JP2513915B2 - ブラスト加工における帯電防止方法および装置 - Google Patents

ブラスト加工における帯電防止方法および装置

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JP2513915B2 JP2201283A JP20128390A JP2513915B2 JP 2513915 B2 JP2513915 B2 JP 2513915B2 JP 2201283 A JP2201283 A JP 2201283A JP 20128390 A JP20128390 A JP 20128390A JP 2513915 B2 JP2513915 B2 JP 2513915B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、ブラスト加工における帯電防止方法及び装
置に関し、高温水蒸気を噴射することによりブラスト加
工後の被加工物の帯電の防止により、被加工物に付着し
た付着物を容易に除去する方法および装置に関する。
【従来技術】
従来のブラスト加工にあっては、ブラスト加工後の被
加工物上に付着する研磨材やその破砕した微粉、被加工
物から発生する研削による粉塵などの付着物を除去する
ために被加工物表面に圧縮空気を吹き付けて、前記付着
物を除去していた。
【発明が解決しようとする課題】
ブラスト加工の際に、ノズルから研磨材が噴射され被
加工物に衝突すると、その衝撃により被加工物や研磨材
などが破砕し、この時粉塵が発生すると同時に研磨材が
被加工物に衝突すると研磨材との接触及び圧接により静
電気が生じる。特にプラスチックの研磨材を使用する
と、静電気の発生は顕著になりこの静電気のために前記
粉塵等が被加工物の表面に吸着して落下しないという事
態が生じる。 この静電気により吸着された粉塵等は、圧縮空気を被
加工物の表面に噴射するのみでは完全に除去することが
できず、また、この静電気のために、圧縮空気の噴射に
より一度被加工物から離れた付着物が再度被加工物に吸
着されてしまい、被加工物の表面を掃除することができ
ない。 そのため、従来のブラスト加工方法にあっては前記圧
縮空気によるエアブローの後、被加工物を水洗浄をして
付着物を完全に除去することが行われているが、前記水
洗浄を行った場合にはその後の乾燥工程が必要となり、
前記エアブロー及び水洗浄の作業処理時間に長時間を要
すること、及び乾燥設備を設置しなければならないとい
う問題点があった。 本発明は、叙上の問題点を解決するために開発された
もので、高温水蒸気をブラスト加工後の被加工物に噴射
することにより、被加工物の帯電を防止することで、被
加工物に付着している研磨材や粉塵等の付着物を容易に
除去できると共に、被加工物に粉塵等が再付着すること
を防止でき、水洗浄することなく被加工物に付着した粉
塵等を除去することができるブラスト加工方法及び装置
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のブラスト加工方
法においては、圧縮空気と共に研磨材をノズルから噴射
するブラスト加工処理槽31内で被加工物Wをブラスト加
工する第1工程と、第2工程において130℃〜160℃の高
温水蒸気を前記ブラスト加工処理槽31内に臨むノズル50
又はブラスト加工処理槽31内に連設したアフタブロー処
理槽21内のノズル50に供給し、この高温水蒸気を噴射圧
力3〜5kg/cm2で前記ノズル50を介して第1工程でブラ
スト加工された被加工物Wに噴射し、第1工程のブラス
ト加工による被加工物の帯電を防止すると共に、ブラス
ト加工後の被加工物W表面に前記高温水蒸気を瞬間的に
接触せしめて被加工物に付着した帯電付着物を除去し、
この第2工程を第1工程に連続して行うことを特徴とす
る。 また、本発明にかかるブラスト加工装置は、圧縮空気
と共に研磨材をノズルから噴射するブラスト加工装置に
おいて、130℃〜160℃の高温水蒸気供給源12を設け、さ
らにこの高温水蒸気供給源12をブラスト加工直後の被加
工物Wに噴射圧力3〜5kg/cm2で噴射し、ブラスト加工
後の被加工物Wの帯電を防止すると共に帯電付着物を除
去するノズル50に連通する高温水蒸気供給系11設けると
共に、前記ノズル50は、前記高温水蒸気供給源12を被加
工物Wにブラスト加工するブラスト加工処理槽31内に設
けたノズル50又はブラスト加工処理槽31に連設したアフ
タブロー処理槽21内のノズル50であることを特徴とす
る。
【作用】
ブラスト加工を行うと、被加工物と研磨材との衝突に
より静電気が発生し、この静電気により被加工物の表面
に粉塵等が付着しようとするが、高温の水蒸気供給源に
より給送された高温水蒸気をノズルを介して被加工物に
吹き付けると、被加工物の帯電が防止され、被加工物上
に付着する研磨材及び粉塵は、この高温水蒸気の噴射圧
力によって容易に吹き飛ばされる。また、高温水蒸気の
分により帯電が防止された被加工物から離反して空中に
浮遊する研磨材及び粉塵は、再び被加工物に吸着される
ことなく落下する。しかも、高温水蒸気は被加工物に吹
き付けられても被加工物表面に瞬間的に接触して結露す
るほど温度が低下しないため被加工物の表面は極めて短
時間で自然乾燥する。
【実施例】
第1実施例について第1図を参照して説明すると、10
は本願のブラスト加工装置を示し、ブラスト加工処理槽
たるキャビネット31を備えた既知のブラスト加工装置30
に図示せざるボイラーを備える高温の水蒸気供給源12を
設けると共に、前記ブラスト加工装置30でブラスト加工
を施した被加工物Wをアフタブローするためのノズル50
を前記キャビネット31内に設け、該ノズル50に前記水蒸
気供給源12の高温の水蒸気を供給する高温水蒸気供給系
11を連通している。 ブラスト加工装置30は、被加工物Wを収容してサンド
ブラスト処理を行うための作業口を備えるブラスト加工
処理槽たるキャビネット31を備え、このキャビネット31
内にはサンド等の研磨材を噴出するノズル32が設けら
れ、このノズル32には弁14cを介して管44aを連結し、こ
の管44aは弁14aを介して図示せざる圧縮機に連通してお
り、この圧縮機から例えば4〜5Kg/cm2の圧力の圧縮空
気が供給される。キャビネット31の上方には研磨材回収
用のタンク33が設けられ、このタンク33の下端が管41を
介して前記ノズル32に連通される。タンク33内の研磨材
36は重力あるいは所定の圧力を受けてタンク33から落下
し、前記管44aよりノズル32へ導かれた圧縮空気により
キャビネット31内へ噴射される。 キャビネット31の下端とタンク33の上方側面とは管43
によって連通され、キャビネット31内底部に落下した研
磨材、及びブラスト加工、研磨材から生じた粉塵をキャ
ビネット31内の気流によってタンク33内へ回収するよう
構成されている。また、タンク33の上端には管42の一端
が連通し、この管42の他端がダストコレクタ34に連動す
る。このダストコレクタ34には前記タンク33内に回収さ
れた粉塵37がタック内の気流によって管42を介して導か
れてダストコレクタ34の底部に集積され、清浄な空気が
ダストコレクタ34の上部に設けられた排風機から放出さ
れる。35は出入口で、キャビネット31内への被加工物W
の投入、取出しを行う。 なお、サンドブラスト装置30の構造は、上記のものに
限らず、例えば、前記キャビネットを持たず、圧縮空気
をタンク及びノズルの双方に供給して、タンク内の研磨
材を直接加工すると共に、この加圧によりタンクから落
下した研磨材を圧縮空気と共にノズルから噴射して装置
の外部で被加工物の表面処理を行うもの、その他歯科技
工用のサンドブラスト装置の如くコンパクトなものなど
種々の構成を採用することができる。 そして、本願の第1実施例のブラスト加工装置10は、
上記の既知のブラスト加工装置30のキャビネット31内に
エアブロー用のノズル13を設け、該ノズル13には、ブラ
スト加工と同じ圧縮空気供給源である圧縮機からの圧縮
空気、例えば圧力4〜5Kg/cm2の圧縮空気を供給するた
めの管17を弁14bを介して管44bに連通する。 アフタブロー用ノズル50は水蒸気供給源12の例えば3
〜5Kg/cm2に加圧された高温水蒸気、例えば約130℃〜16
0℃の水蒸気を供給する管16を弁15を介して連通してい
る。弁15を開放すると、前記約130℃〜160℃の高温水蒸
気がノズル50を介して被加工物Wに噴射されるように構
成している。 さらに、第3図(A)において、ブラスト加工用の管
44cに設けた弁14cと高温水蒸気系11の管16に設けた弁15
は互いに連動して一方が開放しているとき他方が閉鎖す
るように切換わるように構成しても良い。さらにブラス
ト加工用の管44cとエアブロー用の管44bの分岐点より圧
縮空気供給方向上流側の管44aには弁14aを設けてこれら
の配管系の圧縮空気の流量、圧力を調整できるようにし
ている。 尚、前記エアブロー用ノズル13及びこれに連通する配
管系44aは必須のものではない。 以上のように構成したブラスト加工装置10のキャビネ
ット31内へ被加工物Wを出入口35から投入した後、キャ
ビネット31内に設けられたノズル32には図示せざる圧縮
機から管44cおよび弁14cを介して圧縮空気が供給され、
この圧縮空気の吸引力を受けてタンク33底部から供給さ
れた研磨材36が管41を介してノズル32に導かれ、このノ
ズル32から圧縮空気と共に被加工物Wに向けて噴射され
る。ノズル32から噴射された研磨材が被加工物Wに衝突
すると、その衝撃により被加工物Wや研磨材等が破砕
し、この時粉塵が発生すると同時に研磨材と被加工物W
との摩擦や圧接により静電気が発生する。特にプラスチ
ック製の研磨材及び又は被加工物の場合では静電気の発
生が顕著となり、この静電気のため前記粉塵は被加工物
Wの表面に強固に付着する。 以上のブラスト加工終了後、管16の弁15及び管44cの
弁14cを切り換えると、すなわちブラスト加工用の管44c
に設けた弁14cを閉鎖し、高温水蒸気供給源11の管16に
設けた弁15を開放すると高温水蒸気が弁15を介して管16
に供給され、水蒸気供給源12から弁15を介して管16内に
供給された130℃〜160℃の高温水蒸気が、ノズル50に導
かれ、このノズル50から被加工物Wの表面に向けて噴射
される。すると、静電気をおびて被加工物Wの表面に付
着している粉塵及び被加工物は高温水蒸気によって帯電
が防止されると同時に帯電付着物が高温水蒸気の噴射圧
力により被加工物Wの表面より吹き飛ばされて、帯電付
着物が被加工物Wから離反して中空に浮遊する。この
際、粉塵及び被加工物は帯電していないので、再び被加
工物Wに付着することなく下方へ落下し、被加工物Wの
付着物を完全に除去することができる。 しかも、高温水蒸気は被加工物Wの表面に圧力3〜5K
g/cm2で吹き付けられて、被加工物Wの表面に瞬間的に
接触して空中へ離反するので、130℃〜160℃の水蒸気は
結露するほど温度が低下せず、被加工物Wの表面は極め
て短時間で自然乾燥し、錆等の原因となる被加工物の濡
れを生じない。 加工条件又は被加工物及び又は研磨材の種類によっ
て、アフタブロー前後においてエアブロー用ノズル13か
らの圧縮空気噴射が有効な場合には、このエアブローを
行っても良い。すなわち、管44bの弁14bを適宜開くこと
によりエアブローを行う。 また、第3図(B)に示すようにブラスト加工用のノ
ズル32をアフタブロー用のノズル50と兼用し、かつ研磨
材を供給する管41に弁18を設け、さらに前記ノズル32
(50)に水蒸気供給源12の高温水蒸気を供給する管16を
弁15を介して連通することもできる。 この場合、弁15を閉鎖し、弁18を開放すると共に、弁
14を開放して圧縮空気を送給してブラスト加工を行うこ
とができ、このブラスト加工処理後、弁18及び弁14を閉
鎖し、弁15を開放することにより高温水蒸気を被加工物
Wに噴射し、アフタブロー処理をすることができる。 次に、第2実施例について第2図を参照して第1実施
例と同様の部分は省略して説明すると、本願のブラスト
加工装置10を構成する既知のブラスト加工装置30は第1
実施例と同様の装置を示しており、ブラスト加工処理槽
たるキャビネット31に、ブラスト加工した被加工物Wの
帯電付着物を除去するアフタブロー処理槽21を連設し、
両処理槽31,21は連通口22により連通しており、該連通
口22を開閉可能な扉23で閉鎖している。そして、アフタ
ブロー処理槽21内にアフタブロー用のノズル50を備え、
該ノズル50に第1実施例と同様の高温水蒸気供給系11を
連通している。なお、ブラスト加工用の管44cに設けた
弁14cと高温水蒸気供給系11の管16に設けた弁15は、そ
れぞれ独立して随時作動するように設けられている。な
ぜならアフタブロー処理槽21内で被加工物Wにアフタブ
ローしている間に、キャビネット31内では他の被加工物
Wをブラスト加工できるようにするためである。 以上の第2実施例におけるブラスト加工装置10におい
て、まず、被加工物Wがブラスト加工装置30のキャビネ
ット31内に投入されてブラスト加工された後、被加工物
Wは扉23が開放された連通口22を通過してアフタブロー
処理槽21内へ搬入され、連通口22は扉23によって閉鎖さ
れ、この間、キャビネット31の出入口35からは他の被加
工物W′が投入されている。次いで、管44aの弁14aを開
放し、キャビネット31内に投入された被加工物W′及び
アフタブロー処理槽21内に投入されたブラスト加工完了
後の被加工物Wに対して、それぞれ、弁14c,15を操作し
て加工及びアフタブローの作業がそれぞれ開始される。
なお、アフタブロー処理槽21内でのアフタブローは第1
実施例のアフタブローと同様に行われるので説明を省略
する。
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、ブラスト加工処理槽
内で被加工物をブラスト加工した後、高温水蒸気を前記
ブラスト加工処理槽内に臨むノズル又はブラスト加工処
理槽に連設したアフタブロー処理槽内のノズルに給送
し、この高温水蒸気を前記ノズルを介して前記被加工物
に噴射し、被加工物に付着した帯電付着物を除去するよ
うにしたので、従来技術における水洗浄及び乾燥工程を
省略して、ブラスト加工後のアフタブローで、被加工物
の帯電防止を行うことができ、被加工物上に付着する研
磨材や粉塵の除去を容易に行え、しかも被加工物に再度
粉塵が付着することを防止することができるブラスト加
工における帯電防止方法を提供することができた。 さらに、ブラスト加工装置として、高温の水蒸気供給
源を設けると共に、該水蒸気を前記ノズルに供給する高
温水蒸気供給系を、被加工物をブラストするブラスト加
工処理槽内に設けたノズル又は前記ブラスト加工処理槽
に連設したアフタブロー処理槽内のノズルに連結したの
で、既知のブラスト加工装置のブラスト加工処理槽又は
これに連設したアフタブロー処理槽内に連通する高温の
水蒸気供給系を設置するだけで被加工物の帯電防止を行
うことができ、被加工物上に付着する研磨材及び粉塵を
容易に除去できる、上記ブラスト加工における帯電防止
方法と同様の効果を有する簡単な帯電防止装置を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示すブラスト加工装置の
全体図、第2図は本発明の第2実施例を示す装置の全体
図、第3図(A)および同図(B)は本発明の装置の配
管系統図を示すものである。 10……ブラスト加工装置,11……高温水蒸気供給系,12…
…水蒸気供給源,13……ノズル,14,15……弁,16,17……
管,21……アフタブロー処理槽,22……連通口,23……扉,
30……ブラスト加工装置,31……キャビネット,32……ノ
ズル,33……タンク,34……ダストコレクタ,35……出入
口,36……研磨材,37……粉塵,41,42,43,44a,b,c……管,
50……ノズル,

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮空気と共に研磨材をノズルから噴射す
    るブラスト加工処理槽内で被加工物をブラスト加工する
    第1工程と、第2工程において130℃〜160℃の高温水蒸
    気を前記ブラスト加工処理槽内に臨むノズル又はブラス
    ト加工処理槽内に連設したアフタブロー処理槽内のノズ
    ルに供給し、この高温水蒸気を噴射圧力3〜5kg/cm2
    前記ノズルを介して第1工程でブラスト加工された被加
    工物に噴射し、第1工程のブラスト加工による被加工物
    の帯電を防止すると共に、ブラスト加工後の被加工物表
    面に前記高温水蒸気を瞬間的に接触せしめて被加工物に
    付着した帯電付着物を除去し、この第2工程を、前記第
    1工程に連続して行うことを特徴とするブラスト加工に
    おける帯電防止方法。
  2. 【請求項2】圧縮空気と共に研磨材をノズルから噴射す
    るブラスト加工装置において、130℃〜160℃の高温水蒸
    気供給源を設け、さらにこの高温水蒸気供給源をブラス
    ト加工直後の被加工物に噴射圧力3〜5kg/cm2で噴射し
    ブラスト加工後の被加工物の帯電を防止すると共に帯電
    付着物を除去するノズルに連通する高温水蒸気供給系を
    設けると共に、前記ノズルは前記高温水蒸気供給源を被
    加工物にブラスト加工するブラスト加工処理槽内に設け
    たノズル又はブラスト加工処理槽に連設したアフタブロ
    ー処理槽内のノズルであることを特徴とするブラスト加
    工における帯電防止装置。
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