JP2005068887A - 透水性舗装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の排水性道路舗装構造は、太陽光線の照射及び空気中の酸素の作用を受けて経年劣化し、その特性が著しく劣化するため、透水性コンクリート層の結合強度が低下し、その表層部の変色、損壊及び摩耗を促進させるという問題があった。また、酸性雨への対策は考慮されておらず、さらに、雑草防止が必要な場所等への施工には、道路舗装構造の複雑さと高コストのため不適であった。
【解決手段】 本発明は、セメント、骨材、水及び消石灰を混練して得られた混合物により透水性コンクリート層を形成し、該透水性コンクリート層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆した透水性舗装構造としている。また、前記透水性コンクリート層の内部に補強材を設けたり、前記透水性コンクリート層をブロック体に形成している。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、セメント、骨材、水及び消石灰を混練して得られた混合物により透水性コンクリート層を形成し、該透水性コンクリート層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆した透水性舗装構造としている。また、前記透水性コンクリート層の内部に補強材を設けたり、前記透水性コンクリート層をブロック体に形成している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、歩道、車道、公園、公共広場、通路、駐車場、運動場又は送電用鉄塔敷地内などの舗装に適用できる、耐退色性、耐候性、視認性及び美観性を兼ね備えた透水性舗装構造に関するものである。
従来、道路舗装においてはアスファルト又はコンクリートが用いられている。これらは撥水性、粘着性、弾力性、対衝撃性及び良加工性等を有し、大量に供給されることから、主要な舗装材として広く使用されている。
しかし、特にアスファルト舗装は、高温下において剛性が低下し易く、また、自動車等の繰り返し荷重により容易に磨耗するため、深いわだちが形成され易く、表面排水形式の舗装にあっては、前記わだち部に水が容易に溜まる。そこで、道路舗装の表層部を、アスファルトで被覆した多数の骨材の混合物で構成して透水性アスファルト混合物層として、それらの骨材間に形成される連通した空隙により、道路の表層部から内部へ水が容易に浸透するように構成したものが提供されている。
しかしながら、前記透水性アスファルト混合物層を道路表面に積層した場合には、その表層部が骨材を被覆しているアスファルトを結合剤とした点接触的結合構造であるため、結合強度が弱く、自動車等の繰り返し荷重を受けると、タイヤの摩擦力により相当数の骨材が跳ね飛ばされてしまい、結果として道路舗装面が損傷する。
また、前記透水性アスファルト混合物層の空隙部に、損壊・摩損で生じた骨材等の微粒子が入り込むと、著しく透水性能が劣化する。また、自動車等のタイヤの荷重によるせん断変形が生じて、該透水性アスファルト混合物層の表層部が圧密化されて更に空隙がなくなり、益々透水性能の悪化をきたす。さらに、アスファルトは太陽光線及び空気中の酸素の作用を受けて、その特性が著しく劣化するため、透水性アスファルト混合物層の骨材間の結合強度が一層低下し、その結果、前記表層部の損壊・摩耗及び圧密化を促進させる。
そこで、前記問題点を解決する方法として、道路基盤層上あるいは道路基盤層上のアスファルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空隙を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリート層で敷き均し、暫時放置して重合硬化する排水性道路舗装構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、耐退色性、耐候性及び透水性に優れた表面舗装材として、骨材をエポキシ樹脂で接着したことからなる透水性舗装材において、その舗装材の表面にポリウレタンを塗布した、耐退色性、透水性表面舗装材が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−255910号公報
特開平6−207401号公報
しかしながら、前記特許文献1の排水性道路舗装構造の表面部は、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂であるため、太陽光線の照射及び空気中の酸素の作用を受けて経年劣化し、その特性が著しく劣化するため、透水性樹脂コンクリート層の結合強度が低下し、その結果として、前記透水性樹脂コンクリート層の表層部の変色、損壊及び摩耗を促進させるという問題があった。また、酸性雨への対策は考慮されておらず、さらに、雑草防止が必要な場所等への施工には、道路舗装構造の複雑さと高コストのため不適であった。
また、前記特許文献2の耐退色性、透水性表面舗装材は、骨材をエポキシ樹脂で接着した後、その表面にポリウレタンを塗布しているため、雨水を透水性コンクリート層に排水させる空隙が減少して、透水性能が低下するという問題があった。また、酸性雨への対策は考慮されておらず、さらに、雑草防止が必要な場所等への施工は、エポキシ樹脂が高価であるため、施工コストが高くなるという問題があった。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1ではセメント、骨材、水及び消石灰を混練して得られた混合物により透水性コンクリート層を形成し、該透水性コンクリート層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆した透水性舗装構造としている。また、請求項2では、前記透水性コンクリート層の内部に、補強材を設けた透水性舗装構造としている。また、請求項3では、前記透水性コンクリート層がブロック体であることを特徴とする透水性舗装構造としている。
請求項4では、土系舗装材と、フライアッシュと、セメントを、アルカリ性の硬化剤を加えて混錬して透水性雑草防止層を形成し、該透水性雑草防止層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆した透水性舗装構造としている。また、請求項5では前記透水性雑草防止層の内部に補強材を設けた透水性舗装構造としている。また、請求項6では前記土系舗装材は、真砂土、関東ローム、砂質土壌、浚渫土又は産廃土のいずれか、又は2以上を混合した透水性舗装構造としている。
請求項7では、前記補強材は、金網、多孔板又は格子状構造物である透水性舗装構造としている。また、請求項8では前記透水性塗料は、カラー塗料である透水性舗装構造としている。
本発明の請求項1はセメント、骨材、水及び消石灰を混練して得られた混合物により透水性コンクリート層を形成し、該透水性コンクリート層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆した透水性舗装構造である。また、請求項2は前記透水性コンクリート層の内部に補強材を設けており、請求項3は前記透水性コンクリート層をブロック体としている。したがって、表面にポリウレタン樹脂を被覆しているので、耐退色性および耐候性に優れている。また、骨材に消石灰を混練しているので、雨水が酸性雨の場合でも、前記透水性コンクリート層を通過する際に、前記酸性雨が消石灰で中和されて地中に透過するので、地球環境保護を図ることができる。また、透水性コンクリート層の中層部に補強材を敷設することにより、透水性舗装構造の損壊及び摩耗を防止することができる。さらに、透水性コンクリート層をブロック体に形成することにより、道路等への直接舗装かブロック体による舗装かの選択肢が広がることで、環境や景観により適した施工手段の選択が可能となる。
本発明の請求項4は、土系舗装材と、フライアッシュと、セメントを、アルカリ性の硬化剤を加えて混錬して透水性雑草防止層を形成し、該透水性雑草防止層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆した透水性舗装構造である。また、請求項5は前記透水性雑草防止層の内部に補強材を設けており、請求項6では前記土系舗装材は、真砂土、関東ローム、砂質土壌、浚渫土又は産廃土のいずれか、又は2以上を混合した透水性舗装構造である。したがって、表面にポリウレタン樹脂を被覆しているので、耐退色性および耐候性に優れている。また、雑草防止を目的とした場所等の表面舗装を簡単かつ低価格で施工することができる。さらに、透水性表面層の中層部に補強材を敷設することにより、前記透水性雑草防止層の損壊及び摩耗を防止することができる。
本発明の請求項7は前記補強材が、金網、多孔板又は格子状構造物である透水性舗装構造であり、請求項8は前記透水性塗料が、カラー塗料である。したがって、補強材として金網、多孔板又は格子状構造物を用いているので、施工場所や用途に適した補強材を選定することができる。また、透水性塗料をカラー塗料としているので、施工場所の環境や景観に合わせることができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施が可能である。図1は本発明の第一実施形態を示す断面図であり、図2は第二の実施形態を示す断面図である。図1において、路盤5の上に透水性コンクリート層1が敷設される。該透水性コンクリート層1の表面は、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液がブラシ等により塗布され、透水性を保持するための隙間調整処理が行われる。隙間調整処理を行った透水性コンクリート層の表面には、透水性塗料が塗布された後、ポリウレタン樹脂2が被覆されている。
透水性コンクリート層1に用いるセメントは、1m3の透水性コンクリートを形成するために400kgを用い、これに水90kgと消石灰20kg(セメントの5%)を加える。セメントは、通常、JIS R5210(1997)で規定されているポルトランドセメントを用いるが、混合ポルトランドセメントを用いてもよい。混合ポルトランドセメントには、JIS R5211の高炉セメント、JIS R5212のシリカセメント及びJIS R5213のフライアッアシュセメントがある。
透水性コンクリート層1に用いる骨材には砕石(例えば、兵庫県夢前町産、比重1.5)を用い、1m3の透水性コンクリート層1を形成するために1500kg使用する。砕石は粒径2mm以上から3mm未満、3mm以上から7mm未満、及び7mm以上から8mm未満の3種類に分別し、2mm以上から3mm未満の砕石を20%以上、より好ましくは25%〜35%含み、7mm以上から8mm未満の砕石を20%以上、より好ましくは25%〜35%含み、3mm以上から7mm未満の砕石を残量として含むものとしている。
施工手順は、セメント、骨材、水及び消石灰を施工場所においてミキサー等で混練して、得られた透水性コンクリートの混合物を、基礎砕石(粒径7mm〜13mm)で形成した路盤5(通常は100mm程度)上に、所望厚さ(通常は100mm程度)より更に20%余分に盛る。該透水性コンクリート層1の表面にコンパネを置き、平面ランマーで締め固めて、木ゴテでたたいて仕上げる。
次に、前記透水性コンクリート層1の表面を、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液をブラシ等により塗布して、透水性を保持するための隙間調整処理を行う。隙間調整処理を行った透水性コンクリート層の表面には、透水性塗料、より望ましくは透水性を有する水溶性塗料を塗布した後、ポリウレタン樹脂2を被覆する。該ポリウレタン樹脂2(高耐候性透水ポリウレタンで、脂肪族系、湿気硬化型のもの)は、0.1〜0.3mm厚さで被覆することが望ましい。ポリウレタン樹脂2は反応速度が遅いので、硬化速度を調整するためにアミン系又はスズ系の触媒を用いる。また、ポリウレタン樹脂2の被覆は、被覆面積又は場所に応じて刷毛、ローラー又は塗工ガンを用いる。なお、透水性コンクリート層の硬化には約72時間必要であり、水分保護のためにシート養生を行う。
透水性コンクリート層1の亀裂を防止するために、図2に示すように該透水性コンクリート層1の中層部に補強材3を設けている。該補強材3には、金網、多孔板又は格子状構造物を用いることができるが、図2では金網を用いた実施形態を示している。金網としては、JIS G3551の溶接金網、JIS G3552のひし形金網、JIS G3553のクリンプ金網、JIS G3554のきっ甲金網、JIS G3555の織金網等がある。また、多孔板としては、平板に開口率50〜90%の孔を穿設したものとし、該孔の形状は円、楕円、長方形、多角形又は星形或いはこれらを組合せたものとする。格子状構造物としては、鉄系又は非鉄系の線材(鉄筋)等を素材として、同一方向又は縦横に組合せて形成したものである。
施工手順は、まず、セメント、骨材、水及び消石灰を施工場所においてミキサー等で混練して、得られた透水性コンクリートの混合物を、基礎砕石(粒径7mm〜13mm)で形成した路盤5上に、所望厚さ(通常は100mm程度)の60%程度の厚さに盛り、表面をほぼ平面に均した後、線径4.5mmで網目100mm×100mmの金網を敷設し、更にその上部に透水性コンクリートを所望厚さ(通常は100mm程度)の60%程度の厚さに盛り、透水性コンクリート層1の表面にコンパネを置き、平面ランマーで締め固めて木ゴテでたたいて仕上げる。したがって、金網は透水性コンクリート層1のほぼ中央部に位置することになる。次に、前記透水性コンクリート層1の表面を、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液をブラシ等により塗布して、透水性を保持するための隙間調整処理を行う。隙間調整処理を行った透水性コンクリート層の表面には、透水性塗料、より望ましくは透水性を有する水溶性塗料を塗布した後、ポリウレタン樹脂2を被覆する。該ポリウレタン樹脂2(高耐候性透水ポリウレタンで、脂肪族系、湿気硬化型のもの)は、0.1〜0.3mm厚さで被覆することが望ましい。ポリウレタン樹脂2は反応速度が遅いので、硬化速度を調整するためにアミン系又はスズ系の触媒を用いる。また、ポリウレタン樹脂2の被覆は、被覆面積又は場所に応じて刷毛、ローラー又は塗工ガンを用いる。なお、透水性コンクリート層の硬化には約72時間必要であり、水分保護のためにシート養生を行う。
図3は本発明の第三実施形態を示すもので、(a)は平面図、(b)はA−A線断面図である。図3は、縦300mm×横300mm×厚さ80mmのブロック体に形成されたものを示している。本実施形態の施工手順は、まず、セメント、骨材、水及び消石灰をミキサー等で混練して、得られた透水性コンクリートの混合物を、型枠(図示せず)の厚さの半分より多い程度に充填し、表面をほぼ平面に均した後、全面に線径4.5mmで網目100mm×100mmの金網と、周囲及び格子状に線径10mmの異径鉄筋を敷設し、更にその上部に前記透水性コンクリートの混合物を型枠に盛り上る程度に充填し、プレス装置(図示せず)を用いて成形する。なお、前記プレス装置に代えて加振装置(図示せず)を用いて型枠に振動を加えるか、或いは両装置を用いて成形することも可能である。これにより、金網及び異径鉄筋はブロック体の厚さの略中央部に位置することになる。
次に、前記型枠から脱型したブロック体の上面を、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液をブラシ等により塗布して、透水性を保持するための隙間調整処理を行ない、透水性塗料、より望ましくは透水性を有する水溶性塗料を塗布した後、ポリウレタン樹脂2を被覆する。該ポリウレタン樹脂2(高耐候性透水ポリウレタンで、脂肪族系、湿気硬化型のもの)は、0.1〜0.3mm厚さで被覆することが望ましい。ポリウレタン樹脂2は反応速度が遅いので、硬化速度を調整するためにアミン系又はスズ系の触媒を用いる。また、ポリウレタン樹脂2の被覆は、刷毛、ローラー又は塗工ガンを用いる。また、必要に応じてブロック体の4側面にモルタルを塗布すると、強度を増加させることができる。なお、ブロック体の硬化には約72時間必要であり、水分保護のためにシート養生を行なう。
図4は本発明の第三実施形態の他の実施例を示すもので、(a)は平面図、(b)はA−A線断面図である。図4は、縦450mm×横450mm×厚さ90mmのブロック体に形成されたものを示している。本実施例の施工手順は、前記第三実施形態と略同一である。
図5は第四実施形態を示す断面図である。図5において、地面6の表面に透水性雑草防止層4が敷設される。該透水性雑草防止層4の表面には、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液がブラシ等により塗布され、透水性を保持するための隙間調整処理が行われる。隙間調整処理を行った透水性雑草防止層4の表面には、透水性塗料が塗布された後、ポリウレタン樹脂2が被覆されている。前記透水性雑草防止層4は、土系舗装材と、フライアッシュと、セメントを、アルカリ性硬化剤を加えて混合したものである。
土系舗装材は、真砂土、関東ローム、砂質土壌、凌漢土又は産廃止のいずれか、又は2以上を混合して用いる。前記土系舗装材は水分が少ない乾燥土が望ましく、特に好ましくは乾燥した真砂土である。真砂土は、西目本特有の地層で花崗岩が風化してできた茶色の土であり、粒が細かくて泥分も少なく、粘着性がなく排水も良好であるので、最近ではコンクリートの骨材としての利用が検討され始めている。本実施形態では、兵庫県淡路島産(比重1.8)の真砂土を用いた。また、真砂土は、粒径1.5mm以下のものを除去することにより、透水性をより向上させることができる。
フライアッシュは、火力発電又はビルの暖房のためにボイラー等で石炭や石油を燃焼入させた時に生じる灰を包含するが、より狭義には主として火力発電所で発電のために石炭や石油を燃焼させた時に生じる灰、特に煙道ガス中の細かい灰を包含し、さらに狭義には、JIS A6201(1999)に規定されているものを包含する。
JIS A6201(1999)によれば、フライアッシュは1種から4種からなり、微粉炭燃焼ボイラーから集塵機で採取する微小な灰の粒子であって、シリカ45%以上、湿分1%以下、強熱減量3〜8%以下、密度1.95g/cm3以上、地表面積(ブレーン方法)5000cm2/g以上〜1500cm2/g以上、44μm筋い残分(網ふるい方法)10以下〜70以下と規定されている。本発明に使用するフライアッシュは上記のいずれでもよいが、狭義になるほど好ましい。
セメントは、通常、JIS R5210(1997)で規定されているポルトランドセメントを用いるが、混合ポルトランドセメントを用いてもよい。混合ポルトランドセメントには、JIS R5211の高炉セメント、JIS R5212のシリカセメント及びJIS R5213のブライアツアシュセメントがある。透水性雑草防止層1m3当り、土系舗装材1500〜1800kg、セメント150〜200kg,フライアッシュ50〜200kgの割合で配合し、水を加えながらミキサーで混合する。
施工手順は、施工対象区域の地面6を所定深度に掘削し、その地表全体を略水平に形成する。次に、前記透水性雑草防止層4を前記地表に流し込んで約100mmの厚さになるように転圧する。次に、前記透水性雑草防止層4の表面に、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液をブラシ等により塗布し、透水性を保持するための隙間調整処理を行う。隙間調整処理を行った透水性雑草防止層4の表面には、透水性塗料を塗布した後、ポリウレタン樹脂2を被覆する。ポリウレタン樹脂2(高耐候性透水ポリウレタンで、脂肪族系、湿気硬化型のもの)は、0.1〜0.3mm厚さで被覆する。ポリウレタン樹脂2は反応速度が遅いので、硬化速度を調整するためにアミン系又はスズ系の触媒を用いている。ポリウレタン樹脂2の被覆は、被覆面積又は場所に応じて刷毛、ローラー又は塗工ガンを用いる。
図6は本発明の第五実施形態を示す断面図である。本実施形態では、施工後の経年変化による表面層のひび割れ防止、破損防止のために、透水性雑草防止層4の中層部に補強材3を設けている。施工手順は、施工対象区域の地面6を所定深度に掘削し、その地表全体を略水平に形成する。次に、前記透水性雑草防止層4を前記地表に所望厚さ(通常は100mm程度)の60%程度の厚さに盛り、表面をほぼ平面に均した後、線径4.5mmで網目100mm×100mmの金網を敷設し、更にその上部に透水性コンクリートを所望厚さ(通常は100mm程度)の60%程度の厚さに盛り、透水性雑草防止層の表面にコンパネを置き、平面ランマーで締め固めて木ゴテでたたいて仕上げる。したがって、金網は透水性雑草防止層のほぼ中層部に位置することになる。
次に、前記透水性雑草防止層4の表面に、セメント、骨材、水及び消石灰の混合液をブラシ等により塗布し、透水性を保持するための隙間調整処理を行なう。隙間調整処理を行った透水性雑草防止層4の表面には、透水性塗料が塗布した後、ポリウレタン樹脂2を被覆する。ポリウレタン樹脂2(高耐候性透水ポリウレタンで、脂肪族系、湿気硬化型のもの)は、0.1〜0.3mm厚さで被覆する。ポリウレタン樹脂2は反応速度が遅いので、硬化速度を調整するためにアミン系又はスズ系の触媒を用いている。ポリウレタン樹脂2の被覆は、被覆面積又は場所に応じて刷毛、ローラー又は塗工ガンを用いる。
前記補強材3には、金網、多孔板又は格子状構造物を用いる。金網としては、JIS G3551の溶接金網、JIS G3552のひし形金網、JIS G3553のクリンプ金網、JIS G3554のきっ甲金網、JIS G3555の織金網などを用いる。また、多孔板としては、平板に開口率50〜90%の孔を穿設したものとし、該孔の形状は円、楕円、長方形、多角形又は星形或いはこれらを組合せたものとする。格子状構造物としては、鉄系又は非鉄系の線材等を素材として、同一方向又は縦横に組合せて形成したものである。
前記透水性塗料は、透水性舗装構造(透水性コンクリート層、ブロック体及び透水性雑草防止層)の表面を着色し、視認性や美観を向上させるために塗布するものである。したがって、透水性を有するカラー塗料であって、望ましくは水溶性カラー塗料を用いる。なお、透明の塗料を用いることや、塗料を塗布しない場合でも、耐退色性、耐候性は略同一である。
以下の組成に調合した透水性舗装構造を製造して暴露試験を実施した。事例1として、骨材として砕石(兵庫県夢前町産、比重1.5)を用い、粒径別配合比率は、2mm以上3mm未満を30%、3mm以上7mm未満を40%、7mm以上8mm未満を30%とした。そして全体の構成比率は、透水性コンクリート1m3当り、骨材1500kg、セメント400kg、水90kg及び消石灰20kg(セメントの5%)である。本透水性コンクリート層の表面部には、透水性水溶性カラー塗料を塗布した後、ポリウレタン樹脂を0.1〜0.3mm厚さで被覆した。また、事例2として、透水性コンクリート層の中層部に補強材として鉄製金網(100m角)を設けた。これをJIS A1410(1968)の屋外暴露試験方法に基づき暴露試験を行った。その結果、いずれも表面は変色せず、7年間の耐退色性および耐候性があることが実証された。また、前記透水性舗装構造は消石灰を添加しているので、酸性雨を透過させた場合にphの向上が認められ、ph8.8〜9.0が得られた
また、前記の透水性コンクリートについて、最大荷重試験、圧縮試験、透水性試験を実施するために、直径15mm、長さ30mmの供試体を、通常のコンクリート成型法によって3個作成した。試験は、いずれも30日程度の養生期間を経てから行った。なお、圧縮試験はJIS A1108「コンクリートの圧縮試験方法」により、また透水性試験については、JIS A1218「土の透水試験方法」により、いずれも3個の供試体について行った。
上記試験結果によれば、最大荷重は296kN,300kN、259kN、圧縮強度は16.8N/mm2,17.0N/mm2、14.7N/mm2、透水係数は3.8×10−2cm/秒であり、従来製品に比べ強度および透水性とも遜色のないものであった。
なお、前記透水性舗装構造には、以上の組成の他、適宜増粘剤などの添加物を適当に添加して用いてもよい。上述したように、前記透水性舗装構造は単なる舗装材としてだけでなく、水を貯留することが不都合となる施設の構造や壁、雨水を地下水として還元することが好ましい施設や装置等に適用できるものである。
以下の組成に調合した透水性舗装構造を製造し、送電用鉄塔敷地内に施工して暴露試験を実施した。事例1として、透水性雑草防止層1m3当り、真砂土1800kg、セメント200kg、フライアッシュ160kgにアルカリ性の硬化剤を加えて配合し、水を加えながらミキサーで混合した。砕石層に用いる砕石は、平均粒径が2〜20mmの砕石を用いた。本透水性雑草防止層の表面部には、透水性水溶性カラー塗料を塗布した後、ポリウレタン樹脂を0.1〜0.3mm厚さで被覆した。また、事例2として、前記透水性雑草防止層の中層部に補強材として鉄製金網(100m角)を設けた。これをJIS A1410(1968)の屋外暴露試験方法に基づき暴露試験を行った。その結果、いずれも表面は変色せず、7年間の耐退色性および耐候性があることが実証された。また、施工後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月について雑草の生育状況を観察した結果、いずれも雑草防止舗装構造の表面には雑草等の生育は認められなかった。
また、前記の透水性雑草防止層について、最大荷重試験、圧縮試験、透水性試験を実施するために、直径15mm、長さ30mmの供試体を、通常のコンクリート成型法によって3個作成した。試験は、いずれも30日程度の養生期間を経てから行った。なお、圧縮試験はJIS A1108「コンクリートの圧縮試験方法」により、また透水性試験については、JIS A1218「土の透水試験方法」により、いずれも3個の供試体について行った。
上記試験結果によれば、最大荷重は223kN,223kN、323kN、圧縮強度は12.6N/mm2,12.6N/mm2、18.3N/mm2、透水係数は3.8×10−2cm/秒であり、従来製品に比べ強度および透水性とも遜色のないものであった。
本発明は、歩道、車道、公園、公共広場、通路、駐軍場、運動場又は送電用鉄塔敷地内などの舗装に適用できる、耐退色性、耐候性、視認性及び美観性を兼ね備えた透水性舗装構造である。また、直接地面等に舗装するか、ブロック体を敷設するかの選択が可能であるため、戸外の様々な場所への適用が可能である。
1 透水性コンクリート層
2 ポリウレタン樹脂
3 補強材
4 透水性雑草防止層
5 ブロック体
6 透水性塗料
7 金網
8 鉄筋
9 路盤
10 地面
2 ポリウレタン樹脂
3 補強材
4 透水性雑草防止層
5 ブロック体
6 透水性塗料
7 金網
8 鉄筋
9 路盤
10 地面
Claims (8)
- セメント、骨材、水及び消石灰を混練して得られた混合物により透水性コンクリート層を形成し、該透水性コンクリート層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆したことを特徴とする透水性舗装構造。
- 前記透水性コンクリート層の内部に、補強材を設けたことを特徴とする請求項1記載の透水性舗装構造。
- 前記透水性コンクリート層がブロック体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の透水性舗装構造。
- 土系舗装材と、フライアッシュと、セメントを、アルカリ性の硬化剤を加えて混錬して透水性雑草防止層を形成し、該透水性雑草防止層の表面を隙間調整処理し、隙間調整処理後の表面に透水性塗料を塗布した後ポリウレタン樹脂を被覆したことを特徴とする透水性舗装構造。
- 前記透水性雑草防止層の内部に補強材を設けたことを特徴とする請求項4記載の透水性舗装構造。
- 前記土系舗装材は、真砂土、関東ローム、砂質土壌、浚渫土又は産廃土のいずれか、又は2以上を混合したことを特徴とする請求項4〜5のいずれかに記載の透水性舗装構造。
- 前記補強材は、金網、多孔板又は格子状構造物であることを特徴とする請求項2又は4のいずれかに記載の透水性舗装構造。
- 前記透水性塗料は、カラー塗料であることを特徴とする請求項1又は4に記載の透水性舗装構造。
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