JP2005066402A - ブレード洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレードに付着した付着物を確実に除去することができ、バリアリブ状物を高精度かつ高効率に形成できることが可能になること。
【解決手段】ブレード洗浄装置10は、振動洗浄機構11とブラシ12とを備える。振動洗浄機構11は、ブレード55が洗浄槽14内に入れられたとき、超音波発振器16によって超音波振動子15が駆動されることで超音波振動子15が洗浄槽14内の洗浄液17に超音波振動を付与し、ブレード55に付着しているペーストやその以外の異物からなる付着物を洗浄する。ブラシ12は、それぞれが線状体をなしており、その基部がローラ18の周囲に植設されて先端が外方を向くようになっている。
【選択図】 図3
【解決手段】ブレード洗浄装置10は、振動洗浄機構11とブラシ12とを備える。振動洗浄機構11は、ブレード55が洗浄槽14内に入れられたとき、超音波発振器16によって超音波振動子15が駆動されることで超音波振動子15が洗浄槽14内の洗浄液17に超音波振動を付与し、ブレード55に付着しているペーストやその以外の異物からなる付着物を洗浄する。ブラシ12は、それぞれが線状体をなしており、その基部がローラ18の周囲に植設されて先端が外方を向くようになっている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ブレード洗浄装置に係り、さらに詳しくは、PDP(Plasma Display Panel)に使用される基板にバリアリブ状物を形成するバリアリブ状物製造装置において、基板上に設けられたペースト膜を掻くことで、ペースト膜からバリアリブ状物を形成するブレードを洗浄する洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPに使用される基板にバリアリブ状物を製造する製造装置として、例えば、図5に示す構成のものが提案されている。
このバリアリブ状物の製造装置51は、基台52と、基台52の上方に設けられ、水平方向(AB方向)に移動可能な移動ヘッド53と、移動ヘッド53に設けられたエアシリンダ57と、エアシリンダ57に支持されたブレードホルダ54と、このブレードホルダ54に保持されたブレード55とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
基台52は、その上面が水平面に形成され、この上面に基板70が配置されている。この基板70の表面には、セラミックペーストが膜状に塗布されてなるペースト膜71が形成されている。このセラミックペーストは、樹脂及び溶剤に、ガラス粉末、若しくはガラス・セラミック混合粉末を混練したものである。
【0004】
移動ヘッド53は、基台52の支柱52aに回転可能に取り付けられた一対のスクリューシャフト56に連結されており、このスクリューシャフト56が回転することによりAB方向に移動するようになっている。移動ヘッド53には左右一対のエアシリンダ57が設けられており、このエアシリンダ57のロッド57aの下端部にブレードホルダ54が支持されている。
【0005】
ブレードホルダ54は、エアタンク58からエア圧調整装置59に供給された圧縮空気が所定のエア圧になるように調整された後、この調整された圧縮空気がエアシリンダ57に供給されて、所定の速度、駆動力で垂直方向(CD方向)に移動可能とされている。このブレードホルダ54の下部には、ブレード55を保持するためのスリット54aが移動ヘッド53の移動方向に直交する方向(EF方向)に形成されている。
【0006】
ブレード55は、金属、セラミック若しくは樹脂等により板状に形成され、その下端部には複数のくし歯55aが形成されている。また、このブレード55は、その上端部をブレードホルダ54のスリット54aに挿入することによりブレードホルダ54に保持され、その下端部が基台52及び基板70の表面に対して水平になるように配置されている。
【0007】
以上のように構成されたバリアリブ状物の製造装置51においては、図6に示すように、ブレード55が基台70に対して相対的に水平方向に移動しつつ、くし歯55aがペースト膜71を掻くことにより、基板70の表面にくし歯55aに対応する形状のバリアリブ状物72がブレード55の移動方向に沿って形成される。この際、くし歯55aに当接する部分のペースト膜71は、くし歯55aにより掻きとられ(以下、このペーストを「ペースト73」という)、くし歯55a同士の間の隙間に回り込み、この隙間を通過することになる。
従って、バリアリブ状物72は、くし歯55a同士の間の隙間に回り込んだペースト膜73と、くし歯55a間の隙間に当初から位置していたペースト膜71とにより形成されることになる。
【0008】
【特許文献1】
特許第3346356号公報(第6−7頁、図1−図7)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のバリアリブ状物の製造装置においては、上述したように、バリアリブ状物を形成する際、くし歯により掻かれたペースト膜の一部(ペースト)が、くし歯により掻きとられ、ブレードに付着する。この時、バリアリブ状物を形成する間隔が長期間空く場合、付着したペーストを除去せずに新たにバリアリブ状物を形成しようとすると、形成方向の始端部よりバリアリブ状物が倒れ、基板から剥離、またはバリアリブ状物同士が密着する等の乱れを生じるという問題があった。また、加工時若しくは輸送時に付着する異物を除去していない、新規なブレードを用いてバリアリブ状物を形成しようとする場合にも、上記と同様な問題があった。
【0010】
そして、現在、ブレードに付着したペースト若しくは異物を除去する装置としては、有効、かつ適切なものが提供されていないのが実情である。
【0011】
この発明は、このような事情を考慮してなされた装置で、その目的は、バリアリブ状物製造装置のブレードに付着したペースト若しくは異物を、短時間に、かつ確実に除去することができ、前記ブレードを用いることにより、バリアリブ状物を高精度かつ乱れなく形成することが可能となるブレード洗浄装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、基板上に設けられたペースト膜を掻き、該ペースト膜からバリアリブ状物を形成するバリアリブ状物製造装置のブレードを洗浄液により洗浄するためのブレード洗浄装置であって、前記ブレードの洗浄液に超音波振動を付与し、前記ブレードに付着している付着物を除去する振動洗浄手段と、前記ブレードと接触して前記付着物を除去するブラシとを備えてなることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、洗浄液に超音波振動が付与されているので、洗浄液がブレードに付着しているペーストやそれ以外の異物を除去することができ、またブラシがブレードに接触することでブラシに付着している付着物を除去することができ、従って、洗浄液が超音波振動によってブレードの付着物を除去し、またブラシがブレードと接触して付着物を掻き取るので、ブレードの付着物を良好に除去することができ、良好な洗浄を実現することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のブレード洗浄装置において、前記ブラシは、軸周りに回転するローラの表面に植設されており、各々の先端が先細形状に形成されていることを特徴とする。
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、ブラシの先端が先細形状に形成され、その先端がブレードのくし歯の隙間に確実に入り込むので、くし歯の隙間に付着している付着物を掻き取ることができ、従って、くし歯間の隙間のような隘路に存在している付着物でも良好に除去することができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のブレード洗浄装置において、前記ブレードに対してエアを吹きかけて前記付着物を除去するエア洗浄機構を備えていることを特徴とする。
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、エア洗浄機構によってエアをブレードに吹きかけるので、ブレードに残存している付着物を除去することができるばかりでなく、ブレードを乾燥させることもできる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか記載のブレード洗浄装置において、前記洗浄液を貯留する洗浄槽と、該洗浄槽内の洗浄液を浄化する洗浄液浄化機構と、前記ブラシを軸周りに回転させる駆動機構と、前記ブレードを洗浄液に対して進退移動させる移動機構とを備えることを特徴とする。
【0017】
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、洗浄槽と洗浄液浄化機構と駆動機構と移動機構とを備えているので、ブレードを洗浄槽に自動的に出し入れすることができ、ブレードの洗浄の自動化を実現することができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項4記載のブレード洗浄装置において、前記洗浄液浄化機構は、前記洗浄槽から洗浄液を取出す一方、該洗浄液を洗浄槽に戻す給排配管と、該給排配管の途中経路に設けられた濾過器とを有していることを特徴とする。
【0019】
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、洗浄液浄化機構が給排配管と濾過器とを有し、洗浄槽内の洗浄液を浄化するので、洗浄槽内の洗浄液が洗浄を繰り返すにつれて徐々に汚染されるものの、洗浄液の洗浄効率を維持することができるので、ブレードに対する洗浄効率を良好に保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図4はこの発明の一実施の形態に係るブレード洗浄装置を示す図であって、図1はブレード洗浄装置を示す概略平面図、図2は同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の正面図、図3は同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の拡大側面図、図4はブラシを示す説明図である。
図1〜図3に示すブレード洗浄装置10は、図5にて示したブレード55に付着しているペースト71、73やそれ以外の異物からなる付着物を除去するためのものであって、大別すると、振動洗浄機構11と、ブラシ12とを備えている。
なお、ブレード55は、バリアリブ状物製造装置51に着脱可能に取り付けられてあって、基板70上に設けられたペースト膜71を掻くことで、該ペースト膜71からバリアリブ状物72を形成するようになっており(図5参照)、ペースト73などが付着物として付着したとき、前記製造装置51から取り外された後、ブレード洗浄装置10にセットされて洗浄される。
【0021】
そして、ブレード洗浄装置10の振動洗浄機構11は、図2及び図3に示すように、装置筐体13内に設置された洗浄槽14の底部にその長さ方向に沿って複数配設された超音波振動子15と、それら各超音波振動子15を駆動する超音波発振器16とを備え、ブレード55が洗浄槽14内に入れられたとき、超音波発振器16によって超音波振動子15が駆動されることで、超音波振動子15が洗浄槽14内の洗浄液17に超音波振動を付与し、これによって洗浄槽14内のブレード55に付着しているペースト71、73やその以外の異物からなる付着物を洗浄するようになっている。
【0022】
この場合、洗浄槽14内の洗浄液17としては、通常は単に浄化された水若しくは有機溶剤でもよいが、必要によってはブレード55に付着しているペーストや異物をより効果的に洗い落とす洗剤等を混入した水若しくは有機溶剤を使用してもよい。洗剤としては、基板70に設けられるペースト膜71の材質に応じて適宜選定するのが好ましい。
【0023】
ブラシ12は、図3に示すように、洗浄槽14内に回転可能に支持されたローラ18に植設されており、後述する駆動機構20によって軸周りに回転する。このブラシ12は、図4(a)及び(b)に示すように細長い線状体をなしており、その基部がローラ18の周囲に植設されて先端が外方を向くようになっている。ローラ18は、図2に示すように、洗浄槽14の長さ方向に沿って形成された長尺状をなしている。
【0024】
そして、洗浄槽14内にブレード55が入れられたとき、ローラ18が駆動機構20によって駆動されることでブラシ12が軸周りに回転し、これによって、ブラシ12の先端部がブレード55のくし歯55a(図5参照)間の隙間に入り込んでくし歯55a及びその周囲に付着している付着物を掻き落とすようになっている。
【0025】
そのため、ブラシ12は、ブレード55のくし歯55a間に確実に入り込めるような大きさをなしており、本例では、例えば合成樹脂によって長さ10〜30mm程度、太さが0.05〜0.20mm程度の線状体をなしていて、先端部が図4(b)に示すように先端に至るに従って次第に先細となる形状に形成されている。但し、ブラシ12の長さ及び太さは、上記数値に限られるものではなく、ブレード55を構成するくし歯55a間の隙間の長さ、及び幅などによって適宜変更することができる。また、合成樹脂製のブラシ12としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABSなどであるが、それ以外のものであってもよく、要は、ブレード55にキズなどを付けるおそれがなくて、ブレード55に付着している付着物を除去できる線状体のブラシ12であればよい。
【0026】
駆動機構20は、図1及び図3に示すように駆動源としてのモータ21と、該モータ21の出力軸に連結されたロッド22aと、これと平行に設けられたロッド22bと、これら双方22a、22b間に掛け回された伝達体としてのベルト23aと、図2に示すように、ロッド22b及びローラ18間に掛け回されたベルト23bとからなり、モータ21によってロッド22aが駆動されたとき、ベルト23a、ロッド22b及びベルト23bを介してローラ18が回転し、これによってブラシ12が軸周りに回転することでブレード55のくし歯55a間の隙間に付着している付着物を掻き落とすようになっている。
なお、上記ロッド22a、22b及びローラ18は、図示しない軸受部によって回転自在に支承されている。
【0027】
また、このブレード洗浄装置10は、洗浄槽14内の洗浄液を浄化する洗浄液浄化機構24を備えている。該洗浄液浄化機構24は、洗浄槽14の底部に接続された取込み管(配管)25と、該取込み管25の先端に接続されたポンプ26と、取込み管25の途中位置に設けられた濾過器27と、一端がポンプ26の吐出部に接続されると共に、他端が洗浄槽14における前記取込み管25と反対側の他端部に接続された供給管(配管)28とからなっている。そして、洗浄槽14内の洗浄液が汚れたとき、ポンプ26が駆動されることで洗浄槽14内の洗浄液が取り出されて濾過器27によって浄化され、その浄化された洗浄水が供給管28から洗浄槽14内に戻して循環されるようになっている。
【0028】
この場合、ポンプ26は、装置の運転時、常時駆動されるようにしてもよいが、それ以外として、例えば、運転中に定期的に所定時間駆動されるようにしてもよく、或いは洗浄水が予め設定された汚染度を超えたとき、それを洗浄槽14内に設けられたセンサー(図示せず)が検出することで駆動されるようにしてもよい。
なお、図1及び図2に示すように、供給管28の途中位置にはオーバーフロー槽29が設けられる他、浄化槽13内の浄化液を外部に排出させるため、ドレイン弁30を有するドレイン管31が設けられている。
【0029】
更に、このブレード洗浄装置10は、ブレード55を洗浄槽14に対して移動させる移動機構33を備えている。該移動機構33は、図2に示すようにブレード55を着脱可能に保持する保持体34と、この保持体34の両端部をそれぞれ支持する第1アーム35と、第1アーム35と組み付けられる昇降架台36とからなっている。
【0030】
移動機構33は、ブレード55が保持体34に装着された状態において、図示しない駆動源が昇降架台36を駆動すると、昇降架台36と一体的に第1アーム35が降下することで、保持体34及びブレード55が洗浄槽14の洗浄液中に沈降し、ブレード55が図3に示すようにブラシ12と接触するようになっている。その場合、詳細に図示していないが、ブレード55のくし歯55aがブラシ12の先端側と接触するように位置決めされる。そして、図示しない駆動源が取出し方向に昇降架台36を取出し方向に駆動すると、昇降架台36が図2及び図3にて示す鎖線のように第1アーム35と一体的に上昇することで、保持体34及びブレード55が洗浄槽14から上昇するようになっている。
従って、この移動機構33は、ブレード55を着脱可能に保持すると共に、保持したブレード55を洗浄槽14に対して進退移動できるように構成されている。
【0031】
また更に、ブレード洗浄装置10は、ブレード55にエアを吹きかけてブレードを洗浄するエア洗浄機構37を備えている。該エア洗浄機構37は、図3に示すように洗浄槽14内の上部に設置されたノズル38と、該ノズル38に対してエアを供給するブロアー(図示せず)とからなっている。そして、洗浄槽14内でブレード55が洗浄された後、移動機構33によってブレード55が洗浄槽14内の洗浄液17から上昇したとき、ノズル38からブレード55に向かって所定圧のエアを吹きかけることで、ブレード55に残存している付着物を除去すると共に乾燥させるようにもなっている。この場合、移動機構33は、ブレード55に対しノズル38から確実にエアを吹きかけるようにするため、上昇時、一旦停止させることが好ましいが、上昇速度を遅くさせたりしてもよい。
なお、図2及び図3において、符号39は、装置筐体13の底部に設けられた脚部である。
【0032】
この実施形態のブレード洗浄装置10は、上記のように構成されているので、次にその動作について説明する。
バリアリブ状物の製造装置10において、ブレード55に付着物が付着することでブレード55を洗浄する必要が生じると、そのブレード55を作業者が製造装置10から取り外した後、ブレード洗浄装置10に取り付ける。
【0033】
即ち、作業者がブレード55をブレード洗浄装置10における移動機構33の保持体34にセットする。そして、ブレード洗浄装置10をオンして移動機構33を洗浄方向に駆動させることでブレード55が洗浄槽14の洗浄液17中に沈降すると、振動洗浄機構11の超音波振動子15によって洗浄液17に超音波振動が付与されているので、洗浄液17がブレード55に付着しているペースト71,73やそれ以外の異物を除去することができる。
【0034】
上記洗浄時、ブレード55がブラシ12と接触すると共に、ブラシ12が駆動機構20の駆動によって回転されているので、ブラシ12がブレード55を洗浄、つまり、ブラシ12がブレード55のくし歯55aに接触しながら回転することで、ブレード55に付着している付着物を除去することができる。このとき、ブラシ12の先端が先細形状に形成され、その先端がブレード55のくし歯55aの隙間に確実に入り込むので、くし歯55aの隙間に付着している付着物を掻き取ることができ、従って、くし歯55a間の隙間のような隘路に存在している付着物でも良好に除去することができる。
【0035】
即ち、この実施形態によれば、洗浄液17が超音波振動によってブレード55の付着物を除去する一方、ブラシ12がブレード55と接触して付着物を掻き取るので、ブレード55の付着物を良好に除去することができる。しかも、ブレード55が洗浄槽14内に入れられると、洗浄液17に超音波による洗浄と、ブラシ12による洗浄とを同時に行われるので、付着物の除去を、短時間に、かつ確実に行うことができる。
【0036】
このような洗浄液17によるブレード55の洗浄が所定時間行われた後、移動機構33が上昇駆動され、ブレード55が上昇して洗浄槽14内の洗浄液17から出ると、エア洗浄機構37によってノズル38から所定圧のエアがブレード55に吹きかけられるので、ブレード55に残存している付着物を除去することができるばかりでなく、ブレード55を乾燥させることもできる。
【0037】
一方、ブレード洗浄装置10は、洗浄液17を貯留する洗浄槽14と、洗浄槽14内の洗浄液17を浄化する洗浄液浄化機構24と、ブラシ12を植設したローラ18を軸周りに回転させる駆動機構20と、ブレード55を洗浄液17に対して進退移動させる移動機構33とを備えているので、ブレード55を洗浄槽14に自動的に出し入れすることができ、ブレード55の洗浄を自動的に行うことができる。
【0038】
また、このブレード洗浄装置10は、洗浄液浄化機構24を備え、該洗浄液浄化機構24が洗浄槽14から洗浄液17を取出す一方、洗浄液17を洗浄槽14に戻す取込み管25及び供給管28からなる配管と、該配管の途中経路に設けられた濾過器27とを有しているので、洗浄槽14内の洗浄液17を浄化することができる。
そのため、洗浄槽14内の洗浄液17が洗浄を繰り返すにつれて徐々に汚染されるものの、洗浄液浄化機構24によって浄化されるので、洗浄液の洗浄効率を維持することができ、ブレード55に対する洗浄効率を良好に保つことができる。
【0039】
なお、図示実施の形態において、ブレード洗浄装置10が振動洗浄機構11、ブラシ12の他、上述したように洗浄液浄化機構24、駆動機構33、エア洗浄機構37がそれぞれ備えられているが、それら各機構の具体的構成は図示例に限定されるものではなく、要は、初期の機能を得ることができればよいのは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、洗浄液がブレードに付着しているペーストやそれ以外の異物を除去することができ、またブラシがブレードの付着物を除去することができるように構成したので、ブレードの付着物を良好に除去することができ、良好な洗浄を実現することができる結果、ブレードの付着物を、短時間に、かつ確実に除去することができ、ブレードがバリアリブ状物を高精度かつ高効率に形成できることが可能となる効果が得られる。
【0041】
請求項2に係る発明によれば、くし歯の隙間に付着している付着物を掻き取ることができ、従って、くし歯間の隙間のような隘路に存在している付着物でも良好に除去することができる効果が得られる。
【0042】
請求項3に係る発明によれば、エア洗浄機構によってエアをブレードに吹きかけるので、ブレードに残存している付着物を除去することができるばかりでなく、ブレードを乾燥させることもできる効果が得られる。
【0043】
請求項4に係る発明によれば、洗浄槽と洗浄液浄化機構と駆動機構と移動機構とを備えているので、ブレードを洗浄槽に自動的に出し入れすることができ、ブレードの洗浄の自動化を実現できる効果が得られる。
【0044】
請求項5に係る発明によれば、洗浄槽内の洗浄液が洗浄を繰り返すにつれて徐々に汚染されるものの、洗浄液の洗浄効率を維持することができるので、ブレードに対する洗浄効率を良好に保つことができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るブレード洗浄装置を示す概略平面図である。
【図2】同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の正面図である。
【図3】同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の拡大側面図である。
【図4】ブラシを示す図であって、(a)は説明用側面図、(b)は説明用拡大図である。
【図5】バリアリブ状物の製造装置の一例を示す説明用斜視図である。
【図6】図5に示すバリアリブ状物の製造装置において、基板表面に形成されたペースト膜を掻き、バリアリブ状物を形成する際のブレード及びペーストを示す拡大断面図である。
【図7】図5に示すバリアリブ状物の製造装置において、ブレードが掻き取り方向における基板の後端に至り、このブレードを基板表面から上方へ離間させた際の状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ブレード洗浄装置
11 振動洗浄機構
12 ブラシ
20 駆動機構
24 洗浄液浄化機構
25 取込み管(配管)
28 供給管(配管)
27 濾過器
33 移動機構
37 エア洗浄機構
51 バリアリブ状物の製造装置
55 ブレード
55a くし歯
【発明の属する技術分野】
この発明は、ブレード洗浄装置に係り、さらに詳しくは、PDP(Plasma Display Panel)に使用される基板にバリアリブ状物を形成するバリアリブ状物製造装置において、基板上に設けられたペースト膜を掻くことで、ペースト膜からバリアリブ状物を形成するブレードを洗浄する洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDPに使用される基板にバリアリブ状物を製造する製造装置として、例えば、図5に示す構成のものが提案されている。
このバリアリブ状物の製造装置51は、基台52と、基台52の上方に設けられ、水平方向(AB方向)に移動可能な移動ヘッド53と、移動ヘッド53に設けられたエアシリンダ57と、エアシリンダ57に支持されたブレードホルダ54と、このブレードホルダ54に保持されたブレード55とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
基台52は、その上面が水平面に形成され、この上面に基板70が配置されている。この基板70の表面には、セラミックペーストが膜状に塗布されてなるペースト膜71が形成されている。このセラミックペーストは、樹脂及び溶剤に、ガラス粉末、若しくはガラス・セラミック混合粉末を混練したものである。
【0004】
移動ヘッド53は、基台52の支柱52aに回転可能に取り付けられた一対のスクリューシャフト56に連結されており、このスクリューシャフト56が回転することによりAB方向に移動するようになっている。移動ヘッド53には左右一対のエアシリンダ57が設けられており、このエアシリンダ57のロッド57aの下端部にブレードホルダ54が支持されている。
【0005】
ブレードホルダ54は、エアタンク58からエア圧調整装置59に供給された圧縮空気が所定のエア圧になるように調整された後、この調整された圧縮空気がエアシリンダ57に供給されて、所定の速度、駆動力で垂直方向(CD方向)に移動可能とされている。このブレードホルダ54の下部には、ブレード55を保持するためのスリット54aが移動ヘッド53の移動方向に直交する方向(EF方向)に形成されている。
【0006】
ブレード55は、金属、セラミック若しくは樹脂等により板状に形成され、その下端部には複数のくし歯55aが形成されている。また、このブレード55は、その上端部をブレードホルダ54のスリット54aに挿入することによりブレードホルダ54に保持され、その下端部が基台52及び基板70の表面に対して水平になるように配置されている。
【0007】
以上のように構成されたバリアリブ状物の製造装置51においては、図6に示すように、ブレード55が基台70に対して相対的に水平方向に移動しつつ、くし歯55aがペースト膜71を掻くことにより、基板70の表面にくし歯55aに対応する形状のバリアリブ状物72がブレード55の移動方向に沿って形成される。この際、くし歯55aに当接する部分のペースト膜71は、くし歯55aにより掻きとられ(以下、このペーストを「ペースト73」という)、くし歯55a同士の間の隙間に回り込み、この隙間を通過することになる。
従って、バリアリブ状物72は、くし歯55a同士の間の隙間に回り込んだペースト膜73と、くし歯55a間の隙間に当初から位置していたペースト膜71とにより形成されることになる。
【0008】
【特許文献1】
特許第3346356号公報(第6−7頁、図1−図7)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のバリアリブ状物の製造装置においては、上述したように、バリアリブ状物を形成する際、くし歯により掻かれたペースト膜の一部(ペースト)が、くし歯により掻きとられ、ブレードに付着する。この時、バリアリブ状物を形成する間隔が長期間空く場合、付着したペーストを除去せずに新たにバリアリブ状物を形成しようとすると、形成方向の始端部よりバリアリブ状物が倒れ、基板から剥離、またはバリアリブ状物同士が密着する等の乱れを生じるという問題があった。また、加工時若しくは輸送時に付着する異物を除去していない、新規なブレードを用いてバリアリブ状物を形成しようとする場合にも、上記と同様な問題があった。
【0010】
そして、現在、ブレードに付着したペースト若しくは異物を除去する装置としては、有効、かつ適切なものが提供されていないのが実情である。
【0011】
この発明は、このような事情を考慮してなされた装置で、その目的は、バリアリブ状物製造装置のブレードに付着したペースト若しくは異物を、短時間に、かつ確実に除去することができ、前記ブレードを用いることにより、バリアリブ状物を高精度かつ乱れなく形成することが可能となるブレード洗浄装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、基板上に設けられたペースト膜を掻き、該ペースト膜からバリアリブ状物を形成するバリアリブ状物製造装置のブレードを洗浄液により洗浄するためのブレード洗浄装置であって、前記ブレードの洗浄液に超音波振動を付与し、前記ブレードに付着している付着物を除去する振動洗浄手段と、前記ブレードと接触して前記付着物を除去するブラシとを備えてなることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、洗浄液に超音波振動が付与されているので、洗浄液がブレードに付着しているペーストやそれ以外の異物を除去することができ、またブラシがブレードに接触することでブラシに付着している付着物を除去することができ、従って、洗浄液が超音波振動によってブレードの付着物を除去し、またブラシがブレードと接触して付着物を掻き取るので、ブレードの付着物を良好に除去することができ、良好な洗浄を実現することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のブレード洗浄装置において、前記ブラシは、軸周りに回転するローラの表面に植設されており、各々の先端が先細形状に形成されていることを特徴とする。
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、ブラシの先端が先細形状に形成され、その先端がブレードのくし歯の隙間に確実に入り込むので、くし歯の隙間に付着している付着物を掻き取ることができ、従って、くし歯間の隙間のような隘路に存在している付着物でも良好に除去することができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のブレード洗浄装置において、前記ブレードに対してエアを吹きかけて前記付着物を除去するエア洗浄機構を備えていることを特徴とする。
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、エア洗浄機構によってエアをブレードに吹きかけるので、ブレードに残存している付着物を除去することができるばかりでなく、ブレードを乾燥させることもできる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか記載のブレード洗浄装置において、前記洗浄液を貯留する洗浄槽と、該洗浄槽内の洗浄液を浄化する洗浄液浄化機構と、前記ブラシを軸周りに回転させる駆動機構と、前記ブレードを洗浄液に対して進退移動させる移動機構とを備えることを特徴とする。
【0017】
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、洗浄槽と洗浄液浄化機構と駆動機構と移動機構とを備えているので、ブレードを洗浄槽に自動的に出し入れすることができ、ブレードの洗浄の自動化を実現することができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項4記載のブレード洗浄装置において、前記洗浄液浄化機構は、前記洗浄槽から洗浄液を取出す一方、該洗浄液を洗浄槽に戻す給排配管と、該給排配管の途中経路に設けられた濾過器とを有していることを特徴とする。
【0019】
この発明に係るブレード洗浄装置によれば、洗浄液浄化機構が給排配管と濾過器とを有し、洗浄槽内の洗浄液を浄化するので、洗浄槽内の洗浄液が洗浄を繰り返すにつれて徐々に汚染されるものの、洗浄液の洗浄効率を維持することができるので、ブレードに対する洗浄効率を良好に保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図4はこの発明の一実施の形態に係るブレード洗浄装置を示す図であって、図1はブレード洗浄装置を示す概略平面図、図2は同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の正面図、図3は同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の拡大側面図、図4はブラシを示す説明図である。
図1〜図3に示すブレード洗浄装置10は、図5にて示したブレード55に付着しているペースト71、73やそれ以外の異物からなる付着物を除去するためのものであって、大別すると、振動洗浄機構11と、ブラシ12とを備えている。
なお、ブレード55は、バリアリブ状物製造装置51に着脱可能に取り付けられてあって、基板70上に設けられたペースト膜71を掻くことで、該ペースト膜71からバリアリブ状物72を形成するようになっており(図5参照)、ペースト73などが付着物として付着したとき、前記製造装置51から取り外された後、ブレード洗浄装置10にセットされて洗浄される。
【0021】
そして、ブレード洗浄装置10の振動洗浄機構11は、図2及び図3に示すように、装置筐体13内に設置された洗浄槽14の底部にその長さ方向に沿って複数配設された超音波振動子15と、それら各超音波振動子15を駆動する超音波発振器16とを備え、ブレード55が洗浄槽14内に入れられたとき、超音波発振器16によって超音波振動子15が駆動されることで、超音波振動子15が洗浄槽14内の洗浄液17に超音波振動を付与し、これによって洗浄槽14内のブレード55に付着しているペースト71、73やその以外の異物からなる付着物を洗浄するようになっている。
【0022】
この場合、洗浄槽14内の洗浄液17としては、通常は単に浄化された水若しくは有機溶剤でもよいが、必要によってはブレード55に付着しているペーストや異物をより効果的に洗い落とす洗剤等を混入した水若しくは有機溶剤を使用してもよい。洗剤としては、基板70に設けられるペースト膜71の材質に応じて適宜選定するのが好ましい。
【0023】
ブラシ12は、図3に示すように、洗浄槽14内に回転可能に支持されたローラ18に植設されており、後述する駆動機構20によって軸周りに回転する。このブラシ12は、図4(a)及び(b)に示すように細長い線状体をなしており、その基部がローラ18の周囲に植設されて先端が外方を向くようになっている。ローラ18は、図2に示すように、洗浄槽14の長さ方向に沿って形成された長尺状をなしている。
【0024】
そして、洗浄槽14内にブレード55が入れられたとき、ローラ18が駆動機構20によって駆動されることでブラシ12が軸周りに回転し、これによって、ブラシ12の先端部がブレード55のくし歯55a(図5参照)間の隙間に入り込んでくし歯55a及びその周囲に付着している付着物を掻き落とすようになっている。
【0025】
そのため、ブラシ12は、ブレード55のくし歯55a間に確実に入り込めるような大きさをなしており、本例では、例えば合成樹脂によって長さ10〜30mm程度、太さが0.05〜0.20mm程度の線状体をなしていて、先端部が図4(b)に示すように先端に至るに従って次第に先細となる形状に形成されている。但し、ブラシ12の長さ及び太さは、上記数値に限られるものではなく、ブレード55を構成するくし歯55a間の隙間の長さ、及び幅などによって適宜変更することができる。また、合成樹脂製のブラシ12としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABSなどであるが、それ以外のものであってもよく、要は、ブレード55にキズなどを付けるおそれがなくて、ブレード55に付着している付着物を除去できる線状体のブラシ12であればよい。
【0026】
駆動機構20は、図1及び図3に示すように駆動源としてのモータ21と、該モータ21の出力軸に連結されたロッド22aと、これと平行に設けられたロッド22bと、これら双方22a、22b間に掛け回された伝達体としてのベルト23aと、図2に示すように、ロッド22b及びローラ18間に掛け回されたベルト23bとからなり、モータ21によってロッド22aが駆動されたとき、ベルト23a、ロッド22b及びベルト23bを介してローラ18が回転し、これによってブラシ12が軸周りに回転することでブレード55のくし歯55a間の隙間に付着している付着物を掻き落とすようになっている。
なお、上記ロッド22a、22b及びローラ18は、図示しない軸受部によって回転自在に支承されている。
【0027】
また、このブレード洗浄装置10は、洗浄槽14内の洗浄液を浄化する洗浄液浄化機構24を備えている。該洗浄液浄化機構24は、洗浄槽14の底部に接続された取込み管(配管)25と、該取込み管25の先端に接続されたポンプ26と、取込み管25の途中位置に設けられた濾過器27と、一端がポンプ26の吐出部に接続されると共に、他端が洗浄槽14における前記取込み管25と反対側の他端部に接続された供給管(配管)28とからなっている。そして、洗浄槽14内の洗浄液が汚れたとき、ポンプ26が駆動されることで洗浄槽14内の洗浄液が取り出されて濾過器27によって浄化され、その浄化された洗浄水が供給管28から洗浄槽14内に戻して循環されるようになっている。
【0028】
この場合、ポンプ26は、装置の運転時、常時駆動されるようにしてもよいが、それ以外として、例えば、運転中に定期的に所定時間駆動されるようにしてもよく、或いは洗浄水が予め設定された汚染度を超えたとき、それを洗浄槽14内に設けられたセンサー(図示せず)が検出することで駆動されるようにしてもよい。
なお、図1及び図2に示すように、供給管28の途中位置にはオーバーフロー槽29が設けられる他、浄化槽13内の浄化液を外部に排出させるため、ドレイン弁30を有するドレイン管31が設けられている。
【0029】
更に、このブレード洗浄装置10は、ブレード55を洗浄槽14に対して移動させる移動機構33を備えている。該移動機構33は、図2に示すようにブレード55を着脱可能に保持する保持体34と、この保持体34の両端部をそれぞれ支持する第1アーム35と、第1アーム35と組み付けられる昇降架台36とからなっている。
【0030】
移動機構33は、ブレード55が保持体34に装着された状態において、図示しない駆動源が昇降架台36を駆動すると、昇降架台36と一体的に第1アーム35が降下することで、保持体34及びブレード55が洗浄槽14の洗浄液中に沈降し、ブレード55が図3に示すようにブラシ12と接触するようになっている。その場合、詳細に図示していないが、ブレード55のくし歯55aがブラシ12の先端側と接触するように位置決めされる。そして、図示しない駆動源が取出し方向に昇降架台36を取出し方向に駆動すると、昇降架台36が図2及び図3にて示す鎖線のように第1アーム35と一体的に上昇することで、保持体34及びブレード55が洗浄槽14から上昇するようになっている。
従って、この移動機構33は、ブレード55を着脱可能に保持すると共に、保持したブレード55を洗浄槽14に対して進退移動できるように構成されている。
【0031】
また更に、ブレード洗浄装置10は、ブレード55にエアを吹きかけてブレードを洗浄するエア洗浄機構37を備えている。該エア洗浄機構37は、図3に示すように洗浄槽14内の上部に設置されたノズル38と、該ノズル38に対してエアを供給するブロアー(図示せず)とからなっている。そして、洗浄槽14内でブレード55が洗浄された後、移動機構33によってブレード55が洗浄槽14内の洗浄液17から上昇したとき、ノズル38からブレード55に向かって所定圧のエアを吹きかけることで、ブレード55に残存している付着物を除去すると共に乾燥させるようにもなっている。この場合、移動機構33は、ブレード55に対しノズル38から確実にエアを吹きかけるようにするため、上昇時、一旦停止させることが好ましいが、上昇速度を遅くさせたりしてもよい。
なお、図2及び図3において、符号39は、装置筐体13の底部に設けられた脚部である。
【0032】
この実施形態のブレード洗浄装置10は、上記のように構成されているので、次にその動作について説明する。
バリアリブ状物の製造装置10において、ブレード55に付着物が付着することでブレード55を洗浄する必要が生じると、そのブレード55を作業者が製造装置10から取り外した後、ブレード洗浄装置10に取り付ける。
【0033】
即ち、作業者がブレード55をブレード洗浄装置10における移動機構33の保持体34にセットする。そして、ブレード洗浄装置10をオンして移動機構33を洗浄方向に駆動させることでブレード55が洗浄槽14の洗浄液17中に沈降すると、振動洗浄機構11の超音波振動子15によって洗浄液17に超音波振動が付与されているので、洗浄液17がブレード55に付着しているペースト71,73やそれ以外の異物を除去することができる。
【0034】
上記洗浄時、ブレード55がブラシ12と接触すると共に、ブラシ12が駆動機構20の駆動によって回転されているので、ブラシ12がブレード55を洗浄、つまり、ブラシ12がブレード55のくし歯55aに接触しながら回転することで、ブレード55に付着している付着物を除去することができる。このとき、ブラシ12の先端が先細形状に形成され、その先端がブレード55のくし歯55aの隙間に確実に入り込むので、くし歯55aの隙間に付着している付着物を掻き取ることができ、従って、くし歯55a間の隙間のような隘路に存在している付着物でも良好に除去することができる。
【0035】
即ち、この実施形態によれば、洗浄液17が超音波振動によってブレード55の付着物を除去する一方、ブラシ12がブレード55と接触して付着物を掻き取るので、ブレード55の付着物を良好に除去することができる。しかも、ブレード55が洗浄槽14内に入れられると、洗浄液17に超音波による洗浄と、ブラシ12による洗浄とを同時に行われるので、付着物の除去を、短時間に、かつ確実に行うことができる。
【0036】
このような洗浄液17によるブレード55の洗浄が所定時間行われた後、移動機構33が上昇駆動され、ブレード55が上昇して洗浄槽14内の洗浄液17から出ると、エア洗浄機構37によってノズル38から所定圧のエアがブレード55に吹きかけられるので、ブレード55に残存している付着物を除去することができるばかりでなく、ブレード55を乾燥させることもできる。
【0037】
一方、ブレード洗浄装置10は、洗浄液17を貯留する洗浄槽14と、洗浄槽14内の洗浄液17を浄化する洗浄液浄化機構24と、ブラシ12を植設したローラ18を軸周りに回転させる駆動機構20と、ブレード55を洗浄液17に対して進退移動させる移動機構33とを備えているので、ブレード55を洗浄槽14に自動的に出し入れすることができ、ブレード55の洗浄を自動的に行うことができる。
【0038】
また、このブレード洗浄装置10は、洗浄液浄化機構24を備え、該洗浄液浄化機構24が洗浄槽14から洗浄液17を取出す一方、洗浄液17を洗浄槽14に戻す取込み管25及び供給管28からなる配管と、該配管の途中経路に設けられた濾過器27とを有しているので、洗浄槽14内の洗浄液17を浄化することができる。
そのため、洗浄槽14内の洗浄液17が洗浄を繰り返すにつれて徐々に汚染されるものの、洗浄液浄化機構24によって浄化されるので、洗浄液の洗浄効率を維持することができ、ブレード55に対する洗浄効率を良好に保つことができる。
【0039】
なお、図示実施の形態において、ブレード洗浄装置10が振動洗浄機構11、ブラシ12の他、上述したように洗浄液浄化機構24、駆動機構33、エア洗浄機構37がそれぞれ備えられているが、それら各機構の具体的構成は図示例に限定されるものではなく、要は、初期の機能を得ることができればよいのは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、洗浄液がブレードに付着しているペーストやそれ以外の異物を除去することができ、またブラシがブレードの付着物を除去することができるように構成したので、ブレードの付着物を良好に除去することができ、良好な洗浄を実現することができる結果、ブレードの付着物を、短時間に、かつ確実に除去することができ、ブレードがバリアリブ状物を高精度かつ高効率に形成できることが可能となる効果が得られる。
【0041】
請求項2に係る発明によれば、くし歯の隙間に付着している付着物を掻き取ることができ、従って、くし歯間の隙間のような隘路に存在している付着物でも良好に除去することができる効果が得られる。
【0042】
請求項3に係る発明によれば、エア洗浄機構によってエアをブレードに吹きかけるので、ブレードに残存している付着物を除去することができるばかりでなく、ブレードを乾燥させることもできる効果が得られる。
【0043】
請求項4に係る発明によれば、洗浄槽と洗浄液浄化機構と駆動機構と移動機構とを備えているので、ブレードを洗浄槽に自動的に出し入れすることができ、ブレードの洗浄の自動化を実現できる効果が得られる。
【0044】
請求項5に係る発明によれば、洗浄槽内の洗浄液が洗浄を繰り返すにつれて徐々に汚染されるものの、洗浄液の洗浄効率を維持することができるので、ブレードに対する洗浄効率を良好に保つことができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係るブレード洗浄装置を示す概略平面図である。
【図2】同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の正面図である。
【図3】同じくブレード洗浄装置を示す縦断面の拡大側面図である。
【図4】ブラシを示す図であって、(a)は説明用側面図、(b)は説明用拡大図である。
【図5】バリアリブ状物の製造装置の一例を示す説明用斜視図である。
【図6】図5に示すバリアリブ状物の製造装置において、基板表面に形成されたペースト膜を掻き、バリアリブ状物を形成する際のブレード及びペーストを示す拡大断面図である。
【図7】図5に示すバリアリブ状物の製造装置において、ブレードが掻き取り方向における基板の後端に至り、このブレードを基板表面から上方へ離間させた際の状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ブレード洗浄装置
11 振動洗浄機構
12 ブラシ
20 駆動機構
24 洗浄液浄化機構
25 取込み管(配管)
28 供給管(配管)
27 濾過器
33 移動機構
37 エア洗浄機構
51 バリアリブ状物の製造装置
55 ブレード
55a くし歯
Claims (5)
- 基板上に設けられたペースト膜を掻き、該ペースト膜からバリアリブ状物を形成するバリアリブ状物製造装置のブレードを洗浄液により洗浄するためのブレード洗浄装置であって、
前記ブレードの洗浄液に超音波振動を付与し、前記ブレードに付着している付着物を除去する振動洗浄手段と、
前記ブレードと接触して前記付着物を除去するブラシとを備えてなることを特徴とするブレード洗浄装置。 - 請求項1記載のブレード洗浄装置において、
前記ブラシは、軸周りに回転するローラの表面に植設されており、各々の先端が先細形状に形成されていることを特徴とするブレード洗浄装置。 - 請求項1又は2記載のブレード洗浄装置において、
前記ブレードに対してエアを吹きかけて前記付着物を除去するエア洗浄機構を備えていることを特徴とするブレード洗浄装置。 - 請求項1から3のいずれか記載のブレード洗浄装置において、
前記洗浄液を貯留する洗浄槽と、該洗浄槽内の洗浄液を浄化する洗浄液浄化機構と、前記ブラシを軸周りに回転させる駆動機構と、前記ブレードを洗浄液に対して進退移動させる移動機構とを備えることを特徴とするブレード洗浄装置。 - 請求項4記載のブレード洗浄装置において、
前記洗浄液浄化機構は、前記洗浄槽から洗浄液を取出す一方、該洗浄液を洗浄槽に戻す配管と、該配管の途中経路に設けられた濾過器とを有していることを特徴とするブレード洗浄装置。
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