JP2005068941A - ブレース構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブレースが座屈するのを防いで、座屈による耐力低下を生じさせないブレース構造を提供する。
【解決手段】 ブレース4の両端が、ブレース4の座屈に先行して塑性変形を起こす先行塑性変形材5を介して構造躯体3に連結されている。この場合に、先行塑性変形材5は鋼板からなり、該鋼板5が面内方向にせん断力を受けて前記先行塑性変形を起こすようになされているとよい。また、ブレース4の各端部に構造躯体3の柱1と梁2が存在し、該各端部が柱1と梁2のそれぞれに先行塑性変形材5,5を介して連結されているとなおよい。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブレース4の両端が、ブレース4の座屈に先行して塑性変形を起こす先行塑性変形材5を介して構造躯体3に連結されている。この場合に、先行塑性変形材5は鋼板からなり、該鋼板5が面内方向にせん断力を受けて前記先行塑性変形を起こすようになされているとよい。また、ブレース4の各端部に構造躯体3の柱1と梁2が存在し、該各端部が柱1と梁2のそれぞれに先行塑性変形材5,5を介して連結されているとなおよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物等各種構造物に用いられるブレース構造に関する。
ブレースとして鋼管や形鋼などを用い、ブレースが引張りに耐えると共に圧縮にも耐えることで構造物の倒壊を防ぐようになされたブレース構造は従来より種々提供されている。
しかしながら、そのようなブレースであっても、構造物に大きな水平力が作用して一旦座屈を起こしてしまうと、それ以降、ブレースの耐力が極端に低下してしまうという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑み、ブレースが座屈するのを防いで、座屈による耐力低下を生じさせないブレース構造を提供することを課題とする。
上記の課題は、ブレースの両端が、ブレースの座屈に先行して塑性変形を起こす先行塑性変形材を介して構造躯体に連結されていることを特徴とするブレース構造によって解決される。
このブレース構造では、水平力によってブレースに大きな圧縮力が作用しても、先行塑性変形材がブレースの座屈に先行して塑性変形を起こし、それによって、ブレースの座屈が防がれ、座屈によるブレースの耐力低下を防ぐことができる。
しかも、先行塑性変形材は、ブレースの両端のそれぞれに備えられているので、力が各端部に備えられた先行塑性変形材に分散され、各先行塑性変形材が塑性変形を起こしにくく、それによって、ブレースと各先行塑性変形材とをともに大きな水平力にしっかりと耐えうる構造にすることができ、剛性面に優れたブレース構造を実現することができる。
前記先行塑性変形材が鋼板からなり、該鋼板が面内方向にせん断力を受けて前記先行塑性変形を起こすようになされている場合は、各先行塑性変形材の耐力を大きなものにすることができ、先行塑性変形材をブレースの両端部に備えさせることとの組み合わせで、ブレースと各先行塑性変形材とを大きな水平力にしっかりと耐えうる構造にすることができ、しかも、それを簡素な構造で実現することができる。
ブレースの各端部に構造躯体の柱と梁が存在し、該各端部が柱と梁のそれぞれに先行塑性変形材を介して連結されているとよい。その場合は、先行塑性変形材がブレースの両端部に備えられていることとの組み合わせで、各先行塑性変形材の負担する力を小さくすることができ、それによって、ブレースと各先行塑性変形材とをともに大きな水平力にしっかりと耐えうる構造にすることができ、剛性面に優れたブレース構造を実現することができる。更に、先行塑性変形材が鋼板からなることとの組み合わせでは、各先行塑性変形材の耐力を大きなものにでき、ブレースと各先行塑性変形材とを大きな水平力にしっかりと耐えうる構造にすることができる。しかも、先行塑性変形材の塑性変形挙動やブレースへの力のかかり具合を力学的に安定したものにすることができる。
本発明は、以上のとおりのものであるから、ブレースの座屈を防いで、座屈によるブレースの耐力低下を防ぐことができる。
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示す実施形態のブレース構造は、左右の鋼製柱1,1と上下の鋼製梁2,2とで構成された構造躯体3の内部にブレース4,4をX形に交差させて備えさせたものである。
各ブレース4,4は、引張りに耐えると共に圧縮にも耐えて構造物の倒壊を防ぐ作用を行う、例えば円形鋼管パイプからなっている。そして、各ブレース4,4の両端はそれぞれ、ブレース4,4の圧縮による座屈に先行して塑性変形を起こす先行塑性変形材5…を介して構造躯体3に連結されている。
本実施形態では、各先行塑性変形材5…が方形状の鋼板からなっていて、図2に拡大して示すように、鋼板5は、ブレース4の端部において、その両側にそれぞれ備えられ、各鋼板5,5は、その一辺がブレース4の延びる方向に向けられてブレース4の端部側面部に線溶接Wで取り付けられ、一方の鋼板5は、対向辺が柱1との継ぎ手部6に同じく線溶接Wで取り付けられると共に、もう一方の鋼板5は、対向辺が梁2との継ぎ手部7に同じく線溶接Wで取り付けられ、ブレース4に引張りや圧縮の軸方向力が作用すると、各鋼板5に面内方向のせん断力が作用するようになされている。なお、鋼板5の残る二辺には補強用のプレート8…が線溶接Wで取り付けられ、該プレート8…で、鋼板5がせん断変形時に面外方向に変形してしまうのがしっかりと規制されるようになされている。なお、プレート8,8部分と鋼板5部分とをH形鋼片で構成するようにしてもよい。
上記のブレース構造では、構造躯体3に、図1に示すような水平力Pが作用して、ブレース4に図3(イ)(ロ)に示すような軸方向力が作用すると、図3(イ)に示すように、ブレース4が座屈する前に、端部の鋼板5,5が塑性変形を起こし、それによって、ブレース4の座屈が防がれ、座屈によるブレース4の耐力低下を防ぐことができる。
しかも、本実施形態では、先行塑性変形材5…は、ブレース4の両端に備えられ、更に、各端部においてその両側に備えられているので、ブレース4に圧縮力が作用したときに、力が各先行塑性変形材5…に細かく分散され、各先行塑性変形材5…が塑性変形を起こしにくい。また、先行塑性変形材5…は鋼板からなり、鋼板は面内方向にせん断力を受けて塑性変形を起こすようになされており、更に、各鋼板5…はプレート8…で面外へのせん断塑性変形を規制される構造となっている。従って、ブレース4と各先行塑性変形材5…とをいずれも大きな水平力にしっかりと耐えうる構造にすることができ、剛性面に優れたブレース構造を実現することができる。
加えて、ブレース4の各端部が柱1と梁2のそれぞれに先行塑性変形材5,5を介して連結されているので、先行塑性変形材5の塑性変形挙動やブレース4への力のかかり具合を力学的に安定したものにすることができる。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、X形ブレース構造に適用した場合を示しているが、V形ブレース構造や、斜め1本形ブレース構造等に適用することもできる。なお、X形ブレース構造の場合、各ブレースは交差部において連結されていてもよいし、連結されることなくフリーであってもよい。
また、上記の実施形態では、ブレース4が円形鋼管パイプからなる場合を示しているが、角形鋼管パイプからなっていてもよいし、山形鋼などの各種形鋼からなっていてもよく、要は、引張りに耐えると共に圧縮にも耐えて構造物の倒壊を防ぐ作用を行う構造を備えたブレースであればよい。
1…柱
2…梁
3…構造躯体
4…ブレース
5…鋼板(先行塑性変形材)
2…梁
3…構造躯体
4…ブレース
5…鋼板(先行塑性変形材)
Claims (3)
- ブレースの両端が、ブレースの座屈に先行して塑性変形を起こす先行塑性変形材を介して構造躯体に連結されていることを特徴とするブレース構造。
- 前記先行塑性変形材が鋼板からなり、該鋼板が面内方向にせん断力を受けて前記先行塑性変形を起こすようになされている請求項1に記載のブレース構造。
- ブレースの各端部に構造躯体の柱と梁が存在し、該各端部が柱と梁のそれぞれに先行塑性変形材を介して連結されている請求項1又は2に記載のブレース構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003303701A JP2005068941A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | ブレース構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003303701A JP2005068941A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | ブレース構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005068941A true JP2005068941A (ja) | 2005-03-17 |
Family
ID=34407592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003303701A Pending JP2005068941A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | ブレース構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005068941A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006283409A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Daiwa House Ind Co Ltd | 制振構造 |
JP2008133662A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Toyota Motor Corp | 建物の耐震構造 |
JP2012017556A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-26 | Nippon Steel Corp | 鋼矢板地下壁構造 |
KR101249098B1 (ko) | 2009-04-29 | 2013-03-29 | 원영술 | 건물 리모델링용 pc 브레이싱 조립체 및 건물 리모델링 시공 방법 |
IT202000012769A1 (it) * | 2020-05-28 | 2021-11-28 | Rosss S P A | Scaffalatura di stoccaggio |
-
2003
- 2003-08-27 JP JP2003303701A patent/JP2005068941A/ja active Pending
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