ランプ加熱を行なった。その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながら石英ガラス側からXe2エキシマランプ光を60分照射した試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、強度は3.2kgf/cm2になった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、塗布面に10分間大気中で160℃の赤外線ランプ加熱を行なった。その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながら石英ガラス側からXe2エキシマランプ光を30分、フッ素樹脂側から30分照射した試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、強度は4.6kgf/cm2になった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、塗布面にドライヤーで10分間160℃の加熱空気を照射した。この上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から20mJ/cm2のArFレーザー光を3000ショット照射した試料の引っ張りせん断強度は3kgf/cm2であった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-1000cs)をベンゼンで希釈した溶液を塗布した後、塗布面にドライヤーで10分間160℃の加熱空気を照射した。その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側からXe2エキシマランプ光を60分照射した試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、希釈無しの場合の強度は3.1kgf/cm2であったが、シリコーンオイル:ベンゼンの容量比が1:1の時4.3kgf/cm2、1:2の時4.7kgf/cm2、1:4の時5.1kgf/cm2、1:8の時5.5kgf/cm2であった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)表面に酸素プラズマ(DC2極スパッタ装置によるグロー放電プラズマ)を7.5分照射後、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した。その後、塗布面に10分間160℃の加熱空気を照射した。この上に酸素プラズマ(DC2極スパッタ装置によるグロー放電プラズマ)を5分照射した石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から20mWのXe2エキシマランプ光を1時間照射した試料の引っ張りせん断強度は5kgf/cm2の強度が得られた。
酸素プラズマ(DC2極スパッタ装置によるグロー放電プラズマ)を5分照射した石英ガラス表面にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した。その後、塗布面に10分間150℃の加熱空気を照射した。この上に酸素プラズマ(DC2極スパッタ装置によるグロー放電プラズマ)を7.5分照射したフッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)を被せ、0.5kg/cm2の加圧をしながら石英ガラス側から20mWのXe2エキシマランプ光を1時間照射した。このときの試料の引っ張りせん断強度は5.5kgf/cm2であった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、KDP結晶を被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から20mWのXe2エキシマランプ光を1時間照射した試料の引っ張りせん断強度は2.8kgf/cm2の強度が得られた。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、PMMAを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から20mWのXe2エキシマランプ光を1時間照射した試料の引っ張りせん断強度は3.5kgf/cm2の強度が得られた。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)表面に空気雰囲気で軟X線を30分照射後、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10cs)を塗布した。その後、塗布面に10分間160℃の加熱空気を照射した。この上に酸素プラズマ(DC2極スパッタ装置によるグロー放電プラズマ)を5分照射した石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から20mWのXe2エキシマランプ光を1時間照射した試料の引っ張りせん断強度は3.3kgf/cm2の強度が得られた。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)表面にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-100cs)を塗布した。その後、無声放電によるオゾンガス中に10分間放置した。この上に酸素プラズマ(DC2極スパッタ装置によるグロー放電プラズマ)を5分照射した石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から20mWのXe2エキシマランプ光を1時間照射した試料の引っ張りせん断強度は4.7kgf/cm2の強度が得られた。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)と微量の水あるいは過酸化水素水を混合し、その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらフッ素樹脂フィルム側から100mJ/cm2のArFレーザー光を4000ショット照射した試料の引っ張りせん断強度は水で7kgf/cm2、過酸化水素で9kgf/cm2に向上した。しかし両者とも気泡の発生が顕著であり、接着強度は強い物の光透過性には問題が残る。
2枚の合成石英ガラスの間にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)と微量の水あるいは過酸化水素水を混合し、その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながら20mWのXe2エキシマランプ光を1時間入射した。試料の引っ張りせん断強度は水で7.8kgf/cm2、過酸化水素で10kgf/cm2になった。
一方の合成石英ガラス形状が両面研磨された平面板であり、他方が同種材料より成る蜂の巣状に加工した構造物であり、交互に雄型・雌型を成す材料の間に、微量の水過酸化水素水を混合したシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布し、両者を0.5kg/cm2の加圧をしながら合成石英平面板側から500mJ/cm2のArFレーザー光を樹脂フィルム側から5000ショット照射した。 試料の引っ張りせん断強度は30kgf/cm2であった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)の表面側から20mWのXe2エキシマランプ光を照射しながらその裏面にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後、塗布面にドライヤーで10分間160℃の加熱空気を照射した。その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながらさらにフッ素樹脂フィルム側からXe2エキシマランプ光を60分照射し続け、試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、強度は9.4kgf/cm2になった。
フッ素樹脂フィルム(FEP 100μm 厚)の裏面にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後すぐに、表面側から20mWのXe2エキシマランプ光を照射しながら塗布面にドライヤーで10分間160℃の加熱空気を照射した。同様に石英ガラスの裏面にもシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-500cs)を塗布した後すぐに、石英ガラスの表面側から20mWのXe2エキシマランプ光を照射しながら塗布面にドライヤーで10分間160℃の加熱空気を照射した。その後、両者のシリコーンオイル側を重ねあわせ、0.5kg/cm2の加圧をしながらさらにフッ素樹脂フィルム側からXe2エキシマランプ光を60分照射し続け、試料の引っ張りせん断強度試験を行なったところ、強度は12.4kgf/cm2になった。
2枚の合成石英ガラスの間にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF56)と微量の過酸化水素水を混合し、その上に石英ガラスを被せ0.5kg/cm2の加圧をしながら一方の石英ガラス側から400mJ/cm2 のKrFエキシマレーザー光を5000ショット照射した。試料の引っ張りせん断強度は水20kgf/cm2であった。
フッ素樹脂フィルムと石英ガラスの接合によって、耐フッ酸性や耐薬品性保護膜や紫外線を用いた固体材料の高精度研磨の為の研磨パッドとして使え、EUV(Extreme Ultra Violet)露光用光学材料やシリコンウエハなどの高精度研磨に貢献する。
ミラーとハニカム構造物とを接合し軽量化する事によって、大口径天体望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙で使用するミラーの熱歪や真空蒸着後の波面のゆがみ、レーザー波面の狂いなどが皆無なミラーを供給することができる。
Claims (9)
- 光学材料同士の接合に先立ち、両被接合材料表面にプラズマ処理を施しあるいはそのままで、被接合材料の表面のいずれか一方または両方にシリコーンオイルと酸化剤を介在させ、これらを過熱またはそのままで、両方の被接合材料を重ねあわせ、それらの界面に紫外線を照射することを特徴とする光学材料同士の接着方法。
- 前記光学材料が石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、セラミック、光学ガラス、フッ素樹脂、プラスチック、シリコーンゴム、サファイヤー、結晶、非線形結晶、固体レーザーロッドなどの同種または異種同士の組み合わせから成る平面、球面あるいは非球面である事を特徴とする請求項1に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記光学材料が石英ガラスとフッ素樹脂との組み合わせから成る事を特徴とする請求項1、2に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記光学材料が共に石英ガラスである事を特徴とする請求項1,2に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記光学材料の一方の形状が平面板あるいは曲面板であり、他方が同種材料より成る蜂の巣状に加工した構造物であり、交互に雄型・雌型の状態で接合するハニカム構造ミラーである事を特徴とする請求項1,2,4に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記プラズマ処理が酸素雰囲気あるいは活性ガス雰囲気の放電プラズマ、グロー放電、スパッタリング、イオン、軟X線などである事を特徴とする請求項1に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記酸化剤が空気、酸素、オゾン、過酸化水素、水、水蒸気などである事を特徴とする請求項1に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記紫外線がArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、XeClレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、Xeエキシマランプ光、KrClエキシマランプ光、XeClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電などによって得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線である事を特徴とする請求項1に記載の光学材料同士の接着方法。
- 前記界面に紫外線を照射する時期が光学材料にシリコーンオイルを塗布する前、あるいは塗布後すぐ、または被接合材料同士を重ね合わせた後のいずれかの組み合わせである事を特徴とする請求項1に記載の光学材料同士の接着方法。
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