JP2005066724A - ドライブラスト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 装置の小型軽量化を図り、作業環境、電力消費等を改善することにより、比較的小規模な事業所等でも用いることのできるブラスト装置及びそれを用いたブラスト方法を提供する。
【解決手段】 管路2は分配弁75(分岐点A)に接続されている。分配弁75で分岐した一方の管路4では、圧縮空気は、エアガン40から流出する際にエジェクタ作用により生ずる負圧により吸引した研磨材Pを加速して、ワークWの主表面に噴射・衝突した後、ホッパ30に回収・再利用させる(管路8)ための圧送気体として流通する。分配弁75で分岐した他方の管路5では、圧縮空気は、排出パイプ50を通過する際にエジェクタ76に生ずる負圧により容器20内を大気圧以下に維持し、ワークWの主表面を研掃処理後に容器20内に浮遊する研磨材Pを主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに排出パイプ50から容器20外に吸引・排出させ(管路6)、収容袋60に収容する(管路7)ための吸引気体として流通する。
【選択図】 図5
【解決手段】 管路2は分配弁75(分岐点A)に接続されている。分配弁75で分岐した一方の管路4では、圧縮空気は、エアガン40から流出する際にエジェクタ作用により生ずる負圧により吸引した研磨材Pを加速して、ワークWの主表面に噴射・衝突した後、ホッパ30に回収・再利用させる(管路8)ための圧送気体として流通する。分配弁75で分岐した他方の管路5では、圧縮空気は、排出パイプ50を通過する際にエジェクタ76に生ずる負圧により容器20内を大気圧以下に維持し、ワークWの主表面を研掃処理後に容器20内に浮遊する研磨材Pを主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに排出パイプ50から容器20外に吸引・排出させ(管路6)、収容袋60に収容する(管路7)ための吸引気体として流通する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、ガラス彫刻のためのサンドブラスト処理等に用いられるブラスト装置及びブラスト方法に関する。
サンドブラスト装置に代表されるブラスト装置(研掃装置ともいう)は、従来より、鋳造品や金型の表面清掃・バリ取り、熱処理品のスケール除去(例えば鍛造品の黒皮除去)等に広く用いられている。また、近年では、導線の絶縁被膜除去、自動車修理工場・機械部品製造工場等での錆落しや塗膜除去、歯科技工での義歯表面の研磨、印房での印面の彫刻・研磨、ガラス工房でのガラス表面の彫刻・研磨、障害者施設でのこれらの諸作業等にも使用される場合がある。
そして、いずれのブラスト装置でも、特許文献1〜4に示すような基本的構成を有している。すなわち、エアコンプレッサ(気体圧発生源)で発生した空気によって加速された研磨材等(粉粒体)が、密閉状の容器内においてエアガン(噴射部)からワーク表面(被処理物の主表面)に噴射されて衝突し表面を剥離除去する。また、ダストコレクタ(集塵機)によって容器内が大気圧以下に維持され、ワーク表面を研掃処理後に容器内に浮遊する研磨材等が、表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに排気ダクト(排出部)から容器外に排出される。
このように、特許文献1〜4に示すブラスト装置では、研磨材等にエネルギーを与えて加速するためのエアコンプレッサと、容器内を大気圧以下に維持するためのダストコレクタとをともに備える必要がある。このため、ブラスト装置が大型化して大規模工場等にしか設置できなくなるおそれがある。また、研掃処理の際には、エアコンプレッサとダストコレクタとを同時に稼動させなければならない。このため、騒音・振動等の作業環境悪化に伴う加工精度の低下、電力消費量の増大による加工コストの上昇等も加わることとなり、小規模事業所等においてこのようなブラスト装置を導入するには困難が伴う。特に、例えば、このようなブラスト装置を用いて一般家庭でコップ等のガラス表面に彫刻・研磨を実施しようとしても、上記した設置場所、作業環境、電力消費等の条件を満足できず、趣味のガラス工芸の普及を妨げる一因となっていた。
本発明の課題は、装置の小型軽量化を図り、作業環境、電力消費等を改善することにより、比較的小規模な事業所等でも用いることのできるブラスト装置及びそれを用いたブラスト方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るブラスト装置は、
研磨材等の研掃体に所定のエネルギーを付与するための研掃体駆動源と、エネルギー付与された研掃体を密閉状の容器内において被処理物の主表面に噴射させ衝突させるための噴射部と、噴射された研掃体を前記容器外に吸引し排出するための排出部とを有し、前記容器内で被処理物の主表面を研掃処理するブラスト装置であって、
前記研掃体駆動源で発生した流体が2つの系統に分岐され、
そのうちの一方の系統では、前記噴射部から流出する際に生ずる負圧により吸引した研掃体を加速して、被処理物の主表面に噴射・衝突させるための圧送流体として流通し、
他方の系統では、前記排出部を通過する際に生ずる負圧により前記容器内を大気圧以下に維持し、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する研掃体を主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に吸引・排出させるための吸引流体として流通することを特徴とする。
研磨材等の研掃体に所定のエネルギーを付与するための研掃体駆動源と、エネルギー付与された研掃体を密閉状の容器内において被処理物の主表面に噴射させ衝突させるための噴射部と、噴射された研掃体を前記容器外に吸引し排出するための排出部とを有し、前記容器内で被処理物の主表面を研掃処理するブラスト装置であって、
前記研掃体駆動源で発生した流体が2つの系統に分岐され、
そのうちの一方の系統では、前記噴射部から流出する際に生ずる負圧により吸引した研掃体を加速して、被処理物の主表面に噴射・衝突させるための圧送流体として流通し、
他方の系統では、前記排出部を通過する際に生ずる負圧により前記容器内を大気圧以下に維持し、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する研掃体を主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に吸引・排出させるための吸引流体として流通することを特徴とする。
この場合、上記課題を解決するために本発明に係るブラスト方法は、
前記研掃体駆動源で発生した流体によって加速された研掃体が、前記容器内において前記噴射部から被処理物の主表面に噴射されて衝突し主表面を剥離除去する一方、
前記研掃体駆動源で発生した流体によって前記容器内が大気圧以下に維持され、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する研掃体が、主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に排出されることを最も主要な特徴とする。
前記研掃体駆動源で発生した流体によって加速された研掃体が、前記容器内において前記噴射部から被処理物の主表面に噴射されて衝突し主表面を剥離除去する一方、
前記研掃体駆動源で発生した流体によって前記容器内が大気圧以下に維持され、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する研掃体が、主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に排出されることを最も主要な特徴とする。
このようなブラスト装置(又はブラスト方法)によれば、研掃体駆動源が、研磨材等の研掃体にエネルギーを与えて加速する機能と、容器内を大気圧以下に維持する機能とを備えているので、集塵機を要せず大幅な小型軽量化が可能となる。これによって、設置面積を小さくすることができ、また、騒音・振動等の軽減による作業環境の改善と加工精度の向上、節電による加工コストの抑制等を図ることができる。したがって、比較的小規模な事業所や一般家庭でも用いることができるようになり、ブラスト装置(又はブラスト方法)の用途を拡大することができる。
さらに、噴射部からの研掃体の噴射と容器からの浮遊研掃体等の吸引とを、1個の作動スイッチで容易に同時ON・OFF操作(開始・停止)できるので、従来のように噴射部停止時に集塵機が空運転するような無駄がなくなる。しかも、研掃体駆動源の吐出圧力又は2系統の分岐点より上流側に設ける圧力調整手段(レギュレータ)の調整圧力を調節することによって、噴射部からの研掃体の噴射圧力と容器からの浮遊研掃体等の吸引圧力とを同時に比例調整できる。したがって、容器内の圧力を常時大気圧以下に保持しやすくなり、浮遊研掃体や浮遊塵埃等が容器外へ吹き出すことによる環境汚染を防止できる。
なお、研掃体を加速する流体に空気等の気体を用いた場合には、研掃体駆動源として圧縮機、送風機(ファン、ブロワ)等が用いられ(ドライ方式)、水等の液体を用いた場合には、研掃体駆動源としてポンプ等が用いられる(ウェット方式)。ドライ方式では、研掃体として、金剛砂、研磨材等の粉粒体(サンドブラスト装置)、先鋭な稜角を有しないショット(ショットブラスト装置)、先鋭な稜角を有するグリッド(グリッドブラスト装置)等が使用される。一方、ウェット方式では、粉粒体に水を加えてスラリー状等にした研掃体が使用される。
このようなブラスト装置の容器が、角筒状を呈し、隣接する2つの側面に作業者が左右の腕又は手を挿入するための作業孔をそれぞれ有することが望ましい。これによって、作業者は左右の腕又は手を平面視で交差状に挿入して研掃処理作業を行えばよいので、容器の横幅を作業者の肩幅よりも小さくして小型化を図ることができる。
このとき、作業孔の少なくともいずれかが、その属する側面の左右幅方向中央位置よりも他の隣接する側面から遠ざかる方向に偏って(オフセットして;齟齬して)位置している場合には、平面視で容器の横幅又は奥行をさらに縮小することができ、一層小型コンパクトにすることができる。
また、作業孔の少なくともいずれかに隣接して、作業者の腕又は手によってON・OFF操作される作動スイッチが設置されている場合には、作業孔から腕又は手を挿入して作業姿勢をとれば容易に研掃処理作業を開始・停止できるので、ペダルを踏んだりするような付加的な操作を要しない。
さらに、作動スイッチが、作業者の腕又は手が作業孔から容器内に挿入されたときにON操作されて、研掃体駆動源と噴射部と排出部とを同時に作動させるように構成できる。複数の作動スイッチを設けなくともすむため装置が簡素化されるとともに、研掃体駆動源と噴射部と排出部とが作動タイミングのずれを生じないため、例えば噴射部の作動時(噴射開始時)に浮遊研掃体や浮遊塵埃等が容器外へ吹き出すことを防止できる。
また、上記課題を解決するために本発明に係るブラスト装置の具体的態様は、
研掃体としての粉粒体を貯留するための貯留部と、粉粒体に所定のエネルギーを付与するための研掃体駆動源としての気体圧発生源と、エネルギー付与された粉粒体を密閉状の容器内において被処理物の主表面に噴射させ衝突させるための噴射部と、噴射された粉粒体を前記容器外に吸引し排出するための排出部と、その排出部から排出された粉粒体を収容するための収容部とを有し、前記容器内で被処理物の主表面を研掃処理するブラスト装置であって、
前記気体圧発生源で発生した気体が2つの系統に分岐され、
そのうちの一方の系統では、前記噴射部から流出する際に生ずる負圧により吸引した粉粒体を加速して、被処理物の主表面に噴射・衝突させた後前記貯留部に回収・再利用させるための圧送気体として流通し、
他方の系統では、前記排出部を通過する際に生ずる負圧により前記容器内を大気圧以下に維持し、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する粉粒体を主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に吸引・排出させ、前記収容部に収容するための吸引気体として流通することを特徴とする。
研掃体としての粉粒体を貯留するための貯留部と、粉粒体に所定のエネルギーを付与するための研掃体駆動源としての気体圧発生源と、エネルギー付与された粉粒体を密閉状の容器内において被処理物の主表面に噴射させ衝突させるための噴射部と、噴射された粉粒体を前記容器外に吸引し排出するための排出部と、その排出部から排出された粉粒体を収容するための収容部とを有し、前記容器内で被処理物の主表面を研掃処理するブラスト装置であって、
前記気体圧発生源で発生した気体が2つの系統に分岐され、
そのうちの一方の系統では、前記噴射部から流出する際に生ずる負圧により吸引した粉粒体を加速して、被処理物の主表面に噴射・衝突させた後前記貯留部に回収・再利用させるための圧送気体として流通し、
他方の系統では、前記排出部を通過する際に生ずる負圧により前記容器内を大気圧以下に維持し、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する粉粒体を主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に吸引・排出させ、前記収容部に収容するための吸引気体として流通することを特徴とする。
この場合に、上記課題を解決するために本発明に係るブラスト方法の具体的態様は、
前記気体圧発生源で発生した気体によって加速された粉粒体が、前記容器内において前記噴射部から被処理物の主表面に噴射されて衝突し主表面を剥離除去した後前記貯留部に回収され再利用される一方、
前記気体圧発生源で発生した気体によって前記容器内が大気圧以下に維持され、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する粉粒体が、主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に排出され、前記収容部に収容されることを最も主要な特徴とする。
前記気体圧発生源で発生した気体によって加速された粉粒体が、前記容器内において前記噴射部から被処理物の主表面に噴射されて衝突し主表面を剥離除去した後前記貯留部に回収され再利用される一方、
前記気体圧発生源で発生した気体によって前記容器内が大気圧以下に維持され、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する粉粒体が、主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に排出され、前記収容部に収容されることを最も主要な特徴とする。
このようなブラスト装置(又はブラスト方法)においても、集塵機を要せず大幅な小型軽量化が可能となるので、設置面積の縮小、騒音・振動等の軽減による作業環境の改善と加工精度の向上、節電による加工コストの抑制、用途の拡大等を図ることができる。また、上記と同様にして集塵機の空運転をなくし、かつ、噴射部からの粉粒体の噴射圧力と容器からの浮遊粉粒体等の吸引圧力とを同時に比例調整できるため、容器内の圧力を常時大気圧以下に保持しやすくなり、浮遊粉粒体や浮遊塵埃等が容器外へ吹き出すことによる環境汚染を防止できる。さらに、エアコンプレッサ等の気体圧発生源で発生した空気等の気体のみによって、(1)噴射部からの貯留粉粒体の噴射、(2)粉粒体の貯留部での循環使用(回収・再利用)、(3)容器内の大気圧以下への維持、(4)排出部からの容器内浮遊粉粒体等の吸引、(5)排出粉粒体等の収容部への捕捉(収容)、がすべて達成されるので、研掃処理が一層簡素化され、小型コンパクト化が促進される。
このようなブラスト装置の貯留部には、貯留部に堆積する粉粒体のブリッジ現象を防止するために、気体圧発生源で発生した気体を導入して気泡を発生させる気泡発生部を設けることが望ましい。気泡発生部により、例えば堆積粉粒体の吸引部付近等で気泡を発生させる(バブリングする)ことによって、粉粒体のブリッジを崩壊させて貯留部での詰まりを防止し、粉粒体の循環使用(回収・再利用)をスムーズに行わせることができる。
そして、この気泡発生部が、2つの系統の分岐点よりも上流側で気体圧発生源に接続されている場合には、噴射部からの粉粒体の噴射がOFF操作(一時停止)されているときでも、気体圧発生源が稼動している限り気泡発生部は作動(バブリング)状態に保持される。これによって、噴射部からの粉粒体の噴射がON操作(再開)されたときに、貯留部でのブリッジ現象の発生を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明に係るブラスト装置(研掃装置)の一実施例としてのサンドブラスト装置の斜視図である。また、図2はその正面図、図3はその側面図、図4はその平面図、図5はその配管図をそれぞれ示す。図5に示すように、サンドブラスト装置100は、研磨材P(粉粒体;研掃体;ブラスト体)に所定のエネルギーを付与するためのエアコンプレッサ10(気体圧発生源;研掃体駆動源)と、内部でガラスコップ等のワークW(被処理物)の主表面を研掃処理するための密閉状の容器20とを備えている。
容器20は、図2に示すように、有底で縦型四角筒状(断面矩形状)の本体部21と、本体部21を上方から覆って密閉するガラス扉22とから構成されている。本体部21は、頂部の手前側(作業者側)がやや低く奥側(背面側)がやや高くなるように傾斜がつけられ、その内部にホッパ30(貯留部)とエアガン40(噴射部)とを有する。そして、図1に示すように、容器20の外部には、排出パイプ50(排出部)と収容袋60(収容部)とを有している。
図2において、ホッパ30は、研磨材Pを貯留するために、本体部21の下部において逆四角錐状に形成され、上部には落下してきたごみ等をホッパ30に混入しないように受け止めるためのパンチングメタル31が設けられている。ホッパ30の下部には吸引部33(後述する管路8の開口部)が開口し、エアコンプレッサ10(図5参照)で発生した圧縮空気がエアガン40から流出する際にエジェクタ作用により生ずる負圧により研磨材Pを吸引する。吸引部33の近傍には気泡発生部32(後述する管路3の開口部)が開口し、エアコンプレッサ10で発生した圧縮空気が供給されるように接続され、吸引部33から吸引される研磨材Pにブリッジ現象が発生しないようにバブリング(気泡発生)が行われる。なお、圧縮空気によってエネルギー付与され加速された研磨材Pは、密閉状の容器20内においてエアガン40からワークWの主表面に噴射され衝突することにより、主表面を研掃処理(剥離除去)する。
図1において、排出パイプ50は、ワークWの主表面を研掃処理して容器20内に浮遊する研磨材Pを主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに、後述するように大気圧以下に維持される容器20から外に吸引・排出させる。収容袋60は、容器20内に浮遊する研磨材Pや浮遊塵埃の中で、排出パイプ50から吸引・排出されたものを収容し、空気が流通できるように、目の細かい布で構成されている。
図4に戻り、容器20(本体部21)には、隣接する2つの側面23,24(例えば手前側側面と右側側面)に、作業者が左右の腕を挿入するための作業用ゴム手袋23b,24bが付設された円形の作業孔23a,24aがそれぞれほぼ同じ高さに形成されている。これによって、作業者は左右の腕を平面視で交差状に(例えばほぼL字状に)挿入して研掃処理作業を行うことになり、容器20(本体部21)の作業者対向側側面(正面)の横幅W1を作業者の肩幅WSよりも小さくすることができる。
また、一方の作業孔23aの中心位置Laは、側面23の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面24から遠ざかる方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。これによって、容器20(本体部21)の横幅W1をさらに縮小することができる。さらに、本実施例では、他方の作業孔24aの中心位置Laは、側面24の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面23に近づく方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。なお、26は、容器20(本体部21)の背面側の側面25の左右幅方向中央位置Lに中心位置Laを一致させて配置された空気孔である。この空気孔26は容器20の内外の圧力差を調整するために設けられ、空気の流通を許容しつつ浮遊する研磨材Pや浮遊塵埃を捕捉して容器20からの吹き出しを防止するフィルタ26aが付設されている。
図5の配管図において、エアコンプレッサ10で発生した圧縮空気は、管路1(第一流路)を通り、レギュレータ71(圧力調整手段)、圧力計72、分配弁73を含む調整部70に供給される。分配弁73で分岐した一方の管路2(第二流路)は、作動スイッチ74aを有する2ポート2位置型の切換弁74に接続されている。他方の管路3(第三流路)は、ホッパ30下部の吸引部33近傍に開口する気泡発生部32に接続されている。気泡発生部32でのバブリングによって研磨材Pのブリッジ現象(ホッパ30での詰まり)が防止され、研磨材Pの循環使用(回収・再利用)をスムーズに行うことができる。
図1に示すように、他方の作業孔24aの近傍に(下方に隣接して)、作業者の右腕によってON・OFF操作される作動スイッチ74aが設置されている。これによって、作業孔24aから右腕を挿入して作業姿勢をとれば容易に研掃処理作業を開始・停止できる。
作動スイッチ74aは、作業者の右腕が作業孔24aから容器20内に挿入されたときにON操作され、切換弁74を連通位置(図5の位置)に移動させることにより、エアコンプレッサ10とエアガン40と排出パイプ50とを同時に作動させるように構成されている。これによって、エアコンプレッサ10とエアガン40と排出パイプ50とが作動タイミングのずれを生じないため、例えばエアガン40の作動時(噴射開始時)に浮遊研磨材Pや浮遊塵埃等が容器20外へ吹き出すことがない。
図5に戻り、管路2はさらに分配弁75(分岐点A)に接続されている。分配弁75で分岐した一方の管路4(第四流路)では、圧縮空気は、エアガン40から流出する際にエジェクタ作用により生ずる負圧により吸引した研磨材Pを加速して、ワークWの主表面に噴射・衝突した後、ホッパ30に回収・再利用させる(管路8(第八流路))ための圧送気体として流通する。分配弁75で分岐した他方の管路5(第五流路)では、圧縮空気は、排出パイプ50を通過する際にエジェクタ76に生ずる負圧により容器20内を大気圧以下に維持し、ワークWの主表面を研掃処理後に容器20内に浮遊する研磨材Pを主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに排出パイプ50から容器20外に吸引・排出させ(管路6(第六流路))、収容袋60に収容する(管路7(第七流路))ための吸引気体として流通する。
なお、エアガン40からの研磨材Pの噴射圧力と容器20からの浮遊研磨材P等の吸引圧力とは、調整部70により同時に比例調整できる。これによって、容器20内の圧力を常時大気圧以下に保持しやすくなり、浮遊研磨材Pや浮遊塵埃等が容器20外へ吹き出すことを防止できる。
以上で説明したサンドブラスト装置100の作動について概説する。
(1)エアコンプレッサ10を稼動させ調整部70で圧力調整を行うと、エアコンプレッサ10で発生した圧縮空気は管路1及び3を通り、ホッパ30に開口する気泡発生部32が吸引部33の近傍の研磨材Pをバブリングする(図5)。
(1)エアコンプレッサ10を稼動させ調整部70で圧力調整を行うと、エアコンプレッサ10で発生した圧縮空気は管路1及び3を通り、ホッパ30に開口する気泡発生部32が吸引部33の近傍の研磨材Pをバブリングする(図5)。
(2)次に、作業者が作業孔24aから右腕を挿入すると(図1)、作動スイッチ74aがON操作され、切換弁74が連通位置(図5の位置)に移動し、エアガン40と排出パイプ50とが同時に作動を開始する(図5)。作業者は、作業孔23a,24aから左右の腕を挿入し(図1)、ワークWとエアガン40とをそれぞれ保持しながら、研掃処理作業を行う(図4)。
(3)エアコンプレッサ10で発生した圧縮空気の一部は、管路2及び4を通りエアガン40から流出する際にエジェクタ作用により生ずる負圧により管路8(吸引部33)から吸引した研磨材Pを加速して、ワークWの主表面に噴射・衝突する。その後、研磨材Pはホッパ30に回収され再利用される。
(4)圧縮空気の残部は、管路2及び5を通り排出パイプ50を通過する際にエジェクタ76に生ずる負圧により容器20内を大気圧以下に維持する。さらに、ワークWの主表面を研掃処理後に容器20内に浮遊する研磨材Pを主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに排出パイプ50(管路6)から容器20外に吸引・排出させ、収容袋60に収容する(管路7)。なお、収容袋60に収容された研磨材Pは、ホッパ30の研磨材Pとともに再利用してもよいし、あるいは収容袋60に収容された浮遊塵埃とともに廃棄処分してもよい。
このように、エアコンプレッサ10で発生した圧縮空気によって、(A)エアガン40からの貯留研磨材Pの噴射、(B)研磨材Pのホッパ30での循環使用(回収・再利用)、(C)容器20内の大気圧以下への維持、(D)排出パイプ50からの容器20内浮遊研磨材P等の吸引、(E)排出研磨材P等の収容袋60への捕捉(収容)、がすべて達成される。
次に、図6は図4の容器20の変形例を示す。図6(a)では、他方の作業孔24a’の中心位置Laも、側面24の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面23から遠ざかる方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。これによって、容器20の奥行W2も短縮することができ、横幅W1よりも小に形成できる場合がある。なお、図6(a)において図4と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
図6(b)では、対向する二対の辺がそれぞれ平行な断面五角形状の容器120において、平行でない残りの一辺を含む側面124とそれに隣接する側面123とに作業孔124a,123aがそれぞれ形成されている。一方の作業孔123aの中心位置Laは、側面123の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面124から遠ざかる方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。他方の作業孔124aの中心位置Laも、側面124の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面123から遠ざかる方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。
図6(c)では、断面直角二等辺三角形状の容器220の隣接する2つの側面223,224に作業孔223a,224aがそれぞれ形成されている。一方の作業孔223aの中心位置Laは、側面223の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面224から遠ざかる方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。他方の作業孔224aの中心位置Laも、側面224の左右幅方向中央位置Lよりも隣接する側面223から遠ざかる方向に偏って(すなわち、オフセットして又は齟齬して)位置している。
本実施形態は、サンドブラスト装置を例に説明したが、その他のブラスト装置にも本発明を適用できることはもちろんである。また、実施形態では作動スイッチ74aが管路2の切換弁74を直接切り換える方式を用いたが、作動スイッチ74aのON・OFF操作によって電気的に切換弁74等を切り換えてもよい。
10 エアコンプレッサ(気体圧発生源;研掃体駆動源)
20 容器
23a,24a 作業孔
30 ホッパ(貯留部)
32 気泡発生部
40 エアガン(噴射部)
50 排出パイプ(排出部)
60 収容袋(収容部)
74a 作動スイッチ
100 サンドブラスト装置(ブラスト装置;研掃装置)
P 研磨材(粉粒体;研掃体;ブラスト体)
W ワーク(被処理物)
20 容器
23a,24a 作業孔
30 ホッパ(貯留部)
32 気泡発生部
40 エアガン(噴射部)
50 排出パイプ(排出部)
60 収容袋(収容部)
74a 作動スイッチ
100 サンドブラスト装置(ブラスト装置;研掃装置)
P 研磨材(粉粒体;研掃体;ブラスト体)
W ワーク(被処理物)
Claims (10)
- 研磨材等の研掃体に所定のエネルギーを付与するための研掃体駆動源と、エネルギー付与された研掃体を密閉状の容器内において被処理物の主表面に噴射させ衝突させるための噴射部と、噴射された研掃体を前記容器外に吸引し排出するための排出部とを有し、前記容器内で被処理物の主表面を研掃処理するブラスト装置であって、
前記研掃体駆動源で発生した流体が2つの系統に分岐され、
そのうちの一方の系統では、前記噴射部から流出する際に生ずる負圧により吸引した研掃体を加速して、被処理物の主表面に噴射・衝突させるための圧送流体として流通し、
他方の系統では、前記排出部を通過する際に生ずる負圧により前記容器内を大気圧以下に維持し、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する研掃体を主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に吸引・排出させるための吸引流体として流通することを特徴とするブラスト装置。 - 研掃体としての粉粒体を貯留するための貯留部と、粉粒体に所定のエネルギーを付与するための研掃体駆動源としての気体圧発生源と、エネルギー付与された粉粒体を密閉状の容器内において被処理物の主表面に噴射させ衝突させるための噴射部と、噴射された粉粒体を前記容器外に吸引し排出するための排出部と、その排出部から排出された粉粒体を収容するための収容部とを有し、前記容器内で被処理物の主表面を研掃処理するブラスト装置であって、
前記気体圧発生源で発生した気体が2つの系統に分岐され、
そのうちの一方の系統では、前記噴射部から流出する際に生ずる負圧により吸引した粉粒体を加速して、被処理物の主表面に噴射・衝突させた後前記貯留部に回収・再利用させるための圧送気体として流通し、
他方の系統では、前記排出部を通過する際に生ずる負圧により前記容器内を大気圧以下に維持し、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する粉粒体を主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に吸引・排出させ、前記収容部に収容するための吸引気体として流通することを特徴とするブラスト装置。 - 前記容器は、角筒状を呈し、隣接する2つの側面に作業者が左右の腕又は手を挿入するための作業孔をそれぞれ有する請求項1又は2に記載のブラスト装置。
- 前記作業孔の少なくともいずれかは、その属する側面の左右幅方向中央位置よりも他の隣接する側面から遠ざかる方向に偏って位置している請求項3に記載のブラスト装置。
- 前記作業孔の少なくともいずれかに隣接して、作業者の腕又は手によってON・OFF操作される作動スイッチが設置されている請求項3又は4に記載のブラスト装置。
- 前記作動スイッチは、作業者の腕又は手が前記作業孔から前記容器内に挿入されたときにON操作されて、前記研掃体駆動源と前記噴射部と前記排出部とを同時に作動させる請求項5に記載のブラスト装置。
- 前記貯留部には、その貯留部に堆積する粉粒体のブリッジ現象を防止するために、前記気体圧発生源で発生した気体を導入して気泡を発生させる気泡発生部が設けられている請求項2に記載のブラスト装置。
- 前記気泡発生部は、前記2つの系統の分岐点よりも上流側で前記気体圧発生源に接続されている請求項7に記載のブラスト装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載されたブラスト装置を用いて、被処理物の主表面を研掃処理するためのブラスト方法であって、
前記研掃体駆動源で発生した流体によって加速された研掃体が、前記容器内において前記噴射部から被処理物の主表面に噴射されて衝突し主表面を剥離除去する一方、
前記研掃体駆動源で発生した流体によって前記容器内が大気圧以下に維持され、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する研掃体が、主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に排出されることを特徴とするブラスト方法。 - 請求項2ないし8のいずれか1項に記載されたブラスト装置を用いて、被処理物の主表面を研掃処理するためのブラスト方法であって、
前記気体圧発生源で発生した気体によって加速された粉粒体が、前記容器内において前記噴射部から被処理物の主表面に噴射されて衝突し主表面を剥離除去した後前記貯留部に回収され再利用される一方、
前記気体圧発生源で発生した気体によって前記容器内が大気圧以下に維持され、被処理物の主表面を研掃処理後に前記容器内に浮遊する粉粒体が、主表面から剥離除去された浮遊塵埃とともに前記排出部から前記容器外に排出され、前記収容部に収容されることを特徴とするブラスト方法。
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