JP2006104046A - ガラス材料の接着方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス材料同士を、シリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、光酸化によって無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、強接着で、かつ、500℃上でも耐性を持つ光学材料を提供する。
【解決手段】ガラス材料同士の接合では加熱によって粘性を低下させたシリコーンオイルを塗布したガラス材料同士を密着させ、油圧、水圧、ガス圧などで0〜30kg/cm2の荷重をかけ、その界面に炭酸ガス雰囲気で紫外線照射を照射することによって、露光部で起こる光酸化反応によって、有機材料であるシリコーンオイルが無機材料であるSiO2に変わる過程でガラス同士が接着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス材料の接着方法および装置に関する。
光学部品の接着法としては接着剤としてバルサム、エポキシ樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、紫外線硬化樹脂あるいは熱融着などがある。しかしこれらの接着剤は全て可視光用であり、250nm以下の紫外線域では使えない。一方熱融着では光学材料に熱歪が残り光導波路としては使えない。このため光学部品同士を接合するにはエアーコンタクトさせる以外に方法は無い。
光学材料の接着に関しては、2枚のレンズを接合する方法について、特許文献1『光学素子の製造方法』には、ガラスレンズにテトライソシアネート化合物あるいはクロロシラン化合物を滴下した後、これを高速回転し、該溶液を均一に拡散させ、均一拡散された該溶液の上方から赤外ヒーター加熱を行い、加水分解による3次元架橋構造のSiO2膜を形成させた後、常温まで徐冷する。その後、該SiO2膜の上にアクリレート系紫外線硬化型透明樹脂接着剤を塗布した後、その上に別のガラスレンズを押し付け、そのガラスレンズの上方から紫外線を照射して樹脂を硬化させてレンズ複合体を形成している。この方法でのSiO2膜形成は、赤外線による過熱による加水分解のみによっている。この方法は一方の光学材料表面にテトライソシアネート化合物あるいはクロロシラン化合物を塗布後、熱の加水分解によって完全にガラス化した平坦面を作り、この面に紫外線硬化樹脂を塗布し、他方の光学材料面を接合する事が開示されている。しかし、これはあくまでも第1の光学系を整形する手段であって第2のレンズとの接合ではない。両者のレンズの接合にはアクリレート系紫外線硬化型透明樹脂接着剤を用い、350〜380nmの紫外線によって光励起して硬化させるが、硬化後の接着層では250nm 以下の透過は殆ど無く、250nm以下の波長域では使用不可能である。他方直接接合部に250nm以下の光透過を必要としないが、300℃以上に耐性を要求し、真空中でガスを発生しない強接着剤は熱融着以外存在しない。しかし熱融着は材料面に熱歪が残る。
シリコーンオイルの紫外線による酸素雰囲気でのSiO2形成については、本願発明者らによる非特許文献1に『ジメチルシロキサンシリコーンモノマー(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を塗布したガラス基板上に、酸素雰囲気でArFエキシマレーザー光を照射してシロキサン結合からメチル基を光解離させ、かつ、酸素の光励起によって生成した基底状態の酸素原子 O(3P)がSiのダングリンボンドと結合して厚さ2μmの透明SiO2硬質膜を形成させたと』と開示されている。
大口径望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙空間で使用するミラーには材料の軽量化のためにハニカム構造ミラーが使われる。ところがこれら鏡と蜂の巣構造物との接合に接着剤を用いると硬化歪が発生する事とミラーを真空蒸着したときに接着剤からガスが発生し、蒸着の妨げになる。このガス発生を無くすために現在では熱融着が行なわれているが、この熱融着には材料の融点に近い温度加熱が必要である。しかし、この高温のためミラー表面に熱歪が残り,真空蒸着後の波面にゆがみが発生し、観測結果やレーザー波面に狂いが生ずる事が問題になっている。
特願平2-410824 (特開平4-219349) 特願平5-238349 特願2002-350311 特願2001-14687 特願2002-119578 村原正隆 著 塑性と加工(日本塑性加工学会誌)第27巻第307号、934〜942 (1986) 信越化学工業株式会社 技術資料 KF96シリコーンオイル性能試験結果(平成15年)
紫外線域で透過可能な光学材料としては、石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、フッ素樹脂、プラスチック、シリコーンゴム、サファイヤー、結晶、非線形結晶、固体レーザーロッドなどが有るが、これらの接合に接着剤を用いると250nm以下の波長域では使えない。また、熱融着を用いても、材料面に熱歪が残り,これが原因となって波面にゆがみが発生する。このため異種の材料との接合ではエアーコンタクトが良く使われているが、材料によってはエアーコンタクトが難しかったり、接合強度が弱いなど、様々な欠点を有していた。
他方250nm以下の光透過を必要としないが、300℃以上に耐性を有し、真空中でガスを発生しない強接着剤は熱融着法しかない。ところがこの方法では材料面に熱歪が残る。また石英ガラスと異種ガラスの熱融着には中間ガラスが必要であった。
従って、本願発明では、光学材料同士の接合には, 有機シリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、光酸化によって無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、接合強度も強く、かつ、500℃以上でも耐性が有る光学材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、光学材料同士の接合では有機材料であるプラスッチックや無機光学材料表面を、有機材料であるシリコーンオイルで光化学結合を行い、その後、効果的な光酸化によって、有機材料であるシリコーンオイルを無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、かつ、接合強度も強く、かつ、500℃以上でも耐性を持つ光学材料を形成させることにより、所期の目的を達成できることを見いだした。その際、本願発明者らによる上記特許文献2,4,5および非特許文献1に開示された方法を利用する。
固体材料とフッ素樹脂の接着について、本願発明者らにより特許文献2の請求項23『被処理固体材料上面に液体化合物または官能基に水素原子を有する接着剤の薄液層を介して、フッ素樹脂板を加圧接着させ、該フッ素樹脂板を通して光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射して被処理固体材料とフッ素樹脂板とを直接接着する』、請求項24『フッ素樹脂材料上面に液体化合物または官能基に水素原子を有する接着剤の薄液層を介して、透明窓材を加圧接着させ、該透明窓材を通して光子エネルギーが128kcal以上の紫外線を照射して被処理固体材料とフッ素樹脂板とを直接接着する』と開示されており、請求項4の液体化合物の中にはシリコーンオイルが開示されている。しかし、上記発明では、たとえフッ素樹脂板と透明窓材の間にシリコーンオイルを介して紫外線を照射しても、シリコーンオイル中のメチル基が存在するため、接着完了後250nm以下の紫外線を透過することは出来なかった。さらに光子エネルギー密度を高くしたり、または照射パルス数を多くすると、シリコーンオイル中のメチル基の炭素原子が遊離して、黒化して光の透過率を低減させた。そこで本願発明では、シリコーンオイルに酸化剤を介在させ、かつ、これらを160℃以上過熱することによって、紫外線による酸化反応を促進させることによって、ジメチルシロキサンあるいはメチルフェニルシロキサンを完全にSiO2に変化させ、250nm 以下の紫外線を透過可能にしている。しかも、シリコーンオイルが塗布されるフッ素樹脂表面および石英ガラス表面には、シリコーンオイルとの付着力を向上させるために、本願発明者らによる特許文献3『固体材料表面のプラズマ処理などによる活性化』によるプラズマ処理を施し、両光学材料のシリコーンオイルとの接着力を強くしている。
シリコーンオイルの紫外線による酸素雰囲気でのSiO2形成については、本願発明者らによる非特許文献1に『ジメチルシロキサンシリコーンモノマー(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を塗布したガラス基板上に、酸素雰囲気でArFエキシマレーザー光を照射してシロキサン結合からメチル基を光解離させ、かつ、酸素の光励起によって生成した基底状態の酸素原子 O(3P)がSiのダングリンボンドと結合して厚さ2μmの透明SiO2硬質膜を形成させたと』と開示されている。
一般にシリコーンオイルを物質表面に塗布すると、離型作用が発現され、他の物質が粘着するのを妨げると同時に熱酸化に対する安定性も非常に優れていると言われている。しかし、これらシリコーンオイルを紫外線照射によって光化学的に接着剤として活用することが本発明である。
有機シリコーンオイルが紫外線照射によって石英と接合すること、および、有機シリコーンオイル自身が酸化剤存在下で紫外線照射によって無機ガラスであるシロキサン結合を有する石英に変わる事などは、本願発明者らによる非特許文献1に記載された『ジメチルシロキサンシリコーンモノマー(SiO(CH3)2)n (ジメチルシロキサンシリコーンオイル)を塗布したガラス基板上に、酸素雰囲気でArFエキシマレーザー光を照射してシロキサン結合からメチル基を光解離させ、かつ、酸素の光励起によって生成した基底状態の酸素原子 O(3P)がSiのダングリンボンドと結合して厚さ2μmの透明SiO2硬質膜を形成させた』と報告している。
さらに、大口径望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙で使用するミラーでは材料の軽量化のためにハニカム構造が使われる。ところがこれら鏡と蜂の巣構造物との接合に接着剤を用いると硬化歪が発生する事とミラーを真空蒸着したときに接着剤からガスが発生し、蒸着の妨げになる。このガス発生を無くすために熱融着が行なわれるが、この熱融着には融点に近い高温加熱を必要とする。しかし、この高温のためミラー表面に熱歪が残り,真空蒸着後の波面にゆがみが発生し、観測結果やレーザー波面に狂いが生ずる。クリアセラム(登録商標)、ゼロジュワ(登録商標)、ULE(Ultra Low Expansion)などの結晶化ガラスに至っては熱融着ができない。パイレックス(登録商標)やテンパックス(登録商標)などの低膨張ガラスあるいはセラミックなどに至っても同様に熱融着ができない。これらの問題を回避するには比較的低温過熱で処理ができ、接着後は接着剤がSiO2に変化する接着方法が提供される。
非特許文献2によると、代表的シリコーンオイルKF96(信越化学工業株式会社)は粘度によって低粘度1csから高粘度100万cs まで数多くの種類が市販されている。この粘度は分子量を意味し、粘度を分子量で表すと、200から10万に匹敵する。本発明では、これら分子量の異なるシリコーンオイルを、夫々2枚の石英ガラスで挟み172nmの波長のXe2エキシマランプ光を照射すると両石英ガラスは接着され、シリコーンオイルの分子量が高くなるに連れて接着強度は著しく高くなり6万で最高強度を示す。
一般に、紫外線域で透過可能な光学材料としては、石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、フッ素樹脂、プラスチック、シリコーンゴム、サファイヤー、結晶、非線形結晶、固体レーザーロッドなどが有るが、これらの接合に接着剤を用いると250nm以下の波長域では使えない。また、熱融着を用いても、材料面に熱歪が残り,これが原因となって波面にゆがみが発生する。このため異種の材料との接合ではエアーコンタクトが良く使われているが、材料によってはエアーコンタクトが難しかったり、接合強度が弱いなど、多くの欠点を有していた。
本願発明では、ガラス材料が合成石英ガラス、合成溶融石英ガラス、天然石英ガラスなどの石英ガラス、クリアセラム(登録商標)、ゼロジュワ(登録商標)、ULE(Ultra Low Expansion)などの結晶化ガラス、パイレックス(登録商標)、テンパックス(登録商標)などの低膨張ガラス、セラミックガラス、白板ガラス、クラウンガラス、フリントガラス、鉛ガラスなどの光学ガラス、ソーダガラス、レーザーガラス、光ファイバーなどの同種または異種同士の組み合わせから成る平面、球面あるいは非球面の形状を呈する夫々の被接合材料表面に、本願発明者らによって特許文献4で開示されている方法でプラズマ処理または紫外線処理を施し、被接合材料表面でのシリコーンオイルとの親和性を向上させている。
非特許文献2によると、一般にシリコーンオイルは200ppm 内外の水を含水し、かつ、空気、酸素、炭酸ガスなどを溶解させる事が出来る。熱的には150℃までは安定で、200℃以上になると熱酸化反応が始まり、450℃で燃焼が始まる。さらにシリコーンオイルは加熱によって粘性が低くなり、分子量が小さくなる。
本発明では、有機シリコーンオイルを光酸化させて、無機ガラスに変える事である。このため光反応過程において、酸素源が必要である。この酸素源は試料表面に吸着している酸素や、シリコーンオイル内部に混入している酸素源あるいは反応中に供給される空気や酸素などである。そこで試料表面を予め酸素雰囲気でプラズマ処理あるいは紫外線処理を行い試料表面の酸素原子密度を高くする。この処理は接着後の紫外線透過率向上に大きく貢献する。さらに両被接合材料表面にシリコーンオイルを塗布した後、それらのシリコーンオイル塗布面をドライヤーなどによる熱風や酸素プラズマ処理による酸素原子密度の増加によって、その後起こる光酸化反応を促進させる事になる。また大気中に放置されたシリコーンオイル中には200ppm内外の水分が含水している。この水の光分解によって生成する酸素がシリコーンオイルを酸化させ、SiO2にする一役を担っている。一方、シリコーンオイルには空気、酸素、炭酸ガスなどを溶かす事が出来るため、シリコーンオイルの粘性を下げない為にはシリコーンオイルを室温で、粘性を低くする場合は200℃以下で加熱した状態で真空脱気した後、再度、酸素、オゾンなどを溶存させたり、水、過酸化水素水、水蒸気などを混合させ、接着層のSiO2化を促進させる。ただしこれら酸化剤が過多の場合は接着層が白濁する場合がある。250 nm以下の透過率は幾分落ちるが、白濁が皆無で、可視光から近紫外域で透明性を維持する場合には、シリコーンオイルの粘性を下げない為にはシリコーンオイルを室温で、粘性を低くする場合は200℃以下で加熱した状態で、真空脱泡し、酸素、炭酸ガス、水などの混入物が除外さたものを被接合面に塗布すればよい。また接着後の光透過率は極限するが、過熱したシリコーンオイルに過マンガン酸カリ、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化バリウム、過酸化鉛、過酸化クローム、過酸化ルビジューム、過酸化セシューム、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物を混入させることによって、その後起こる光酸化反応を促進させる事になる。しかしこの場合はこれら酸化剤が光化学反応の励起源である300nm〜150nm の波長を有する紫外線が接着層への進入を阻害する為、光化学反応が起こり難くなる。このため接着層を極薄くし、かつ、紫外線の入射量を強くする必要がある。
一般に大面積あるいは均一な接合では接着層の厚さの均一性と薄さが要求される。このため従来の10cpsに対し、8cpsという超低粘度の紫外線硬化型接着剤が開発されている。しかし、シリコーンオイルでの最強接着強度を示す粘度は10000csであり、これらの分子量は6万である。そこで接着層の厚さを薄くし、かつ、均一性を良くするために、高温雰囲気で被接合材料面同士を重ねあわせ、0から30kg/cm2の範囲で加圧し、または被接合部を真空に吸引して接合面を大気圧または不活性ガスによる外圧により加圧を行なう。あるいは容器内圧を外圧よりも高くして、その差圧で均一加重をかける。
そして、それらの接合境界面にXeエキシマランプ光、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、XeClレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、、KrClエキシマランプ光、XeClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電などによって得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線を照射することによりガラス材料同士を接着させる。
ガラス材料が共に石英ガラスである場合の接合は、シリコンウエハ搬送用石英ガラス容器や紫外線測定用溶液セルあるいはハニカム構造の軽量化ミラーなどの接合には有機シリコーンオイルに酸化剤あるいは水などを微量混合した溶液を接着剤として用い、一方の石英側からエキシマレーザーあるいはエキシマランプ光を入射し、両光学材料の末端基とシリコーンオイルの末端基との間を化学的に結合させると同時に、未反応の有機シリコーンオイルを紫外線で光酸化して、無機材料SiO2に変え強接着させる。
光学材料がハニカム構造ミラーの接合の場合には、一方の光学材料の形状が平面板あるいは曲面板であり、他方が同種材料より成る蜂の巣状に加工した構造物であり、交互に雄型・雌型の間隙に、有機シリコーンオイルに酸化剤あるいは水などを微量混合した溶液を接着剤として用い、一方の石英ミラー側からエキシマレーザーあるいはエキシマランプ光を入射し、ミラー側と蜂の巣状に加工した構造物側の末端基とシリコーンオイルの末端基との間を化学的に結合させると同時に、未反応の有機シリコーンオイルを紫外線で光酸化して、無機材料SiO2に変え強接着させる。
本発明によれば、シリコーンオイルを接着剤として用い石英ガラス同士を光化学的に接合し、紫外線透過性に優れた光学材料を提供する事ができる。
大口径天体望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙で使用するミラーでは材料の軽量化のためにハニカム構造が使われる。これら鏡と蜂の巣構造物との接合に、本発明を用いれば、比較的低温加熱で処理ができるため、熱融着による熱歪や真空蒸着後の波面にゆがみ、観測結果やレーザー波面の狂いなどが回避できる。
紫外線用撮像管やヘッドオン型エキシマランプなど紫外線入射や照射窓としての合成石英ガラス平面窓と同種または異種材料より成る丸あるいは角パイプを接着させて真空管、放電管あるいはランプを製造することにより、従来の熱融着による平面窓の熱歪や面だれ、が皆無になる。また紫外線透過窓の部分には合成石英を使い、パイプの部分には異種材料としてのパイレックス(登録商標)や光学ガラスを使えるため、加工性や経済性で有利である。
本願発明の特徴は、光学材料同士の接合では分子量200から12万の間のシリコーンオイルを光酸化によって無機材料であるSiO2に変えることによって、250nm以下の波長でも使え、かつ、接合強度が強い光学材料を形成することである。
ジメチルシロキサンシリコーンオイル(SiO(CH3)2)n)は構造式の側鎖にメチル基(-CH3)を持っている。このオイルに紫外線を照射すると炭素(C)が遊離して黒化する。この黒化によって光の透過が阻害される。この黒化を防止する為には反応系に酸素を導入しなければならない。
そこで本発明では、石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、セラミックガラス、光学ガラス、ソーダガラス、レーザーガラス、光ファイバーなどの同種または異種同士の組み合わせから成るガラス材料の被接合面に、分子量が2百から12万の間のシリコーンオイルを塗布し、油圧または水圧などの機械加圧または窒素ガス、炭酸ガス、へリューム、空気、酸素、あるいは酸素やオゾンガスを窒素ガスやへリュームによって希釈した混合ガス加圧などのガスによる雰囲気加圧により、0から30 kg/cm2の範囲で加圧し、それら接合界面に、Xeエキシマランプ光、 ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、XeClレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、KrClエキシマランプ光、XeClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電などによって得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線を酸化剤ガス雰囲気で照射して、光化学的に強接着を行なう。
シリコーンオイルを室温雰囲気で強接着を行なうためには3万〜12万の分子量が必要であり、その中でも6万内外が最も接着強度が高い。そこで接着層の厚さの均一性と薄さを満たすために、高温雰囲気で被接合材料面同士を重ねあわせ、0から30 kg/cm2の範囲で加圧する。そしてその接合面にXe2エキシマランプ光、ArFエキシマレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、KrClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電により得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線を入射する。また酸化剤として微量の過酸化水素水を含むメチルフェニルシリコーンオイルを用いれば、フェニル基特有の吸収帯が250nm近傍にあるため、励起光としてKrFエキシマレーザーやKrClエキシマランプ光あるいはXeClエキシマランプ光などが使える。これらシリコーンオイル中の酸素は紫外線によって励起されると、一部は炭素の引き抜き原子として使われ、その生成物はCO2ガスとなって反応系外に拡散される。他の残りの活性を帯びた酸素原子はメチル基が抜けた後に置換されSiO2を形成し逐次反応によって石英ガラス化する。
ガラス同士の接合に先立ち、被接合面に、空気、酸素、オゾン、水蒸気、あるいは酸素が微量混入するアルゴン、キセノン、あるいはヘリュームなどの不活性ガスなどの酸化剤ガス雰囲気でその塗布面にプラズマまたは紫外線を照射してガラス材料の被接合面を酸素過多にした状態でシリコーンオイルを塗布した後、紫外線照射すれば、シリコーンオイルと酸素の反応が効率良く行なわれ、紫外域で透明、かつ、強い接着強度が得られる。
ガラス同士の接合に先立ち、両被接合面にシリコーンオイルを塗布した後、それら被接合面同士間にギャップを作り、その間隙に空気、酸素、オゾンなどの酸化剤ガス雰囲気で誘電体バリア放電を行い、シリコーンオイル面を活性酸素過多にした後、放電を停止し、その後、0から30 kg/cm2の範囲で加圧する。このガラス材料間の放電により発生した紫外線により活性酸素の形成とシリコーンオイルの酸化反応が進み、接着反応が開始される。ここで紫外線照射を併用すれば更にシリコーンオイルと酸素の反応が効率良く行なわれ、紫外域で透明、かつ、強い接着強度が得られる。
シリコーンオイルは加熱すると粘性が低下する。 例えばKF96-1000(信越シリコーン)は 25℃で粘度1000cs であるが、200℃加熱すると100cs と低下する。一方接着層は薄い方が強接着が得られる。そこで200℃以下の温度に加熱した被接合材料間にシリコーンオイルを塗布した後、重ねあわせ、加圧すると接着層が均一で薄く成るため紫外域で透明、かつ、強い接着強度が得られる。
シリコーンオイルを減圧脱気して、多量な酸素、炭酸ガス、水などの混入物を除外した後、再度適量の酸素、オゾン、炭酸ガス、水、水蒸気、過酸化水素などの酸化剤を添加したシリコーンオイルを接着剤として使えば、酸化剤雰囲気無しで光反応を完了させる事が出来る。シリコーンオイルを加熱し、粘性が低下した状態で脱気を行なえば、さらに効果的な接着が出来る。
シリコーンオイルを被接着材料に塗布し、炭酸ガス雰囲気で加圧を行いながら紫外線照射を行なえば高分子化が顕著で、短時間に強接着が出来る。減圧脱気したシリコーンオイルを接着剤として使えばさらに効果的な接着が出来る。
ガラス材料の一方の形状が平面板あるいは曲面板石英ガラスであり、他方が同種あるいは異種材料より成る蜂の巣状あるいは溝や窪み状に加工された内部が空洞を有する構造物の場合、交互に雄型・雌型の状態である被接合面にシリコーンオイルを塗布後、蜂の巣状あるいは溝や窪み状に加工した構造物内部を真空排気する事によって、内部が減圧状態であるため、両ガラス材料の接合部は大気圧による均一加重された状態で紫外線照射を行なう事が出来る。この真空の空洞に微量の前記酸化剤ガスを封入すればさらに効果的な接着が出来る。
光電管、光電子増倍管、紫外線発光ランプ、重水素ランプ、レーザー管などの石英ガラス窓材料や液晶パネル板などを、同種または異種材料より成る丸または角パイプあるいは枠の端面にシリコーンオイルを塗布後、内部を真空排気する事によって、両ガラス材料の接合部が大気圧による均一加重された状態で紫外線照射を行なう事が出来る。この真空の空洞部に微量の酸化剤ガスを封入すればさらに効果的な接着が出来る。
合成石英ガラス窓を有するプラスチックあるいはゴム製袋や封筒などの容器中に前記シリコーンオイルを塗布した両石英ガラスを接触させた状態で、あるいはプラズマ照射を併用する場合には両ガラスの非接合面に電極を具備し、僅かに隔てて対向させた状態でシリコーンオイルが塗布されている両石英ガラス間でプラズマを発生させ、その後、被接合界面に紫外線を照射しながら封筒や袋内部の空気または酸素を低圧に排気する事によって両ガラス材料の接合部に大気圧と容器の内圧との差圧を均一に掛けながら光化学接着を行なうことができる。ガスにより圧力を制御する場合、合成石英ガラス窓を有するプラスチックフィルムあるいはゴム製封筒などの容器が、蛇腹あるいはオーリングなど伸縮自由な構造を備具すると良い。
前記真空容器が合成石英ガラス窓を有する外箱で覆われ、この外箱が窒素ガス、アルゴンガス、キセノン、あるいはヘリュームガスなどの不活性ガスで加圧すれば、ガラス材料の接合部に均一荷重をかける事ができる。
石英ガラス窓を有する反応容器内をゴム板で2部屋に分離し、一方の合成石英ガラス窓側は試料室、他方は油圧あるいは水圧による機械加圧室を構成し、試料室は真空排気弁と加熱ヒーターを備具し、試料室の石英ガラス窓側に、シリコーンオイルを塗布した被接着ガラス材料を接触させ、ゴム板を介して機械加圧を行いながら紫外線照射を行い、光化学接着を行なう。試料室に備具された真空排気弁で被接着ガラス表面に塗布されたシリコーンオイル内の酸素、炭酸ガス、水などの混入物を除去した後、炭酸ガスを封入し、接着効果を高めることができる。さらに、ゴム板の上に取り付けたフィルム状ヒーター加熱によりシリコーンオイルの粘性を下げると接着層を極く薄くすることができる。
室温雰囲気で、各分子量(200〜14万)のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-1cs 〜50万cs)を2枚の合成石英ガラスの間に塗布し、10kg/cm2の圧力で加圧し、その上に石英ガラスを被せ、Xe2エキシマランプ光を0から120分間照射した。この時の各分子量におけるランプ照射時間と試料の引っ張りせん断強度(接着強度)の関係を図1に示す。この測定により接着強度はXe2エキシマランプ光の照射時間の増加に連れて強くなる事が明らかである。 各分子量と接着強度の関係では、分子量6万のシリコーンオイルをXe2エキシマランプ光を90分照射した時が最も接着強度が高く、それ以下の分子量でもそれ以下の分子量の場合でも接着強度は低く成る傾向を示している。また各照射時間(0〜120分)毎の引っ張りせん断強度と分子量(200〜14万)の関係を図2に示す。このグラフより光接着反応を効果的に行なうには30分以上のXe2エキシマランプ光照射が必要であり、分子量6万のシリコーンオイルがいずれの照射時間においても接着強度が高い。
室温雰囲気で、分子量6万のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10000)を2枚の合成石英ガラスの間に塗布し、15kg/cm2の圧力で加圧し、その上に石英ガラスを被せ、発光波長172nmのXe2エキシマランプ光と222nmのKrClエキシマランプ光を夫々の波長で90分間照射してシリコーンランプの励起波長依存性を測定した。図3に示すように222nmの光を60分照射しても引っ張りせん断強度(接着強度)は10kg/cm2と低いが、172nmのXe2エキシマランプ光では180kg/cm2と接着強度が高く、短波長の方が接着強度が高いことがわかる。
室温雰囲気で、分子量6万のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10000)を2枚の合成石英ガラスの間に塗布し、1〜30kg/cm2の圧力で加圧し、その上に石英ガラスを被せ、Xe2エキシマランプ光で90分間照射した場合の接着強度と加圧の関係を調べた。その結果、加圧2kg/cm2以上で接着力次第に強くなる事が明らかに成った。
室温雰囲気で、分子量6万のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10000)を合成石英ガラスとソーダガラスの間に塗布し、10kg/cm2の圧力で加圧し、その上に石英ガラスを被せ、Xe2エキシマランプ光で90分間照射した場合の接着強度は50kg/cm2であった。
2枚の合成石英ガラスの被接着面を酸素雰囲気でプラズマ処理前後、および紫外線照射処理前後の紫外線透過率(200nm)比較を行なった。未処理では透過率は70%であったが、紫外線処理では80%、プラズマ前処理では85%であった。さらにプラズマ処理と赤外ランプ併用照射では90%であった。
2枚の合成石英ガラスを約1mm隔て、双方の被接着面にシリコーンオイルを塗布後、誘電体バリア放電を行い、シリコーンオイル面を活性酸素過多にした状態で、10kg/cm2の加圧を行い、その上に石英ガラスを被せ、Xe2エキシマランプ光で90分間照射した場合および紫外線照射処理前後の紫外線透過率(200nm)測定を行なったところ、透過率は85%、接着強度は160kg/cm2であった。
2枚の合成石英基板を110℃で加熱しながら、分子量6万のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10000)を塗布し、10kg/cm2の加圧を行い、その上に石英ガラスを被せ、Xe2エキシマランプ光を90分間照射した。この時の接着強度は190kg/cm2であった。
分子量6万のシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10000)を油煎で180℃にした状態で真空脱気した後、炭酸ガス雰囲気で10kg/cm2の圧力を行いながらXe2エキシマランプ光で90分間照射した場合の接着強度は200kg/cm2であった。
内部が空洞を有するハニカム構造物の両面に平面板ガラス板をシリコーンオイルを介して密着させた状態で、蜂の巣状構造物内部を真空排気した後、内部に0.2気圧の炭酸ガスを封入した。この状態で両面を90分間Xe2エキシマランプ光照射を行なってハニカムミラーを製作した。
中心部に6φ深さ1mmの溝が掘られた石英ガラス板(10×10)と5mm厚の平面板ガラス板とをシリコーンオイルを介して密着させた状態で、溝内部を真空排気した後、溝内部に0.2気圧の炭酸ガスを封入した後、大気中で60分間Xe2エキシマランプ光照射を行なった。接着後これらの試料を電気炉に入れ、履歴温度と引っ張りせん断強度の関係を図4に示す。シリコーンオイル(KF96-10000 )では接着強度180kg/cm2であったが、高温になるに連れて強度が下がり500℃で60kg/cm2であった。シリコーンオイル(KF96-500)でも強度は同じだった。
端面を研磨した合成石英製丸パイプ(外径25φ、内径20φ)にシリコーンオイル(KF96-10000 )を塗布後、外径25φの合成石英製窓板を密着させた。同時にパイプ内部を真空排気した後、パイプ内部に0.2気圧の炭酸ガスを封入した。その後大気中でXe2エキシマランプ光を90分間照射してパイプに窓を接着した。接着強度は50kg/cm2であった。
石英ガラス窓(100φ)を有する反応容器内をシリコーンゴム板で2部屋に隔て、一方の合成石英ガラス窓側は試料室、他方は油圧による機械加圧室に分離した装置を試作した。そしてシリコーンゴム板と試料の間にフィルム状ヒーター(100φ ×2mm)を取り付け、試料を110℃に加熱した。試料室にシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 KF96-10000)を塗布した被接着ガラス材料(90φ×10)を夫々重ね合わせて置き、試料室を真空排気した後、0.5気圧炭酸ガスを封入した。そして被接着材料にゴム板を介して油圧(30kg/cm2)をかけた状態で、合成石英窓側から90分間Xe2エキシマランプ光を照射した。これによって接着した試料を干渉計で測定した結果、接着による表面波面歪の変化はなかった。また紫外線(200nm)の透過率は91%であった。
高温に耐性がある石英ガラスの接合には1800℃内外の熱融着が不可欠だった。しかし、この方法は被加工物に熱歪が残り光学用途には限られていた。ところが本発明は室温あるいは200℃以下で接着可能であり、250nm以下の紫外線も透過し、しかも500℃以上でも耐性が有る為、光学材料としては勿論のこと、石英ガラス以外の結晶化ガラス、低膨張ガラス、セラミックガラス、光学ガラス、ソーダガラス、レーザーガラス、光ファイバーとなどの材料間の接着剤として貢献する。
ミラーとハニカム構造物とを接合し軽量化する事によって、大口径天体望遠鏡や大口径レーザーミラーあるいは宇宙で使用するミラーの熱歪や真空蒸着後の波面のゆがみ、レーザー波面の狂いなどが皆無なミラーを供給することができる。
紫外線透過測定用セルは四角柱壁面および底面を熱融着されている。ところが本発明では接着剤を使う為、熱歪が発生しない事は勿論のこと異種材料との接合ができる為、ガラス細工の手間と材料選択の幅が拡大し、ガラス細工製品の価格を下げる事に貢献する。
石英ガラス製光ファイバーの接合にはカプラーが不可欠だった。ところが本発明では接着剤を使う為、カプラーによる光損失が極減するのみならず、カプラー皆無の長距離伝送が可能になる。これにより経済的、かつ、通信効率を向上させる事に貢献する。
紫外線透過窓を有するヘッドオン型真空管、光電子増倍管、重水素ランプ、エキシマランプ、放電管などの窓材とパイプ部の接合には石英ガラス同士の熱融着が使われていた。このため石英窓には熱歪があったし、両部材とも同種の石英ガラスが必要であった。ところが本発明では接着剤を使う為、熱歪が発生しない事は勿論のこと異種材料との接合ができる為、ガラス細工の手間と材料選択の幅が拡大し、ガラス細工製品の価格を下げる事に貢献する。
各照射時間における分子量と引っ張りせん断強度(接着強度)の関係。(実施例1) シリコーンオイルの各分子量における照射時間と引っ張りせん断強度(接着強度)の関係。(実施例1) 各種ランプの発振波長に対する照射時間と引っ張りせん断強度(接着強度)の関係。(実施例2) 接着した試料の耐熱試験(試料の加熱温度と引っ張りせん断強度)の関係。(実施例10)

Claims (15)

  1. ガラス材料同士の接合に先立ち、両被接合材料表面にプラズマ処理、または紫外線処理を施し、あるいはそのままで、被接合材料の表面のいずれか一方または両方に、分子量が2百から12万の間のシリコーンオイルを塗布し、酸化剤ガス雰囲気でその塗布面にプラズマまたは紫外線を照射しながら、あるいはそのままで、室温あるいは200℃以下の温度雰囲気で被接合材料面同士を重ねあわせ、機械加圧またはガスによる雰囲気加圧により、0から30 kg/cm2の範囲で加圧し、または被接合部を低圧に吸引して接合面を大気圧または不活性ガスによる外圧により両者の差圧を制御しながら加圧を行い、それら接合界面に酸化剤ガス雰囲気あるいはそのままで、紫外線を照射することを特徴とするガラス材料同士の接着方法および装置。
  2. 前記ガラス材料が石英ガラス、結晶化ガラス、低膨張ガラス、セラミックガラス、光学ガラス、ソーダガラス、レーザーガラス、光ファイバーなどの同種または異種同士の組み合わせから成る事を特徴とする請求項1に記載の光学材料同士の接着方法および装置。
  3. 前記シリコーンオイルまたは前記ガラス材料が室温または200℃以下の温度で加熱されたもの、あるいは前記シリコーンオイルに酸素、オゾン、炭酸ガス、水、水蒸気、過酸化水素などの酸化剤を混入させたものである事を特徴とする請求項1,2に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  4. 前記シリコーンオイルが室温あるいは200℃以下の温度雰囲気で減圧脱気され、酸素、炭酸ガス、水などの混入物が除外さたものである事を特徴とする請求項1に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  5. 前記ガラス材料の一方の形状が平面板あるいは曲面板であり、他方が同種あるいは異種材料より成る蜂の巣状あるいは溝や窪み状に加工された構造物であり、交互に雄型・雌型の状態で接合するハニカム構造ミラーあるいは空洞構造物である事を特徴とする請求項1,2,3に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  6. 前記ガラス材料の一方の形状が平面板あるいは曲面板であり、他方が同種または異種材料より成る丸あるいは角パイプであり、交互に雄型・雌型の状態で接合する事を特徴とする請求項1,2,3に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  7. 前記プラズマ処理あるいは紫外線処理が酸素ガス、不活性ガスあるいは不活性ガスと酸素の混合ガス雰囲気で行われる事を特徴とする請求項1に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  8. 前記酸化剤ガスが空気、酸素、オゾン、水蒸気、あるいは酸素が微量混入するアルゴン、キセノン、あるいはヘリュームなどの不活性ガスである事を特徴とする請求項1に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  9. 前記紫外線がXeエキシマランプ光、 ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、XeClレーザー光、F2 レーザー光、非線形素子による高調波レーザー光、KrClエキシマランプ光、XeClエキシマランプ光、Hgランプ光、Hg-Xeランプ光、重水素ランプ光、ハロゲンランプ光、またはガスのアーク、コロナもしくは無声放電などによって得られる300nm〜150nm の波長を有する紫外線である事を特徴とする請求項1に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  10. 合成石英ガラス窓を有するプラスチックあるいはゴム製袋や封筒などの容器中に前記シリコーンオイルを塗布した前記ガラス材料を接触させた状態で、あるいはプラズマ照射を併用する場合には両ガラスの被接合面に電極を具備し、僅かに隔てて対向させた状態でシリコーンオイルが塗布されている両石英ガラス間でプラズマを発生させ、その後、被接合界面に紫外線を照射しながら封筒や袋内部の空気または酸素を低圧に排気する事によって両ガラス材料の接合部に大気圧と容器の内圧との差圧を均一に掛けながら、あるいは空気圧または油圧や水圧などの機械加圧により容器内の内圧を外圧よりも高くして、その差圧で均一加重をかけながら、光化学接着を行なうことを特徴とする請求項1に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  11. 前記合成石英ガラス窓を有するプラスチックフィルムあるいはゴム製封筒などの容器が、蛇腹あるいはオーリングなど伸縮自由な構造を備具した真空容器であることを特徴とする請求項1、10に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  12. 前記真空容器が合成石英ガラス窓を有する外箱で覆われ、この外箱が窒素ガス、アルゴンガス、キセノン、あるいはヘリュームガスなどの不活性ガスで加圧され、前記ガラス材料の接合部に真空容器の内圧と外箱による外圧との差圧を制御することによって均一荷重をかけることを特徴とする請求項1、10、11に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  13. 前記ハニカム構造ミラーあるいは空洞構造物を製作するに当たり、蜂の巣状あるいは溝や窪み状に加工した構造物内部に排気機構を備具する事によって、ハニカム構造ミラーあるいは空洞構造物自体が真空容器を構成し、内部の気圧を低くした状態、または微量の前記酸化剤ガスを封入し、両ガラス材料の接合部を大気圧による均一荷重する事を特徴とする請求項1、5、8、12に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  14. 紫外線透過窓を有するヘッドオン型管を製作するに当たり、前記丸あるいは角パイプ内管に真空排気機構を備具する事によって、ヘッドオン型パイプが真空容器を構成し、両ガラス材料の接合部に大気圧による均一荷重がかけられることを特徴とする請求項1、6、12に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。
  15. 合成石英ガラス窓を有する前記酸化剤ガス雰囲気にある容器内の合成石英ガラス窓側に、前記シリコーンオイルを塗布した前記ガラス材料を接触させ、その下面を加熱またはそのままで、ゴム板を介して油圧あるいは水圧による機械加圧を行いながら光化学接着を行なうことを特徴とする請求項1,2,3,8,13に記載のガラス材料同士の接着方法および装置。

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